なんてことのないラグジュアリー・スケジュール
灰神楽・綾
【乱獅子・梓(f25851)と】
※同じテーマで色々なノベルを見てみたいので、他MS様にも同発注文のリクエストをする可能性があります。問題あれば不受理としてください。
▼グループ共通発注文=======
■内容
ざっくりテーマ【飯テロ】
・美味しい料理と、それを楽しく食べる綾と梓の様子を描いたノベル
・上記さえ重視していただければ、起承転結はあまり気にしなくてOKです
・カフェ、ファミレス、高級レストラン、ビュッフェ、居酒屋、キャンプ場など、場所お任せ
・和風、洋風、中華風、スイーツ、ニッチな外国料理など、料理ジャンルもお任せ
・外食のイメージですが、自炊でもOK
・アドリブや自由な解釈大歓迎
■文字数について
・二人分合わせて最低2000文字前後はあると嬉しいです。あとは書きやすい文量だけ書いて余った分は返金で構いません。
■その他
・制作期限いっぱいかかっても構いません
・可能でしたら、数行程度でも良いので「後書きor前書き(MS様のコメント)」があると嬉しいです。無しでも勿論問題ありません
▲共通ここまで=========
■キャラ性
・にこやかで外面はいいが、梓に対しては自由奔放で日々振り回している
・大食い。少しでもたくさん食べたいから、色んな料理をハイペースで口に入れていくタイプ
・好き嫌いなく何でもよく食べるが、特に好きなのは激辛料理
乱獅子・梓
【灰神楽・綾(f02235)と】
※同じテーマで色々なノベルを見てみたいので、他MS様にも同発注文のリクエストをする可能性があります。問題あれば不受理としてください。
▼グループ共通発注文=======
■内容
ざっくりテーマ【飯テロ】
・美味しい料理と、それを楽しく食べる綾と梓の様子を描いたノベル
・上記さえ重視していただければ、起承転結はあまり気にしなくてOKです
・カフェ、ファミレス、高級レストラン、ビュッフェ、居酒屋、キャンプ場など、場所お任せ
・和風、洋風、中華風、スイーツ、ニッチな外国料理など、料理ジャンルもお任せ
・外食のイメージですが、自炊でもOK
・アドリブや自由な解釈大歓迎
■文字数について
二人分合わせて最低2000文字前後はあると嬉しいです。あとは書きやすい文量だけ書いて余った分は返金で構いません。
■その他
・制作期限いっぱいかかっても構いません
・可能でしたら、数行程度でも良いので「後書きor前書き(MS様のコメント)」があると嬉しいです。無しでも勿論問題ありません
▲共通ここまで=========
■キャラ性
・オカン属性ツッコミ属性な苦労人。フリーダムな綾に何かと振り回される
・超が付く料理男子。食べながらついつい研究しちゃう
・料理をじっくり味わう為に、一口一口ゆっくり食べていくタイプ
・好き嫌い特に無し
・相棒竜の「焔」と「零」もめちゃくちゃよく食べる
ファミリーレストランは手頃な価格帯で外食を楽しむための施設である。
と、そんなふうに定義するのならば、確かにそのとおりであったことだろう。
外食産業としてのファミリーレストランは、和洋折衷であるどころか、世界の様々な国の料理を取り入れて独自の進化を遂げていると言ってもいい。
ドリンクバーサービスを取ってみてもそのとおりであろう。
「おい、綾。確かにドリンクバーは好きなドリンクをセルフサービスで飲むことのできるサービスだってことは伝えたけどな……」
灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)の手にしているコップの色を見て、乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)は思わず咎める。
いや、本当は今日ばかりは咎めることはしないと決めていたのだが、綾のあまりに狼藉っぷりに梓は額に手を当てて天を仰いでいた。
そう、ここは都市近郊のファミリーレストラン。
チェーン店ながらも豊富なメニューと、馬鹿にできない味のバリエーションで有名なファミレスに二人は訪れていた。
普段は梓の手料理を振る舞われることが多いのであるが、時には違う味付けも食べてみたいと思う綾と一日くらいならば家事を休んでもいいかな、という梓の思惑が合致した結果、こうして二人連れ立ってファミレスを扉を押したのである。
「え、何が? 俺の特別ドリンクがなにかおかしい?」
「いやどう考えてもおかしいだろう! まだ二種類ならわからんでもないが、全種類混ぜるってどういうことだ!」
「だって、気になるじゃない。一つ一つでも十分美味しいのなら、混ぜたらどんな味になるのかなって」
「おかしな味になるだろそれは! どう考えても!」
「わからないよ? もしかしたら梓の知らない味になっているかもしれないし」
そんな問答がドリンクサーバーの前で繰り広げられている。
綾の手にしたコップの中は、明らかにちょっと、その……おかしな色合いをしている。
一言で言えば、味は推して測るべしと言わざるを得ない色である。
「馬鹿なことを!」
そう一蹴してみせるのだが、綾がニコニコした顔で梓を見つめる。
なんだ、と梓はたじろぐ。
こういう顔をしている時に梓というのは、大抵の場合こちらを挑発してくるものである。
わかっているのだ。
長年の付き合いであるから。
「もしかしたら……そう、梓の『知らない味』になっているかもしれないんだよ? 未知の味わいで、ものすご~くおいしかったりするかもしれないよ?」
その場で綾が彼特製のスペシャルドリンクを一口飲み込む。
ゴクリ、と喉が鳴る様子を梓は見ただろう。
「おいばか! そんなのを飲むんじゃあない! ぺっしなさい、ぺっ!」
「……うん。これは不思議な味わいだなぁ。知らない味がするよ、梓」
にっこり微笑む綾に、梓は、え? と思わず呟く。
どう見たって美味しくない色をしている。
だが、世の中には見た目のゲテモノに反して味わい深い食材は多く存在している。
もしかしたのならば綾の作り上げたドリンクサーバー全部混ぜが、ひょっとして、ひょっとするのかもしれないという思いがこみ上げてくる。
「……そんなまさか」
「百聞は一見にしかずっていうよね?」
ぐい、と目の前に差し出されるコップ。
いや、そういう問題ではない。
どう見たって美味しくなる感じではない。しかし、いやしかし。
普通の人間であったのならば、突っぱねるところであろう。
けれど、料理に関してはつい研究してしまうのが超が付くほどの料理男子である梓だ。
一瞬でも、僅かでも興味を抱いてしまったのならば、確かめてみたいという思いが溢れ出てきてしまう。
「……」
「さあ、ぐいっと行こうよ。男は度胸って言うじゃないか」
「い、いやしかし……どう考えたってこれは……」
ええい、と梓は綾特製ドリンクを口に含む。
瞬間、彼の繊細な舌が深刻なエラーを吐き出す。脳の信号がケミカルな感じにビビットに煌めく。
あ、これはあれである。
端的言って。
「……綾、お前ぇ!!」
「アハハハ、ごめんて~!」
二人の反応が全てを物語っていたことだろう。
ひとしきりドリンクサーバーの前で二人はわちゃわちゃとした後、自分たちの席に戻る。
「もう引っかからないから。今後一切、ああいうのは俺の前では禁止なんだからな」
梓が拗ねたようにしているのが綾はどうにもおかしくって仕方ない。
確かに悪戯心から始めてしまったことであるが、本気で拗ねて居る彼がどうにも可愛らしく思えてしまうのだ。
普段はオカン属性たっぷりだというのに、こういう時は少年みたいな反応をしてくれる。
「まあまあ、ほら、梓。こっちのメニューごらんよ。色んなのがあるよ~あ、海外の珍しい料理のフェアだって。こういうのって気になるでしょ? ほらほら~」
綾が梓の機嫌を治そうとメニューを広げて見せる。
そこにあったのは、海外の郷土料理を中心に添えたフェアメニュー。
写真付きだから余計に美味しそうに思えてくるし、料理が得意な梓も見知らぬ料理がいくつかある。
「……確かに」
横目で眺めていた梓が興味を持ったようにメニューを手に取るのを見て、綾は簡単でいいなと思った。
こういうチョロ……いや、素直なところは見習うべきところであったかも知れない。
「おお、ジョージア料理……へえ、鶏もも肉を煮込んだシチューみたいな鍋料理か……」
「それが気になった?」
「ああ、にんにくとチーズを使っているんだな……味の想像はつくんだが。他に情報がないな」
「なら、頼んでみようよ。あ、俺は激辛のやつ頼むから。激辛フェアっ聞くと心が踊るよね」
梓の程々にしておけよ、という言葉を無視して呼び鈴のボタンを押す。
少し気の抜けた音と共にウェイトレスがやってくる。
「俺は、このシュクメルリ鍋っていうのを一つ」
「こっちは、この激辛メニューを、ここから……ここまで」
綾がメニューの左端から、ずらっと右下端までなぞって示す。
ゆうに十品は超えている。その様子にウェイトレスは面食らったようである。
どう見たって綾は細身の男性だ。
大食いにはとても見えない。彼が大食いでとにかくたくさん、少しでも多く食べたい性分であることを知っているのは、体面に座る梓だけだ。
「大丈夫なんで、お願いします」
梓の言葉にウェイトレスは少し驚きながらも注文を確認していく。
「夜が入らなくなっても知らないぞ」
「大丈夫だってこと、梓が一番よく知っているでしょ。あ~楽しみだなぁ」
「それは、そうだな……そうか、ジョージア料理っていうジャンルもあるんだな」
梓の料理男子としての血がうずくのかもしれない。
程なくして運ばれてきた料理は対照的だった。
真っ赤一色の綾の目の前と、ホワイトシチューで煮込まれた鶏もも肉のシュクメルリ鍋の白。
「わあ、紅白料理合戦ってやつだね」
「どう考えても紅組が勝つやつだろこれは……」
綾の言葉に梓が苦笑いする。
品数で競うのならばそうだろう。けれど、ここは味の質を問うものである。
「では……」
梓がホワイトチーズのシチューをスプーンでひとすくいして口に運ぶ。
匂いからしてにんにくをたっぷり使っていることが伺える。強い匂いとは裏腹に優しい味わいだ。
バターとにんにくの香りが上手く噛み合っている。
鶏肉だけだと思っていたが、具材は他にもさつまいもも頃っと転がっているのが嬉しい。
この不思議な甘みはバターかと思っていたが、さつまいもの甘味もプラスされているのかと梓は舌から伝わる情報で分析する。
それに味わいもいい。
ライスが付いているのはどうしたものかと思ったが、むしろ合った方が嬉しい。
ここがUDCアースの日本だからこその商品展開かもしれない。
目の前の綾を見やれば、激辛料理の付け合せにフランスパンが二切れある。
あれを浸して食べてもいいかもしれない。
「なあ、綾……」
「ああ~辛っ! いいね、この辛さ。舌がひりひりするよ~!」
パン一切れくれ、といいかけて綾が額に汗しながら、真っ赤なチキンを頬張っている顔を見て、梓はやれやれと思う。
ナプキンで綾の額を拭う。
へへ、と笑う綾の姿を見ていたら、先程までの悪戯を許せる気になるから不思議であった。
「なになに、どうしたの。あ~汗止まんないね、これ」
「だから言ったじゃないか。たまには辛いやつ以外も頼んでみろよ、世界が広がるぞ?」
「あはは、確かにそうかも……っと!」
隙あり、とばかりに綾が梓のシュクメルリ鍋をひとすくい。
あ、こら! と梓が咎めるが、それでも二人は笑っている。
楽しい食卓は笑顔から始まるものである。
例え、どれだけのごちそうが目の前に広がっているのだとしても、共に食卓を囲う相手がいなければ、それは味気ないものとなるだろう。
けれど、梓と綾の二人においては、それは無用の心配であったことだろう。
彼等は生い立ちこそ違えど、長い時間を共に過ごしてきた。
多くのことがあったかもしれない。
ときには味のしない食事をしなければならなかった記憶も在るだろう。
二人はそんな時間を共に立ち、超えてきたのだ。
旅は続く。
食事とは、旅そのものだ。
その土地のもの、その世界のもの。
多くが二人の前に現れるだろう。ときには喧嘩だってするかもしれない。
だが、二人はきっと最後には笑っていうのだ。
目と目が合う。
二人は思いを同じくする。
そして、手を合わせていうのだ。
「ごちそうさま」
「ごちそうさまでした~」
ファミリーレストランは、もうお昼真っ盛り。
多くの人々が食事を楽しんでいる。これが日常。掛け替えのない日常だ。
幸せを感じた二人は、連れ立って歩いていく。
今日という日常を、明日へと繋げるために。膨れたお腹をさすり綾は隣に歩く梓に尋ねるのだ。
「ねえ、梓、夜ご飯な~に?」
それはきっと幸せの質問――。
成功
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