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星と雪と湯煙の|白尽くし聖夜《ホワイトクリスマス》

#サムライエンパイア #お祭り2022 #クリスマス

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●忘れたい年、忘れ得ぬ年
 甲斐国にある小藩。年末を迎えたそこで、藩主の前に城の主だった者たちが集められ今年の振り返りが行われていた。
「皆、今年もいよいよ終わりが近い。出来たころから一度も寝正月を過ごさせてやれておらぬのは心苦しく思うが、それでもこの小さき藩があり続けられたのは偏に皆の力あってこそである。とりわけ今年は……」
「殿、それ以上は仰られますな」
 まだ十代であろう若き藩主の声が重くなっていくのを、家老が押しとめる。その家老もまた、固い表情をしていた。
 この小藩は春に猟書家による侵攻を受け、藩主はじめとする重臣たちが皆それによって洗脳され幕府への謀反を企てたことがあった。その事件は猟兵によって防がれ藩主一同もお咎めなしに終わったが、短期間とはいえ暴政を働いた負担は小さな藩にとっては重く、この一年はその取返しに追われる年となっていた。
「すまぬ……だが今年は皆に馳走を振舞ってやることもままならぬ。話に聞く祖父ならば、この様な折には幾人もの遊女を呼び年が明けるまで遊興に耽ったことであろう。やりたいとは思わぬが、出来る甲斐性なき身が情けなきことよ」
 金好きで派手好きで女好きだったという藩主の祖父。その使い方を好むかどうかは別にして、揺らがぬ資金力とそれを築く才覚は純粋に羨ましいと彼は思う。
 やはり大きな事件があった年の暮れ、楽しく騒いで忘れようという気には誰もなれない。
「殿、遊女が呼べぬというならばいっそ我々が一肌……!」
 家老が渾身の冗談をかますも、残念ながら場の空気がより冷え込むばかり。しばし沈黙が支配するその場であったが、藩主がはたと顔を上げる。
「いや待て……その考え、ありやもしれぬぞ」
 まさか、またも藩主様ご乱心かと重臣たちはざわつくが、藩主の目は淀んではいない。
「この藩を真に救ってくれた者、それにまだ我々は報いてはおらぬ。金も力もなきこの藩であるが、それでも降り、湧きだすものはあろう」
 そう言って藩主が立ち上がり窓を開けると、そこに広がるのは一面の銀世界と満天の星。
「今年は彼らを労う側に回ろう。我らの知らぬ遠き所で戦い続ける者……猟兵を」

●新しきを知る年、知った年
「メリークリスマス。今日は休暇のお誘いよ」
 子豚・オーロラ(豚房流剣士・f02440)が集まった猟兵に言う。
「場所はサムライエンパイアの甲斐国、今でいう山梨県よ。そこにある小さな藩から、温泉に入りに来ないかっていうお誘いがあったの」
 山梨県は温泉の多い土地柄である。真偽はともかく、かの武田信玄の隠し湯と呼ばれる秘湯もそこかしこにある。
「その藩は元々そこまで豊かじゃなかった上、今年は猟書家に一時藩を乗っ取られたこともあって忘年会をする余裕もない状態なの」
 サムライエンパイアでは将軍家光の影響でクリスマスが曖昧ながら伝わっているほか、年末ともなれば忘年会の風習もある。この藩も通例ならばささやかながら上下揃いそれに興じている所なのだが、今年はそれもままならない状態だという。
「ただそれでも何かはしたいっていうのと、猟書家から藩を救ってくれたお礼がしたいということで、領内に湧きだす温泉に猟兵をご招待ということみたい」
 心ばかりの、ということだろうが、だが自分たちの宴会すらおぼつかない藩が客をもてなす余裕など果たしてあるのだろうか。
「それと、こうも言ってきてるわね。『この時期は『くりすます』なる宴を催すと耳にしたが、それが何か将軍様に直に効くなどあまりに恐れ多い。後学のためそれに相応しいものを見せてはくれまいか』ってね」
 つまり、クリスマスを教える名目で宴会に必要なものは持ち込んでくれということだ。
「まあ、そのあとすぐに『我が藩には大した備えもない故』ってぶっちゃけられたけどね。だから悪いけど、食べ物関連は基本持ち込みでお願いするわ。一応多少の地酒や果実、乾物くらいなら用意はあるみたいだけど」
 ワイン生産はまだ始まっていないが、『甲州八珍果』などという言葉がある通り甲斐は果物の生産が古来より盛んである。酒のつまみにもなるクルミやギンナン、あるいは保存されている果物も多少は出してくれるだろう。なお贅沢を言っていられるような藩ではないため、食べられるなら洋食や肉食などにもさして抵抗はないようだ。
「その代わりだけど、温泉はなかなかいいものよ。いわゆる美肌や健康に効く奴で、温度も熱いのからぬるいのまで複数。さらにここはちょっと前に大雪があって辺り一面に積もってるんだけど、当日はばっちり快晴。一面の星空が楽しめるわ」
 技術レベルの関係もあり、サムライエンパイアの空は各世界でも美しい部類。それこそ雪の如く降り注がんばかりの星空を湯に入りながら楽しめるという。
「藩の重臣は皆男性ばかりだから、抵抗がある人は水着でも着てちょうだい。元々江戸時代では湯に入る時に浴衣を着るのは普通の事だから、向こうも特に何も言わないわ。もちろん藩には女官もいるから、裸で入りたいけど接待もしてもらいたいという人はそっちに頼んでね」
 江戸時代に政務に当たる者はほとんどが男性だ。それは珍しいことではないし、それ故にこの藩も猟書家にそこを突かれたのだ。
「まあクリスマス感は余りないかもしれないけど、たまにはこういうのもいいんじゃないかしら。もし手が必要なら私が手伝うから、遠慮なく言ってね。それじゃ、ゆっくり楽しんできてね」
 そう言ってオーロラはグリモアを起動し、雪積もり星降る甲斐国への道を開くのであった。


鳴声海矢
 メリークリスマス。鳴声海矢です。今年はサムライエンパイアで温泉クリスマスです。

 場所はサムライエンパイアにある甲斐国の小藩。時間は夜で星を見ながら雪に囲まれた温泉に浸かっていただきます。
 藩は元々小さい上にある事件(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=41556 読む必要はなし)で疲弊しているため余り贅沢なもてなしは出来ません。その代わり色々持ってきて楽しむのは自由です。
 基本的には温泉と星空を楽しむだけの依頼ですが、藩側から建前本音半々で『クリスマスについて教えて』と言われているので、それっぽいものを持ち込んだり忘年会の余興としてやってみたりするとより盛り上がるかもしれません。
 藩主はじめとする重臣たちがもてなしてくれる他、下級武士や領民たちもその辺で楽しむことを許されているのでそちらに混ざるのもあり。もちろん一人や仲間内だけで楽しむのもOKです。

 周囲は雪に囲まれた銀世界ですが、一方で空は晴天、満天の星が広がっています。自然の美しさを堪能しつつ、温泉をお楽しみください。

 お声がけ頂ければオーロラがご同行いたします。絡む相手に困ったときにでもお使いください。

 それでは、プレイングをお待ちしています。
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第1章 日常 『プラネタリウム温泉』

POW   :    温度なんて気にせずに勢い良く飛び込む

SPD   :    景色と温泉を心地よく楽しめる場所をみつける

WIZ   :    星や温泉がより楽しめる知識を披露する

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「此度はよくお越しに。春の件においては誠に世話になった」
 年若き藩主がそう言って一礼し、それに倣い後ろに控える重臣たちも頭を下げる。
 ここはサムライエンパイアの甲斐国。猟兵に藩の危機を救われた藩主たちがその礼として藩内にわく温泉に猟兵たちを招待したのだ。
 折しも先日までの降雪により、あたりは一面の銀世界。地には雪が積もり木々も雪と氷で化粧している。だが今は空は晴れ、頭上には満天の星々が輝き今にも空から降ってきそうな程。
 そしてその下にあるのは、湯煙立てるいくつもの温泉だ。
「猟兵と言うのは我々には思いも及ばぬ戦いを遥か遠き地にて続けていると聞く。何もなき藩なれど天地よりの恵みだけはある故、それにて多少なりと疲れを癒していってもらえればと思う」
 そう言って入浴を促す藩主。その周囲には湯に浸かりながら楽しんでほしいということか多少の酒や果物があるが、宴会を行うには到底足りるような量ではない。
 それを手に取り、藩主は軽く笑う。
「さて、そなたらの活躍する地にはこの時期に行われる『くりすます』なる宴があると聞く。それを持ってそなたらを労いたくもあったが、それが如何なものか我らにはとんと分からぬ。まさか田舎藩の藩主がそのようなことを将軍様に直に聞きに行くわけにもいかぬでな。もし気が向いたら、実例を見せ教えてもらいたい。必要なら毒見役は者たちが承ろう」
 つまるところ豪華な料理の準備もできないから、知らない祭りにかこつけて持ち込みで賄ってほしいということだ。藩主の自嘲気味な笑顔を見るにその意図自体は隠す気はないのだろうし、毒見と言うのも家臣たちにも少しでも異国の馳走を食わせられればということだろう。
 さあ猟兵よ。星降る空の下、雪に囲まれた温泉で、少し変わったクリスマス休暇を楽しもうではないか。
アルミナ・セシール
あら温泉だなんていいわね、私も一つ参加するわよ。

同じ豚房流同士更に交流を深めたかったし折角のチャンス、オーロラさんも呼んで二人で温泉に入るわね

お互い裸の付き合い。湯船に入る前にまずは身体を洗わないと。
それにしてもオーロラさんの見事な乳!私も豚房流を嗜んでるけど鍛練の年月も質も桁違いだって一目見て分かるわ。正直羨ましいし私も少しは近づきたいものね。

身体を綺麗にしたら湯船へ。あー暖まるわね、これは……最高ね……
極楽気分で温泉に浸かりながらオーロラさんと豚房流のことについて話したりしながら時間が過ぎていくわ。

(アドリブ大歓迎です)



 甲斐国にある小藩。そこは今年の春に猟書家による乗っ取りを受け、そして猟兵に助けられていた。その礼をということでその時予知を行ったグリモア猟兵を経由し、藩主らは領内にある温泉へと猟兵を招待していた。
「あら温泉だなんていいわね、私も一つ参加するわよ」
 アルミナ・セシール(豚房流拳術士・f31124)もその話を受け、ここへとやって来た一人である。
「よく来てくれたわね」
 その彼女を出迎えたのは、藩の者たちではなく依頼を紹介したグリモア猟兵子豚・オーロラ。以前より彼女と交流を深めたいと思っていたアルミナは、これを好機と二人きりで温泉に入ることにしたのだ。
 それ故藩からのもてなしは丁寧に遠慮しておき、人のいない小さな湯へとアルミナはオーロラを伴って向かう。
 そうしてやってきたのは、積もった雪に埋もれそうな小さな温泉。泉の周りこそ湯の熱で雪が融け岩肌が露になっているが、少し離れれば周囲の雪が壁のようになり遠くからは入っている者の様子は見えない、豪雪と夜の闇が期せずして作り出した隠し湯のような場所だ。そこで元々どちらも着衣は少ないがそれさえも脱いで全裸となり、二人は入浴前のマナーとしてまずは体を洗いはじまた。
 もちろん全身きちんと洗うのだが、やはり巨大な部位ほど洗うのに時間がかかるということか、二人とも胸を弄り回している時間がどうしても長くなってしまう。
「それにしてもオーロラさんの見事な乳! 私も豚房流を嗜んでるけど鍛練の年月も質も桁違いだって一目見て分かるわ。正直羨ましいし私も少しは近づきたいものね」
 根元から先端に向けて丸洗いしているオーロラの胸を、アルミナはじっと見つめて言う。
「あら、ありがとう。でもあなたの胸も素敵よ。学び始めてから僅かな間でもうすっかり自分のものにしているし、その乳はまだまだ大きくなれそうね」
 各世界に存在する乳房の流派豚房流、その習得者にとっては乳を褒められるのは武を褒められているのに等しい。その乳房を文字通り磨きをかけるように念入りに洗った後、体を流して二人は湯へと体を沈めた。
「あー暖まるわね、これは……最高ね……」
 いくら温泉が傍にあるとはいえ冬の屋外で体を洗ったのだ、当然その体は相当に冷えており、それが一気に湯に包まれ温められて行けばそれはまさに至上の快感と言える。
 しばしその心地よさを純粋に楽しんでいたアルミナだが、体が慣れてくれば話す余裕も生まれ、本来の目的も思い出す。
「そうそう、ご一緒して貰った理由だけど、やっぱり豚房流についていろいろ教えて欲しいのよね」
 世界毎に様々に存在する乳房を用いる格闘家豚房流、その一流派と戦ったことでその技に興味を持ち、ついに自らの技を編み出すに至ったアルミナ。無論ただ習得するだけで満足することはなく、より高みを目指すため鍛錬や他流派との実戦などを貪欲に行っている。そんな彼女だから、猟兵の中の使い手であるオーロラととじっくり語り合えるこの機を逃すつもりはなかった。
「そうね。私もまだまだ極めたというには程遠いけど、私で教えられることなら」
 そう言いながらオーロラは胸を張り、湯に浮いていた巨大な両乳を手で触れることなくさらに持ち上げた。そしてアルミナもそれに応えるように、自分の乳房を触れることなく持ち上げオーロラのそれと向かい合わせにする。
 自在に乳を動かすのは豚房流にとっては基礎中の基礎、アルミナが初めて会った豚房流使いもまるでできて当然と言わんばかりに要求してきた。その時はどうやればいいのか分からず勢いとオーバーロード任せで何とかしたアルミナだが、今や手足と同等以上の強さと精密さを持って動かすことも容易くなっていた。
 そしてまた、豚房流の乳は口以上に雄弁である。オーロラは僅かな言葉と多彩な乳の動きで己の知る豚房流をアルミナに語り、アルミナもまた自らの乳でそれを感じ取っていく。
「ここからは少し複雑な話になるわね。大丈夫?」
「ええ、望むところよ」
 両者とも乳に力を籠め、それを触れ合わせた。そうして早く、細かくオーロラが乳を動かせばその振動がアルミナの乳に伝わり、その言わんとしていることがどんな言葉より正確にアルミナの体に伝わる。アルミナも質問があれば言葉ではなく乳にそれを乗せ動かすことでオーロラに伝え、彼女の乳の奥から答えが溢れてくるのを待つ。
「んっ……そう、さすがね……すごいわ、あん……」
「まだまだっ……もっと、あんっ、知りたいことは、いっぱいよぉ……」
 言葉を交わしながら、胸ではその何倍もの情報がやり取りされている。のぼせるような温度ではないはずの湯の中、顔は赤く体は熱くなっても『話』は止まらず、ただ時間が過ぎていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・同行:【豊饒の使徒】
・アド/絡◎

■行動
おや、此方の藩ですかぁ。
お邪魔させていただきますねぇ。

【豊饒現界】を発動し[料理]を強化、藩主や重臣の方々のお召し上がりになる分も含め、様々なクリスマス料理をご用意し『FTS』に入れてお持ちしますねぇ。
材料の準備は『FFS』を使えば問題有りません。
その際『シュトーレン』や『パネトーネ』等の、保存の効く品を大量にお土産に御用意、領民の皆さんにもお配り頂けましたら。

忘年会後はオーロラさんもお誘いし、温泉でゆっくりさせて頂きますぅ。
メンバーの殆どは未成年ですから酒類は無しとして、水分補給出来る程度の飲物をお持ちし、談笑しつつまったり温泉を堪能しますねぇ。


豊雛院・叶葉
■方針
・同行:【豊饒の使徒】
・アド/絡◎

■行動
確かに、くりすますの習慣は判り辛く御座いますね。
お手伝い致しましょう。

とは言え、私も出自故然程詳しいとは言えませぬ故、【豊饒顕現】にて[料理]を強化、準備の段階では夢ヶ枝様の補佐に回りましょうや。
また、この世界の方に馴染み深い『忘年会料理』も有った方が忘年会も楽しめましょう。
其方は私が料理を決め、夢ヶ枝様に中心となってお作り頂きます。

忘年会の後の温泉も楽しみに御座います。
私共の体型故、広めの場所をお借りしたく思いますが、宜しいでしょうか?
皆様も順調に発育が進んでいる様で、素晴らしきことに御座います。
景色を楽しみつつ、のんびり入浴させて頂きましょう。


鞠丘・麻陽
■方針
・同行:【豊饒の使徒】
・アド/絡◎

■行動
色々と組み合わさって、楽しいことになりそうなんだよ。

それじゃ、私と月麻ちゃんは『飾り』の準備に行くんだよ。
後片付けの事なんかを考えると、しっかりと飾り付けるよりも『それらしい小物を所々に配置する』感じがいいかな、だよ?
リースとか、ミニツリーとか、色々と探してみるんだよ。

忘年会は、皆で藩主さんや重臣の皆さんと同席して、色々と渡したりお話する形になるかな、だよ?
私達は帰ってからゆっくり食べてもいいから、皆さんに食べて貰うつもりで食事量は抑えておくんだよ。

後は、温泉でゆっくりするんだよ。
来年の夏頃には、サイズ調整じゃなくて仕立て直しになりそうかな、だよ?


鞠丘・月麻
■方針
・同行:【豊饒の使徒】
・アド/絡◎

■行動
忘年会兼クリスマス、確かに時期的には丁度良いです。

了解しました、麻陽ちゃんと一緒に『飾り』の準備に行きますね。
確かに、小物を置いて回る形が良さそうです。
出発前に100円ショップ辺りで探すと、色々と見つかりそうですね。
材質等に問題が無く、あの世界に有っても問題が無さそうな物は、藩主さんにお譲りしても良さそうです。

ええ、忘年会は食事は抑える代わり、色々聞かせて頂きましょう。
来られなかった方への御土産は、『現地の通貨で購入する』か『より役に立つ何かとの物々交換』なら問題無いでしょうか?

ええ、温泉ではゆっくりしましょう。
水着の準備、間に合って良かったです。


艶守・娃羽
■方針
・同行:【豊饒の使徒】
・アド/絡◎

■行動
クリスマスに忘年会、温泉と盛りだくさんですわね。

私は、皆さんの衣装の用意を。
全員分の『ミニスカサンタ服』と、御土産用に『普通のサンタ服』も何着か用意しますわ。
サイズ的な都合で、露出高めになるのは何時もの事ですわね。
温泉用に『全員の水着』も有った方が良いかしら?
以前『A&Wの遊園地』で着用した物をサイズ調整、愛彩さんには同じ方針でデザインした新品をお渡ししますわね。

忘年会が終わったら、ゆっくりと温泉に浸かりましょう。
『使徒』の中で最小の私でも、とっくに3桁は超えておりますし、人によっては反応が怖いですから、いらしたのがオーロラさんで助かりましたわね。


甘露島・てこの
■方針
・同行:【豊饒の使徒】
・アド/絡◎

■行動
うん、色々と楽しそうだねぇ。
やってみようかぁ。

それじゃ、私はリュニエさんと一緒に『料理するより買い出した方が良い品』を買いに行くことにするねぇ。
ノンアルコールの、ワイン風のぶどうジュースとかなら問題無く飲めるし、持ち込む量を考えると『クッキー』とかは市販品を買った方が良いよねぇ。
領民の皆さんが楽しんでいる場所も有るみたいだし、そこに纏めて置いてもらうのがいいかなぁ?

うん、忘年会が終わったら温泉だねぇ。
折角だし、オーロラさんに色々と聞いてみてもいいかなぁ?
私達とは違う意味で『豊満さ』を武器に出来るタイプだし、色々と得るものが有るかもしれないからねぇ。


絢潟・瑶暖
■方針
・同行:【豊饒の使徒】
・アド/絡◎

■行動
クリスマスの催しと温泉、楽しみですの。

るこるさんは兎も角、他の私達は直接お助けしたわけでは無い以上、対価位は有った方が良いと思いますの。
私は『小冊子』の様な物を作っておきますの。
使う紙や書式、書体等は、出来るだけサムライエンパイア風に合わせますの。
何冊かご用意して、藩主様に『クリスマス文化の資料』としてお渡しすれば、来年以降忘れていることが有っても大丈夫だと思いますの。

忘年会の後は、温泉でゆっくり出来ますのね。
そういえば、私達は皆水着ですが、オーロラさんはどうされますの?
普段の服装からしますと、水着でも湯浴着でも、或いは裸でも違和感が有りませんの。


リュニエ・グラトネリーア
■方針
・同行:【豊饒の使徒】
・アド/絡◎

■行動
いい意味でごちゃまぜ感が凄いでぇす。
楽しそぉでぇす。

てこのさんと買い出しに行ってくるでぇす。
バーレルの『フライドチキン』とかは、そのまま持ち込める分買ってきた方が良い気がしまぁす。
御土産や忘年会用に持ち込む分は藩の人達にも食べて貰いたいでぇすから、帰った後で食べる分も確保しておきましょぉ。

忘年会が終わった後は、温泉でまったりでぇす。
平均サイズが凄い事になって居る10人で入ると、流石に少し狭く感じまぁすねぇ。
雪でしっかり冷やした飲物を、温泉で暖まりながら飲むのはとても美味しいでぇす。
出た時用の●●牛乳各種も用意しまぁしたので、最後まで楽しみましょぉ。


華表・愛彩
■方針
・同行:【豊饒の使徒】
・アド/絡◎

■行動
こんな世界も有るのね。
本当、知らなかったことが多いわ。

準備、了解です。
それじゃ、瑶暖さんの援護に入るのがいいかしら?
多分、純粋に人手が欲しいでしょうし。
とは言え、読んだだけじゃ判らないことも多いでしょうし、忘年会中に質問されたら答える様にしておくわ。

娃羽さんの用意してくれた水着は、普段の衣装をベースにしたデザインになってるのね。
殆ど違和感なく着られるわ。

さあ、後は温泉を楽しみましょう。
それにしても、『使徒』の皆さんが凄いのは知ってたけど、|初めましての方《オーロラさん》も見事なサイズよね。
ひょっとして、猟兵って総じて、その、こういう体型なのかしら?



 この藩が忘年会もできないほどに疲弊している理由、それはオブリビオン事件によって藩政が一度滅茶苦茶にされたからだ。一方現在では傷跡は濃くともオブリビオンそのものはいなくなっているということは、当然ながら事件解決に当たった猟兵がいるということでもある。
「おや、此方の藩ですかぁ。お邪魔させていただきますねぇ」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は、まさにその一人であった。猟書家に籠絡されその手先となった藩主たちを下級武士たちと共に取り押さえ、元凶を討ったまさにこの藩の救い主である。
「おお、そなたは……あの時は本当に世話になった。礼を形にするのが遅くなり誠に申し訳ない。何もない田舎藩であるが、どうか楽しんでいって欲しい」
 その姿を見つけ、若き藩主は深く頭を下げた。その感謝の意は紛れもない本物なのだが、一方で彼らが無理をしている部分が多少なりとあるのは伝え聞いて知っていること。そしてその無理を、恥を承知で助けてほしいと彼らが望んでいるということも。
「確かに、くりすますの習慣は判り辛く御座いますね。お手伝い致しましょう」
 その意を汲み、豊雛院・叶葉(豊饒の使徒・叶・f05905)が先んじて彼らの要望を口にした。その言葉に、藩主は感謝するように目を向ける。
「おお、そうだ。もし藩が建て直せたら、来年は是非にそれを持って皆を労いたい。是非に我々にも分かるよう指南願いたい」
 恐らくはクリスマスを宴会の一形態だと思っているのだろう、教授の名目で猟兵に飲食物を持ってきてもらいたいのと、本当にいずれは自分たちでクリスマスを開きたいということ。この二つの願いは叶葉自身が昨年はまだクリスマスについて今一つ理解し切っていなかったことと、それでもクリスマスを守り楽しむことができたこと、その経験によってよく理解できるところでもあった。
 しかし当然ながらクリスマスの為にサムライエンパイアで用意できるものは少ない。もちろんそれは各世界を渡る猟兵なら当然承知の上だ。だからるこるや叶葉を含む【豊饒の使徒】たちは、この地に来る前にすでに入念に準備を行っていた。

 時はしばし遡る。

 サムライの世界で温泉に入りながらクリスマスパーティという色々と滅茶苦茶な状況。それを楽しいものにするべく、UDCアースのとある街へと来た豊穣の使徒たち。当然ながらここはここでクリスマスムード全開。探すまでもなくそれに関連した品がそこかしこで売られている。その上で各々何を買うかの分担を決め、使徒たちはそれがありそうなところへと三々五々に散っていった。
「いい意味でごちゃまぜ感が凄いでぇす。楽しそぉでぇす」
「うん、色々と楽しそうだねぇ。やってみようかぁ」
 リュニエ・グラトネリーア(豊饒の使徒・饗・f36929)と甘露島・てこの(豊饒の使徒・甘・f24503)が探すのは、『料理するより買い出した方が良い品』を主体とした食べ物系。場所は山の中の温泉、しかも技術レベルは低めなサムライエンパイアとあっては、例え作り方を教えたとて再現もままならないだろう。だったら現物だけを見せて『こういうのをイメージすればいい』とだけ教えればあとは自分たちでできるもので近いものを作るはずだ。
 幸か不幸か、藩自体の貧しさと訳あり者が集まった新興の藩ということで食べ物に対しての極端な忌避や禁忌はないらしい。
「バーレルの『フライドチキン』とかは、そのまま持ち込める分買ってきた方が良い気がしまぁす」
「ノンアルコールの、ワイン風のぶどうジュースとかなら問題無く飲めるし、持ち込む量を考えると『クッキー』とかは市販品を買った方が良いよねぇ」
 まさにこれという感じの洋食に洋菓子をチョイスし、二人はそれを店ごと買い占めんばかりの量購入していった。
「忘年会兼クリスマス、確かに時期的には丁度良いです」
「色々と組み合わさって、楽しいことになりそうなんだよ」
 鞠丘・月麻(豊饒の使徒・月・f13599)と鞠丘・麻陽(豊饒の使徒・陽・f13598)の担当は『飾り』。飲んで食べるばかりが祭りではない。元々は宗教行事でもあるし、その意味までは伝わらなくとも綺麗な飾りは心を躍らせるものだ。
 ではどんな飾りが相応しいか。まず定番はクリスマスツリー。しかし田舎なのだから巨大な木などいくらでもあるだろうが、一年に一度の祭りの為によく知らない大物を押し付けるのは少々気が引ける。何しろUDCアースのクリスマスツリーですら、一年のうちの95%くらいは物置の隅で埃を被ることがほとんどなのだ。
 それを鑑みて、麻陽が提案する。
「後片付けの事なんかを考えると、しっかりと飾り付けるよりも『それらしい小物を所々に配置する』感じがいいかな、だよ?」
 これならば終わってもその場から撤去して箱に入れてしまえばそう場所も取らない。いくら小さいとはいえ城は城なのだから、それくらい置く場所はあるだろう。
「確かに、小物を置いて回る形が良さそうです」
 月麻もそれに賛成し、二人はそう言った品を見繕うことにした。
 そうして向かった先は100円ショップ。やはり時節柄か、リースやミニツリーなどそう言った小物が所狭しと並べられている。その中から適当に見繕う二人だが、一部は紙や木だけで作られているものを探して確実にキープしておく。
「材質等に問題が無く、あの世界に有っても問題が無さそうな物は、藩主さんにお譲りしても良さそうです」
 せっかくなのだから何かの記念に、あるいは来年使ってもいい。それを考えながら、二人は小物を選んでいった。
「クリスマスに忘年会、温泉と盛りだくさんですわね」
 こちらは単独行動の艶守・娃羽(豊饒の使徒・娃・f22781)。彼女が用意するのは、全員分の衣装だ。
「全員分の『ミニスカサンタ服』と、御土産用に『普通のサンタ服』も何着か用意しますわ。温泉用に『全員の水着』も有った方が良いかしら?」
 体系的に露出が多くなるのはいつもの事。なんなら着れるだけでもありがたいというくらいなのだ。
 そう言う衣装ということで、パーティグッズというより少々特殊性癖寄りの店での購入を余儀なくされてしまうが、幸いというかそこで特にトラブルは起きなかったのは彼女の体型を鑑みればある意味奇跡的とも言えるかもしれない。
 そして水着の方だが、これはほとんどは買う必要もなく用意ができた。
「以前『A&Wの遊園地』で着用した物がありますわね。ただ……」
 夏に同じメンバーで遊びに行ったときに来た各々の普段着をアレンジしたような水着。それを着れば良いだけなのだが、残念ながらそのままというわけにはいかない。何しろ彼女たちは【豊穣の使徒】である。夏から冬という時の流れは、水着が用をなさなくなるには十分すぎる時間なのだ。即ち、全員ともがたった4ヶ月ほどでそのままでは着れないほどにサイズアップしているのだ。
 そこの調整を行いつつ、一つだけ新品を調達する娃羽。その新品は誰のためかというと。
「るこるさんは兎も角、他の私達は直接お助けしたわけでは無い以上、対価位は有った方が良いと思いますの。私は『小冊子』の様な物を作っておきますの」
 直接藩と関わったわけではないのだから、何かしらこちらからも提供する者があった方がいいという絢潟・瑶暖(豊饒の使徒・瑶・f36018)……ではなく、彼女から説明を受けている者。
「こんな世界も有るのね。本当、知らなかったことが多いわ」
 サムライエンパイアという世界の存在、そしてその様相が全くの想像の外だったと驚いている華表・愛彩(豊饒の使徒・華・f39249)であった。
 彼女はほんの少し前に猟兵になったばかりであり、使徒たちの中でも新参。さらにスペースオペラワールドというある種サムライエンパイアとは対極にあるような世界の存在ということもあり、これから向かう世界についての何もかもが新鮮であった。
 もちろん知らないから何もしないということは決してない。
「準備、了解です。それじゃ、瑶暖さんの援護に入るのがいいかしら? 多分、純粋に人手が欲しいでしょうし」
 愛彩は瑶暖の小冊子づくりを手伝っていく。作成は一冊ではなく、書式や材質にも細かく指定が入っているため一人ですべてをまかなうのは中々に手間ということで、雑務を処理する手が一人増えるだけでも作業の進捗は大分違った。
 そしてまた、愛彩は自分の身が行うべきことも考えておく。
「読んだだけじゃ判らないことも多いでしょうし、忘年会中に質問されたら答える様にしておくわ」
 サムライ文化は知らずとも、クリスマスの風習は宇宙の海にも知れ渡っている。時間にすれば数千か、数万か。それだけの差が宇宙世界と侍世界にはあるのだ。それを持って彼らの疑問に答えてくれようと、愛彩は自らの持つ知識を改めて整理していった。
 そうしてそこに水着を携えた娃羽を初め買い出しに行った面々が戻ってくる。そんな彼女たちを待ち受けていたのは、るこると叶葉が作っていた料理の匂いだ。
「大いなる豊饒の女神、《楽園の地》の豊かなる恵みと力をお貸しくださいませ」
「自在自由に天界地界人界を治め給う豊乳女神なるを 尊み敬いて眞の六根一筋に御仕え申すことの由を」
 二人はそれぞれに【豊乳女神の加護・豊饒現界】と【豊乳女神の神勅・豊饒顕現】を発動。料理技能を強化し、持ち込むための料理を作っていた。
 るこるが主に作るのは、様々なクリスマス料理。昨年も使徒たちでクリスマスパーティを行ったこともあり、その時の記憶を頼りに主にてこのとリュニエが買ってこなかった者を主体に作っていく。
「この世界の方に馴染み深い『忘年会料理』も有った方が忘年会も楽しめましょう」
 そして叶葉が提案するのは、本来この時期にサムライエンパイアで行われる忘年会向けの料理。内役としては煮しめや焼き鯛、酢の物に香の物などいかにも和食なもの。クリスマスには疎かれど、こちらに関しては誰よりも詳しい叶葉のチョイスを聞いてるこるはそれを作り上げていく。
 そして普通の感覚では到底食べきれない……実際は必要十分な程度の量の料理が出来上がり、それを『FTS』に詰め込んで準備は完了。
 各々に用意したものを携え、豊穣の使徒たちはサムライエンパイアへと向かうのであった。

 このように入念に準備されたクリスマスの備えを取り出し、分担してセットしていく一同。サムライエンパイアの田舎温泉は、瞬く間にクリスマスパーティの会場へと変貌を遂げた。
 周囲の低木にオーナメントを少し飾り、一同はミニスカサンタ服に着替える。ある意味では間違った方向に発展したクリスマススタイルなのだが、元を知らない藩主たちはただただ感心するばかりだ。
「なるほど、これが『くりすます』か……!」
 初めて見るクリスマスに、藩主を初めその場にいる者全員が目を輝かせ驚いていた。
「領民の皆さんが楽しんでいる場所も有るみたいだし、そこに纏めて置いてもらうのがいいかなぁ?」
 取り出された大量の食事が雪に埋もれた温泉地帯を瞬く間に埋め尽くしていく。とはいえあまり広げ過ぎても収集つかなくなるのと、出来る限り多くの者にふるまいたいということもあり、下級武士や領民たちも鳥に来れる場所に主に置いておくことにするてこの。藩主ももちろんそれを咎めるなどせず、欲しいものは持っていくといいという触れをだして彼らにもクリスマス忘年会への参加を許していた。
「私達は帰ってからゆっくり食べてもいいから、皆さんに食べて貰うつもりで食事量は抑えておくんだよ」
「ええ、忘年会は食事は抑える代わり、色々聞かせて頂きましょう」
 麻陽と月麻が言うように、使徒たちはあえて食べる量を抑え藩主や重臣たちからの話を聞きだしていく。本来は彼らの方がホスト側であるはずなのだが、それでも彼らにも楽しんでほしいという二人からの気遣いか。
 藩ができた経緯やそれまでの来歴、そしてオブリビオン事件が解決してからの苦労などを語らせればまさに一年の愚痴を垂れ流す忘年会の出来上がりだ。
 一方見れば藩主は酔っているような様子はない。サムライエンパイアはその辺りの観念がやや薄そうながら、確かに彼は他世界なら飲酒は禁じられる年齢だし、もしかしたらそもそも酒自体が得意ではないのかもしれない。
「ノンアルコールの、ワイン風のぶどうジュースとかなら問題無く飲めるかな?」
 てこのが自分も飲んでいたワイン風ジュースを差し出してみる。藩主は初めて見る血のような色の飲み物に最初は困惑していたが、やがて意を決したように一気に飲み干した。
「これは……葡萄、か?」
「本当はお酒なんだけど、そんな風にアルコール……えぇと」
「酒気、と呼ぶと分かりやすいかと」
「そう、その酒気を除いたものも作れるんだよぉ」
 娃羽が言い添え、ノンアルコールであることを説明する。そしてつまみ代わりにと、今度はるこるが用意した『シュトーレン』や『パネトーネ』を提供。
「これは保存も聞きますので、領民の方にもお配りいただけましたらぁ」
 古来より伝わるパーティフードは、元々は多忙を極めたり食料が取れなくなる時期に備えての作り置きの保存食という側面を持っているものも多い。もう少しすれば時期となるおせち料理などもその一例であるし、それを絡めて説明すれば藩主たちもすんなりと理解し、クリスマスにもそう言った現実に寄った面があることも理解する。
「御土産や忘年会用に持ち込む分は藩の人達にも食べて貰いたいでぇすから、帰った後で食べる分も確保しておきましょぉ」
「来られなかった方への御土産は、『現地の通貨で購入する』か『より役に立つ何かとの物々交換』なら問題無いでしょうか?」
 そしてどうせたくさんあるのだから今は遠慮なく食べればいいとリュニエが勧め、そして過度に気後れすることがないよう月麻は向こうからも何かを受け取る取引的なものを持ちかける。
「こちらから出せるものとしては、これなどいかがかと思いますの。これがあればもし必要なものや作法を来年以降忘れていることが有っても大丈夫だと思いますの」
 瑶暖が出すのは、まさに彼女が作ったクリスマスについて書かれた小冊子。サムライエンパイアでもできそうな内容で書かれたそれを人数分渡せば、藩主たちは何事か話し合う。
「そうだな……時期ではない故味は落ちるかもしれぬが梨や葡萄の保存しておいたものがある。先の汁など作ってみるのも良かろう。それから胡桃や銀杏なら炒って茶や酒の友にしてくれ。これでよいか?」
 これしかないので、と自嘲しながらも領内で取れた果物を出す藩主たち。それを受け取りつつ、クリスマス忘年会は進んでいくのであった。

 そうして一通り藩主たちが食事をとったことを確認した一同は、飾りなどの中からいくつかは持っていっていいと言いおいてからその場を離れ温泉へと移動した。行く先は事前に聞いておいた、領内でも最も広い温泉である。
「私共の体型故、広めの場所をお借りしたく思いますが、宜しいでしょうか?」
 叶葉のその言葉に、実に納得したような表情で紹介されたその場所はまさに大浴場といった感じの場所。相当な大人数が入れそうなそこだが、今は既に満員状態となっていた。
「平均サイズが凄い事になって居る10人で入ると、流石に少し狭く感じまぁすねぇ」
 リュニエの言葉通り、10人でその湯はもう満員。これ以上誰かが入ろうとすれば体を押し付けながら入るよりほかはないだろう。
「皆様も順調に発育が進んでいる様で、素晴らしきことに御座います」
 景色を楽しみながら叶葉がのんびりというように、その湯を狭くしているのはまさにここにいる全員の育ちに育った胸部。何しろ一人分のそれで体部分より占有している面積が大きいのだ。つまり事実上入っている人数は二倍以上で計算する必要があるということ。それは手狭にもなるというものである。その発育ぶりを叶葉はリーダーとして確認し、大きく頷いた。
 だが、ここにやって来た豊穣の使徒は全部で9人である。ではもう一人、彼女たちに紛れて違和感のない、その胸部を持つ者はというと。
「誘ってくれてありがとう。それにしても、やっぱりみんな凄いわね」
 自身も巨大な乳房を湯に浮かせる、グリモア猟兵子豚・オーロラであった。
「こちらこそ、お飲み物もありますので談笑しつつお過ごしくださればぁ」
 オーロラこそ成人しているが豊穣の使徒たちは皆未成年。水分補給のことも考え、冷たい飲料を飲みつつの談笑するためるこるが代表して彼女を誘ったのだ。
「『使徒』の中で最小の私でも、とっくに3桁は超えておりますし、人によっては反応が怖いですから、いらしたのがオーロラさんで助かりましたわね」
 グリモア猟兵が現地に来れるか、来れるとして誰が来るかは依頼によって変わる。娃羽は夏に行った依頼で、それを紹介したグリモア猟兵から向けられた恨みがましい目を思い出しつつ『最小』を自称するその胸を湯に浮かべた。
 その娃羽に、愛彩が声をかける。
「娃羽さんの用意してくれた水着は、普段の衣装をベースにしたデザインになってるのね。殆ど違和感なく着られるわ」
 彼女が来ているのは、肩を出したハイレグの水着。一見するとバニ―スーツ風にも見えそうだが、実は胸の下あたりで分けられるツーピースだ。
「水着の準備、間に合って良かったです」
 愛彩は夏には猟兵デビューしていなかったこともあり、水着を持っていなかった。ただでさえ市販の水着など到底着られぬ体形な上水着の季節はとっくに過ぎている。用意できるかも危ぶまれたが、結局は全員が同じように水着を着られたことに月麻も安心していた。
「来年の夏頃には、サイズ調整じゃなくて仕立て直しになりそうかな、だよ?」
 だが、彼女たちにとって水着の寿命は短い。今着ているのだって夏からは直しているし、修正にも限界はある。来年もまた同じことに悩む必要がありそうだと、麻陽は当たり前の事のようにそう思っていた。
「そういえば、私達は皆水着ですが、オーロラさんはどうされますの?」
 水着、の話題になり、思い当たったように瑶暖がオーロラに尋ねた。何しろ普段から裸同然の格好をしているのだ。水着でも湯浴着でも、或いは裸でも違和感がないと瑶暖が思うのも致し方なし。
「ああ、今回は湯帷子がわりのを巻いて来ているわ。皆が着ているなら一人だけ裸というのも何だしね」
 そういうオーロラの格好は、一見普段と変わらない胸と股間の細布二本。だが材質が違うのか、濡れてもほどける様子はない。まあそもそもこれを『着ている』と表現すること自体冷静に考えてみればおかしいのだが、そこに疑問を抱くものなど最早この場にはいない。
「折角だし、オーロラさんに色々と聞いてみてもいいかなぁ? 私達とは違う意味で『豊満さ』を武器に出来るタイプだし、色々と得るものが有るかもしれないからねぇ」
 その布一本の胸を見ながら、てこのが興味深げに尋ねる。てこのはもちろん豊穣の使徒たちは基本的に豊かな体形であり、その肉の重さや量などを武器にする、あるいは肥大を許容しパワーアップするといった戦法を取ることが多い。そんな彼女からすれば、乳尻の豊かさに反し腕や足はむしろ筋肉で極太なオーロラの体型と戦い方は珍しく映るのだろう。
「そうね。やっぱり大元は流派の違いじゃないかしら。私は基本的に武術だから自分の肉体を自分で支配する必要があるし……」
 『加護』と『武技』の違いではないかと考察しつつ、乳武術論を展開していくオーロラ。一応は先輩の話として、新人猟兵である愛彩はそれを真面目に傾聴する。
 そして浮かぶ一つの疑問。
「それにしても、『使徒』の皆さんが凄いのは知ってたけど、|初めましての方《オーロラさん》も見事なサイズよね。ひょっとして、猟兵って総じて、その、こういう体型なのかしら?」
 どこかの27歳児と同レベルな疑問……と思ったかは知らないがるこるがそっと目を逸らす横で、オーロラも微妙な表情をする。
「いや、まあ、別にそんなこと……」
 と言ってみるが、自分の知己も大概大きいのが多い。同僚は改造で作れるのも含めれば全員になるし、猟兵として親しいものの顔と胸を思い出してみれば比率がかなり偏り過ぎていた。
「……私も全部の猟兵を知っているわけじゃないから……」
 結局はそうやって逃げることしかできない。乳で解決できない問題も時にはあるという、豚房流の敗北であった。
 そんなこともデビキン民故のおおらかさで気にせず、リュニエが傍らの雪に手を突っ込んで中に入れてあった瓶を取り出す。
「雪でしっかり冷やした飲物を、温泉で暖まりながら飲むのはとても美味しいでぇす。出た時用の●●牛乳各種も用意しまぁしたので、最後まで楽しみましょぉ」
 熱い湯の中でキンキンに冷えた牛乳を一杯。冬にわざわざ寒いところに来てから体を温めそれを冷やすというある種究極の贅沢である。
「それでは、こちらでもうしばらくゆっくりしましょうか」
 自分たちでもサイズ的に入れる温泉が夏に続けてまた見つかった。それをクリスマスプレゼントとして、結局はある意味乳に帰結したその幸せを星空の下で10人は享受するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

死絡・送
SPD
温泉では、きちんと礼儀正しく振舞う。
豊雛院・叶葉ちゃんとか知り合いと遭遇したら、挨拶とかはする。
湯は別だろうし、一応正義のヒーロー活動してる身として無様な事はしないように心がけて行動する。
俺はええかっこしいなんだ。
浸かる前には決めれた場所で脱いで手拭いで、隠すものは隠し
体と頭を洗ってから湯かぶりをして、入浴。
空いている場所にきちんと浸かり人がいれば、礼儀正しく交流する。
クリスマスとか時節の話題とか、相手を見て空気を読んで話す。
湯から出たらきちんと体拭いて着替えて飲み食いする。



 温泉。それは存外にルールやマナーが多いものである。もちろんそれを無視してよいという場合もあるし今回もそうなのだが、死絡・送(ノーブルバット・f00528)はそれを良しとはしなかった。
 知人の女性が率いる集団ともすれ違うが挨拶のみに留め、それについていくような真似はしない。その移動する山脈とも言うべき圧倒的連峰を見送りつつ、別方向にある湯へと送は移動する。
 藩の者たちにも軽く挨拶を済ませ、近くに小屋もついている元々人が入るように整えられている温泉へと向かう送。
 その仕草はまさに硬派一徹。招かれたから来ただけという姿勢を崩さず、正義のヒーロー活動してる身として無様な事はしないように心がけて行動する。
(俺はええかっこしいなんだ)
 誰に対して何かをアピールしたいわけではない。言ってしまえば自意識程度のもの。だがそれによって自分を律するその姿勢は、とりわけ現実から理想に移行しつつある侍文化のこの世界ではまさに男のあるべき姿。
 小屋に作られた脱衣場で、脱ぐものは脱ぎ隠すものは隠す。流石に湯帷子はなじみがなさ過ぎて着れないが、公衆浴場を意識し腰にタオルを巻いて外に出れば冷たい外気が肌を刺す。
 そうして湯の縁に屈み、頭と体を洗ってから湯を被る。もちろんこの世界にシャワーなんてものはない故に、桶で温泉を汲み自らの頭と体にかけての湯かぶりだ。
 湯の熱さが冷えた体を一瞬温めるが、すぐにそれは引いて濡れたことで冬の空気の冷たさがより強く肌に感じられる。その体を確実に温めるべく、送は温泉へと身を沈めた。
「おぉ……」
 熱い湯が一気に体を温め、思わず声が漏れる。先客が数人いることは確認していたので邪魔にならない場所を選び、足を延ばして全身でその温かさを享受する送。
 湯船の縁に寄りかかりながら顔を上げると、そこにはまさに満天の星が。もちろん猟兵である以上星空どころか本物の宇宙だって見たことも行ったこともあるが、それとはまた別の美しさだ。
「貴殿は猟兵の方ですかな? あの時は誠に助けられました」
 話しかけてくるのは先に湯に入っていた男。恐らくは件の事件の時猟兵の手足となり共に戦った下級武士の一人だろう。
「いや、俺はその時には参加はしていない。そこまでかしこまらないでくれ」
 恐らく開けぬ宴会代わりの休暇として湯に入ることを許されているのだろう彼らに余計な気を使わせないようそう言いつつ、送は彼らとしばし歓談する。
 その話題は、やはり彼らは名前しか知らないクリスマスが主体。
「クリスマスというのは元々は宗教儀式だが、まあ今はお祭りだな。贈り物をする風習があって、とくに小さい子供がいる場合は寝ている間に枕元に置くんだ。ただこれはサンタという赤衣の老人が行ったという体にして、決して親がやったとばれてはいけない」
「ふむ……難しい決まりごとがあるのですな」
 当り前の風習でも改めて言葉にしてみるとなかなか難しい。そうして武士たちと一通り離してから、送は十分温まった体を湯からあげ、体を拭いて服を着て元の場所に戻る。
「湯加減はいかがでしたかな」
 そんな彼を出迎えるのは饗応役に回った家老だ。その手には頼んでおいたいくばくかの食べ物と茶が。
「ああ、丁度良かった。ありがとう」
 何なら湯の中で一献と勧められもしたが、年齢的に酒は飲めないしそうでなくても湯の中での飲食は余り見た目がきれいなものでもない。だからこそ宴会にはいいのかもしれないが、今回はあくまで終始格好つけて進めたいところなのだ。
「では、いただきます」
 ここでも丁寧に正座し、膳に乗せた料理を箸でいただく送。
「随分丁寧な所作ですが、いずこかの貴種の出ですかな?」
「ああ……まあ、そんなところだ」
 家老の言う貴種とは成り上がりではなく先祖から守護や公家などに連なる名家出身の事だが、忍者の家系である彼は当たらずとも遠からずと曖昧に肯定しておく。
 それからも家老と会話しつつ丁寧に食事を楽しんでいく送。その丁寧さは確かに格好つけ、自分で言うええかっこしいからくるもの。だが格好つけでもそれを貫ききったその姿は、本当に格好いいものであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
「食材持ち込み…まあ」
手を叩く

「実は先日、大量に兎肉を入手しましたの」
「古木の宿では時間が止まりませんから、只管冷蔵保存するしかなくて。トン迄は行きませんけれど、まだ何百キロもあるのです…先日ノームさん達に1日掛かりで手伝っていただいて、やっと半分兎汁用の肉団子に出来ましたの」

「私も此の時期はお正月の方が近しい気がするものですから。お餅も一臼持ってきましたの」←正月用は餅が入り、そうでないと厚揚げになる
芋煮汁を彷彿とさせる巨大鍋に醤油の汁、兎団子、大根、人参いれ1時間煮込んだら最後に餅と長葱投入し完成

「福をもたらし困難を飛び越えツキをもたらす縁起物の兎肉、どうぞ藩の皆様もお召し上がり下さい」



 猟兵たちを温泉に招いたこの藩だが、その経済状態ははっきり言ってあまりよろしくない。それ故知らないクリスマスを教えてもらうという理由を付けて、猟兵に食材の類を持ってきて欲しいと願い出ていた。
「食材持ち込み……まあ」
 その話を聞き、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)が手を叩く。
「実は先日、大量に兎肉を入手しましたの」
 それを聞いて藩主たちも頷いて答える。
「兎か。あれは存外逃げ足が速く捕らえるのも難しい。私などが弓を射ても当たらぬ故、誰かが持ってきてくれるのを待つばかりよ」
 兎肉は世界各地で古くから食されている肉だ。それはもちろん日本、サムライエンパイアも例外ではない。そして江戸時代では獣食は忌避されていそうな印象があるが、それは江戸後期の上流層がほとんど。幕府が開かれてまだ間もなくの、食べるものに贅沢を言ってられないような貧乏藩にとっては単純にありがたい食肉に過ぎなかった。
 桜花はユーベルコード製の空間【古木の宿】と繋がる袖口を広げ、そこに収納していた兎肉を取り出した……のだが、その量は中々尋常ではない。既に下ごしらえは済み肉団子となっているものだが、元の兎に換算すれば何羽分かも分からないほどの量がそこには積まれていた。
「古木の宿では時間が止まりませんから、只管冷蔵保存するしかなくて。トン迄は行きませんけれど、まだ何百キロもあるのです……先日ノームさん達に1日掛かりで手伝っていただいて、やっと半分兎汁用の肉団子に出来ましたの」
「一日でこれを作れる方が驚きだ……これも猟兵の力という奴か」
 キロやトンの目方は知らないが、話の流れからまだまだ大量に在庫があるということは藩主たちにも理解できる。そしてノームももちろん知らない名だが従える配下の者かあるいは陰陽師が使う式神のようなものかと想像し、これを一日でできるだけのそれを持つことにも感心は及ぶ。
 そして大量に持ってきた肉団子をどう調理するかと言えば、場所や季節も考えてそれはもう決まっていた。
「私も此の時期はお正月の方が近しい気がするものですから。お餅も一臼持ってきましたの」
 取り出すのは大きな鍋と様々な野菜、そして臼でついた餅だ。
 忘年会の次にあるものが何かといえば、それは当然正月。本場では新年はクリスマスのおまけ扱いされることもしばしばあるが、この世界ではまだ正月に並ぶ記念日などはそうそうあるまい。これから作るものは正月用は餅が入り、そうでないと厚揚げになる。だから、餅もまた兎肉と同等に決して欠かせぬ品なのであった。
 芋煮汁を彷彿とさせる巨大鍋に醤油の汁、兎団子、大根、人参。サムライエンパイアでもよく知られた食材と調理法は料理の完成を見ている者に予想させ、嫌がおうにも期待を高めさせる。
「では一時間……半時ほどお待ちください」
 寒空の下、鍋を温める炎が周囲を照らしその熱が雪を解かす。匂いにつられ顔を近づければ炎の熱さが直に肌を炙り、思わず顔を引っ込めてしまう。
 そうして待ち遠しい1時間がようやく過ぎ、最後に餅と長葱投入し完成となった。
「福をもたらし困難を飛び越えツキをもたらす縁起物の兎肉、どうぞ藩の皆様もお召し上がり下さい」
 醤油の香り立つ暖かな汁をよそい、桜花は笑顔で差し出した。
 食用の他兎がもうひとつ世界共通で担うもの。それは幸運のシンボル。
 吉報を聞き逃さぬ長い耳と、桜花の言う通り困難を飛び越え高みへ一足飛びする兎の足。月で餅つく兎を餅の入った鍋にすれば、そこにはツキが兎のように飛び込んでくる。
 散々だった年を飛び越え、新しい幸多きとして一飛びできればと、桜花は居並ぶ藩の重役一人一人に兎鍋を手渡していった。
「忝し……」
 その兎鍋を一口すすれば、外気に冷えた体が芯まで温まり、さらにそれはこの一年で疲れた心にも染みていく。さすがに汁一杯で懐までが温まってくれることはないが、兎の如く追い来る貧乏から逃げおおせ、新たな年へ弾みを付けられれば。
 桜花はこの藩に新たな春が訪れるようにと、暖かな笑顔と鍋を雪の中振舞っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神崎・柊一
同行
楊・宵雪(f05725)
婚約者
シャオの料理に必要な食材を持って参加
僕の嫁さんの料理、めったによその人は食べれないからね
美味しいよ?

風呂は同行者と混浴
女として完成されたシャオの身体で洗ってもらうと
男としても色々猛ってくるよね
洗ってもらった後はこちらからも手に石鹸をなじませて
胸や尻や女性としての大事な場所を丁寧に撫でて洗っていく

「ははっ、確かに。寒いけれど…二人でいるとそれもそれでいいかなって
それにシャオがいれば寒くないからさ」

身体を流すころにはお互いにもうわかってるだろう
「そこまで僕も我慢強くないさ…こんなご馳走が目の前にあれば余計にね?」
お風呂に入ったらシャオを抱き寄せてひとつになろう
なんてったって大事な所、奥まで洗えてないからね?
シャオがのぼせるまで一つになってこの時間を星空の下で楽しむ


楊・宵雪
同行
神崎・柊一f27721
婚約者

お招きのお礼に差入食材をUCで調理
クリスマスらしく鶏と鮭の料理を振る舞う
フライドチキンは珍しいかもだけど、サーモンのお刺身は食べやすいかしら?

お風呂は同行者と混浴

未来の旦那様の体を綺麗にするのは妻の義務ね
「お背中を流すわ
体に巻いているタオルに石鹸を含ませて、体ごとこすりつけて彼の背中を洗うわ
うふふ、密着しているとわたくしのほうがドキドキしちゃう♥

自分が洗ってもらうときは
そこは自分で…と一度は遠慮するけれど
最終的には身を任せてしまう
妻の体を自由にするのは夫の権利ですものね

「雪は綺麗だけどさすがに寒いわね
冷えた体をくっつけあって、彼の体に尻尾を絡ませて、ゆっくり温泉で温まる

「お部屋に戻るまで待てないのね
だけどそれはお互い様ね

しあわせな時間
離れがたくてのぼせるまでここで過ごすわ



 度々言われているが、今回猟兵を招いたこの藩は決して豊かではない。それ故食事、料理の類の多くは猟兵の持ち込みだよりとなっていた。それ故、神崎・柊一(自分探し中・f27721)と楊・宵雪(狐狸精(フーリーチン)・f05725)の二人も食材を携えての来訪であった。
「この度はどうも」
「お招き感謝します」
 二人が持ってきたのは、主に鶏肉と鮭。ただしいずれも未調理の、である。
「ご飯にする? お風呂にする? それとも……」
 それを【花嫁修業は湯気と石鹸の香り】とばかりに、僅か10秒で調理する宵雪。そうしてできたのは、クリスマスの大定番フライドチキンと新定番スモークサーモン。
「おお、なんという手際……!」
 10秒でこの場にいる全員分を用意してしまうそのスピードに感心する藩主と重臣たちに、宵雪は笑顔で料理を差し出す。
「フライドチキンは珍しいかもだけど、サーモンのお刺身は食べやすいかしら?」
 その言葉にその二品を食べてみれば、どちらも絶品。
「何でしょうな、この揚げた鶏足……なぜだか食べているだけで妙に楽しくなってきます」
「これは刺身……だが燻してあるのか。なるほど、知っているようで違う、面白い味だ」
 希望していたクリスマス料理に舌鼓を打つ藩主たち。その様子を見て、柊一が得意げに言う。
「僕の嫁さんの料理、めったによその人は食べれないからね。美味しいよ?」
「おお、奥方様でござりましたか! それはそれは」
 宵雪のユーベルコードの名前は飾りではないということか。柊一の言葉に、宵雪も笑顔を添える。
「かような奥方様がおられて主様もご自慢にござりましょう。今は余裕もないですが、殿もそろそろ……」
「それならば! お二人ゆるり寛がれていくとよかろう!」
 サムライエンパイアの、とりわけ身分あるものなら結婚してもおかしくない年齢の藩主が大声で家老の話を遮り二人に温泉の方を指し示す。何かそういう話を避けたい理由でもあるのかもしれないが、ともあれそちらも二人からすれば本来の目的一つ。二人連れ添い、示された方へと向かうのであった。

 そうして二人が通された場所、そこは湯自体はそこまで広くはないが、周囲の雪がある程度除かれ広めのスペースが取られた場所。湯の温度もそこまで熱くないところからして、少人数で長時間入るための貸し切りの家族風呂の様な場所だろうか。
 誰もいないことを確認し、二人は共に服を脱ぎ手折るだけを撒いた状態になる。冬の冷たい空気が肌に刺さるが、それが気になるということは二人ともにない。
 洗い場もついているのでまずはそこで体を洗おうと柊一が座れば、ごく自然に宵雪がその後ろに屈み体を寄せた。
「お背中を流すわ」
 そう言って宵雪が柊一の背に当てるのは、石鹸を含ませたタオル。だがそれは手に持っているのではない。自分の体に巻いたタオルを使い、体ごとこすり付けているのだ。そうなれば当然、体の柔らかさや肉の感触、その昂りようなどが背中全体に伝わってくる。
 未来の旦那様の体を綺麗にするのは妻の義務、とばかりに宵雪が遠慮なく石鹸でぬるついた体を押し当てていけば、柊一は己の背に全神経を集中させてそれを余すところなく感じ取っていく。
「うふふ、密着しているとわたくしのほうがドキドキしちゃう♥」
 そう言って羞恥……あるいは歓びを宵雪が囁くが、柊一の方とて女として完成されたその体で洗われれば、男として色々なものが滾ってくのは当たり前のことだ。
 宵雪が体を洗い終われば、柊一が振り返ってその返礼を行う。手に石鹸をなじませ、優しく、だが淫靡に宵雪の体を洗っていく柊一。
 首から肩を撫ぜ、タオルを取り去ってその下へ。大きな胸、豊かな尻を念入りに、慈しむように丁寧に撫でて洗い、そしてその奥に秘められている女としての大切な場所へ。
「そこは自分で……」
 宵雪もさすがにそこはと一度は遠慮するが、柊一の手は止まらず宵雪も本気で拒絶する心など最初からない。
 再度許可を求める……あるいは許されて当然だとばかりにそこを進んでいけば、もう宵雪も抵抗はしない。妻の体を自由にするのは夫の権利。それは自分の全てを愛する人の手に委ねて当然という、文字通りに身を任せる姿勢。
 そのままたっぷりと、時間をかけて体を洗い合う二人。その周囲を囲むのは、二人の世界を外から区切るかのように積もっている雪。
「雪は綺麗だけどさすがに寒いわね」
 少し心に余裕ができてくれば、肌を刺す寒さも実感できてくる。だがそれも、二人を鎮めるには到底遠い程度のもので。
「ははっ、確かに。寒いけれど……二人でいるとそれもそれでいいかなって。それにシャオがいれば寒くないからさ」
 そう言って体を流して抱き寄せれば、お互いの思う所はそれ以上は既に言わずとも分かっていた。
 宵雪が雪と同じく白い尻尾を柊一に絡ませ、冷えた体を寄せ合い共に温泉に入る。暖かな湯が体に染みわたり温めていくが、それでも二人は離れようとはしなかった。
「そこまで僕も我慢強くないさ……こんなご馳走が目の前にあれば余計にね?」
 柊一が強く宵雪を抱き寄せる。それは優しい愛情表現ではなく、もっと熱く猛々しい男のそれ。
「お部屋に戻るまで待てないのね」
 宵雪が言うがだけどそれはお互い様。一つになろうと己の深いところまで愛してくる柊一を、宵雪は喜んで受け入れた。
「なんてったって大事な所、奥まで洗えてないからね?」
 それは手よりもずっと熱く、深く、宵雪の女としての全てを洗っていく。それを汚すと表現する向きもあるかもしれないが、大切な愛する女の奥深くを己に染めるそれは、やはりあるべき形に『洗う』と言った方がきっといい。
 己と相手を繋ぐ綱のように尻尾を絡め、決して離れぬと宵雪は柊一に体を寄せ続ける。それは『性夜』などと言って茶化せるような遊び事では到底ない。星空の下、二人は一つになって全てを楽しみ続けた。
 一度、お互いが高みに上るがどちらもそれで終わることなどない。
 しあわせな時間。願わくば永遠に続くように祈りたいそれ。
 二人はともに離れがたく、雪の世界、星の下、温泉の中でいつまでもそれを続けていく。
 無情なタイムリミットは宵雪がのぼせるまで。だがそこまで熱くはないこの湯、出ている部分は冷やしてくれる冬の空気の中それが訪れるのはすぐということはないだろう。
 夜が更けきるまで、その時間は続くのであった。


 こうして小さな藩の精一杯の返礼と猟兵頼みのクリスマスは過ぎていった。忘年会が出来なかったこの歳を、本当に忘れることはきっとこの藩にはできないだろう。だが忘れる必要もないものも年の最後に送られた。今年一年良かった人も悪かった人も、|お疲れ様、良いお年を《merryXmas&happynewyear》。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年01月01日


挿絵イラスト