バラエティ番組の2時間スペシャルとかでありそうなやつ
花走・りな
【ぐるぐる】昨晩『バット・サイクロン』のメンバーに捕まる夢を見ました。
という訳で『バット・サイクロン』メンバーに囲まれながら隣人さんとぐるぐるバット対決です。
アスリートアース――それは数多の超人が毎々とスポーツに勤しむ、素晴らしいほどに熱血な世界。彼等は悪のダークリーガーとの戦いに向け常に練習を行っている。そんな、実に王道的な、堂々たる世界の片隅では『その他スポーツ』と謂うものが成されている。たとえば近代五種、未だ公式化とは至らないがこれらも十分に魅力的なものであった。ふぃぃ――息を漏らして若干溶けそうな面をしている彼女こそ近代五種の期待の星、花走・りな。冬であるにも関わらず氷菓子を齧るサマは、成程、汗だくの身体を癒す為には丁度良いのだろう。彼女は今モノスゴイ脱力な状態だ。それ故に名状し難い、筆舌に尽くし難い気配に『囲まれている事』にも気付けていない。視線をちらりと横にやったところで、嗚呼、何もかもは手遅れであった――花走さん、今からさ『スペシャルな試合』に出てくれない? じりじりと迫ってくるのは『バット・サイクロン』のメンバー。彼女等が構えているのは独楽回しの際の糸ではないのか。それにしてもヤケに大きい……なんとなくだけどわかったよ。つまりアレだね。お正月のスペシャル番組みたいなヤツだよね。諦めモードのオマエはずるずるとドナドナされていった……。
隣人ちゃんですよ!!! 知ってた。いや、もしかしたらぐるぐるバットじゃなくて人間ボウリングかもしれないと思ってたけど前者だった。あれよあれよと流されたオマエの手には木製のバット。舞台は完璧に整っており審査員席に座っているのは先程のメンバーだ。これよりぐるぐるバットスペシャル試合! 花走・りなVS隣人ちゃんを行う!!! 救いと謂うべきかはわからないが卓上に焼肉定食は並んでいない。これならば全力でぐるぐるしパフォーマンスをキメるだけで問題なさそうだ。いやー。プールの上でやる方のルールじゃなくて良かったよ。明日も練習があるからね――それでは何時もの掛け声お願いします。
――レッツ・ゴー・サイクロン!!!
お互い基本の姿勢は完璧だ。その他スポーツぐるぐるバットは『基本の姿勢から始まり転倒で終わる』とよく言われている。バットを地面につけおでこをバットにつける。ベテランのぐるぐるバッターもきっと後方監督面で頷いてくれるだろう。ぐるぐるとスウィングされる髪の束はなんとも美しいが――本人達はそんなこと考えている場合ではない。
三半規管が悲鳴を上げる。回れば回るほどに圧し掛かってくる、ぐにゃぐにゃとした、ぐちゃぐちゃとした、脳味噌が撹拌される感覚。はやく解放されたいと思っても、嗚呼、きっと、止まった時の方がつらいのだ……よくもまあ毎回毎回虹色の彼方に逝けるよね。心配は要りませんよストレッチャーはちゃんと準備してますので。
ふらふら、よろよろ。天地がひっくり返ると同時に両者、背中合わせにぐってりとなった。どしゃりと尻もちついてふにゃふにゃと揺れ抗い難い吐き気に堕ちていく――審査員席は大盛り上がり。あれは伝説の――背中合わせでのダウン! 試合終了後の握手に等しい行為!!! あ、ダメ、なんか私泣けてきた。バット・サイクロンのリーダーがハンカチをだす……ええっと。その前にエチケット袋くれるかな。そろそろ限界――。
リ・バース!!!
ふたりで🌈!!!
――こ、今度は近代五種にも参加してくれない?
――それも悪くないですね。
――アスリート人生、色々楽しまなきゃ損だよねぇ。
――次はクネプフェしませんか?
――しばらく『ぐるぐる』はいいかなぁ……。
半日ほど救護室にいた二人はその他スポーツの流行、新たな競技について意見を出し合っていたらしい。みんなも回転する遊びはほどほどにね!!!
成功
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