銀河帝国攻略戦㉖~パスワードは末尾に
●囚われた技術者
機械の大樹が生えていた。蔦のようにうねって伸びる枝の先には、果実のようなコンピュータユニットがいくつも繋がっている。中には装置と直結された人間が居た。捕らえられた技術者の哀れな姿だ。生体コンピューターの部品として、そびえ立つ中央コンピューターへと組み込まれているのだ。
技術者が入れられているコンピューターユニットの表示機には、こんなメッセージが表示されていた。
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『問いかける』
『小さく間も無く数はなく』
『ななつを指折りひとつきり』
『さみしいよ。、、。。。、、、。、、。、。、、。。。、。、、。、。、。、、。、。、、、、、。。、。、、。。。。、、、。、。、』
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●技術者を救え
アマルテア情報艦隊で得た情報から、スペースシップから拉致された有能な科学者や技術者が、帝国旗艦インペリウムの科学技術センターで『働かされて』いる事がわかった……生体コンピュータとして。説明するアルゴナイン・サンクタム(聖なるウォーマシン・f02135)の内部機関がぼんやりと光った。
グリモアベースの背景には、樹木のようにうねる巨大な中央コンピュータが映し出されている。巨大な枝先からつながるコンピュータユニットの中に、彼らは組み込まれてしまっている。無理やり引きはがせば意識が焼ききれて死亡してしまうことが予測された。安全に中央コンピューターから切り離すには、コンピューターユニットに提示された謎に対して、正しい解答を入力する必要があった。
「ぼくは推測する。きっとすぐに解ける」
淡々とアルゴナインは告げた。
元から優秀な彼らを助けることがスペースシップワールドにとって重要なのはもちろんだが、それだけではない。ドクター・オロチのコンピューターの一部とされたことで、彼らはこれまでのスペースシップワールドには存在しなかった高度な技術や知識を得ているのだ。救出できれば、今後のスペースシップワールドにとって大いに役立つ存在となるだろう。
「ぼくは請願する。技術者を救い出して欲しい」
矢野鹿市
●
こんにちは、矢野鹿市です。謎を解いて技術者を救ってください。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
正解すれば大成功となるので、答えが分かったならば、参加者1人でも解決可能です。失敗すると囚われている人達は死んでしまうので、注意してください。
●プレイングについて
プレイングには『謎の答え』を書いてください。
この答えに加えて、『謎を推理する』『正解を思いつく』様子や『救出した後の技術者や科学者のお世話をする』様子などをプレイングに書いてください。
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基本的に、大成功の方を採用する事になります。状況によっては、苦戦の方を一名採用とヒントを出す事もあります。
それでは、ご参加お待ちしております。
第1章 冒険
『中央コンピューターの謎かけ』
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POW : 総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、救出します。
SPD : 素早く謎の答えを導き出した後、救出した人のケアを行います。
WIZ : 明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、救出します。
👑3
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
エルム・レティウス
アドリブ歓迎です。
【WIZ】
答えは【myu】でしょうか。
まずは、【。】は【0】、【、】は【1】に置き換えますね。
【ななつをゆび折り1つきり】ですので、7つで1文字と考えて・・UDCアースにあるという、ASCIIで準拠で【1m155y0u】になります。
こちらに【小さく間も無く数はなく】とあるので、【数字】を抜くと【myu】、これが答えではないでしょうか?
研究者を救うことが出来れば、【生まれながらの光】で治療しますね。少し疲れましたけど、これはUCによるものなか、それとも知恵熱なのでしょうかね。
冒涜的な樹木の前に、エルム・レティウス(13番目と歩むモノ・f13910)は立った。
「答えは【myu】でしょうか」
エルムは丁寧に説明を始めた。
「まずは、【。】は【0】、【、】は【1】に置き換えますね。【ななつをゆび折り1つきり】ですので、7つで1文字と考えて……」
彼女の考えに従って整理すると、末尾の句読点は次のようになる。
『0110001』
『1101101』
『0110001』
『0110101』
『0110101』
『1111001』
『0110000』
『1110101』
「これをUDCアースにあるという、ASCIIコードに準拠して変換すれば、【1m155y0u】になります」
ASC11コードとは、7桁の2進数で表した数に文字を割り当てた、文字コードの一種である。エルムはさらに問題文を追っていく。
「こちらに【小さく間も無く数はなく】とあるので、【数字】を抜くと【myu】。これが答えではないでしょうか?」
コンピュータユニットの前に立ち、エルムは答えを入力しようとして、手を止めた。
「これは……」
コンピュータユニットの回答枠は、ぴったり8文字分あった。つまり、答えは8文字になるという事だ。その上。
「数字の入力が、できない」
エルムは呟いた。彼女の推察した『数字を使わない』という考え自体は合っているようだったが、どうやら少し違うらしい。
――否。そうではない。
エルムこそ、もっとも正解に近づいた猟兵であった。もはや答えは眼前にあると言っても過言ではないのだ。エルムはもう一度、コンピュータユニットに表示されている問題の最後の文を見た。もしかしたら紙に書いてみるのも良いかもしれない。
まだ、答えは出ていない。
苦戦
🔵🔴🔴
ホーラ・アイアンアーム
【WIZ使用】【アドリブ、絡み歓迎】
◾️パスワード
imissyou
【謎解き】
あ、ホーラ、解ったのだ。
「1」はiで、「5」はsなのだ。
答えは【i miss you】貴方が居なくて寂しい。なのだ。
もしかして、コンピュータさんも寂しいのだ? それなら、ホーラが友達になってあげるからその人たちは返して欲しいのだ。
【救出後】
解放された人達を護衛しながら、迅速に、安全に対する撤退するのだ。
もし、コンピュータさんが付いてきたいって言ったらホーラのメインメモリにお引越ししてもらうのだ。
神薙・焔
ちょうど8文字が答えということは、文の最後の「。」と「、」の羅列を0と1のビットに置き換え、7ビットづつ区切ってASCIIに変換、というのは間違いないようね。
1m155y0u…小さく、数はなし、最後のy0uはyouに見える…とすると、さびしいよ、というのは、寂しい…人が恋しい…あなたが恋しい…I miss you…。
"imissyou"! これが答え? 寂しかったのは、コンピューターの部品にされてた技術者? いえ、謎が解かれるのを待っていた生体コンピューター自身かもしれないわね。
スターリィ・ゲイジー
ううむ、みんな知恵を出してるのじゃがさっぱり分からんな…
エルムよ、取り敢えずメモ取らせてもらっていいかの?
【1m155y0u】と…あれ?
何か「yOu」って見える気がせんか?頭の方は「Im」にも見える。
纏めると「Im」「ISS」「yOu」と…アイム椅子ユー?
あ、mISSか。じゃあ「I MISS YOU」じゃな。あなたがいなくて寂しいって事か。
という訳で「imissyou」と打つのじゃ。イミッショウ!(Enter)
解放できたら飯じゃ飯。いきなり食べ過ぎるのは良くないが、軽く糖分補給すると良い。
水筒に入れてた液状のプリンをカップに小分けして渡すのじゃ。
手間取ったが彼女が幸運を呼んでくれたようじゃな。
「ちょうど8文字が答えということは、文の最後の【。】と【、】の羅列を0と1のビットに置き換え、7ビットづつ区切ってASCIIに変換、というのは間違いないようね」
神薙・焔(ガトリングガンスリンガー・f01122)が、ここまでで出た解を確認する。
ASC11、失礼、正しい表記は『ASCII(アスキー)コード』である。これを使って文字にするところまでは、エルムの解いた通りで問題ないようだ。スターリィ・ゲイジー(ほしをみあげるスターリィ・f06804)が首を傾げ、ふさふさの耳が揺れる。
「ううむ、みんな知恵を出してるのじゃがさっぱり分からんな……。エルムよ、取り敢えずメモ取らせてもらっていいかの?」
ふわふわの手でカリカリと書き付ける。
「【1m155y0u】と…あれ? 何か『yOu」って見える気がせんか?」
「うん、同じこと考えてた。1m155y0u……小さく、数はなし、最後のy0uはyouに見える……」
「あ、ホーラ、解ったのだ」
確信を持って、ホーラ・アイアンアーム(赤い彗星・f13693)が口を開く。
「【1】はiで、【5】はsなのだ」
ふむ、とスターリィはうなづいた。
「頭の方は『Im』にも見える。纏めると『Im』『ISS』『yOu』と……」
「とすると、さびしいよ、というのは……寂しい……人が恋しい……あなたが恋しい……I miss you……」
「じゃあ『I MISS YOU』じゃな」
うん、と大きくホーラがうなづいた。
「貴方が居なくて寂しい、なのだ」
「……つまり【imissyou】、これが答え?」
焔は碧の瞳を瞬かせた。
「寂しかったのは、コンピューターの部品にされてた技術者? いえ、謎が解かれるのを待っていた生体コンピューター自身かもしれないわね」
焔の言葉に、ホーラはコンピュータユニットを見つめた。
「もしかして、コンピュータさんも寂しいのだ? それなら、ホーラが友達になってあげるからその人たちは返して欲しいのだ」
こつん、と小さな音を立てて、ホーラの指がユニットの外殻を撫でる。純真な言葉は、はたしてコンピュータに届いたのだろうか。スターリィがもふもふの指で、カチャカチャっと文字を打った。
「イミッショウ!(Enter)」
ついに、正しくパスワードを入力され、コンピュータユニットが開かれた。囚われていた技術者はぐったりとしているが、命に別状はなさそうだ。焔が手を伸ばし、技術者が身動きするのを手助けする。皆の手を借りて、閉じ込められていた技術者はどうにかユニットから外へ出る。まだぼんやりしている技術者の横にスターリィがしゃがみ込んだ。
「さて、飯じゃ飯。いきなり食べ過ぎるのは良くないが、軽く糖分補給すると良い」
「あ、ありが……」
枯れた声で礼を言う技術者に、スターリィは水筒に入れてた液状のプリンをカップに小分けして渡してあげた。
「……手間取ったが、彼女が幸運を呼んでくれたようじゃな」
安堵の表情を浮かべ、スターリィは呟いた。
無事に目的を果たした猟兵たちは、技術者に手を貸しながら出口に向かう。ふと、ホーラはコンピュータユニットを振り返った。
「もしついて来たいっていうなら、ホーラが連れて行ってあげるのだ」
こつん、と優しく撫でる。けれどもコンピュータは答えない。少し残念そうな表情を浮かべたが、ホーラは再び前を向いた。
――コンピュータルームから去っていく猟兵たちのの背中を見送るように、ユニットのLEDが、一度だけ、ぴか、と点滅した。
こうして、技術者は無事解放された。少々ヒントが足りない感のある中でも見事に正答に繋がる道を切り開き、そして正しい答えにたどり着いた猟兵たちの知識と発想は実に素晴らしいものだった。猟兵たちの活躍により、スペースシップワールドにとって貴重な人材がまた一人救われたのだった。
●パスワードは末尾に
『問いかける』
『小文字、スペースはなし、数字は使わない』
『7つ区切りで一つの字に』
『さみしいよ(I miss you)』
大成功
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