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銀河帝国攻略戦㉖~Brack and White

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●黒と白のDinah
『集まってくれて有難う。集まって早々悪いのだけど……』
『りょうへいさんたちに きいてほしいことがあるの!』
 両手につけた黒猫と白猫のパペット人形を動かしながら呼びかけたのは、宮前・紅(絡繰り仕掛けの人形遣い・f04970)だった。
「……ということで集まって貰ったのには理由あってね。実は銀河帝国攻略戦についての新たな情報が入ったからなんだよね。」
 宮前は猟兵たちから視線を外さず、言葉を続ける。
「スペースシップから拉致された有能な科学者や技術者が、帝国旗艦インペリウムの科学技術センターで働かされている事が判明したんだ。
 そういうわけで猟兵の君たちには救出に向かって欲しいんだ」
 彼が言うには、科学者や技術者は生体コンピューターの部品として組み込まれてしまっており、無理矢理引き剥がそうとすれば、彼らの意識が焼き殺されて死亡してしまうということだ。
「じゃあ、どうすればいいのかってことだけど、猟兵の皆はちゅうもーく!」
 宮前はそう言うと、黒猫と白猫のパペット人形を動かし始めた。

●白猫のDinah
『おにいちゃんに あたしのとしを2つあげると、おにいちゃんのとしは あたしの2ばいになるのね!』

 おにいちゃんと呼ばれた黒猫のDinahは答える。

●黒猫のDinah
『そうだね。……だったら僕にもう1つくれるかい?そしたら3倍になるからね』

 さて、黒猫と白猫は、それぞれ何才だろう?

「解除しようとすると出てくる謎がコレなんだよねぇ。
 正しい解答を入力できれば、解除される。そうしたら晴れて彼らを救出することが出来るんだけど……。
 皆には、これをなんとか解除して救出して欲しいんだよね!」
 そう言うと、宮前は黒猫と白猫のパペット人形をペコリとお辞儀させる。
 早く救出するためにも、猟兵たちは"謎"の解除に取りかかるのだった。


LichT
 はじめまして、もしくはお世話になっております。LichTです。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 以上がテンプレートの文章になります。
 このシナリオのプレイングには『謎の答え』を必ず書いて頂く必要があります。
 それに応じて、『謎を推理するシーンや正解を思いつくシーン』を書いて頂くか、もしくは救出した後の技術者や科学者のお世話をする行動などのプレイングをして頂きます。

 良いリプレイを御送り出来るように、こちらもより精進して参りますので何卒宜しくお願い致します。
 皆様のご参加及び、素敵なプレイングをお待ちしております。ご検討の程宜しくお願い致します。
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第1章 冒険 『中央コンピューターの謎かけ』

POW   :    総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、救出します。

SPD   :    素早く謎の答えを導き出した後、救出した人のケアを行います。

WIZ   :    明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、救出します。

👑3
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

モリオン・ヴァレー
生かさず殺さずの悪趣味な樹……
何とかしてこれを解除しないとね

で、肝心の鍵だけれど……
【WIZ】冷静に考えれば
普通に数式を立てればいいのよね

白猫をX
黒猫をYとしたら
2(X-2)=Y+2
3(X-3)=Y+3
という連立方程式が出来る
これを解くと……
あら、意外ね
X=6だし、Y=6でもあるわ
つまりこの2匹、【どちらも6歳】よ

『兄妹』に頭が引っ張られて、混乱を誘うつもりだったのかしらね

救出に成功したら、<医術>容体を確かめるわ
ここで死んでは駄目よ


亜儀流野・珠
科学者たちの体調が心配だ。さくっと行くぞ!

少し力技だが…最後に三倍になっているということは…きっと3と9、4と12辺りか?
3倍の状態から、黒猫から白猫に1つ返せば2倍になる、ということは3と9の方だな!
ということは二人は6歳と6歳!双子だったのかこの猫たち!可愛いな!

助ける科学者が複数いるなら「千珠魂」で「俺たち」に助け出すのを手伝って貰おう!
皆大変だったな、ゆっくり休んで欲しい!


シェーラ・ミレディ
さて、また厄介な場所に捕まってくれたものだな。
生体コンピューターの部品となっているのなら、それだけ優秀なのだろうが。これからの為にも、是非無事に救出したいものだ。

ん、ん?
額面通りに受け取ると、黒猫の年齢が白猫の年齢+1以上になるはずだが……それだと計算が合わないなぁ。どういうことだ?
──ん、嗚呼。成程。
おにいちゃん、がミスリードなのか。双子だと想定してしまえば話が早いな。
答えは『黒猫も白猫も6才』だ!

答えが合っていて、助け出せたのなら早急にこの場所から離脱する。
間違っていたら他の猟兵を支援しよう。救出対象をすぐに連れて行けるように準備しておくぞ。


結城・蓮
これは簡単だ。
単純に計算するだけでいい。

【SPD】
答えはどっちも6歳。
悩む必要はない。直ぐに研究者たちを助けに行こう。

……何?説明が必要?
しょうがない。二人の年をaとbに仮定して。
a-2=(b+2)/2
a-3=(b+3)/3
この連立方程式を解くだけだ。
これ以上の問答は必要かい?

それじゃあ救出してさっさとここを立ち去ろう。
時間を掛けていいことはないからね。


カタラ・プレケス
答えはどっちも6才?であってるかな~。
白猫が6なら2を引いて4、1を引いて3に。
黒猫も6なら2を足して8、1を足して9に。
黒猫がおにいちゃんと呼ばれてるから他の計算もしたけど、
たぶんこれであっているはずだよね~。

正解したら研究者さんを出してあげないとね~。
閉じ込められてすこしまいっているかもしれないから、
医術とスクナをつかって精神安定の煙を炊こう。
そして落ち着いたら体力回復の水薬を飲ませて、
安全な所まで案内しよう。


パルミリーリル・アーティルノッド
≪アドリブ・アレンジ大歓迎≫
ふぅむふむふむ! よく分からないでございますね!
いわゆる代数なんのかんのと有るのでございましょうが、わたくしはブルートフォースで力業でございます!

まず2つ年をあげると2倍で、3つ年をあげると3倍でございますね!
年齢基準でマイナス3倍と言うのは想定できませんため、白は4歳以上と仮定しましょう!
黒が3増えて白の3倍であれば元の黒の年齢も3の倍数でございますね!

後は総当たりでございます!
白4黒2……白5黒4……白6黒6……おにいちゃんと言う言葉がひっかけでございましたか! 同年齢でございましたね!
『白6才 黒6才』でございます! さてさて御開帳くださいましまし機械様様!


月宮・ユイ
他の方もいるようですが私も
これは普通に数字で考えれば良いのでしょうか?
これまで、なぞなぞのような問題も多かったので少し不安になります。

黒猫さんをB、白猫さんをWとすると
B+2 = 2(W-2)
B+3 = 3(W-3)

B = 2W - 6
W = 6
B = 6

『白猫さんも黒猫さんも6才』が答えでしょうか
これなら
6-2 = 4、4 x 2 = 8 = 6 + 2
4 - 1 =3、3 x 3 = 9 = 8 + 1
と、言葉にも合いますね

正解できれば、”優しく救助活動”。柔らかく受け止めます。
機械の冷たさに人の温かさを。【癒し手】で活力を与えつつ癒しましょう
毛布や飲み物、運搬具など救護物資も忘れずに


箱庭・山岳
黒猫の年齢をX、白猫の年齢をYとすれば
最初の文はX+2=2(Y-2)(式1)
次の文はX+3=3(Y-3)(式2)
この連立方程式になるので、
(式1)を展開して移項するとX=2Y-6
(式2)を展開して移項するとX=3Y-12。
まずは2Y-6=3Y-12として
両辺に-2Y+12を加えると6=Y。
(式1)にY=6を代入して
X+2=2(6-2)、
X+2=2*4、
X+2=8
X=6
……つまり黒猫と白猫の年齢は両方とも6歳。双子か?

とりあえずは救出した研究者には水を飲ませよう。
あとは……味はよろしくないが栄養素の豊富な固形食でもあれば十分か?
よく分からん。
まあ、担架かなにかで運ぶのがいいだろう。



●Respondent:モリオン・ヴァレー、結城・蓮、月宮・ユイ、箱庭・山岳
 結城・蓮(チキチータ・マジシャン・REN・f10083)
、月宮・ユイ(死ヲ喰ラウモノ・f02933)の2人は中央コンピューターのモニターを前に考えあぐねていた。モニターに映し出されていたのは依頼人が言っていたような問題文と入力キー。
「この2匹それぞれの年齢を当てれば良いんだよね」
「そうですね……早く解除しないと」
 そう話していた2人の元へやって来たのはモリオン・ヴァレー(死に縛られし毒針・f05537)と箱庭・山岳(ブラックタールのウィザード・f02412)だった。
「生かさず殺さずの悪趣味な樹……何とかしてこれを解除しないとね」
「そうだな、見ていていい気分はしないからな」
 ヴァレーと箱庭は樹のように連なったドックを見上げながらそう言い、モニターを見ていた2人に声を掛ける。
「まず、個人で考えてみない?その後に照らし合わせて答えを出した方が良いと思うの」
「考える時間も必要だろうしな。答えを出すのはもう少し後でも出来るだろう?」
 ヴァレーと箱庭の言葉に結城と月宮の2人は頷く。
「念には念を、だね」
「ええ、私も確実な答えを出したいですし……1人で考えるよりも不安を払拭出来るでしょう?」
 4人は各々、熟考するのだった。

【モリオン・ヴァレーの解法】
「(肝心の鍵だけれど……冷静に考えれば普通に数式を立てればいいのよね。
 白猫をX、黒猫をYとして考えれば、ある数式が出来るの。
 2(X-2)=Y+2
 3(X-3)=Y+3
 この数式を解くと……あら意外ね。
 X=6、Y=6になるわ。つまり、この2匹はどちらも6歳ということになるわね)」
 いとも簡単に答えを導き出したヴァレーは、モニターから結城と月宮へ視線を戻す。
「(『兄妹』に頭が引っ張られて、混乱を誘うつもりだったのでしょうけど、その手はあたしには通用しないわ。
 ……さて、他の猟兵たちはどんな答を導きだすのかしら?)」

【箱庭・山岳の解法】
「(これは……謎かけというかは、計算の問題だな)」
 箱庭はそう考えを巡らすと、数式を立て始める。
「(黒猫の年齢をX、白猫の年齢をYと仮定しよう
最初の文はX+2=2(Y-2)(式1)
次の文はX+3=3(Y-3)(式2)
この連立方程式になるので、
(式1)を展開して移項するとX=2Y-6。
(式2)を展開して移項するとX=3Y-12。
まずは2Y-6=3Y-12として両辺に-2Y+12を加えると6=Y。
(式1)にY=6を代入して
X+2=2(6-2)、
X+2=2*4、
X+2=8
X=6 ──となるな)」
 そう答えを出したことで、ある事実にも気付く事ができる。
「……つまり黒猫と白猫の年齢は両方とも6歳。双子か?
 何はともあれ、彼女たちの解答を待つ他ない」

【結城・蓮の解法】
 モニターを見た結城は目を細め、ふと微笑を浮かべる。
「(これは簡単だ。単純に計算するだけでいい)」
 彼女が導き出した答えは──?
「……2匹、共に6歳だ」
 ぽつりと呟いた結城が考えたのはこうだ。2匹の年齢をaとbに仮定して考え、数式を組み。
 a-2=(b+2)/2
 a-3=(b+3)/3
 出来たこの連立方程式を解く。そうすれば自ずと解答は出る。
「説明は必要ないよね……聡明そうな猟兵たちなら答えに辿り着く筈、自ずと意見は一致する筈だよ」

【月宮ユイの解法】
「(これは……普通に数字で考えれば良いのでしょうか?
 こういった問題は"なぞなぞ"のようなものが大半を占める筈、少し不安にもなります)」
 月宮は不安に思いながらも、考え始める。
「(黒猫さんをB、白猫さんをWと仮定します
 B+2 = 2(W-2)
 B+3 = 3(W-3)
 こういう数式が組める筈です。
 B = 2W - 6
 W = 6
 B = 6 つまり、黒猫さんも白猫さんも6歳になる筈です───まあ、こんな所でしょう)」
 解答に辿り着くも、月宮は数字を当てはめ確かめる。6-2 = 4、4 x 2 = 8 = 6 + 2 、4 - 1 =3、3 x 3 = 9 = 8 + 1……当てはめれば、その答えがあっていると解るだろう。
「(答え合わせと参りましょうか……モリオンさんと蓮さん、それに山岳さん。3人と同じ解答なのならば安心なのですが)」

【Answer】
「答えは……出たかしら?」
「勿論。ボクは大丈夫」
「私も、大丈夫です。解答に辿り着きましたわ」
「ああ、答えは決まっている」
 4人が導き出した答えは、正解か?それとも不正解か。意を決してモニターの入力キーを押していく。
【Black Cat:Age】 『6』
【White Cat:Age】 『6』
 解答は出揃った。【OK】の表示を押せば機械の声が無機質に告げる。
『問題の解答を受信。──ジジ、正解です。生体コンピューターのセーフティを解除。及び、No.001の機能を停止します、再起動の際は───』

「やったわ!当たっていて良かった」
「ええ!本当に良かった……」
 ヴァレーと月宮は安堵の声をあげ、モニターの表示を見る。『解除完了』の文字がモニターに映し出されていた。心なしか機械音も徐々に小さくなって来ている気がする。
 突如、シューっと空気が抜けるようなそんな音が聞こえると、科学者や技術者の入っているであろうドックが開く。
「解除されたようだし、救助してさっさとここを出よう」
「我も救助を手伝おう。早急にしなければ……研究者の体調も気掛かりだ」
 結城と箱庭はそう言い、救助に取りかかる。意識をまだ失っている研究者を機械から剥がすと、安定した地面にゆっくりと寝かせた。
「困ったね……意識を失ったままだ」
「水を飲ませてみよう、少しは意識が戻るかもしれない」
 箱庭は水を取り出し、徐に口へと運ぶ。少しだけ、ぴくりと反応を示した研究者も居たが、やはりそれ以上は望めなさそうであった。
 このままだと4人で数十人もの人を運ぶことになる。それは少々骨が折れる。ましてや意識を失っている状態なら尚更だ。
「だったら、あたしに任せて頂戴」
 結城と箱庭の元へ来たヴァレーはそう言い、研究者の容態を診る。比較的早く正確に解答したこともあってか、それといった外傷は見られない。
「ただ……体力というか、そういうものは根こそぎ取られていたみたいね。精神面での負荷が大きいかもしれない。
 運ぶのは良いけど、治療した方が後々のダメージは少なさそうだし、治療出来れば良いんだけど」
「でしたら!私が癒します」
 ヴァレーの言葉を聞いた月宮は、寝かせられた研究者の元へ寄り添うように、手を握る。
『癒しの光よ…』
 あたたかな光が研究者を包む。その光はとても優しく美しい。浄化され安らぎへと変わり、研究者たちへ活力を注いでいく。この彼女の力は、ユーベルコード【癒し手】によるものだ。全てを癒し・浄化、活力を与える優しき光が、命中した対象を高速治癒するというもの。
「……ふう」
 研究者を高速治癒した月宮は一息をつく。研究者たちの青白い顔が色を戻していき、呼吸も整ってきていた。
「大丈夫?その力は使用する度に、ユイさんが疲労してしまうんじゃないのかい?」
「汝が疲れても我にはしてやれることがない……だから自身で気を付けてやってくれ」
「蓮さん、山岳さん。お気遣いありがとうございます。大丈夫ですよまだ少ない人数でしたから」
 結城と山岳の心配に、疲労を感じさせない笑顔で応える月宮。そんな3人の元へヴァレーが。
「さ、後もう少しだけ、蓮さんとユイさんそして山岳さんにも手伝って貰うよ!」
 そして、ヴァレー、箱庭、結城、月宮の4人は無事研究者らを救出することに成功した。手厚い治療と救助によって、痛手を負うこともなく完璧に作戦を遂行出来た。
 猟兵らの活躍によって戦局も徐々に傾き始めていたのだった。

●Respondent:シェーラ・ミレディ、パルミリーリル・アーティルノッド、亜儀流野・珠、カタラ・プレケス
 一方その頃、その"謎"に取り組むもう1つのグループがあった。
「さて……また厄介な場所に捕まってくれたものだな」
 辺りを見回していたのはシェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)だ。周辺はどこを見ても不気味である。樹のようにぶら下がったドックがそこら中に沢山あり、あの中に拉致されているとなると、気の毒だ。
「(生体コンピューターの部品となっているのなら、それだけ優秀なのだろうが……これからの為にも、是非無事に救出したいものだ)」
 ミレディがそう考えていると、ふぅむふむふむ!と声が聞こえてきた。視線を聞こえた方に向けると、そこに居たのは、パルミリーリル・アーティルノッド(くるくる少女・f14000)だった。
「よく分からないでございますね!」
 アーティルノッドはそう言うと、言葉を続ける。
「いわゆる代数なんのかんのとあるのでございましょうが、わたくしはブルートフォースで力業でございます!」
「そうだな!俺も力業でいこうと思ってたんだ!
 何より科学者たちの体調が心配だしな」
 アーティルノッドの意見に同意したのは亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)だ。うんうん、と仲良く頷きあっている少女2人と、力業で行くのか?本当に?と頭を抱え始めたミレディ。
「(えぇと~何だか大変そうだよね~?)」
 頭を抱えたミレディの様子を見かねた、 カタラ・プレケス(呪い謡て夜招く祈りの鳥・f07768)は3人にある提案をする。
「とりあえず~ぼくら4人で協力しない?その方が良いと思うんだよね~」
 プレケスがそう言うと、他の3人は反応を示した。
「わたくしも協力に賛同しましょうか!この問題、よく分からないでございますし、4人も居れば正解に辿り着けるでございましょう!」
「そうだな!俺も、パルミリーリルと右に同じくだ。それに何となくイケそうな気もするしな!」
「ああ、僕もそれでいいよ。その方が心配も少なく済みそうだからな」
 そしてアーティルノッド、亜儀流野、ミレディ、プレケスの4人が協力することになったのである。

「先ずは、皆の考え出した答を聞きたいな~?」
 プレケスがそう聞くと、口を開いたのはアーティルノッドだった。
「先ず確認です!
 2つ歳をあげると2倍で、3つ歳をあげると3倍でございますね!」
「うん。そうだな」 
 亜儀流野も相槌を打ちつつ考える。
「年齢基準でマイナス3倍というのは想定できませんため、白は4歳以上と仮定しましょう!
 黒が3増えて、白の3倍であれば元の黒の年齢も3の倍数でございますね!」
「そうだな。俺もそういう感じの考えだ!
 総当たりで考えても良かったんだが、最後に3倍になっているってことを考えて、無理矢理力業で考えると……3か9、4と12あたりだな」
「ん、ん?」
 亜儀流野とアーティルノッドが話していると、ずっと黙って聞いていたミレディが言葉を挟む。
「額面通りに受け取ると、黒猫の年齢が白猫の年齢+1以上になるはずだが……
 それだと計算が合わないなぁ。どういうことだ?」
「う~ん。先ずはその先入観を捨てて考えてみたらどうかな?」
 プレケスはミレディにそう言い促す。
「計算の続きに戻るが……3倍の状態から、黒猫から白猫に1つ返せば2倍になる、ということは3と9の方だな!」
 計算をしていけば自ずと答えは導かれる。そう───黒猫と白猫は。
「「「          (んだな!)
 ということは、双子だった(のか!)
             (のでございますね!) 」」」
「えっ。そうなんだけどね~?年齢の方が先に出てくると思ったから……僕、驚いたよ~?
 えぇと、そう。双子だと仮定しないとこの計算は成り立たないんだよね」
 アーティルノッド、亜儀流野、ミレディが声を揃えて言ったのは、プレケスの予想外の言葉だった。亜儀流野に至っては、『双子だったのかこの猫たち!可愛いな!』と嬉しそうに言っているのだ。プレケスの見た感じ3人は答えに辿りつけた様なので、気を取り直して続ける。
「僕もみんなが辿り着いた答え。
 『どちらも6歳』だと思うんだよね~」
 プレケスの言葉に頷く一同。
「『おにいちゃん』がミスリードだったんだな」
「ひっかけでございましたか!わたくしもミスリードしてしまう所でした!」
 ミレディとアーティルノッドが指摘した部分。白猫が言った『おにいちゃん』がミスリードさせる要因になったのは、白猫と黒猫は双子であるという事実によるものからだった。解答が、同じ歳でなければならないのに、白猫の『おにいちゃん』発言によって、あたかもこの兄妹は歳の違う"兄妹"であると認識させようと作用してしまった。よって、混乱を誘う要因になった訳だ。
「白猫が『6』なら2を引いて4、1を引いて3に。
 黒猫も『6』なら2を足して8、1を足して9に。
 黒猫がおにいちゃんと呼ばれてるから他の計算もしたけど、たぶんこれであっているはずだよね~。」
 プレケスの説明を受けた亜儀流野はうんうんと同意する。
「プレケスは説明が分かりやすいな!俺が言いたいことを全部言ってくれた!」
「そうだな。答えは決まったんだ、早急に入力してしまおう!」
「では、入力を始めるのでございます!」

 そう言い、4人で導き出した答えをモニターの入力画面へ打ち込む。さあ、解答は──?
『問題の解答を受信。ピ、──ジジ、s、正解です。生体コンピューターのセーフティを、w解除。及yび、No.002の機能を停止します、再起動のnn際は───』
「──やったな。先ずは成功か」
 ミレディはモニターを確認すると、すぐさま離脱準備に入った。ドックから出てきた救出対象をすぐにでも運びだせるようにと。
 その様子を見ていたプレケスも準備に取りかかる。プレケスが取り出したのは【清呪神薬・スクナ】──調合によって毒にも薬にも変わる液体だ。
「(あんな場所に閉じ込められて、すこしまいっているかもしれないから……)」
 スクナを調合して出来たのは精神安定を促進する薬。それを炊き、広範囲にまで充満させていくことで、プレケスは研究者たちの精神安定を計ったのだ。
「さてさて御開帳くださいましまし機械様様!」
「それじゃあ、一気に助け出すぞ!『俺たち、召喚!』」
 ミレディ、プレケス共に、準備が大方終わりそうなのを目処に亜儀流野とアーティルノッドは、研究者たちの救出へとドックへ近づく。すると、亜儀流野が放った一言により、彼女よりも少し小さい分身体──115体もの数のミニ珠が召喚された。これは彼女のユーベルコード【千珠魂】によるもので、小型の戦闘用の亜儀流野の分身を召喚する技だ。
「皆大変だったな、ゆっくり休んで欲しい!」

 ミニ珠が散り散りになってドックから研究者たちを引き剥がしていき、アーティルノッドがその研究者たちを地面に寝かせ、プレケスが治療に専念、ミレディが研究者たちを運び込み、と4人の献身的な行動と連携によって、多くの研究者たちが救出された。
 猟兵たちの活躍により、戦争の終結へまた一歩近づく事が出来た。
 だが、これで終わりではない。猟兵たちはまだ見ぬ戦いへと踏み入っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月19日


挿絵イラスト