モフィンクスの冒険~気まぐれメロディ♪~
一歩、二歩、三歩。
モフィンクスのもふっとした前足が行き先を紡げば、気まぐれなやる気が芽を出した。
歩みの種はどのように成長していくのだろう?
今日はどんな出会いがあるのかな?
もふりもふりとゆっくり進むモフィンクスの歩みはぷかぷか浮かぶの雲のよう。
アルダワの迷宮には様々なダンジョンが生まれてくる。
出会った自然豊かなダンジョンに、草木の匂いや陽射しに癒される時もある。
出会った災魔に「モフッ」と挨拶をして、挨拶を返されて。おすすめのお昼寝スポットを教えてもらったりもする。
今回、新しい階層にもふっと踏み込んでみれば『ポロン♪』と、どこか温かみのある弦の音が聴こえてきた。……足元だ。見下ろすモフィンクス。
「モフゥ……?」
迷宮の風景はアルダワらしい光景だ。かみ合った歯車が回る機械的な場所、床は色付のタイル。そのひとつを踏む前足をそっと浮かせるモフィンクスのしぐさは愛くるしい。
抜き足、差し足……『ポンポロロン♪』……忍び足と歩を重ねれば、流麗な琴の音色が響き渡った。
「モフッ♪」
ゆるゆるとした歩みから突然のジャンプ。
『ポーンッ!』と今度は叩かれたピアノの鍵盤のように高らかに。
「モフ、モフ」
リリン、リリリン、シャンシャン♪
歩めば床のタイルたちから色んな音が飛び出してくる。
木琴ようにポンポンと跳ねる軽やかな音。心躍るクリスマスベル。
ボンボンドコドコと体に響くドラムの重低音。
もふもふと体を揺らし足踏み進めば、迷宮内はリズムの良い音が響き合って、さらには音を取り込んだ歯車たちがオルゴールのようなメロディを奏で始めた。
曲に合わせたり合わせなかったり、どんな音が飛び出すか分からない、モフィンクスの気まぐれパーカッション。
「モフー♪ フモッフゥ♪」
即興なる旋律にもふっと体を揺らし、モフィンクスはご機嫌に歩んでゆく。
この時しか聴けない心躍る音色たち。
今日奏でたメロディはモフィンクスの冒険心を育てるもの。
冒険で巡り合うたくさんの刹那はなんだかんだと楽しくって。モフィンクスが見る夢の良い栄養剤となる。
気まぐれにメロディを巡ったあとに見る夢は、どんな夢だろう。
それは眠ってからのお楽しみ……♪
成功
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