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晴雲秋月、その一閃は陰らない

#アスリートアース #その他スポーツ #なぎなた #晴雲秋月 #光彩陸離

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「光彩陸離?」
「新進気鋭のチームらしいよ。ここのところずっと負けなしで、着実にメンバーを増やしてるんだって」
「へー、いい感じに競技盛り上げてくれそうっスね」
「それがさあ……逆なんよ」
「と言うと?」
「メンバー増やしてるって言ったけど。どうもさ、試合で勝つ度に負けたチームを吸収合併してるらしいのよ、そこ。戦力増強したいんだろうけど、そんなん繰り返されたら、ただでさえ競技人口の少ないこの競技自体がなくなっちゃうよ」
「成程。で、そのチームから試合の申し出が来てると。まあ、勝つか、負けても吸収はされませんってはっきり意思表示すればいいんじゃないですかね」
「負けなしのチーム相手に簡単に言ってくれるなお主……いやそうなんだけどさ、なーんか嫌な予感がすんだよね……」


「なぎなた。解るか? 武器じゃなくて競技の方な」
 まあ、薙刀も使うんだけどよ、と明・金時(アカシヤ・f36638)は笑いつつ。
「UDCアースやシルバーレインなんかじゃ、形の美しさを競う『演技競技』と、打ち合いによって勝負を決める『試合競技』があるんだが。ここじゃ御多分に洩れずユーベルコード込みの競技だからな、その形式もだいぶ変わってくんだ」
 このアスリートアースでのなぎなた競技と、他のアース系世界でのそれとの明確な違いは、これら二競技が一つの競技に纏められているという点である。
「もっと言うと判定もかなり簡略化、と言うかざっくりしててな。如何に美しく戦い、相手を降参させるか、って内容になってる。有効部位も決まってないから判定とかねえし、美しさも形にこだわる必要はねえ。何ならユーベルコードでエフェクト入れるのも推奨されてるくらいだ」
 他のアース系世界のなぎなた競技に喧嘩売ってるとしか思えない競技内容ではあるが。
 一応、基礎が出来てこその競技者ということで、昇級昇段には形や有効部位、心構えに至るまでの知識を試す筆記試験が存在しているが、猟兵達にとっては無縁の話である。
「因みにユーベルコードは『テニスの世界』辺りと同じで、薙刀に宿して使うことになる。念の為に言っておくが『相手は死ぬ』系のユーベルコードは威力が軽減されるからな。精々ノックアウトする程度だ」
 そも、なぎなた競技でノックアウトってなん。
 色々とツッコみたいのは山々な猟兵達だったが、一先ずは話の続きを促した。
「で、お察しの通りこの世界でのなぎなた競技は公式競技化されてねえ。競技人口が少ないからだ。そんな中でも数少ないチーム『晴雲秋月』の面々が、ダークリーガーに狙われてる」
 晴雲秋月は五名の男女から成るチームで、全員が十代ながらも三名は有段者、残る二名も次の試験で段位に手が届くだろうと言われている、まさに少数精鋭のチームだ。
 対するダーク化チーム『光彩陸離』はスポーツ万能アイドル『ELEMEN's』のカワイイ担当とされる少年・トウヤが率いるチーム。ダーク化によってチームメンバーを増やしており、その数は競技人口の半数を超えているのではないかと噂されるほど。
 それゆえに玉石混交でもあるが、大将のトウヤを始めとして、実際に試合に出るのは選りすぐりの『玉』に当たるメンバー達だ。
「ただ、晴雲秋月の三強。万が一にもダーク化して光彩陸離に組み込まれることがあれば、確実に試合メンバーに抜擢されるだろうぜ」
 そうなれば、最早『光彩陸離』に太刀打ち出来る存在はいなくなってしまうと。
 だが、猟兵達であれば。
「晴雲秋月は勿論、光彩陸離にとっても、競技そのものが廃止になっちまうのは本意じゃねえだろうさ。その辺も込みで、なぎなた競技を救えるのは、今やお前らしかいねえ。よろしく頼むぜ」
 俺も薙刀使いだしな、放っておけねえのさとニヤリ笑う金時の掌の中で、|フヰルム《グリモア》が光を放ち始める。
 ……あれ、でもそう言えば金時さんあなた、寧ろテニスプレイヤーじゃありませんでしたっけ……?


 余談だが、以下は転移前に金時が猟兵達へと渡した、晴雲秋月のメンバーについての記述である。

 『|烽火《のしろ》・|光華《みか》』
 18歳、女性。有段者(二段)。
 晴雲秋月の大将にして創設メンバー。
 やる気充分で、性格も明るく面倒見がよい。
 最近、晴雲秋月のメンバー内の空気も不穏なことに頭を抱えている。
 何でもこなせるオールラウンダータイプ。

 『|完土《ししど》・|凪月《なつき》』
 17歳、女性。有段者(初段)。
 晴雲秋月の副将にして創設メンバー。
 実力は本物なのだが、最近やる気を感じられない。
 クールでダウナー系だが、一人になると何か思い詰めている様子。
 技の美しさに秀でるパフォーマータイプ。

 『|蓮水《はすみ》・|玲人《れいと》』
 16歳、男性。有段者(初段)。
 晴雲秋月の中堅。
 物静かだが生真面目で、なぎなたへの情熱も人一倍。
 何故か最近やる気の感じられない凪月に苛立ちを隠せないようだ。
 何でもこなせるオールラウンダータイプ。

 『|眞金《まかね》・|姫子《ひめこ》』
 17歳、女性。
 晴雲秋月の次鋒。
 我が強く負けず嫌いだが、芯が強く仲間想い。
 同年代の同性と比べ大柄であり、そのことで心無い言葉に曝された過去がある。
 試合での攻防に長けるアタッカータイプ。

 『|橘木《きつき》・|寿夫《としお》』
 17歳、男性。
 晴雲秋月の先鋒。
 引っ込み思案で影が薄いが、よく気のつく性格でもある。
 学業が不調で、このままなぎなたを続けるべきか、密かに悩んでいる様子。
 技の美しさに秀でるパフォーマータイプ。


絵琥れあ
 お世話になっております、絵琥れあと申します。
 まだ段位取れてないので習い直したいと思いつつ。

 流れと詳細は以下の通りになります。

 第1章:冒険『その他スポーツを練習しよう』
 第2章:集団戦『ワナビーアスリート』
 第3章:ボス戦『トウヤ』

 第1章では、晴雲秋月のメンバーと交流しつつ、競技への理解を深めていただきます。
 メンバーに教えを乞うもよし、一緒に実践形式で練習するもよし。
 なお、より詳しい試合形式もこちらの断章で公開させていただく予定です。

 第2章では、光彩陸離のメンバーである『ワナビーアスリート』と試合を行っていただきます。
 基本的に技を受けつつ機を窺う戦い方をするようなので、猟兵の方から仕掛けていっても問題なさそうです。
 が、敢えて攻撃を誘発して受け、返す一撃を入れるのもなぎなたの醍醐味ですので、狙ってもよいでしょう。

 第3章では、いよいよ光彩陸離を率いるダークリーガー『トウヤ』との大将戦です!
 アイドルグループのカワイイ担当だけあり、キラキラと輝くようなエフェクトと、歌って踊りながらの攻撃を多用してきます。
 また、その外見を利用し隙を見せたり劣勢を演じて、隙を見せたところを一気に攻めるという搦手を行うことも。

 第1章開始前に、断章を執筆予定です。
 各章での追加情報も断章での描写という形で公開させていただきます。
 断章公開後、プレイング受付開始日をタグにて告知させていただきますので、ご縁がありましたらどうぞよろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『その他スポーツを練習しよう』

POW   :    体当たりで果敢にチャレンジする

SPD   :    器用にコツを掴みながら練習する

WIZ   :    ルールや戦術の理解を深める

イラスト:十姉妹

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――アスリートアース某所。
 とある総合体育館に、晴雲秋月のメンバー達が集合していた。
 その内の一人、烽火・光華が猟兵達の姿を認め、ぴょんぴょん跳ねながら招く。
「こんにちは! 話は聞いてるよー、助っ人に入ってくれるんだって! 勿論大歓迎! あっこれでなぎなた楽しいなって思ったら是非ウチの正式なメンバーに」
「烽火先輩」
 如何にも真面目そうな少年が、ぎろりと光華を睨む。成程、彼が蓮水・玲人だろう。
「あはは、ごめんごめん。まずは諸々の説明だね。なぎなたのこととか、ウチのチームのこととか、基本的な種目……って言っていいのかは解んないけど、その辺のことはもう聞いてるんだっけ?」
 じゃあ、更に詳しいルール説明だね、と。
 眞金・姫子と橘木・寿夫が移動式のホワイトボードを押してくる。イラスト付きで説明の書かれたそれを、光華が朗々と読み上げた。
「競技は試合形式。この中で勝負と、技の美しさを同時に競っていくよ」
 それは、事前に聞いていた通りだ。
 では、実際の試合はどのように進行するのか。
「得点は加点式の『勝負点』と減点式の『演技点』。前者は技が綺麗に決まれば1点、相手を降参、もしくは試合続行不可の状態に持ち込めれば3点だよ」
 一本とかじゃないんか。そこまでせなあかんのか。
「演技点は技が美しいかどうかだね。その辺りは複数いる審査員によって異なるから何とも言えないけど、あんまりなりふり構わず薙刀ぶんぶんやる……とかしない限り酷い減点はされないと思うから、安心してね。ぶっちゃけ、基本の形にユーベルコード乗せた上で決めるってのが一番評価されやすいんだけど」
 それだと敷居が高いということで、余り形に厳格化しないことになったようだ。割と最近の話らしい。
 競技人口を少しでも増やす為の、苦渋の決断だったのだろう。
「もし、形について詳しく知りたかったらそこにいる金髪の子に聞いてね。一番形綺麗だから」
「いや勘弁してください、教えるの下手なんスよ」
 本当に勘弁して欲しいという表情の彼女が、完土・凪月か。玲人が雹のような視線を向けているし。
「ともあれ、試合は団体形式。まずは先鋒戦、次鋒戦、中堅戦、副将戦までを一気にやるよ。試合は一騎打ち! ……の、体裁を取ってるけど、大将で登録されてるメンバー以外は入れ替わりOK」
 成程。……成程?
「片方に大交代人員がいなくなった時点で終了、大将戦に移行する。ここも副将戦までのメンバーが残ってるチームは入れ替わりOKだから、演技点を気にしつつも副将戦まででしっかり勝ってた方が有利ではあるね」
 要は、猟兵達にとっては普段の戦いと余り変わらないらしい。武器が試合用の薙刀に限定され、ユーベルコードも薙刀に込めないと使えないこと以外は。
「因みに加点減点は審査員の師範の方々が、ユーベルコードで映像判定用のドローンを飛ばしながらリアルタイムで確認してるから、判定漏れはないよ。一応目視の審査員はいるけど、どっちかって言うとノックアウトした時にストップかける役割のがメインかな」
 飛び交うドローン。ノックアウト続出の選手達。
 なぎなたってこんな混沌とした競技だったっけ?
「他に解んないことあったり、実践やってみたいとかあったら、ウチら皆、張り切って相手になるから遠慮なく声かけてね! ……一部例外もいるけどね!」
 光華の言葉に、凪月をじっと見る玲人。目を逸らす凪月。やれやれと肩を竦める姫子。オロッとする寿夫。
 さあ、彼らとの練習を始めよう。
リカルド・マスケラス
「いかにも青春って感じっすね〜」
リーダー以外は色々と悩みがあるっぽいっすけど
【霧影分身術】で作った身体で試合形式をしながら特訓。それ等を通して悩みもある程度は晴らすっすよ
「このお面を頭につけてもらっていいっすか?対戦相手の力量を多少は体感できるっすよ」
本体の面をつけさせ猟兵の身体能力を体感させて、より強く、速く正確に動くためのイメージを育てさせる

・姫子には敢えて力技で競り合い、体格のことを気にさせる暇は与えない
・寿夫には練習効率を上げさせるor部活に全力を出させることで学業に身が入るようにさせる
・玲人には、なぜ凪月に対して苛立つのか冷静に向き合うようアドバイスっす
・凪月は原因を調べないとっすね




 スポーツに打ち込む若人。
「いかにも青春って感じっすね〜」
 うんうん、と腕を組み、改めて晴雲秋月の面々を見るリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)。彼もまだ人間年齢換算としては若い方ではあるが、それでもやはり十代の特権であるそれは見ていて微笑ましい。
(「リーダー以外は色々と悩みがあるっぽいっすけど」)
 そう、それもまた、青さゆえの。
 とは言え、今は見守っている時間はない。そこでリカルドは、全員との特訓を申し出た。
 順番に? 否、彼は霧影分身術によって霧の身体を持つ分身を、人数分生み出したのだ。これで、一度に全員と試合形式で訓練が出来る。
 更に、仮面のみの姿になった自分を五人に手渡し。
「このお面を頭につけてもらっていいっすか? 対戦相手の力量を多少は体感できるっすよ」
「おお、何だか力が湧いてきた気がする!?」
 基本的に人の好い光華には覿面に効いた。凪月や玲人には少し効果が薄いようだが、姫子と寿夫もそれなりに効果が出ている様子。
 猟兵としての|自身《ヒーローマスク》を装着させることで、猟兵の身体能力を体感させ、より強く、速く正確に動くためのイメージを育てさせることが狙いだ。
(「これを通して悩みもある程度は晴らすっすよ」)
 己自身が後顧の憂いとなりかねないように。
「ッ! 一撃が重い……ッ」
「全力でお相手お願いするっすよ!」
 姫子には敢えて力技で競り合い、体格のことを気にさせる暇は与えないように。
「素人考えで恐縮っすけど、このメニューを取り入れればもっと効率上がらないっすかね?」
「あ、そうかも……これ、個人的にも増やしてみようかな……」
 寿夫には練習効率を上げさせ、結果として部活に全力を出させることで学業に身が入るように。
「どうして、凪月に厳しいんすか? ……他人だからこそ話せることってあると思うんすよ」
「……昔はああじゃなかったんです。僕はあの人に憧れて、薙刀を始めたのに今は……」
 玲人には、なぜ凪月に対して苛立つのか冷静に向き合うようアドバイスして。
 その中で、気になる話を聞いた。
「……そう言えば、先輩がああなったのは演技点のルールが改訂されてからだな……」
(「……もしかして」)
 ふと、原因が思い当たったリカルドは、凪月担当の自分とそれを共有する。
 凪月の練習に身が入らなくなったのは――自信の喪失、なのではないかと。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラップトップ・アイヴァー
《なぎなたっていうスポーツ、あるんだ。
初めて聞いたの。
競技人口の問題も、簡単には解決しないもの。
どの道、助けてあげたいな。
ということで、ルールも戦術もお勉強なの。
…身体を動かしながら、ね。
実戦で覚えた方が今回は早いの。
ご教授お願いね、センセ方。

……お姉ちゃんは、今回はいいや。
なんか寝てるし。
それに剣のユーベルコードはお姉ちゃんには無い。
だから今回は、三上・美希として全て振る舞う。

Revolution。
指を鳴らして、黒髪に紫の瞳のお姫様に変身なの。
試合中ってなったらずっとこれね。

それにこの姿なら、力加減もバッチリなの。
ミスるなんてことも無いし。
美希は頭を使うのが得意だからね。

…ただ、
なぎなたでノックアウトって聞くと、バトロワがどうしてもちらつくけどね…。
やっぱりお姉ちゃんが寝ててよかった。ずっと起こしてあげない。

…みんなにも、お悩み、ありそうだし。
今いっぺんに解決するのは難しい。

でも。
力を込めるっていうのは、想いを込めることときっと似てるの。
…喪わせたくないな。

ん、分かってきたの》




(「なぎなたっていうスポーツ、あるんだ。初めて聞いたの」)
 ラップトップ・アイヴァー(動く姫君・f37972)――その心の半分を担う妹の美希が、真剣に光華の説明を聞いている。
(「競技人口の問題も、簡単には解決しないもの。どの道、助けてあげたいな」)
 アスリートアースで生まれ育った身として、マイナー競技の光の当たりにくさも、それでも日夜励み続けている選手がいることも、理解しているから。
 ということで、ルールも戦術もお勉強。
 習うより慣れろということで、身体を動かしながら。
「実戦で覚えた方が今回は早いの。ご教授お願いね、センセ方」
「おっ、やる気だね! うんうん、そういうの好きだな!」
 光華もどうやら実践での指導の方が得意らしく、何やら嬉しそうだ。
 早速立ち上がり、準備を。試合用の斬れない薙刀を借り、基本的な構えを確認。いざ実戦――というところで。
 ふと、美希は半身ならぬ半心たる|姉《シエル》の反応が全くないことに思い至る。
(「……お姉ちゃんは、今回はいいや。なんか寝てるし」)
 どうやらお休み中のようである。
 だが、シエルは刀剣系のユーベルコードを有していない。二人で一人な|ラップトップ《シエルと美希》だけれど、今回は、三上・美希として全て振る舞おう。
「――|革命よ《Revolution》」
 ぱちり、指を鳴らせばきらり、煌めいて。
 髪は漆黒く艷やかに。瞬く瞳はアメジスト。
 その魔法で希望を与える、三上・美希はお姫様!
「うわー!! かわいい!!」
「ほう」
 光華がぴょんぴょん跳ねて、姫子も興味津々だ。凪月でさえちらりと見ている。何だかんだ年頃の少女達である。
 練習含めて、試合中となればずっとこれだ。これが、美希のスタイルだから。
(「それにこの姿なら、力加減もバッチリなの。ミスるなんてことも無いし」)
 美希は頭を使うのが得意だ。どんな競技でも、上手く立ち回る方法を掴むことが出来る。
 そういった意味でも、読み合いが重要となるなぎなたにおいては、自分は向いているのではないかと思う。
(「……ただ、なぎなたでノックアウトって聞くと、バトロワがどうしてもちらつくけどね……」)
 もし、シエルがこの話を聞いていようものなら。
 嬉々として、ばったばったと対戦相手達を薙ぎ倒しかねない。威力の強すぎるユーベルコードはノックアウト程度に弱体化するとは言うものの、それでも身の危険を感じる。対戦相手達の。
(「やっぱりお姉ちゃんが寝ててよかった。ずっと起こしてあげない」)
 今回ばかりは夢の世界でお留守番願おう。
「じゃっ、やってみようか! まずは姫ち行っとく?」
「そうだな。よろしく頼む」
「お願いします、なの」
 試合前の一礼を交わしつつ、美希はちらと姫子の顔を見る。それから、他のメンバー達も。
(「……みんなにも、お悩み、ありそうだし。今いっぺんに解決するのは難しい」)
 それをするには時間も、人手も足りない。
 広く話を聞くということは出来るだろうが、それは他の猟兵がしてくれていたし、しっかりと腰を据えて解決しようと思えば、一人が限界だっただろう。
(「でも」)
 迷い悩み、それでもなぎなたに打ち込み続ける晴雲秋月は。
 そして、このなぎなたという競技は。
(「力を込めるっていうのは、想いを込めることときっと似てるの」)
 守ってあげたいと、思うのだ。
(「……喪わせたくないな」)


「ん、分かってきたの」
「ふむ、筋がいいな。私達もうかうかとしてはいられない」
「そうですね。僕達も練習しましょうか」
 美希の飲み込みの速さは、結果として晴雲秋月の面々の更なる奮起に繋がったようだ。
 この調子で、本番を迎えよう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

迅瀬・ナクタ(サポート)
『ちっ、見て見ぬふりも、ばつが悪い。オレも参加してやるか』

人間の「トイロボ」アスリート×オブリビオンマシン
 
トイロボと言う小型ロボットを特殊なデバイスで操作するホビースポーツのアスリートです。

基本的には愛機である『OM-NATAKU』を使ってスポーツや戦いをします。しかし、本人もアスリートなので身体を鍛えており、場合によってはトイロボを使わずスポーツ・戦いを行います。

仲間や一般人にはぶっきらぼうな態度で接しますが、相手がピンチの時はなんだかんだ助けてしまうタイプです。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




(「本業はトイロボバトルだが……」)
 繰り返しになるがなぎなたは、このアスリートアースにおいて公式競技化していない競技だ。
 その境遇に、同じく今はまだ公式競技化していない『トイロボバトル』のアスリートである迅瀬・ナクタ(闇を抱くトイロボバトラー・f37811)は、思うところがあり、話を聞くことにしたのだ。
(「放っておいて競技そのものがなくなることがあれば、寝覚めが悪いからな」)
 ぶっきらぼうだが、性根は何かと面倒見のいい少年なのである。
「つまり、トイロボバトルは専用のコントローラーでユーベルコードを使用するんですね。トイロボを媒介として」
「ああ、その通りだ」
「では、恐らく原理は同じでしょう。薙刀を媒介として、ユーベルコードを送り込むイメージです」
 玲人が、この競技においてのユーベルコードの使い方を指南してくれる。
 早速試そうとしたところで、ふと疑問が。
「オレのユーベルコードはNATAKU……自分のトイロボに使用させること、ないしオレ自身が使うことを前提としたものが殆どなんだが。ちゃんと薙刀の技として使えるのか?」
「問題ありません。少なくとも、使用者の意図しない挙動にはならないでしょう」
 その辺りはイメージでどうとでもなると言う。成程、ゆるい。
 しかし、好都合だ。試しに回転しながらその勢いで敵の攻撃を相殺する『サークルストリームシールド』を試合用の薙刀に流し込んでみる。
 すると、ナクタは薙刀を半回転させて持ち直し、構えもそれに合わせて変える。そのまま身体を半回転させ、玲人の薙刀を打ち、弾いて切っ先を逸らした。
「これは……」
「『胴』の動きそのものだねえ」
 不意に横から聞こえてきた声に、玲人が苦い顔をする。見れば凪月が、座り込んだままその挙動をじっと見ていた。
「……綺麗なもんだよ」
 凪月が呟く。すると、玲人が意外そうな、驚いたような顔をした。
「完土先輩が褒めるの、珍しいな……」

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『ワナビーアスリート』

POW   :    ユニフォームチェンジ
防具を0.05秒で着替える事ができる。また、着用中の防具の初期技能を「100レベル」で使用できる。
SPD   :    I wanna be~
【憧れのアスリートの姿】に変身する。変身後の強さは自身の持つ【憧れの強さ】に比例し、[憧れの強さ]が損なわれると急速に弱体化する。
WIZ   :    ファングッズ召喚
【押しのネーム入り団扇(うちわ)】【押しのネーム入り法被(はっぴ)】【押しカラーのサイリウム】のいずれかを召喚して装着し、攻撃力・機動力・めくらまし力のいずれかを超強化できる。

イラスト:純志

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 ――そして迎えた当日。
「よくぞ試練を乗り越えた……! 最早お主達に教えることは何もない……!」
 大仰に言い放つ光華。実際には基礎を教えられた程度ではあるのだろうが、急造でそれだけやってくれれば充分だということなのだろう。
 競技場へと入場する道すがら、玲人が改めて先鋒〜副将戦までの流れを説明しつつ。
「皆さんには、先鋒、次鋒、中堅、副将の誰かと入れ替わる形で試合に入っていただきます。希望がなければ誰かが声をかけるでしょうが、もし希望があれば第二希望くらいまで決めておいていただけるとありがたいですね。その方がスムーズに交代出来ると思うので」
 とは言え、相手は一様に柔軟性のありそうな少女、といった風情の競技者ばかりで、特に誰と変わっても大差はないだろうとのことだが。
 いよいよ試合開始だ。共に真っ直ぐに並び立ち、一礼。まずは晴雲秋月の一同が、試合を開始する。
 打ち合う音が高らかに響く。晴雲秋月一同も奮戦する。だが、一対一とは言え頻繁に起こる交代を前にしては、多勢に無勢と変わりない。
「……頼んだよ、助っ人さん方」
 明るく快活で笑顔の絶えなかった光華も、固唾を呑んで試合を見つめている。
 さあ、その期待に応えよう。晴雲秋月を、なぎなたを、なかったことにしないために!
迅瀬・ナクタ
「……何処と入れ替えるかは任せる。先鋒だろうと副将だろうと、練習した結果を出すだけだ。」

UC【ニュー・オリジナル・スタイル】を使用。
練習中に身につけた、構えと呼吸法で戦います。

受け流されることは承知でなぎなたを打ちます。
途中、わざと隙を作りますが、練習やトイロボバトルで培った勝負勘で反撃に転じようとします。

アドリブは歓迎です。




「……何処と入れ替えるかは任せる。先鋒だろうと副将だろうと、練習した結果を出すだけだ」
 腕を組み、静かにその時を待っている。
 光華はちらりと迅瀬・ナクタ(闇を抱くトイロボバトラー・f37811)の姿を見遣ると。
「……ありがと」
 少し表情を和らげ、声を上げた。
「玲人! 交代!」
「はい!」
 中堅戦だ。前に出る。
 すれ違いざま、玲人が零す。
「……頼みます」
 ナクタに言葉はなかった。
 ただ、前だけを見据える視線が全てを語っている。
 一礼。そして構える。
「行くぞ」
 刃を合わせ――弾く!
「わわっ」
 懐に潜り込む。そのまま相手に石突を向け、一直線に突く!
 が、瞬間。
 少女の姿は少年へ。白と金を纏う、煌めく世界の住人へ。
 その姿は、光彩陸離の大将として控える少年と瓜二つだ。そのまま体勢を立て直すと、軽やかな身のこなしで間合いから逃れられる。
(「……まぁ、いい」)
 ナクタとて、これで決めきれるとは最初から思っていない。
 トイロボバトルで培った勝負感。いや、それだけではない。
 この時まで費やしてきた、なぎなたに向き合う時間。構えも呼吸法も、しっかりと身に着けてきた。
(「何も特別なことをやる訳じゃない」)
 今、それが|新たな力《ニュー・オリジナル・スタイル》として、花開いている!
(「一度……いや、何度もやったことを、ここでも出し切るだけだ」)
 それは、どの競技にも通じる心構えだ。
 忘れなければ、心揺らぐことはない!
「隙ありっ!」
 突きを空振りし、がら空きとなったナクタの胴を狙い、煌めき纏った薙刀が襲いかかってくる。
 だが、読み通りだ!
 空振った勢いのまま、回転しながら地を蹴り軽く跳躍。相手の間合い寸前で回避し、そのまま直進。狙うは――脳天!
「――はッ!」
「!!」
 入った!
 急所にクリーンヒットし、そのまま少年は倒れ伏し、少女の姿へ――そして、元の選手の姿へと戻ってゆく。
「次の相手は誰だ」
 だが、まだ終わらない。
 ナクタは眼光鋭く、控える相手を睨め回す!

大成功 🔵​🔵​🔵​

リカルド・マスケラス
順番はお任せっす

演技点のルール改定……敷居を下げるためとはいえ,パフォーマーが煽りを受けちゃったんすね
「なら、今度はパフォーマーの魅力を無視できないようにするしかないっすね」
凪月の身体を借りて試合に出るっすよ

相手は憧れのアスリートに変身っすか。なら,凪月の美麗な動きで相手を魅了して憧れをこちらに移すしかないっすね【なぎ払い】【2回攻撃】などの技能で薙刀を振るって相手を追い詰めるっすよ

……憧れの相手が凪月だったら厳しいかもっすけど,それはそれで憧れがオリジナルを超えないよう、気合を入れないっとすね
「ならば,ここは豪快に行くっすよ」
薙刀に呪毒【属性攻撃】を付与して【四連黒死弾】の連撃を叩き込むっす




(「演技点のルール改定……」)
 リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)は、今も薙刀を振るっている凪月へと目を遣る。
 やはりその所作は、今までのやる気のなさが嘘のように美しい。
(「敷居を下げるためとはいえ、パフォーマーが煽りを受けちゃったんすね」)
 汗を流しながらも涼し気な顔をしているが、今この瞬間も、辛いのかも知れない。
「なら、今度はパフォーマーの魅力を無視できないようにするしかないっすね」
「……」
 リカルドの言葉を聞いた光華は、少し思案し、ややあって決意したように声を上げた。
「凪月! 交代!」
「……っス」
 戻ってきた凪月と、リカルドは向き合い。
「凪月。身体貸してくれないっすか」
「……」
「身体に負担はかからないし、悪いようにはしないっす」
「……そこまで言うなら」
 凪月の側頭部に、白狐の面が添えられる。
 光の薄かった凪月の目が、きらりと輝いた。
「行ってくるっすよ!」
「おお、凪月がやる気だ! いやリカルドさんだけど!」
 驚きの表情を浮かべる光華を背に、凪月の姿をしたリカルドが進み出る。
 一礼して、相手の姿を確認する。その姿は、光彩陸離の大将として控える少年のものに変わっていた。
 憧れの選手と同じ姿、同じ身体能力を得、その上憧れが強まるほどその力も強くなるユーベルコード。
(「なら、凪月の美麗な動きで相手を魅了して憧れをこちらに移すしかないっすね」)
 相手の憧れが凪月本人だった場合も想定していたが、そうではなかったようで大分やりやすくなった。
「さ、気合入れて行くっす」
 凪月自身の技術に、リカルドの猟兵として培った技能をフル活用して、大胆かつ繊細、それでいて形に則った怒涛の攻めを繰り出してゆく!
 一手、防がれてからのもう一手で華麗な連続攻撃、無駄のない払いに受け流し。
「わあ……っ」
 相手が呑まれているのが解る。まだ防がれてはいるものの、勢いが明らかに弱くなっている。
 さあ、華麗に決めてやろう!
「ここは豪快に行くっすよ!」
 薙刀が妖しく紫紺の色を宿す。
 相手の輝きすら上回る呪毒の彩で、息も吐かせぬ四連撃を、突き崩すように叩き込む!
「うぁ……」
 全て、入れた。
 ぐらりと相手の身体が傾ぐ。倒れ伏す直前、その姿は少年から少女へ、そして元の選手の姿に戻る。
「さ、どうっすかね?」
 次の相手は、暫く出てこなかった。どうやら皆、見惚れていたらしい。

大成功 🔵​🔵​🔵​

桜井・乃愛(サポート)
 桜の精のパーラーメイド×咎人殺しの女の子です。
 普段の口調は「元気(私、~さん、だ、だね、だろう、だよね?)」、偉い人には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は明るく天真爛漫で、少し天然ボケな感じの少女。
一番好きな花は桜で、その他の植物も好き。
強敵にも怖気づく事は少なく、果敢に挑む。
人と話す事も好きなので、アドリブ歓迎。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




(「槍なら持ってるけど、薙刀は使ったことないなぁ」)
 でも、呼ばれたからには頑張らないとねと。
 桜井・乃愛(桜花剣舞・f23024)は初めての経験にも物怖じせず、明るい笑みを絶やさない。
「姫子! 交代!」
 長身の女性、姫子と交代する形で対戦相手と向き合う。
「行きます!」
「えっ」
 一礼すると、構えた敵が早速仕掛けてきた。
 構えた競技用の薙刀が、橙色に近い金色に輝き始めたのである! 眩しい!
 その色は恐らく、光彩陸離を率いる大将の少年の『推し色』という奴だろう。愛の深さが窺える。
 だが、乃愛はやはり怯むことはなかった。
(「そういうのってアリなんだ。なら!」)
 薙刀を握るその手に、力を込めて。
 念じれば、乃愛の一番愛する花――桜の花弁が薙刀の周囲を舞い、淡くも華やかに彩る。
 相手の原動力は、大将への留め度なく溢れる愛だろう。ならば、それを打ち砕くことが出来れば!
「何かを、誰かを愛するって素敵なことだと思う。でも今は、その心――砕かせて貰うよ!」
 桜纏って舞うように攻めかかる乃愛の瞳は、愛の輝きにも一切眩むことはなく。
 振るった薙刀から放たれる、桜の嵐に呑まれた対戦相手は場外へと吹き飛んだ!

成功 🔵​🔵​🔴​

ラップトップ・アイヴァー
《誰から声をかけられてもいいよ。
美希は頭で考えるのが得意だからね。

薙刀に読み込ませるのは…最初ならこのUCがいっか。
Authentication.

さっき教えてもらったことを全て活かして、基本的に待ちの姿勢で全て迎え撃つ。
メインになるのは返し刀。ただカウンターするのもいいけど、美しい想いを表現するには頭で考えることが必要だよ?
レベルの跳ね上がった瞬間思考力で以て受けて、そこから綺麗に反撃に移る。
向こうは防具どうやって着替えてくるんだろうって感じだけど…まあ、それは問題じゃないや。
どこまでこのスポーツを魅力的に魅せられるか、そのチャレンジをしてるの。
そして、優しさは薙刀を振るう上で凄く大事。一振り一振りに、魔力と一緒にそれを忘れず込めていくよ。それがエフェクトになって、きらきらして、とても綺麗だってみんなに言ってもらえるならそれは嬉しいことだから。

その身に体感した方がいいよ、なぎなたの本当の魅力を。
このスポーツは絶対に無くさせない。
だから美希は……思い切り、遊び倒す!》




 誰から声をかけられてもいいと、事前に伝えていたラップトップ・アイヴァー(動く姫君・f37972)――その片割れ、美希。
(「美希は頭で考えるのが得意だからね」)
 誰と変わり、どんな相手が来ようとも、対処して見せる。
「寿夫さん、交代!」
「はっ、はい!」
 段位取得間近と言うだけあり、意外と奮戦した寿夫と入れ代わり、試合の場へと進み出る。
 一礼、構えて、試合開始!
(「薙刀に読み込ませるのは……最初ならこのUCがいっか」)
 己を最大限活かせる力を。
 なぎなたという競技を、存分に魅せられる力を!
「Authentication――Live to feel」
 優しき革命の剣に灯す光を、今は薙刀へ。
 教わったことを全て活かして、そして、出し切る。
 なぎなたの肝は受け流し、からの反撃。敢えて相手が攻め込みやすいように装って、仕掛けてくるのを待つ。
 メインになるのは返し刀。ただカウンターするのもいいけれど、それでは基本をなぞるだけ。そんなのなんて味気ない!
「美しい想いを表現するには頭で考えることが必要だよ?」
 どうすれば、想いを表せるのか、魅せられるのか。
 考えて、導いて、描き出す。それが、美希のスタイルなのだ。絵でもスポーツでも、変わりなく。
 そのための思考力。跳ね上がって、真昼の月に届いちゃえ。
 誘われた相手は早着替え。しゅるんと一瞬にして纏わりつく袴と防具。
 あれどうやって着替えてるんだろうなんて、一瞬美希は思ったものの、今は重要じゃない問題。振り切って、頭の容量を軽くして。
 相手も洗練された所作で打ち込んでくるけれど、動きを観察して、どう打ってくるのか、受けられてからどう動くのか、瞬時に判断、計算して。受け流す所作すら美しく演出し。
「どこまでこのスポーツを魅力的に魅せられるか、そのチャレンジをしてるの」
「え?」
 不意に美希が零した言葉に、相手の少女が首を傾げる。
 でもそれは、美希にとっては全然唐突な話なんかじゃなくて。
(「そして、優しさは薙刀を振るう上で凄く大事なこと」)
 礼に始まり礼に終わる。それは作法の上でもそうだが、それだけでなく。薙刀、対戦相手、なぎなたを取り巻く全てのものへ、感謝の気持ちを忘れずに。
 一振り一振りに、魔力と一緒にそれを忘れず込めていったなら。まるで具現化するように、エフェクトがかかって。きらきら。
 綺麗、と誰かが零してくれた。それが美希も嬉しくて。
 なぎなたを――スポーツを始めるきっかけは、人それぞれで。
 勿論、憧れの選手がいたからって理由も悪くない。けれど、始めたからにはどんなスポーツでも楽しんで欲しいと、美希は思うのだ。勿論、なぎなただって。
 だってこんなに楽しんでいる選手がいる。
 だってこんなに楽しんでいる観客がいる。
「その身に体感した方がいいよ、なぎなたの本当の魅力を」
「えっ、あ……」
 対戦相手の少女の顔に、戸惑いが生まれたのはきっと。
 美希が今、心底楽しいという顔で、きらきら輝いていたからだ!
(「このスポーツは絶対に無くさせない。だから、」)
 握った薙刀が、煌めきを増して。
 相手の胴を薙いだ軌跡さえ、流れ星のよう!
「美希は……思い切り、遊び倒す!」
 今、この瞬間を、なぎなたという競技を、目一杯、楽しむのだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『トウヤ』

POW   :    ボク、頑張っちゃうよ!応援してね!
戦闘力のない【ささやかなステージ演出用の仕掛け】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【明るい歌声を披露すること】によって武器や防具がパワーアップする。
SPD   :    ボクは歌うよ、みんなを照らすために
【今の状況に相応しい明るさをもたらす衣装】に変身する。変身後の強さは自身の持つ【アイドルとしてのプライドと明るさ】に比例し、[アイドルとしてのプライドと明るさ]が損なわれると急速に弱体化する。
WIZ   :    カワイイボクを全力で見逃さないでね!
【ファンの想いを背負った勝負服】を纏った真の姿に変身する。変身中は負傷・疲労・致命傷の影響を一切受けず、効果終了後に受ける。

イラスト:OHU

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は向・存です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 先鋒から副将までの相手選手は、交代要員も含めて全員下した。
 総合点差も、大がつくほどではないものの、晴雲秋月側が差をつけてリードしている。だが、相手大将の戦いぶりによってはまだ逆転の目がある範囲内だ。
 つまり、ここでも油断せず、しっかり勝たなければならない。
 進み出る光華も、真剣な面持ちだ。
 そこに登場するのは、スポーツ万能アイドル『ELEMEN's』のカワイイ担当・トウヤだ。ホログラフィックをふんだんに使い、煌めくポップな星々を纏って現れるというパフォーマンスまで見せる。
「残念、うちの子たちは負けちゃったかぁ。でも、ここから大逆転、頑張るよっ。皆! ボクの活躍、見逃さないでね♪」
 客席へのアピールも忘れず、歓声が上がる。特に女性からの黄色い声援が。
 一瞬で会場の空気を自分のものにしつつあるトウヤ。だが、負けるわけには行かない。
 猟兵たちもここで学んだ全てを出し切り、試合を制するのだ!
迅瀬・ナクタ
「ダークリーガーとは言え流石アイドル。……眩しいパフォーマンスだな。だが、オレたちのチームも負けては居ないだろう。 ……相殺するぞ!」


UC【サークルストリームシールド】を使用

『ワナビーアスリート』達が変身していた時の行動や事前の研究、そしてこの試合中の『トウヤ』の行動から、どんなUCを使ってくるのか予想し、相殺するように動きます。

アドリブ・連携歓迎です。




「歌って踊れるボクの輝きは、なぎなたでも健在さっ♪」
「うわっライブ始まった!? うおー負けるかー!」
 踊るように、そして歌いながら煌めきを纏い、華麗に攻め立てるトウヤ。
 光華も花火のような演出と共に対抗しているが、流石に押され気味だ。
 だが、目を逸らさずに試合を見守る迅瀬・ナクタ(闇を抱くトイロボバトラー・f37811)は揺るがない。
「ダークリーガーとは言え流石アイドル。……眩しいパフォーマンスだな」
 淡々と、嘘は吐かずに見たまま、感じたままを告げる。
「だが、オレたちのチームも負けては居ないだろう」
 続く言葉に、凪月ら晴雲秋月の面々は目を丸くし、そして――顔を合わせて、その口元に笑みを浮かべた。
 彼になら、光華の後を任せられる!
「……パイセン、交代ー!」
「はーい! 後は任せたっ!」
 ぴょんと飛び跳ねて、光華が舞台を降りる。
 一礼の後、舞台に上がり――ナクタは、眼光鋭く相手を射抜く!
「……相殺するぞ!」
「ふふーん。どうするつもり? やって見せてよ!」
 相手は余裕綽々。だがその余裕、ここで崩す!
(「思い出せ」)
 事前の研究を。
 先の先鋒戦から副将戦まで、ワナビーアスリートたちが変身していた時の行動を。
 そしてこの試合中のトウヤの行動から最適解――予測されるユーベルコードを導き出すのだ!
(「回る……回れ……」)
 トイロボバトルでも。
 『NATAKU』とも、そうしてきた筈だ!
「来ないなら、ボクから行っちゃうよ!」
 きらきら、星のような輝きを纏ってくるり一回転。
 憧れの勝負服は一等星のように煌めいて。
 流星の如き一薙ぎを、ナクタへ向ける――が!
(「感覚を、研ぎ澄ませ!」)
 事前に合わせたかのような、的確な逆回転!
 赤と金の装甲を纏ったナクタの薙刀が、トウヤのそれを弾き返し――返す刃で胴を一閃!
「う……っ!?」
 よろめき、距離を取るトウヤ。
 ここからナクタは――晴雲秋月は、押し返す!

大成功 🔵​🔵​🔵​

リカルド・マスケラス
「いよいよ大将戦っすか」
今度は大将の光華に身体を貸してもらって出るっすかね
「ファンの為っすか……『自分のファン』のことしか考えていなくて、『薙刀ファン』のことを考えてないやり口が問題っすよね」

「互いに魅せられる戦いをできればいいっすね」
『自分の魅力』でなく『薙刀の魅力』をっすけどね
方向性はパフォーマー寄りの魅せる方向の正確な払いや刺突で攻撃する中、見た目重視の空振りに近い攻撃を混ぜる
「パフォーマンスを力に変える方法は一つじゃないんすよ」
今までの足踏みや床への斬撃等で描いていた魔法陣からUCを発動。【属性攻撃】の【結界術】の威力を薙刀に込め、【怪力】を乗せ叩き込む
「ファン、増えるっすかね?」




「いよいよ大将戦っすか」
 リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)は相手の大将・トウヤを正視する。高いパフォーマンス力を誇るようだが、こちらも負けてはいないと確信する。
「今度は光華に身体を貸してもらって出るっすかね。光華……」
「ん、ウチ? おっけー煮るなり焼くなり好きにしろぃ!」
 即決。
 頼もうとしたリカルドすら心配になるレベルの即決だった。まぁ、信頼されているのだと思おう。
(「ファンのため、っすか……『自分のファン』のことしか考えていなくて、『なぎなたファン』のことを考えてないやり口が問題っすよね」)
 トウヤが魅せるのはあくまで自分のファンのため。
 それでは、今はよくてもいずれ、なぎなたファンは離れていってしまう。トウヤ自身からも、なぎなた界隈からも。
 一礼して、光華の姿をしたリカルドは、トウヤと向き合う。
「あれ、戻ってきたんだ?」
「いや、別人っすよ。ともあれ、互いに魅せられる戦いをできればいいっすね」
 リカルドが言う魅力とは、『自分の魅力』でなく『なぎなたの魅力』のことだが。
 それをトウヤが理解出来ない内は、負けるわけには行かないと。
「なぎなたでもカワイク決めちゃうよ!」
 杖のように薙刀を振るうトウヤの姿が、星のような輝きに包まれ。
 煌めく勝負服に身を纏ったトウヤが、舞い踊るように攻め立ててくる。
(「有言実行、こっちも真っ向から『魅力』で勝負するっすよ」)
 薙刀――なぎなたを、最大限に魅せる戦いを!
 正確な払いや刺突で、基本の形を意識しつつも攻撃を重ね、時折見栄えを重視し空振りに近い攻撃を混ぜる。
 優雅に、演舞を踊るように。アイドルとしてではなく、なぎなたとしてのパフォーマンスを。
「知ってるっすか? パフォーマンスを力に変える方法は一つじゃないんすよ」
「なに……えっ」
 そこで初めて、トウヤが気づく。
 リカルドの足元が、五色の輝きを放っている!
 踊るように滑らせた足が、魔法陣を描いていたのだ!
 最早言葉は不要。五属性の輝きを宿した結界を薙刀へと収束させ、破魔と豊穣の力で渾身の面を放つ!
「うあ……っ」
 脳天を強打したトウヤが、地に伏した。
 それでもふらつきながら立ち上がるが、かなりの痛手を追わせたことは確かだ。
「ファン、増えるっすかね?」
 会場の空気が少しずつ、トウヤ一色から変わりつつある――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

陽殿蘇・燐(サポート)
バーチャルキャラクターの寵姫×国民的スタア?いいえ、これでも(元)ラスボスな悪女NPCよ。
基本は高性能スマホを利用して、配信しつつの行動になるわね。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用するし、多少の怪我は厭わず積極的に行動するの。これでもバーチャルキャラクターだもの。
悪女たるもの、その行為は健全な世界あってこそなのよ。だから他の猟兵に迷惑をかける行為はないわ。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしない。配信垢BANされちゃう。
あとはおまかせ。よきに計らいなさい(思い出した悪女ムーブ)


キマフュ出身なので、トンチキでも適応していきます。




「大勢に愛されるアイドル……相手にとって不足はないわね」
 陽殿蘇・燐(元悪女NPC・f33567)は嫣然と微笑む。
 その立ち居振る舞いは、まさに大将――否、最後の戦いを彩る稀代の悪女に相応しい。
 薙刀を構える姿も妙に様になっている。斬れないけど。
「全ての準備は整っているわ。どこからでもかかってきなさい」
 ラスボス然として言い放つ燐。
 因みにここで言う準備とは配信のことである。判定用のドローンの一台を借りて、高性能スマホにて『悪女NPC(ラスボス)だったけど、猟兵になってみた』絶賛生配信中!
「いいよっ、ボクの歌とパフォーマンスでみんなを照らしてあげる!」
 闇の色と紅い燐火を纏う燐に対抗してか、トウヤはその輝きを強めるように煌びやか、かつカワイイ衣装に変身し、高らかに歌い上げながら踊り、薙刀を振るう。
 燐はただ、それを受け流すばかり。しかしその実、最低限の運動で消耗を抑えつつも、所作は美しく指の先まで神経を通わせ、優雅に舞うように応じる。
 そうなると、全力で攻めかかるトウヤの方に疲労が浮かび上がってくる。
「あら、この程度かしら」
「まだまだ、ここからだもんねっ。一旦後退して、体勢整えて……あれっ?」
 トウヤは、己の身体に異変が起こったことを悟る。
 後退しようとすると、何故か脚が動かないのだ。
 何をしたのかと|橄欖石《ペリドット》の双眸が燐を見れば、彼女はやはり微笑みを崩さぬまま。
「逃がすと思って? 最後の戦いからは、逃げられないものと相場が決まっていると言うのに?」
 ここまでの話から察せられる通り、燐はとあるゲームの悪女にしてラスボスであった。
 ゲームのラスボス戦。それは総じて逃走不可のイベント戦闘であるもの。燐もまた、御多分に漏れず。
 トウヤの逃げ道を阻むようにその背後を羽ばたく炎蝶の群れは逃走――即ち、後退を許さない!
「解釈が強引すぎる!?」
「何とでも言いなさい。私は理解して貰おうだなんて、思っていないのだから」
 |逃走《後退》出来ないトウヤを、炎を纏った薙刀が襲う――!

成功 🔵​🔵​🔴​

ラップトップ・アイヴァー
《真の姿は維持ね。

わあ、すごくキラキラしてるの。
…悲しいくらいに、眩しいね。
ダークなお星様。お目目がすごくチカチカしちゃう。
それだけが哀しいの。
トウヤセンセだけが輝くのは、いいこと?

…だーめ。
今のこのゲームそのものが太陽となって、みんなを照らさないと。
ゲームの魅力、薙刀の技の美しさ。
…センセがやってるのは、スポーツじゃなくて、コンサートだよ。

ねえ、みきが変えてあげる。
ワンマンショーから、ちゃんとしたスポーツにね。

向こうのプライドと明るさを可能な限り下げないまま、優しさ全開で流れる様な攻めを繰り出すよ。
さっきと比べて瞬間思考力と見切りは少し抑えめで。
これは全部、お星様をも照らす太陽になる為の準備。

みきがこの世界に望むのは、
全てを楽しんで共有できる世界。

トウヤセンセにも、共有するね?
薙刀の魅力。

最後にUCを発動。
お姫様らしく挨拶をして…
型を意識して、力を抜いて。

優しい光が先に包み込んで、
それから、何処までも美しい超低速斬撃パフォーマンス。

Tactical slash……なんてね》




(「わあ、すごくキラキラしてるの」)
 艷やかな黒髪に、|紫水晶《アメシスト》の瞳を輝かせたお姫様。
 眩く輝くトウヤの姿を見つめるラップトップ・アイヴァー(動く姫君・f37972)――美希は、しかしその瞳の輝きに仄か、憂いの彩を乗せた。
(「……悲しいくらいに、眩しいね」)
 愛らしくも、独りよがりの一等星。
 その輝きは、他の星々すら掻き消し――否、無にしてしまう。影にすらなれぬほどに。
「ダークなお星様。お目目がすごくチカチカしちゃう。
それだけが哀しいの」
 人の目を惹きつけるほどに輝くのは、素敵なこと。
 けれど、――ねぇ、センセ。
「トウヤセンセだけが輝くのは、いいこと?」
「な、なんだよぅ……ボクはカワイイボクをみんなに届けるために、」
「……だーめ」
 しぃ、と唇に人差し指添えて。
 星ひとつ、それだけでは駄目なのだ。
「今のこのゲームそのものが太陽となって、みんなを照らさないと」
 そう、なぎなたも、相手がいて初めて成り立つ競技。
 輝くのは一人だけじゃない。相手と――そして全ての選手とで、磨き上げ、輝かせてゆく競技なのだ。
 ゲームの魅力、薙刀の技の美しさ。そういったものを、一人一人の選手が、皆で。
「……センセがやってるのは、スポーツじゃなくて、コンサートだよ」
 スポットライトを浴びる者が、他を寄せつけない舞台。
 だが、この競技のあるべき姿はそうではない筈だ。
「ねえ、みきが変えてあげる。ワンマンショーから、ちゃんとしたスポーツにね」
「……んもぅ! 何言ってるの、輝けなくっちゃ意味がないじゃない!」
 言葉ではきっと通じない。
 ならば、試合の中で示すだけ!
(「これは全部、お星様をも照らす太陽になる為の準備」)
 一人では、太陽にはなれない。
 美希は、だからこそ、トウヤの全てを否定はしない。明るさもプライドだって、彼の光り輝く個性だ。
 それを殺さないように、けれど一方的に引き立てるのではなく、お互いの見せ場を作るように。
 トウヤにはない、美希の魅力を――優しさを全開で。流れるように攻め心のままに動けば二人で踊るよう。
「みきがこの世界に望むのは、全てを楽しんで共有できる世界」
「なにを……っ」
「トウヤセンセにも、共有するね? なぎなたの魅力」
 カーテシー優雅にひとつ、お姫様は相手への礼節を忘れない。
 戸惑うトウヤへと、贈るのはなぎなたを、そしてスポーツを通じ互いを高め合う、純粋な精神。
 型を意識して、力を抜いて――優しい光が先に包み込んで。
「眩し……っ」
 一等星すらその輝きに魅せて。
「|お姫様らしく《Live for gentle》」
 ハートも刃も燦めいて!
 流麗にして卓越した超低速の斬撃パフォーマンスは、何処までも美しく美希を魅せ――会場を湧かせた。
「Tactical slash……なんてね」
 美希のその頭脳を以て、最も美しい魅せ方を。
 精根尽き果て、膝を着くトウヤのその姿すら、美しく見えるように。


 勝敗は決した。
 礼に始まり礼に終わる――両チーム、感謝の言葉と共に頭を下げ合って、それから。
「ボクは、またこの舞台に戻ってくるよ」
 トウヤは、晴雲秋月のメンバーを、一人一人見て告げる。
 勿論、猟兵たちもだ。
「今度こそ、カワイイボクが――」
 最後に、その瞳は光華と美希を見て。
「キミたちと、最高の舞台を作り上げるためにね」
「! うんうん、いつでもリベンジ待ってるぞ!」
「二人とも、いい表情してるの。……よかったね」
 ダークリーガーが、選手をダーク化させる事態は見過ごせない。
 だが、それでも――トウヤに、この競技の魅力が少しでも伝わったのなら。
 きっと、なぎなたの未来は明るい。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年01月18日


挿絵イラスト