わたくしもエンドブレイカー!しましてよ!!
●帰ってきたアイスエイジクイーン
ここはデビルキングワールド。
「あー、悪い事してぇなぁ……めっちゃ悪い事してデビルキングになりてぇなああぁあぁあ!!!」
そこ行く住人の悪魔は今日も悪事を立派に振りまこうとしている。
すると何者かにぶつかった。
「あっすみません、お怪我はありませんか」
今のは悪魔の台詞だ。そういう所律儀である。
「聞きましたわよ……あなた、悪い事してデビルキングになりたいと言いました……わね!!!!!!」
「!?そのエセ高飛車的な声の持ち主は!まさか!」
「お~っほっほっほ!!!」
そう!デビルキングワールド、かつての7thデビルキング候補だったラスボス、アイスエイジクイーンである!
「このわたくしアイスエイジクイーンがラスボス的な力を使って、その望み叶えて差し上げてもよろしくてよ!」
「マジか!」
「但し歪んだ形で!」
「なんだと!!何という悪事だ!」
デビルキングワールドでは悪い事はカッコいい事なのだ。
「ならば折角なので叶えてもらおうか!歪んだ形で!この俺様をめっちゃ悪くデビルキングにしてみろやああぁああぁ!!!」
「心得ましたことですわよおぉおぉぉぉおお!!!!氷河期魔法!」
こうしてデビルキングワールドの街の広間に、1体の氷像が立てられる事となった。
全裸でワルそうなポーズのまま全身を凍らせた、先程の悪魔の氷像が。
台座には『デビルキング』と刻まれている。
「なっ!」
「これはどういうことだ!!」
驚く周りの悪魔達!
「かくかくしかじかと言う事ですわ!」
説明をするアイスエイジクイーン!
「な、なんだって!」
「そんな事していいのか!?」
「つまりアレか!」
「今日は歪んだ形で願いを叶えてもいいのか!」
「おかわりもいいのか!」
次々に沸き立つ悪魔達。
その直後、街は混沌の渦が巻き起こった。
『美味しいものを食べたい』
と願った悪魔の口から、あらゆるものが美味しいと感じれる無数の舌が生え。
『超強くなりたい』
と願った悪魔の身体は、見た目だけやたらマッチョな姿に変貌し。
『私も外の世界でオブリビオンみたいに契約行きたいっス!』
と願った悪魔には『外の世界に行く代わりに忠誠を誓わせる契約書』が差し出されたりした。
●話の途中だけどここはグリモアベース
「何かアイスエイジクイーンおねえさんが挑戦状を叩きつけてきたわ!」
ポーラリア・ベル(冬告精・f06947)が猟兵達を召集し、事情を説明する。
ポーラリアはアイスエイジクイーンから受け取ったらしき手紙を読んでいく。
「拝啓 猟兵の皆様いかがお過ごしでしょうか。最近『エンドブレイカー!』という新世界がやってきたそうですわね。
なんでも『エリクシル』と言う魔人が願いを歪んだ形で叶えて災厄を起こそうとしているとか。いかにもデビルらしい事をしていましたので、デビルキングワールドで流行らせて頂きました。
今やデビルキングワールドは『歪んだ願いブーム』でめちゃくちゃになっていますので、これを止めたければわたくしと再び勝負してくださいませ。
わたくしが勝ったら8thデビルキングの座を明け渡して頂きますわね。頂きますわね。
今回はわたくしの絶滅悪魔軍団にも『エンドブレイカー!』の猟兵達の持つ様な、予知能力の悪魔を厳選して用意させて頂きました。対戦お待ちしておりますわ。
張り切って勝負にきてくださいまし。 敬具」
「な、なんだか大変な事になってる、のかしら?」
読み終えてたじろぐポーラリア。
デビルキングワールド的にはいつもの事と言うべきか。
キマイラフューチャーで流行が起こったノリの様な気がしなくもないが。
「でもこれで変な願いが別世界に干渉したり、異世界に行ったデビルキングワールドのオブリビオンさんも真似されるとややこしくて大変だから……止めるに越した事は無いと思うわ!」
そう言ってポーラリアはグリモアの光を展開し。
「歪んだ願いを叶えようとする悪魔さんに気をつけて!あと多分アイスエイジクイーンお姉さんがやってくると思う予知も!頑張ってー!」
そう言ってポーラリアは猟兵達を送り出していった。
古塔
古塔MSです。宜しくお願いします。
目的:アイスエイジクイーンをしばいて歪んだ願いブームを止める。
場所:デビルキングワールドの大規模な街中。
広場に続く大通りに転送されます。
あちらこちらでデビル達が何かを願っては、他の悪魔に歪んだ形で叶えてもらおうとしています。
●1章:
猟兵を察知したアイスエイジクイーンの配下の四天王達が来ます。
集団戦ですが1体ずつ来ます。
猟兵達の心にある夢や希望を、デビル的に歪んだ形で叶えようとしてきます。
(オブリビオンではありませんが容赦はしなくていいです)
●2章:
アイスエイジクイーンとの対戦です。
身に纏う氷の自動鎧『絶晶』を溶かして、絶滅悪魔軍団を召喚してきます。
今回は予知に長けた絶滅悪魔軍団で、猟兵達の行動を見切ろうとしてくるようです。
(先制攻撃はしてきません)
(オブリビオンではありませんが容赦はしなくていいです)
第1章 集団戦
『『蒼い薔薇の夢を見る』レイリー』
|
POW : 貴方へ贈る蒼い薔薇
【対象の秘めた闇】から、対象の【奇跡を手にしたい】という願いを叶える【蒼い薔薇】を創造する。[蒼い薔薇]をうまく使わないと願いは叶わない。
SPD : 奇跡
見えない【筈の、貴方が望んだ夢】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ : 貴方を奪う青茨
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【青い茨と生命力を啜る青薔薇】で包囲攻撃する。
イラスト:びびお
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ブレイクすべき悲劇の終焉、どこ
ここはホーンシティ。
魔界のとある街である。
市長の悪魔の取り決めによって巨大なツノが街の上に乗せられているのが特徴だ。
今この街は戦場と化していた。
「ヒャッハー!会社なんかなくなってしまえばいいだってぇ~!?だったら興行サービスグループに改名してただの労働奴隷システムにしてやるぜ!24時間働きなぁーっ!!」
「オデ、ノゾム、貴様ノ、死!」
「てめえが死ねやーっ!!地獄に落ちたら相対的に見て生きてる奴の方が死んでるだろうがよぁーっ!!」
悪魔達がこぞって歪んだ願いを望んでは叶えまくっている。
「この機に乗じてかつてのラスボス様を俺様の愛玩動物にしてやらあーっ!」
悪魔の一角がアイスエイジクイーンに襲い掛かる。
四方八方の死角から突いた察知されない様なその攻撃は、しかし、全てを見切ったかの様に紙一重で躱し。
「お~っほっほっほ!そんな終焉はわたくしには効きません事よ!」
氷河期魔法の竜巻を放ち、悪魔達を巻き上げていく。
「ンッ、ンンーッ!ンンンーッ!!」
口が氷で塞がれ、目以外が小動物の氷像に包まれた悪魔達が、がしゃりがしゃりと地面に割れる事無く落ちていく。
「そうやって鳴いている姿が愛玩動物の如くで相応しいですわーっ!」
「むっ、察知しましたわ」
その時、街の中心で悪魔達相手に乱闘を起こしているアイスエイジクイーンは察知した。
性格には自身の鎧を溶かして生み出した絶滅悪魔軍団の力による予知能力でだが。
「3時の方向、猟兵達が来ますわ。わたくしの可愛い四天王達、出ませい!」
アイスエイジクイーンの号令によって影で出来たような茨と青薔薇で覆われた堕天使達が向かって行った。
「猟兵達の願いを叶えまくって差し上げなさい!主に歪んだ方面で!」
青薔薇の堕天使にして今回の四天王「レイリー」達は、猟兵達を滅茶苦茶にするべく向かって行った。
レパル・リオン
【カタラ】
キマイラがやるなら面白いで済むかもしんないけどさ〜〜〜
悪魔の超パワーを使われたら大事件なのよね〜〜〜
ナミルちゃん、流れるように金ぴかをお願いしてるし。どーせロクな事にならな(レパルは金の像になった)
うっ、動けないっ。ナミルちゃんに抱きしめられるのは気持ちいいけど、概ねマズい状態だわ…
そんでナミルちゃんも金になっちゃったし、コレどうすればいいのよー!
うーんうーん、動けないっ!カチコチのガチガチで動けないぃぃ…
あれ?抱きつかれてて見えないけど…なんか凄い事になってない?悲鳴とか聞こえるんだけど?ナミルちゃん、金ぴかのまま暴れてるの!?
呪詛、すっごおい…
でも金ぴ化はさっぱり解けないわ…
ナミル・タグイール
【カタラ】
願い叶えてくれるにゃ!?金ぴか欲しいデスにゃーっ!(都合のいい事しか聞いてない猫)
にゃー!レパルが金ぴか像になったにゃ!素敵!ハグにゃ!頬ずりにゃ!金ぴかレパルずーっと大切にしてあげマスにゃー!
…レパルもう動かないにゃ?動く金ぴかならもっとよかったにゃ
…にゃ?体が重いにゃ、てかナミルも金ぴかにゃ!?
にゃー!カチコチになってくにゃ!動けないのは嫌デスにゃー!金ぴか略奪できないにゃー!
動けない分、金ぴかへの渇望も膨れ上がるにゃ!金ぴかのまま体が大きくなって、ズッシーンと倒れて悪魔をなぎ倒すにゃ!
悪魔は倒したけど金のままにゃ。でも何とかなるにゃ
アイス…何とかにも金ぴかお願いするデスにゃ!
●黄金の呪いパワー
「キマイラでやるなら面白いで済むかもしんないけどさ〜〜〜 それを悪魔の超パワーでやられたら大事件なのよね〜〜〜」
財宝洞窟『カタラ・スピリャ』所属の、ピンクが目立つ、狼と虎とドラゴンが混ざったキマイラ、レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)。
その目の前に堕天使レイリーがいる。
「あなたの願いを叶えましょう。歪んだ形で叶えましょう。」
「いや歪んだって言われてる時点で食指が動かないのよね。」
「折角ですから……叶えましょう?ここが何処か分かって来てるなら尚更。」
そう言ってレイリーは蒼い薔薇を創造し、ふわりとレパルに投げ渡す。
闇の奇跡を叶えると言われる、歪んだ願いが確実に叶いそうな闇深き蒼薔薇だ。
レパルはそれを遠慮がちにはね飛ばそうとした瞬間、別のキマイラが前方を遮った。
「にゃ!?それ受け取ると願い叶えてくれるにゃ!?レパルいらないならナミルがもらうにゃ!金ぴか欲しいデスにゃーっ!」
財宝洞窟『カタラ・スピリャ』の主、黒いネコ科のキマイラ、ナミル・タグイール(呪飾獣・f00003)だ。
「金ぴか欲しいの叶えて欲しいデスにゃーっ!」
「ナミルちゃん流れるように金ぴかをお願いしてるし~~~!」
その瞬間、蒼薔薇が光を放ち、二人を金色に変えていく。
「え!ちょっと待ってあたしも巻き添」
光が収まった時、身体が黄金で出来たキマイラが2体出来上がった。
黄金のレパルと、黄金のナミルだ。
身体の材質は最早金そのものと言っていい。
レパルはびっくりしてきょどった姿のまま動かない。
ナミルは自分の体が黄金になった事にまだ気づいていない。
「にゃー!レパルが金ぴか像になったにゃ!」
「(うっ!?動けないっ。)」
三度の飯よりも金ぴかが好きなのがナミルというキマイラである。
目の前に金ぴかの、仲良きキマイラレパルの金ぴか像があればそれはもう並みのお宝よりも大喜びである。
「素敵!ハグにゃ!頬ずりにゃ!金ぴかレパルずーっと大切にしてあげマスにゃー!」
黄金の身体で黄金のレパルを愛おしそうにハグし、頬ずりするナミル。
ギィーン、と金属のぶつかり合う音がし、キリキリと金属のこすれ合う感覚がレパルとナミルの頬、胸、腕に伝わっていく。
漏れ出るキマイラの吐息さえ、熱を持たない冷たい金属から放たれる、こひゅう、という音から、こぉぉ、という空洞の音になっていく。
「(ナミルちゃんに抱きしめられるのは気持ちいいけど、概ねマズい状態だわ…そんでナミルちゃんも金になっちゃったし、コレどうすればいいのよー!)」
何故かはわからない。ナミルの黄金蒐集欲が他者に強く向いたのか。
『金ぴかが欲しい』を自分が金ぴかになって手に入れるという歪んだ願いは、レパルの方に比較的強く作用し、レパルはいち早くただの黄金像になってしまったのだ。
最早それは誰にも気づかれぬ心の声だけを発する事しかできない、ただの置物である。
しかしナミルも時間の問題であった。ぎし、ぎし、身体が、キマイラの筋肉や毛皮が、つるっつるの黄金の肌に毛皮が如き黄金の砂鉄を薄く振りまいたようなその表面が中身までも黄金に変えていき、いよいよもって意志も持たぬただの黄金に変わり果てようとしていく。
「にゃ!……にゃ?……体が重いにゃ……てかナミルも金ぴかにゃ!?……カチコチになってくにゃ!」
体内の細やかな老廃物を金粉にして吐き出すかの様な金色の呼吸を繰り返しながら、徐々に、徐々に、ぎぃ、ぎぃ、と黄金像になっていくナミル。
「……う……動けないのは嫌デスにゃー!……金ぴか略奪できないにゃー!」
できないにゃー!
にゃー!
―!
その時である。ナミルの叫びがユーベルコードを引き起こした。
自身の根源、満たされぬ欲望、黄金への渇望。
その力が金ぴ化パワーを無限大に増幅させ。
つまるところ、完全な黄金像となったナミルはみるみるうちに巨大化していった。
「願いは叶えました。それではご機嫌……ょ……?」
二人がハグしたままの黄金像になったのを確認したレイリーは撤退しようとしたが、ふと後ろを向くと巨大な黄金像になりつつあるナミルを見てぎょっとした。
レイリーの体躯を数十倍も超えるその巨体となった、レパルの黄金像を抱えたナミルの黄金像は、ぐらりと傾き、レイリーに倒れ掛かろうとしてきた。
「なっ――」
ズッシーンと、巨大な地響きの音が聞こえた。
「(あれ?抱きつかれてて見えないけど…なんか凄い事になってない?悲鳴とか聞こえるんだけど?ナミルちゃん、金ぴかのまま暴れてるの!?)」
黄金の姿で動けないままのレパルは、しかし五感の通りは金属の身体もあって凄い効くようになっていた。
金属の身体に響く、黄金が地面にぶつかった衝撃、潰れる堕天使レイリーの音、そして。
ごいぃんと跳ね揺れる、二体の黄金像の音。
「(呪詛、すっごおい…)」
どうやら立ち塞がったレイリーは倒したようなのだが、二人の黄金化はまだ解けないでいた。
だが、巨大なナミルの黄金像と、それに抱きしめられているレパルの黄金像は進んでいく。
今倒れた衝撃で体躯を揺らしながら跳ね飛び、ごぃいん、ごぃいん、と音を放ちながら、アイスエイジクイーンの方へと跳ね転がっているからだ。
「(悪魔は倒したけど金のままにゃ。でも何とかなるにゃ。アイス…何とかにも金ぴかお願いするデスにゃ!)」
二体の黄金像は、黄金像のままラスボスへと対峙していく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
ま た あ な た で す か !
いやはや…クイーン様はホント懲りないお方ですね…
今回も止めなければロクな事になりかねません
さてまずは最近取得したての【貪欲の底なし沼】を発動させて質問してみましょう♪
「ボクの願いは何―――?」
もちろんノーヒント!そして相手の足元には人喰いの底なし沼…正しい答えが出せなければ呑まれてドロドロ泥人形にされてしまいますよ~♪
願いを叶えてくれるのは良い事ですが、歪んだ結果を出すのは傍迷惑なので、しばらく泥沼に浮かぶ泥人形になって反省してくださいねっ!
(もちろん後で元に戻しました☆)
●泥沼クエスチョン
「ま た あ な た で す か !」
兎キマイラの男の娘、テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)は街中で叫んだ。
「いやはや…クイーン様はホント懲りないお方ですね…今回も止めなければロクな事になりかねません」
呆れた声と顔をしながら、彼はやってきた新たなレイリーに対峙する。
「叶えましょう。叶えましょう。今回の私は叶えたくて仕方がないので無性に願いを聞きたいモードなのです……望みを言ってください。歪んだ形で叶えましょう……。」
「ではでは、最近取得したてのユーベルコードであなたに質問です!ボクの願いは何―――?」
「あっ、聞く方ですか?特に今不満が無いとかであれば用はございませんのでこれで……。」
踵を返して帰ろうとしたレイリーだが、その足に泥の触手が絡みついていた。
「いえいえ、ちゃんと願いはありますよ!でも悪魔さんなら聞かなくてもわかるのではありませんか?ボクの願いを当ててください!」
そう言ってる間にもずぶずぶと泥の触手は、いつの間にか地面に展開された泥の底なし沼へと引きずり込もうとしていた。
「答えなければ?」レイリーが質問した。
「底なし沼に呑まれてドロドロ泥人形にされてしまいますよ~♪」
「なっ」
「もちろんノーヒントです!」
レイリーは必至になって考えた。
この特殊系ドMウサギキマイラの噂は魔界でもそれなりに聞いている。
とすれば――と思った矢先、もう膝下まで沼の中に使っている。制限時間が短い。
「ドロドロになりたい……ドロドロに固められて物言わぬオブジェになりたい、ですか――!?」
言ってる内に胸まで、不快だがそれでいて何か抱擁感のあるいやらしい泥の中に体が浸かっている。
「…………」
テフラのなんといじわるな事であろうか。何も応えてくれない。
「これは実行を、即座に実行して確かめろと言う事と見受けました。では貴方をドロドロの泥人形に」
そこではっとなって気づくレイリー。
今回はこれを『歪んだ形で』叶えなければいけないのだ。
考える。考える。
自分からドロドロ泥固めになって絶望のオブジェクトになりデビルキングワールドの背景の一部になりたいと抜かすようなこの特殊系ドMウサギキマイラの願いを、どう歪めて叶えればいいのだろうか?
もう口元まで底なし沼の泥が迫っている!
「で、では叶えましょう。っぶ……。貴方を一時的に肉体のまま、硫酸を全身に浴びたようなドロドロの液状に溶か……し……ぁ……」
あと少しで歪んだ夢を叶えそうだったレイリーは、底なし沼の中へと完全に沈み込んでいった。
「何か今怖い事をしようとしませんでしたか!?間一髪でしたかね。」
ごぼごぼと泡立つ底なし沼から、しばらくすると泥人形が浮かび上がった。
堕天使レイリーを泥漬けにされたと見受けられる、ドロドロに固まった泥人形が、浮かぶだけの様子を見せる。
沼の音しか聞こえない。しんと静まり返った堕天使の泥人形が浮かぶ沼。
「願いを叶えてくれるのは良い事ですが、歪んだ結果を出すのは傍迷惑なので、しばらく泥沼に浮かぶ泥人形になって反省してくださいねっ!」
そう言ってテフラは戦場を後にし、アイスエイジクイーンの方へと駆けて行った。
大成功
🔵🔵🔵
シエナ・リーレイ
●アドリブ・絡み可
シエナの希望「あなたにお友達になって欲しい」は一見すると四天王にとって都合の良い内容
けれどその希望は叶える者にとって地獄への片道切符も同然です
まずはこれを飲んでね!とシエナは魔法の薬を渡します。
シエナは蒼薔薇の花弁で効果が強化された[オブリビオンを何処にでも行ける状態にしてくれる魔法のお薬]を飲ませ四天王を『お友達』に迎えるようとします
それじゃあ、お願いね!とシエナは彫刻刀を手渡します。
四天王自身が対象外と知ればシエナは四天王に周囲に周囲にいる者達を魔法の薬が刃に塗られた彫刻刀で『お友達』候補に変える事を求め、それを拒めば嘘をついたと怒り四天王に彫刻刀を突き立てようとします
●等身大の友情とはかくなりや
「こんにちわ!とシエナは元気に挨拶します。」
灰髪の人形ヤドリガミ、人形館のシエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)がやってきた。
「『あなたにお友達になって欲しい』のがシエナの願いです!とシエナは答えます!」
新たなレイリーが現れた直後、シエナはそう言い放った。
「承諾しました。では」
「「これを飲んで」ね!「と」シエナは「魔法の薬を渡します。」」
それは劇薬だった。
内臓を潰し生き人形にしてしまう脅威の麻痺毒薬。
それを堕天使レイリーも(蒼薔薇に包んで)シエナに渡し、シエナもまた同類の薬をレイリーに渡してきたのだ。
「ありがとう!お揃いのドリンクを乾杯するなんて、もうお友達みたい!とシエナは感激します!」
二人は勢いよく、その麻痺毒薬を……飲んだ。
「!?!?!!! 効いた、よ、これ、……ごぶっ、で、もう、おとも、だ、ち、だね……と、シエ、ナは、あ゛」
口から見た事も無い変な液体を漏らしながら、シエナは笑って見せた。
どうやら人形の意志にも効く神経系の麻痺毒薬だったらしい。だがレイリーの見通しが甘かったのか、カタカタ、ガクガクと身体を震わせながらもなんとかシエナは立っている。
一方のレイリーは。
「ごぼっ、うぶ っ、が……だ、大丈夫、です。これで、もう、私達は、お友、達……願いは、叶、え、ました。」
気合で耐えた。
口から泡らしきものを吹き、手も指先まで痙攣しているように痺れ上がるが、何とか立っているし浮遊している。
デビルキングワールドの悪魔は基本的に頑丈。死んでも死なない程タフなのだ。
「お互い、同じ状態です、が、お友達、になったから、には、共に過ごし、ましょう。」
「そう、だね!と、とりあえずこれを!と、シエナナはお友達、にこれ、を渡し、ます。」
シエナがレイリーに渡したのは彫刻刀だ。
「これ、は?」
二人の麻痺は徐々に取れていった。
「さっきの薬を塗った、お友達になれるナイフだよ!これを使って、他の悪魔達も『お友達』に変えていこう!とシエナは託します。」
「それはアイスエイジクイーン様も」
「『お友達』にするんだよ。とシエナは言います。」
「それは他の四天王と名乗る堕天使達も」
「『お友達』にするんだよ。とシエナは言います。」
「やりましょう」
堕天使レイリーは、にぃぃと微笑んだ。
ここはデビルキングワールド。反逆下剋上悪い事万歳の悪魔の世界である。
やっべえ悪事を提案されたなら……それに乗っかるのも大好きな奴でいっぱいなのである。
「ところで」
早速実行に移そうと彫刻刀を手にしたレイリー。
の背中に、どすりと刃物が刺さり込んだ。
「どうしてあなたはまだ『お友達』じゃないの?とシエナは疑問を浮かべます。」
「え……」
麻痺毒を塗った彫刻刀が。
どすり、どすり、なんどもレイリーの背中に突き刺さる。
シエナの言う『お友達』とは、人形の事である。
先の麻痺毒、耐える事を望んでいたわけではない。
安らかに命を消滅させ、シエナの意のまま、命のままに動く。
ただの人形こそがシエナの言う『お友達』である。
「あ、あ、あ、」
何度も何度も、先程の麻痺毒が体に入り、侵されていく。
「…………」
死んではいないが、目が虚ろになり、改めて操り人形の様に、腕をだらんとさせたレイリーが1体出来上がった。
『お友達』の疑似完成である。
シエナはそれでもやや不満だが、しかして今はこの『お友達』を歓迎することにした。
「それじゃあ、お願いね!とシエナは改めて彫刻刀を手渡します。」
手渡されたレイリーは、口から延々と泡を吹きながら、手近な堕天使達に彫刻刀を差し込みに行く。
自身がここまで耐えたのだから他のデビルも普通に耐える。
なので、なんども、何度も、刺していく。
刺しながら、『お友達』を増やしながら、進む。
最初に出来た『お友達』のシエナと共に。
大成功
🔵🔵🔵
四王天・燦
暇なんだろうなー
手土産持って行くよ
クイーンのどういうところに惹かれるのかな?
レイリーに人望の実態を聞いてみる
そんなアタシの願望はクイーンと交友を深めること
青の茨と薔薇で艶っぽく拘束されてクイーンの下に送迎ってのは、絵にはなるが敗北なので勘弁だね
背後・側面からの包囲が完成する前に前面の茨を切り払ってダッシュで術者・レイリーに詰めるぜ
タックルしそのまま近くの建造物に叩き込んでやる
このまま柔術グラップルで絞めても良いけど意趣返し
レイリーの願いを叶えて進ぜようってことで八卦迷宮陣を展開し幸せな白昼夢に叩き落すぜ
クイーン戦で来られること厄介なので氷属性攻撃の符術で氷壁に捕縛しておこっと
アドリブ大歓迎です
●あなたの願いはなんですか?
「戦争も7thKINGも決まったのに暇なんだろうなー、手土産持って行くよ」
妖狐のシーフの女性、四王天・燦(|月夜の翼《ルナ・ウォーカー》・f04448)が、そんな事を言いながら戦場の中を後ろ手を頭に組んで余裕綽々に進んでいく。
「聞きたいんだけど、クイーンのどういうところに惹かれるのかな?」
早速やってきた堕天使の四天王、レイリーに、間髪入れず質問を投げかかる。
「それはアイスエイジクイーンを知りたいという事でしょうか。」
レイリーは1枚の紙を燦に手渡した。
アイスエイジクイーンの下僕になる契約書である。
「志望動機を知りたければ貴女もアイスエイジクイーン様に就くのです。そうすれば解ります。」
「えー、やだ。アタシはそういう関係よりもっと対等なのがいいんだ」
「では、直接アイスエイジクイーン様の前にお連れしましょう。」
そう言ってレイリーは青い茨を展開する。
四方八方、幾何学模様を描き燦を包囲する、青薔薇と青茨の弾幕だ。
「アタシの願望はクイーンと交友を深めること」
燦は足にぐっと力を籠め、跳ぶ。
「青の茨と薔薇で艶っぽく拘束されてクイーンの下に送迎ってのは、絵にはなるが敗北なので勘弁だね」
飛んできた茨や薔薇を次々と短剣『アークウィンド』で切り裂き散らしながら、最低限の動きでレイリーの懐に飛び込み、その勢いでタックルをぶちかました。
不意のタックルに反応しきれず直撃を受けたレイリーは、街の一角の壁に叩きつけられた。
「お前今アタシを茨で拘束しようとしたろ?意趣返ししてやるぜ。」
四王稲荷符をレイリーの身体に貼り付けると、そこから白昼夢を見せる八卦結界が展開された。
「うっ……ここは……」
「よくやりましたわねレイリー!」
ふと気づくと見知らぬ世界で目の前にアイスエイジクイーンがいた。
「貴女の今月の悪業成績はトップですわ!おめでとう!おめでとう!」
「えっ何ですか急に特に何かやった記憶が」
「褒美をあげますわ!休暇をあげますわ!」
賛辞に褒章にと言葉を交わされながらめっちゃなでなでされているレイリー。
よく分からないが嬉しくない訳ではないので、徐々に顔に笑みが、綻びが出て来る。
「あ、ありがとうございます。ありがとうございます……。」
そんな幸せそうな笑みを浮かべたままの姿で、レイリーはいつの間にか氷壁に封印されていた。
燦の稲荷符術による氷結符による氷結界を貼られ、瞬間氷結されたのだ。
「…………」
幸せそうな笑みを浮かべた堕天使の四天王は、氷の中でずっと佇んだままである。
その上に、溶けないよう、解けない様に、封印の氷符をペタペタと貼って、完全氷壁封印を施した燦。
「捕縛完了っと。どうするかね」
燦はこの堕天使の処遇を考えた後、アイスエイジクイーンの方へと向かうのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『西のラスボス『アイスエイジクイーン』解』
|
POW : 氷河期召喚術『ジュデッカ』
レベル×1体の【絶滅悪魔軍】を召喚する。[絶滅悪魔軍]は【氷】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : 氷河期魔法『アイスエイジ』
戦場全体に【悪魔も凍てつく氷河期の寒波と吹雪】を発生させる。敵にはダメージを、味方には【量産型「絶晶」の装着】による攻撃力と防御力の強化を与える。
WIZ : 合体氷河期魔法『ディノホロボシータ』
自身と仲間達の【放つ、氷属性の攻撃魔法】が合体する。[放つ、氷属性の攻撃魔法]の大きさは合体数×1倍となり、全員の合計レベルに応じた強化を得る。
イラスト:屮方
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●エンドブレイカー!デビルキング編
「お~っほっほっほ!来ましたわね猟兵の皆様方!」
街の中央、悪魔達が交戦する、ビルに囲まれた広場では雪が舞っていた。
もう既に数多の悪魔達が凍り付き、氷河期が訪れたかの様な氷の間と化した戦場にアイスエイジクイーンがいた。
「7thKINGでは遅れを取ったわたくしですけれども、今回はその|終焉《エンド》、ブレイクさせて頂きますわよ!」
そう言うとアイスエイジクイーンの周囲に無数の瞳が浮かんだ。
「絶滅悪魔軍団、展開。」
どうやらこの瞳が今回の悪魔であるらしい。
「この瞳の悪魔は予知能力を持ち、常にわたくしに戦場の短時間先の未来を見せ続けるのですわ!わたくしに起こされる悲劇を見切って見切って、確実に氷の眠りへとつかせるのですわー!このように!」
ずらりと並んだ氷漬けの悪魔達を自慢げに見せるアイスエイジクイーン。
「この戦いはいわば練習試合。いずれ起きるであろう8thKINGの座を狙う為、今回もこの様な形で胸を借りさせて頂きますわ!」
絶滅悪魔軍団だけではない。
猟兵達は既にアイスエイジクイーンの配下の悪魔達に囲まれていた。
「さあ行きなさいわたくしの悪魔達!わたくしと共に、わたくしの願い……猟兵への勝利を歪むことなくもぎ取るのですわーっ!」
かくしてアイスエイジクイーンとの戦いの火蓋が落とされた。
※先制攻撃はしてきません。
※絶滅悪魔軍団の力で『アイスエイジクイーンの未来予測』を行い、攻撃を見切ってきます。
アルジェン・カーム
(来ちゃった終焉破壊者
…この世界どうなっているのでしょうか(ぽかん
エリクシルの真似事は悪趣味ですが…微妙に平和ですね…とはいえ
猟兵の方々と死闘を繰り広げた首魁の一角であるならば挑みましょう
僕は|終焉破壊者《エンドブレイカー》のアルジェンと申します
クィーンさん…貴方の勝利という|終焉《エンディング》…|破壊《ブレイク》させて頂きます
未来予測の能力を持つ瞳の悪魔…!本当に僕達みたいですね!
だがっ…!
英霊剣群展開発動
そして…UC発動
未来予測を超える速度と手数で行きます
超高速で飛び回り襲い掛かる!
【串刺し】
ハルバードで串刺し
序にブーメラン展開
【切断】
神剣の幻影と共に弾幕の如き斬撃と宝剣による切断
●光を超えて走れるか
「…この世界どうなっているのでしょうか」
本職。エンドブレイカーの人がやってきた。
彼の名はアルジェン・カーム(銀牙狼・f38896)。銀の短髪をたなびかせた、アマツカグラの男である。
「エリクシルの真似事は悪趣味ですが…微妙に平和ですね…とはいえ、猟兵の方々と死闘を繰り広げた首魁の一角であるならば挑みましょう。」
色々とごちながら、アルジェンは戦場の渦中へと飛び込んでいった。
「英霊剣群展開発動」
距離の詰まっていくラスボスに対し、アルジェンは剣を展開した。
「僕は|終焉破壊者《エンドブレイカー》のアルジェンと申します。クィーンさん…貴方の勝利という|終焉《エンディング》…|破壊《ブレイク》させて頂きます。」
「お~っほっほっほ!来ましたわね!エンドブレイカーがお相手でしたら武器もこの様にすべきですかしらね!」
アイスエイジクイーンは手に持つ氷の武器を変形させ、巨大なアイスレイピアにしてアルジェンに打ち合いにいった。
「アイスエイジレイピアとでも名付けさせて頂きましょうかしら!お~っほっほっほ!」
「そこまで合わせなくとも…!」
氷の世界で打ち合う剣と剣。その剣閃は見るにまるで赤子を捻るかのようにアルジェンの剣閃はいなされる。
「やはり見切られている…未来予測の能力を持つ瞳の悪魔…!本当に!」
言い切る前にアルジェンは距離を取った。
『玄武門…開門…朱雀門…開門…白虎門…開門…青龍門…開門……四門開門!!』
そのユーベルコードの名は【|絶・四門開門《ゼツ・シモンカイモン》】。
身体強化による高速機動連続攻撃の合図だ。
「未来予測を超える速度と手数であなたを…「仕留め」ます」
先程とは比べ物にならない凄まじいスピードでアルジェンはアイスエイジクイーンに切迫した。
アイスレイピアを削り斬るかのように。
「無駄でしてよ!その様に来ると分かっているならこちらも相応の対処ができましてよ!」
アイスエイジクイーンは瞬間的に、自身の身を覆う氷のバリアを展開したのだ。
「全方位を凍らせてしまえばいかに早くともわたくしだけを狙って来るのですから飛んで火にいる氷河期の虫の如く落ちるだけですわー!」
その氷のバリアは極冷の氷の力を纏っており、触れるだけで触れた者があっという間に凍り付いてしまう。
「ならば凍る前にバリアから武器を離し、何度も削り倒すまでです。」
アルジェンは宝剣の他に、ハルバードとブーメランも取り出した。
「後ろががら空きでしてよ本職エンドブレイカー!『アイスエイジ』で眠りにつくが良いですわー!」
アイスエイジクイーンはバリアの中からバリアの外に向けて、猛寒波と猛吹雪を放った。
ごうごうと冷え凍てつく中を、アルジェンはじわじわと凍らされながら、しかし高速機動による空気摩擦でギリギリ熱を帯びて動く。
後ろや周囲から氷の槍が幾重も飛んでくる。
量産型氷自動鎧「絶晶」に乗り込んだ他の悪魔達の攻撃だ。
「その絶望《エンド》、|破壊《ブレイク》させて頂く!」
アルジェンは動き回りながら、ブーメランで四方八方にアイスエイジクイーンの氷を切り刻み、更にハルバードを幾度も突き立てる。
それも1度や二度ではない。何度も同じ所に突き立て、バリアを破壊しようとせしめた。
「これで!」
「無駄ですわ!」
氷のバリアが砕け割れたその瞬間、アイスエイジクイーンは後ろに飛びながら、破壊直前で隙が出来たアルジェンにアイスエイジの猛吹雪を放つ!
いつ壊れるか、どういなしてくるかが、アイスエイジクイーンの瞳の悪魔に見切られ続けているのだ。
「僕達は何度も何度も倒す事によりどんな絶望も覆してきた。僕の本当の狙いが分かるかアイスエイジクイーン!」
「何ですって?……あ、うっ!?」
次の氷バリアを張ろうとした瞬間、アイスエイジクイーンに隙が出来た。
いつの間にか後ろにはビル壁。
避けた先の事は予知も考えもしてなかったのだ。
「その隙を逃がしません!」
「くっ……!」
一瞬交差する宝剣とアイスレイピア。
勢いでアルジェンは跳ね飛ぶが、アイスエイジクイーンは膝をつく。
予知を超え、確実な一太刀が今、氷河期の女王に刻まれたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
レパル・リオン
【カタラ】
うーん、うーん!…ぷはっ!も、元に戻ったわ!
悪魔の黄金化パワーがやっと切れた…のかも。わかんないけど…いっか!
うーん、今日もナミルちゃんは欲まみれ。でもそれでこそよね(慣れてる)
よーし、ふたりでクイーンをやっつけるわ!マジカル気合で変身よ!
何度でも登る太陽パワー!イェーガー・レパル!
きゃー!魔法獣女ナミルちゃん!可愛くてカッコいい〜!
んにゃっ(カチンコチンに凍らされる)
ううーん、動けないっ!でも心までは凍らないわ!マジカル…気合ぃぃぃ〜!
ナミルちゃんあたしも痺れるううううう!
でも電気の熱とパワーで…氷が、割れたわ!
雷と太陽と友情のパンチ!クイーンを貫けえええ!!!
ナミル・タグイール
【カタラ】
にゃ!ホントに何とかなったにゃ!動けるにゃ喋れるにゃ!
アイス何とかにもお願いできマスにゃ!
もっと金ぴか欲しいにゃ!
もっともっともーっと金ぴかよこせにゃ!!!
金ぴかのまま動けるのがいいデスにゃ(強欲猫)
叶えてくれないにゃ?ならブッ飛ばしマスにゃー!
レパルと一緒に変身にゃ!
イナズマダッシュで金ぴか奪うにゃ!ゴールドナミルにゃ!
どーデスにゃ、この金ぴか衣装!
ぎにゃっ(カチンコチンに凍らされる)
にゃー!折角の金ぴか衣装が真っ白にゃ!さてはアイス何とか、金ぴか嫌いにゃ?(誤解猫)
とにかく許さんデスにゃー!
動けないけど金ぴか雷パワーを起こして、みんなみんなビリビリさせてやるにゃ!
●ゴールド・トランス・リベリオン
「うーん、うーん!…ぷはっ!も、元に戻ったわ!」
「にゃ!ホントに何とかなったにゃ!動けるにゃ喋れるにゃ!」
戦場まで転がり佇んでいた、抱き合った姿のレパルとナミルの黄金像は、ひとりでに元の肉体を取り戻していた。
「元に戻れたのは悪魔の黄金化パワーがやっと切れたから…なのかも。わかんないけど…いっか!」
「これでアイス何とかにもお願いできマスにゃ!」
開口一番、ナミルは騒動の元凶であるアイスエイジクイーンへと駆けて行った。
「うーん、今日もナミルちゃんは欲まみれ。でもそれでこそよね」
レパルはもはや慣れたものである。
「おまえがアイス何とかだにゃ?願いを叶えてくれると聞いたにゃ!」
「もっと金ぴか欲しいにゃ!もっともっともーっと金ぴかよこせにゃ!!!金ぴかのまま動けるのがいいデスにゃ」
「あら、あら……折角ですわ。その願い叶えて差し上げましょう。」
「にゃにゃ!」
アイスエイジクイーンが悪魔達に何かを用意させた。
黄金の液体が詰まった巨大なプールだ。
それを街の広場にわざわざ悪魔総動員で用意させてきた。
「にゃー!金ぴかですにゃー!金ぴかがプールになってルにゃー!」
早速うにゃー!とナミルが黄金プールに飛び込んだ。
「今ですわ!」
するとアイスエイジクイーンは何かのボタンを押した。
プールがいきなりギギギと音を立て狭まっていく。
「?!~~~!………………」
あっという間に液体黄金ごとぎゅっと潰されるナミル。
と同時に、氷河期を思わせる様な極大の冷気が、潰れて板状になったプールの内側から勢いよく吹き出した。
「完成ですわ!」
板状のプールが扉の如く開くと、中からは巨大な硬貨が現れ、ごろんと地面に落ちて転がり、倒れた。
硬貨にはレリーフ状に、黄金の姿形をしたナミルが浮き上がっている。
「なっ、ナミルちゃん~!!?」
「お~っほっほっほ!そんなに黄金が欲しいなら自分が黄金になればいいのですわ!というわけで叶えてあげましたわ。新通貨『|N《ナミル》!』」
なんと、ナミルはデビルキングワールドの貨幣になってしまった!
突然の事にびっくりしながらもどこか幸せそうな表情をしている|貨幣《ナミル》。
「所で貴女は連れの方かしら?折角ですから貴女の願いも叶えて差し上げますわ。……そこの猟兵様方と同じで良いですかしら?」
「勝手に決めないでよ!あたしは……特にないけど!しいて言うならアンタをやっつける事よ!|変・身《レパル・トランスフォーム》!」
誰もが内に秘める生命誕生のパワーによって、ライオンらしき魔法獣女に変身したレパル!
マジカル腕&足輪のルーンストライカーを発光させて、必殺の一撃をお見舞いにかかる。
「あら」
それをアイスエイジクイーンはひょいと避け。
「まあ」
返しに氷のレイピアを振り、氷河期魔法で瞬時にレパルを氷像に変えた。
「!!?」
瞬時にカチコチに凍ったレパルは、勢い余って氷河期な戦場の積もった雪だまりに頭から突撃してしまう。
「さあ回収なさい。そしてもう一枚新貨幣を作る準備をするのですわ!」
アイスエイジクイーンが指を鳴らす。
黄金のプールが再び運び込まれ、同時に雪から引きずり出した冷凍レパルがわっせわっせと運ばれる。
「(う、動けないっ 2回連続でナミルちゃんと同じ目だなんて~っっ)」
「このプールの正体は、溶かした大量の|D《デビル》でしてよ。これに漬け込んで」
レパルが黄金のプールに沈められる。
溶かした貨幣だけあってとても熱いようで、すぐさま表面の氷は溶け、同時に全身がくまなく黄金に漬け込まれる。
「(あ、熱っ!?ドロドロする!?まっ、やめ、あっっ!?)」
「そして圧縮し」
プールの壁が迫ってくるが、一面黄金の視界の中でそれに気づく事は出来ない。
もがいたまま、がしゅうと硬貨の形に潰されるレパル。
「最後に冷却!」
ぷしゅう、と、氷河期の様な冷気が襲ってあっという間に固まっていく。
1分もかからない内にもう身動き一つ取る事は出来なかった。
がらん、と、ハの字に開いたプールの壁の中から、巨大な硬貨が落ちて、転がる。
レリーフ状に、もがいた姿のライオン魔法獣女…レパルの形が浮かび上がる、黄金の硬貨が出来上がった。
「お~っほっほっほ!デビルキングワールド新通貨その2!|L《レパル》のできあがりですわー!」
戦場には|N《ナミル》と|L《レパル》、2枚の硬貨が転がっていた。
「(にゃ!?金ぴかになったのはいいけど……また動けないにゃ!!動けないにゃー!)」
|貨幣N《ナミル》は必至に抵抗しようと、硬貨になった体で動こうとする。
動いた。
「(に、にゃ!やろうと思えば動けるもんですにゃ!)」
「お~っほっほっほ!その辺りも抜かりはなくってよ!お喋り出来ないのが難点ですけども、意識もありますし呼吸しなくても生きられますし、その辺は悪魔的技術によってうまい事調整させて頂きましたわ!つまり、これからあなた方はお金そのものとして一生を過ごすのですわ!素敵ですわね!」
「(にゃーっ!にゃーっ!でもこれだけじゃたりないにゃ!金ぴかになってもまだ金ぴか足りないデスにゃ!)」
ぐわんぐわんと、その場で斜め回転して意思表示を行う|貨幣N《ナミル》。
「なるほど足りないと。でしたら暫く大人しくして頂けますかしら。」
そんな|貨幣N《ナミル》に近づいて、抱きしめ、きゅっとハンカチで拭き磨くアイスエイジクイーン。
「魔界銀行の氷河期大金庫の中に、これから量産する大量の|N《ナミル》と共に大切に保管して差し上げますわ。ずっとお金に囲まれる生活が保障されましてよ」
「(にゃ!?金ぴかいっぱいもらえるですにゃ!?どこにゃ!?どこデスにゃ!?)」
「(ナ、ナミルちゃ~ん!閉じ込められちゃうよ!だめ~!)」
|貨幣L《レパル》もまた意志が残っており、動ける事が出来たため、その場で回転して立たせたコインの様な体勢にしてから、アイスエイジクイーンに転がってぶつかり止めようとする。
しかし|貨幣L《レパル》は、アイスエイジクイーンの差し伸べてきた手にあっさり掴まってしまった。
「そうですわね通貨は2つ作りましたもの。|L《レパル》も仲良く量産して保管しなくてはいけませんわ!」
「(え、ええぇ!?)」
「つまるところ黄金が2倍になりましてよ。嬉しいでしょう?」
悪魔のささやきを|貨幣N《ナミル》に漏らすアイスエイジクイーン。
「(にゃ!にゃにゃ!レパルと一緒に金ぴか生活にゃー!)」
「というわけで一時戦線離脱しますわ!ついてらっしゃい!この街の魔界銀行に新通貨を預けに行きますわよー!」
悪魔達と共に|通貨N《ナミル》と|通貨L《レパル》が運ばれていく。
コインとなった二人はその後、誰にも開けられない邪魔されない氷河期の大金庫の中で、一生過不足無い黄金の硬貨に囲まれて、自身も硬貨となって過ごしていくのであった。
「(めでたしめでた――じゃないわよ!これじゃあ魔法獣女を続ける事できなくなっちゃう!たとえ魔法獣女の名と姿だけは硬貨として魔界全土に知らしめられたとしても!」
|貨幣L《レパル》から強い輝きが放たれる。
「(何度でも登る太陽パワー!イェーガー・レパル!)」
より派手で、太陽の如きサンライトパワーの衣装を纏った、豪華で凛々しき姿をした魔法獣女レパルの……黄金硬貨が!
アイスエイジクイーンの手を離れ、戦場の宙に浮かび上がった!
「(ってちょっとー!!コイン化まだ解けないんだけど~!?)」
沢山集めれば平気でカタストロフを起こす事が出来るという不思議な力を持つ魔界通貨|D《デビル》。
これを材料にして作られたせいか、全然解ける気配がない。
多分この戦いが終わったら都合よく元に戻れるとかそういうのだろう。
「(え~い!こうなったらヤケよ!いいわねアイスエイジクイーン!あたしこんな姿になっても負けないんだから!)」
|硬貨L《レパル》は太陽の力を得て赤熱しながら空中で高速回転している。
「(にゃにゃ!?願いを叶えてくれるのにレパルはやる気だにゃ!?さてはもっと沢山の金ぴかを得る手段を思いついたですかにゃ?)」
それに応じるかのように|貨幣N《ナミル》から金色の雷が迸り、電気の爆発と共にアイスエイジクイーンの手から離れ、宙に浮く。
|硬貨L《レパル》に合わせて、|硬貨L《レパル》の隣で、より眩しく輝き、|貨幣N《ナミル》はより装飾過多の装備に進化した|GN硬貨《ゴールドナミル》となり、硬貨の中にに金色の雷を溜め、表面に|迸《ほとばし》らせる。
|GN硬貨《ゴールドナミル》となったならもう片方は|SL硬貨《サンライトレパル》と呼んでもいいだろう。太陽が故に。
2枚の硬貨は反逆を示すかの様に高速回転し、勢いよくアイスエイジクイーンに向かって……飛び出した!
「まあ躱しましてよ」
普通にひょいと2枚の攻撃を避けるアイスエイジクイーン。
忘れてはいないだろうか。今回のアイスエイジクイーンはエリクシルだけでなくエンドブレイカーも兼ねている。
予知特化の絶滅悪魔軍団によって見切り躱す事は容易い。
「(まだよ!)」
「(イナズマダッシュですにゃ!)」
豪華な2枚の硬貨は黄金の縦回転によってぶつかったビル壁を壁面走行し、戦場の壁を縦横無尽に駆けていく。
高速に、高速に、より高速に。
遂にはその速度が光より速くなっていく。
光の軌跡を生む|GN硬貨《ゴールドナミル》と|SL硬貨《サンライトレパル》が、勢いよく弾き飛んでアイスエイジクイーンに切迫する。
予知より速い突撃であればアイスエイジクイーンもいなす事は出来まい!
「溜めた時点でいつ来るかはわかっていましてよ!わたくしの部下達よ!絶滅悪魔軍団よ!」
戦場にいる悪魔全員が一斉に氷の魔力を溜めて、タイミング良く解き放った!
「「「「「合体氷河期魔法『ディノホロボシータ』!!!」」」」」
一瞬鋭い閃光が戦場を覆ったと思ったら、凄まじい爆発がアイスエイジクイーンの足元で起き。
煙が晴れた後、限りなく透明な氷のブロックの中に、2枚の硬貨が閉じ込められていた。
きらきらと氷の輝きに反射して輝くその硬貨の美しさは見事という他ない。
「(ん、んにゃーっ!)」
「(ぎにゃっ…!)」
「(カチンコチン…)」
「お~っほっほっほ!気が変わりましたわ!反抗期抜群な猟兵様方2名は、そのまま氷のショーケースに入れて2,3日くらい博物館に寄贈・展示させて頂きますわ!」
必殺の一撃も成す術なく氷に閉じ込められた、2枚の硬貨。
「(今なんて言ったにゃ?)」
しかしアイスエイジクイーンの台詞が|GN硬貨《ゴールドナミル》の逆鱗に触れた。
「(金ぴかの無さそうな博物館に展示ですにゃ…?最初の約束はどこ行ったですかにゃ…?硬貨をよこせにゃ…貨幣をよこせにゃ…通貨をよこせにゃ…金ぴか寄越せにゃ…!)」
絶対零度の氷の中でバチバチと金ぴかの雷パワーが再び巻き起こる。
「なっ、意識諸共凍らせるように放った筈でしたのにまだ意識が……しまったですわあばばばば!!?」
勢いよく解放された電撃が、氷を貫通して傍にいたアイスエイジクイーンに感電!
「(とにかく許さんデスにゃー!)」
凄まじい電気、そして|SL硬貨《サンライトレパル》からも太陽の熱が急激に開放!
温度差によって氷が勢いよく割れる!
「(ナミルちゃんあたしも痺れるううううう!)」
痺れながらも太陽の熱で応戦する|SL硬貨《サンライトレパル》!
意外と体力は限界に近い。相方の電撃が黄金硬貨の身体にはすごい通電してしまう為、ダメージがすごいのだ。
「(これが最後の一撃!雷と太陽と友情のパンチ!)」
「(金ぴか雷パワーでみんなみんなビリビリさせてやるにゃー!)」
それでも浮き上がった2枚の硬貨は、予知も見切りも関係ない間合いからアイスエイジクイーンに向けて。
「(クイーンを貫けえええ!!!)」
「ば……馬鹿なですわああぁばばばばばばーーー!!?」
雷と太陽の塊となった硬貨による突撃をぶち込み、アイスエイジクイーンを吹き飛ばしたのだった!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
チリー・スティーリア
「まさに氷河期、なんという絶景...なるほど、未来を見られていては、私も氷の眠りにつくほか無いでしょうね」
悪魔達が凍りつき、冷気の満ちる空間ににうっとりしつつ、アイスエイジクイーンに挑みます
近づけるまでアイスエイジクイーンに近づき、【無音雪獄】を使用、周囲を猛吹雪で音も光も無い暗闇にします
「ここで未来を見ても意味は無いわ、その目は闇を見せるだけだもの」
暗闇で未来予知の目を封じる作戦を取り、自身は猛吹雪と共に加速、アイスエイジクイーンには凍てつく突風の減速を与えながら戦います
●絶対零度の剣閃
「まさに氷河期、なんという絶景...なるほど、未来を見られていては、私も氷の眠りにつくほか無いでしょうね」
もこもこの防寒着を着た氷の女王の様な装いの、九尾の狐尾と狐耳を生やす女性、チリー・スティーリア(絶対零度の案内人・f29046)がこの地に踏み入った。
氷河期の様な街の広場の中で、アイスエイジクイーンに凍らされた悪魔達を見て、うっとりと艶めかしい視線を送る。
チリーはアイスエイジクイーンにゆっくりと近づいていく。
「(この方は確か……何ですの?次に何をしてくるかが見えませんわ。友好的なのか敵対的なのか……)」
アイスエイジクイーンが考えあぐねていると、チリーが口を開く。
「ここで未来を見ても意味は無いわ、その目は闇を見せるだけだもの」
するとチリーから極寒の吹雪が放たれた。
『貴方の熱も音も、闇の中で吹雪が全てを奪って行くわ』
ユーベルコード【|無音雪獄《ムオンセツゴク》】。
あらゆる音と光を吸収する猛吹雪が、アイスエイジクイーンと取り巻きの悪魔達の視界と聴覚を奪う。
「これは!」
音も光も感じない闇の吹雪の中、突風が吹き荒れる。
猛吹雪の突風に乗って、絶滅悪魔軍団の軍勢を飛び越え、チリー・スティーリアが飛び込んできたのだ。
「観えなくてもやれる事はありましてよ!【氷河期召喚術『ジュデッカ』】」
アイスエイジクイーンの周囲から、瞳の悪魔とは別の氷の悪魔が大量に現れる。
「肉壁となって数で押しなさい!もしくは氷の壁で迎撃なさい!」
しかしアイスエイジクイーンの声は届かない。
闇の吹雪の中では通じないのだ。
「!」
チリーが目の前に現れる感覚がし、直感で氷のレイピアを作り、振るう。
ラスボスを名乗っていた彼女の力は、チリーの振るった凍結刃を受け止めた。
「魂も凍てつく氷結地獄…今回は私がご案内してあげます。」
「小癪でしてよ!」
誰もが感じ取れない吹雪の世界で、凍てつく刃と氷河期のレイピアが打ち鳴らされる。
ほぼ感覚だけでチリーの猛攻を次々と捌いていくアイスエイジクイーン。
予知がなくとも彼女は強いのだ。
しかし、徐々に押されていく。
絶対零度の突風が吹き荒れて、アイスエイジクイーンの動きを押し付け、更に内側から凍らせて、動きを鈍らせているからだ。
「あなたも絶景の一つになりなさい……!」
「しまっ……!」
一閃、チリーの凍結刃がアイスエイジクイーンを切り裂き。
切り裂いた個所から氷が広がっていく。
「……!…………」
アイスエイジクイーンは内側から凍り付き、氷像と化した。
極寒吹雪の、氷河期の世界の中で。
氷河期魔法の具現化とも言われるアイスエイジクイーンはすぐにこの氷を落とすだろう。
それまでの暫しの時間が、戦場に静寂をもたらしていく。
大成功
🔵🔵🔵
テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
うぅむ…また厄介なものを繰り出してきましたね…
何をやっても見切られてしまうので、あの瞳の悪魔を何とかしなければいけませんね…
ちょっと考えた結果、【対生物固化蝋液津波】を発動!
クイーン様を直接狙うよりは配下の悪魔や瞳の悪魔を蝋固めによって無力化するのが狙いです!
…悪魔達に囲まれているので確実にわたしも巻き込まれますが…そこはしょうがないのです!わたしの犠牲によって後に続く猟兵さん達の力になれば…!
ついでに氷漬けの悪魔さん達も解凍できるといいな~?(ただし蝋漬けのまま固まるけど…)
●広場に氷河期よりもキャンドルの海を
「うぅむ…また厄介なものを繰り出してきましたね…」
アイスエイジクイーンに辿り着いたテフラはどうしてやろうかと顔をゆがめ。
「何をやっても見切られてしまうので、あの瞳の悪魔を何とかしなければいけませんね…」
そしてテフラはユーベルコードを放ち、巨大な蝋燭を展開する。
『自爆前提!オブリビオンは蝋まみれで固めてやるのです!!』
テフラの背後の地面から巨大な蝋燭が突き上がったかと思うと、大量の生温かい溶けた蝋が津波の様に放たれた。
この蝋の津はアイスエイジクイーンを逸れ、周りの悪魔……絶滅悪魔軍団や、氷漬けの悪魔達に押し寄せて呑み込んだ。
「?あの兎猟兵は何をしているのかしら?」
わざわざ周りを攻撃?と考えるアイスエイジクイーン。
彼女はテフラの行動が読めない。
展開した絶滅悪魔軍団は、アイスエイジクイーンの終焉を予知する為、それ以外には無頓着になってしまうのだ。
「まずは周りから。徐々に押し寄せて、ついでに周りの瞳の悪魔さんも巻き込んでやるのでうわっ!」
テフラは足元を掬われる。自分の出した蝋の津波に自身も巻き込まれたのだ。
「うっ!?うわーっ!助けてくれ」
「ギャアアァアァァ!!」
「誰だこんな所に蝋流し込んできたや……熱っ……何だこれ固まる!?待て、や、やめ!」
「う、ふふふふ……悪魔さんもボクもみんな蝋まみれで……す……っ……♪う……ふふ……ふふふ……ふ……」
全てを呑み込む蝋は渦となって徐々にアイスエイジクイーンに押し寄せる。
「小癪です!わっ!?」
アイスエイジクイーンは氷の足場を作りながら蝋を凍らせて難を逃れる。
しかし。
周囲に展開した瞳の悪魔達が、蝋の渦に巻き込まれ、固まっていく。
生暖かい蝋の海の中から、やがてフォンデュの様にドロドロまみれになって固まった悪魔達の残骸が浮かび上がるのだった。
「…………」
その中には幸せそうな顔をして浮かび上がる兎キマイラ獣人、テフラの姿もあった。
アイスエイジクイーンがアイスレイピアを地面に打ち付ける。
ピキリ、パキリと、たちまち蝋は凍り付き、固まった蝋の海となって戦場に静寂が訪れた。
「やってくれましたわね……!」
アイスエイジクイーンの周囲の悪魔達の殆どが固まった蝋の海の中に閉じ込められた。
予知が減じる中、次なる猟兵が彼女にかかってくる。
大成功
🔵🔵🔵
シエナ・リーレイ
●アドリブ絡み可
自信満々に策を晒す女王様に対し思考を巡らせるシエナ
少しして結論に至ったシエナは笑顔で氷漬けの悪魔を目指し駆け出します
周りの子と仲良くなればいいんだよ!とシエナは結論を口走ります。
女王様の予知は自身の危機に対する事のみで配下や氷漬けの悪魔を『お友達』に迎える分には問題ないと考えたシエナ
悪魔を閉じ込める氷を[怪力]で砕いた後に『お友達』に迎え、『お友達』も周囲にいる配下を『お友達』に迎える為に動き始めます
素敵な未来を見せてあげてね!とシエナは『お友達』にお願いします。
瞳の子を『お友達』に迎える事が出来ればシエナは女王にシエナにとっては素敵な未来を見せる様にお願いします
●予知ジャック
自信満々に策を晒す女王様に対し、シエナは思考を巡らせた。
少しして結論に至ったシエナは笑顔で氷漬けの悪魔を目指し、駆け出す。
「周りの子と仲良くなればいいんだよ!とシエナは結論を口走ります。」
今しがた固まった蝋の海の中をシエナは滑る事無く駆け続け、凍って、蝋まみれになり、更に凍らされた悪魔に向かって拳を突き出し、思いっきりぶん殴った。
気持ちよくかち割れる、広場中に響く甲高い破砕音。
恐るべき怪力によって氷と蝋の塊の中から悪魔の肉体が出てきて、倒れ込む。
「う……ぉぉ……!助かったの……か……!?」
「わたしはシエナ。あなたもお友達になりましょう!とシエナは友愛のハグをおかけします。」
「あ!? !!?あ゛……っぎゃ……!……やめ……」
間髪入れずシエナにハグされる悪魔。
人形化の呪詛を纏い満ち溢れる親愛と好意のハグが、悪魔さえ無慈悲に呪いに侵し、悪魔が生物の体をしていた事を忘れさせていく。
「………………」
作り物の虚ろな瞳を映し出す悪魔が手に入った。
シエナは蝋氷を破砕し、ハグし、『お友達』を増やし続ける事により、戦力を確保した。
その中には先程テフラが固めた瞳の悪魔もいる。
シエナは『お友達』に迎えた悪魔達と共にアイスエイジクイーンに切迫した。
「お~っほっほっほ!その様な付け焼刃の軍勢で倒しに来るなどお笑いですことよ!もっと沢山の絶滅悪魔軍団よ!おいでませですわ!氷河期召喚術『ジュデッカ』」
アイスエイジクイーンの背後から、更なる絶滅悪魔軍団の軍勢が押し寄せた。
先程の瞳の悪魔も沢山いる。予備は十分という事か。
「素敵な未来を見せてあげてね!とシエナは『お友達』にお願いします。」
ゾンビの様にわらわらとした動きでアイスエイジクイーンに攻撃を仕掛けようとするシエナの軍勢。
「お~っほっほっほ!その様に攻撃を仕掛けようと予知によって全てを覆すのが今回のわたくしです……わ……?」
アイスエイジクイーンの脳裏に別の感覚が伝わってくる。
瞳の悪魔によって見る未来の光景に、シエナに人形にされて弄ばれる光景が映し出される。
「なっ、既に敗北した光景を!?これは」
瞬きすると、一瞬悪魔達の攻撃が見えて見切れ出すが、すぐさま別の光景が映し出される。
シエナに『お友達』にされて、四肢をバキバキに折られる光景が。
「これは……絶滅悪魔軍団を、おジャックされましたのかしらー!?」
「シエナは『お願い』します。女王に、シエナにとっては素敵な未来を見せる様にお願いします。」
「くっっ!」
アイスエイジクイーンは辛うじて、本人の実力も兼ねてのアイスレイピアさばきと、悪魔軍団の指揮でシエナ軍勢を押しつぶしていくが。
ちらつく未来ジャックに鈍くなってきた攻撃に、幾度も押し返されていく。
そして軍勢をかき分け、隙を見たシエナが飛び掛かり。
「あなたも『お友達』になりましょう!とシエナは満面の笑みを浮かべ抱き着きます。」
「しまっ…予知がブレて!ぎゃああぁー!ですわあぁあぁー!!」
アイスエイジクイーンに怪力のハグをかましたのだった。
「ぜぇ、はぁ…!」
何とかハグを振り切り、呪いを凍らせて原型をとどめるアイスエイジクイーンだが、残す体力はもう一息で尽きる状態である。
大成功
🔵🔵🔵
四王天・燦
アタシが勝ったら一緒に眠れない一夜を過ごしてもらうぜ
ちょいイケメンスマイルで誘惑しちゃう
先ずは符術で、クイーンと瞳に火属性攻撃×範囲攻撃×乱れ撃ちな爆裂火球を連続投射する
温度を上げて氷属性を阻害できりゃ充分だ
攪乱するように動き回って氷河期魔法から逃げ惑うぜ
デストラップを仕掛けたりと無軌道に悪足掻き
アタシがバテるかクイーンの脳の処理が限界迎えるかの勝負さ
交友を深めたい想いはガチ
肉体の限界を凌駕する魂を燃やし、ディノホロボシータを炎の符術で受け流して回避してやるよ
グラップルで押し倒してチェックメイトを狙うぜ
あとは手土産の暗黒純米吟醸で一晩飲み明かすか、組み合ったまま仲良く氷漬けか、どうなることやら
●ラストスリーパー
「アタシが勝ったら一緒に眠れない一夜を過ごしてもらうぜ」
キザな笑顔を見せて誘惑する燦。
「お~っほっほっほ!逆に眠らせてあげますわ!」
アイスエイジクイーンの予知能力は大きく低下している。つけ入るなら今だ。
燦はその手に稲荷術を広げ、爆炎を込めた稲荷符を弾幕の様に乱れ撃った。
戦場の温度が上がり、蝋と氷が溶け出していく。
「釘付け作戦ですわね!順次凍らせてあげましてよ!」
液化する氷河期の戦場の中で、燦は縦横無尽に戦場を駆け、アイスエイジクイーンの攻撃の狙いを躱す。
それに次いでアイスエイジクイーンが、地面を凍らせて滑走。追尾する様に氷柱の弾丸を連続発射。
稲荷符で相殺し、爆発する炎が幾度も舞う。
「辛うじて読めましたわ!隙を突いて飛び掛かりとどめを刺すつもりですわね!」
アイスエイジクイーンは跳躍し、氷河期魔法で巨大な氷塊を落とし、飛び掛かりも無意味にするような広域攻撃を行おうとしたが。
「しまっ!?あばばばばですわ!?」
雷の糸の様な結界が貼られ、アイスエイジクイーンの足がしびれ、その場で足を止めてしまった。
燦のデストラップだ。
「予知が……!」
「大分満身創痍の様だな!」
予知の悪魔が処理をしきれなかったのだ。
「こうなればこの場で迎撃してあげますわ!配下達!準備は宜しくて!」
アイスエイジクイーンは残る絶滅悪魔軍団と共に冷気を込め、氷河期魔法『ディノホロボシータ』を発動した!
「いきますわよー!」
大寒波が渦を巻いて極大のビームの如く燦に襲い掛かる。
「交友を深めたい想いはガチさ」
そう言って燦は肉体の限界を凌駕する魂を燃やし、ディノホロボシータに炎の符術を添え、爆炎の波を放つ。
「……わたくしの、氷河期魔法が!」
燦のレベルは高い。
最大の氷河期の一撃をいなす様に、横に逸らし、事なきを得てしまった。
「よっと」
立て続けに燦はアイスエイジクイーンに飛び掛かり、掴みかかる。
「終わったら手土産の暗黒純米吟醸で一晩飲み明すか!」
零距離で稲荷符を何度も何度も貼り付けて爆破していく。
「くっ……まだですわ!まだ……!氷河期魔法……!」
アイスエイジクイーンは苦し紛れに氷河期魔法を、自身を中心に放つ。
極大の冷気が戦場に迸り、燦ごと氷河期の冷気の奔流が包み込み……。
冷気の霧が晴れた時、そこにいたのは。
組み付いたまま二人仲良く氷漬けになった、アイスエイジクイーンと燦の姿であった。
さんさんと魔界の日が昇る。
この場で再び、氷河期魔法の力によって蝋や悪魔達は氷漬けになってしまったのだった。
氷河期の氷が日に照らされる中、何日かは溶けるまでこのまま氷の眠りについているアイスエイジクイーン。
かくして、誰も動く事が出来なくなったために、戦いは幕を閉じた。
組み付かれ、予知をいなされたアイスエイジクイーンは、この後敗北を認める事だろう。
恐らくは悪魔達も、歪んだ願いを叶えるブームもまた、終息し、終わりを告げる事だろう。
ブレイクすべき戦いは、かくして幕を閉じたのであった。
大成功
🔵🔵🔵