|沈黙の聖夜《サイレント・ナイト》
●今年もS.H.I.T.の炎がメラメラと
『S.H.I.T.』……|国際特殊聖戦団《Special Holy war International Teams》の略称を掲げた、小国家を股にかけて破壊活動を行う謎の武装集団である。
だが、彼らは絶えずテロを起こしているという訳でなく、クリスマスやバレンタインデーなどと言った特定の時期を狙って活動している。その点に関しては、以前にハロウィンに乗じてクロムキャバリア中で蜂起した謎の武装集団『ハロウィン・ドールズ』と同様に常人には理解しがたい理念を掲げたはた迷惑なテロ集団として、広く浅くと人々の認識を受けている。
この時期になると活動を活発化させるということで、各国は警戒して取締や摘発を強化するが一向に彼らの組織規模は縮小化を見せる気配が無いどころか拡大の一途を辿っているようにも見受けられる。
何せ構成員のすべてが『独身男性』なのだ。彼らが掲げる理念とは『打倒クリスマス』や『バレンタインデー爆破』など、顔が良いエースパイロットがモテる一方に腕があっても異性には非モテの男たちにとっては何とも甘美で耳障りの良い言葉であろうか。おまけにオブリビオンマシンによる狂気の伝播も加われば、ねずみ算式に増えていくと言っても過言ではない。
『今年こそ爆発しろ!』
『『『クリスマス!!』』』
今年もむさ苦しい男たちの怨嗟が籠もった叫び声が響く。昨年は猟兵に壊滅的被害を受けた彼らであったが、今年も性懲り無く嫉妬の炎を激しく燃やしている。
『あー、昨年は我々S.H.I.T.が壊滅的被害を受け、存亡の危機となった。しかし、我々S.H.I.T.が掲げる理念『アベック滅ぶべし』に賛同した同志が参入したことによって、バレンタインデー期間中は活動不可能であった組織が活動再会することと相成った。この場を持って礼を申し上げよう。だが、それでも活動資金が絶望的に足りない! これではアベックに裁きの鉄槌を振り下す、盛大なる|聖戦《ジハード》を行うことが不可能である。そこで、だ』
組織リーダーである事を示すファイアーパターンがパイロットヘルメットに描かれた男が、ホワイトボードに貼り付けられた地図に船の模型をあしらったマグネットを貼り付ける。
『我々のアジトに近い海域で、トリアイナ船籍の豪華客船『セプテントリオン号』が通航するという情報を捉えた。そこで、今年は海の上は安全だと思って能天気にクリスマスを祝うこの船を襲う!』
各隊員にどよめきの声が巻き起こるのも無理はない。トリアイナと言えば世界有数の海運で財を成している小国家である。つまり、乗せている客はみすぼらしい傭兵や新天地を求める窮民ではなく、いけ好かない金持ち気取りの乗客ばかりということである。勿論、クリスマスを祝うと言うことは、S.H.I.T.の攻撃対象である男女二人連れのアベックが多数乗船していrということ。更には客船となれば、海賊対策に搭載されているキャバリアの数は限られている。そこへ物量に任せてS.H.I.T.のキャバリア部隊が制圧すれば良いだけの話しとなれば、まさに鴨が葱を背負って来るとはこのことである!
『あー、であるからして。同志諸君には厳重なる情報統制を行って貰いたい。昨年のように、何処からともなく情報がバレての被害は避けたいところだ。アレは本当、トラウマ物だっからヨロシクね? リア充、爆発しろ!』
『『『リア充、爆発しろ!!』』』
お互いにリア充への怨嗟を吐き出し合いながら帰属意識を高める言葉を連呼し、彼らは非モテの絆を強固に固めていくのだった。
●当然ながら、グリモアの予知をもってすればまるっとすべてお見通しなのである
「……ということで、また去年のクリスマスに暴れた|武装集団《S.H.I.T.》が活動を起こすようです」
シグルド・ヴォルフガング(人狼の聖騎士・f06428)が深く溜息を吐くが、このような性もない理由で暴れ出す連中の予知を視れば仕方ない話しである。
「やはり、昨年に情けをかけてやったのが誤りだったでのしょうか? ともあれ、客船が襲撃されれば、救難信号を発信したとしても他国の救援隊が到着するまで時間を要してしまいます。なのでこちらが先手を打ちまして、豪華客船に転送した後に襲撃してくるS.H.I.T.を撃破してください」
だが、彼らS.H.I.T.の兵力は膨大で、とてもではないが猟兵としても客船と乗員を護りながらの戦闘は困難を極めることが予想される。
「この点に関しましては、率先して敵の指揮官を撃破してしまえばよろしいかと。どうやら、構成員を補充した直後の今は指揮官のカリスマ性で部隊が纏まっていると見て良いでしょう。首魁がやられてしまえば烏合の衆となり、撤退を余儀なくされるという訳です。ですが、敵戦力は地の利で勝る水陸両用のキャバリアによって構成されています。これらにどのように対応するかが求められると言って過言ではありません」
とは言え、どうやら水陸両用キャバリアの傑作機『ウォッグ』より性能が劣っているようで、この辺は彼らの厳しい懐具合が見て取れる。そのため、アベック狩りと資金となるお金持ちが身につけている貴金属類の簒奪や人質とすることによる身代金が目的のひとつである以上、客船そのものを沈没するには至らないとは思われるが、彼らが乗っているのはオブリビオンマシンである。
追い詰められたら何を仕出かすか分かったものではないので、この辺も頭の片隅に置いておかねばならない。
「それとですが、この客船『セプテントリオン号』には海賊対策用のキャバリアが搭載されており、私が船長に事情を話して掛け合えばお借りすることも可能でしょう。機種は先程も申しました水陸両用キャバリアの傑作機『ウォッグ』です。愛機が水中戦に対応していなければ、こちらをお借りしての出撃も選択の余地があるかと」
勿論、生命の埒外たる存在である猟兵の力を思う存分に奮っての白兵戦も可能だ。船には寄港中に使う用途でのレジャー用ジェットスキーも完備されているとのことなので、冬の海の冷たさをどうにか我慢すれば上手く活用できるだろう。
「時間も限られていますので、そろそろ向かいましょうか。連中を追い払いましたら、豪華客船でクリスマスパーティーを楽しんでも良いかもしれませんね」
まさに約得とはこのことか。その前に彼らS.H.I.T.を追い払わなければならないが、数多くの強敵を倒してきた猟兵にとってはちょっとした運動程度である。
今回もはた迷惑なリア充撲滅を掲げる武装集団『S.H.I.T.』へお灸を据えるべく、シグルドが念じて展開したグリモアの光に包まれた猟兵らは豪華客船『セプテントリオン号』にへと降り立つのであったのだ。
ノーマッド
ドーモ、ノーマッドです。
今年は猛烈なクリスマス寒波の襲来で、雪に慣れた雪国でもどえらい寒さに見舞われております。珍しく西日本方面もドカッと降り積もったようですので、ご無理をなさらないよう安全にと願うばかりです。
●シナリオ概要
洋上を航行する豪華客船『セプテントリオン号』の周辺海域が、今回の戦場となります。
敵はリア充撲滅を理念に掲げる謎の武装集団『S.H.I.T.』が駆る量産型キャバリア『WE-14アクア・ドギル』のみであり、襲撃するセプテントリオン号に向けて目下接近中です。猟兵はこれらを迎え撃つべく現地へ転送された段階であり、既に迎え撃つ準備が整っていることを知らないテロリストが搭乗するオブリビオンマシンを撃破するという流れとなります。
今回のレンタルキャバリアは、水陸両用キャバリア『ウォッグ』となります。
武装は白兵武器のクローアーム、射撃武器の背部水陸両用ミサイルと腕部ニードルガンを搭載しています。
また、去年のクリスマスシナリオの続編となっておりますが、特に知らなくても楽しめるようになっています。
もしお気になるようでしたら、下記のリンクから過去のシナリオをご参考くださいませ。
( https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=39435 )
それでは、S.H.I.T.の炎にも負けない皆様の熱いプレイングをお待ちしています。
第1章 集団戦
『WE-14アクア・ドギル』
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POW : RX-Aハンド・アンカー
レベル×1tまでの対象の【体へ拘束用アンカーを発射し、命中した部位】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
SPD : RSステルス機雷
【予め周囲に設置していたステルス機雷群】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ : BS水中用偏光ビームライフル
【敵の死角に隠れ、水中用偏光ビームライフル】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
イラスト:スダチ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
メディア・フィール
POW選択
他PCとの絡みOK
プレイング改変・アドリブOK
自分専用のキャバリア「ネオン」で迎え撃ちます。
得意の火炎放射は水中なので使えませんが、ロングレンジアームの広い間合いで着実に撃破していきます。
それと同時に正論で説得しようとしますが、火に油かもしれません。
「目を覚ますんだ! アベックやカップルを攻撃したり別れさせたりしたところで、君たちがモテるわけじゃない!」
「他人の幸せを奪ったところで、自分が幸せになれるとは限らないんだ!」
「そもそも、君たちがモテないのは、こうやってひとを羨んで、妬んで、攻撃するような精神が簡単に見透かされてしまっているからじゃないのかっ!?」
文明の灯火から隔絶された洋上を荘厳かつ綺羅びやかな貴婦人を思わせる豪華客船『セプテントリオン号』が征く。澄み切った夜空は快晴で、満天の星空が穏やかな波に映し出される水面を乗客らは楽しんでいる最中だ。戦乱が絶えないクロムキャバリアであるが戦争にも|不文律《暗黙のルール》という物があり、その中のひとつが『クリスマス休戦』である。
百年に渡り戦乱の世が続けば、如何なる強大な帝国と言えども軍民問わずに疲弊する。高まる厭戦感情のガス抜きとして取られた政策が、クリスマスの期間だけ休戦とするというものだ。何時、何処の小国家で始められたのかは明確に分からないが、表向きは力による国威発揚を求める国民と言えども心の内には『せめてクリスマスだけでも休戦を』と平和を願う心は少なからずある。それは人の子である軍人も同様で、クリスマス休戦の運動は年を追うごとに拡大の一途を辿っている。
そうなってくればクリスマス休戦運動に|商機《儲けのチャンス》があると睨む小国家も出てくるもので、海運を通じてあらゆる国々と貿易する|小国家《トレーダー》『トリアイナ』もそのひとつだ。武力ではなく商業力を武器とすることで表向きは中立を保っていても、クロムキャバリアが燃料や食料の確保がそれら生産するプラント頼みとする社会構造である以上、金さえあれば融通してくれるという稀有な存在なのだ。プラントの保有数が国力を決めると言っても過言ではない理である以上、トリアイナという|企業《小国家》が武力攻撃を受けて機能不全と陥れば、敵対する国共々に自国ですら干上がってしまう危険性を孕む。そういった国際情勢を商人は強かに利用し、どんな国だろうが別け隔てなく取引をして牽制させ合うという武力ではなく経済よる抑止力を生み出しているという訳だ。
しかし、それは国民あっての国にしか効力を示さない。テロリスト、ましてやオブリビオンマシンにより狂気の思想に染まった武装集団相手には尚更だ。
『ぐふふふ……。アベック制裁と金品強奪、アブハチトラズとはこの事よ』
ニンジャのように音もなく水中を潜航して忍び寄る『WE-14アクア・ドギル』。それに搭乗するS.H.I.T.のメンバーが、こうも上手く豪華客船へと接近できるとはと思わずほくそ笑んだ。片や綺羅びやかな洋上で優雅にクリスマスの前夜祭を楽しみ、片や暗く冷たい海の下を狭いコックピットの空間で凍える思いをしている。まさにこの世の不条理を体現している様子に、彼らの奥底に燻る嫉妬の炎が激しく燃え上がっていく。
S.H.I.T.の活動がクリスマスに集中しているのには訳があり、構成員の殆どが軍属である。しかし、彼らには恋人なんて者は居ない。クリスマスを戦友と一緒に迎えようとも彼女持ちが『ごめん、今夜は彼女と一緒に過ごすんだ』と言って断ろうものならば、背中を預ける戦友と言えども殺意が芽生えるもの。モテる者とモテざる者の分断が招いた狂気、嫉妬である。
彼らもまた、多忙な軍務の合間を縫ってのクリスマス休戦の休暇を利用して共通の敵『リア充』に鉄槌を下すべく集いし者たちである。中には敵対している国のパイロットとチームを組んでいる者も居るが、そこは敵の敵は味方である。敵国の人間だろうが同じクリぼっちの境遇と知れば、そこに『|リア充爆発しろ《RB》』を合言葉にした別の形での休戦が成立するのだ。
「そうはさせないよ!」
突如、静寂なる海の下に活気に満ちた若い女性の声が響いた。各隊員はもしやイマジナリー・パートナーの幻聴かと耳を疑ったが、当然ながら非モテの心に棲んでいる推しによる天の声などではない。
『未確認のキャバリア反応を感知、敵機だぁ!』
アクア・ドギルのモニターに人型の|機影《シルエット》が浮かび上がる。メディア・フィール(人間の|姫《おうじ》武闘勇者・f37585)の愛機、クロムキャバリア・ネオンである。機体の随所には水中戦へ適応すべく簡素ながらに水中用推進機が取り付けられており、予想されるS.H.I.T.の航路上で待ち構えていたのだ。
「目を覚ますんだ! アベックやカップルを攻撃したり別れさせたりしたところで、君たちがモテるわけじゃない!」
メディアがまず最初に取った行動は、共通チャンネルを通じた説得だ。例え嫉妬の炎に駆られた憂さ晴らしにアベックやカップルに危害を加えたとしても、自分たちがモテるなんてことなどない。至極当然な正論なのだが、彼らはオブリビオンマシンが与える狂気によって嫉妬の炎に身を焦がしているのだ。
『女にモテない男の苦しみなぞ、分かるかぁっ!!』
設計に難があるが魚雷を背負ったような異形めいたフレームによって水中戦に特化したアクア・ドギルは、まだ水中戦に不慣れなメディアを包囲する形で散開する。
「他人の幸せを奪ったところで、自分が幸せになれるとは限らないんだ! そもそも、君たちがモテないのは、こうやってひとを羨んで、妬んで、攻撃するような精神が簡単に見透かされてしまっているからじゃないのかっ!?」
『ぐっ……! ガキだと思って大人しく出ていれば抜け抜けと!』
まさにぐうの音も出ないド正論を叩きつけられ、激昂したS.H.I.T.メンバーがアクア・ドギルの左腕をネオンへと一斉に向け、RX-Aハンド・アンカーを同時に射出した。メディアは自身の動きをトレースするネオンを翻して回避行動を取るが、急場しのぎで水中戦に適応させた陸上機と水中戦を念頭に置いた水陸両用機との差を埋めることが出来ずに四肢を絡め取られてしまう。拘束用アンカーであるRX-Aハンド・アンカーが敵機を捉えたアクア・ドギルらがそれぞれ四方八方へと機体を推進させれば、ネオンの四肢をもぎ取ってダルマにするべくワイヤーがピンと張り詰めた。
「ぐぁあああああっ!?」
ネオンは|DML《ダイレクト・モーション・リンク》システムによってメディアの動きに合わせて稼働する機体であるが、脳波伝達装置が補助によって通常では到底再現できない武術の達人の動きすらも遅延なく伝達する反応性を発揮できる反面、機体に受けたダメージが擬似的な痛みとして搭乗者に伝わる欠点がある。まるで本当に身体が八つ裂きにされるかと思われる痛みがメディアの四肢に生じ、苦痛に満ちた叫び声がコックピットを響かせた。
『聞き分けが悪いかた、機体から腕と足がオサラバとなるんだよ!』
『はははは、いい気味だ! もしオレの彼女になってくれるのなら、緩めてやってもいいんだぜ?』
『おい、ちょっと待て。抜け駆けじゃないか、それ? 抜け駆けは裏切り者だろ』
『お、おい! 冗談だって!?』
絶体絶命の窮地に立たされた|姫《おうじ》武闘勇者であったが、S.H.I.T.メンバーのひとりが漏らしたその言葉で状況に変化が生じるとは誰が思おうか。嫉妬の炎で強固に結ばれた『女日照りの非モテ』という絆に綻びが生じたのだ。
これにより不協和音の空気が漂いはじめ、一糸乱れぬ嫉妬の連携に緩みが生まれた隙をメディアは逃さない。
「このぉ! 手を出さなければいい気になって!!」
彼女が怒りに満ちた怒声を力の限り叫ぶと、蛇腹状に伸び切ったロングレンジアームを振り回して機体を拘束するアクア・ドギルをぶん回す!
『ぬぅわーっ!?』
突然の反撃にアクア・ドギルは制御を喪い、脚部を拘束する僚機と激突してしまう。これにより自由の身となったメディアは、四肢にまだ残る痛みの感覚に堪えながら激しい衝突で機体がへしゃげたアクア・ドギルを睨んだ。
「口で言っても分からないなら、身体で分かって貰うしかないね!」
テロリストには交渉の余地などない。この教訓を胸に、メディアは水中でも赤々と赤熱化させるネオンの拳を振りかざし、不埒なテロリストへ正義の鉄拳を叩き込んだ。
成功
🔵🔵🔴
カシム・ディーン
「ご主人サマ☆アベックを襲う悲しい人達が攻めてくるよ☆そんな彼らを救うならあれの出番だね♥」
うっがぁぁぁぁぁ!!(絶望
いいか…オブビリオンマシンは壊していいが奴らは殺すんじゃねーぞ!
「勿論☆慰めるよ♥」
絶望と悲しみのUC発動
10師団は船の護衛
客船内
「ご主人サマー☆メルシーといちゃいちゃしようよー♥」
なんでだよ!余計に奴らを暴走させるだろうがっ!
【属性攻撃】
幼女軍団に水属性を付与して泳ぎやすくする
「可愛そうな人達は」
「メルシー達が慰めちゃうぞ☆」
【集団戦術・弾幕・念動力】
念動光弾を乱射して動きを封じ
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み・捕食(?)】
幼女達による蹂躙開始
当然セクハラ諸々やらかしやがる!
「ひい、ふぅ、みい……もう数えるのが嫌になってきますね、これは」
海中からところ代わり、ここは豪華客船『セプテントリオン号』の船内。アベック死すべしと血涙を流しながら襲撃を仕掛けるS.H.I.T.の魔の手が迫っていることを知らない乗客らに紛れ、タキシード姿のカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)がロイヤル・プロムナードを練り歩く。ストリートの左右にはショップやパブなどが並んでおり、とても船の中だとは思えない奥行きと広がりを見せているが、彼が見ているのはそれではない。乗客らを護るべく夜会を愉しむ客として振る舞いつつ、帝竜の眼球の魔力を魂晶石に込め作り上げた魔眼宝石半仮面に宿る千里眼をもってして周囲から迫るオブリビオンマシンの機影を透視しているのだ。
「ご主人サマー☆ メルシーといちゃいちゃしようよー♥」
夥しい数にうんざり顔となっているカシムの背後から無邪気その物な声が聞こえたかと思えば、不意に抱きつかれてしまう。
声の主はメルシー。クロムキャバリアで拾ってしまった|界導神機《変なキャバリア》『メルクリウス』であり、今は彼と同じ年代の銀髪少女となっている。
「なんでだよ! 余計に奴らを暴走させるだろうがっ!」
カシムが怒鳴りつけるのもごもっともで、リア充あるところにS.H.I.T.あり。直接見せつけていないにしろ、リア充が放つ波動やオーラを感知して、彼らは嫉妬の炎をより激しく燃やすだろう。たぶん。
一先ずじゃれついてくるメルシーを落ち着かせようと、ロイヤル・プロムナードを抜けた先にあるガラス張りの窓から海を眺望できるラウンジへと出て、手近なソファーへと座る。それでもメルシーは周囲の乗客らに憚ること無く、まるで大型犬のように構って欲しいといちゃついてくる。半ば諦め顔となったカシムが再び魔眼宝石半仮面をかけると、そこには我が目を疑う光景が広がっていた。
「あちゃー……もうここまで縦深しちゃって」
例え一騎当千の猟兵であろうとも、幾分かの取りこぼしが生じてしまう。ましてや夜で視界が阻まれる海中から進行する水陸両用キャバリアらが相手では尚更だ。尤も、そんな不測の自体に備えて自分は船内に留まっていたのだが。とは言え、メルシーをメルクリウスに戻しても対応できる敵数には限りがある。両腕を組みながら考えあぐねるカシムの心中を察したのか、メルシーは耳打ちしながら囁きかける。
「ご主人サマ☆ アベックを襲う悲しい人達が攻めてくるよ☆ そんな彼らを救うなら『アレ』の出番だね♥」
「うっがぁぁぁぁぁ!!」
勿論、カシム自身も『アレ』しかないと分かっていた。だが、どうしても踏ん切りが付かないところで、メルシーが彼の背中を押すように囁かれれば絶望しつつも腹を括らねばならない。
「しょーがねーな! いいか……オブビリオンマシンは壊していいが奴らは殺すんじゃねーぞ! その分しっかり働けよ!?」
「勿論☆慰めるよ♥」
メルシーが天真爛漫な笑顔を振りまきながらグッとサムズアップをしてくるが、やはりこうされると弱い。カシムが何度も念を押し終えると、深く深呼吸をするとともに自身の身体を依り代とする|魔術《ユーベルコード》をここに発動させる。
その直後、カシムは眠るようにガクッと項垂れ、傍で彼の腕を抱いていたメルシーの姿が忽然と消えてしまう。周囲に居た乗客らは何が起きたのかとどよめいたが、丁度それが良いカモフラージュとなっただろう。
『一番槍は貰った! アベック無き清浄なる世界をぉ!!』
猟兵らによる防衛網を潜り抜けた『WE-14アクア・ドギル』の一機が、キャバリアよりも巨大なセプテントリオン号のスクリューに照準を合わせる。左腕に手にしているのはBS水中用偏光ビームライフルで、水中においてはビームを構成させるエネルギーインゴット由来の粒子が急激な拡散及び熱エネルギーの喪失に伴う減衰を抑えるべく、収束率を陸上用よりも高めて細く収束させている。つまり、一般的なビームライフルよりも命中率が下がってしまう代償として水中でも撃てるようにした水中戦用装備だ。
この特性上、限りなく接敵しなければ命中させるどころか射程も短いのだが、命中さえすれば普通のビームライフル並な貫通力と熱量を有している。訳も分からず散っていった同志たちの無念を晴らすべく、忌々しいアベックがぬくぬくとじゃれ合っている客船を恐怖へ叩き込むべく、S.H.I.T.の構成員がトリガーに指を掛けた……その時である!
「みんなー☆行くよー♥」
「「「えい☆えい☆おー♥」」」
その姿を見て、あっけに取られたS.H.I.T.の構成員がトリガーを引き絞っていた指先の力を緩めてしまう。
それもそのはず。猟兵であるカシムを依り代としたユーベルコード『|対軍撃滅機構『戦争と死の神』《メルシーハルノヨウジョマツリ》』によって、|水中に適応した《スク水姿の》ょぅι゛ょメルシー軍団が魚群の如く数で押し寄せてきたのだから。
『アイエエエエ! ヨウジョ!? ヨウジョナンデ!?』
夢か幻か。非モテ続きでイマジナリー嫁で終わりなき闘争により乾ききった心を癒やすべく、逞しい想像力を養っていた反動か。スク水姿のニンフという非現実的なものなど、空想上の存在に過ぎない。だが、目の前には確かにスク水姿のょぅι゛ょが確かに存在して、センサーも幻でないと証言している。
価値観や常識といった一種のアイデンティティが崩壊する事による精神錯乱『|急性ヨウジョリアリティショック《YRS》』を受けたS.H.I.T.のメンバーが、沸き立つ萌えの感情に悲鳴を上げながら腰を抜かすのも無理はなかろう。だがしかし、ょぅι゛ょメルシー軍団は彼らにとって触れ合えるイルカやアザラシといったモノではなく、捕食者であるシャチやサメといった存在である。
「可愛そうな人達は……」
「「「メルシー達が慰めちゃうぞ☆」」」
昏い海が突然光ったかと思えば、念動光弾によってアクア・ドギルの武装を集中的に破壊されていく。しかし、オブリビオンマシンに反撃を行ってくる素振りは見せていない。というのも、コックピット内に侵入したょぅι゛ょメルシーが蠱惑的に敵パイロットを誘惑しているのだ。
これは現実だ、竜宮城はここにあったなど『理解』したS.H.I.T.メンバーらが享楽的でセクハラ紛いな触れ合いを求めてくるメルシーの分身体に身体を委ねる。セプテントリオン号の推進力から生み出される波のうねりに呑み込まれながらも、アクア・ドギルのパイロットたちは遂に来た人生初のモテ期にうつつを抜かしていたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
シル・ウィンディア
そーいえば、去年似たような人たちに出会ったような気が…
しかし、水中戦かぁ…。ビーム兵器中心だとつらそうだし、実弾系武装で行くかな?
それじゃ、アルジェント・リーゼ、いきまーすっ!
そのまま、水面を飛行して敵の出方を待つね
撃って来たら、ガトリングガンを撃ち込んでいくよ
うー、水面からじゃだめか
仕方ない、入るかぁ…
水中に入って、バズーカを構えて撃っていくよ
単発じゃ狙いにくいのなら、腕部マシンキャノンで動かして、第六感を信じてのバズーカっ!!
敵が多くなったら、高速詠唱からのエレメンタル・ファランクス!
まとめて撃ち抜くっ!!
近接して来たら、射撃武装はパージして、風精剣を抜いて攻撃だね
ふぅ、つかれたぁ~
「そーいえば、去年似たような人たちに出会ったような気が……」
シル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)の脳裏に、去年の出来事が朧げに思い出される。
「確かクリスマス休戦を拡大解釈して、ギムレウスで砲撃しようとしていた人たちだったかな? けども、水中戦かぁ……。ビーム兵器中心だと辛そうだし、実弾系武装で攻めなきゃキツそうだけど、まぁいいや。それじゃ、いきまーすっ!」
年に一回か二回程度の活動をする武装集団だと、やはり記憶に残らないものである。しかし、ここで再び懲らしめてやらねばバレンタインのシーズンや夏のシーズンでも、アベック滅ぶべしと血涙を流しながら活動しかねない奴らだ。情けの欠片もなく、ここで徹底的に叩いておくべきであろう。
精霊機『アルジェント・リーゼ』が、高速飛翔体を無差別砲撃する暴走衛星『|殲禍炎剣《ホーリー・グレイル》』の感知を受けない海面スレスレの高度を維持しながら飛翔する。徐々に速度が増していけば機体の周りに生じた空気の波紋によって波を切り、高速艇が疾走っているかのように水飛沫が真冬の星空に向けて飛び上がった。
「これで引っかかってくれればいいんだけど……」
S.H.I.T.が攻撃対象としているのは『船』である。殲禍炎剣によって衛星を活用した広域通信網による偵察が不可能となっていれば、頼りになるのは|目《レーダー》と|耳《ソナー》だ。彼らは陸地から豪華客船『セプテントリオン号』が航行する航路まで辿り着いた後は、水陸両用のキャバリアに搭載されたそれらを使って攻撃対象を見つけ出すに違いない。
そこでシルは、巨大な船体を推進させるスクリュー音に誘われて誘蛾灯に群がる蛾のような彼らの探知方法を逆手に取り、あたかも船が航行していた跡に残る航跡波によく似た波のパターンをアルジェント・リーゼの機動によって再現してみたという訳だ。
「やった! 反応が出てるね」
モニターに映し出される魚群めいた機影に、シルはやったねとガッツボーズする。何せこの海域にはセプテントリオン号以外居ないのだ。
『ぬぅううう!? まんまと騙されたか!』
まんまとデコイの波に誘われてやって来たマヌケなS.H.I.T.のメンバーが怒りを露わにし、海上でこちらの出方を伺っている正体不明の敵機に向けて水中からでも撃てるBS水中用偏光ビームライフルを放つ。だが、水中でもビーム兵器が使えるようにと収束率を高めて細い光となれば、ビーム兵器特有の拡散する粒子によるダメージも期待できない。更にはアルジェント・リーゼの機動性をもってすれば尚更だ。
「うー、水面からじゃだめか」
しかし、だからと言って上空から水面を捉えているシルが絶対的有利となっている訳でもなかった。唸り声を上げながら回転するRSガトリングガン『プルウィア』の砲身から絶え間なく放たれる実体弾が、着弾跡の飛沫を上げながら海中のアクア・ドギルめがけて推進する。だが、実体弾故に水の抵抗は避けられず、また縦横無尽に水の中を動き回る水陸両用キャバリアを仕留めるには厳しいところであった。テロリストは爆雷といった対潜装備を相手が持っていないと察したのか、連携してBS水中用偏光ビームライフルを射ち放ってくる。
このままでは相手の思うツボだと感じたシルは、次なる手段を講じるべくアルジェント・リーゼの操縦桿を大きく傾けた。
「それなら、水の中からだね!」
アルジェント・リーゼの飛翔を担うウィングユニットが泳ぐ魚を空から狩る海鳥のように折り畳まれ、激しい水飛沫とともに水中へと潜ると遂に海面を挟んで対峙していた両者が対面を果たす。
『馬鹿め! のこのことやられに来たか!』
一般的な考えでは、汎用機と言えども水中戦に最適化された水陸両用機の土俵である水中に潜るのは自殺行為に等しい。しかし、アルジェント・リーゼは四大精霊の加護を受けしサイキックキャバリアなのだ。ましてや搭乗者が生命の埒外たる存在である猟兵となれば、そんな常識など通用するものではない。
「顔を合わせてすぐだけど、みんな纏めてやっちゃうからね!」
既に弾切れ寸前であったプルウィアはパージ済みで、水の精霊の加護を受けて陸上と変わりない制動をするアルジェント・リーゼがRSハイパーバズーカ『ブリッツシュラーク』をオブリビオンマシンの群れに砲身を向ける。そして、流れるように撃たれるとユーベルコード『エレメンタル・ファランクス』を帯びた弾体が水中で炸裂する。
成形炸薬や榴弾などの火薬が仕込まれているロケット弾が爆ぜれば、そこから火・水・風・土の四属性による魔力が拡散され、昏き海中が綺羅びやかな光によって白く包まれた。
「まぁ見て、ディビット。海がイルミネーションされてるわ」
「本当だ。こんな手の込んだ演出をしてくれるなんて、クリスマスをこの船で送った甲斐があったね」
シルの戦闘によって生じた魔力光は、セプテントリオン号からでも観測されていた。無用な混乱を避けるべく、猟兵の説明を受けた船長とオーナーの判断でテロリストの襲撃に遭っているという事実は今のところ伏せられていた。
だがしかし、こうも戦闘が激化していけば乗客たちの目と耳に戦闘によって生じた銃声や爆発音が聞こえてくるが、乗客たちは海上で送るクリスマスパーティをより盛り上げる『花火』という認識で捉えていた。事実、アルジェント・リーゼによって作り出されたエレメンタル・ファランクスによる砲撃も、遠く離れて見れば海面が色鮮やかにクリスマスイルミネーションがされていると思っても不思議ではない。とは言え、現場ではオブリビオンマシンが為す術もなく破壊され、脱出しても氷のように冷たい真冬の海に投げ出されて文字通りに頭を冷やされている不埒者らが阿鼻叫喚となる地獄絵図が繰り広げられている。知らぬが仏とはまさにこの事であろう。
大成功
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星川・アイ
アドリブ歓迎
わ~お……どこの世界にもこういうのはいるもんだね
しょうがない、ここはご退場願おうかな~
レヴァイアスのアンダーフレームに換装したジェナス-Vspで出撃
まずはスカイアイで海域を索敵、敵の位置を把握したら敵機のモニターをハッキングしてアタシのコクピット内の様子を見せるよ
内容は勿論、予めUCで召喚したステラとイチャついてる所だよ♡
『アイ~、コレでホントに上手くいくの~☆』
コレで敵のヘイトを集めつつ怒りで冷静さを失わせてから、水上機動で攻撃を回避(ダッシュ・高速泳法・見切り)
隙を見せたらパルスブラスターの連射で動きを止めて、アグニで仕留めていくよ(マヒ攻撃・爆撃)
「わ~お……どこの世界にもこういうのはいるもんだね」
生命の営みがあれば生じる、モテるかモテないかの格差社会。更に|嫉妬《ジェラシー》の感情が渦巻けば、やれRB団だのS.H.I.T.などとイチャイチャするアベックたちを撲滅するという、文字通り恋の嫉妬に燃える組織があるというもの。
そんな見苦しい連中はUDCアースにも居たような気がした星川・アイ(男の娘アイドル風プロゲーマー・f09817)は、何であったかを思い出しつつも可変式水陸両用型アンダーフレームに換装させた汎用機『ジェナス-Vsp』を海上に疾走らせる。それは何だったかとうんうんと唸りながらクルーザー船でトローリングをするようにセプテントリオン号の周辺海域を哨戒していたが、背部増設コンテナから射出されていた偵察用|小型無人航空機《ドローン》『EPUAV-19R スカイアイ』が水中を潜航するキャバリアを捉えたことを告げる感知音を聞けばそれは後回しである。
「しょうがない、ここはご退場願おうかな~」
オートパイロット状態から戻して姿勢を正すが、アイが指先を伸ばしたのは操縦桿ではなくモニターに備え付けられていたキーボードである。白魚のような指を滑らかに踊らせながらスカイアイを経由してのハッキングであるが、組織の金銭的事情でアップデートもままならない旧型機であれば侵入することなど造作のないこと。後はこちらの準備を整えれば、最後は軽快な音と共にエンターキーを押せば作戦開始だ。
『……ん? 映像回線だと?』
魚雷型推進ユニットで潜航しているアクア・ドギルらの回線に、突然として誰から送られたか分からない映像がメインモニターに映し出される。襲撃の情報漏洩として暗号化された秘話通信で最小限のやり取りを行っているので、送り主は同志ではないのは確かだ。
こちらには選択の余地など無いとばかりに、勝手に流れ始めた映像に彼は思わずとして息を呑んでしまった。
「アイ~、コレでホントに上手くいくの~☆」
「イケるイケる♪ ほら、ステラ。もっと身体を寄せて♪」
『『『グワー!?』』』
映し出されたのは、バニーガールならぬキャットガール姿のアイとユーベルコードによって実体化されたSTGのキャラクター『星の魔法少女ステラ☆マギカ』。狭いコックピットの中で組んず解れつ抱き合ってイチャついているという拷問めいた映像が映し出されれば、こういう事を夢見ている彼らの心を深く抉り取って静かな海中で悲痛な叫び声が上げられる。
『ユリユリカワイイヤッター!!』
とは言え、性癖というのは多種多様。男女がイチャイチャしているのは腹が立つが、百合の世界となれば話は別だと主張するものは歓喜の渦に呑み込まれた。
『馬鹿野郎! よく見やがれ、このがっちりとした肩幅は野郎の物だろうが!!』
『アバーッ!?』
そう、アイは男の娘なのだ!
百合愛好家らの精神は、非常なる現実を突きつけられて爆破四散!
天国から一転して地獄へと変わり、悲痛なる叫びがコックピットを揺るがせる!
『男の娘! 男の娘!! フィーヒヒヒ!!!』
だが、今度は男の娘が性癖どストライクのメンバーが天に舞い上がったかのように狂乱する。
ホーリーシット! オブリビオンマシンから与えられる嫉妬の狂気をも越える、人間の業とも言えよう性癖の狂気とはこれほどおぞましいものか!
『男と女のアベックは許さざれないが、男の娘はノーカン! ノーカンだぁ!!』
『黙れぇ!! 崇高なる精神の百合よりも男色の薔薇が勝るとは聞き捨てならん!!』
『ヤメロー! ヤメロー!!』
程なくして始まったのが、自らが容認する性癖の相違による宗教戦争めいた|仲間割れ《内ゲバ》である。シャンパンの蓋めいて魚雷型推進機を唸らせ真上へと飛び上がると、リア充もだがお前も爆発しろと言わんばかりにRSステルス機雷を散布する。勿論、これらはセプテントリオン号を停止させるために仕掛ける予定だった機雷だったが、己の信念そのものである|譲れない物《性癖》を賭けた喧嘩が始まればそんな事など忘れてしまう。
「……ねぇ、アイ。突然仲間割れしちゃったね☆」
「う~ん……何があったんだろうね。でも、こんな機会は滅多にないし見逃せないよ♪ ステラ、しっかりとアタシに掴まって!」
自分たちがイチャイチャしている映像を見せつけることで冷静さを失わせる作戦であったが、何故仲間割れに至ったかはふたりには知り得れないこと。いや、寧ろあんな性もなく見苦しい理由なのは知らぬが仏かもしれない。
ともあれ、仲間割れしたお陰で水中に潜っていた相手が、今や海上に飛び上がっているのは漁夫の利を狙う側としては格好の獲物である。
「アグニ、展開。纏めて一気にぶっとばしちゃうよ!!」
着弾時に爆発する特殊弾頭を発射する重スナイパーライフル『RX-17SG アグニ』によって、現在進行系で仲間割れ中のグループに向けて火砲が放たれる。時限信管によって海面に着弾すると程なく弾頭が起爆するが、思想が違うメンバーを粛清するためにコレでもかとバラ撒かれた機雷が衝撃によって次々と誘爆していく。
「うわぁ……綺麗☆」
そうすれば膨大が爆薬が一気に爆発を起こして、赤々と輝く『炎のクリスマスツリー』が夜空に映し出される。この世界ならではの神秘的な光景と言えようが、偶然にもこれを作り出したのが嫉妬に狂った連中がバラ撒いた機雷による汚い花火という事実も、また知らぬが仏であろう。
大成功
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火土金水・明
「やれやれ、今年も姿を現したのですね。まあ、そう簡単に撲滅出来るとは思ってはいませんが。」「豪華客船に近付かせないように、空中から早めに迎え撃ちましょうか。」
魔法の箒に跨って【空中戦】と【空中機動】の技能を使用します。
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【ホーリーランス】を【範囲攻撃】にして、『WE-14アクア・ドギル』達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「私の役目は少しでもダメージを与えて次の猟兵の方に繋げる事です。」
アドリブや他の猟兵の方との絡み等は、お任せします。
『アルファチーム、ブラボーチーム。応答せよ、応答せよ……。クソ、チャリーチームにデルタチームに続いて全滅だとッ!?』
予定では既に獲物である豪華客船『セプテントリオン号』を停止させている時刻であったが、客船がまだ止まっていない証であるスクリュー音をソナーが捉える。今年もS.H.I.T.の理念に賛同した新たなる|同志《非モテ》の参入があったものの、打倒クリスマスをスローガンに結ばれた強固な絆で情報が漏れているとは到底考えられない。
というのも、スクリュー音はひとつしかないからだ。もし情報が漏れていたとすれば、トリアイナ側が所有する客船の護衛として軍艦を周辺海域へ派遣しているだろう。だがしかし、元に大艦隊を派遣されたが如くの損害が我が方に出ているではないか。
隊長機であることを示すファイヤーパターンが魚雷型推進機の先端部に施されているアクア・ドギルが、ゆっくりと海上へと浮上して周囲を見渡す。
『……やはり、海上に浮かんでいるのは一隻だけか』
闇夜の行灯さながら、満天の星空の下で昏い海に浮かんでいる明かりがひとつ。サングラス状のバイザーで保護されたカメラアイを熱源探知モードに切り替えれば、よりはっきりと|獲物《セプテントリオン号》の姿がより鮮明に映し出される。
そのため、仮に護衛艦があれば真冬の海に浮かぶ熱源として探知可能だが、一向にそれらしき反応は映し出されない。それもそのはずで、S.H.I.T.の主導者が想像するこちらの戦力を押し返す戦闘力を持った部隊など洋上には存在していない。していれば、|上《上空》なのだから。
「やれやれ、今年も姿を現したのですね。まあ、そう簡単に撲滅出来るとは思ってはいませんが」
夜闇に紛れ、箒に腰掛けながら海面を見下ろす火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)が深い溜息を吐くのも無理はない。昨年にキノ国とタケノ国のクリスマス休戦において、誰が休戦を破ったかの疑心暗鬼と不和を結果的に引き起こそうとした|S.H.I.T.《不届き者》を再起不能にさせたつもりが、こうも簡単に戦力を増強して再起を図れば誰でもそうなろう。
彼女の記憶にある『RB団』も同様、何度も完膚なき殲滅を行っても光あれば闇があると言わんばかりに、気づけばどこからかと湧いてきて、気がつくと自然と帰って行く。リア充の季節となれば、熱く、見苦しく、厚かましい非モテ集団が憂さ晴らしに暴れに暴れるという、一種の災厄に似た現象。その原動力が七つの大罪のひとつ『|嫉妬《ジェラシー》』である以上、感情の生物である人間がこの世にいる限り無くすこと自体が不可能とも言えよう。
「ともあれ、指揮官さえ倒せば瓦解してしまう脆い組織であるには変わりありません。ブレードアンテナと言い、専用のカラーリングと言い、誰が乗っているか一目瞭然だったのが運の尽きです」
明は海風にサイドポニーテールを棚引かせながら脚を回して箒に跨る臨戦体勢を取り、取り出した杖を虹色に輝かせながら|魔法《ユーベルコード》を顕現させる。
「嫉妬の炎に身を焼かせる悪しきものへ……貫きし槍を」
『……ん? 何だ、あの光は……?』
明らかに星とは違う光が夜空に灯る。彗星か?
いや、彗星はもっとバーっと動くものだ。
アクア・ドギルの隊長機に随伴する僚機が訝しんだが、勿論これらは彗星など情緒的なものではない。幾何学的な軌道を描きながら、隕石めいて急降下してくる|光の槍《ホーリーランス》だ!
『て、敵襲ーッ!?』
海面に突き刺さる眩い光を放つホーリーランスが周囲を照らし出し、浮上して索敵活動を行っているアクア・ドギルらを映し出す。何が起きたか検討もつかず混乱に至った彼らは、BS水中用偏光ビームライフルで上空に僅かであるが感知した熱源に狙いを定めて反撃を行う。
「残念です。それらは熱を帯びた、ただの残像です」
キャバリアに乗っているのはただの常人で、彼らは機械の力を持ってして猟兵と同等の力でありキャバリアを操縦している。となれば、彼らの目と耳はセンサーが探知した情報頼みとなるわけであり、この真冬の空の下という状況であれば熱源探知による索敵を行うものだ。となれば、逆にそれらを利用して熱源を探知して迫るミサイルを囮となる熱源を周囲にバラ撒いて避けるフレアと同じ原理で、魔法により熱を帯びている残像を作り出してしまえば造作はないことだ。
そして、自身には機械の目を掻い潜るべく外気の気温と同じ温度の膜を張っている。これにより熱源頼りに攻撃を行っていればまず当たらず、ましてや水中でもビームを撃つべく収束率を高めた代償として、大気中ではビーム粒子を拡散できないビームライフルにはまず当たることはない。
「下手な鉄砲はなんとやらですが、目標に当たらなければなんとやらでもす。そして、私が狙う目標は唯一つ」
明が見据える先には、先程に放ったホーリーランスによって僚機と隔絶された上にはっきりと照らし出されているS.H.I.T.の隊長機だ。それに目掛け、挨拶代わりのフェイントに過ぎなかったホーリーランスを魚雷型推進機に目掛けて放つ。風切り音を奏でながら光の槍は加速を強め、狙った獲物を穿ち貫いた。
『ぬぉわー!?』
燃料である可燃性の液化エネルギーインゴットに誘爆したか、突如としてアクア・ドギルの隊長機から炎が噴き上がる。程なくして激しい爆発が起こり、水陸両用キャバリアと言えども水中用の推進機を喪ってしまえば、昏い水の底へと沈んでいくだけだ。
『た、隊長がやられた!?』
指揮官が彼我不明の敵に撃墜されたとの一報がS.H.I.T.の残存戦力に広がると、オブリビオンマシンによる狂気の支配が緩んだのか恐慌状態に陥る。作戦遂行が不可能と判断したのか、暫くすればひとりが戦闘戦域から離脱を図ると我も我もと続々と続く。
『く、くそぅ……覚えてろ! クリスマスある限り、S.H.I.T.は何度も蘇ってやる! 何度でもだ、ガボガボ……ッ!!』
「ええ、また性懲りもなくやって来て下さい。いくらでもお相手してあげますので」
悪運が強いのか、またはオブリビオンマシンが与える嫉妬の執念によるものか。まず助からないであろうと思われた隊長機から脱出したリーダー格の男が海面に浮き上がると、姿を見せぬ明への負け惜しみを叫び、溺れ藻掻きながらも逃げ出していく。しぶとさだけはゴキブリ並の連中だ。きっとあのまま陸地へ生還するので、冷たい海で嫉妬に狂った頭を冷やすという反省を促すためにも放っておいて構わないだろう。
「これでミッション完了ですね。豪華客船へと帰投し、海上クリスマスパーティーの席にご相伴にあずかりましょうか」
この時期になると何処からともなく湧いてくるリア充爆発武装集団『S.H.I.T.』を退けさせた猟兵らは、今回の報酬とも言えようクロムキャバリアのクリスマスを愉しむべく思い思いに豪華客船へと帰投するのであった。
大成功
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