●予知:マンションの屋上でバーベキューをする連中。
|現代地球《UDCアース》に隣接する妖怪たちの世界、カクリヨファンタズム。
その片隅にある、とある廃墟マンション。
そこでは東洋西洋新旧を問わず様々な妖怪たちが集まり、驚かせ方や怖がらせ方、吊り橋効果のエモーショナルさといった人間の感情を掻き立てる方法など、日夜修練に励むたまり場として使われていた。
だが、今やそこは凶悪なオブリビオンによって占拠され、暴力的な迷路と化していた。
マンションの内部は吹き荒れる銃弾と刃物の嵐で満たされ、実体を持つ妖怪たちは慌てて退去を強いられた。
生身の肉体を持たない悪霊タイプの妖怪たちが物陰に潜みつつ中の様子を窺っていくと、迷路の最奥……マンションの屋上にて、オブリビオンが配下の新しい妖怪たちを引き連れてバーベキューに楽しんでいた。
「HAHAHA! お肉だけじゃなくて野菜もしっかり摂るんだよ。ヘルシーにね」
「「「ひゃっはー!」」」
そこにいたのは、自動小銃やサバイバルナイフで武装したゆるキャラの軍団。
大量生産大量消費の果てに人々に忘れ去られたゆるキャラの幽霊たちが首魁たるオブリビオンによって集められ、現代地球から仕入れたと思われる肉や野菜を串に刺してバーベキューを楽しんでいた。
もちろん、それだけではない。
肉を食べる傍ら彼らは軍用兵器の使い方を学び、武装のメンテナンスを行い、各々の戦力を強化しているのだ。
モチベーションを向上させつつ、強力な兵器の開発と量産に勤しみ、軍備拡張を推し進めるのはカクリヨファンタズムの幹部猟書家。
『ベンジャミン・バーニングバード』である。
「フッフーン♪
ユリ様とシズク様の目論む『閻魔王』獲得を実現するためにも、ぼくの軍勢を強化しておかないとね。
通路は迷路化させている上に無数の銃弾と刃物のトラップで防御は完璧!
空を飛んだり壁を登って直接乗り込んできたら軍用兵器の対空砲火で木端微塵さ!
物理攻撃の効かない霊体でもいなければここまで来ることすらできな……」
その時。
肉を焼いていたベンジャミンと、偵察していた悪霊の一人の目と目が合った。
会釈を交わす両者。数瞬後、ベンジャミンが叫ぶ。
「|Hey Guy's《野郎共》! |Scout《斥候だ》! |Exclude《排除しろ》!」
「「「いえっさー!」」」
「うわああああ!!」
慌てて逃げ出す悪霊に向けて対霊用の浄化を付与した弾幕を浴びせかけるゆるキャラたち。
追い払われた悪霊は間一髪逃げ延びることができたようだ。
ベンジャミンは汗を拭う仕草をして、バーベキューの肉を焼く作業に戻る。
「おいはらいましたー!」
「ふぅ、ご苦労。まったく、油断も隙も無いね。
だけど、誰にもぼくの計画の邪魔はさせないよ。
……でも、できれば誰も来ないで欲しいなぁ。
せめてこのヘリコプター部隊が完成するまでは」
ベンジャミンが見つめる先では、幽世には不釣り合いな攻撃的ヘリコプターたちが建造されている。
機関銃やミサイルを装備した、破壊と殺戮をもたらす機械仕掛けの天使たちだ。
オウガ・フォーミュラ『滅詩のユリと幽銃のシズク』の活動を支援するために創り出そうとしている、ベンジャミンの航空攻撃部隊が着々と構築されているのだった。
●招集:ベンジャミン討伐戦。
「ハロー、エブリワン! カクリヨファンタズムの猟書家との戦いが佳境を迎えつつありマース!」
グリモアベースにて看板を掲げて猟兵たちに声をかけるのは、バルタン・ノーヴェだ。
彼女は、ついに彼女自身と縁のある猟書家の動向を予知したらしい。
「イエス! ターゲットは、『ベンジャミン・バーニングバード』!
経営不振で倒産したとある民間軍事会社のゆるキャラであります!」
プロジェクターにより投影されるのは、麦わら帽子をかぶったヒヨコの着ぐるみであった。
自動小銃やサバイバルナイフを装備しており、大きな瞳がカメラ目線で猟兵たちを見つめている。
「彼の目的はオウガ・フォーミュラ『滅詩のユリと幽銃のシズク』を支援するための戦力増強デース!
これまで散発的に討伐されていマシタガ、今回はとある場所を迷路化させて兵器開発と量産に勤しんでいるようデース!」
次いで表示されるのは、カクリヨファンタズムのとある廃墟と化したマンションだ。
人間を驚かせたり怖がらせたり、夜の廃墟でエモい雰囲気を演出したり、そういった手法を練習する妖怪たちの集まる場所だったが、武装したゆるキャラたちに占拠されてしまったという。
迷路と化したマンション内は銃弾と刃物が吹き荒れており、実体を持つ妖怪は立ち入ることもできなくなっている。
このマンションを拠点として、ベンジャミンは強力な軍用兵器の開発・量産を行っているのだ。
見過ごせば、いずれ起こるオウガ・フォーミュラとの決戦において厄介な敵を増やすことになるだろう。
「今回は道案内として協力してくれる現地の悪霊の方々がおられマース!
実体がなければ物理ダメージは無効でありますからな!
のんびり攻略していると侵入を察知されてしまう故、ベンジャミンたちに気づかれないうちに迅速な機動力が求められマース!」
ちなみに、目的地はマンションの屋上であるという。
飛翔して直行するという手は、ゆるキャラたちがセッティングしている対空兵器で撃墜される危険があるため選べないが、ベンジャミンとの戦闘が開始されればそちらに意識を割く余裕もなくなるはずだ。直接乗り込むことも可能だろう。
具体的には第二章から合流する場合は飛翔しても問題はありません。
「刃と弾が飛び交う危険な戦場でありますが、皆様の力があればベンジャミンを止めることができると信じておりマース!
……よろしくお願いしマース!」
バルタンがグリモアを用いて、マンションの近くまで通じるゲートを展開する。
卓越した戦闘スキルを有する猟書家の目論見を阻むべく、猟兵たちは転移していく。
リバーソン
こんにちは。リバーソンです。
マスターとして皆様に喜んでいただけるよう、つとめさせていただきます。
今回の舞台はカクリヨファンタズム。とある廃墟マンションを占拠した幹部猟書家『ベンジャミン・バーニングバード』を倒すことが目的です。
第一章:廃墟マンションを踏破するミッションです。
常に銃弾と刃物の嵐が吹き荒れる迷路を抜けて最奥である屋上まで到達してください。
内部構造に詳しい悪霊たちに先導してもらって移動することを推奨します。
なお、建物を破壊する行為は禁止されていませんが、妖怪たちが悲しみます。
第二章:幹部猟書家『ベンジャミン・バーニングバード』との戦闘です。
廃墟マンションの屋上で軍用ヘリコプターの開発と量産を行っています。
自動小銃やサバイバルナイフ、そして軍用兵器を駆使してきます。
また、屋上でも銃弾と刃物の嵐が吹いているため、立ち止まることなく戦うことを推奨します。
なお、先導してくれた悪霊は戦闘開始前に避難するため安全です。
プレイングボーナスは、両章通じて『戦場を最速で駆け抜ける』です。
登場人物:廃墟マンションの悪霊たち。
いつか現代地球に降り立って人々から感情を得るために、廃墟で練習していた妖怪たちの中から立候補した有志たちです。
戦いに関与することはできませんが、迷路と化したマンションの内部を熟知しているため屋上までの道案内をかって出てくれます。
オープニング公開後、断章を公開します。
プレイングの受付期間はタグにてお知らせいたします。
皆様、よろしくお願いいたします。
第1章 冒険
『銃弾と刃物の嵐』
|
POW : 頑丈な肉体で他の仲間を庇いながら移動する。
SPD : 少しでも被弾を避ける為、全速力で移動する。
WIZ : 嵐の吹き方に法則性を見つけ出し、掻い潜る。
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●断章:おいでよ廃墟|マンション《ダンジョン》。
「フッハァァァ」
転移した猟兵たちの前に筋骨隆々とした胸筋を披露する悪霊が現れた。
「うぅらぁめぇしぃやぁ……」
続いて、頭に何十本もの矢を生やす落ち武者スタイルの悪霊が恐ろしい雰囲気を醸し出す。
「廃墟で謎の少女と遭遇して蜜月するとかエモくない?」
そして、現代風ファッションの悪霊が参考資料となる漫画や小説を抱えて待っていた。
他にも、頭がでかい青色肌、ゾンビスタイル、ゴシックロリータなど、様々な悪霊たちが出迎える。
彼ら彼女らは、この廃墟マンションで驚かせ、怖がらせ、エモらせスキルを磨いてきた妖怪である。
生身の肉体を持たない悪霊たちならば、この迷路に吹き荒れる銃弾も刃物も通用しない。
猟兵たちをサポートするべく、現地にて待機していたのだ。
実体持ちの妖怪たちは離れた場所で横断幕を手に応援している。
声を出すと焼鳥軍団に気付かれるかもしれないので、沈黙のジェスチャーによる声援が猟兵たちに届けられている。
この廃墟マンションは、彼らの青春の地であり、思い入れ深い場所なのだ。
できることならば取り戻したいというのが、本音であろう。
「迷路と化していようと、内装でおおよその検討はつく。問題はない」
「わぁれぇわぁれぇがぁ……面倒やな。わしらがしっかり案内するけん、任せてや」
「大丈夫♪ 大船に乗った気分でついてきてね♪」
ポーズを決める、多種多様な悪霊たち。
誰に先導を頼むのかは、猟兵たちの自由意志にゆだねられた。
※なお。悪霊たちの協力など不要! という方はお気になさらず突き進んでください。
御形・菘
はーっはっはっは! 雰囲気抜群の素敵なロケーション!(…などと発言諸々を伝える、卓越したジェスチャーで無言進行)
そして偉大なプロフェッショナルたちとこうして肩を並べられるとは実に感動だ!
同行者はお任せだが、撮影してるし先導されるなら後ろ姿が怖い者が嬉しいのう
天地に乗って、浮いて迅速に進攻するから、地形は関係なく早く行けるルートで頼むぞ
天地も含めて全身にオーラを纏わせて防御した上で、危ない攻撃は左腕で迎撃していこう
まあ妾への被弾より、天地には決して当てんようにする方が大切だ
はっはっは、この作戦を成功させたら、視聴者全員の心臓を止めるレベルの廃墟マンション探索動画を皆で撮ろうではないか!
●悪霊と一緒に廃墟マンション凸ってみた!
猟書家『ベンジャミン・バーニングバード』を討つべく、廃墟マンションに駆け付けた猟兵たち。
奇襲のため迅速に、そして静かに攻略しなければならない。
その先陣を切るべく、マンションの玄関に立つ爬虫類系色々混じりのキマイラがいる。
「(はーっはっはっは! 雰囲気抜群の素敵なロケーション!
そして偉大なプロフェッショナルたちとこうして肩を並べられるとは実に感動だ!)」
などと、諸々の発言を卓越したジェスチャーでカメラの向こうの視聴者たちに伝達するのは真の蛇神にして邪神たる国民的スタア。
御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)だ。
大声を上げれば屋上にいる敵に気づかれるかもしれないので、菘は無言であった。
撮影している高性能AI内蔵の映像撮影用ドローン『天地通眼』が配信中の動画にリアルタイムでコメントテロップを差し込んでいるため、不慣れな新規視聴者にもしっかりと意図が伝わっているだろう。
なお、屋上にいるオブリビオンはバーベキューを満喫しているということなので、大声でなければ会話しても問題はない。
だがしかし、菘は声を潜めるのではなく無言で、大振りの|動作《モーション》で進行することを選んだのだ。
結果、ホラーっぽい雰囲気のある廃墟攻略企画としての掴みは上々だ。視聴率の昇りも順調である。
「(今回の同行者は、後頭部にもう一つ顔がある悪霊、エドさんである!
先導してもらう間、後ろの顔がじっくりと見つめてくるのだ! よろしく頼むぞ)」
「(ハーイ! ヨロシクデスネー! オマカセクダサーイ!)」
禿頭の西洋妖怪悪霊が軽快に手を振ってカメラに写り込む。
首を傾けて、正面の顔と後頭部の顔が同時に写り込むよう横顔を披露する。
ダブルウィンク。実際コワイ。
視聴者の反応はさておき、菘はエドに地形は関係なく早く行けるルートを通るよう指示する。
すなわち最短ルート。当然ベンジャミンも想定して、銃弾と刃物の嵐を仕込んでいることだろう。
過酷であるからこそ、より一層盛り上がるというものだ。
威風堂々と笑みを浮かべる菘が『天地通眼』に手をかける。
「(それではさっそく廃墟マンションを攻略するのである!
行くぞ天地! お主が共に在れば、空すらも妾の統べる領域となる!)」
菘が『天地通眼』に騎乗して、颯爽と浮上する。
菘の傍で常に撮影を行い、さらには移動と戦闘もこなすハイスペックドローン。
ユーベルコード《天空の覇者(テンクウノハシャ)》によって増強された『天地通眼』が、廃墟マンションを走り抜けて進攻を開始する。
床の状態も階段も関係のない、圧倒的な踏破性能だ。
「(コチラデース!)」
「(はーっはっはっは! なかなかの歓待であるが……妾と天地には通用せん!)」
先導するエドの後頭部がカメラに視線を向ける中、辺り一面から吹き荒れる銃弾と刃物が菘と『天地通眼』に目掛けて降り注ぐ。
だが、菘は『天地通眼』も含めて全身にオーラを纏い、その防御力で強引に駆け抜けていく。
全速力で駆け抜ける『天地通眼』が弾幕の隙間を潜り抜け、掠りそうな弾丸はオーラ防御で弾かれる。
大量の刃物も『天地通眼』が華麗な動きで避けていくが、避け切れない刃は菘の『左腕』が掴み砕いていく。
絶望を粉砕し、希望を掴み取る邪神の腕は伊達ではない。
万が一にも『天地通眼』に被弾しないよう、注意を払って迎撃している。
「(このくらいでは妾は当然のこと、天地に傷一つつけることすらできぬであろう!
さあさあ、行くぞ! 妾が推して参るぞ!)」
まっすぐに屋上に向かう菘を遮るには、迷路の暴力は不足していた。
しかし、激しい機動性に吹き荒れる銃弾と刃物が向かって来る光景。そしてエドの後頭部。
視聴者たちの悲鳴が聞こえてくるかのようだ。
「(はっはっは、この作戦を成功させたら、視聴者全員の心臓を止めるレベルの廃墟マンション探索動画を皆で撮ろうではないか!)」
「(ソレハ、スバラシイプランデース! キョウリョク、イタシマスヨー!)」
意気揚々と無音の高笑いを上げながら、菘は傷を負うことなく迷路の最奥まで突き進んでいくのだった。
成功
🔵🔵🔴
結城・有栖
廃墟のマンションですか…何だかお化け屋敷みたいですね。
あ、悪霊さんも案内宜しくです。
「…悪霊に案内されるお化け屋敷ってのも何だか不思議な感じダネ。
しかも、内部はミリタリートラップだらけダシ、気をつけなヨ?」
了解です、頑張って避けて進みましょうか。
オオカミさんも手伝ってくださいね。
UCでオオカミさんと同調して風のオーラを纏い、悪霊さんに先導してもらって迷宮を進みます。
風を操って機動力と移動速度を上げつつ、駆け抜けましょう。
飛んでくる銃弾や刃は【野生の勘】で飛んでくる方向を察知し、UCで上がった回避力と【軽業】で回避。
避けきれないのなら風の【オーラ防御】を使って攻撃を受け流してあげます。
●吹き荒れる嵐を踏み越えて。
「廃墟のマンションですか……何だかお化け屋敷みたいですね」
銃弾と刃物の嵐が吹き荒れる迷路と化した廃墟マンションを見上げるのは、その身に友たるオウガ『オオカミさん』を宿すオウガブラッドのアリスナイト。
フードの付いた赤い衣服を羽織る少女、結城・有栖(狼の旅人・f34711)だ。
先日身長が150cmに達したばかりの、年若い猟兵である。
「あ、悪霊さんも案内宜しくです」
「よぉろぉしぃくぅねぇ」
「……悪霊に案内されるお化け屋敷ってのも何だか不思議な感じダネ」
有栖は、案内役を引き受けてくれた落ち武者タイプの悪霊と和やかに挨拶を交えている。
恐ろしい風貌の悪霊であるが、猟書家である『ベンジャミン・バーニングバード』を追い出すために協力してくれるのだ。
とはいえ、来客を驚かすことが役目の悪霊に先導されるという現状に『オオカミさん』はこそばゆさを感じているようだ。
だが、それはそれとして。
猟兵の役目を果たすために、『オオカミさん』は有栖に意識を向けて気を引き締める。
「道中に敵はいないって話だけど、内部はミリタリートラップだらけダシ、気をつけなヨ?」
「了解です、頑張って避けて進みましょうか。オオカミさんも手伝ってくださいね」
「あいよー」
有栖は軽く身体を伸ばして、準備運動を済ませてからユーベルコードを起動する。
いち早く迷路を踏破するために『オオカミさん』と同調を開始する。
強固な風のオーラが有栖に纏わり、その身を守る防具となる。
その力の名は、《嵐の王(アラシノオウ)》。
『オオカミさん』と同調して、風を操る嵐の王形態と化すユーベルコードだ。
有栖の戦闘力を増強し、風を操って機動力を上げる事で回避率が10倍になり、そして最大時速625kmの速度で飛翔できる能力を得る。
静かで、それでいて猛々しい風に身を包み、有栖はふわりと飛翔する。
「オオカミさんとの同調を完了……さあ、参りましょうか」
「えぇ、こぉちぃr、って速……!?」
有栖に促されて道案内を開始する悪霊。
彼は銃弾も刃物も意に介さずマンションの中を進んでいくのだが、その悪霊に遅れるどころか追い抜きそうになるほどの速さで、有栖は駆け抜けていく。
降り注ぐ刃は《嵐の王》の機動力で軽々と避け、密集した弾丸の雨は風のオーラの防御力で受け流していく。
風を纏った有栖の速度を落とさせないよう、落ち武者の悪霊は道を間違えないようにかつ懸命に加速する。
「おお、えーとたしかこっちの昇り階段です」
「了解です。……うん、なんとなくわかってきました」
そして迷路を突き進むにつれて、有栖の野生の勘が働いてくる。
嵐の吹き方に法則性を見つけ出し、どこに弾丸が撃ち込まれるのか、どこから刃物が飛び出してくるのか、方向を感じ取れるようになる。
弾丸や刃物が視界に入る前に、回避動作を済ませるようになっていく。
どれほど数が有ろうとも、トラップの動線を感じ取れるのであれば風を操る有栖にとって掻い潜ることは造作もない。
「この調子なら大丈夫そうですね」
「すごい……なんて身軽さだ……」
悪霊が感嘆するほどの軽業を発揮して、有栖は快調に迷路を踏破していく。
掠り傷一つ負うこともなく、廃墟マンションの最奥……敵のいる屋上までの道筋を突き進むのだった。
成功
🔵🔵🔴
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
(『FDS』をしまいつつ)
成程、爆破解体は駄目なのですねぇ?
了解致しましたぁ。
それでは、多少服装が近い気がする『ゴシックロリータ姿』の悪霊さんにご案内願うとしまして。
【環麗】を発動、『御霊』に変身しますねぇ。
ええ、これで私自身も『実体』を捨てた『霊体』同様の状態ですから、悪霊さん達に効かない罠でしたら、私にもほぼ通らない筈ですぅ。
後は念の為『祭礼の女神紋』で連動、同様に『御霊』の一部と化した『FMS』のバリアを展開、「この状態で有効なら防御力10倍のバリアで防ぐ」「バリアが機能しないなら素通り可能」という状態にして進みましょうかぁ。
何とか、無事に辿り着けると良いですが。
●進むは|馥郁《ふくいく》たる開花。
「ユルシテ……ユルシテ……」「お願いします、壊さないでください」「ぷるぷる」
「成程、爆破解体は駄目なのですねぇ? 了解致しましたぁ」
アレジンした和風メイド服を着こなしている発育の良い体型の少女。
夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は悪霊や妖怪たちの懇願に微笑んで頷いた。
この地に足を踏み入れたるこるは、事態解決の手段として屋上にいる猟書家『ベンジャミン・バーニングバード』を迷路ごと爆破解体しようと考えていたようだ。
巨大兵器や戦艦といった大型目標の破壊を想定した極めて高い破壊力を持つ『祭器』卵型爆撃用浮遊武装『フローティング・デトネイト・システム』を用いれば、オブリビオン共を巻き込んで妖怪たちのたまり場である廃墟マンションは木端微塵になってしまうだろう。
るこるは大人しく『祭器』をしまいこみ、妖怪たちは安堵した。
「それではまっすぐ進んで行きましょう。よろしくお願いしますねぇ」
「はぁい♪ 道案内はおまかせあれ♪ ですぅ♪」
るこるは服装のセンス感覚が近い、ゴシックロリータ姿の悪霊に案内を頼むようだ。
可愛らしく笑ってポーズを決める悪霊が廃墟マンションの入り口へと浮遊していく。
そして、るこるは銃弾と刃物が吹き荒れる迷路を突破するためにユーベルコードを発動する。
「大いなる豊饒の女神、その御許へより近き姿へと私をお導き下さい」
ほのかに透き通るように、るこるの身体が質感を失う。
その姿は半透明であり、悪霊たちの霊体と同じような状態へと転じたのである。
《豊乳女神の加護・環麗(チチガミサマノカゴ・フクイクタルカイカ)》。
るこる自身の『実体』を捨てて、時間や空間干渉による影響を無効化する『御霊』に変身するユーベルコードである。
太陽光でダメージを受けるというリスクを伴うが、これから挑むのは陽の光の届かない廃墟マンションの迷路。
デメリットを危惧することなく、るこるはユーベルコードを使用することができるのだ。
「わぁ……霊体化できるのですねぇ? すごいですぅ♪」
「ええ、これで私自身も『実体』を捨てた『霊体』同様の状態ですから、悪霊さん達に効かない罠でしたら、私にもほぼ通らない筈ですぅ」
更にるこるは、念のためにとその身に刻まれている『祭礼の女神紋』を連動させ、るこるのカロリーを『祭器』の動力へと変換する。
《環麗》の効能により、るこるの身体と同じように『御霊』の一部と化した浮遊する12枚の円盤『フローティング・ミラーコート・システム』がバリアを展開する。
るこるの全能力とすべての『祭器』が強化されている今、たとえ対霊処置を施した浄化弾が紛れていようとも防ぐことができるだろう。
「この状態で嵐の攻撃が有効だったら、防御力10倍のバリアで防ぐことができますぅ。
もしバリアが機能しないなら、私も『祭器』も霊体なので素通りが可能という状態ですよぉ」
「完璧じゃないですか、すごぉい♪」
『御霊』と化したるこると『FMS』には物理的な暴力は通じない。
もし通じるものがあっても『FMS』が防いでくれる。
案内人のゴスロリ悪霊をかばう余裕もあるくらいに、安全を完璧に確保した状態と言えよう。
「それでは先に進みましょうかぁ。
何とか、無事に辿り着けると良いですが」
「ご安心くださいな♪ しっかりご案内いたしますニャン♪」
銃弾と刃物の嵐もなんのその。
るこるは悪霊の道案内を受けて、文字通りに傷一つ受けることなく廃墟マンションを進んでいく。
焦らずに、しかし他の猟兵たちに遅れることのないように。
間もなくして、るこるは迷路の最奥へと到達するのであった。
成功
🔵🔵🔴
魔法少女・マジカルガール
マジカルカメラで動画撮影&ライブ配信スタート!
「魔法少女・マジカルガール!はっじまるよ〜っ☆(タイトルコール」
マジカルサウンドでオープニング曲を流し、演技で鼓舞して盛り上げ!カリスマオーラで視聴者のお友達を夢中にさせちゃおっ♪
一緒に行ってくれるのは可愛いおばけさんがいいな!
|魔法変身《マジカルトランス》して魔女っ娘魔法少女に変身!ロッドで出した箒にウィングを生やして飛んでくよ!
まずカメラを偵察に行かせてみるね!全部ばっちり撮っちゃう!
ロッドを構えてバリアとシールドを展開して盾受け!一気に翔け抜けるよ!
危ない罠は、|シールド《武器から光線》からマジカルハートのレーザー光線魔法で撃ち落としちゃえ!
●魔法少女・マジカルガール! この後すぐ!
猟書家『ベンジャミン・バーニングバード』の野望を阻むべく、可憐な猟兵が現れた。
彼女は、どこにでもいるごく普通の小学生の女の子、|卯乙女《うおとめ》・まほ。
しかしその正体は、あらゆる魔法少女作品の概念がバーチャルキャラクターとして形を成した存在!
|魔法少女の王国《マジカルランド》からやってきた、みんなの夢と希望を叶える存在!
魔法少女・マジカルガール(|魔法少女の王国《マジカルランド》のプリンセス・f38569)、ただいま参上!
「魔法少女・マジカルガール! はっじまるよ~っ☆」
「「「わああああ♪」」」
透明な自動飛翔高解像動画撮影機『マジカルカメラ』に向けてポーズを決めて、タイトルコールと共に動画配信を開始するマジカルガール!
透明な自動飛翔高音質音楽再生機『マジカルサウンド』からオープニング曲を流して、演技で鼓舞して盛り上げていく!
マジカルガールのあふれる『カリスマオーラ』で視聴者のお友達を夢中にさせちゃうのである!
迷路と化した廃墟マンションを攻略する様子を、マジカルガールはライブ配信で不特定多数の視聴者たちに披露するのである。
廃墟マンションの屋上までは届かないよう調整は行っているようで、集まった妖怪や悪霊たちもカメラの外で身振り手振りで盛り上がっている。
なお、ライブ配信による収益はオブリビオン被害の復興等に使われるとのことだ。
なんて優しいことだろうか。
「よろしくね!」
「ばけばけー」
そんなマジカルガールと行動を共にするのは、可愛い|スプーク《シーツのおばけ》だ。
ブギーモンスターに似ているが、こちらは悪霊で霊体で浮遊しているので別物でございます。
見られていることを意識して、愛らしい振舞いを見せている。
スプークは白い布に包まれた手を振って、元気にマジカルガールを案内する。
現地妖怪たちの声援を背に、マジカルガールはこの廃墟マンションに挑むのだ。
「ばけー」
「わぁ、いろいろなものがいっぱい飛び交ってる。これは危ないね!」
マジカルガールが入り口に着くと、大量の銃弾と刃物が縦横無尽に飛び交っていた。
廃墟マンションの内部はオブリビオンたちの仕掛けた銃弾と刃物の嵐が吹き荒れる迷路と化しているのだ。
スプークには物理攻撃がすり抜けるためダメージは無いが、マジカルガールは対応を強いられる。
マジカルガールは臆することなく、明るい笑顔で杖を手に取った。
「いくよ、|魔法変身《マジカルトランス》!」
人々の願いを叶える杖『マジカルロッド』を振りかざし、マジカルガールは魔女っ娘魔法少女に変身する!
『マジカルロッド』で出現させた箒に乗り、心のドキドキに合わせて加速する『マジカルウィング』を生やして、迷路の中を飛んでいく!
迫りくる銃弾も刃物も、杖から放出される『|マジカルシールド《魔力の盾》』と心のドキドキに合わせて攻撃を反射する『|マジカルバリア《全周囲結界》』で受けていく!
浮遊するスプークに遅れることなく、廃墟マンションの内部を飛翔する!
「まずカメラを偵察に行かせてみるね! 全部ばっちり撮っちゃう!」
「ばけばけー」
そして、マジカルガールは戦闘力のない動画撮影ドローンを召喚する。
それは、自身が活躍や苦戦をする度に視聴者の応援によって武器や防具がパワーアップするユーベルコード。
《グッドナイス・ブレイヴァー》によるものだ!
吹き荒れる嵐など敵ではないと、笑顔で一気に翔け抜けるマジカルガール!
その活躍は配信され、視聴者たちの応援が次々にマジカルガールをパワーアップさせていく!
杖も箒も盾も、同時接続数が増すたびにドンドン出力上昇効果増大右肩上がりのうなぎ登りだ!
「このまま|ゴール《最奥》まで一直線! お願いね、おばけさん♪」
「ばけー!」
応援で無限増大した『|マジカルハート《清浄な魔力》』を溜め込んで、眩い光を放つマジカルガールが攻撃魔法を準備する。
スプークの案内のもと、廃墟マンションに被害の出ないよう射線を引いて、最短ルートを切り開くために『マジカルシールド』から光魔法を放つ!
「危ない罠は、|シールド《武器から光線》からマジカルハートのレーザー光線魔法で撃ち落としちゃえー!」
銃弾も刃物も、次々に無音のレーザーに撃墜されていく。
煌めく光が迷路の中を照らし出し、マジカルガールの行く手を輝かせている。
「おっけー! さあ、行こう! この迷路のゴールまでもう少しだよ!」
カメラに可愛くウィンクを飛ばし、マジカルガールは箒を加速させて一気に迷路を踏破する。
もはや、銃弾も刃物もマジカルガールには届かない。
そのまま迷路の最奥……すなわち、廃墟マンションの屋上まで辿り着き、マジカルガールはスプークとハイタッチのしぐさをするのだった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『ベンジャミン・バーニングバード』
|
POW : あつまれ、ゆるキャラの軍団
【自動小銃やサバイバルナイフ】で武装した【人々に忘れられたゆるキャラ】の幽霊をレベル×5体乗せた【軍用装甲車】を召喚する。
SPD : 今夜はバーベキューにしよう
【自動小銃やサバイバルナイフ】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ : CQ・CQ・BBQ
いま戦っている対象に有効な【軍用兵器】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
イラスト:ゆりちかお
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠バルタン・ノーヴェ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●断章:バーニングバード・アーミー。
悪霊の案内を受けて、猟兵たちは銃弾と刃物が吹き荒れる迷路を踏破した。
猟兵たちは悪霊たちを安全の為に避難させ、廃墟マンションの屋上に通じる扉を開ける。
その先では、幹部猟書家『ベンジャミン・バーニングバード』が武装したゆるキャラたちを率いてバーベキューを満喫しているところであった。
一瞬硬直して、見つめ合う猟兵たちと猟書家。
「なっ! 猟兵!? まさか、ぼくのトラップを潜り抜けて来たというのか!」
一拍置いて、ベンジャミンは慌ててトングを放り投げ、近くにある軍用兵器へと駆け寄っていく。
それこそ、この廃墟マンションを占拠して強化している最中の『軍用ヘリコプター』である。
吹き荒れる銃弾と刃物の嵐の中、うまく使いこなせば脅威的な火力を発揮するだろう。
「CQ・CQ・BBQ! あつまれ、ゆるキャラの軍団!
ユリ様とシズク様のためにも、邪魔者を排除して作戦を続行するんだ!」
「「「さー、いえっさー!」」」
何体もいるゆるキャラたちもバーベキューの串をゴミ箱に投げ捨て、ベンジャミンを掩護するために素早く展開する。
中にはどうやって搬入したのか、軍用装甲車に乗っているものもいるようだ。
「実戦経験を積む機会と考えよう! 今夜は猟兵たちでバーベキューだ!
油断はするな、相手は強敵だぞ! |Open Combat《戦闘開始》!」
「「「ひゃっはー!」」」
表情の変わらないゆるキャラたちのつぶらな瞳と銃口が猟兵たちに向けられる。
軍事教練を受けた新しい妖怪たちと、猟兵たちの戦いが幕を開ける。
※猟書家幹部『ベンジャミン・バーニングバード』との戦闘です。
軍用兵器や武装を駆使してきます。
廃墟マンションの屋上で、迷路の中と同じように銃弾と刃物の嵐が吹き荒れているため、立ち止まることなく戦うことを推奨します。
プレイングボーナスは『戦場を最速で駆け抜ける』です。
皆様、よろしくお願いいたします。
ロビン・バイゼ(サポート)
「困っている人を助けたい」と強く願う少年。
時には自身を犠牲にしてでも助けようとします。
アイテム・技能・UCは状況に応じて好きなものを使わせて構いませんが、拷問具や拷問系UC・咎力封じは基本ヴァンパイア・闇の種族にしか使いません(逆に両者に対してはよく使用)
絵を描くのが好き。でも描く絵はピカソや岡本太郎のような抽象画。だいたい何描いてあるか分かりません。
基本無表情。何があっても表情変わりませんが、芸術的なもの・博物館・拷問具を見ると瞳が輝きます。
「…」や「、」多めの喋り方。
好きに使ってください。よろしくお願いします。
台詞例
「……びっくり、した」
「……すごい」
「……少しは、役に……立てた、かな」
●救いの翼を差し伸べるもの。
何体もの武装したゆるキャラたちを前にして、臆することのない猟兵たち。
その様子を、馳せ参じた猟兵の一人が見つめていた。
「……みんな、すごい」
困っている人を助けたい。そう強く願うオラトリオの少年。
ロビン・バイゼ(芸術と鮮血・f35123)は、上空から廃墟マンションの屋上を見下ろしていた。
吹き荒れる銃弾と刃物の嵐に翻弄されることなく、目立たないように気配を消して空を漂っていた。
猟書家幹部『ベンジャミン・バーニングバード』とその配下であるゆるキャラたちの意識は、迷路を踏破してきた猟兵たちに向けられている。
その隙を狙いグリモア猟兵の転移によって戦場に参じたロビンは、眼下の戦闘に直接加勢するのではなく……オラトリオとしての能力を駆使して支援することを選択した。
先制攻撃を仕掛けるべく、月光を背にロビンは静かに祈りを捧げる。
「……癒しの、光。……痛みの、闇。どうか、みんなのために」
ロビンの伸ばした翼の片翼が白き闇の翼に、もう片翼が黒き光の翼に変化し、戦場に光と闇の加護を降り注ぐ。
《セイクリッド・ダークネス》。
それこそ、ロビンが祈りを捧げている間半径114m以内に存在する対象すべてにダメージか治癒を与え続ける、神の御使いの如しユーベルコードである。
「「「うああああ!?」」」
「っ! 上から攻撃、いつの間に!?」
不意に白き闇のダメージを浴びて、絶叫を上げるゆるキャラたち。
ベンジャミンは素早く反応し、ユーベルコード《CQ・CQ・BBQ》により召喚した軍用兵器『ヘリコプター』に乗り込み、夜空にいるロビンに向かって攻撃を仕掛ける。
装備された機関銃やミサイルが、吹き荒れる嵐の中ロビンを狙って放たれる。
対するロビンはただちに離脱することはせず、屋上にいる猟兵たちが攻勢の準備を済ませる時間を稼ぐべく、ロビンはその身を躱して宙を舞う。
白い翼と黒い翼を羽搏かせ、ベンジャミンたちを削りつつ継戦し続けていく。
「ええい! この翼を止めろー!」
「……少しは、役に……立てた、かな」
ほどなくして、眼下の猟兵たちが口上を上げて動き出す。
軍用ヘリコプターやゆるキャラたちの弾幕に追い詰められる前に、ロビンは身を翻して戦線から遠ざかる。
自らのユーベルコードの恩恵を戦場に残し続けるために、撃墜されることないよう逃走したのだ。
猟兵たちは今後、ロビンの黒き光の治癒を受けることになるだろう。
この戦いの|主導権《イニシアチブ》を取るという役目を全うしたロビンは、猟兵たちの健闘を祈り続けるのだった。
成功
🔵🔵🔴
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
見た目が可愛い分、恐ろしさが有りますねぇ。
『FAS』を使用し飛行、『FMS』のバリアと『FES』の対物結界を展開しますぅ。
そして【斷瑗】を発動し『環』を射出、バリアや結界の外側に纏ったまま低空飛行で幽霊さんの集団に突っ込みますねぇ。
『環』の性質上【UC】や『装備』の干渉を[切断]することが可能ですから、『軍団』で召喚された幽霊さんや装甲車も『UCの干渉』を切断することで問題無く斬れますし、攻撃や『嵐』は『環』と多重の防壁が有れば、ほぼ問題無く防げるでしょう。
残る『F●S』各種は攻撃に使用、ベンジャミンさんと軍用ヘリを巻込むよう[範囲攻撃]を行い、纏めて叩きましょうかぁ。
結城・有栖
わぁ…可愛いゆるキャラさんがいっぱいですね。
「持ってる物は物騒だけどネ。
見た目に惑わされて油断しないようにネ」
了解です。
開けた屋上に出ましたし、更に速度を上げましょうか。
今回はウィンドボードに乗って出撃です。
UCで速度を上げつつ【野生の勘】で飛んでくる攻撃を察知し、上手く【操縦】して【軽業、空中機動】を使って回避します。
相手がコチラを補足しにくいように動き回り、【念動力】で雷の【属性攻撃】を付与した想像暗器(クナイ)を飛ばして攻撃です。
雷の【マヒ攻撃】で動きを鈍らせてあげましょう。
飛んでるヘリに対してはウィンドボードから破壊の風を放って攻撃です。
弾丸なども風に巻き込んで吹き飛ばしてます。
御形・菘
はっはっは、いかんのう、お主らは世界観がちょっと合っておらん!
妖怪が跋扈する世界に、ヘリとか近代兵器持ち込んではいかんだろう
いや、新しい妖怪ならそれもアリか?
だが、ならば妾も流儀を合わせるとしようか
これが妾の最速モード! そして空を縦横無尽に飛び回る!
そしてこのスピードは、そもそも回避メインでバトるためではない
弾雨と花弁の舞う中を、今は速度も味方につけた突撃で、左腕の渾身の一撃をブチ込むためのものだ!
怪我は気にせんよ、重要なのはカッコ良い構図とタイミングで突撃を決めることだからのう
だが、だからこそ、戦いのセオリーを外した妾の動きは読み辛かろう
はーっはっはっは! エモく盛大にブッ飛ぶがよい!
魔法少女・マジカルガール
カメラ撮影とサウンドBGMでライブ配信継続中!
「そこまでだよっ!」
「愛と正義の魔法少女、マジカルガール!」
高所から登場
くるくる回ってからのキメポーズに湧き上がる視聴者
「|マジカルトランス!プリンセス・ドレスアーップ!《UC+真の姿に変身》」して『戦場を最速で駆け抜ける』!
ロッドの拘束魔法で捕縛して魔力溜め
「この会場とテレビの前にいるよいこのみんな!私に力を貸して!」
『マジカルガールがんばれーっ!!』
応援してもらって魔力を増大!
武器から光線全力魔法砲撃!
「マジカルハート……ブレイカーーーーーーッ!!!!」
戦闘終了後は邪心浄化非殺傷攻撃でよいこの仲間入りしたベンジャミンさんと仲直りBBCしたいな♪
貴方・あなた
ふぅ……
やれやれ、本当はあまり目立ちたくないんだけど……どうやらそうも言ってられないか?(本音:丁度よかった!私も新しく買った軍用ヘリの試運転したかった所なんだよね!!)
ヘリに乗って隠気で隠れ、不可視の超念動力にUCを乗せて敵の武器をサイキックスティール!
そのまま操って|全周包囲攻撃《オールレンジ・アタック》だー!!ついでにBBQの肉も私の物じゃーっ!!
ヒャッハァーッ!!ロケットランチャーと、ヘリの重機関砲やミサイルポッドで撃ち落としてやるぜオラァッ!!
見ろォッ!敵がゴミのようだぁ!!ヒャーッハハハハァーーッ!!
あれ?もしかして私、またなんかやっちゃいました?私が実は転生者だって事は内密にね?
●数多のモノが交錯する空。
先手を打ったオラトリオの残した翼が降り注ぎ、銃弾と刃物の嵐が吹き荒れる屋上。
廃墟マンションの迷路を踏破した猟兵たちは、猟書家幹部『ベンジャミン・バーニングバード』の率いるゆるキャラたちと対峙していた。
白き闇の翼により継続ダメージを浴び続けているゆるキャラたちとは裏腹に、猟兵たちは黒き光の翼により癒され続けている。
多少の負傷を気にする必要がなくなり、余裕を持って備えている。
「はっはっは、いかんのう、お主らは世界観がちょっと合っておらん!」
幻想的な光景の中、屋上の|塔屋《階段とかの屋根の部分のちょっと高いところ》に立つ御形・菘が大きく笑い声を上げた。
『天地通眼』がしっかりと動画を配信しており、かっこいい角度で菘を撮っている。
視聴者たちもテンションあげあげな様子である。
「妖怪が跋扈する世界に、ヘリとか近代兵器持ち込んではいかんだろう。
……いや、新しい妖怪ならそれもアリか? だが、ならば……」
新しい価値観の是非を思案している菘の隣では、同じように高所からライブ配信を継続している猟兵がいる。
『マジカルカメラ』と『マジカルサウンド』による撮影とBGMで盛り上げている、愛と正義の魔法少女。
「そこまでだよっ!
愛と正義の魔法少女、マジカルガール! 登場!」
「ほう」
くるくる回ってからのキメポーズに、湧き上がる視聴者。
スパチャも捗っている様子だ。
奇しくも並び立つ同業者同士。感じ入るところがあったのか、菘とマジカルガールは視線を交わして笑みを向け合う。
「はーっはっはっは! 真の蛇神にして邪神たる妾、推っ参!
魔法少女よ、お主の力しかと見させてもらおうか!」
「うん! 一緒に頑張ろうね、菘さん!」
「わぁ……可愛いゆるキャラさんがいっぱいですね」
「見た目が可愛い分、恐ろしさが有りますねぇ」
「持ってる物は物騒だけどネ」
盛り上がる配信者たちの足元には、夢ヶ枝・るこると結城・有栖が並び立っていた。
るこるは『祭器』である浮遊する12枚の円盤『フローティング・ミラーコート・システム』と20枚の浮遊する布『フローティング・エレメンタル・システム』を展開して|障壁《バリア》と対物理結界を張り巡らせて防御を固め、3対のオーラの翼『ローティング・エアロフォイル・システム』を使用して飛行状態へと移行していた。
有栖は自身の中の『オオカミさん』との同調をさらに強化していた。
その身に宿す力は、《魔獣戦技・旋風破砕撃》。
オウガである『オオカミさん』の力を借りて、風のオーラを纏って時速12500kmで飛翔するユーベルコードである。
「幽霊さんの集団は私のユーベルコードで対処いたしますねぇ」
「わかったヨ。見た目に惑わされて油断しないようにネ」
「了解です。開けた屋上に出ましたし、更に速度を上げましょうか。行きますよ、オオカミさん」
「あいよー!」
ベンジャミンに追われているオラトリオの青年が手傷を負う前にかく乱するべく、一足先に有栖は風の魔力を宿した『ウィンドボード』に乗って出撃する。
先陣を駆った猟兵の稼いだ時間により、猟兵たちの準備は万全である。
その恩恵は、迷路を踏破した彼女たちだけではなく。
最後に駆け付けた六人目の猟兵にも作用していた。
「ふぅ……」
森羅万象の全てを籠絡する『傾世の美貌』を有する黒髪の美少女小学生。
その正体は地球世界出身の|召喚獣《転生者》(※内密です)。
貴方・あなた(わたしはあなた、あなたはわたし・f38681)が『軍用ヘリ』に乗って現れた。
ハワイでお父さんに習ったのだろうか。
「|やれやれ《ちょうどよかった!》。
|本当はあまり目立ちたくないんだけど……。《私も新しく買った軍用ヘリの試運転したかった所なんだよね!》
|どうやらそうも言ってられないか?《ついでにBBQの肉も私の物じゃー!》」
愛らしい顔に満面の笑みを浮かべて、あなたは『軍用ヘリ』をホバリングさせている。
だが、その姿は誰の目にも映らず、モーターの駆動音が響き渡ることもない。
透化・消臭・消音・消温といった気配遮断効果にダメージ軽減や超速飛翔能力まで有するオーラ『隠気』で覆い隠しているのだ。
「えへへ! |せっかく気づかれてないのだから《綺麗な女性がいっぱいだし》、|攻撃のチャンスを狙わないとね!《大活躍して褒めてもらおうっと!》」
あなたは廃墟マンションの屋上を狙いを定め、そのヘリに取り付けられた重機関砲やミサイルポッドは今か今かと火を噴く時を待ち望んでいる。
数多のモノが交錯する中、猟兵たちの攻勢が始まる。
●高空を舞う乙女たち、低空を刈る女神の使徒。
「マジカルトランス! プリンセス・ドレスアーップ!」
マジカルガールが豪華絢爛なドレス姿に変身する。
《ドレスアップ・プリンセス》!
マジカルガールは舞い散る花びらによる時速515kmの飛翔能力を得る!
煌びやかなオーラを身に纏い、戦場を最速で駆け抜ける!
「よいこのみんな、応援してね! いくよー!」
「はっはっは。では、妾も流儀を合わせるとしようか。変身!」
マジカルガールの振る舞いを見た菘は不敵に笑い手を掲げ、自身のキマイラ部位をメカ装甲形態に換装させる。
《機械仕掛けの花の神(デウス・エクス・ワラワ)》!
生身では飛べない菘が空を飛ぶために体得した、気合と根性の最速モードである!
触れると「感動」する花弁を振り撒き続け、時速665kmの飛翔能力を得る!
「妾がすべてを終わらせてやろう、溢れんばかりの感動をもってな!」
一足先に飛翔していた有栖と合流し、三人はベンジャミンの『ヘリコプター』に肉薄する。
オラトリオの猟兵から|主導権《イニシアチブ》を引き継ぎ、三者がそれぞれの飛翔能力を、空中機動力を発揮してベンジャミンを翻弄する。
赤いフードの旅人が、機械仕掛けの花の神が、魔法少女のプリンセスが、空を縦横無尽に飛び回る。
屋上にいるゆるキャラの軍団からの攻撃も、飛び交う銃弾と刃物の嵐も、高速で飛ぶ彼女たちには当たらない。
当たったところで立ちどころに黒き光の翼によって治癒されていく。
「くぅ、素早い……! けど、このまま時間をかければ……!」
そうしてドッグファイトを繰り広げる高空の様子をよそに、るこるは『ローティングエアロフォイルシステム』による低空飛行で《ゆるキャラの軍団》に突っ込んでいく。
白き闇の翼で継続ダメージを負いながらもベンジャミンに支援射撃を行っていたゆるキャラの軍団は、襲い来るるこるに照準を合わせて射撃攻撃を開始する。
「あ! こっちにもきたぞー!」「うてー!」「がんほー、がんほー!」
「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『天環の加護』をお与え下さいませ」
だが、るこるは全身をバリアや結界で覆っているため、自動小銃による一斉射撃も気にすることもない。
そして、るこるが通り過ぎると同時に……ゆるキャラたちが切断されていた。
「うわー!?」「あー!?」「やられたー!」
「『環』の性質上、みなさんやその装備は問題なく斬れますよぅ」
るこるの周囲には、千を越える『環』が漂っている。
《豊乳女神の加護・斷瑗(チチガミサマノカゴ・センテンセシリンカン)》。
それは、術者を核に旋廻する『環』を射出するユーベルコードである。
『環』は、ユーベルコードや装備の干渉と敵対者を切断する『空』を宿し、土星を回る衛星のようにるこるの周りで加速・減速・軌道変更を繰り返していた。
降り注ぐ銃弾も襲い来る刃物も、『環』に阻まれ『空』によって断ち切られ、すり抜けたわずかな攻撃も多重の防壁に阻まれる。
一方で、干渉し切断する『環』の切断をゆるキャラたちは防ぐ術もなく、次々に斬り伏されていく。
「そ、そうこうしゃのかげに!」「ああ!? いつのまにかまっぷたつに!」
「まずい、お前たち! はやくヘリに乗り込むんだー!」
屋上に配備されていたゆるキャラたちが、飛び回るるこるに追い立てられ、切断されていく。
逃げ惑い慌てふためく軍団にベンジャミンが指示を下し、『ヘリコプター』へと駆け込もうとするゆるキャラたちもいたが、彼らは突然降り注いだ装甲車にヘリごと押しつぶされる。
「な、なにぃー!?」
「ぐえー!」「な、なんでそうこうしゃが……!」
「ヒャッハァーッ!!」
それは、あなたが《スキルマスター「スティール」》による1020レベルの【盗み攻撃】で奪い取った装甲車だ。
不可視の『|超念動力《フォースオーラ》』でヘリの上まで運搬し、叩き落したのだ。
オブリビオンたちに混乱を抑える猶予を与えることなく、叩き込まれるあなたの|全周包囲攻撃《オールレンジ・アタック》!
ゆるキャラの軍団から盗み取った自動小銃が、そこらに飛び交う弾丸が。
あなたの鍛え上げられた『超念動力』によって火を噴いた。
隠密状態のあなたの『軍用ヘリ』から放たれるミサイルが、屋上に残る猟書家の作り出した『軍用兵器』を爆散させていく。
残存したゆるキャラの軍団は統率を損ない、るこるに各個撃破されていく。
「うわー!」「ベンジャミンさまー!」
「見ろォッ! 敵がゴミのようだぁ!! ヒャーッハハハハァーーッ!!」
「お見事ですぅ。このまま幽霊さんを全員倒しますよぉ」
「お、おのれ! よくもぼぐの配下たちを、ヘリコプター部隊を!
そこだな、すぐに削いでやる!」
攻撃したことで迷彩が解れたのか、あなたに向けて『ヘリコプター』の機首を向けるベンジャミン。
だが、そうはさせまいと。
あなたの前に『ウィンドボード』に乗った有栖が割って入る。
「あなたの相手は私たちです」
「私たちの破壊の風に耐えきれるカナ?」
「ええい、負けてたまるか! 《お前たちをバーベキューにしてやる》!」
ベンジャミンが『ヘリコプター』を操縦しながら、器用に身を乗り出して自動小銃で攻撃を開始する。
卓越した射撃による弾幕が有栖を襲うが、有栖は野生の勘で飛んでくる弾丸を察知し、『ウィンドボード』上手く操縦して|軽業を披露《アクロバティック》し、空中機動で回避していく。
音速をも超える速度で飛翔する有栖が、『ヘリコプター』の旋回性能を上回る動きでベンジャミンの周りを飛び回り、翻弄する。
「速すぎるだろ!」
「行きますよ、みなさん」
「応とも!」「はーい!」
有栖が念動力で、雷属性を付与した『想像暗器』のクナイを具現化し、『ヘリコプター』のローターに叩き込む。
動きが鈍ったところへ風のオーラを込めた渦巻く破壊の風を叩き込み、吹き荒れる銃弾と刃物を巻き込んで散らして吹き飛ばす。
操縦不能に陥った『ヘリコプター』をマジカルガールと菘が挟み込むように襲い掛かる。
「わ、ちょっと、ま、待って! |Mayday《たすけて》!」
脱出しようとうごめくベンジャミンに、マジカルガールが『マジカルロッド』を向け、菘が神殺しの『左腕』を向ける。
二人を、それぞれの用意した撮影用ドローンが映している。構図は完璧にカッコイイ。
「この会場とテレビの前にいるよいこのみんな! 私に力を貸して!」
「このスピードは、そもそも回避メインでバトるためではない。
渾身の一撃をブチ込むためのものだ!」
視聴者たちが、廃墟マンションの外の地上にいる妖怪たちが。
感情を込めた声援を菘とマジカルガールに飛ばしていく。
投げ銭も飛ばしていく。
「マジカルガールがんばれーっ!!」
「邪神様! やっちまえーっ!!」
応援で無限増大し、邪悪や心を浄化する魔力『マジカルハート』。
存在するだけで周囲に凄烈に作用する、超常の域に到達した圧倒的な存在感『天上天下唯我独尊之理』。
魔力を溜め、力を籠め。
応援と声援を浴びて、増大する圧倒的なパワーをベンジャミンに叩き込む!
「粉々に砕け散るがよい! 刮目せよ、妾の一撃を!!」
「マジカルハート……ブレイカーーーーーーッ!!!!」
「ぎゃあああああ!!」
『左腕』が『ヘリコプター』を木端微塵に粉砕し、ベンジャミンの顔面を殴りつける。
全力の光線魔法による魔法砲撃が『ヘリコプター』を貫通し、ベンジャミンに非殺傷攻撃で即死しないよう浄化する。
廃墟マンションの上空で、軍用兵器『ヘリコプター』が爆発四散する。
死にたくても死ねない激痛の中、ベンジャミンは地上に叩き落された。
●戦いが終われば、その後は。
「あれ? もしかして私、またなんかやっちゃいました?」
「ええ、とても見事な働きでしたよぉ」
廃墟マンションの屋上にいたゆるキャラの軍団はすべてるこるに退治され、展開した『祭器』による範囲攻撃とあなたの『軍用ヘリ』の重機関砲によって開発されていた兵器はことごとく叩き潰され、灰塵に帰した。
猟書家の企みは、ここに潰えたのである。
そして。
剣林弾雨が収まり、白黒の翼と花弁の舞う中、地上に降り立った猟兵たち。
マジカルガールの計らいにより一命を取り留めたベンジャミンが、地面にめり込み痙攣している。
油断せずその周囲を取り囲み、るこるは『祭器』を、有栖は風のオーラを、菘は『左腕』を向けている。
青色吐息のベンジャミンに、マジカルガールがカメラの位置を意識しつつ語り掛ける。
「ベンジャミンさん、もう戦闘は終わったよ!
邪心も浄化できたから、あなたと仲直りバーベキューをしたいな♪」
なんと慈悲深く優しいことでしょう。
マジカルガールは倒したベンジャミンをよいこの仲間に加えてあげようとしているようです。
だが、ベンジャミンは頭を振り、サバイバルナイフを握り締め、よろめきながらも起き上がる。
「……。ユリ様、シズク様を裏切る訳にはいかないよ。
たとえここでぼくが倒れても、すぐに第二、第三のベンジャミンが現れ、」
「良かろう、ならばエモく盛大にブッ飛ぶがよい!」
「まだ話のとぢゅう!?」
容赦のない菘の左ストレートがベンジャミンを殴り飛ばす。
遠慮のない爽快な一撃! 超エキサイティング!
錐揉み回転しながらカクリヨファンタズムの空を飛んでいく|ベンジャミン《飛べない鳥》。
月明りの下、ベンジャミンは無事にカクリヨファンタズムの空に消えていった。
「はーっはっはっは!」
「ベ、ベンジャミンさーん!」
「おー、きれいに飛んでいきますね」
「これで一件落着ダネ」
猟兵たちは、事件を引き起こしていた猟書家を撃退することに成功した。
だが、宿業を打ち砕かれていないベンジャミンは、いずれ骸の海で力を取り戻し再び暗躍するだろう。
それでも。
廃墟マンションがオブリビオンの魔の手から解放され、喜ぶ妖怪たちが今ここにいる。
カクリヨファンタズムの平穏を、彼女たちの手で取り戻したのである。
ターゲット、デストロイヤード! ミッションクリア!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2022年11月30日
宿敵
『ベンジャミン・バーニングバード』
を撃破!
|