永遠の森エルフヘイムに蘇ったギガンティア
●永遠の森エルフヘイム
「最近バルバが多いな」
巨大樹木群に作られた都市の外周で狩りをしていたエルフの狩猟者達が、仕留めたバルバ『ボアヘッド』の解体を行っていた。身体には何本も矢が刺さり大量の血が草木を濡らしている。
「ああ、都市の近くまでバルバがやってくるなんて、どこか近くに巣でもできたか?」
「まさかエメラルドパレスが復活したなんてないよな」
エンドブレイカーの活躍によって消滅したギガンティアの事を思い出す。
「調べてみよう。大樹のどこかにまたギガンティアができてるかもしれない」
「そうだな。念の為だ、調査を始めよう――」
エルフたちはそびえ立つ高さ数千mという大樹の群れの調査を始めた。
その結果、エメラルドに輝く巨大なセミの抜け殻――かつて存在したギガンティアの姿を発見することとなり、そこへ調査隊が送られ誰も戻ってこない事件が起きることとなる……。
●グリモアベース
「エンドブレイカー世界にある永遠の森エルフヘイムっていうおっきな樹木の森の中にある都市に、ギガンティアっていう、こっちでいうところのダンジョンが見つかったんだよ!」
ラフィロワ・ベルシルト(幸せ運ぶ星のうた・f04751)が新たな事件の発生を猟兵に伝えた。
「ギガンティアはエメラルドパレスって名前で、一度滅びてたみたいなんだけど、エリクシルの力で蘇ったみたいだよ! でも元の物よりも小さいみたいだし、内部のギミックもなくってまだ完成してないみたいだね」
まだ万全の状態ではない今ならば攻略も難しくないだろう。
「このままだと調査隊の人たちが向かって、全滅しちゃうんだ。そうなる前にみんなでこのギガンティアを攻略しちゃおう!」
未完成であっても中には恐るべき敵がいる。その前では戦闘職であっても一般人は成す術がない。
「ギガンティアの中にはボアヘッドっていうモンスターが多く巣を作ってるみたい。それを倒しながら進んでもらうことになるよ。人型のイノシシみたいな敵で、力はあるみたいだから油断しないでね。樹木はあるけど平地が多い場所だから、相手の戦い易い場所みたいだよ」
ボアヘッドの数は多い、イノシシのように荒くれて突撃してくるので、油断すれば思わぬ痛手を負うこともあるだろう。
「その群れを突破できたら、奥にはゴブリンの巣穴があるみたい。こっちは塔みたいな建物になってて、直線的に戦うボアヘッドとは違って、隠れて不意を突いたり、多数で襲いかかるみたいな卑怯な感じの攻撃をしてくるみたい。でもこの塔の頂上が目的地だから、ゴブリンを倒しながら登っていくしかないよ」
数え切れないゴブリンの住む塔。この塔を登る為に小剣や棍棒、石で武装したゴブリンの群れを突破しなくてはならない。
「塔の頂上には、エリクシルに力を与えられた大樹『世界平和の樹』がいるんだよ。樹に祈った「平和への願い」をエリクシルが叶えて歪な宝石の樹になったみたいだね。この樹がエルフの人々を宝石化して、最終的にはエルフヘイム全部を宝石にして平和にしようとしてるみたい。この樹を倒せばギガンティアは崩壊するから、都市の平和が戻るよ!」
エリクシルの力によって狂った願いを叶えるべく遣わされた世界平和の樹。これが事件の元凶となっている。それさえ倒せばギガンティアを蘇らせる力は途絶えるだろう。
「世界平和の願いがみんな宝石になるって、きっと願った人は思ってもみなかっただろうね」
ラフィロワは皆が動かぬただの宝石になる姿を想像してぶるっと震えた。
「平和かもしれないけど、誰も幸せにならない願いなんて、みんなの力で止めちゃおう!」
エルフヘイムへ繋がる宝石のような道を作り、ギガンティアに挑む猟兵達を送り出した。
天木一
こんにちは天木一です。
エルフヘイムのギガンティア、エメラルドパレスでの冒険となります!
第1章はギガンティア内に生息しているボアヘッドの群れとの戦闘になります。パワータイプで直線的に戦います。
第2章は塔のようなゴブリンの巣に入って、戦いながら登っていきます。ゴブリンは集団戦や奇襲を得意としています。それを上手く避ければ有利に戦えます。
第3章ではエリクシルから願いの力を与えられた世界平和の樹との戦いとなります。撃破に成功すればギガンティアは崩壊します。
複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページかタグにて。
それでは、エメラルドパレスを踏破しましょう!
第1章 集団戦
『ボアヘッド』
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POW : ボアクラッシュ
自身の【牙】を【長大】化して攻撃し、ダメージと【大量出血】の状態異常を与える。
SPD : 剛鬼投げ
【接近して敵を掴んで】から【投げ技】を放ち、【抑え込み】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 集落形成
レベルm半径内を【バルバの集落】とする。敵味方全て、範囲内にいる間は【凶暴性】が強化され、【知性】が弱体化される。
イラスト:京作
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ギガンティア
「腹、減った」
「オラも、腹減った」
「メシ、メシ、喰うもの、探す」
ギガンティア内で生息するボアヘッド達が腹を鳴らしていた。
「外、出る。エルフ喰う」
「外、出る。ダメ。樹が言ってた」
「腹、減る、死ぬ。エルフ喰う」
ギガンティアの創造主である『世界平和の樹』の命令を受けているボアヘッドは我慢して、そこらの草木を喰らう。だがギガンティアは未完成でまだ動植物もしっかり根付いていない状態だった。それだけでは腹は満ち足りない。
「我慢、無理、出る」
そうして飢えを我慢できない個体が時折ギガンティアを出て、エルフヘイムでエルフを襲おうとし、返り討ちに遭うことでギガンティアの存在が明るみになる事となった――。
レオンハルト・シャルラッハロート
エルフヘイムにギガンティア…か。色々懐かしいなぁ(昔を懐かしむ表情で)。-とは言え、感傷に浸ってる場合じゃないな。“悪しき終焉”を叩き潰すのがボクらエンドブレイカーの務め。(兜を被って)いざ参る!
・突入後
(とは言え、今のボクは新人同然。あまり突出はせず慎重に立ち回ろう)
ボアヘッドに名乗りを上げた後でUC発動。
[勇気]を奮い立たせて突撃。[武器に魔法を纏]わせ[2回攻撃]、又は[なぎ払い]で対応。守りは[オーラ防御]。[存在感]で敵の注意をひきつけながら、[継戦能力]でできるだけ多くの敵にダメージを与えるように戦う。
-父上、母上…そして爺や。ボクの新たな戦いを見守って下さい。<剣を天に翳して
エスカ・ブランシェール
エメラルドパレスか、懐かしいな!
鈍った身体を鍛え直すにゃ丁度いい……って、敵はボアヘッドかよ!?(イノシシ苦手
うわわ!
近寄んじゃねぇよ、このホーミング生肉ども!
こうなりゃ……まとめてジビエにしてやるぜ!
敵の数が多いので、パワーよりも手数重視でブッ飛ばす
要は、掴まれなきゃいいんだろ?
だったら……見せてやるぜ、あたいの奥義を!
0.1秒につき10発の拳、蹴り、そして野太刀の連続突きで、接近を許さず攻撃
目、鼻、股間といった相手の急所を優先的に容赦なく狙う
「名付けて……愛染櫻時沙雨、なんてな
イノシシって雑食のはずだろ?
大人しく、キノコでも探して食ってりゃ、自分の方が狩られることもなかったろうにな
クレープ・シュゼット
エメラルドパレス!
懐かしいなー、奇跡の実採りに通ったねえ
まあ今回はそんなことしてる暇はないわけで
お仕事頑張りますか
Eclair ou Eclairを発動しながら戦おう
勿論ユーベルコードだけに頼らず、俺自身もEtoile de Mielの抜剣で追撃を
一応、全体的に攻撃は出来るけど
なるべくエクレア沢山食べないように(ダメージ極力喰らわないように)立ち回りたいな
殺気を読んで、比較的敵の層が薄いところから崩していこうか
お腹一杯でこの後のゴブリン集団相手にするのきつそうだしね
うーん、まだ全盛期の力出しきれてないなー
やっぱり暫く前線離れてたから、鈍るねえ
ま、再修行だと思って頑張ろうっと
●ギガンティア探索
「エルフヘイムにギガンティア……か。色々懐かしいなぁ」
レオンハルト・シャルラッハロート(ランスブルグの天誓騎士・f38951)は巨大な樹木の都市を見渡し、昔を懐かしむ表情を浮かべていた。
「――とは言え、感傷に浸ってる場合じゃないな。“悪しき終焉”を叩き潰すのがボクらエンドブレイカーの務め」
顔を引き締めて兜を被り戦闘準備を整えてダンジョンの入り口を見る。
「いざ参る!」
気合十分でエメラルドパレスへと足を踏み入れた。
「エメラルドパレス! 懐かしいなー、奇跡の実採りに通ったねえ」
クレープ・シュゼット(蜂蜜王子・f38942)も懐かしいと、きょろきょろと辺りを見てしまう。
「まあ今回はそんなことしてる暇はないわけで、お仕事頑張りますか」
今は懐かしがっている場合ではないと気を入れ直し、仲間と共にギガンティアに入る。
「エメラルドパレスか、懐かしいな!」
続けて中に入ったエスカ・ブランシェール(跳ね馬の群竜士・f39110)もエメラルドに輝く巨大なセミの抜け殻のギガンティアを懐かしく眺める。するとその視線の先にボアヘッドの群れを見つけた。
「鈍った身体を鍛え直すにゃ丁度いい……って、敵はボアヘッドかよ!?」
やる気満々だったのが一転、イノシシが苦手なエスカは顔をしかめた。
「グフグフ、餌、自分で、やってきた!」
「喰う喰う、腹、減った!」
獲物がのこのこと自分からやって来たとボアヘッド達が喜び、斧を手に突撃を開始した。
「うわわ! 近寄んじゃねぇよ、このホーミング生肉ども!」
食欲丸出しで一直線に突っ込んで来るボアヘッド達に冷や汗をかき、慌てながらもエスカは身構える。
「こうなりゃ……まとめてジビエにしてやるぜ!」
覚悟を決めて拳を固め、迎撃態勢に入り自ら前に踏み出した。
「要は、掴まれなきゃいいんだろ? だったら……見せてやるぜ、あたいの奥義を!」
ユーベルコード『美竜神拳奥義・愛染櫻時沙雨』を発動し、0.1秒につき10発の拳、蹴り、さらには野太刀【剛刃・愛染櫻】を抜いて連続突きを見舞う。パワーよりも手数重視で一方的な攻撃を浴びせ突進を止めた。
「ぐぼぇっ!」
「め、メシ……」
手数は圧倒的だが一発一発の威力は軽い。執念深く血だらけのボアヘッドが手を伸ばすが、エスカの連撃は目、鼻、股間といった急所を容赦なく狙い、一切の接近を許さずに叩きのめした。
「名付けて……愛染櫻時沙雨、なんてな」
周囲にボアヘッドが倒れる中心で残心しながら恰好を付ける。
「我が名はレオンハルト・シャルラッハロート! 人に仇名すバルバよ! このギガンティアと共に消えてもらう!」
レオンハルトが堂々と名乗りを上げ雄々しく宣言すると、ユーベルコード『星霊グランスティード』を発動し、召喚した星霊グランスティードに騎乗して【槍斧・シュトルム】を構えて敵陣に雷光の如く突撃する。
「ブォッ!! お前を、喰ってやる!」
ボアヘッドが牙を伸ばして噛みつこうと跳び掛かる。
「行くぞ!」
レオンハルトは勇気を奮い立たせてその正面に突っ込み、槍斧をボアヘッドの口に突っ込んで後頭部から切っ先が飛び出し絶命させた。
「次!」
槍斧を振るって死体を放り捨て、次の敵に向かって突撃する。
「ブヒッブヒッ! 止めろ、止めろ!」
ボアヘッドがそれを止めようと斧で正面から受けるが、弾かれて胸に直撃を受け背中から切っ先が突き出る。
「囲め! 襲え! ブホォ!!」
槍斧が肉に喰い込んでいる間に、周囲のボアヘッドが飛び掛かった。
「何体で来ようと同じだ!」
レオンハルトが槍斧を手放すとフレイムソード【熾炎】を抜き放ってボアヘッドを切り裂き突破する。
「腹、減った。肉、寄越せ!」
「獲物、獲物、喰う!」
「俺達は食べ物じゃないよ。言っても理解できないならその身体に教えようか」
クレープはユーベルコード『|Eclair ou Eclair《カミナリカエクレアカ》』を発動し、戦場に黄薔薇の花弁を舞わせ、花嵐がボアヘッド達に張り付くと落雷に撃たれ、ぷすぷすと肉の焦げる匂いをさせて崩れ落ちた。
「肉、肉! ブゴォ!!」
その匂いに興奮したボアヘッドが仲間がやられた姿に目もくれず突っ込んできた。
「なるべくエクレア沢山食べないように立ち回りたいな」
すぐさまクレープが仕込み杖【Etoile de Miel】を抜刀して、進路から横に避けすれ違いながら胴を抜いて切り裂く。
「お腹一杯でこの後のゴブリン集団相手にするのきつそうだしね」
「ブヒィッ! 喰わせろ!」
ボアヘッドが迫ると、クレープは殺気を読んで躱しながら切り込み、敵の層が薄いところから崩していく。
「うーん、まだ全盛期の力出しきれてないなー。やっぱり暫く前線離れてたから、鈍るねえ」
クレープはボアヘッドの群れを無傷で切り崩しながらも、思考と動作の間に差異があることを不満そうに肩をすくめ、刃を振るって血糊を落とした。
「ま、再修行だと思って頑張ろうっと」
まだまだ敵は居る。練習には最適だと次のボアヘッドに向かって斬撃を放った。
「イノシシって雑食のはずだろ? 大人しく、キノコでも探して食ってりゃ、自分の方が狩られることもなかったろうにな」
敵陣が乱れたところに接近したエスカは野太刀でボアヘッドの心臓を貫き、道を開けると先へと突き進む。
「父上、母上……そして爺や。ボクの新たな戦いを見守って下さい」
グランスティードを駆るレオンハルトは剣を天に翳し、その心を示すように燃え上がる刃で邪魔なボアヘッドを切り捨て、仲間と共にギガンティアの奥へと道を切り開いた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ミカエラ・ロメ
大きな問題となる前に、災厄は種の内に潰しておかなくてはなりませんね
平地で数の多い歩兵を相手にというわけですね
それならば私は|星霊グランスティード《アラケウス》を召喚し、騎乗して戦います
騎馬の機動力を生かして、縦横無尽に、時には空中すらも駆け抜けますよ
そして集団の側面や背後に向かって雷光を纏い蹂躙突撃したり、それで集団からあぶれた相手を狙い一撃離脱したりを繰り返しながらボアヘッドの数を減らしていきます
殲滅の必要はなくても後々後ろを取られたなんてことがあれば大事ですし、ある程度数を減らし追撃の心配がなくなったことが確認できた後に、そのまま戦場を駆け抜け突破しましょう
霧島・絶奈
◆心情
襲うなと言う命令は、万全を期す為にも体制を整える時間が欲しかった故なのか
其れとも…
考えても詮無き事ですね
◆行動
【空中浮遊】を活用
平原に本来存在し得ない筈の立体機動を生み出すとしましょう
【罠使い】の技術を活かし「魔法で敵を識別するサーメート」を【衝撃波】で戦場内に散布
突進力其の物は脅威でも…
容易く罠に嵌るのは知性無き突撃至上主義の弊害ですね
散布しつつ『涅槃寂静』にて「死」属性の「劫火」を行使し【範囲攻撃】
凶暴性の赴く儘、集落諸共焼き盡す迄です
この身も所詮、獣である故に…
加えて【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
●突破
「大きな問題となる前に、災厄は種の内に潰しておかなくてはなりませんね」
ミカエラ・ロメ(天誓騎士・f39103)も仲間達が切り開いた道を続き、成長するギガンティアの奥へと足を踏み込む。すると遠目にも見える巨木のように緑の茂った塔が見えた。
「あそこが目的地のようですね」
「腹、へった」
「獲物の匂い。メシ、メシ、来た!!」
それを眺めていると獲物に群がるように腹を空かせたボアヘッドが集まって来る。平地の多い地形は、イノシシのように猪突猛進なボアヘッドにとって格好の狩場だった。
「平地で数の多い歩兵を相手にというわけですね。では私も機動力を生かして戦場を駆けます!」
そのボアヘッドの機動力に対抗するべくユーベルコード『星霊グランスティード』を発動して|星霊グランスティード《アラケウス》を召喚すると、ミカエラはその背に乗って敵陣に突撃する。
「ブホッ! メシメシ!」
「ブフォォオオ!! 肉、喰う!」
興奮したボアヘッドが斧を振り回して襲い掛かるが、それをミカエラは高々と跳躍して躱し着地したアラケウスが素早く反転すると、雷光纏う突撃でボアヘッド達を撥ね飛ばした。
「もう少し数を減らしましょう。塔まで付いてこられては面倒なことになります」
ミカエラはアラケウスを駆り、戦場を縦横無尽に突撃しては距離を取り、ボアヘッドを上回る機動力で一撃離脱を繰り返して群れを蹂躙していく。
「襲うなと言う命令は、万全を期す為にも体制を整える時間が欲しかった故なのか。其れとも……考えても詮無き事ですね」
霧島・絶奈(暗き獣・f20096)はその意味を考えるが、今考えても答えが出るものではないと思考を切り替える。
「平地を得意とするなら、此方は平原に本来存在し得ない筈の立体機動を生み出すとしましょう」
ふわりと重力を無視して浮かび上がると、ミカエラを追い駆けて翻弄されるボアヘッドを見下ろす。
「獣を仕留めるには罠が最適でしょう」
そして周辺にサーメートを衝撃波に乗せてばら撒いていく。そこへ全く気付かずにボアヘッドが足を踏み込むと、起爆して爆発に飲み込む。
「ブホォッ!?」
吹っ飛んだボアヘッドが黒焦げになって地面を転がる。
「肉、肉、腹減った!!」
仲間が焼けた臭いだろうと構わず本能的に腹を減らし、ボアヘッドの群れは食欲を満たそうと勢いを増した。
「突進力其の物は脅威でも……容易く罠に嵌るのは知性無き突撃至上主義の弊害ですね」
だがその暴走したような恐ろしい突進も、次々と罠が起爆して吹き飛ばされていった。
「凶暴性の赴く儘、集落諸共焼き盡す迄です。この身も所詮、獣である故に……」
絶奈はユーベルコード『|涅槃寂静《ヨクト》』を発動し、自然界へと干渉して黒き死を宿す劫火を巻き起こす。
「あぢっあぢっ!」
「肉、焼ける、肉、焼ける!」
その炎に巻かれたボアヘッドがこんがり黒焦げになって倒れていった。
「よし、随分と数が減ったようです。このまま塔まで進みましょう!」
辺りを見渡し敵が減ったのを確認したミカエラが仲間に呼びかけ、先陣を切って突撃し閃光のように駆けるアラケウスが残ったボアヘッドを蹴散らして塔へと接近する。
「あの塔の頂上に此のギガンティアを蘇らせた元凶がいるようです。塔を登って其処を目指すとしましょう」
絶奈もその後に続き、植物に覆われた塔の入り口へと辿り着いた。
大成功
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第2章 冒険
『ゴブリンたちの巣穴』
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POW : 激戦になる危険を承知で、ゴブリンたちの巣穴に正面から乗り込んで短期決戦を図る。
SPD : 長時間の徒労を承知で、ゴブリンたちの巣穴に入れる別ルートを探して不意打ちをする。
WIZ : 紺比べによる疲弊を承知で、ゴブリンたちの巣穴の前で持久戦を挑む。
👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●塔に巣食うゴブリン
高い塔の内部には壁際に螺旋階段があり、それを登って頂上まで辿り着けるようになっていた。
「キッキィ!!」
耳障りな甲高い鳴き声が塔の内部に響き渡る。
「獲物、獲物来た!」
「襲う! 準備しろ!」
「キィ!!」
「キキキッ!!!」
鳴き声を何度も交換するとゴブリン達がピタリと静かになって、塔の内部にまでびっしりと張り巡らされた植物や物陰に身を潜める。
塔の中に入ったものはボアヘッドであろうと何であろうとゴブリン達の獲物であった。
外で一対一ならボアヘッドの方が圧倒的に強い。だがここはゴブリン達の巣。地の利を得た小賢しいゴブリンは小剣や棍棒を構え、飛び道具に石を持って獲物を待ち伏せる。
そんな罠の張られた場所に猟兵達は足を踏み入れた――。
ミカエラ・ロメ
この塔の上に元凶がいるのですね
しかしこの邪悪な気配……まずはこの場を切り抜けねばなりませんね
私を前にどこに隠れ潜もうと無駄ですよ
ヘミソフィア・オラクルの効果で隠れているゴブリンを察知し、奇襲を受けぬよう注意します
光で目立つでしょうが、敵の位置が分かれば同じ事
敵が此方が隠れているのに気付いてないと思っている内は此方から攻撃を仕掛け倒し、気付かれた後は後の先で相手の攻撃は盾で防ぎいなし、剣で叩き潰し、時にはシールドバッシュで階段から突き落としたりなど、堅実に進んでいきましょう
この後にも戦いを控えていますし、体力温存も兼ねて、ある程度の所まで登り敵の数を減らしたらアラケウスに乗って一気に突破しますね
レオンハルト・シャルラッハロート
-参ったな。昔の知識が使えないなんて。でもボク達に出来る事は前に進むのみ!-例え罠が待ち受けていようとも。
進む前に[世界知識]でゴブリンの情報を把握した後で前進。
UC発動後、[勇気]を奮い立たせて突撃。[武器に魔法を纏]わせ[2回攻撃]、又は[なぎ払い]で対応。
守りは[オーラ防御]。[存在感]で敵の注意をひきつけながら、
[継戦能力]でできるだけ多くの敵にダメージを与えるように戦う。
予め星霊フェニックス(前方)とグリフォン(上方)を待機させ、罠や不意打ちを警戒。
「残念だったな。ボクは一人じゃないんだ」<敵に向けて
ー目についた罠は踏み潰す!
そんな勢いで進みながら他の猟兵達に後に続くよう呼びかけ進む
エスカ・ブランシェール
よっし、ちょっとずつだけど、昔の感覚が戻って来たぜ
次はゴブリン野郎の集団が相手か
自分から巣穴に突っ込みたいところだけど、さすがに危ねぇよな
ここは巣穴の前で待ち伏せだな
ただし……おとなしく待ってるほど、あたいは気長じゃねぇんだ
闘気を集中させて出現させた紋章を引き裂きUC発動
小さな自分の分身を大量に呼び出し、巣穴に突撃させるぜ
こいつらの攻撃手段は自爆特攻と生命力吸収
おまけに相討ち上等で死ぬまで敵を追い掛けるんだ
ついでに、紋章を引き裂いた時の傷も、奪った生命力で回復してチャラだぜ!
巣穴から逃げ出してきたゴブリンがいたら、そこをすかさず野太刀で頭カチ割ってやるか
「賢しい小鬼野郎が! 昇天しやがれ!
霧島・絶奈
◆心情
例え小賢しくとも、生存を勝ち取れるのなら其れは優れた戦略でしょう
とはいえ、みすみす嵌るつもりもありませんが…
◆行動
【暗視】で暗がりを見通し、【聞き耳】を立てる事で奇襲に対処
敢えて罠に嵌ったと見せて迎撃するのも悪くありませんね
【罠使い】の経験と知識に照らせば、奇襲を予期する事も不可能ではありません
罠に嵌るのは貴方方の方です
【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】し迎撃
地の利を活かして耐久するつもりならば力押しするとしましょう
『涅槃寂静』にて「死」属性の「濃霧」を行使し【範囲攻撃】
頼みの地形もこうなれば形無しでしょう
負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
●登頂
「この塔の上に元凶がいるのですね」
ミカエラは植物に覆われた巨木のように高い塔を見上げる。
「しかしこの邪悪な気配……まずはこの場を切り抜けねばなりませんね」
一見すれば視界には何も怪しいところはない。だがこちらを狙う邪悪な殺気を感じてミカエラは気を引き締めた。
「参ったな。昔の知識が使えないなんて。でもボク達に出来る事は前に進むのみ! 例え罠が待ち受けていようとも突破してみせる!」
レオンハルトはまだ蘇り切っていないギガンティア内が以前とは違っていることに戸惑いながらも、放っておけば以前と同等かそれ以上のギガンティアに成長してしまうと危惧して塔の攻略に臨む。
「ゴブリンは弱いけど隠れ潜むのが得意みたいだ。気を付けていこう」
そう仲間に呼びかけて注意して周囲を窺う。
「よっし、ちょっとずつだけど、昔の感覚が戻って来たぜ」
エスカは久しぶりの実戦に、鈍っていた感覚が戻り始めたと温まってきた肩を回す。
「次はゴブリン野郎の集団が相手か。自分から巣穴に突っ込みたいところだけど、さすがに危ねぇよな」
巣となっている生い茂った塔を覗き込む。
「ここは巣穴の前で待ち伏せだな。ただし……おとなしく待ってるほど、あたいは気長じゃねぇんだ」
ニヤリと悪い笑みを浮かべると、体内の闘気を集中させハート型の紋章を出現させ、それを引き裂いてユーベルコード『ラヴァーズ・ハーヴェスト』を発動する。すると90体を超える小さな自分の分身を呼び出した。
「こいつらの攻撃手段は自爆特攻と生命力吸収。おまけに相討ち上等で死ぬまで敵を追い掛けるんだ。ついでに、紋章を引き裂いた時の傷も、奪った生命力で回復してチャラだぜ!」
いいこと尽くめだとエスカは小さな自分の分身達を塔の中に突撃させた。
「キィッ!」
「キキー!!!!」
中でゴブリンの鳴き声と戦闘音が響き、遅れて爆発音が次々と響いて声を掻き消した。
「キィッ!!」
爆発から這う這うの体で逃れた火傷を負ったゴブリンが塔の外へと出て来る。
「賢しい小鬼野郎が! 昇天しやがれ!」
その前に立ち塞がったエスカが野太刀【剛刃・愛染櫻】を振り下ろし、頭をカチ割って即死させた。
「上手くいったみたいだな。傷が消えたぜ」
エスカの紋章を引き裂いた傷が癒され、中も静かになっていた。
あちこちで焦げ臭い黒焦げのゴブリンの死体が転がり、塔の下層は完全に制圧されていた。
階段を上っていくと、ゴブリン達は全滅したように死体だけ残して生存している者は一体も見当たらない。
「私を前にどこに隠れ潜もうと無駄ですよ」
ミカエラはユーベルコード『ヘミソフィア・オラクル』を発動し、天啓の光を身体から放出し、周囲を照らすと隠れていたゴブリンの姿がくっきりと映し出された。
「光で目立つでしょうが、敵の位置が分かれば同じ事」
息をひそめバレているとも思わず草むらに隠れるゴブリンに向け、ミカエラはフレイムソードを頭から叩き込んで仕留めた。
「見えているなら恐れるものは何もない! ただ薙ぎ倒すのみ!」
続いてレオンハルトがユーベルコード『星霊グランスティード』を発動して、星霊グランスティードを呼び出した騎乗して敵陣に突撃する。恐れるものはないと勇気を奮い立たせ、【熾炎】に魔法で炎を纏わせて薙ぎ払う。その一振りで植物と共に隠れていたゴブリンどもを上下に断ち切って燃えあがらせた。
「キィッ!!」
悲鳴を上げてゴブリンが崩れ落ちる
「キィイイイ!!!!」
ゴブリンの声が上がり、周囲の隠れていたゴブリン達が一斉に飛び掛かって来る。
「何匹で掛かって来ようとも負けはしない!」
レオンハルトは逃げずに襲い来る小剣を燃え上がる剣で弾き返し、投げつけられる石は気にもせずに【紅獅子の甲冑】で弾いた。
「例え小賢しくとも、生存を勝ち取れるのなら其れは優れた戦略でしょう」
絶奈は息を潜めて隠れる小賢しさも、ゴブリンの生存戦略であると認める。
「とはいえ、みすみす嵌るつもりもありませんが……」
罠があると分かっていればそれは罠たりえない。
「敢えて罠に嵌ったと見せて迎撃するのも悪くありませんね。罠使いの経験と知識に照らせば、奇襲を予期する事も不可能ではありません」
絶奈は無防備に前に出て罠に掛かったフリをしてゴブリンの奇襲を誘発させる。
「キギッ!!」
植物に潜んでいたゴブリン達が飛び掛かり、棍棒を振り下ろす。
「奇襲とは弱者が強者を倒す手段としては常道ですが、気付かれていては悪手となり下がります」
待ち構えていた絶奈が黒剣と白槍を振るって衝撃波を放ち、ゴブリンにカウンターを決めて薙ぎ払った。
「キィ!?」
「罠に嵌るのは貴方方の方でしたね」
尻餅をついて驚くゴブリンに向かって絶奈はさらに衝撃波を叩き込んで止めを刺した。
「キッ!」
隠れていたゴブリンが飛び出した仲間に釣られて連鎖的に小剣を手に次々と飛び掛かる。
「残念だったな。ボクは一人じゃないんだ」
レオンハルトはあらかじめ周囲に待機させておいた【星霊フェニックス】と【|黒いグリフォン《シュヴァルツェヴィント》】が割り込んでゴブリンに襲い掛かり、燃え上がらせ、爪で引き裂き階下へと叩き落とした。
「位置が分かっていれば負ける要素はありません」
ミカエラも祈りが籠められた盾【|天と地を隔てる門《アイテール・ゲート》】で容易く受け止め、剣を振るって体を両断する。
「キギーーッ!!」
「ギィギィッ!!」
ゴブリン達が叫んで奇襲が失敗したと合図を送ると、隠れていたゴブリン達が姿を見せて武器を構えた。
「今度は集団戦ですか、残念ですが奇襲が通じなかった時点で貴方方に勝利の可能性はありません」
絶奈がユーベルコード『|涅槃寂静《ヨクト》』を発動し、死を宿す黒き濃霧にゴブリンの群れを包み込む。
「ギッ……息、息ができな――」
「ぐるじい…………あがぁ………」
バタバタとゴブリン達が倒れ、生き残ってる者も意味が分からずに混乱する。
「押し通ります」
その隙を見逃さずにミカエラが盾を前に突っ込み、シールドバッシュを叩き込んでゴブリンを吹き飛ばして階段から突き落とした。
「キィィィィィ…………――」
ぐちゃっと下から鈍い音が響き、悲鳴が途絶える。
「邪魔をすればこうなります」
「キィッ!! こいつ危険だぞ!」
脅すようにじりっと前に足を踏み出せば、その盾を恐れてゴブリン達がざざっと下がった。
「この後にも戦いを控えていますし、体力温存していきましょう」
ミカエラは愛馬【アラケウス】に跨って駆け抜け、邪魔なゴブリンを撥ね飛ばし一気に敵陣を突破して頂上を目指す。
「キィッキキッ!!」
ゴブリン達は鳴き声で合図を送り、植物を使って足を引っ掛ける罠を張る。
「構わない! 目についた罠は踏み潰す!」
レオンハルトはグランスティードを駆り、電光を纏って加速すると罠ごとゴブリンを踏み潰して、閃光が通り過ぎた後にはゴブリンの踏みにじられた死体だけを残して駆け抜ける。
「さあ、もう少しで頂上です! 行きましょう!」
馬上で振り返ってレオンハルトが仲間に声をかける。
「まったく、こんな階段を駆け上がるなんて思ってなかったぜ」
エスカがこれだけ走ったのは久しぶりだと額の汗を拭う。
「此処が頂上ですね」
最後に絶奈が仲間に続いて階段を上りきると、頂上を見渡しこのギガンティアのボスの姿を見つけた。
大成功
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第3章 ボス戦
『世界平和の樹』
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POW : 平和を乱す者には罰を
【主枝の一撃】が命中した敵を【鋭利な葉が茂る梢】で追撃する。また、敵のあらゆる攻撃を[鋭利な葉が茂る梢]で受け止め[主枝の一撃]で反撃する。
SPD : 力を合わせて平和を守りましょう
【支配下にある生物】から無限に供給される【かのような】生命力を代償に、【爆発する実】を、レベル分間射撃し続ける。足を止めて撃つと攻撃速度3倍。
WIZ : 皆の願いが実を結ぶように
【宝石と化した花】から、物質を透過し敵に【魅了】または【宝石化】の状態異常を与える【紫色に煙る花粉】を放つ。
イラスト:すずや
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「待鳥・鎬」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●歪んだ願い
空を見上げればエメラルドの巨大なセミの抜け殻が近くに見える。
『願いましょう世界の平和を』
塔の屋上の中央に存在する宝石化した大樹『世界平和の樹』から思念が周囲に飛んだ。
『全てを宝石に変えましょう。人も街も。全てが同一となれば世界は平和になります』
塔に根を張るように世界平和の樹が辺りを宝石化していく。そうするとエメラルドの巨大なセミが少し大きくなった。
このまま放置すればギガンティアが大きくなり、全盛期の力を取り戻し、さらにはそれを超えてエルフヘイムすらも呑み込んでしまう。
エリクシルによって歪まされた平和の願いを阻止し、エルフヘイムを守ってみせようと猟兵達はギガンティアのボスに戦いを挑む!
クレープ・シュゼット
やだねえ、エリクシルがポンポン出てくるようになっちゃって
猟兵さん達が手伝ってくれてなきゃ俺ら過労死案件だよ
あ、今は俺も猟兵なんだっけ
さてさて、ほぼ無限供給の爆弾か!
なら、こっちもそれなりの手数でお相手しないとね!
開幕Eclair ou Eclairを展開!
実を雷で撃ち落としつつ本体も狙いながら
飛んでくる実の少ない方向を見極めて回り込んで
Etoile de Mielですぱっと一閃だ!
一応魔法剣士なんだし、剣も鈍らせないようにしないとね
油断しないように、ヒットアンドアウェイを心がけていこうか
あ、もしエクレア必要な子がいたら分けるからね!
好きなだけ食べてっていいからね(ニコニコ)
ミカエラ・ロメ
全てが沈黙すれば世界が平和になると
まさに童話の中の悪役が行いそうなテンプレートの様な邪悪ですね
人々の真摯なる願いを歪めて叶えようとするエリクシル、私達が居る限り好きにはさせませんよ!
武器から発せられる熱量とそれを振るう事で起きる風圧で花粉を遠ざけつつ、アラケウスに乗った状態で接近していきます
ジグザグや立体機動によりなるべく避けますが、直撃しそうな実や枝は盾で防ぎ間合いまで詰めたら、武器を上段に構えアラケウスから飛び降りるようにして振り下ろしながらユーベルコードを発動します
その邪悪な意思も、それを具現する|宝石《いし》も、ここで砕け散り灰燼に帰すがいいです!
レオンハルト・シャルラッハロート
「我は盾にして炎、そして悪を断つ剣なり!」
名乗りの後でこう付け足します「-亡霊が平和を騙るな」<怒りを込めて
UC発動後、腕を二本追加し、槍斧で梢や主枝を薙ぎ払い、返す刃で本体に叩き込む。
その後で熾炎と刃にまとわせた炎とで本体に攻撃。
(できた傷を集中して狙うよう仲間に呼び掛ける)
防御はオーラ防御と受け流し。
爆発する実はグリフォンが対応し、
状態異常には星霊フェニックスの聖炎で浄化させる。
「-ボク達が築く未来に貴様等は不要だ…朽ち果てろ!」
ボスを撃破できたら、
兜を外して、仲間たちに感謝の意を込めて一礼。
その後、ステンドグラスを取り出し、
「ーボク達の物語は続くのですね。イブ・ザ・プリマビスタ」と呟く。
エスカ・ブランシェール
相変わらず、極端に歪んだ形でしか願い叶えねぇんだな
全てを宝石に変えるとか、そんなフザけたエンディングなんざ、ブチ壊してやるぜ!
野太刀を上段に構え、闘気を纏ってUC発動!
相手は自由に動き回れねぇ樹だ
こっちが正面向いて構えりゃ、爆発する実だって正面からしか飛んで来ねぇだろ
UC効果で相手の攻撃は確実に防御だ
場合によっては味方の盾になりながら、上段の構えのまま徐々に距離を詰める
そして、殆どゼロ距離まで近づいたところで、必殺の一太刀をお見舞いするぜ
「この距離で爆発なんてさせたら、アンタも吹っ飛んじまうんじゃねぇの? 残念だけど、ここはアタイの距離だぜ!
歪んだ樹木は、ここらでさっさと伐採だ!
霧島・絶奈
◆心情
全てが一つとなれば確かに「他者との」闘争は無くなるでしょう
ですが、其処に在るのは無価値な停滞です
澱んだ停滞は腐敗を生じ、軈て廃滅に至るだけです
◆行動
『涅槃寂静』にて「炎」属性の「暴風」を行使し【範囲攻撃】
気流で花粉を敵に送り返しつつ、焼き払いましょう
更に【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
花粉を散らしつつ追撃します
序に【罠使い】として持ち込んだ複数の「魔法で敵を識別するサーメート」を【衝撃波】で投射
此方も物質を透過してしまう花粉では止められません
負傷は【各種耐性】と球状に展開した【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
物質に非ざるオーラの護りを突破する事は叶いませんよ
●崩壊するギガンティア
『世界を美しき宝石に満たしましょう。永久に変わらぬ平和を過ごしましょう』
世界平和の樹はそれが平和だと疑うことなく、周囲を宝石へと変えていく。
「全てが沈黙すれば世界が平和になると。まさに童話の中の悪役が行いそうなテンプレートの様な邪悪ですね」
ミカエラはそれでは平和になっても、それを享受する人々がいなくなる虚無の世界だと怒りを露わにする。
「人々の真摯なる願いを歪めて叶えようとするエリクシル、私達が居る限り好きにはさせませんよ!」
願いを歪めるエリクシルの企みを阻止せんと、【アラケウス】に騎乗したまま世界平和の樹の正面に立った。
「やだねえ、エリクシルがポンポン出てくるようになっちゃって。猟兵さん達が手伝ってくれてなきゃ俺ら過労死案件だよ」
クレープは猟兵という他の世界からの助っ人が居なければ対処しきれない状態だと、厄介そうにエリクシルが力を与えた宝石の樹を見る。
「あ、今は俺も猟兵なんだっけ」
ずっとエンドブレイカーだったクレープは、まだ自分が猟兵の仲間になったという実感が持てておらず首を傾げた。
『世界に平和を。共に平和を守りましょう』
世界平和の樹が根本で宝石化して繋げているボアヘッドやゴブリンから生命力を一方的に奪い取り、当たれば爆発する実を生み出して次々と発射した。
「さてさて、ほぼ無限供給の爆弾か! なら、こっちもそれなりの手数でお相手しないとね!」
クレープは開幕にユーベルコード『|Eclair ou Eclair《カミナリカエクレアカ》』を展開し、黄薔薇の花弁を舞わせて花嵐を起こす。それが飛んで来る実に触れると雷が落ちて空中で爆発させた。
「一応魔法剣士なんだし、剣も鈍らせないようにしないとね」
爆発で視界が塞がれると、クレープは回り込んで接近しキャンディケインを象った可愛らしい仕込み杖【Etoile de Miel】を一閃し、すぱっと敵の枝を切り落とした。
『平和を乱す邪悪なる者よ。許しません』
世界平和の樹が実を連射すると、クレープは身を翻し花嵐で壁を作って、幾つもの落雷によって爆散させた。
『邪悪なる者よ、宝石となって邪な心を捨てなさい』
世界平和の樹が紫色に煙る花粉を放ち、辺りを宝石へと変えていく。
「全てが一つとなれば確かに「他者との」闘争は無くなるでしょう。ですが、其処に在るのは無価値な停滞です」
絶奈はその平和な世界を想像し、そこには何もないと首を横に振る。
「澱んだ停滞は腐敗を生じ、軈て廃滅に至るだけです」
そんな平和は滅亡と同義だ。恐ろしい願いを止めようとユーベルコード『|涅槃寂静《ヨクト》』を発動し、森羅万象に干渉して炎を巻き込んだ暴風を行使する。
「気流で花粉を敵に送り返しつつ、焼き払いましょう」
突風によって押し流された花粉が燃え上がり、世界平和の樹の身体が燻られる。
『嗚呼、永遠の平和の象徴である宝石が傷ついてしまう』
世界平和の樹はさらに花粉をばら撒くが、絶奈は白槍と黒剣を振るって衝撃波を飛ばし吹き飛ばした。
「我が名はレオンハルト・シャルラッハロート! 我は盾にして炎、そして悪を断つ剣なり!」
レオンハルトが堂々と名乗りを上げて敵を睨みつける。
「――亡霊が平和を騙るな」
怒りを込めて平和という名の滅びをもたらす敵に向かって飛び出す。
『あなたも平和を乱すのならば罰を受けなさい』
その反抗的な態度に、世界平和の樹から主枝が伸びて槍のように突き出された。
「口では平和を説いて、やることはこれか!」
レオンハルトはユーベルコード『ゴーレムマテリアライズ』を発動し、オリハルコン装甲を纏い|守護巨神《ゴーレム》に変身した。腕を二本追加し、それが【槍斧・シュトルム】を横に振るって主枝を薙ぎ払い、枝から生える鋭利な葉が茂る梢も届かない。
「罰を受けるのは貴様の方だ!」
返す刃を敵の本体に叩き込み、続けて自らの手で振るうフレイムソード【熾炎】を上段から浴びせて、炎の斬撃が宝石の樹を傷口から燃やす。
『平和の樹を傷つける罪深き者よ。世界の怒りを知りなさい』
枝が揺れて伸び、一斉に襲い掛かって来る。
「硬いが傷跡に攻撃を集中すれば砕けるはずだ!」
レオンハルトは仲間に呼びかけながら、オーラを纏って攻撃を武器と装甲で受け流し後退する。
「相変わらず、極端に歪んだ形でしか願い叶えねぇんだな」
エスカはこれが世界の平和の姿かと宝石化されていく塔に生えた植物を見渡す。
「全てを宝石に変えるとか、そんなフザけたエンディングなんざ、ブチ壊してやるぜ!」
宝石にされる終焉をブチ壊そうと敵の前に出ると野太刀【剛刃・愛染櫻】を上段に構え、闘気を纏ってユーベルコード『一ノ太刀・覇竜凱斬』を発動する。ぴたりと動きを止め、じっと敵の攻撃を待ちカウンターを狙う……。
(相手は自由に動き回れねぇ樹だ。こっちが正面向いて構えりゃ、爆発する実だって正面からしか飛んで来ねぇだろ)
『さあ、平和の為にその力を私に……』
その思惑通り、世界平和の樹は根に繋がるボアヘッドやゴブリンの命を根こそぎ奪い取り、生やした実を発射する。
「掛かったな!」
それを待ち構えていたエスカは、実の直撃を受けるが竜の闘気が防ぎダメージが通らない。そのままエスカはじりじりと間合いを詰め、殆どゼロ距離まで近づいた。すると世界平和の樹の攻撃が止まる。
「この距離で爆発なんてさせたら、アンタも吹っ飛んじまうんじゃねぇの? 残念だけど、ここはアタイの距離だぜ!」
エスカは上段から野太刀を振り下ろし、レオンハルトが刻んだ傷跡を狙って刃を走らせる。強固な宝石も、闘気の竜を以ってすれば斬り裂ける。深く刃が入って樹の中ほどまで傷が入った。
『平和の象徴を傷つける愚か者。悔い改めなさい』
世界平和の樹が自爆も構わず至近距離から実を放ち、爆発を起こして野太刀で受けたエスカを後退させた。
「怪我をしたならエクレアをどうぞ」
「こりゃありがたい。いただくぜ」
クレープの放つ花弁が付着すると、エスカの手元にエクレアが現れる。それをぱくっと食べると爆発で追った傷がすぐさま癒えた。
「好きなだけ食べてっていいからね」
ニコニコとクレープは嬉しそうにエクレアが食べられるのを眺めていた。
『平和を望む願いは必ず叶います。さあ共に願いましょう』
世界平和の樹が紫色に煙る花粉を漂わせる。それが触れた植物は美しい宝石へと変化する。
「花粉なら吹き飛ばせばいいだけです!」
ミカエラがポールアーム【|太陽を手のひらに《エンドブレイズ》】を横薙ぎに振るい、武器が宿す熱量と振り抜く風圧で花粉を吹き飛ばした。
「今です!」
ミカエラが呼びかけると隙を突いて仲間が動き出す。
「物質を透過してしまう花粉では止められません」
絶奈がサーメートを衝撃波で投射し、敵の周囲に転がすと起爆して爆炎に飲み込む。
「此のまま歪んだ願い諸共燃やし尽くしてしまいましょう」
炎によって宝石の樹は表面が溶けて形が歪になっていった。
「美しき姿よりも、其の歪んだ姿がお似合いですよ」
絶奈はその姿こそ、エリクシルによって歪んだ存在には相応しいと笑みを浮かべる。
『世界に平和を、あなたも宝石になりなさい』
世界平和の樹が花粉を強めるが、絶奈はオーラによって防ぐ。
「物質に非ざるオーラの護りを突破する事は叶いませんよ」
オーラは宝石化せず、絶奈は衝撃波を放ち花粉を振り払う。
『世界に平和を……決して邪魔はさせません』
世界平和の樹が花粉だけでなく実を飛ばし猟兵達の接近を阻む。
「任せろ! 道を切り開く!」
前に出たレオンハルトがグリフォン【シュヴァルツェヴィント】を飛ばして実を破裂させ、花粉には【星霊フェニックス】による浄化の聖炎で対抗する。
「――ボク達が築く未来に貴様等は不要だ……朽ち果てろ!」
大きく踏み込んだレオンハルトが燃え上がる剣を一閃して、身を守ろうとする枝を払った。
「これで決めましょう!」
ミカエラの意を汲んだアラケウスが駆け出し、間合いを詰めるとポールアームを上段に構えユーベルコード『|日輪の導き手《フレアエクスプロージョン》』を発動して太陽の光を放つ。
『平和を乱そうというのですか。愚かな真似は止めなさい』
世界平和の樹が制止しようと声をかける。己の行動が平和に繋がるのだと信じ切っていた。
「その邪悪な意思も、それを具現する|宝石《いし》も、ここで砕け散り灰燼に帰すがいいです!」
ミカエラはアラケウスから飛び降り、ポールアームを全力で振り下ろし叩き込むと、熱が高まり爆発が起きて宝石の樹を粉砕した。
『平和を……願いを………』
樹の半分以上が吹き飛び、根本だけになった世界平和の樹がそれでも根を伸ばして塔と同化して生きながらえようとする。
「歪んだ樹木は、ここらでさっさと伐採だ!」
踏み込んだエスカが野太刀を走らせ、残った樹を真っ二つに切断する。すると根の張っていた塔が揺れて崩れ始めた。
「塔が……いえ、ギガンティア自体が崩壊を始めたようです」
浮遊した絶奈が冷静に周囲を見渡し、塔だけでなくギガンティア全体が揺れ、エメラルドに輝く巨大なセミの抜け殻が砕けていくのを確認した。
「急いで脱出だ!」
巻き込まれては堪らないとエスカが慌てて駆け出し、それに仲間達も続いて塔を下りギガンティアを脱出する。
猟兵達がギガンティアから出ると同時に、完全に崩落して見る影もなくなった。
「これでエルフヘイムの平和は守られましたね」
ミカエラは偽りではない本当の平和が守られたと、人々の住む巨大な樹木の都市を見下ろした。
「よかった。ギガンティアなんてあったらスイーツをゆっくり楽しめないからね」
クレープはこの後エルフヘイムのスイーツを食べていこうと笑顔になる。
「共に戦えたことに感謝を――」
兜を外したレオンハルトは仲間たちに感謝の意を込めて一礼する。そしてステンドグラスを取り出して呟いた。
「ボク達の物語は続くのですね。イブ・ザ・プリマビスタ……」
その視線の先には、さまざまな冒険が待ち受ける世界が広がっていた――。
大成功
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