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銀河帝国攻略戦㉔～漂う戦闘機械群を掻い潜れ！

作者：なちゅい

●現在の戦況
　『クライングシェル』艦隊を突破し、帝国旗艦『インペリウム』を遂に射程に捕らえた『解放軍』のスペースシップ。
　しかし、彼らは自軍の最大射程距離の２倍の距離から放たれた『インペリウム対艦兵装群』の一斉砲撃により、大きな被害を受けてしまう。
　反撃の砲撃も行われたものの、射程が足りずにインペリウムに到達する前に消滅。
　解放軍は敵に、有効なダメージを与えられずにいた。

●対艦兵装を撃破せよ！
　グリモアベースにて。
「……ということなのよ」
　戦況に変化があったということで情報を求める猟兵へと、セレイン・オランケット（エルフの聖者・f00242）が状況を説明していた。
　帝国旗艦『インペリウム』を撃破する為には、対艦兵装群を沈黙させ、スペースシップの有効射程まで『解放軍』の戦艦を近づけなければならない。
　対艦兵装群は、至近距離に近づいた対象を攻撃する事は出来ないのだ。
　ただ、猟兵が転移攻撃を行ってくることは向こうも知っている。
「それに備え、対艦兵装群の周囲には防衛部隊が配置されているわ」
　この防衛部隊の攻撃を掻い潜り、『対艦兵装一基を破壊すること』が今作戦の目的だ。

　戦闘は宇宙空間での戦いとなる。
「今回は、私が直接皆を対艦兵装のある宙域に転移させる形ね」
　希望があれば、宇宙服などは貸出ＯＫ。
　宇宙バイクなども今回のみ借りることができるが、それらの操縦が難しければ、誰かに便乗させてもらうなどすることも考慮するとよいだろう。
　さて、今回指定する対艦兵装の近くに防衛部隊として展開しているのは、多数の『彷徨うウォーマシン』達だ。
　何らかの戦いによって中破してしまったそれらは、銀河帝国とともにオブリビオンとして蘇り、帝国に利用されてしまっている。
　哀れな戦闘機械達ではあるが、解放軍の侵攻の妨げとなってしまう厄介な相手だ。
　ただ、今作戦はそれらの撃破に構ってはいられない。
「もう一度確認するけれど、今作戦の目的は『対艦兵装一基を破壊すること』よ」
　対艦兵装は『ミサイルやビームの発射の為の装置』で、破壊すべき兵装部分だけで『２０ｍ程度』の巨大兵器だ。
　とにかく、『護衛の攻撃をどう掻い潜るか』と、『兵装をどのように攻撃するか』。子の２点が重要だ。
「対艦兵装を撃破さえすれば、後はこの宙域を離脱してＯＫよ」
　そうすることで、『解放軍』のスペースシップも帝国旗艦『インペリウム』へと砲撃を仕掛けることができるようになるだろう。
「以上ね。……作戦の成功を私も祈っているわ」
　戦地に向かう猟兵達を激励し、彼女は転移の準備を始めるのだった。

第1章 集団戦 『彷徨うウォーマシン』

POW   :    多弾頭型収納ミサイルポッド レベル分の1秒で【腰元から複数の誘導ミサイル】を発射できる。 SPD   :    演算処理 【高性能ソナーによって】対象の攻撃を予想し、回避する。 WIZ   :    近接形態 自身に【強化外骨格】をまとい、高速移動と【スラスター】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●巨大な対艦兵装
　スペースシップワールドのとある宙域。
　猟兵達の視界の奥には、帝国旗艦『インぺリウム』が見える。
　しかしながら、その手前に『インペリウム対艦兵装群』が展開しており、対艦兵装から発砲されるレーザー砲にミサイルが『解放軍』にとって障害として立ち塞がる。
「遠距離からの一方的な攻撃ですか」
　状況を聞いて駆け付けた、目元を眼帯で隠したフィン・スターニス（七彩龍の巫女・f00208）は、改めて目視で状況を確認する。
「ここで足止めをされるのは困りますね。何としても兵器を破壊しないとです」
「兵装の破壊、がんばりますの」
　そのフィンの言葉を受け、ふわりとしたピンクの髪をポニーテールにした霧城・ちさ（夢見るお嬢様・f05540）が意欲を見せる。
「目には目を。巨大兵器には雷光騎士だ」
　見た目は青髪の青年といった、容姿のトール・ペルクナス（雷光騎士・f13963）。
　眼鏡の奥から２０ｍもある対艦兵装を見て、彼は自身のユーベルコードの出番だと感じたらしい。
　レイチェル・ケイトリン（心の力・f09500）は解放軍から、小型の宇宙船を借りていた。
「わたしの得意な念動力技能で、サイコドライブをつかうね」
　そのユーベルコードと宇宙船を使い、レイチェルは敵陣を切り開いて素早く巨大兵器の破壊、そして素早い離脱を考えている。
「いっしょに行きたい猟兵さん、いるかな？　のっけてあげるよ」
　そのレイチェルの申し出を、ちさとフィン、トールがある程度近づくまではと受けることにしていた。
　また、赤茶色の髪をツインテールとした如月・アストレア（クイック ビー クィーン・f13847）は胸を張る。
「かもん！　くりむちゃん！」
　アストレアが呼び出したのは、機動戦闘機ＣＭＦ（クリムゾンフレーム）。
　彼女はそれに搭乗し、仲間達の後を追うのである。

●敵陣を突破せよ！
　複数のチームが対艦兵装の撃破へと当たる中、こちらのチームも巨大な砲台を持つ一基目掛けて進軍していく。
　しかし、目的の対艦兵装の周囲には、中破して取り残された多数のウォーマシンが徘徊している。
　もはや、本来の任務など忘れてしまった哀れな兵器達だ。
「……ニンム、スイコウ、スイコウ」
　猟兵達が近づけば、高性能ソナーで接敵する者を感知し、迎撃に当たってくる。
　かなり、全身がボロボロになったその機械達。
　しかし、スラスターやミサイルポッドなど、戦闘に使用できそうな部分は生きているようだ。
　いや、それだけ動けて戦えるからこそ、帝国に利用されているというべきか……。
　そこに、アストレアが立ち塞がって。
「対艦兵装なら、似たようなの持ってるよ♪　くりむちゃん！」
　すると、アストレアは騎乗していたＣＭＦを変形させていく。
　それは、６ｍ余りもある人型へと変形していった。
　横の銃座へと乗り込むアストレアは亜空間から対『艦隊』用超荷電粒子砲を取り出して構え、発射準備を進めていく。
　その間、彼女は無防備にもなってしまうＣＭＦの護衛を、８機ある誘導兵器ワスプに任せる。
　自爆特攻機能まで備えるその誘導兵器は、特攻してくるウォーマシン達を抑えてくれていたようだ。

「できるだけ急ぐよ」
　宇宙船を操縦するレイチェルは突破に専念し、対艦兵装へと近づいていく。
　だが、彷徨うウォーマシン達がミサイルポッドを展開し、あるいは高速移動で接近してその進行を妨げてくる。
　特攻してくる敵はレイチェルが念動力で宇宙船を加速させ、逆に跳ね飛ばしてしまう。
　宇宙船にも、ダメージは重なる。飛んでくるミサイルは宇宙船に装備された機銃を掃射し、素早く撃ち落とす。
「船が心配です。そろそろ行きましょう」
　ただ、いつまでも、宇宙船は持たないと判断したフィン。
　ある程度近づいたところでメンバー達は船から降り、直接護衛や対艦兵装に対することにしていた。
「護衛が多いですわね」
　ちさは群がるウォーマシン達の数に、しばしどうしたものかと顎に指を当てて考える。
　よく見れば、デブリなど遮蔽物も比較的多い。対艦兵装が何かを破壊した名残だろうか。
　それらを利用し、ちさはこの場をやり過ごすことにしたようだ。
「悠長に、護衛の相手をし続ける訳にはいきません」
　フィンは空中戦を主体として交戦を行い、薙刀【白霧】で複数のウォーマシンを纏めて薙ぎ払い、対艦兵装へと近づいていく。
「小さき輝きよ。お前たちの祈りは届いた」
　一方で、トールは仁王立ちし、詠唱を始める。
「故に私は現れる。雷光の輝きを伴う騎士となりて邪悪の闇を討ち滅ぼそう。出でよ――雷光騎士」
　この場に現れるは、トールと同じポーズをとった白銀の機械騎士。
　戦場の祈りの声で巨大化し、５０ｍ程となったその騎士は４本の浮遊する剣と１本の大剣を携えていた。
「哀れな戦闘機械達よ。私が今解放してやろう」
　騎士と同化したトールはウォーマシンの放つミサイルやスラスターによる特攻よりも早く、雷を纏った斬撃を大剣で振るう。
　ソナーを使った回避が間に合わなかったマシンは大剣に叩きつけられ、無残にも真っ二つになって爆ぜ飛んでしまっていた。
　さらに、遅れてやってきた赤髪のサイボーグの少女ホーラ・アイアンアーム（失ったからこそ得られる力・f13693）が宙域へと躍りこんできた。
「分の悪い賭けは嫌いじゃないのだ」
　まだ、敵は多い。
　ウォーマシンをどうやり過ごすかと考えたホーラは宇宙区間の戦闘に適した空中戦モードに変形し、宙域を素早く縦横無尽に移動する。
　可能な範囲でミサイルやウォーマシンの突撃をやり過ごす彼女は、多少被弾しつつもユーベルコードを使う。
「突破口を切り開くのだ」
　ホーラは自らの内蔵兵器からグレネードランチャーを展開し、迫りくる敵へと広範囲に発砲を続ける。
　そうして、彼女は強引に道を切り開こうとしていた。
　仲間達が敵の気を引いてくれることもあり、ちさは隠れながらも先へと進む。
　それでも邪魔してくる敵に発見されれば、ちさも止むをえないと指先を向ける。
　天からの光を放って少数のウォーマシンのみを破壊し、こちらも兵装へと近づいていった。

●対艦兵装の破壊を……！
　そこで、アストレアがこの場の猟兵達へと告げる。
「よーし、ぶっ飛ばしていくよー☆　射線からは離れてねっ♥」
　この場の敵と全ての対艦兵装群をぶっ飛ばす勢いで、アストレアは粒子砲を発射させる。
「デストロイド☆ジェノサイダー！」
　撃ち込まれるその一撃は超高速連続攻撃も可能だ。
　ウォーマシン共々、対艦兵装をも膨大なエネルギーへと包み込み、ダメージを与えていく。
　とはいえ、帝国もシールドを展開するなどして、衝撃を和らげようとしていた。
　急いで破壊をと、レイチェルも念動力で加速させる宇宙船で突撃する。
　近距離まで近づけば、対艦兵装に直接迎撃の手段はない。後はそれを破壊するだけだ。
「封印解除。黄色の魔力を糧とし、第三の災い、此処に発現せよ！」
　フィンは瞬間移動して５００ｍ以上跳躍し、対艦兵装を死角から強襲する。
　内部への侵入も可能だろうが、他メンバーの攻撃を考えれば、外からの攻撃の方が早そうだ。
　継ぎ目を攻撃して装甲の薄い部分を剥がし、フィンは内部の部品や配線の破壊を薙刀で切り裂いていく。
　相手がミサイルを発射したなら、それを使って誘爆も考えるが、すでにそれらの発射を止めているのがフィンにとってややもどかしいところだ。
　近づいてきたホーラも対艦兵装の破壊に着手する。
　彼女は火薬を内蔵したパイルバンカーを直接、その砲塔へと叩き込む。
「秘密兵器なのだ」
　展開するシールドは面倒だが、装甲などは彼女にとって関係ない。衝撃と共に爆撃を浴びせかける一撃は、確実にダメージを与えていく。
　ちさもまた兵装付近までたどり着き、砲塔の根元部分目掛けて指先を向ける。
　放たれる光は小規模ながらに爆発を起こし、周囲へと誘爆を引き起こす。
　彼女はその後、仲間と攻撃箇所を同じくし、撃破を早めるよう努める。
　そこで、巨大な騎士と同化したトールが力を溜め、浮遊する４本の剣を電磁誘導によって射出していく。
　それらの剣は砲塔や根元を串刺しにし、完全に対艦兵装を無力化していった。
　一際、兵装に大きく巻き起こる爆発。
　根元と途中で砲塔が折れ、対象の対艦兵装が崩壊していく。
　トールは仲間と共にそれを見届けて。
「さらばだ、破壊しか知らぬ哀しい兵器よ」
　そして、宇宙船に乗るレイチェルがこの場の仲間達を回収する。
　かなり傷みはしていたが、この宙域を離れるには十分。
　もっとも、宇宙船を貸してくれた解放軍がどんな顔をするかはあまり想像したくはない。
　一つ戦況を越える為の対価と考えれば安いもの……と、彼らが割り切ってくれればいいが。
「セレインさんに、つぎの予知を教えてもらいたいものね」
　レイチェルが念動力を活かし、できるだけ離脱に専念して戦線を突破していく。
　――ひとつひとつ、でもしっかりと進む先にわたしたちとこの世界のひとたちの未来があるんだから。
　ともあれ、ミッションは完了した。
　他の対艦兵装も破壊が進んでいる状況もあり、解放軍は今か今かと進軍のタイミングを計っているようにも、猟兵一行には思えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年02月21日