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【サポート優先】蒼白の湖

作者：にゃあら

　これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです（通常参加者を採用する場合もあります）。

●ピルエット出来ないクックロビン
　誰がコマドリを殺したのか、と、マザー・グースは問うてくるが、正解など何処にも存在しなかった。とっても儚い｜駒鳥《女の子》はメイルシュトローム極まって、ただ、小さな世界の中心で五体投地と謳うのか。嗚呼、嗚呼、此処は何かと虚空に投げかけたって、莫迦みたいな旋回ではないか――千回繰り返したって如何にも成らない、それならレッスンをしてくれないか？　蒼々とした羽が鼻梁を擽った――くしゅん。
　腹ペコオウガは我慢出来ない、そんな残酷な真実も夢現に至れば羽毛のようなものだ。囲まれて、囚われて、目隠しされた方がマシだと謂うのに。留まる事を忘れた連中だ。百舌の早贄は間に合っています――つつかれた眼球はもう定まる所以を失くしている。
　――ドラム式洗濯機ごっこをしよう。
　――疲れたら干し肉ね！
　つまり胃袋を空っぽにしてから挽肉を詰め込むのだ。
　入らない、これ以上、入るワケがない……。

●グリモアベース
「あれよね。いつものやつよ。アンタ等辟易としてそうだけどアリスは常に狙われているわ。それこそ忙しなく、ね。目が回るほどに！」
　グリモア猟兵――今日は目隠しを外しているようだ――はオマエをちらりと見た。見渡した。きぃきぃと鬱陶しい事務椅子の鳴き声も螺旋に加われば大したことなどないかもしれない。兎も角。
「可愛い可愛い｜少女《アリス》は踊りがヘタクソな所為でオウガの晩餐に成りそうなのよ。つーワケでとっとと助けてやりなさいな。あ、いつもの事っちゃあいつもの事なんだけど『酔い止め』か何か持ってった方が好いわよ？　あの世界ってば滅裂ですもの！」
　グリモアが輝いて。

第1章 冒険 『回り続ける世界』

POW   :    回転に逆らって進む SPD   :    回転を有効活用して進む WIZ   :    回転しないように工夫して進む 👑7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

　湖に鳴門が発生しているとは、本当、ケッタイな話ではないのか、と、オマエが疑問に思ったところで唐突なピルエット強制だ。ついていけない誰かさんは既にぐったりとした様子でカレイド・スコープな天蓋を見上げている。上下する熱っぽい酸味がなんとも度し難く、これがオウガを誘うザクロだと謂うならば猶更、冒涜的だとは考えられないか。絡み付いたロープを切断してはならない、そんな戯言が知恵の布越しに届けられた。
　兎角――殺人鬼としての欲望は一時的にお預けとして食い倒れる前に動かなければ危うい。満腹な状態で｜回転ループ《こんなところ》に横たわっていたら大惨事に中てられてしまう。ほな、アリスさん、いっちょ地獄から抜け出すとしましょう。酔い止めの代わりに飴ちゃんなんか如何だろうか。あ、おハーブの方がよろしい？　たいへん生えてくるそうで。
　シェイクされた頭の中をスッキリとさせて出口の｜貌《ほう》へと眼球を転がす。此方、ダンス・ホールに成っています。人間様らしくない囁きが心臓を掴んだ気がした。
　――怪物は人の皮を被るんでしょう？
　――スーフィー・ダンスがお似合いね！
　それではお仕置きの前にちょっとしたお遊戯の時間を確保して奇怪なリズムに乗せられると良い。何分経ったか何時間経ったか、判断するには針が不足している。
　勇者の剣と殺戮刃物、揃って初めて舞うべきだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

　ハイテンションを引っ提げて兎の穴へと落っこちる、雑なイメージを脳内に収めた儘、ぐるぐる、吸い込まれていく小世界の中心。独楽になった気分を味わったら早々に出遭ったグロッキー様、はやく介抱しなければ、解放しなければ乙女の♡が罅割れる。
　時代が望んでいるのはコマドリではなくハチドリなのだとオウガはまったく咀嚼していない。オウンゴールを決めるようなおぞましいフクフク嗤いが今日も昨日も明日も脳髄へと直に響き渡るかのような、眩々とする惨状だ。ようこそ、このステージは阿呆みたいに大回転しています。聞いた事のないナレーションと共に奇天烈なミュージックが始まった。な、何かはわからんけどなんとかするのが能力者、アスリートの基本やろ？　ミニマム・フラット躍らせて｜少女《アリス》を庇う為に前へ前へ。いやはや、素晴らしいフォワード精神ではないか。ボールがなければ自分がスピンすれば良い、目が回る？　問題になるとでも！
　ハート・マークで熱暴走を起こしたならば有機物も無機物も、オウガだってパフォーマンスの虜なのだ。何れは三十六の世界に届かせる大いなる狂騒、嗚呼、最早、オマエを止めるものなど存在しない――今度は流転に身を任せ、上へ上へと登っていく。
　太陽の化身と化したオマエは何故か天動説の如く、さあ、アリスを抱えてそのまま大ジャンプ――救えるもんは出来るだけ救う、素晴らしい、スポーツ・ウーマンの心。
　――カルコサの地でも歌って魅せる。
　――オレンジの瞳は未だ々だ健在だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

　ポジティブ・シンキングの奴隷として決着するのが治療法だ。小麦粉の塊を処方してぐったりな身体を糺す。聞こえますか、聞こえますか、此方は迷子センター。
　――女の子を残して消えたお母様は即座に滅多打ちにされてください。
　｜中央太陽《セントラル・サン》に照らされて、ぐるり、もう、何度回転したのかも脳味噌だけでは判断出来ない。嘔気に誘われて襲い掛かってきたにぶい頭痛も、愈々、｜少女《アリス》にとっては生存確認の為の手段だろうか。滅茶苦茶なメイルシュトロームの彼方を夢見ては酸っぱさを散らかす塑の沙汰に、嗚呼、オマエ、分け与えるべきはドロップではないのか。白馬の王子様ではなくスタァが転がってくる、絶望の音か、いいや、いいや、希望の詩だ。からからと後光がめぐり出口は近いと微笑みかける。
　さぁ、行くよ！　全力疾走で出口までご案内！　鋼鉄の鎧で飾られたお馬さんのご登場だ。永久のメリーゴーランドからの脱出は今からなのだとごっこの鬼に宣言する。青々と廻る双眸は真直ぐに空を知り、ああ、台風の目をバッチリと認識していく。
　――愉しい愉しいダンス・パーティは皆でやらなきゃ。
　――フレッシュ・パーティはお断りだよ。
　英雄は｜機関銃《マシンガン・トーク》を終わらせない。何故かって？　口を閉じたら胃壁が騒がしくって仕方がない！　コーカスレースに終止符を。

成功 🔵​🔵​🔴​

　戦いが終を得ないので在ればメイルシュトロームの｜目玉《あな》は無い。搾られるかの如くにお代官様ごっこだ。ご丁寧にも豆の木がへし折られている。
　――手を伸ばした結果は余計な｜悪《お》仕置きだ。
　――生まれるのは生命ではなく未消化物。
　神との同一化を図る為に、只管と、回転する｜宗教《もの》が在る、そんな資料を捲った｜記憶《おぼろ》だ。UDCアースで流行っていたのは確か自転し、宙を往く獣の｜映画《はなし》だったか。兎も角、玉虫色な脳内を如何にか現実へと引き戻す――天も地も何もかもが回転する世界でしょうか？　月並みな感想を抱いてしまえば目が回る、だろうが――その程度で在れば容易だっただろう。既に内臓がひっくり返りそうでたまらない。
　エンディング――見るに堪えない――を｜予知《りかい》して終えば猶更、放っておく事など出来ない。汚物をソースか何かと勘違いしているオウガの群れに『喰われて』たまるものか。さて――洗濯の時間だ。乾燥？　それはあなたに委ねます。
　モーセが海を割れなかった場合、果て、何者が洪水を起こすと謂うのか。箱舟、つまりはオマエの背に乗って｜少女《アリス》は底の底を視た――あらゆる形は無形に沈み、ぶくぶくと、マッシュ・ミートの道を逝く。
　――目眩はこれで終わりでしょうか。
　――コマドリがオマエの名を啄んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

第2章 集団戦 『ブルーバード・ダンサー』

POW   :    ペイルバード・オウガ 【蒼い鳥が変化した猛禽類のようなオウガ】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。 SPD   :    腹ペコオウガは我慢できない 自身の身体部位ひとつを【オウガ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。 WIZ   :    終わらない舞踏会 自身が【踊って】いる間、レベルｍ半径内の対象全てに【踊りによって生み出された衝撃波】によるダメージか【踊りによって生み出された光】による治癒を与え続ける。 イラスト：華月拓 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

　悪知恵しょうゆを一滴、垂らしてしまえばケーキなんて台無しだ。クリーム巻いた渦が皿の上、癇癪を晒している。
　――石の器に添えたスイートポテト。
　何度潰されれば気が済むのか。
　紫色の芋のシェイクを想わせる、形容し難い、茫々とした旋回にやられた心地だ。エンディングを知らない｜舞踏会《マスカレイド》の中心で、オマエ、ウルウルと瞳を揺らす。一身に受けた衝撃が臓腑を痛めつけた、一心に受けた悲哀が脳漿を腐らせた。ああ、如何すれば現状を打破出来る。｜少女《アリス》の心身を正気の儘で導ける――唐突に出現したのは天使と悪魔、その姿はオマエの姉そのもので在った。
　他の猟兵が来るまで耐えるのが正しい、と、天使の輪っかがぐるりと描いた。いやいや、そんな面白くない事するんじゃない。愛情たっぷりに｜過去《オウガ》を惹いてやれば良いのさ。ぐらりと掴まれた脳天が徐々に徐々に悪戯っ子へと染まっていく。それって、ちょっと。常識なんぞは塵箱に投げ棄てて嗤え、鬼ごっこ、埒を明けようではないか。
　心の儘に気の儘に筆を揮えば炎々と、このハートの輪郭は甘えん坊の所業だろうか。焔と一緒に踊ってくれるかな？　痛めつけられるよりぬくもりくれたら永遠だ。それならピルエット、ちゃんと教えてあげましょう。
　――さあ、ショウ・タイムだ。
　――あとの祭りは｜他猟兵《あなた》に任せる。
　花弁になったウキウキ感と共にバレリーナの｜演技《フリ》。
　狐に抓まれた白鳥は、嗚々、王子様のキスを知らない。

成功 🔵​🔵​🔴​

　蝶のように回り、蜂のように周る。緑色を流しながらオレンジを乱される、そんな、吐き気のする状況は此方からお断りだ。シャルウィダンスを散らかす際はマナーを守っていただきたい。軋む不協和音、ネジ苦れたフルートの模造品。
　煌々とした黑――と描写すべきだろう。舞台上に引き摺り混まれた仮初の命は、がらり、蛇の目の孔空きに嗤う他なかった。回転している。何が回転している？　ゲーム画面かコントローラーか選択の為の→か――嗚呼、復唱しなくても世界のそのもの。大回転する世界を跨いで、ただ、鳥のような鬼が舞っている。神様の謂う通り、と、指差して、定める事が出来たならば策略の内――永遠に踊れ？　愛しの悪女様のお願いだったならば或いは。
　アリスに目隠し施したならばぶくぶく、オマエのお呪いが髑髏の柱を束ねていく。コツコツと謳った地獄の摩天楼が、ぎらりと眼窩を光らせた。よろしい。悪の美学に倣っての名乗り口上だ――オレは利司郎、お姫様は浚って行くぜ。
　こぼれた｜頭蓋《ユーベルコード》を押し付けて足元滑らせてやれ。こうも不幸に転がって、ごつんと目を廻せば白鳥も愈々黒鳥だ。
　――鬱々とした金色に眩んで還る。
　――骸の海への看板は彼方だ。
　チューリップの香りに魅せられてアリスは持ち直す。袖口は近く、客席はもっと近い。機械仕掛けの神様が重たい腰を上げたのだ――あとは宙に浮くだけだろう？
　素人の演技で申し訳ないね、白馬の王子様なんて柄じゃないんだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

　アミュレットを盗まれた故の憤懣だ。猟犬は地を駆け、宙を往き獲物の肉を噛み臓腑を舐るのだ。身体が小さくても｜態度《こころ》は大きい、ハングリー精神の賜物か。
　蒼白の傍らに笑みを添える、引き攣った腸の擽ったさ。
　まるで夜闇を彷彿とさせる、邪な、見開かれた眼球だった。たとえ振盪に侵されようとも決して瞑る事のない凄まじい気迫。嗚呼、つまりオマエは脳天から爪先まで歴戦の｜終焉破壊者《エンドブレイカー》だったのだ。如何様な回転の流れに浚われようとも、牙剥くオウガに囲まれようとも足元を掬ってしまえば『これにて』再開――アンタ等身体のバランスがお留守ですぇ？　そんなのはお互い様だとコマドリが囀った。母親殺すのも父親殺すのも勝手だけれど、そんな理不尽、指くわえて眺めるなんぞ赦されない。
　強烈な嘔気を飲み下してぶらりと構えた仕込み杖。抜刀する価値も無い連中だ、それならバットと見做してホームランは如何だろう。これが本当のぐるぐるバットどすえ？　力任せに振り抜いた獲物。ぐしゃりと拉げたダンサーの頭……。
　ほな、お次の方、お相手しましょうなぁ。赤い髪の毛乱れに々れ数々のステップを狂わせる。残った鬼さんには犬ごっこを嗾けるとよろしい。目眩の最中に貧血？　まあ、なんとかなるやろ。
　爆散した粘性の虚、びちゃびちゃの｜死体《パーツ》が転がった。
　猫の目は最早まわらない。

成功 🔵​🔵​🔴​

　飛び降り自殺の疑似体験も此処まで至れば本物に等しい。地球コマに縛り付けられ蜿蜒と踊らされる最悪だ。手助けが必要でしたらお手伝いするのですよぉ――死体が歩くなおとなしく喰われろ。ダンス界隈は硬直に厳しい。
　やわらか腐肉のチョップ・チョップが手刀めいて襲い掛かってきた、そんな幻想に囚われたのはきっとリ・バース、中てられた所為に違いない。欠片ほどの防腐剤を嚥下出来たならば創造主からの喝采だ。全てが総て、舞い戻ってくる為の口実に過ぎないのが、嗚呼、なんともオマエらしいとは思わないか。臭い々いと蓋をした数々のブラック・ヒストリー、横文字苦手なオマエでは読み解く事すら難しい。ええ、ええ、大丈夫ですよぉ。手足の二・三本、胃袋四つ、棘皮生物ごっこには慣れている。そもそも｜三半規管《カタツムリ》が鈍いのではないか、オマエ――コーヒーカップに乗せられての読書だって余裕なのだ。
　彼岸とやらに存在していた魂を引っ張ってしまえば、成程、絆されたとの言い換えも間違いではない。朱色の雛鳥を巡らせて食欲旺盛な鬼さん発狂させると悦ばしい。これで逃げたくても逃げられない状況の完成だ。目の上のたん瘤、もしかして、饅頭と認識していないか――汁気のたっぷりな三本足に吶喊。
　逆さ吊りの刑を｜執行《おこ》なえば水風船、ぼよんぼよんと遠心力を遊ばせる。弄された鬼さんの｜脳味噌《シナプス》は最果てでじゅくじゅく、松果体をブッコ抜いたら要らないものだ。今度はほっぺたに渦描いてやろう。渾沌のように死んでくれ。

成功 🔵​🔵​🔴​

　頑固な卵にノック・ノックとしてやればシャンタク赤子もビックリな反響だ。もだえ、ふるえ、もらしても、たらりが胃酸でなければ問題ない。
　白馬に跨るなんて勿体ない、桜色の菓子に優しいコーティングだ。
　力なく蛤が捨てられている。
　ターン・テーブルに四肢を縛されたかのような、ひどく滑らかな、容赦のない旋回の中心で｜半吸血鬼《フリークス》は微笑んで魅せた。悦楽や愛情、ピンク色の不可視の獣が如くに委ねてしまえば気持ちの悪さも気持ちの良さへと変換される。踊り踊らされの関係性はいつしか｜逆転《トレース》されて在り、嗚々、レディー・ファーストは同時に行われた。素敵なダンスを有難う。かわいらしいピルエットを有難う。衝撃波を浴びつつじっくりと小鳥の群れに感激を投げる。さて、お礼と謂ってはなんでしょうけど。ここからは大人のダンスを愉しみましょ❤　罅割れる事の決してない｜夜鷹《ウィップ・アーウィル》の啄み。
　くすぐりを攻撃としている｜夜鬼《ゴムハダ》の髣髴か、魔黑な焔がオマエを抱く。ホップ・ステップ軽やかに接近し、さあ、王子様なんて居なかったのだとカッコウが歌う。幸せの青い鳥、無垢なる白鳥、固まってないで「首をこちらに回してよ」――貝殻で掬ったジュースを啜らせ｜衣服《ガード》諸共に堕としていく。こっちのお湯は甘いのだ、果てども果てどもむず痒い――ミツドリのチクチクとした干渉、黑朱雀への進化。
　舞踏会は終わらない。このまま終わらせたら｜脇役《アナタ》にスポット・ライトが当たらない。かごめかごめ、後ろの正面、｜楽園《とりかご》の中で、永遠――。

　｜悦楽園《エデン》から脱した｜少女《アリス》が目の玉をぐしぐしやった。治まった振盪、爽やかな解放感に満ち溢れ、戸口を叩く――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2022年12月20日