【戦闘β版】襲いかかる絶望を排除せよ
●隠れ潜む絶望
「よし、あと少しで突入だな?」
黒ずくめの特殊部隊のような男たちが、あるマンションを取り囲むように潜んでいる。息を殺し、突入の合図を待つ彼らの目的はとある要人を排除すること。初夏が続くこの『|希望峰《きぼうほう》アース』で黒づくめの長袖というのは結構暑いようで、彼らも汗だくになってしまっている。彼らの狙うものは、何なのだろうか。
●何も知らない人々
「ねぇ、パパ、あの人たち何しているの?」
まだ年端もいかない女の子が、外を取り囲む何かの様子に気付いたようだ。呼ばれてその父親は窓の外を一瞬のぞき込もうとしたが、ただならぬ気配を感じ、娘を抱えて窓を離れたのだった。
その直後、銃声が鳴り響いた。粉々に砕ける窓硝子。そう、謎の男たちの攻撃が加わったのだ。閃光弾の光が辺り一面を照らしている。
「まずい、感づかれたか……もう、終わりなのか……?」
父親は怖がる娘を抱きかかえつつ、ただ祈ることしかできなかった。彼らの命に危機が迫っているのは確かなのだ。
●住居地区のマンションの一室にて
「この近くのマンションが襲われるという予知を見ました。こんなことをしている場合ではないですね……」
VRヘッドセットを外したルイザ・シャーロット(クールなふりをしたエルフの弓使い・f27402)が、集まってきた異界人たちに語りかける。そんな彼女ももうすぐ希人学生の仲間入りをするらしく、その制服に袖を通しつつVRゲームで遊んでいた最中に、予知を見たのだった。
「問題のマンションには、三宅さんという希島国の要人が住んでいます。この要人を殺害しようと謎の黒ずくめの男たちは狙っているのですが、彼らはターゲットである要人の住んでいる部屋の場所をまだ知りません」
どうやらルイザの話によれば、この要人、三宅さんが住んでいるのは三つ並んだマンションの南側の棟の高層階、三八階の南側の部屋であるとのこと。ターゲットがどこにいるか知らない黒ずくめの男たちは、三宅さんを探しつつ出会った住民を片っ端から殺すつもりのようだ。
「おそらくエレベーターは止まっているでしょうし、階段は一つの棟に二カ所あります。これ以上の被害を出さないためには、三宅さんを守りつつ他の棟にも侵入した男たちを排除する必要があります!」
VRヘッドセットの電源をオフにしつつ、ルイザは最後にこう締めくくるのだった。
「住民の皆さんに恐い思いをさせないように、彼ら謎の黒ずくめたちを撃破しましょう。皆さんなら、きっとできます!」
ピースサインを二つ作った満面の笑顔で、ルイザは異界人たちを送り出すのだった。
ヨーシャ
お久しぶりのヨーシャです。最近は某VRの世界にどっぷりとハマっていました。
今回、コイネガウの【β版】のために、久しぶりにシナリオを出してみます。
このβ版はコイネガウのシナリオを担当するMSチーム、総勢9人によって描かれる来年4月から始まる学園入学前の物語の一つです。
私はマンションに侵入したテロリストを撃退する【戦闘β版】シナリオを担当します。
※【旅団β版】、【色気β版】、【日常β版】、【戦闘β版】とありますが、
いずれも『コイネガウ』の希島を舞台にしたシナリオです。
また、各シナリオは内容が独立している為、重複参加に制限はありません。
自作PBW……PBWアライアンスは都合上フレームが統一されていますが、MSコメントでどういう傾向の選択肢が提示されているかを示す事が出来ます。
今回では以下の様になります。
POW: 出会った黒ずくめの男たちを片っ端から撃破する。
SPD: 護衛対象である三宅さんの元に急行する。
WIZ: 黒ずくめの男たちを混乱させ、これ以上進ませないようにする。
となります。
その他のPBWアライアンス『コイネガウ』に関する詳細な情報については、以下のリンクからご確認をお願いします。
(公式サイト:https://koinegau.net)
(公式総合旅団:https://tw6.jp/club?club_id=4737)
第1章 日常
『プレイング』
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POW : 肉体や気合で挑戦できる行動
SPD : 速さや技量で挑戦できる行動
WIZ : 魔力や賢さで挑戦できる行動
イラスト:YoNa
👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アレクサンドラ・ヒュンディン
どこにでも、悪い人は、いるのですね…
他の仲間の行き先を見て、人のいない棟があればそちらへ、全部足りていれば南棟へ行きましょう…
また、マンションの住人に外に出ないよう事前に勧告はしたいです…
管理室のモニターで見てどちらの階段に敵がいるか確認、そちらに【ダッシュ】で向かいましょう
接敵したら問答無用、メイド服姿で【悪目立ち】しながら敵中で大暴れしてやります
私が誰かって…?カフェのバイト店員です…
大鉈で【鎧砕き】し【吹き飛ばし】て階段から落としてやりましょう
敵同士お互いが邪魔になるように、なるべく一か所に纏めたいです
転んで動けなくなった相手に【ライトニング・カリギュラ】発動、その場から動かずこちらに注目するよう操作します
あ、私、カフェの他にも仕事してまして…こういうものです(『希島司令塔のIDカード』見せ)
はい、皆さんの行動、全部、島の中央にばれてます…抵抗するだけ今後の扱いが悪くなるので…さっさと投降して色々喋ってください…(【威厳】【勝者のカリスマ】アピールして脅かし戦意を失わせる)
篁・綾
アドリブ・連携歓迎。
WIZ寄り多面作戦。
…時代が4~500年前に戻ったかのようね。落人や野盗崩れと同じではなくて。
まあでも、目立ってくれるのは好都合ね。キレイに掃除してあげるわ。
指定UCを発動。分身を132体生成。そして各棟階段へ20体ずつ派遣。
自身は20体と共に南棟本陣への階段へ陣取り、更にもう1本に32体を配置。階段を抑えさせ、幻による【精神攻撃】と【催眠術】、【敵を盾にする】等を駆使して黒ずくめを撹乱。【生命力吸収】で弱らせて済むならよし、済まないなら【斬撃波】を撃ち込んで始末していくわ。銃弾は【見切り】、【残像】で回避。
…まぁ、容赦はしないわ。【覚悟】位できているのでしょう?ねえ?
ヤタガラス・マークツゥ
●心情
「厄介な奴ら相手の依頼だな。国防軍が誇るスナイパーの俺の出番カー?」
38階という高層マンションの「北側」の「屋上」に到着するヤタガラス。
熱線銃のスナイパーライフルの準備をしながら呟いていた。
●行動
「俺は敵の頭数を減らしていくカー。スナイパーをまず潰すのはセオリーカナ?」
俺は38階層へ襲撃に取り掛かる敵勢を駆逐していく。
敵にも銃器を携えたスナイパーは何人かいる筈カ。
カウンタースナイプをされると面倒な為、まずはスナイパーを発見して狙撃だ。
UCでクイックドロウを発揮して手早く片付けるカ。
「スナイパーの数を削った後は、味方の援護射撃するカー」
以後、ピンチな味方の援護に入るカ。
アドリブ・連携歓迎。
舎利成炉・天心
希島が舞台なら俺は役者だ。住人に気づかれないならそれでいい。気づかれたら撮影だったと思わせよう。
周囲の犠牲を顧みないなら、使う獲物は発破だろう?一人づつ殺していくとか、スマートじゃねぇな?
どこの組の者か知りゃしねぇが、宇宙海賊(自称)の俺がケンカの仕方を見せてやるか。
ここは重力圏内だ、鉛玉なんざ何十発撃ったところで、俺には掠りもしないぜ?
銃器内部の熱量と大気の摩擦から、弾がどこに飛ぶか丸見えだぜ。
俺が、使うホープコードは、ハルバートスイング(POW)。
しびれを切らせて仕掛けてくれりゃ楽だが。全員が短気か、わからねぇえからな。無駄弾撃たせといても御近所迷惑だ、そろそろ落としに行くぜ!
敵は警察へ。
四之森・曼珠
標的を殺す為に無関係な方々を皆殺しだなんて、随分と乱暴と言いますか乱雑と言いますか…
いずれにせよ、放ってはおけませんわね。
他の参加者様と手分けしてマンションの防衛に向かいましょう。
敵が標的を虱潰しに探しているということは、上階から一階ずつ気配や足音を探りながら降りていけばそのうち出くわしますかしら?
遭遇しましたら、不運にも彼らに出会ってしまった住民を装い逃走。
階段のところまで逃げ込みましたら、爆発性神経麻痺薬のシャボン玉を展開して待ち構えましょう。
爆発でダメージと共に敵を麻痺させ無力化しましたら捕縛。
何のためにどなたを殺すおつもりだったのでしょうね?
●北棟、屋上からの侵入
「ヤツはどこだ?」
「こちら北棟、まだ、見つかりません!!」
ヘリの中で黒ずくめの男たちが使う無線を傍受したヤタガラス・マークツゥ(希島国軍部・八咫烏遊撃隊の熱き大鴉隊長・f38165)は、男たちの話す内容から彼らがターゲットをまだ見つけられていないことを知ったのだった。ヤタガラスは通信機を別の周波数に合わせると、隣にいる舎利成炉・天心(オーバーテクノロジーの住処にして亜空間輸送艇・f33944)にもメッセージを伝える。
「厄介な奴ら相手の依頼だな。国防軍が誇るスナイパーの俺の出番カー?」
「周囲の犠牲を顧みないなら、使う獲物は発破だろう? 一人づつ殺していくとか、スマートじゃねぇな?」
天心も今回の黒ずくめの男たちの行動に疑問を持っている。確実にターゲットを殺すつもりなら、建物全体を爆破すればよいのだ。しかし、黒ずくめの男たちは三宅さんを排除するために、建物ヘの損害をできるだけ軽微にしようとしている。これは、あまりにも謎なのだ。
「……いずれにせよ、上から侵入して降りていくしかないカー」
ヤタガラスは熱線銃のスナイパーライフルを組み立て始める。
「どこの組の者か知りゃしねぇが、自称宇宙海賊の俺がケンカの仕方を見せてやるか!」
天心もハルバードを手に意気込む。そうこうしているうちに、ヤタガラスたちの乗ったヘリは北棟の屋上にたどり着いた。
●中央棟、屋上からの侵入
一方、四之森・曼珠(未来形魔女・f38525)も中央棟の無事屋上にたどり着いた。
「標的を殺す為に無関係な方々を皆殺しだなんて、随分と乱暴と言いますか乱雑と言いますか……」
曼珠の作戦は、上階から一つの階を降りるごとに気配や足音を探りながら降りていくというものだ。遭遇してしまったら、逃げ遅れた住人を装って逃走しつつ、階段に爆発性神経麻痺薬のシャボン玉を展開して無力化して捕縛するという作戦だ。
●各棟下階からの侵入
「……時代が4~500年前に戻ったかのようね。落人や野盗崩れと同じではなくて」
まるで、昔のようだ。綾もまた、黒ずくめの男たちの行動に疑問しかなかった。
「踊る、踊る、影法師の群れよ! 憐れな子らを囲うよに、惑い惑わせ弄べ!」
綾は132体の分身と共に、マンションの各所をしらみつぶしにあたるつもりなのだ。各棟の2つの階段にそれぞれ分身20体ずつを派遣し、本人は分身32体で南棟の本部を急襲する気なのだ。
「……まぁ、容赦はしないわ。覚悟位できているのでしょう、ねえ?」
妖しげな笑いを浮かべる綾の目には、勝算があった。
●目指すは管理室
管理室への潜入を試みるアレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)も同様だった。マンションの住人に外に出ないように勧告はしたいところだ。だからこそ、管理棟へ急いで住人に急を知らせることは大事だ。少しの時間稼ぎには、なるかもしれない。だが、管理室の前には、黒ずくめの男たち。男たちはしっかり管理室を把握しているようだった。メイド服を着ているアレクサンドラは男たちを見かけると、手を振りながら近付くのだった。
「お帰りなさいませ、ご主人様! 紅茶になさいますか、コーヒーになさいますか?」
なんでこんな所に少女がいるんだと怪しむ黒ずくめの男たち。そう、こんな所にわざわざ来るぐらいなら、我々の作戦は希島の上層部に勘づかれたということだ。言われてみれば、ヘリの音もするわけで。そうなったら、やることは一つだった。男たちはアレクサンドラに銃を突きつけると、そのまま引き金を引いたのだった。
「あ、私、ただのカフェのバイト店員ですよ?」
アレクサンドラも鉈を振るいながら奮戦する。その銃声を聞きつけて、綾と32体の分身も加勢する。
「勘づかれた以上、もう戦うしかないようね……」
多勢に無勢、管理室の黒づくめの男たちは一目散に逃げ出したのだった。アレクサンドラは管理室の機械を使ってマンション全体に警報を鳴らす。
「不審な人物が現れました! マンションの外には出ないでください!」
住民たちは、この知らせを聞いて外へ出ないことを決めたのだった。たぶん、助けに来てくれた人たちが何とかしてくれるだろう、と。
●戦いが始まる
「どうやら、上層部の連中が気付いてしまったようだ。あとは、戦って排除するしかない。来たヤツらを、さっさと排除することだ!」
ヤタガラスの握る無線機にも傍受内容が入ってくる。彼は熱線銃の照準を敵のスナイパーに合わせると銃を狙う形で引き金を引いた。鮮やかな手つきで、敵のスナイパーを無力化するヤタガラス。
「無駄弾撃たせといても御近所迷惑だ、そろそろ落としに行くぜ!」
スナイパーが無力化されたことを知った天心も白銀のハルバードを手に突っ込んでいく。逃げ惑う黒ずくめの男たち。だが、ここは北棟だ。北棟の男たちを無力化することには成功したが、南棟の男たちが三宅さんを手にかけてしまってはどうにもならないのだ。ちょうど綾の分身たちが上がってきて、北棟の男たちを排除したことを知るのだった。警察に引き渡すのは天心に任せ、ヤタガラスはヘリで南棟の屋上に回ることにしたのだった。
中央棟で戦う曼珠たちも黒ずくめの男たちを片付けていた。シャボン玉のおかげで排除に成功した曼珠は南棟へ急いだのだった。
南棟の階段を駆け上がる綾とアレクサンドラ。アレクサンドラは38階の三宅さんの部屋の前にたどり着いた。まだ、黒づくめの男たちには勘づかれていないようで、ドアを開けてみると三宅さんは無事だった。
「お、助けに来てくれたのか! ありがとう!」
三宅さんが語る言葉に、安堵するアレクサンドラ。
「私が守りますので、安心していてくださいね。で、カフェの他にも仕事してまして……こういうものです」
希島司令塔のIDカードを見た三宅さんの顔には、安堵の表情が漂っていた。それと同時に、全員に三宅さんの無事を報告するアレクサンドラ。
いっぽう、綾は敵の攻撃を抑えつつ上階に進んでいた。今頃アレクサンドラが三宅さんの部屋にたどり着く頃だろう。だが、完全にうち漏らさないようにしなければいけない。ほどなくして、アレクサンドラからの知らせが届く。屋上にたどり着いたヤタガラスもその知らせを聞くや、残る南棟の敵を殲滅する手立ては整ったのだった。
「……これは、作戦失敗か。撤収しよう……」
南棟の黒ずくめの男たちが逃げようとしていると、その前に綾が分身たちと共に立ちはだかる。その後ろには、アレクサンドラ。
「はい、皆さんの行動、全部、島の中央にばれてます……。抵抗するだけ今後の扱いが悪くなるので……さっさと投降して色々喋ってください……」
アレクサンドラの言葉を聞くや否や、直ちに投稿する黒ずくめの男たち。これで住人たちにも犠牲を出すことなく侵入を試みた男たちはすべて確保されたのだった。
後日、捕まった男たちが語るには、三宅さんを排除することで政権転覆を狙っていたようだ。しかし、爆破とかの荒っぽい作戦をとらなかった理由など、詳細については聞き出すことができなかった。煮え切らない思いこそあれ、暗殺未遂事件については何とか解決したのだった。
大成功
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