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銀河帝国攻略戦㉔ ~フォートレス・アサルト~

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「作戦内容の通達を開始するわ」
 ディアマンテ・ロサ(FRAGILE・f12402)は白い手を嫋やかに伸べ、自分の周囲に浮かぶコンソールを操作する。
 ホログラムめいて周囲に発生した青白いパネルに、作戦領域と敵のデータが表示された。

『作戦目標』
 帝国軍旗艦『インペリウム』
 対艦兵装群の撃破。

『作戦背景・概要』
 敵旗艦『インペリウム』は複数の艦隊により護衛されている。これを戦力的に圧倒すべく解放軍は攻め上げようとしているが、白兵戦に至る前に『対艦兵装群』による迫撃により、後退を余儀なくされている。
 対艦兵装群には他の追随を許さない圧倒的な火力を持つ長距離戦火砲が配備されている。このため、猟兵にはこの『火砲の破壊』を依頼する。
 おそらくは護衛の敵性体と戦闘になるが、その撃破は任務内容に含まれない。
 転送後、敵性体を回避・撃破し、高速で敵火砲に接近。
 最大出力にて、火砲を挫け。

『破壊対象』
 加速粒子出力兵器『トール・ハンマー』
 正式型式番号「BB-25-TH」
 半径二・五メートル、直径二五メートルのビーム砲。
 他を寄せ付けぬ火力と射程を持つ。至近距離には発射できないため、距離を詰めれば猟兵相手には無力である。
 本作戦によるトール・ハンマー破壊目標個数は『五基』。

『敵性体概要』
 敵、航宙戦闘機『デルタ・ファイター』……型式番号『De-108』複数。
 高い機動力を持ち、宙間戦闘に長ける。
 猟兵の戦闘能力ならば容易に撃墜が可能だが、インペリウムは巨大旗艦。これを艦載機としてほぼ無尽蔵に出撃させてくる。
 相手にしない、もしくは最低限の撃破で済ませるようにするとスマートなはず。

「作戦成功を祈るわ。……では、佳い旅を」
 ディアマンテはふわり、とダイアモンド状のグリモアを浮かべ、現地へと至る“門”を開く。
 さあ、今再び、戦火咲く漆黒の宇宙へ。



 ヴァンガード・オーバード・ブースト!(挨拶)
 煙です。
 巨大兵器破壊と聴くとワクワクしませんか?
 私はします。よーしぶっこわすぞーブンブンブブーン。

 今回の描写範囲は『無理なく(一日に三~五名様のお返し)』となります。
 期限一杯までは書くつもりでおりますので、お気軽にどうぞ。

●Caution!
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 集団戦 『デルタ・ファイター』

POW   :    増援要請
自身が戦闘で瀕死になると【増援飛行隊 】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    帝国軍の栄光のために!
【制御不能の高速航行モード 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    対宙銃撃
レベル×5本の【貫通 】属性の【機銃弾】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●トール・ハンマー
 雷神の鉄槌を意味するコードネームが与えられた加速粒子砲は、掘削した小惑星にマウントされ、百メートル間隔で整列している。
 護衛部隊、短距離用防衛機銃、そして帝国軍の宙間戦闘機『デルタ・ファイター』が大量に布陣したその宙域。
 イエローダイアモンドの光で縁取られた門が開き、猟兵らは敵から目測で二百メートルの手前に射出された。

 作戦を開始する。
 作戦コード、『フォートレス・アサルト』。
 グッドラック、イェーガー!
ジャガーノート・ジャック


(ザザッ)
I copy.
長距離戦火砲『トール・ハンマー』の撃破ミッションを開始する。

(ザザッ)
浮遊戦車形態の"ゲパルト"に搭乗。
本機とゲパルトにステルス迷彩を掛けた状態でトール・ハンマーに可及的速やかに肉薄。
この間、ゲパルトはエネルギーをチャージ。
(目立たない+迷彩+操縦+ダッシュ+早業+力溜め)

敵性体に気付かれた場合はホログラムによるデコイを放ち陽動、隙を突き離脱し戦闘を回避。
(残像+フェイント)

トール・ハンマーに接近し次第、ゲパルトを変形。
右腕に接続。
(武器改造)
標的の根元から溜めたエネルギーを一気に放射する。
(零距離射撃)

本機の行動指針は以上、実行に移る。
オーヴァ。
(ザザッ)



●始まりは静寂の内に
 ザッ……ザザッ。イェーガー・トゥー・スリー・エイティワン、作戦を受諾。
 ザッ……I copy. 長距離戦火砲『トール・ハンマー』の撃破ミッションを開始する。

 初めに気付いたのは、第八八二三デルタ・ファイター飛行隊の担当範囲のレーダー管制を行っていた、管制機のパイロットだった。
「……八八二三飛行隊、応答せよ。こちらAWACS。貴隊防空範囲に不自然な反応がある。目視は可能か、オーヴァー」
『……ザッ……こちら八八二三飛行隊、コールサイン“グリム”。有視界戦闘警戒中。担当範囲にそれらしき存在は確認できない、オーヴァー』
「こちらAWACS。“グリム”、反応は貴機の前方だ。本当に何も――」
 管制機パイロットが通信先に再度確認を要請しようとした瞬間――ヘッドギアから怒声が飛び出す。
『……バカな!? クソッ、各機緊急警戒!』
 その瞬間、管制機のパイロットは見た。
 彼方に光る複数のイエローダイアモンドの光。
 そして――八八二三飛行隊の周囲に無数に増える敵反応を。

 ホバータンク“ゲパルト”のエネルギー充填率は七二パーセント。
 ステルス迷彩は有視界戦闘用の敵機は欺瞞できたが、早期警戒管制機――AWACSの強化レーダーまでは誤魔化せなかった。織り込み済みだ。
 傍受した敵無線を聴きながら、ジャガーノート・ジャック(OVERKILL・f02381)はホログラム・デコイを展開。彼の周囲に複数の写し身が射出・投影され、一瞬にして二十からなる小隊を演出する。
 敵機が次々と機関砲を発射し出す。ホログラム受像機が撃ち抜かれ爆炎を上げて撃墜されるその隙間を、ステルス迷彩をアクティブにしたまま飛び抜ける。
 長くは保たない。敵飛行隊もそこそこの腕だ。瞬く間にデコイが撃ち落とされていく。その手応えのなさに気付かれるのも時間の問題だ。
 ジャガーノートはゲパルトのスラスターを短く噴かし、光量を抑えながらトール・ハンマーの眼前に至る。ステルス迷彩を解除。敵AWACSの悲鳴。
『……“グリム”! そいつらはデコイだ! 敵は――』
 ――ザザッ、
「……もう遅い」
 ジャガーノートが挙げた右腕に、ゲパルトが変形しドッキングする。エネルギー充填率一〇〇パーセント。
 泡を食って砲身を回転、粒子加速を開始するトール・ハンマーの砲口に向けて、ジャガーノートはゲパルトの砲身を差し向けた。
『貴様は一体……ッ!!』

「I'm Juggernaut.」

 トリガー。閃光が突き抜けた。
 ジャガーノートが放ったゲパルトの光条が、トール・ハンマーの砲口へ向け炸裂。全エネルギーを籠めた一矢は、そのまま全長二五メートルを誇るトール・ハンマーの後ろへ突き抜け――大砲は破裂するように炎を吹き上げ、周囲を巻き込んで大爆発した。
「対象の破壊を確認。作戦完了、離脱する」

 ジャガーノートは再びステルス迷彩をアクティブにし、ゲパルトをホバータンクに変形させ現場を離脱する。しかしAWACSの悲鳴は終わらない。
 ――ジャガーノートの一撃を嚆矢とし、戦場が過熱する!

            【トール・ハンマー 撃破数:一】

大成功 🔵​🔵​🔵​

イェルクロルト・レイン
クレム(f03413)と

狙いはトールハンマー?
ファイターは相手にしない方が良い?
構うものか
メインディッシュはクレムがやるだろ、おれは暴れさせてもらう
目眩しにでも使えばいい

指の腹を噛み傷付けて、血より舞い起こるは穢れの炎
火照る高揚に身を任せ、地より呼び起こすは畏れの炎
二重の白き炎をその身に纏い、狼は高らかに吼える
さァ、遊ぼうぜ

傷付いても恐れずに
溢れる血潮も炎に変えて
死んだ瞳を爛々と輝かせ
唇には笑みを貼り付け駆け巡る

――アァ?もう終わり?

くいと身を引かれれば不満そうに鼻を鳴らし
また庇われでもしたら堪らない
またな、次は地獄で会おうぜ
最後に一撃、劫火を見舞ってお別れだ


クレム・クラウベル
イェルクロルト(f00036)と

……おい、ルト
さっきの話聞いてただろうな
こら、何処へ行く気だお前
制するより先に飛び出す背中には盛大に溜息一つ
ああくそ、怪我でもして帰ってみろ
頭から消毒液ぶつけるからな!

ああも派手に暴れてくれるなら良い陽動だ
ルトを隠れ蓑に素早く接近
目立たぬよう暗色の衣服の下に装備潜め反射を防ぐ
兵器を射程に捉えたら一雫の銀で破壊
二発三発と続け再起不能になるまで叩き込む
結果的に楽に済んだ、が
……後で灸を据える必要があるな、あいつは

破壊済めば迸る白い炎を目印に探し
ルトの首根っこを掴んで有無を言わさず回収
終わったぞ、撤退だ
暴れたいなら後は他所でやれ
劫火に合わせて祈りの火を目眩ましに退く



●焔に光る銀一つ
 先行した猟兵が一基、トール・ハンマーを落としたことで、無線は既に大騒ぎだ。敵の通信周波数には罵声と怒声が渦を巻いている。
 一気呵成と攻撃に出た猟兵らに乗じ、更にまた、二人。猟兵が前進する。
 クレム・クラウベル(paidir・f03413)、そしてイェルクロルト・レイン(叛逆の骸・f00036)である。
 “門”から宇宙空間へ飛び込んだときの勢いを殺さぬまま、クレムは銃の反動を使い、イェルクロルトは白き“畏れ”の炎を足下や手で爆ぜさせることで推力を得、漆黒の宇宙を翔る。
 イェルクロルトが徐々にスピードを上げつつあることに気付き、クレムは糺すように声をかけた。
「……おい、ルト。さっきの話聞いてただろうな」
 無線越しの声に、赤毛の男はあからさまに面倒そうに応答する。
「構うものか。狙いはトールハンマー? ファイターは相手にしない方が良い? そんな細かい指示、どうでもいい」
 音が聞こえたなら、爆ぜ燃える畏れの炎の吼え声が聞こえたろう。イェルクロルトは更に速力を上げ、敵飛行隊の元へ一直線に飛んでいく。
「こら、何処に行く気だお前!」
「どうせメインディッシュはおまえがやるだろ。おれのことは、目眩ましにでも使えばいい」
 白き炎を纏い彗星の如く突っ込むイェルクロルトを見ながら、クレムは歯噛みを一つ。
「ああくそ、怪我でもして帰ってみろ! 頭から消毒液ぶっかけるからな!」

「心配性なんだよ、お前は」
 イェルクロルトは指を噛み裂く。まるで生きているように血がびゅるりと迸り、白く燃えた。血より舞い起こるは“穢れ”の炎。その熱に煽られるように火照り、地から這い上るは“畏れ”の炎。
 白き二重の炎を纏い、叛逆を吼えるは気高き狼。
 オープンチャンネルの無線を傍受していた敵パイロットらが、思わず威圧される程の咆哮。
「さァ……遊ぼうぜ!」
 紡錘型編成で飛び来る四機を正面から迎え撃つ。放たれた機銃弾をまともに喰らうが、傷口から溢れ出る血は即座に穢れの炎と化し、イェルクロルトの身体を白く燃え上がらせる。
 敵機と擦れ違い様に白き炎を投射。命中を確認もせず次の敵機に向き直る。
 次の三機は三角型編成、先頭の一機が機関砲を発砲する前に白い炎を絡みつかせ、視界を奪う。翼の一枚を引っ掴み、イェルクロルトは手から炎を爆ぜさせて反動で機体の方向を制御。まるでモーターボートを乗りこなすように敵機に掴まり飛びながら、すれ違う敵機全てに白い炎を浴びせていく。
 白く延焼する敵機を視界の隅に確認しながら、イェルクロルトは中指を鳴らした。
 彼の白く燃える炎から――まるで追尾レーザーの如く、『骸の劫火』が放たれる。白く燃える炎を追尾し射貫く骸の劫火が、敵機を次々に射落としていく。一瞬にして八機が爆発四散。足に使っていたデルタ・ファイターをも蹴り放し、骸の劫火で貫いた。これで八機。
 イェルクロルトの死んだ眼が炎を映し、爛々と煌めく。

 クレムは暴れ狂うイェルクロルトを案じながらも、己の装備の光反射を布地で押さえ、発砲もなるべく控えつつ、浮遊するデブリを蹴飛ばして暗黒の宇宙空間を泳ぐ。
 金属の反射や熱反応を探知する類のレーダーには、細心の注意を払った彼の姿は映らないだろう。
「――おかげで楽に接近できた……けど、後で灸を据える必要があるな、あいつには」
 苦々しげに言いつつ、クレムはトール・ハンマー近くの小惑星に着地。短剣を張り出した部分に突き立て、アンカーとして自身の身体を固定する。
 全長二五メートル、直径五メートルの円筒を抉るには、彼の武器はいかにも小さく見えた。彼に敵の司令艦が見たのであれば、鼻で笑ったことだろう。その小口径の拳銃一つで、特殊合金製のトール・ハンマーの砲身に何が出来る、と。
 確かに、尤もである。――だが、それはクレム・クラウベルが猟兵でなかった場合の話だ。
「一発二発じゃ足りなさそうだな。喜ぶといい、祈る時間はたっぷりとあるぞ」
 クレムは精霊銃――『シナス・ロリス』を服の下から再度抜き放つ。剣突き立てる腕の上に銃を持つ手首を乗せ固定。
 照準。トール・ハンマーの構造から、その弱点を推測し、一所につき六発の銃弾を撃ち込む。
 ユーベルコード『一雫の銀』。その銃弾は見ただけならば名の通り、たった一雫の火線にすぎないが――『届け』『貫け』『救え』と祈りを湛えた銀の弾丸である。トール・ハンマーの特殊合金製の装甲に穴が空き、小さな弾頭はいとも容易く、反対側へと突き抜けた。
 加速炉から反応中の重金属粒子が漏出し出す。
 それを確認して、クレムは素早く短剣を小惑星から抜き、なおも数射放って位置を調整。
「ルト! 終わったぞ、撤退だ!」
「――アァ? もう終わり?」
 天才的な射撃センス、そして反動の利用だ。
 クレムは過たず白い炎に覆われたイェルクロルトの横に至ると、首根っこを引っ掴み、ぐいと引き寄せる。
「まだ暴れ足りないんだけど」
「後は他所でやれ。この場は、これで終わりだ」
「……仕方ないな」
 イェルクロルトは不満げな顔を隠しもしないまま、ふん、と鼻を鳴らした。
 骸の劫火をその身体に全力で燃やし、飛び来る次なる飛行隊を睨む。
「またな、次は地獄で会おうぜ」
 イェルクロルトが劫火を斉射すると同時の、クレムの『祈りの火』。
 視界を漂白する白焔、そして貫く劫火に次々と飛行隊が落ちるその背景――
 疵に構わず始動したトール・ハンマーに亀裂が走る。
 クレムが撃ち込んだ点と点を結ぶかのような亀裂――噴き出す重粒子の光、そして、爆発。
 白く染まる宇宙。光が止む頃には、二人の男の姿は何処にもない。

            【トール・ハンマー 撃破数:二】

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エレアリーゼ・ローエンシュタイン
宇宙だと、く…クッキー?
『空気抵抗、だろ?』
そう!それが無いから、撃ち出したものは何処までも飛んで行くんですって
…今度は私が無茶する番
怒られたってやめないわ

【オルタナティブ・ダブル】…エルくんと協力して迅速に近付く
囲まれないよう、2人での【フェイント】【だまし討ち】
【早業】での【クイックドロウ】も交えて
邪魔な敵だけ跳ね除けながら機を伺う
【第六感】も働かせて、一瞬のチャンスも逃さないよう

探すのは「射線」
敵影の重ならない、一直線の小さな隙間

呼吸を合わせて、彼の刀を足場に跳躍
膂力も合わせ、兵装に向けて一気に撃ち出して貰って
【捨て身の一撃】でエルの刀を突き立てるわ!
せーーーのっ!!!

(アドリブ連携歓迎


天通・ジン
『インペリウム』に向けて、宇宙戦闘機で突破を図る
敵機『デルタ・ファイター』の癖は今まで何度も戦ってきて、よく覚えてる
俺の頭が覚えてるし、こいつ(※機搭載型の戦闘用AI)も覚えてる
負ける余地がないってことさ

相手がいくら速く動こうと、それを凌駕してみせよう
AIによって完璧に制御された高速戦闘、んで俺の狙撃で敵を撃ち落とす
チャフを撒いて、ダミーバルーンを放って、陽動をしかけつつ、最小限の機動で撃ち落とす

ただし主任務は「火砲の破壊」だ
兵器の無駄使いはできない
ミサイルは温存し、敵機の相手はあくまで機銃のみ
必要なときにだけ弾を撃つし、必要なければケツまくって逃げるだけさ

アドリブ歓迎
後部座席が一席空いてるよ



●ランペイジ
「……さてと、敵さんが来たな。打ち合わせ通りで大丈夫かい?」
「大丈夫よ! ここまで乗せてきてくれてありがとう、お兄さん!」
「次はもっと楽しいクルーズにご案内したいとこだね」
 天通・ジン(AtoZ・f09859)は戦闘機の後部座席キャノピーを離脱モードで開ける。エレアリーゼ・ローエンシュタイン(花芽・f01792)はそれを承知の調子で、ジンの宙間戦闘機から飛び出した。

 二人の作戦はシンプルだ。ジンが運び、飛行隊を相手取る。エレアリーゼがトール・ハンマーを斬る。ジンがダメ押しを入れ、後は離脱する。

「……それじゃあお姫様の露払いだ。やろうか!」
 ジンはスロットルを開ける。愛機のエンジンが一気に出力を上げ、吼え猛った。今までがエレアリーゼを運ぶためのタクシーだったとするなら、その瞬間から彼の機体はF1マシンへと変貌する。
 AIに対デルタ・ファイター用のコンバット・マニューバをロード。敵識別を任せる。ヘッドマウントディスプレイに敵がマーキングされる。正面、三機。 ヘッドオン!
 ジンは迷わず機銃のトリガーを絞り、向かい合った敵編隊の一機を撃ち落としてそのまますれ違う。AIのマニューバ補助。承認。即座にインメルマンターンで切り返し、まだターン途中の敵の横っ腹を機銃で薙ぎ払い撃墜。
「De-108の癖も機動性能も全部識ってる。お前らがどれだけ速く動いたって、その上を行ってみせる。――俺とこいつを、簡単に落とせるだなんて思ってくれるなよ」
 ミサイルアラート。
 後方からロックオンされていることを悟った瞬間、チャフとフレアを展開しジンは機体をブレイクさせる。多弾頭ミサイルがフレアとチャフに欺瞞され八方に逸れ、花火の如く散る。
「お前らの相手は機銃だけで充分だ。前菜に本気を使ってられないんでね」
 ジンは不敵に笑い、再びターン。敵十二機のフォーメーションを前に、単騎でドッグファイトを開始する!

 宙に放り出されたエレアリーゼは、即座に『オルタナティブ・ダブル』を発動。
 現れた己が半身と、手を繋ぐ。
「宇宙だとー、く…クッキー? クッキーテイクオフがないんですって」
『それを言うなら空気抵抗、だろ』
 呆れたような少年の声。『エルくん』とエレアリーゼが呼称する、彼女の半身。
「そうそれ! それが無いから、撃ち出したものは何処までも飛んで行くんですって!」
『また無茶なこと考えてるな、エル。ホントにやる気か?』
「……エルくんを置いてっちゃったでしょ、この間。今度は私が無茶する番よ、怒られたってやめないわ」
 先の戦いで半身を囮として使ったことを悔いるように呟くエレアリーゼに、半身はしょうがないな、と嘆息してみせる。
『……エルさえ無事ならそれでいいって、言ったのにな。ケガするなよ。お前が無事でないと、俺だってタダじゃ済まないんだからさ』
「ん、わかってる……ありがとう、エルくん」
 手を結んだまま、二人は空いた手に拳銃を抜いた。後ろに放ち、その反動で前進する。
 ジンが飛び回り敵機を落とし回る中、ジンのマークを外れた機体がエレアリーゼらを散発的に襲う。しかし、その度に二人が放つ拳銃弾がキャノピーを撃ち抜く。邪魔する機体を掻き分けるように進み、敵機のマークが薄い一条の『射線』を確認した瞬間。
『――エル、乗れ!』
「うん!」
 半身が抜刀。漆黒の刀身の峰に、エレアリーゼは踵を乗せる。
『一、二の、』
『「三っ!」』
 元より一つの存在である。タイミングも呼吸も全てぴったりと同じ。半身が振るう刀の勢いに乗って、エレアリーゼは一直線に跳んだ。振るう刀の勢い、それを蹴り放す力が完璧に合わさった瞬間、エレアリーゼの身体は一発の弾丸と化す。
 身を翻しエレアリーゼは抜刀、トール・ハンマーの横っ腹に、
「っせーーーのっ!!!」
 妖刀『Sachertorte』を突き立てる!
 特殊合金製の装甲が紙のように容易く破られる。そればかりではない、エレアリーゼは刀身を突き立てたまま勢いに乗って走る、走る! 全長二五メートルのトール・ハンマーの半ばまでを刀で引き裂きながら駆け抜け、蹴り放して離脱!
 重粒子の漏出が始まり、緊急停止プログラムが作動して、緩やかに自転していたトール・ハンマーの動作が緩やかに停止するその瞬間――

「待ってたぜ」

 ジンは、その瞬間を狙っていた。
 ドッグファイトを仕掛けていた敵部隊の相手を放棄し、バレルロールして後ろの敵機の狙いを外す。ペダルを蹴りつけアフターバーナー全開、一気にZ軸座標を上げてスラスター・オン、機首を下に向ける。
【LOCK ON】【LOCK ON】【LOCK ON】【LOCK ON】
【LOCK ON】【LOCK ON】【LOCK ON】【LOCK ON】
【LOCK ON】【LOCK ON】【LOCK ON】【LOCK ON】!
 ジンのヘッドマウントディスプレイの視界に収まるトール・ハンマー。構造的弱点、そしてエレアリーゼが刻んだ斬撃疵に、ロックオン・マーカーが次々と花開く!
 ミサイル・トリガーのカバーを指で弾き上げ、ジンはウィンクを一つ。
「派手に咲いてくれ。じゃあな」
 赤いボタンが押し込まれた瞬間、ジンの機体からクラスター・ミサイルが一斉発射された。空中でシェルが解け、複数のミサイルに分裂してトール・ハンマーへと降り注ぐ。

 回避機能の無いトール・ハンマーに、その弾雨を避けるすべがあるわけもない。
 次々とミサイルが突き刺さり、爆発。エレアリーゼが刻んだ疵でミサイルが弾けた瞬間、巨砲は加速粒子の光を上げ、盛大に爆発四散した。

            【トール・ハンマー 撃破数:三】

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

へぇ、目測200メートル手前か。
ならアタシと相棒にはほぼ肉薄してるも同然だね!
射出前に人機一体を発動させておき、
射出されたら即座にバイクモードで加速開始。
【操縦】【騎乗】でデルタファイターの攻撃を回避しつつ
トールハンマーに肉薄。
一度フライパスをするように横をすり抜け加速度を増して、
最高速でターン!
すぐさまアーマーモードに変形し、
トールハンマーへ【黄昏砕く脚】をぶち込んでやるよ!


イデア・ラケル
デコヒーレンスプログラム起動
誰もアタシがいる事を証明できない、誰もアタシが動いたことを証明できない。アタシはずっとそこにいるしアタシは常に動いている、アタシだけがこの存在を証明できる。
さぁアタシは今"どっち"の自分を選択したでしょうか
ま、"どっち"でも不正解なんだけど

寄ってくる戦闘機は投げ返してやるよ、無限に湧いてくる鉄塊サイコーって感じ
ある程度削いじゃったなら終わらせようじゃん
宇宙空間で最大加速、限界を超えた最強の【蹴り】をデカブツにお見舞いしてやるよ



●クロスシュート・オーヴァードライブ
 イエローダイアモンドの光が輝き、“門”が再三開く。飛び出す影は二つ。
 宇宙バイクに跨がるは数宮・多喜(疾走サイキックライダー・f03004)、その後ろに相乗りするイデア・ラケル(螺旋の花・f03935)だ。
「目測――二〇〇メートルってところか。アタシらにゃもう目と鼻の先ってトコだね。しっかり掴まってなよ」
「はいはい。ま、足場が多くなってきたら降りるから、そこまでヨロシクってことで」
 多喜の台詞に返すイデアの調子は軽い。気負いを見せない調子に「頼もしいね」と笑い、多喜はアクセルを開ける。
 宇宙カブ『JD-1725』のエンジンが咆哮し、宇宙空間を疾走する。
「うっへえ、いるじゃんいるじゃん」
 イデアが顔をしかめてぼやいた。大量の『デルタ・ファイター』が編隊を組み飛来し行く手を阻む。
 顔を険しくして突破ルートを探す多喜の後ろで、イデアが腰を浮かせた。
「とりまあいつらの相手はアタシがするし、先行っていーよ」
「あの数を一人でやるってのかい?」
「アタシは出来ない事なんて言わない。ちゃんと追いつくし、ま、見ててよ」
 自信たっぷりの調子で言うイデアに、臍を固めた調子で多喜は正面を向き直る。
「……なら、任せるよ。けど言っとく、アタシの相棒はメチャクチャに速いからね、気合入れて追いついてきなよ!」
「追い越しちゃったらどうしよっかな、その時はお菓子でも奢って貰っちゃおっかな」
 多喜の発破混じりの啖呵に、くひひ、と意地の悪い笑いを漏らし、イデアはJD-1725のシートを蹴った。
「お菓子でも何でも奢ってやるさ――本当に追い抜けたらだけどねぇ!」
 多喜は即座にアクセルをフルに開く。敵飛行戦隊が機銃を一斉に撃ち放つ。
「ちっ、やっぱり撃ってくるね……! アンタらの相手をしてるヒマはないんだよ、どいてな!!」
 多喜は前のめりになり、ハンドルに顎を掠めるほどに身を屈めながらバイクを巧みに操作した。
 数基備わった推進システムの出力をアクセルとペダルで調整、一部を噴かし、一部を絞ることで錐揉みにローリングをかけながら左にスライドし、機銃弾を回避。
 殆ど繋がって発される高サイクル連射の機関銃を、無謀とすら言えるギリギリのところで回避しながら更に加速。最早その軌道はバイクのものではない。戦闘機のコンバット・マニューバーじみている。
 多喜を撃墜し損ねた飛行隊は即座に反転、アフターバーナーを全開にして多喜を追走し始めるが、それを制する如く軽い声がオープンチャンネルの無線に響いた。
「はいはーい、ストップストップ。そこまでだよ」
『なっ……うわあああ?!』
 突如、一機のデルタ・ファイターの制御が失われる。イデアだ。
 敵機の翼に絡めたワイヤーを驚異的な膂力で引き、振り回して他の機に叩きつけ破壊。爆発炎上。
 巧みにワイヤーを操り、デブリにかけては引き寄せ、蹴り飛ばし、宇宙空間を翔るイデア。
『クソ、アーチャーⅢからⅥ、奴を止めろ! 残りはあの宇宙バイクだ!』
 次なる機体にワイヤーを命中させたイデアに向け、並び飛ぶ四機の敵機が機首の機関銃を向ける。
「……デコヒーレンスプログラム起動」
 発砲の直前、イデアはユーベルコードを走らせる。その唇が嘲るような弧を描き――
 放たれた機関銃の銃弾が、虚空を裂いた。
『……?! 何処に消えた?!』
 ――誰もアタシがいる事を証明できない。
 ――誰もアタシが動いたことを証明できない。
 ――アタシはずっとそこにいるしアタシは常に動いている。
 ――アタシだけがこの存在を証明できる。
『さぁ、アタシは今“どっち”の自分を選択したでしょうか――ま、“どっち”でも不正解なんだけどね』
 可干渉性否定。デコヒーレンスプログラム。
 無線だけが不気味に囁いた。
 イデア・ラケルはその瞬間、どこにでもいて、どこにもいない。
 次の瞬間、四方、同時に伸びたワイヤーが、同時に四機の敵機を捉えた。凄まじい力が機体を振り回し、後方へ投げ飛ばす。
 可干渉性集束。
 ――イデアは、四機の機体を投げ飛ばした『可能性』とその運動エネルギーを集約し、その身体に集めた。四機分の機体推力と重量の反作用が、イデアの内臓を蹴り潰すように圧縮する。――それにさえ舌を出して見せながら、彼女は放たれた矢の如くトール・ハンマーへ突き進む。

 多喜は左右からの攻撃を巧みなアクセルワークとハンドル捌きで回避しながら、速力を上げ続ける。徐々にデルタ・ファイターですら追尾困難な速度に至りながら、トール・ハンマーをフライパス! 最高速からの急激なスペースドリフトターンを決めながら、多喜は吼えた。
「今だッ! 行くよ、相棒!」
“O.K. Charge up buddy, Junction DRIVE!”
 多喜はペダルを蹴って宇宙空間に身を躍らせる。直後、JD-1725が弾けるように部品単位に分解され、多喜の身体に纏い付いた。かのバイクに内蔵された数多の形態の一つ、アーマーモードだ! 
 無窮の鎧の如く相棒を纏った多喜は、今だ残る速力を活かしつつ再加速! 燃えるように輝くブースターの光を曳き、トール・ハンマーへと迫る!
「ぶち抜けぇーーーーーーーーーーーっ!!!!」

 流星の如く疾るは多喜、彗星の如く肉薄するはイデア。
 二人は奇しくも全く同じタイミングで右足を突き出し――!

 二条の煌めきはトール・ハンマーを中心としてクロスし、突き抜けた。
 一拍置いて――爆光。またも一つ、雷神の鉄槌が宇宙に散る。

            【トール・ハンマー 撃破数:四】

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フレズローゼ・クォレクロニカ
🍓櫻宵(f02768)と一緒
アドリブ等歓迎

ひゃあ!宇宙っ!(櫻宵に掴まる
敵、大っきいー!
首ないよ?壊せるかな?壊そうよ!
さぁ、全力の魔法で絵描こうか
キミの散りゆくその様を

あれを?

いいんだね!

キミとなら怖くない

櫻宵を鼓舞しながら、空中戦でふわり
弱いとこを探しながらも見切りを活かして攻撃を躱しオーラ防御で防ぐよ!
アートに描くのはマヒ攻撃をのっけた魔法のミサイル達
ドカンと弾けて牽制攻撃、綺麗な華を咲かせておくれ!

より深く、より強く
キミの刃が狙いに届くように
キミを守れるよう
黄金色の昼下がりで少しだけ動きを停めるから……いっておいで
綺麗に斬っておくれ!

さぁ!キミの絶望(クビ)を塗り替え(はね)たげる!


誘名・櫻宵
🌸フレズローゼ(f01174)と
アドリブ歓迎

宇宙よフレズ!飛んでかないように気をつけて
さぁ!斬るわ
相手が何でも、首がなくてもぶった斬れればそれでいいわ
ええ、ええ、壊しましょうね

そうよ

壊せば

交互に笑う
あなたはあたしが守るわ

フレズに応援されたなら無様な様は見せられない
狙うは一点、アレを斬り壊す事
全力で成しましょう
衝撃波を込めてなぎ払い穿ち壊して
見切りや残像で攻撃はいなして躱し
離れていれば空中戦かフレズの描いた絵を足場にトールハンマーへ近づくわ
いつだって狙いは敵将の首
フレズが隙を作ったなら
ダッシュで一気に距離を詰めて
怪力、全力を込めて『絶華』を放つ
綺麗に斬って魅せましょう

女王様のご命令ですものね?



●紅刃、凍る刻を駆け
「ひゃあ! 宇宙っ!」
 フレズローゼ・クォレクロニカ(夜明けの国のクォレジーナ・f01174)は転送が済むなり、慌てて傍らの腕に縋った。足場がそもそもないし、重力も然り。上も下もない。スペースシップワールドには一度作戦で来たことがあったが、宇宙空間での無重力戦闘はこれが初である。
「そうね、宇宙よフレズ! 飛んでかないように気をつけて!」
「うん、大丈夫。しっかり掴まってるからね!」
 楽しげなフレズローゼに頷くのは女――と見紛う細面の男だ。美貌と言って差し支えない顔貌だが、その骨格、身長共に男のものに相違ない。誘名・櫻宵(誘七屠桜・f02768)である。
 二人の視線の先、二〇〇メートルの位置にトール・ハンマーの威容。これだけの距離を置いても、加速粒子砲のサイズはなお規格外だ。
「――敵、大っきいー! 首ないし! 櫻宵、あれ壊せるかな?」
 問い。そこに不安はなく。
「えぇ、もちろん! 斬るわ、相手が何でも。首がなくてもぶった斬れば壊れるわよ」
 応え。微塵の迷いもない。
「そっか、じゃあやっちゃおう! 壊しちゃおう!」
「ええ、ええ、壊しましょうね」

「あれを!」「そうよ」
 フレズローゼの言葉に櫻宵が笑い。

「壊せば」「いいんだね!」
 櫻宵が混ぜ返せば、フレズローゼが笑う。
 
「任せて。あなたはあたしが守るわ」
「ん、――キミとなら怖くない」
 はにかむように笑って、フレズローゼは『虹薔薇の絵筆』を翻して、星屑の道を描く。やわらかに櫻宵へ向ける笑みとは違う、勝ち気な笑みを彼方へ向ける。
 飛来するデルタ・ファイター、十数機。手前と奥の二部隊。
「さぁ、全力の魔法で絵描こうか。キミたちの散りゆくその様を!」
 フレズローゼが筆を振るたび星屑の道は延び、櫻宵の足場をサポートする。
 魔術で虚空を飛びゆくフレズローゼ。櫻宵はそれを守るが如く常に彼女の二歩分先を走りながら、刀の鯉口を斬り、血の色の刀身を露わにした。銘を『屠桜』。
 彼方より放たれる機関銃の嵐。櫻宵の技はその弾雨を前にしても一歩も引けを取らない。火花散らして受け弾き逸らし、足を止めずに走る。その間に、後ろでフレズローゼが絵筆を振るった。虚空に描かれるのは戯画化された魔法のミサイル。
「さぁ、綺麗な華を咲かせておくれ!」
 描かれたミサイルが立体化し、筒尻からぼう、と玩具みたいに火を噴いて、複数の火線を描きながら敵戦闘機へと殺到。爆発炎上、破壊された機体の爆炎と魔法のミサイルの虹光が散って敵の視界を塞ぎ、僅かな時間だが行動を阻害する。
「櫻宵! 停めるよ!」
「ええ、フレズ。お願い」
 いつも通りの聲が通信機越しに聞こえる。いつもより耳元に聞こえる気がして、フレズローゼはくすぐったそうに笑った。彼女は殆ど一瞬で筆を走らせ、宇宙をキャンパスに永遠の茶会を描き上げる。
 ――ああ、より深く、より強く。彼の刃が届くように。彼を守れますように。
「さあ、いっておいで! 綺麗に斬っておくれ!」
 ユーベルコード『黄金色の昼下がり』。溢れ出るはきらきらと光る、蝙蝠、紅茶、角砂糖。アリスの夢をひっくり返したような騒ぎ。濁流のように噴きだしたそれらが、なおも襲い来るデルタ・ファイター飛行隊の『時間』を奪い去り、その動きを停止させる。
 それを見ながら、櫻宵は刀を構え直し、低姿勢に駆けた。星屑の道の最後の一歩を踏みきり跳躍、フレズローゼの絵筆を逃れた敵機を行き掛けの駄賃とばかりに一刀両断。
 横合いから降り注ぐ機銃の掃射を、刀から発する衝撃波の反作用で回避。残像すら残さんばかりの速度。動きの停止した敵機を軽やかに飛び渡り、瞬く間にトール・ハンマーへ迫る。
 ――最早彼そのものの在り方が、意思持つ刀にほど近い。振るう相手を決めたが最後、断つまで止まらぬ凶刃である。

        クビ  は ね
「さぁ! キミの絶望を塗り替えたげる!」

 楽しげに歌うフレズローゼの声を耳に、櫻宵は薄く笑って、狙いを一点に絞る。トール・ハンマーの中程、装甲の接合部。最早彼の目には、その継ぎ目こそが首級と映る。
 ――斬り壊す。
 行く手に敵機残三。一歩早駆け、二歩疾風、三歩閃光。光と見紛う速度で男は敵機を飛び石にして跳躍。大上段に刀を振り上げた。下方見下ろす雷神の鎚。しかしてこの男にかかれば最早、俎上の鯉にしか過ぎぬ!
 剣先で衝撃波を巻き起こし、稲妻が如く下へ駆け落ち――

 一閃、煌めき、赤き衝撃波が装甲の継ぎ目に伝い走った。
 その一筋の撃剣をして、名を『絶華』。

「――綺麗に斬って魅せましょうとも。女王様のご命令ですものね?」

 下方、櫻宵は小惑星に着地して刀を納める。
 ――爆裂するトール・ハンマーの光が、剣鬼の笑みを影で縁取った。

            【トール・ハンマー 撃破数:五】

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

チガヤ・シフレット
流石宇宙、流石戦争!
巨大兵器とはいい響きだ!
私も一基ぐらい欲しいぞ。まぁ、それに狙われるのは勘弁だな。流石に加速粒子砲なんぞ喰らったら半壊ではすまんかもしれんからな。

早速、破壊に行くとするか!
全身の内臓兵器を一斉起動、脚部に力入れて高速移動しつつ、まずは粒子砲に近づくために戦闘機を多少は撃ち落そう。
【二回攻撃】などで手数を増やしつつ、【一斉発射】によって範囲殲滅を狙っていこう。ミサイル撃ち込んで【衝撃波】で吹き飛ばてやろうか。
合わせて粒子砲にまで攻撃が届くならどんどん狙っていくぞ。
仲間を巻き込まないようにしつつ、射撃砲撃大爆発だ!

チャンスがあればブレードを起動して粒子砲に一太刀喰らわせてやろう



●フルメタル・リム
「ハッ――流石宇宙、流石戦争! 巨大兵器とはいい響きだ! 相手にとって不足無し!」
 鋭い紫水晶の眼を煌めかせ、ピンクのポニーテールを真空に踊らせながら、一人の女が宇宙を飛ぶ。チガヤ・シフレット(バッドメタル・f04538)である。
 チガヤはまるで玩具を見るような目で、遠くに映るトール・ハンマーを見つめる。
「あれだけ巨大な加速粒子砲だ、狙われるのは勘弁だが――私も一基ぐらいは欲しいぞ!」
 既に戦場では爆光が幾度となく咲き乱れ、数基のトール・ハンマーが撃破されている。既に作戦目標は到達した、とグリモア猟兵から全員に通達があったが、首級をこの手で挙げねば満足できない。
「それに、壊しておいて損をすることもあるまい」
 トール・ハンマーにより撃破された解放軍の艦もまた数多いと聴いている。なればこそ一基でも多く叩き落としてやるのが最良だろう。チガヤは推進器つきの換装脚に力を込め、フル・ブースト。一見すれば普通の女性だが、チガヤ・シフレットは四肢を義体に換装したヘビー・サイボーグだ。
 一直線にトール・ハンマーを目指すチガヤに向け、デルタ・ファイター飛行隊が迫る。放たれる機銃の嵐を、虚空を蹴りつけるようにして左にブースト・スライド回避。
 チガヤはにぃ、と唇の端を釣り上げ笑った。換装腕、肩から張り出した小型ミサイル・ランチャーを起動。真正面から機銃を放ち出すデルタ・ファイターをマルチロックオンし、即座に発射。
 放たれた十数のミサイルが、デルタ・ファイターの強化ガラス製キャノピーに突き刺さり爆轟。発生した秒速八キロメートルのメタル・ジェットが、パイロット諸共デルタ・ファイターの機体中央を吹っ飛ばす。爆散。
 爆炎と共に飛び散る破片と擦れ違いながら、チガヤは真正面からトール・ハンマーへ肉薄する。再びのマルチロックオン、小型ミサイルの残弾を全て撒き散らし、左腕内蔵式のガトリングガンを展開、斉射をかける。次々と炸裂するミサイルの爆発をガトリングガンの火線が追いかける。内蔵火器の全発射、そして――
「散れ! せめて派手にな!」
 右腕に内蔵された高出力レーザーブレードを展開。オーバーヒート寸前までジェネレータに負荷をかけ、産生されるエネルギーの全てを推力とレーザーブレードに突っ込む!
 チガヤはそのまま全速で翔け抜けながら、立て続けに炸裂したミサイルと徹甲弾が刻んだ傷の上をレーザーブレードで引き切るように掻き裂いた。スパークをあげ、内部の重金属粒子が漏出。蒼く眩い光を放ち、また一基、トール・ハンマーが爆散する!

            【トール・ハンマー 撃破数:六】

大成功 🔵​🔵​🔵​

トルメンタ・アンゲルス


なるほど、戦艦はいくつも墜としてきましたが、今度は星ですか。
その不格好な鎚、ぶっ壊してやりましょうか!

力を貸してもらいますよ、NoChaser!
変身!
『MaximumEngine――Mode:Formula』

攻撃力重視の装甲と変身合体!
次いで、OverDrive始動!
回避用のブースターへの物を除き、アーマーからの追加リソースも、
全て両腕――特にプラズマブレード――に収束!
『OverDrive――Exceed』

収束したエネルギーをブレードを通して出力全開!

有りっ丈だ!
輝け!もっとだ、もっと!もっと輝け!
そして、果てまで伸びろ!!Aureole(オレオォォォォル)!!

薙ぎ払え!星ごと奴らをォ!!



●星絶剣
「戦艦はいくつも落としてきましたが、今度は星と来ましたか」
 トルメンタ・アンゲルス(流星ライダー・f02253)は、トール・ハンマーの砲身より一〇〇メートルの位置で嘯く。転送後殆ど光を見せず、彼女は隠密にそこまで迫っていた。敵デルタ・ファイター飛行隊は他の猟兵の対処に当たっているか、トール・ハンマーの周囲を固めているかだ。まだトルメンタを認識していない。
 トルメンタは標的を睨む。小惑星を掘削し、それ自体を砲座として固定したビーム砲。加速・集束した重金属粒子を射出することで星すら穿つ、数多の艦を落とした雷神の鉄槌。
「その不格好な鎚、ぶっ壊してやりましょうか。――力を貸してもらいますよ、NoChaser! 変身!」
“MaximumEngine――Mode:Formula. Get Ready.”
 マシンベルトと彼女のバイク『NoChaser』が呼応し、その形態を変じてトルメンタに鎧のように纏い付く。
「OverDrive、始動!」
 トルメンタは攻撃力最重視の形態『モード・フォーミュラ』となったNoChaserのジェネレータを全開にする。放熱のため装甲が展開、光の粒子が散る。産生したエネルギーの全てを、両腕のプラズマ・ブレードに集束!
「もっとだ……もっと! 有りっ丈だ、NoChaser! 輝け――もっとッ!! 輝けッ!!」
“Limiter Cut off. OverDrive――Exceed.”
 輝きは留まることを知らぬ。高々と挙げたトルメンタの両腕がスパークを上げ、恒星の如き光を放つ。
 その異様を察知したか、一〇〇メートル離れた位置から、トール・ハンマーの砲身表面にあるリングが回転し出すのが見える。重金属粒子の収束を開始したのだ。つまり、トルメンタの正面にあるトール・ハンマーは射撃体勢に入った。――そのただ一騎の猟兵に脅威を感じて!
「遅い、遅い遅い遅い遅いッ!! お前が撃つより!! 俺が速いッ!!」
 女は吼える。全エネルギーをプラズマ・ブレードに集中した結果、刹那の間のみ現出するのは星を薙ぐ剣。全長一二〇メートル、持続時間五秒!
 天に掲げた両腕から出力される、ソラを穿つ楔!
 その名は――
「果てまで伸びろ!! 星すら薙ぎ斬れ!! オレオォォォォル!!」

 裂帛の叫び。唐竹に打ち下ろされる星絶剣。
 振り下ろされるはまさに天鎚。雷神の鉄槌とて、ゼウスの怒りには抗えまい。

 剣の形に安定したプラズマの奔流が、真正面からトール・ハンマーを両断した。
 Aureoleの輝きが消えた後――巨大兵器は、斬られたことにやっと気付いたように轟沈した。

            【トール・ハンマー 撃破数:七】

大成功 🔵​🔵​🔵​

レイラ・エインズワース

鳴宮・匡サン(f01612)と

普通逆って言われてモ、
生身で行くなんてすっごく無謀だと思わナイ?
このコなら、小回りも機動力もけっこうあるんダヨ

サァ、行こう
かつて世界を震え上がらせたその羽搏きをもう一度

ワァ、さすがに敵も多いネ
全部相手なんてしてらんないカラ、手薄なところを最低限の戦闘で突破するヨ
隠蔽の魔法、防壁の魔法を【高速詠唱】で詠唱を肩代わりしながら、
かけ続けて突き進むヨ
どうしても、接敵したら雷撃のブレスを吹き付けて、計器を狂わせちゃおッカ

兵器についたラ【世界知識】と【情報収集】で
弱いところにあたりを付けて
鳴宮サンの攻撃をサポートしようカナ
こんな物騒なの、解体しないとネ

アドリブ・絡み歓迎ダヨ


鳴宮・匡

◆レイラ(f00284)と

レイラの召喚した竜の背に乗って戦闘宙域へ

……なあ、レイラ
普通これ逆じゃね?
いや確かに俺、移動手段ないけど……
確かに一番合理的だけど……

……なんか落ち着かないのはなんだろうな
いいや、仕事に集中しよう

道中の交戦は出来るだけ避け
動線上にいて交戦が避け得ない相手や
こちらを察知して接近する敵を墜とすのに専念
増援を呼ばれる前にコアなりセンサーなりを潰して
手早く終わらせるよ

兵器に取り付いたらこっちの仕事だ
【見切り】【聞き耳】による外観把握
【世界知識】や【戦闘知識】を用い類似兵器との共通点から構造的弱点を推定
その一点を狙って【終幕の雨】
照準はブレさせない、全弾を叩き込むぜ



●アサルト・ドラグーン
 ――トール・ハンマーの最少撃破数、五基とは、敵攻撃効率を約四〇パーセントまで落とすことを想定して規定された数値だ。
 四〇パーセントを下回れば、敵の砲撃はこのエリアを通る高速艇、もしくは飛行隊を撃墜するだけの砲撃密度を確保出来ない。それがグリモア猟兵の見立てであった。
 だが現実には既に、七基のトール・ハンマーが撃墜されている。全八基用意されたトール・ハンマーは、最早その殆どが残骸となって宇宙を漂うのみだ。
 そして今、最後のコンビが、終止符を打たんと宙を飛ぶ。

「……なあ、レイラ」
「ンー? 何、鳴宮サン」
 鳴宮・匡(凪の海・f01612)の問いかける声に、レイラ・エインズワース(幻燈リアニメイター・f00284)は気軽に応じた。レイラが駆るのは古き竜。かつて世界を震撼させた魔竜の焼き直しである。
 レイラはカンテラのヤドリガミ。彼女は旧き世に生きた事物を、その幻灯により『再演』する。羽撃く漆黒の魔竜は、彼女の演目の一つ。『驕慢たる魔竜の夢』である。
「いや、そのさあ。なんて言うんだ。普通これ、逆じゃね?」
 宇宙だけに風はない。無風状態だ。ただ重力もないので、掴まっていなければ置いていかれてしまう。匡はレイラの肩に掴まり、竜の背に座らぬ腰を落ち着けている。
「普通逆って言われてモ、生身で行くなんてすっごく無謀だと思わナイ?」
 魔竜の手綱を取り、鐙に脚を通したレイラの騎乗は堂に入ったものだ。
「いや確かに俺、移動手段ないけど……」
 それに掴まる匡。
「デショ? このコなら、小回りも機動力もけっこうあるんダヨ」
 レイラの言葉通り、ぐんぐんとトール・ハンマーとの距離が縮んでいく。
「確かに一番合理的だけど……」
 流石の匡も何かがおかしいと感じる。何がおかしいのか明言は出来ないのだが。余人に言わせれば答えは明白だったろうが、
「……なんか落ち着かないのはなんだろうな……いいや、仕事に集中しよう」
「? なんか言った? 鳴宮サン」
「なんでもないよ」
 生憎、鳴宮・匡はそれよりも仕事を優先した。眼の中に、ゆらりと水底のような光が揺れる。
「始めようぜ、レイラ」
「ウン。やろう、鳴宮サン」
 竜が急激に機動し、薙ぎ払うように放たれた機銃を回避。行く手を阻むのはデルタ・ファイター飛行隊だ。搭載火器は機銃だけだが、高い三次元機動能力を持つ名機である。
 避けきれない弾丸を、レイラは魔術防壁を張り弾き飛ばす。敵機のガードが薄い位置を、回避機動と防壁で敵の攻撃を無効化しながら突き進む。
 竜の正面に回り込み、真っ向から殺到する敵機が四機。
「レイラ、上の二機をやる」
「わかっタ」
 レイラの左肩を掴んで身体を支えたまま、片手で拳銃をホールド。必要な弾は二発きりだ。ダブルタップ。機体中央のコクピットを突き破り、パイロットの眉間に突き刺さる銃弾。神業めいた照準。
 匡の宣言通り二機がコントロールを失い、左右に散るその隙間を飛び抜けながら、レイラは合図をするように竜の手綱を打ち鳴らす。
 ――閃光! 紫電の吐息が音もなく宙を走る!
 古今東西竜と言えば、何らかのブレスを撒き散らし敵を殺傷するものと相場が決まっている。レイラが駆る魔竜は雷の吐息を得手とした。撃たれた敵二機は計器類がショートしたのか、出鱈目に飛んでデブリに激突、大破する。
「――さて、どこから壊す?」
「継ぎ目のあたりが弱いカモだネ。あの、真ん中あたり」
「オーケイ。同意見だじゃあ降ろしてくれ。一周して戻ってくるまでに、終わらせておく」
「気を付けてね、鳴宮サン」
 匡は気負わず、笑って頷いた。
 おそらくは、遠くから撃つだけでは無理だ。
 アサルトライフルの弾丸では、普通にやるだけでは装甲は貫けない。
 レイラが竜を操り、トール・ハンマーの上へと匡を運ぶ。匡はパラコードを柄に結んだナイフを投擲し、トール・ハンマーの外壁に突き刺してそれを足がかりに飛んだ。
 一点に留まっては再び狙われる。それを理解の上でレイラの竜が羽撃き、唸り飛ぶ戦闘機に向け雷のブレスで再び空間戦闘を仕掛ける。
「……対物兵器でも持ってくるんだったかな」
 或いは爆弾でもいいか。いや、真空中じゃ破片を増さなきゃ威力を確保出来ない。
 ぼやいてから、匡はアサルトライフルにドラム・マガジンをロード。
 チャージボルトを引き初弾を装填。弾種は――高初速・特殊徹甲弾。
「一点に全弾喰らわせてやる。ウドの大木には勿体ないくらいさ、よく味わえよ」
 匡の選択。それは、構造的に最も弱いと推測される部分に、自分の全火力を、至近距離から精密に炸裂させることだ。セレクターはフルオート。トリガーを絞る。
 音もなくアサルトライフルが激発する。その反動を押さえ込みながらの零距離射撃。
 ――全弾打ち尽くすまでほんの八秒。青白い光の漏出を確認して、匡はナイフを引き抜いて宇宙空間に身を投げ出すように飛ぶ。
「――鳴宮サン!」
 図ったようなタイミングで飛び来るレイラの手を、匡の手がぱしん、と受け止めた。
「ちょうど花火の支度ができたよ。見てな」

 皮肉っぽく言う男の声から数秒。漏出しだした重粒子は暴走するように光を強め――
 全力で離脱する二人の後ろで、派手な花火となって宇宙に爆光を咲かせるのであった。
            【トール・ハンマー 撃破数:八】

            【全巨大火砲撃墜確認 作戦完了】

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月21日


挿絵イラスト