尖晶・十紀
もしもこのキャラが学校に通っていたら、というifが読んでみたいです、よろしくお願いします
世界のところは無視して構いません
基本的には猟兵としての能力を活かした活躍よりも普通の学生としての日常を描写してください
ノベル内での設定
17歳(高三)
軽音部員
環境委員会(花のお世話をしたり校内清掃したり)
甘いもの大好き、購買のチョココロネ争奪戦には毎回参加
性格と口調は正史と変化無し
書いて欲しいシーン
お昼休みの購買戦争や部活、文化祭等学校生活のよくあるワンシーン
状況に応じて適宜モブなど生やしてください
後はなんか良い感じにお願いします
「十紀の……十紀のコロネだよ……」
その学校は、ある石油王の狂気の産物。
初等部から高等部まで合わせると、在学生徒5万人超。人種も国籍も年齢も言語も関係ない。入りたいと言えば誰でも入学できる。そんなマンモス学園。
だから当然、学園の7不思議も現在言われているものだけで2000は下らない。
しかし不思議と、どの七不思議にも共通している題材がある。
それが「学生数に対する購買の小ささ」だ。
毎日4限終了のチャイムと同時に腹を空かせた食べ盛りどもが小銭を握って小さなスペースに押し寄せる。特に名物のチョココロネが入荷する月末は、巨大同人誌即売会からスタッフの整理を除いたような光景になるのが風物詩だ。
「十紀の……コロネ……」
そんな人の流れに身を投じる銀髪の影が一つ。尖晶・十紀だ。
赤目を覆うアンダーリムと無表情はいつものまま、人見知りする心をぐっと押し込めて、体格に反した力強い歩みで全方位からのプレッシャーに耐え、人の流れをかき分けて進む。
だってここには負けられない戦いがあるから。
今日のチョココロネは絶対に勝ち取らないといけないから。
それだけの価値があの甘さにあることを知ってしまったから。
思い出すのは先月の屈辱。最後の一個を目の前で奪われた苦しい記憶。
十紀も高校三年生。卒業から逆算すれば、争奪戦に参加できる回数も見えてくる。
軽音部でベースを弾いたり、穏やかな無表情で花のお世話をする十紀の姿はそこにはない。一人の戦士がいるだけだ。
閃きのように戦士の直感が走る。頑張って顔の角度を変えると、忘れもしない赤毛の男子と目があった。先月の争奪戦で十紀の眼の前で最後の一個を奪った男だ。
向こうも戦士の直感が走ったのだろう。十紀と男の視線がぶつかる。そして理解する。今回も、最後の一個は二人の争いになるだろうと。
ラストスパート。十紀も男も並み居る猛者をかき分け、くぐり抜け、購買に迫る。
次々と売れていく人気パン。どんどん数を減らしていくチョココロネ。そして2つの手が伸びて。
最後の一個を掴み取った十紀が、購買のおばちゃんに握りしめていた小銭とともに突きつける。
受け取ったおばちゃんは、微笑みながら十紀に告げた。
「ごめんねぇ。チョココロネ、今月から200円になったんだよ」
呆然とした後もう20円を探そうとする十紀と、チョココロネを奪おうとする赤毛の男。
延長戦のゴングが鳴った。
成功
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