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記憶

#カクリヨファンタズム #ノベル

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#ノベル


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ノラ・ヘルブラウ
✨ 御依頼 ✨
ノラ・ヘルブラウの幼少期の過去エピソードをふたつ書いて下さい。
・お姉ちゃんとの過去
・お兄ちゃんとの過去

アドリブ歓迎します✨

🎨 参考イラスト 🎨
イラスト
#コミッションイラスト  #2021年4月26日公開
#常盤シルベ様

📝 補足
マスターのグリモア猟兵との交流◎
交流に関しては、現代のノラになっていて、館でふよふよしているのでそこでお喋りしている感じなのら

⚫️

ノラ・ヘルブラウは、世界を旅する精霊使いの妖弧です。新天地の風景と歴史を調べる事を趣味としていて、考古学者な一面があります。一人称のボクや知的な喋り方は兄の影響です。ノラちゃんはお兄ちゃんのことが大好きです。

とても泣き虫で、小さなことで感動したりする。そういった恥ずかしい一面を見せたくないので、独りでいる方が多い。つよがり。 こちらはお姉ちゃんの遺伝繋がりで、ノラは普通の女性よりも弱く、協調性に欠けており、ですが困った人を助ける優しさを持っています。孤独を好むけれど人と関わるのは嫌いではない、不器用なタイプです。

🌏 《第一の世界》 🌏
「ねえ、お姉ちゃん
天使さまっているの?」

ノラの姉は黒髪の和風の女性。何故か顔が思い浮かばない…、大切な記憶のはずなのに

『うふふ、天使さまはいるのよ?お願いしたら、奇蹟だって起こしてくれるかもしれないわね』

『奇蹟は、想いは言の葉。
願うことで見つかるわ
ノラちゃん忘れないでね』

(そのあと……鋼鉄の天馬に潰されていなくなった。戦争なんてだいきらい。きらいきらい。お姉ちゃんを返して。)

🔷 どういうこっちゃ? 🔷
この物語はカクリヨファンタズムの猟書家
滅詩のユリと幽銃のシズクが生み出した偽物の世界の一つ
彼女たちも不幸ですが、この世界に生まれたノラの運命の一つでもあります。

鋼鉄の天馬というのは幼いノラの表現で、UDCアースから流れてきた現代兵器です。
アドリブ歓迎します。自由に表現して下さい。

🔷 この物語の結末 🔷
戦争を巻き込まれこのままでは死ぬのですが、ノラの祈りが奇蹟を生み出します。
時を操る事が出来ると言われる神器・運命天秤『ユースティミス』の天秤が揺れて
ノラは時間軸を操り次元を渡り、次なる世界へと渡ります。
これはユーベルコード『白霧』と呼ばれるようになりました。

🌏 《第二の世界》 🌏
第二に世界では、第一の世界と同様にノラは生まれ変わり…
そして、お姉ちゃんの代わりにお兄ちゃんがいました。はっきりとは覚えていませんが、ノラは前世界《第一の世界》を覚えています。

「お兄ちゃん、天使さまっているの?」

『伝承では残っているね。昔の人が書き記した"碑文"によって、ね?
しかし、ノラちゃん君の探している天使とはなんだい?
通常、天使はオラトリオという種族を指すのだけど』

「んん…。違うの。」

『 "違う"か…キミの探している
"定義された天使"は中々難しいものだね
精霊が見えるということはボクたちと違う思考もしくは感覚を得るのか』

「お兄ちゃん
ノラ、難しい話わかんない。」

『はは、すまないね。
キミが知りたいという"天使さま"
見聞の旅に出ないと、わからないかもしれない。』

『様々な土地を巡り歴史を調べて勉強するんだよノラ。
奇蹟は想い、想いは言の葉。
願うことで見つかるものがあるから。』

(お兄ちゃん光り輝く神秘に触れてそのあと……いなくなった。奇蹟なんていらない。なんでどうして私のたいせつなものばかりいなくなるの)
ゆるして…

🔷 どういうこっちゃ? 🔷
この物語はカクリヨファンタズムの猟書家
滅詩のユリと幽銃のシズクが生み出した偽物の世界の一つ
この世界は平和でした。ノラとお兄ちゃんは仲良く旅をしてとある遺跡にたどり着きます。

お兄ちゃんが触れた光り輝く神秘とは…
実は運命天秤『ユースティミス』の天秤であり、世界にひとつしかないので
タイムパラドックスが発生して運命天秤が勝手に発動して、世界が巻き戻されてしまいます。

世界は巡り…
そして、巻き戻されて…

🌏 《第六の世界》 🌏
第六の世界にて、皆さんと出会うことになりました。
今後ともよろしくお願いします🤲

📝 補足 (運命天秤)(真の姿が封印されている)
※運命天秤とは、諸悪の根源です。
※真の姿とは「命の死を司る冥府の海の神」『デウスエクス・デスバレス』という死神です。
何度も輪廻転生を果たし、闇堕ちしたノラの成れの果てです。
絶望と死の魔将となった彼女は死した魚と共に『デスバレス深海層・地獄(タルタロス)』にて沈むように過ごすことになり、『すべての生を死に』という考えで生者を殲滅する死神に転生します。これが真の姿の正体であり、『魔将:白霧狐』の名です。

猟兵になったノラは世界線でたったひとつだけの、白霧狐の力を持ちながら正気をもって戦う特別な存在です。

✨ さいごに ✨
補足 (運命天秤)(真の姿が封印されている)項目はTW5、ケルベロスブレイドが元ネタです。
設定魔で書き上げただけなので、そこまで深刻に考えなくて大丈夫です…!
不足分、お姉ちゃんお兄ちゃんの名称はありませんがアドリブで追加歓迎します。

✨ ✨ ✨ ✨ ✨

不明点はお任せします。
御依頼よろしくお願いします🤲



――ねえ、“     ” 天使さまっているの?

 自分よりもずっと大きな光があった。
 晴れ渡る空。
 木陰で休む私とその人影だけの世界。

――うふふ。

 優しい声。
 すっと伸びた手が、私の頬を撫でる。
 ⋯⋯とても暖かくて、優しい手。

――天使さまはいるのよ?お願いしたら、奇蹟だって起こしてくれるかもしれないわね

 そう言って、笑いかけた光は、すっと溶けて消えていく。
 世界が暗く染まって行って、気が付くと私は別の場所に居た。
 別の世界。
 別の誰か。
 私は同じ質問を繰り返す。

――ねえ、“     ” 天使さまっているの?

 尋ねられた光は答えた

 ――伝承では残っているね。

 先ほどより鮮明に人の形をした光は、低い男の声だった。
 優しい声音で、小さな私の頭をゆっくりと撫でながら話す。

――通常、天使はオラトリオという種族を指すのだけど⋯⋯

 そう言った光に私は言った。

――んん…⋯。 違うの。

 違う。
 私の探している天使様は⋯⋯。
 光が小さく溶けていく。

――待って!!

 私はその光に手を伸ばし⋯⋯

「お兄ちゃん!!」

 ⋯⋯目を覚ます。
 コツコツと柱時計の小さな音だけが、その部屋にはあった。
 伸ばした手は虚空を掴み、届かなかった。
「お兄ちゃん⋯⋯お姉ちゃん⋯⋯」
 そう呟いて目元をぬぐうと、拭った手が湿る。
――⋯⋯泣いていたのか、ボクは。
 起き上がって周囲を見回すとそこは洋式の寝室で、最低限の家具だけが置かれた質素な部屋だった。
――そうだ。
 仲間たちと会話に花を咲かせ、気付けばだいぶ夜も更けてしまったことを思い出した。
 だから、この館⋯⋯
 “狩人の洋館”
 そう名図けられたこの館で、今日は一泊することに決めたのだった。
「う~⋯⋯んっ!!」
 小さく伸びをして、部屋を出た。
 時計を見るまでも無く、もうだいぶ遅い。
 きっともうみんなは寝たか、各々の家へ帰ったのだろう。
 ⋯⋯静かだ。
 誰か起きていないかなという小さな期待と、ちょっとした好奇心で館をふよふよと漂っていく。

――様々な土地を巡り歴史を調べて勉強するんだよ

 お兄ちゃんはそんなことをよく言っていた。
 ⋯⋯そんな兄の影響だろう。
 こういう古い建物というのは、とても好奇心をくすぐるものだ。
 普段と打って変わって誰も居ない大広間は、荘厳な雰囲気に包まれていたし、廊下にはいくつかの絵画や調度品。
 地下室は⋯⋯忘れよう。
 アレは見てはいけないものだ。
 ⋯⋯うん。
 そんな風にあちこちを眺めて、最後にたどり着いたのは談話室だった。
 しかしだ。
 談話室の椅子に座り考える。
 洋風なのは間違いないが、年代や地域はバラバラ。
 あちこち意味不明な扉や階段があって、内部の作りに一貫性がない。
「どこかで見たような気もするんだけど⋯⋯お兄ちゃんなら、分かるのかな」
 夢を思い出す。
 お兄ちゃんは学者だった。
 彼がこの建物を見たら⋯⋯彼が猟兵だったら。
 きっとボクなんかより、いろんなことに気付いたに違いない。
 ⋯⋯そして、きっと難しい話をしながら教えてくれただろう。
 色々な歴史、世界、風俗。
 もし叶うならば、お姉ちゃんも一緒が良いな。
 お兄ちゃんが難しい話を始めたら、お姉ちゃんがお兄ちゃんを嗜めて⋯⋯

――よそう。
 
 これは考えたって意味のない事だ。
 だって二人は⋯⋯。
「どこかで見た、或いは何かを連想したならウィンチェスターハウスだろうよ。 カリフォルニアのお化け屋敷さ。 ここはあそこに負けず劣らずの増改築っぷりだからな」
 その声に、ハッと振り向く。
「お兄ちゃ⋯⋯」
 お兄ちゃん。
 そう言いかけて、その声の主の姿に気付いた。
「⋯⋯そう言われたのも懐かしい話だ」
 そう言って、座っていた椅子の前にカップを置いて、声の主は正面に座る。
「ココアでよかったか?」
 彼はこの館の主だ。
 ユウキ・スズキ。
「ありがとう」
 そう礼を言って、ココアを口に運んだ。
 優しい甘さと暖かさが体に染みる。
「で、言いたくなけりゃ忘れるが⋯⋯嫌な夢でも見たのか?」
「え⋯⋯?」
 自分でも気付かないうちに、ボクはまた涙を流していたらしい。
 そんな姿を見られてしまったことに気恥ずかしさもあったが、それでも今は⋯⋯
「昔の⋯⋯夢、かな」
 差し伸べられた優しさに、素直に甘えてみようと思った。
「ボクにはね⋯⋯お姉ちゃんとお兄ちゃんが居たんだ」



 古い記憶だ。
 或いは、最初の記憶。
「お姉ちゃん!!」
 そこは小さな村で、私達は裕福では無くても幸せに暮らしていた。
 私はまだ幼く、そんな私には姉が居た。
 黒く艶やかな髪。
 いつも笑顔で、優しくて。
 みんなに好かれる自慢の姉だった。
 そんな姉に、私はいつも同じことを聞いていた。
「ねえ、お姉ちゃん。 天使さまっているの?」
 何度同じことを聞いただろう。
 姉はそんな私にを抱きしめながら、いつもこう答えた。
「うふふ、天使さまはいるのよ? だからね、お願いしたら奇蹟だって起こしてくれるかもしれないわ」
 お姉ちゃんの教えてくれた天使様は、すごく綺麗で優しくて、色んな事を知っていて⋯⋯
「もしかして⋯⋯天使様ってお姉ちゃん?」
 そんな風に聞いた私に、姉ははにかんで優しく頭を撫でてくれた。
「そんなわけないでしょう?」
 でも、姉の話してくれる天使様の姿は、私にとっての姉そのものだったのを記憶している。
 そんな姉が、私は大好きだった。



「でも⋯⋯お姉ちゃんは死んだ」
 あの日の事を今でも鮮明に思い出す。
 いつもと変わらない日常。
 ずっと終わらない日々は、不意に終わりを告げた。
「戦争⋯⋯だったんだと思う」
 幼かったボクには、何が起こったのかは分からない。
 でも、それは空から降ってきた。
「ヘリコプター?」
 スズキさんが怪訝な顔でそう聞いてきた。
「⋯⋯うん」
 あの時は、鋼鉄の天馬と呼んでいたアレは⋯⋯世界を渡るようになった今だからこそ正体が分かる。
 ⋯⋯あれは、UDCで使われているようなヘリコプターだった。
「カクリヨでヘリが飛んでいた⋯⋯と」
 そう言って、スズキさんは考え込む。
 だが、すぐにおかしな話ではないかと納得した。
 あの世界はUDCと繋がっている。
 何かが紛れ込んだりしても何らおかしな話ではないのだ。
「お姉ちゃんはあの時⋯⋯ボクをかばって、あれに潰された⋯⋯お腹の下が⋯⋯無くなってた」
 それでも、お姉ちゃんは生きていた。
 でも⋯⋯あの時のボクには何もできなかった。
「どこかに消えたお姉ちゃんの下半身を探そうとして⋯⋯見つからなくて⋯⋯」
 そして、お姉ちゃんは死んだ。
――奇蹟は、想いは言の葉⋯⋯願うことで見つかるわ⋯⋯ノラちゃん⋯⋯⋯⋯忘れないでね?
 泣きじゃくる私の手を掴み、私に最後に言った言葉は今でも忘れていない。
 ⋯⋯忘れられる物ではない。
 そしてボクは⋯⋯転移した。
 だけど。
「ボクは、また別のボクになっていた」
 それはまるで明晰夢のようだった。
「心はボクのままで、記憶もボクのままで⋯⋯身体だけが巻き戻ったって言えばいいのかな⋯⋯悲しかったし、お姉ちゃんは大好きだけど⋯⋯まるで夢の記憶の様な⋯⋯」
 暫く怪訝な顔をしていたスズキさんは、諦めたように呟く。
「転生⋯⋯とでも言えばいいのか。 概念的にしか理解は出来んが」
 ボクも、小さく頷くことしかできなかった。
 ボク自身理解できていないのだ。
 それをスズキさんが完璧に理解できるはずもない。
「次のボクにはお兄ちゃんが居たんだ」
 ある意味、今のボクを形成したのはお兄ちゃんとの記憶が大きい。
 お兄ちゃんは学者だった。
 僕はそんなお兄ちゃんにもかつてと同じ質問をした。



「お兄ちゃん、天使さまっているの?」
 夕暮れの部屋の中で、資料に埋まったお兄ちゃんに聞いた。
「伝承では残っているね。昔の人が書き記した"碑文"によって、ね? しかし、ノラちゃん君の探している天使とはなんだい? 通常、天使はオラトリオという種族を指すのだけど」
 そう言って、お兄ちゃんは資料の中からそれを見せてくれた。
 ⋯⋯でも。
「んん…⋯。 違うの」
 はっきりと何がとは言えなかったが、それは私の知る天使様ではなかったと思う。
「"違う"か…キミの探している"定義された天使"は中々難しいものだね?」
 そう言って、顎に手を当てながら暫く何かを考えていたお兄ちゃんは、ぶつぶつと呟いていた。
「ふーむ⋯⋯精霊が見えるということはボクたちと違う思考もしくは感覚を得るのか⋯⋯」
「お兄ちゃん、ノラ、難しい話わかんない」
 お兄ちゃんの悪い癖だ。
 何かが気になると、すぐ自分の世界に入ってしまう。
「はは、すまないね」
 そう言ってごまかすように笑うと、私の頭をそっと撫でてくれた。
「キミが知りたいという"天使さま"見聞の旅に出ないと、わからないかもしれない」



「そして、大人になったボクはお兄ちゃんといろんなところに行ったんだ」
 兄の口癖を思い出す。
「様々な土地を巡り歴史を調べて勉強するんだよノラ。 奇蹟は想い、想いは言の葉。 願うことで見つかるものがあるから」
 楽しい毎日だった。
 いろんな遺跡を探検して、少しおっちょこちょいなお兄ちゃんは、よく頭をぶつけていたのを思い出した。
「本当にすぐぶつけるんだ。 いつもおでこにたんこぶがあった」
 そう言って笑う私に、スズキさんも優しく微笑んでくれた。
 ⋯⋯でも、お兄ちゃんは⋯⋯居なくなってしまった。
 ある遺跡でのことだ。
 眩く光る何かに触れて⋯⋯お兄ちゃんは消えてしまった。
「ボクは⋯⋯失ってばかりだ」
 お姉ちゃんも⋯⋯お兄ちゃんも。
 ボクの大切な人は、みんな居なくなってしまう。
「⋯⋯そうでもないさ」
 また暗く沈むボクに、スズキさんは言う。
「少なくともお兄さんは“居なくなった”んだろ? だったら⋯⋯」
 生きている可能性はゼロじゃない。
 そして。
「俺達は居なくならない」
 そう言って笑いかけてくれた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年12月23日


挿絵イラスト