深淵なるやさしい黒ギャル計画
●誰にでも優しい陽キャの具現化
「ギャルは、オタクにやさしい黒ギャルは存在するんだ……」
暗い部屋で少女がつぶやいていた。いや、そういうの求めるのはどっちかというと少年とか青年では、と思う者もいたかもしれないが、ともかくこの少女はそういった趣味に理解を示してくる陽キャギャルと友達になりたい系の少女だった。
自分一人ではいけないところでも、そういう友達がいたら引っ張ってくれるのではないか、という他力本願を座右の銘の旗に掲げる、なんとも言えない少女である。
そんな、とりとめのない願いを心の片隅に抱きながらも、彼女はなんだかんだ平穏な日常を過ごしていた。
『ふぅん……そういうのが増えたら、人も増えそうだな、よし、任せな』
その声が、聞こえるまでは。
●ふしゃは黒いがギャルではない
「……うちが道端を歩いてたら、そう思われておるのじゃろうか……?」
自分の容姿を鑑みて首をかしげているウルフシャ・オーゲツは、気を取り直して通りがかった猟兵たちへと声をかける。
「世界が黒ギャルであふれようとしておる」
そして、よくわからないことを言い出した。
「いや、ある人物の願いを歪んだ形で叶えるエリクシルという存在がおるのはしっておるかの」
エンドブレイカー世界で活動していたエリクシルの中に、なんとUDCアースにまで出張して願いをかなえようと画策している者がいるらしい。なかなかに仕事熱心な営業である。
「で、願いを何をどう勘違いしたのか、世界にやさしい黒ギャルがあふれさせようとしているらしいのじゃ」
やっぱりわけがわからなかった。
「そうすることで人々の繁栄やら進化やらを狙ってからの収穫をもくろんでおる……らしいからまあ、気長ではあるがオソロシイ計画じゃな」
牧場的な気分なのだろうか。手段はともかく、その目的を達成させるわけにはいかない。
「UDCらしく、怪談話てきな感じで黒ギャルを増やそうとしておるらしい……なんかよくわからないけどよくわからなかったが、とにかくみんな、第一の調査対象は……電話ボックスじゃ!」
最後までよくわからなかった。
しべりあ
幻の生物ぐらいのイメージがあります。本当に存在したら……やばそうですね。ええ。
どうも、しょしんしゃのしべりあです。
もし目の前に現れたら抵抗することができそうにないので、おそらく最強の敵の類だと思っています。にんげんはおろか。
そんなわけでエンドブレイカー世界が実装されたことで楽しそうなことをやっているようです。
最初は公衆電話の調査となります。
どうやら恋愛成就するという噂の公衆電話があるそうなのですが、その実態は、入ったものが閉じ込められた後、男女問わず……性質上ほとんど女子中高生のようですが……陽キャ黒ギャルへと改造されてしまうというオソロシイ代物のようです。
結果としてなぜかいろいろと積極的になって恋愛成就はするらしいのですがこのまま放置するとはるか昔のブーム時みたく世界が黒ギャルであふれてしまうことでしょう。
お、おそろしい。
ということで、まずはどこにあるか、だれが噂を流しているか調べてみてください。
それでは皆さん、よろしくお願いいたします。
……試すことはあんまりおすすめしませんが……止めは、しないぜ?
第1章 冒険
『恋愛成就の公衆電話』
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POW : 公衆電話の設置場所を調べる、実際に試す
SPD : 中高生に聞き込み、尾行する
WIZ : 噂の出所を調べる、不審な人物を洗い出す
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
確かによく判りませんが、放置出来ないことは理解出来ましたねぇ。
最近のUDCアースでは『公衆電話』の数が減少中、『電話ボックス』となれば更に少ない筈ですので、ここは人海戦術で参りましょう。
【饒僕】を発動し『僕』を召喚、該当地域の『電話ボックス』の位置を上空から[情報収集]し、見張りをお願いしますねぇ。
或る程度数は余るでしょうから、残る方々は『そういう噂』に詳しいと思しき『女子学生』を中心に捜索、『その噂を話している方々』が居たら追跡をお願いしますぅ。
私自身は何処かのファストフード店に入り、ネット経由で『噂』を調査、どれかが上手く行けば良く、更に相互チェックも出来ますので。
●数分後、そこにはギャルとなった女子高生と小鳥が
UDCアースに展開している、とあるファストフード店。
その店内で情報端末を操作している一人の女性の姿があった。
夢ヶ枝・るこる(f10980)である。
「確かによく判りませんが、放置出来ないことは理解出来ましたねぇ」
彼女が見ている画面を覗く者がいたとすれば、そこに表示されていたのはネットのいかにもな、恋愛成就等のおまじないの噂に関するページだった。
書いている内容はありがちなものから突拍子もないものまでさまざまだ。
だからこそ、彼女はネット上の情報だけではなく、信奉する女神の僕に協力してもらい、周辺地域からの情報を並行して収集していた。
実際の噂とネット上の話題、さらには現地の現状。
それぞれを精査していくことでノイズを減らし、具体性のある情報を確保していく。
(しってる? 例の電話ボックスの話。北区のあの辺らしいんだけど)
(えー、あっちなの? ……なんか、あのあたり、ガラの悪そうな人増えたよね?)
(ギャルって感じの人多いよね……でもあのあたり昔から不良っぽい人多かったような)
(あれ、でも女の子ばっかりっぽいよね、男の子はどこいっちゃったんだろ)
そんな、街角での会話を、物陰の、もしくは頭上の鳥たちが耳をそばだてて聞いているとは、誰も思っていないだろう。
その動物たちこそが、るこるの信ずる女神の僕であり、情報提供者だ。
現代となっては数少なくなっている電話ボックスの位置を再度ピックアップし、噂になっていた地域と照らし合わせる。
「確かにいくつかあるようですねぇ」
参考情報としてほかの猟兵たちへと共有しつつ、再度噂をしている人々の声に集中する。
(まあ、女の子ばっかりなら大丈夫じゃない? 私行ってみようかな)
(やめといたほうがいいって)
(心配しすぎだよ、帰ってきたらみんなにも教えたげるから期待しててね!)
(あ、こら、どうなっても知らないよ?)
「……ちょうどいい、というと問題がありそうですが、確認は重要ですので……」
噂をしていた女子高生らしき人物についていくように一羽の小鳥がゆっくりと羽を動かすのであった。
「しかし、これ、少し気になりますねぇ」
恋愛成就の電話ボックスの噂の書き込み中にあった文字を、もう一度見直す。
その電話ボックスは本来あるはずのない場所に現れ、誰かが使用すると、近くの別の場所へと移動するらしい。
そう、記載されていた。
大成功
🔵🔵🔵
渋谷・瑠璃
協働等、アドリブ歓迎
黒ぎゃる……なる、ほど。それが、此方の世界の、流行……なの、ですね。
……ちがう?
ともあれ。勤めは、しっかりと。
件の電話ボックスを突き止めるべく、噂に耳を傾けたり、詳しそうな方へ、お話を聞いたり。
聞き込みの際は、警戒心を抱かれないよう。礼儀作法と、誘惑の手管を駆使しつつ。
必要ならば、ユーベルコードも利用して。有用なお話を聞き出せるよう、尽力しましょう。
目的の電話ボックスを突き止めれば、他の猟兵の方へ連絡を入れつつ、現場へ
「これ、が。噂に、なっている……?」
真実か、否か。確かめるなら……と。中へ踏み込んで、みましょうか。
……何かあったら、止めてくださる方が近くにいれば、ですが。
●竹の子かコギャルかガングロか、はたまたスケバンか
「黒ぎゃる……なる、ほど。それが、此方の世界の、流行……なの、ですね」
たしかに、流行していた時代もあった。
それは間違いないのだろうが、その言葉を聞いた人々はなんとも形容しがたい表情で首をかしげている。
「……ちがう?」
実際流行は何度も巡るもので、今も再度注目されているという噂もある。一概に違うとも言い難いが、最先端だったのは数十年程前の話である。
流行の答えが得られないままではあったものの、ともかく調査を行っていた渋谷・瑠璃(f38757)は仲間の猟兵が得た情報を参考にしつつ、噂の場所の周辺まで辿り着いていた。
「このあたり、というお話でしたが……」
噂通り、というべきだろうか。
町の人々の中に黒ギャルの割合が増えているのが目に見えて分かる。
現在の地点ではまだギャルが1に他が9、ぐらいの数だが、それでも十分に多い。
「え、ああ、確かに多いねぇ。でもまぁ……流行ってるとかじゃないの?」
町の人……ある程度年配の人々からすればその程度の認識らしい。
もしかすると、今話しているお店のおば様も昔はブイブイ言わせていたのだろうか。
「でもそうだ、よく来てくれてる、礼儀正しい女の子がいるんだけど……」
「あ、オバさーん、元気ぃ~? いつものヨロヨロ~♪」
「あいよ~!」
そんな時、唐突にやってきた黒ギャルが慣れた感じで注文をしてきた。
「……いきなりああなっちゃったら、まぁ、びっくりするよね?」
どうやら、先程の話の女の子が今来ている黒ギャルらしい。
根本的な性格はともかくとして、派手で開放的な容姿とテンション、そして口調といろいろ変わっているのだという。
被害者がいるならと、瑠璃はおば様との話をそこそこに黒ギャルへと声をかけてみることにした。
「あの……すいません」
「ん? どしたの?」
知らない人に突然話しかけられても、特に疑ったり臆することなく、親しげにに笑いかけてくるあたり、もともといい子なのだろう。もしくは、それが黒ギャルになったことの恩恵なのだろうか。
「電話ボックスの噂……調べてて」
「あー、キミも興味ある系? ウチもおかげでチョーシよくってさぁ~」
噂について聞かれることは珍しくないのだろう。少女は特に警戒する様子を見せることなく話してくる。
が、その内容が問題だった。
「場所は……えーっと、今だったら、そこをびゅーんていってガーンて曲がって、シュバ! でつくから、余裕っしょ!」
「びゅーん、がーん、しゅば……って、え?」
身振り手振りでパッションだけで道を教えた少女は、自分の用事が済んだのか、いつの間にか消えていた。
「……びゅーん……?」
首を傾げる瑠璃だったが、それでも何とか、主に道行く人々に再度確認することでその暗号じみた案内を紐解いていく。
そして、先には確かにあったのだ。
「これ、が。噂に、なっている……?」
電話ボックス。
今となっては見かけることのなくなりつつある、旧世代の遺物。
仲間へ目標と思しき場所への到着を連絡しつつ、様子を伺う。
「真実か、否か。確かめるなら……」
自ら中へ踏み込み、確かめるしかない。
そう思いながらも、周囲を確認する。
さすがにまだ、他の猟兵が来たりはしていない。
しかし、何かあった時のことを考えると一人で挑むのは危険……と、悩んでいるうちに、ふと気が付く。
「……あれ、は?」
すでに何者かが、電話ボックスへと入ろうとしていたのだ。
大成功
🔵🔵🔵
日ヶ丘・美奈
(なるべく黒ギャル化後RPプレイングを守ってもらえれば、他はアドリブ連携大歓迎!)
皆が噂してた公衆電話……多分これだよね?
大丈夫だよコメット。対策になりそうなお薬は全部飲んだから
全然力が無い私が囮で入って、本当に噂の公衆電話かどうか確かめる。本物だったら何か分かる事があるかもしれないから……入るね?
(バタン!……ンー!?)
数分後
「き……キャハー☆……マジヤバじゃないー……」
うう、何されたか分からないの……意識はあるけど喋り方が変になるの。それに気が付いたら変なポーズも……
露出の多いこの服を脱ごうと思っても脱げないし肌も黒いし、恥ずかしいよぉ……とにかく何か手掛かりを見つけなきゃ
●怪しいおじさんやチャラいお兄さんにご注意を
表通りからは少し外れた、さびれた感が否めない裏路地の先。
撤去するほど邪魔でもない、おそらくはそんな理由でまだ残されていたのか。
そう思ってしまうほどの、このまま誰からも忘れ去られるような、物悲しさすら感じる小さな公園の片隅に、それはあった。
「皆が噂してた公衆電話……多分これだよね?」
自分での聞き込みや、仲間からの情報を元に、日ヶ丘・美奈(f15758)は噂の電話ボックスへとたどり着いた。
電話ボックスへと入ろうとする美奈を、傍らのテディベアが心配そうに見上げてくる。
「大丈夫だよコメット。対策になりそうなお薬は全部飲んだから」
美奈が語り掛けたテディベアのコメットからは、これって薬でどうにかなるものじゃない気がするんだ……という、必死の訴えを感じる気はするが、それでも美奈の意思は固い。
「全然力が無い私が囮で入って、本当に噂の公衆電話かどうか……確かめるの」
力が無いからこそ余計に心配なのだろう。
「本物だったら、何か分かる事があるかもしれないから……ね?」
しかし、彼女に引くつもりが無い事を理解したのか、コメットもまた、自分が美奈を守るしかないと気を引き締めたようだ。
「……入るね」
ゆっくりと、電話ボックス内へ足を踏み入れる。
パタン
「えっ、コメット、ドア閉め……?」
扉の閉まる音に振り替える。
そこには透明の扉越しに、いつの間にかボックスから締め出され、首を振っているコメットと目が合う。
勝手に閉まった……いや、何者かが……。
(んー!?)
そして、一瞬、視界の端に小麦色の肌の人影が目に映った後、意識が暗転した。
「き……キャハー☆……マジヤバじゃないー……」
なんということだろう。
数分後、少し離れた路地に、すっかりと黒ギャルになってしまった美奈の姿があるではないか。
(うう、何されたか分からないの……意識はあるけど喋り方が変になるの)
自分としては普通にしゃべっているつもりだった。
だが、自動的に何か同じ意味ではあるが別の言葉へと変わっているのだ。
(それに気が付いたら変なポーズも……)
普段の自分では絶対にしないような、妙に挑発的なポーズになってしまう。
服も露出が多いどころの話ではなく、かといって着替えようと意識しても全然自由がきかない。
それどころか、まだこんなもんじゃ物足りない、といわんばかりにさらに大胆なポーズを取らされてしまう気配すらあった。
(肌も黒いし……恥ずかしいよぉ……)
もじもじしたい、が、それすらも許されない。
だが、事件を調査する、と言った意思は続いているし、自分が行う、いわゆる黒ギャルを回避する行動以外は阻害される気配がないのは、用意していた薬が効果を及ぼしている結果ではあった。
対策していなければ、今の状況を恥ずかしいと思う事すらできなかっただろう。
しかし幸か不幸か、これでこの場所があたりだということは確信できたし、何より、自分の身に起こったことを元に、対策を仲間へと共有できるはずだ。
確認の為、再度、電話ボックスへと続いていた道をのぞき込む。
「……マジ……?」
だが、そこには、先程のもの寂しい公園はなく、何の変哲の無い路地裏が伸びているだけだった。
電話ボックスは、その空間ごと姿を消していたのである。
「……ヤバくない?」
また探し直しかと危機感を感じた美奈。
だが、そのとき、何かに不思議と引かれるような感覚がある事に気が付く。
コメット……かと思ったが傍にいた。美奈が様変わりしすぎて戸惑っているようだが特に何かしている様子はない。
そういえば、情報を収集する際、黒ギャルの人に聞いた時の方が、電話ボックスの位置を正確に把握していた気がする。
もしかすると、黒ギャルになることで、電話ボックスの位置が分かるようになるのかもしれない。
美奈は自分の仮説を確かめるべく、再度捜索の為に歩き出すのであった。
大成功
🔵🔵🔵
涼風・穹
……UDCアースで噂を調べるって…
かなり面倒ではあるけどやるしかないか…
取り合えずSNSや掲示板でそれらしい噂を探してみます
突然誰かが陽キャ黒ギャルになれば少なくとも周囲位は騒ぎになりそうなものだしな
……単にグレたとかイメチェンしたで片付けられるかもしれないけど…
後は、最近突然陽キャ黒ギャル率が上がった地域や学校がないか調べてみて、電脳空間で集められる情報には限界があれば直接現地へ向かいます
……そういえば、あれの予約は今日からだったな
電話しないと…む?
しまった…携帯の充電が切れているじゃないか
……お
こんな所に電話ボックスが
公衆電話も最近は少なくなってきているし助かるぜ
小銭ならあるし早速電話を…
●なおギャル男ではなく本当に黒ギャルにされてしまう模様
情報化の荒波にもまれて育ってきたUDCアース出身の元学生、涼風・穹(f02404)は頭を抱えていた。
「……UDCアースで噂を調べるって……」
調べる事ならば、いくらでもできるだろう。
だが、問題はその正確さを確認するために裏付けの困難さである。
下手に女子学生に声をかけてしまえば、それだけで通報される世知辛さもある。不思議猟兵力がどうにかしてくれると信じるしかないだろうか。
「でも、結構わかってるっぽいな」
仲間が体を張って調べた結果、原因と思しき電話ボックスの位置は固定ではなく、ある一定の範囲で移動を繰り返す性質を持つ、ということが確認できた。
そして、最終的な位置を指し示すのにカギを握るのは、被害を受けたであろう黒ギャルそのもの、というのだから中々にハードルが高い。
被害を受けてない黒ギャル、つまりはもともとの黒ギャルに聞くのは外れ、というのもその厄介さを強化している。
「けど、突然誰かが陽キャ黒ギャルになれば、少なくとも周囲位は騒ぎになりそうなものだしな」
見極めようと思って見極めれるものかどうかは怪しいが、天然の黒ギャルはそこまで多くはない、はずである。
「……単にグレたとかイメチェンしたで片付けられるかもしれないけど……」
幸いと言うかなんというか、突然陽キャ黒ギャル率が上昇している地域に関しては目星がついている。
ということで、現地に足を踏み入れたのだが。
「……あ」
そういう、別のことを考えている時に限って、思い出せそうで思い出せなかった大切なことを唐突に思い出すことがある。
「そういえば、あれの予約は今日からだったな」
後に回せば再度忘れてしまうこともあるし、好評につき予約締切、などとなってしまえば目も当てられない。
だが幸いなことにここはUDCアース。
連絡はすぐにでもとれる……はずだったのだが。
「電話しないと……む?」
ポケットから取り出したスマートフォンの画面をのぞき込む。暗い。そして、ボタンを押しても反応しない。
「しまった……携帯の充電が……」
携帯充電器も手持ちになく、どうしたものか、と顔を上げる。……すると、どうだろう。
「……お?」
気が付くと寂し気な雰囲気の公園にいた穹。その目の前には、あるモノが鎮座していたのだ。
「こんな所に、電話ボックスが?」
さも俺を使え、と言わんばかりの存在感。
「公衆電話も最近は少なくなってきているし助かるぜ」
ポケットから財布を取り出し、確認する。
こういう時、自分がさっきまで何を探していて何を警戒していたか、ということがすっぽ抜けてしまうことはよくある。
「小銭ならあるし……」
さっそく電話を、と、中に足を踏み入れ、受話器に手をかける。
その時であった。
「ねぇ、さすがにそれ、誘ってるよね。キミ、そんなになりたいんだぁ、へぇ~」
耳元に、熱い吐息と共に、楽しそうなささやき声が届いたのは。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『金狐団団員・ガングロギャル』
|
POW : 金狐忍法・戯殺流包
【肌から黒いオーラ】を放ち、命中した敵を【黒ギャル女子化効果のある黒いオーラ】に包み継続ダメージを与える。自身が【黒ギャル女子らしい行動・言動を常に】していると威力アップ。
SPD : 金狐忍法・戯殺流呼
自身の【自撮り写真やSNSへの投稿】を代償に、1〜12体の【黒ギャル女子化能力を持った黒ギャル女子】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
WIZ : 金狐忍法・戯殺流粘
指定した対象を【黒ギャル女子】にする。対象が[黒ギャル女子]でないならば、死角から【対象によく似た顔立ちの黒ギャル女子軍団】を召喚して対象に粘着させる。
イラスト:すねいる
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●だいたいこいつのせい
「女子だけじゃなくて男子も、しかも猟兵もギャルになりたいなんて、いい世の中じゃない?」
いつの間にその場にいたのだろうか。この世のものをすべて黒ギャル女子にするというオソロシイ力を秘めた黒ギャル女子集団がその公園の周囲を取り囲んでいた。
「これならわざわざ隠れなくてもよさげじゃね?」
「だよねー、だれも止められないっしょ!」
周囲はすでにすべて黒ギャル女子となってしまっている。
このままでは猟兵を含めたすべてが黒ギャル女子になる日も近いかもしれない。
幸いなことに移動することはやめたようだ。
何とか黒ギャルになることを避けながら相手を殲滅しなければならない。
……まぁその、たとえ、黒ギャル女子になったとしても、強い意志をもつ猟兵のあなたたちなら、たぶんきっとそのまま戦えるでしょうし、大丈夫だと思います、はい。
渋谷・瑠璃
セリフ、協働等のアドリブ歓迎
現れました、ね。武力で解決ができるなら、こちらの方が楽なほど
奇怪な術を使うようですが。上手く見切り、受け流してしまえば……
「わァ……ぁ……」
ダメでした
でも口調が変わっても長々話せない所は変わらず、黒ギャルにデコられても戦闘力据え置きなら問題なし
ともあれ、イキってるパリピを秒でリムる形で
敵が数で勝負するなら、こちらはエグいぐらいヤバい面の攻撃で対処
「ドチャくそ、寒い?それ、な」
【天牢雪獄】で敵を蹴散らしつつ、接近戦では攻撃を見切り武器で受け流し
単体で来る敵は『氷翠』で切り込み『回雪』の追撃、集団で来る敵は『雪裏清香』と『雪化生』で天候操作による暴風雪と地形破壊で攻撃
●白き景色に踊る黒
戦場となった寂れた公園。
そこを取り囲んでいるのは場所にそぐわない、無限を思わせる人数の黒ギャル集団だ。
駆け付ける前に得た情報では、近辺は既に黒ギャルしかいないらしい。
もしかしたら情報取集の際に話を聞いていた一般人の皆様も、このギャル集団の誰か一人になっているかもしれない。
「現れました、ね」
そんな恐ろしい黒ギャル改変能力者たちと対峙していながらも、瑠璃の顔に焦る様子は無かった。
見えぬ現象や相手を追いかけるよりは、武力で解決ができる方が楽ではあった。
「へぇ、やる気ぃ? うちらのパない数見てもぉ? マジぃ?」
「奇怪な、術を、使う、ようです、が」
どれだけ数が多くとも相手はギャル。戦闘が本職な類の相手ではない。
ならば、上手く見切り、受け流してしまえば問題ない。
……と、思っていた瑠璃だったが。
「わァ……ぁ……」
ダメだったようである。
数が多くて見切るどころの話ではないのと、そもそも相手の攻撃に触れてしまった時点で効果を及ぼしてしまうようだ。
「油断大敵、的な?」
だが、口調が、外見が、なにかいろいろ雰囲気が変わったとしても、瑠璃の長く話せない所は変えることはできなかった。
「黒ギャルに、デコら、れても」
肌が黒く、メイクは派手め、衣装は大胆に、そしていろいろと隙が大きく……つまりは動きが大胆になっている気もするが、戦闘力という面でもそれほど問題はない。
時間が経過すれば精神汚染が進むようだが、その前に片付けてしまえばいいだけだ。
「……イキってる、パリピは、秒で、リムる」
「はぁ~? ウチらナメすぎじゃね? みんなー、ガチめに超MMCだわ」
謎の暗号で会話をしているようだが、向こうは数で勝負しようとしてくるのは間違いない。
対抗するためにと、瑠璃は広範囲に影響を及ぼす相手の弱点……ギャルは基本的に薄着であるという点を付いた、えげつない奇跡を呼び込む。
「なんか……サムくね?」
カワイイの為にあらゆる外装をパージしている黒ギャル集団は突然下がった気温に動きを鈍らせ始める。
「いや、動けないくらいって、おかしくない?」
「ありえなくない? 雪降って来たんだけど!?」
雪、そう雪だ、しかもただの雪では終わらない。
みるみるうちに周囲は吹雪が吹き荒れる極寒の環境へと様変わりしたではないか。
「ドチャくそ、寒い? それ、な」
「南のヤツらこれでヘバんの、ユルくない?」
だが、その寒さの中でも一人だけ元気に飛び出し、接近戦を仕掛けてくる黒ギャルがいた。
彼女こそ、極寒の中でもギャルを貫いてきた猛者、北のギャル長的な何かだ。
試される大地にて鍛え上げられた豪脚が瑠璃に襲い掛かる。
「結構、エグい、でも……」
しかし、瑠璃は冷静に、静かに、されどいつもより少し大げさに、手にした氷の刃を躍らせる。
「ぐぶっ……」
「寄らば、斬る、的な?」
「カワイくない、声、でた……つら……たん……」
謎の言葉を残し、北のギャルは倒れ伏した。
この吹雪により、かなりの黒ギャルが制圧されたが、まだまだ黒ギャルが尽きることはない。
次なる黒ギャルに向け、瑠璃は吹雪と共に駆け出すのであった。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
ギャルの定義とは一体?
まあ、容赦は不要そうですねぇ。
『FAS』を使用し飛行、【仰域】を発動し『乳白色の波動』を纏いますねぇ。
更に『FTS』で回収と着脱を行い、ギャルの天敵『生徒指導風の女教師風の衣装』に着替えますぅ。
……体型の関係で、色々と『あぶない姿』になって居る気もしますが。
『黒いオーラ』は『非実体且つUCの攻撃手段』と、非常に【仰域】で吸収し易い性質の上、『継続ダメージ』ですから『吸収によるエネルギーを供給し続けてくれる』状態になりますぅ。
後は『FPS』の『概念結界』で周囲を封鎖し流れ弾や離脱を阻止、『F●S』各種による[範囲攻撃]で『教育的指導』を行いますねぇ。
●彼女たちは品行方正なギャルになったらしい
「ギャルの定義とは一体?」
褐色の肌で流行の格好をしていればいいのか。
最新の言葉遣いや性質まで求められるのか。
はたまた、心にギャルが居ればいつでもギャルなのか。
黒く、陽気に、大胆になっていた小鳥を思い出しながら首を傾げる。
疑問ではある、が、ギャル本人は『これがギャルである』と意識してギャルをしているわけではないだろう。
今わかることといえば、彼女たちの力に触れてしまえば黒ギャル(概念)になるという事実のみである。
「まあ、容赦は不要そうですねぇ」
るこるはオーラの翼で空を飛び、白い光を身にまとった後、周囲に展開させていた宝玉を輝かせる。
その光の中で何が行われているかというと……着替えである。
「あ、あんた、その恰好は!?」
「ええ、あなたたちの天敵……生徒指導の女教師ですぅ」
いわゆるコスプレの域を出ないはずではあるその服装、だが。
「うわっ……センセーいつも細かすぎー!」
なぜかギャルはダメージを喰らっていた。
「校則違反は見逃せませんからぁ」
「……そういう先生こそ、ヤバくない?」
ギャルが思わず言葉を漏らすほどに、るこるの姿はヤバかった。
だが、服装的には問題ない。るこるのスタイルがスタイルなのが問題だった。
つまりはいろいろなところがぱっつんぱっつんとなってしまっており、青少年にはとてもよろしくないのは間違いない。
もし彼女が学校に居てしまったら、思春期の少年たちは心穏やかに過ごすことは不可能であろう。
「私は規定通りですので?」
平和そうな会話の応酬である。
だが、その裏側では、るこるを黒ギャルの道へと誘うためのギャルの黒いオーラと、それを吸収して自らの力へと還元する、るこるの白いオーラの壮絶な戦いが繰り広げられていたのだ。
「ですので、悪い皆様には、ちょっとした教育的指導、行いますねぇ」
そして、今、るこるの勝利と言う形で決着を迎えようとしていた。
「ちょ、やめ、マジ無理なんだけ……」
るこるの操る各種浮遊兵装での攻撃は、周囲の黒ギャルを次々と爆発させていく。
リア充成分が高まっていたせいなのだろうか。斬撃だろうが砲撃だろうが銃撃だろうが、攻撃方法問わずに受けた黒ギャルは爆発していた。
不思議を越えて奇跡的な何かすら感じる現象である。
結果として、かなりの数の黒ギャルが沈黙したのだが……。
「……あらぁ?」
るこるのオーラが何かしらの影響をもたらしたのか、彼女たちは指導の末、白ギャルになっていたとかなんとか。
なお、しばらくの間、女神様の言葉が若干ギャルみを帯びている、などという眉唾な噂が流れたが、ギャルオーラを吸収していた事との関連性は不明である。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・フォーサイス
なんか、楽しそうな香りがするな。
黒ギャルにしてくれるの?してしてー。ぼくは黒ギャルに詳しいんだ。
おぉー。チョベリグじゃーん。
は?パギャルじゃねーし。超MMなんですけど。
バビってねーし。
よし、これで完璧な黒ギャルだね。で、何すればいいの?
●ギャル離間の計
「なんか、楽しそうな香りがするな」
黒ギャルが集う不思議公園に、ふらふらふわふわとやって来たアリス・フォーサイス。
突如ギャルではない少女がやってきたことに黒ギャルたちは首をかしげる。
「なに、あんたもギャルに興味ある系?」
「え、黒ギャルにしてくれるの?」
「もち! ちょっとタメしてくぅ?」
周りでは戦闘が巻き起こっている気もするが、いつでも通常運行なマインドを持つ黒ギャルはアリスを勧誘してくる。
「してしてー。ぼくは黒ギャルに詳しいんだ」
そして、アリスは完全に二つ返事で引き受けた。
「チョー乗りいいじゃん!んじゃ、バッチリキメるから!」
抵抗するどころか自ら進んでギャルオーラに黒く包まれ、即座に完璧な黒ギャルへと変身したアリス。
「おぉー。チョベリグじゃーん」
しかし、何やら他のギャルとは若干言葉に違和感があった。
彼女の知識の中にある黒ギャルが、世代をいろいろひっくるめたモノだったのが影響しているのだろうか。
「えー、ギャルっぽいけど、なんか……違くね?」
そんなアリスへ疑いの目をかけてくる黒ギャル。
「は? パギャルじゃねーし。超MMなんですけど」
だがアリスは視線を一蹴し、堂々としたギャルムーブで迎えうつ。
「バビってねーし」
なんならやるのかと言わんばかりの挑発的な態度に、ギャルたちは逆に気圧されるほどだった。
「よし、これで完璧な黒ギャルだね」
だが、それもつかの間、一通りギャルっぽく振舞ったからか、アリスは一旦満足していた。
「で、何すればいいの?」
だからこそ、根本的な疑問に突き当たったのでだ。
そう、ギャルになるという目的を達成した為、その後どうするかを何も考えていなかったのである。
「え、何って、もっとギャル増やせばよくね?」
「増やし終わったらどうするんだっけ?」
「そりゃ、……てっぺん目指す?」
「もっとギャル極めるとか?」
「楽しければいいっしょ!」
アリスの問いかけにより、ギャル同士が首を傾げつつ話し合いを始める。
これが波紋となった。
次第にギャルがそれぞれの主張ごとにグループに分かれ、一枚岩でなくなっていったのだ。
ギャルの動きは早い。急速にグループが乱立し、騒動が巻き起こる。
結果として、この派閥争いにより、結構な数のギャルが消えていくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
日ヶ丘・美奈
(少し恥ずかしさが無くなり黒ギャル化継続。アドリブ、連携大歓迎!)
隠れたりは(無意識に大胆なポーズ)あう……駄目みたい
「ま、しゃーなし!こめっち(コメット)、まーさん(魔獣さん)はアタシを守って、すずめっぴ(スズメさん)は例の奴ヨロー☆」
魔獣さんの背に乗って、コメットと一緒に守ってもらう
スズメさんには自撮りの間に入ったりスマホを狙って召喚を防いでもらうの
そういえばこの喋り方、キマイラフューチャーの皆にちょっと似てる気がするの
私はその、皆みたいじゃない無いから、憧れる……かも
「でもさー、やれる事ガンバルとかマジリスペじゃね?」
うー、またお口が……あれ、今の私を褒めてくれたのかな?あ、ありがとう?
●ギャル的にはありがとうの代わりに使われるらしい
周囲に先駆けていち早くギャルとなってしまった日ヶ丘・美奈。
そのせいか、他より精神的な汚染が進んでしまっていた彼女は、恐ろしい事に羞恥心が薄れつつあった。
普段なら戦闘中は隠れるのが基本的な動きだ。
しかし、自分の中に渦巻くギャルマインドが、自らを隠すことなど許さない。
それどころか、隠そうとすればするほど、逆に相手を挑発するかのように堂々と大胆なポーズを取ってしまう始末である。
もしこの姿が記録に残ってしまっていたら正気に戻った後大変なことになりそうで、残念ながら実際ギャルは基本的に動画や写真を撮りまくる。
幸いにして、普段からかけ離れすぎているので、それらを他人が見ても美奈だと認識することはできないだろう。……本人以外。
「ま、しゃーなし! こめっち(コメット)、まーさん(魔獣さん)はアタシを守って、すずめっぴ(スズメさん)は例の奴ヨロー☆」
だがしかし、今の美奈はそんなことを気にしたりなどしない。
普段からは考えられないぐらい快活で、自信をもって魔獣の背に乗るその姿は、既にギャルを越えた何かである。
ギャルたちからしても、コメットと魔獣が周囲を威嚇する中で上に鎮座する美奈の姿は非日常の極みであり、堂々と指示をしている(様に見える)姿は黒ギャルたちにカリスマ的な何かを感じさせることになっていたのだ。
もちろん、その状況に危機を感じ、仲間を集めようと自撮り写真を撮ろうとしていた一部のギャルたちもいた。
だがどうやってもうまくいかない。なぜかすかさず映り込んでくるスズメによりバズることなく撃沈したのだ。
そういったことを繰り返すうちに、美奈が凄いという風潮がギャルの中に広がってくる。
気が付いた時には周囲にギャルが集まっていた。
殺意や敵意ではなく、尊敬だとかエンジョイだとか、そんなふわっとした感情が集まった不思議な空間だ。
そういえば、と思い起こす。
この喋り方もそうだが、雰囲気までキマイラフューチャー的な何かになってきているのかもしれない。
(私はその、皆みたいじゃない無いから、憧れる……かも)
常に明るく振舞えるわけでもないし、みんなみたいに戦えないし、特別な何かが出来るわけでもない。
少なくとも美奈自身はそう思っていた。
そんな時である。
「でもさー、やれる事ガンバルとかマジリスペじゃね?」
美奈の中に生まれたギャルマインドが勝手に口を開かせたのだ。
(うー、またお口が……あれ、でも、今の、私を……?)
そう、ギャルは自分をサゲてばかりではだめなのだ。
自分で自分の出来る事を探し、精一杯実行している。
それはとても、困難で、立派なことだと、自信の持てない自分を、新たに生まれた自分の中の何かが奮い立たせようしているのかもしれない。
(あ、ありがとう?)
戸惑いながら、心の中で感謝をする。
口にすることこそなかったが、確かに、うれしかったから。
その感謝の気持ちが周りに伝播したのだろうか。
不思議とギャル抗争の緩衝地帯となっていた美奈の周囲に、戦いに疲れ果て平和を愛するギャルとなった者までもが集い始めたのである。
気が付いた頃にはギャルたちに推され、中心とされてしまった美奈は、いつしか自分の意思とは関係のないうちにトップと目されてしまう。
そんな紆余曲折を経て、結果的に周辺の、抗争で数を減らしたすべてのギャルをグループに取り込むことで、このギャル騒動を平定したとかしなかったとか。
全てはギャルの噂の中である。
……なお、もう少しギャル化が進んでしまえば感謝が爆発し、周囲に『結婚しよー!』と大声で叫んでしまうかもしれない罠が待ち構えている美奈の明日はどっちだ。
大成功
🔵🔵🔵
涼風・穹
あっさりと術中にはまり陽キャ黒ギャル化します
意識が陽キャ黒ギャルに塗りつぶされていく中…何故か予約電話を入れています
声も黒ギャルっぽい感じになっているのに自分の名前で予約を入れている為、電話を受けた相手側では本人ではなく親しい女性に連絡を入れさせていると思われて後々ややこしい事態になるのですが…それはまた別のお話し…
電話ボックスを飛び出すと股間を確認
身体的にも陽キャ黒ギャル化しており、あるべき筈の漢の宝刀が失われていて絶望の叫びをあげます
……勿論陽キャ黒ギャル言葉で…
しかしそこは悩まない陽キャ黒ギャル
直ぐに切り替えて次々に女性の胸に飛び込みセクハラの限りを尽くします
女同士のスキンシップですよ?
●普段はする(される)ことがない体験
おっぱいに貴賤なし。
涼風・穹の信条である。
そんな彼が、凶悪なそれを目の前にして、即座にまともな抵抗ができるかどうか。
それは、既に黒ギャルと化してしまった穹の姿がすべてを物語っていた。
だが、意識が黒ギャルになろうとも、最後の意地で、やらなければならないことをやりきるのも彼である。
「あー、そうそう、それの予約、おね~♪」
そう、予約である。
逃したら一生後悔する類の物を手に入れるという硬い意思は、ギャルになろうとしていても、その体を動かしたのだ。
いつもの勇ましい声からはかけ離れた、鈴を鳴らすように通る声。
元からどこかに素養があったのか、美声ギャルとなった彼を、彼と認識することはまず不可能である。
その美声の影響で電話先の人にしっかりと覚えられてしまってトラブルになるのだが、そんな未来の話しはさておき。
「マジありえなくない、っていうかないんだけどぉ!?」
絶叫が木霊した。
意識が遠くなってしばらく後、気が付いた時には彼のあるべき筈の魂が、漢の宝刀がお亡くなりになっていたのである。
一体どうすればいいのか、事件を解決すれば直るのだろうか。
何にせよ、いち早くこの事態を収拾しなければ……。
本来ならばそう考えたかもしれない。
だが、彼を汚染していたギャルマインドは、そう思わせなかった。
「……ま、何とかなるっしょ!」
悩んでも答えが出る訳でもないし、だったら今だからこそ、できることを存分に楽しむべきなのであると割り切ったのである。
男ではどうやってもできないこと。
胸をもむこと? いや、それは犠牲を覚悟すれば可能だし、実際、今までも実行してきた。
ではなにか。
それは、女の子同士でセクハ……もとい、いちゃいちゃすることである。
収まりつつあるとはいえ、いまだに周りでは、ばいんばいんとむちむちを兼ね備えた健康的な黒ギャルが争いを続けており、つまりチャンスは無限にある。
早速、ギャルとなった穹……ギャル穹とでもいうべきだろうか……は近くでタイマンを行っていたギャル二人のぶつかり合う瞬間を見計らい、戦いを止めるように間に飛び込んだ。
「な。なにしてんの!?」
「うちらの邪魔してなにすんのさ?」
前後左右からやわらかい何かがぶつかる感覚。
それを感じながら戸惑いの声を上げる二人のギャルの隙を狙い、やわらかなそれをがっしりとわしづかみにする。
「な、なにを!?」
「ありえないんだけどぉ!?」
「せっかくいいものもってんだから、バトってばっかじゃつまらないっしょ?」
あくまでもけんかを止めるために、突拍子もないことをしたのだという風を装い、笑いかける。
「だからって……はぁ、なんでやってたかわかんなくなったし」
しかし、本当に効果はあったようで、毒気を抜かれたかのように喧嘩が収まったではないか。
美声補正もあったのかもしれないし、本人は鏡を見なければわからないことだが、かなり美ギャルになっていたのもプラスになったのかもしれない。
「よし、じゃ、次に……」
まだまだやるべきことはギャルの数だけある。そう思い飛び出していこうとした穹だったが、それを阻んだのは両肩に置かれた手。
「でも、そっちだけってのはズルくね?」
「あんたも結構良さげだし……このもやもや、すっきりさせるのも、セキニンってやつじゃん?」
絶対に逃がさない、という強い意志が力の込められた手からいやというほど伝わってきた。
「……マジ?」
忘れてはならない。楽しもうとするには、楽しまれる覚悟もまた必要なのだと。
自分もまた、今はそっち側になる可能性もあったのだ、ということを。
こうして、しばらくの間、穹はさまざまな初めてに見舞われることになるのだが、何が起こったかは割愛させていただく。
恐らくは、円盤版でしか見ることのできない何か、だろう。
大成功
🔵🔵🔵
稲荷・こん子
・方針
アド/絡み◎
・行動
聞き込みしていたら、町の人達に「可愛い~」等で、もみくちゃにされて遅れたのです!
「褐色…巨乳…どこかで見たような気がするのです…むむむ?」
と言いながら目を瞑り思いだそうと悩むこん子。
その間に無意識に【秘技】を発動させてしまったのです!
すると姿などが変わり…。それに気づかず目を開けて驚く。なんとウルフシャに変身していたのです。
「ウルフシャさんになっているのじゃ~!?」&誰か解り納得
(以下ウルフシャさん《偽》でお送りします▼)
ウルフシャさんの【UC】を借りてギャルを倒すのじゃ!
頑張るのじゃ!
・終了
ふと元に戻ろうとし、自身の体のある一部を見て、元に戻るか悩むこん子がいたとか…
●たとえ借りものだとしても
「うう、大変な目にあったのです……」
稲荷・こん子(f06041)はふらふらとした足取りで戦場にたどり着く。
遅れての参戦ではあったが、実のところ、彼女もわりと早いうちから現場近くには到着していた。
その上で聞き込みとして周囲を走り回っていたのだが、小さな子が精いっぱい駆け回る微笑ましい姿を親切なおばちゃんやおばあちゃんに捕捉されてしまったのである。
まるで孫をかわいがるかの如く接してくる相手に抵抗するわけにもいかず、結果的にもみくちゃにされてしまい、その上お菓子にジュースまでしっかり用意され、抜け出すに抜け出せない状況に陥り拘束されていたのである。
そしてようやくたどり着いてみれば、周囲は無駄にスタイルのよすぎる黒ギャルたちがはびこる群雄割拠の世界であった。
「褐色……巨乳……どこかで見たような気がするのです……むむむ?」
何かが脳裏によぎり、目を閉じ、思い出そうと集中する。
その集中力が無意識に術を発動させてしまうあたり、素質があるというべきか、修行不足と言わるべきか。
結果的に、彼女が目を開いたとき、その姿は普段とは違ったものとなっていた。
「ウルフシャさんになっているのじゃ~!? ……はっ!?」
そう、ここに転送される前に見たグリモア猟兵の姿である。
あの褐色で無駄に贅肉がついている存在と、周りのギャルに何の差があるというのだろうか、いやない。
「なってしまったものはしょうがないのう、ウルフシャさんの力を借りてギャルを倒すとしようかのう! ……しかし、戦うにしても……?」
適当に力を発動してしまえば自分自身がバラバラになったり、よくわからないモノがあふれだしたりと碌な事にならない。今の状態で砕け散ったらこん子がいったいどうなってしまうのかあまり想像したくない。
「なんかわかんないけどぉ、あんたは仲間? それとも、うちらとバトる気?」
「まぁ、まて、待つのじゃ、今から何とかする手段を考えておるでな」
「ってことはやる気じゃん? 何もしないならこっちから行くんですけ……ど?」
その時である。唐突に黒い影が空をよぎった。
「……しもうた、長話しすぎたらこうなるのじゃな……」
UDCアースだろうと何だろうと、少し長めに話をしてしまったという事実により、どこからともなく翼竜が現れたのである。なんだと見上げた時には既に手遅れで、急降下し襲撃を開始した。
幸いなことに、翼竜は話しかけてきたギャルの方を標的として話の腰を折りにかかっている。
放っておけば大暴れしてくれそうな感じではあった。
「やはり他人の力の制御は難しいのう……さて、元に戻ろ……」
そう呟きながら、ふと自分の胸元を見下ろす。
しっかりとした重量を持った、元の自分にはないソレ。
「偽り……でも、もう少しだけ……」
戻るかどうするべきか、こん子が悩むしばしの間、ギャルたちは翼竜に蹂躙され続けたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『エリクシルドラゴン』
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POW : エリクシルブレス
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【宝石】属性の【ドラゴンブレス】を、レベル×5mの直線上に放つ。
SPD : 願望喰らい
噛み付きが命中した部位を捕食し、【対象の願望にもとづく強化】を得る。
WIZ : 絶望の龍牙
【龍の首】が命中した敵から剥ぎ取った部位を喰らう事で、敵の弱点に対応した形状の【龍またはドラゴン】に変身する。
イラスト:key-chang
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●黒ギャルたちの夢のあと
一時は世界を覆いつくすかの勢いで増え続けた黒ギャルたちも、猟兵たちの制圧や彼女たち自身による仲間割れにより、勢いを減らしていた。
そんな状況を見twからだろうか、とうとう一番の元凶が姿を現した。
「マジあり得ない、なんで邪魔するの? ウチはお願い叶えてあげたいだけなんだけど、つらたん」
どこかギャルっぽく、どこか無機質な、ちぐはぐな印象を持つ赤い龍の少女。
彼女こそが強制的に願いを叶えるために異世界から来た願望機。
願いの主の影響か、なにかおかしな要素が混ざっている気がする。
だが今一番大事なのは、おそらく彼女を倒せば黒ギャルにされた猟兵も人々も元に戻るはずだ、という事だ。
「まぁいい、アンタたちにトップギャルになってもらって、世界を染めてもらうから、ヨロ」
肌を焼くどころか全身を消し炭にする勢いの龍の吐息を構え、彼女は笑った。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
不思議な影響を受けておりますねぇ。
あの世界出身の方からすれば珍しいのは理解出来ますが。
まずは『FAS』を使用し飛行、【曝潭】を発動し、先程より更に威圧感の有る『女教師姿』に着替えますねぇ。
『ブレス』は『直線攻撃』、放っても街を巻込まない『空』に配置し『衣装』に付与された『転移』で射線から外れれば、回避は容易ですぅ。
そして『FRS』『FSS』に『対竜特攻』、『FDS』に『対エリクシル特攻』を付与し、[砲撃]と[爆撃]で叩きましょうかぁ。
その際は、地上の方々を巻き込まない様『FPS』の『概念結界』で、余波を防ぎ、『FAS』に『見た者の魅了』を付与して避難を呼び掛けますねぇ。
『強力な能力の付与』で『反動』になるなら、胸の増量で更に『あぶない姿』になりますが、それはそれで?
ところで、竜種ということは。
半分人型ですから難しそうですが、尻尾辺りでしたら美味しかったりしますかねぇ?
同様に『対竜特攻』を付与した『FBS』で[切断]を狙ってみましょう。
無事入手出来ましたらお土産に。
●弱肉強食焼肉定食
たしかにエリクシルの出身から考えれば、ギャルというのは珍しい存在……なのかもしれない。
エンドをブレイクする人々のバリエーション的にはそんな存在もいたかもしれないが、その存在が溢れる世界を望む人間は確かにUDCアース特有だろう。
……いや、UDCアースの中でも特殊ではあるのだが。
「不思議な影響を受けておりますねぇ」
だからこそ、その思念に興味をひかれたのだと考えれば、エリクシルにも好奇心的な何かはあるのだろうか。それとも、それだけその願いが強かっただけなのだろうか。
解決しても何の解決にもならない疑問に悩まされながらも、るこるはオーラの翼で宙を舞いつつ戦闘態勢に入る。
ちなみにこの場合の戦闘態勢とは、ただただ武器を構えるような通常の戦備えではない。
先ほどに引き続き、状況に応じた姿、つまりは相手にふさわしい装いに変わるのである。
光に包まれ、再び変わったるこるの姿。それはまさに女教師。
生徒指導を超えて学年主任クラスかもしれない威圧感を放つその姿に、まだ意識のあった黒ギャルたちは逃げ出すしかなかった。
ちなみにるこるの影響下になっているであろう白ギャルたちは周囲にるこるが展開した被害防止用の結界をもとに避難誘導を始めている。属性によってウケる……もとい、受ける影響が違うようである。
もっとも、今のるこるのはちきれんばかりというか、なぜ服が耐えれているのか不思議なレベルの体型は、ギャルでなくとも色々と脳を破壊される影響を与えてしまう危険性があるのだが。
そんなダイナマイト女教師るこるが相手でも、流石にエリクシルには注意を引くことぐらいしかなかった。
だが、それも作戦のうちだとるこるは上空に舞い上がる。
相手のブレスが地上に向いてしまえば、いくらでも威力が上がりかねない一撃なのだ、周辺の被害が甚大になる。それを避けるためにも攻撃を上に、空へと向ける必要があった。
「たとえセンコーでも、燃やせば良くね?」
るこるの狙い通りに上空へと放たれるエリクシルのブレス。それを真正面から受け止める……ように見せかける。
「跡形も残らないとかウケる……む?」
「そんなヤンチャな生徒にはお仕置きが必要ですねぇ」
直撃の直前に転移することで、エリクシルの頭上に現れたのは無傷のるこるだ。彼女の周囲に浮かぶ、さまざまな球体や盾は既に砲台となり、エリクシルへと照準を定めていた。
「転移とかうちの島じゃノーカンなんだけど」
「それはもうギャルではない気がしますねぇ?」
放たれる砲弾や爆撃。
それを受けながらも表情を変えずに話すエリクシル。だが確実にダメージは受けているようで、あちこちに負傷が目立っている。
「こんな程度でギャルやめられないし……?」
何があっても平常心なギャルマインドが表情を固定させているのだとしたら、恐ろしい話である。
そんなエリクシルだったが、るこるから向けられるどこか熱の篭った視線が自分の尻尾を捉えている事に気が付き、首をかしげる。
「……尻尾の部分だけなら、食べれないでしょうかぁ」
ぼそり、と。しかし確実に聞こえてきた声。
食べる。
それがこの相手の望みなのか。
そんな単純すぎる願いに、望みを、欲望を叶える存在の自分が、震えている。
否、そんなはずはない。そんなことあるはずがない。
「く、食えるもんなら食ってみろし、逆にそっちの柔らかそうな願望、ゴチになるから」
食うか食われるか。
生物の本能、根源の願いと願いとの戦いが、始まろうとしていた。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・フォーサイス
りょ。どっちがトップギャルか決めるじゃん。
羽ばたいてるね!
エンジェルモードに変身。背中に天使の羽を生やして飛ぶよ。
縦横無尽に飛行して、翻弄するよ。
もう、きゃぱいんじゃない?まだまだ速度、上げてくよ!
●たぶん教会っぽいところでステンドグラスになっている
ギャルとは何か。
この騒動が始まった時から問われ続けている難題である。
そんな難題を振りまく原因となったエリクシルは、猟兵たちからの攻撃を受けながらも願いを成就させることを未だにあきらめてはいなかった。
「トップ、強い個体がギャルを引っ張れば、最強じゃね?」
エリクシルの言う強い個体というのは猟兵の事である。その枠組みに自分の事を含んではいなかった。
いや、自分もまた動けば、より願いの成就が早くなるという思考に行きつくのは時間の問題だったのかもしれないが。
「りょ。どっちがトップギャルか決めるじゃん」
しかし、その思考に行きつくより先に、アリスが勝負を申し込んだのだ。
それはアリスの中に渦巻くギャル因子がそそのかした結果……というよりは、ただ単にそのほうがおいしいお話になりそうだったから、という欲望の結果でもあった。
ギャルという概念すらあやふやな存在だが、そのうえでトップギャルとなれば一体何をもってトップとするかはさらに謎である。
「既にギャルになってる……でも、挑まれたなら応じるのも、ギャル?」
だが、ギャルと言う概念は、すでにエリクシルの中で渦巻きまくっていた。
結果、始まるギャル勝負である。
ギャルは細かい事を気にしない。
もともと、どうだったかなどは重要ではないのだ。
「挑まれたから受ける、マジ受ける。ウチの羽ばたき、アゲていくよ、ついてこれる?」
心持ち輝きを増した翼をはためかせ、エリクシルは空を行く。
「羽ばたいてるね!」
ギャルを越え、どこかボディビル的な掛け声の雰囲気を感じさせつつ、アリスもまた天使の羽を背に空へと飛び出した。
天使ギャルと龍ギャル。
方向性が明らかに異なった二人は、縦横無尽でかつ、どこか法則性のある軌道を描きながら羽ばたいていく。
地上から見れば、一種の芸術性を感じるであろう、それが、天空のギャルの戦いである。
ただただ速度だけの競い合いではない。
どちらが華麗に舞えるかという、いわゆる『映え』の戦いであった。
「ここまで、ついてこれるなんて」
「もう、きゃぱいんじゃない?」
「冗談、こっからがマジだし」
「こっちだって、まだまだ速度、上げてくよ!」
さらに激しく、美しく、視覚だけで戦うのはなく、風を切る音が旋律を奏で、聴覚すらも支配するかのように。
やがて速さのあまり複数のアリスとエリクシルが空を舞うように幻視する者すら現れはじめたその戦いは、空に舞う天使と龍のギャル伝説として地上のギャルたちに語り継がれることになったのだとか。
大成功
🔵🔵🔵
涼風・穹
複数の黒ギャル達と色々といたして呆けたような状態になって、服があちこちはだけたり脱がされていますが謎の光的なもので大事な部分は見えません
妙に肌がツヤツヤとして満足げな黒ギャル達が頭を撫でたりキスをしてくれたりしていますが控えめに言ってもお巡りさんこっちですというような状態になっています
黒ギャルに違う世界を見せて貰うというようなどこかの誰かの願いが(妙な感じに)適っているのでしょう、多分
そして願望機の影響なのか、赤い龍の少女ともア~ン的な行為をすべくふらふらと近付き胸に飛び込みます
周囲の黒ギャル達もある意味ギャルらしく肉食系になり一緒に少女へ絡みます
世界を染めようとしているだけです、ピンク色に…
●すべてが終わった後、記憶が飛んでいる方が幸せ……かもしれない
トップギャルを目指す戦いが起こっている頃、地上のギャルたちはだいたいが逃げまどっていたが、一部では様々な形で激しい戦いが巻き起こっていた。
それは何処の地下だった。
複数人の黒ギャルたちが、衣服が引き裂かれたようにボロボロになった状態で倒れ伏している。
妙に肌ツヤは輝いているが、まるで全ての体力を使い果たしたかのように気を失っているようだ。
謎の光により詳細な様子は確認できないが、お巡りさん案件的な非常に危険な光景であるのだけは確かだろう。
そんな中まだ意識のあった黒ギャルが一人、地獄の様な天国から這い出してきていた。
このままでは戻れなくなってしまいかねない彼女、いや、彼こそたぶんきっと涼風・穹である。
この場こそが、どこかの誰かの願った、夢の世界だというのだろうか。
恐ろしい世界だ。
たしかに今まで経験したことのない異世界を何度も垣間見てしまった気がするし、今すぐその世界へと戻りたいという願望すら沸いてしまう。
しかし、その世界を巡る度に、自分は何か大切なものを失っている気もするのだ。
後何度か巡ってしまえば、自分が自分ではなくなってしまう、そんな予感すらある。
でも、それもいいのかもしれない。
なにか、大切なものを手に入れるには、大切なものが犠牲になることが世の摂理。
等価交換。
その結果が今の自分、この場所なのだとしたら、失ったもの以上に大きなものを得ているはずだから。
使命と願望と渦巻く混沌に惹かれたのか、それともたまたまか。
そんな彼、いや、彼女の前に、天井を突き破り、一匹の、否、一人の龍が舞い降りる。
長い戦いに疲れ果て、ふらりと地に降りたエリクシル。
その姿はひどく煽情的に見えた。
つまりはあらゆるものを誘い込む、無限の吸引力を備えていた。
後ろから音が聞こえる。
倒れ伏していたはずの黒ギャルたちが、吸引力にひかれて覚醒したのだろう。
このままではいけない。
アレに飛び込むのは、自分が一番でなければならないのだから。
「え、ちょ、マジ疲れてるから後に……あれ、聞こえてない、系?」
何か喋っていたかもしれないが、そんなのは些細な事だった。
「疲れてるなら、今がチャンス的な?」
一目散にその恐ろしい力を持つ双丘へと飛び込む穹。
それに続けと龍へと殺到する龍殺し(くろぎゃる)たち。
いつ終わるとも知れない長い戦いが、始まってしまったのだ。
こうして世界は、戦いの色に染まっていく。
なんだかとても、健康的で黒く、それでいて桃色な戦いの色に……。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー
お任せプレ汝が為したいように為すがよい。
でーおーくれたー。
まぁ、いいわ。メインディッシュは残ってるし♪
ああ、私も|願望器《アリス・シスターズ》……最近シスターズの材料に|『夜』《デモン》だけでなくエリクシルの欠片混ざってね?疑惑が出てきたけども、ともかく、私の願いは自分で叶えるわ。
シュレーディンガーのエリクシルまいりまーす♪OKOK、あーたの願いを叶えたいという願いをあーしが叶えてあげっし。タイムフォールダウンで時止めしてる間に拇印はもらってあっしへーきへーき。
じゃ、ギャルどうし“なかよし”するっしょ♪……あーダメ?ノリ悪いしょ、ーそんなんでギャル名乗れねーし。
なんも違わねーし、あーしはナニも間違えないっしょ。
あーし達はマブ、あーしがそう決めた。
それに対価の自動徴収であーたに拒否権はもうねーし、ここはもう既にあーしの領域内だし、“なかよし”しないと出られねーよ。
むー、ならあーしが素直になるまでえっちなのうみそにしてあげっし☆どろっどろに蕩け愛うっしょ♪
えっちなのうみそおいしいっしょ❤
●願いを叶える者たちの宴
「貴女の願いを叶えましょ、っと♪」
怪しげな魔術書なのか契約書なのかを手にして笑う一人の少女、アリス・セカンドカラー。
最近、自分が相手のお願いを叶える際に使用しているコレの材料が、いつもの『夜』だけではなく、エリクシルも練りこまれたりしているのだろうか……と疑惑がでている。
だが、そもそも自分の願いは自分で叶えてしまうのが彼女だ。自分の願いに使うものでないのなら、ヤバいものが混ざっていようと大したことはあるまい。たぶんきっと。
ある日突然、実はラスボスでした、と言われても、さもありなんと皆に納得されかねないのが彼女である。実に些細なことだ。だったらいいな。
最も、猟兵たちの場合、ふつうにラスボスという存在がそこらを歩いているからややこしいのだが。
「ってなわけで、シュレーディンガーのエリクシルまいりまーす♪」
「……何? 貴女も願いを叶えて欲しい系?」
なぜか肌ツヤに一層磨きがかかった上に、ふらふらと地下から這い出してきたエリクシルなドラゴン。
そんな下準備万全の相手に渡りに船と、元気に声をかけるアリス。
「OKOK、あーたの願いを叶えたいという願いをあーしが叶えてあげっし」
ギャルであろうとなかろうと、ギャルマインド完備での突撃である。
「つまり、うちの願いを叶えるという願いを叶えるという願いを叶えればいい?」
「その場合あーたの願いを叶えるというあーしの願いを叶えるというあーたの願いを叶えるし♪」
「つまり……」
このままでは無限ループに陥ってしまう。危険性を察知したアリスは先手を取り話を進める方向に舵を切る。
「でも大丈夫、実は既に契約書に拇印はもらってあっし、へーきへーき」
ちょっと時間を止めれば簡単な事である。
問題はそのちょっと時間を止められる存在はあまりいないという事ぐらいだろう。
「マジ? 全く記憶に御座いませんなんだけど、っていうかうちでも拇印いけるんだ」
「じゃあ合意OKってことで」
「いや、ダメだけど」
「……あーダメ?」
「ダメ」
「ノリ悪いしょ、ーそんなんでギャル名乗れねーし」
「それとこれとは違うっしょ、連帯保証人だけはダメってギャルでもしってっし」
一体その知識をどうやってエリクシルが得たのかは不明だが、妙な事に詳しいのもギャルあるあるだ。
「なんも違わねーし、これは連帯保証人とは別だし、あーしはナニも間違えないっしょ」
「いや、今あったばっかだしそんなこと知らないケド?」
「つれない事言うじゃん、いい? あーし達はマブ、あーしがそう決めた」
「マジ意味わかんないんだけど」
「それに対価の自動徴収であーたに拒否権はもうねーし」
そう、既に契約は(割と強制的に)なされている。
「ここはもう既にあーしの領域内だし、“なかよし”しないと出られねーよ」
だからこその決定事項、それが契約なのだから。
「いや無茶苦茶だし! どんな悪徳業者でもせめて契約書見せるところから始めろし!」
「むー、まだ文句言う? ならあーしが素直になるまでぇ、えっちなのうみそにしてあげっし☆」
「ちょ、話聞いてくんないし!」
決定したことをアリスは躊躇も容赦もしない。何より相手もすでに『出来上がって』いるのだから、遠慮もする必要もないのだ。
「どろっどろに蕩け愛うっしょ♪」
「やめろしいいいいい!」
その動きは、ギャル。
時折、獰猛な肉食獣にも例えられる最強生物であった。
「えっちなのうみそおいしいっしょ❤」
大成功
🔵🔵🔵
日ヶ丘・美奈
(黒ギャル化継続。アドリブ、連携大歓迎!)
「ふと思ったんだけどさ。このままだとアタシ、消えちゃわない?」
あ、気づいちゃった
このままだと駄目だから、これしかないよね
大丈夫。後で今の私になれるお薬、作ってみるから
まじまじ。ちょーまじ
「やっぱ正義は勝つっしょ!アタシらブラックなギャルの物語はエターナル的な?略してブルa」
きっと、それ以上はダメだよ私
……なんだかとんでもない約束しちゃったかな。それに今の私、他にも色々お願い事が出来そうだし、どんどん私が叶えて願望を食べられないようにするの
後は隠れられない以上、皆に守ってもらうしかないよね
いつもより負担をかけてごめん皆……もうちょっとだから頑張って
●もしかしたら、ありえたかもしれない自分
何か思ったのとはだいぶ違った形ではあるかもしれないが、かなりエリクシルは弱っていた。
戦いの終わりが近付いていることを感じていた、そんな時である。
「ふと思ったんだけどさ。このままだとアタシ、消えちゃわない?」
美奈の口から出た言葉。
それは決して、自分自身が消えるという事ではない。
自分の中に生まれたギャルソウルからの言葉だった。
(あ、気づいちゃった)
美奈自身も、それを察してはいた。
このギャルの魂は、エリクシルによってもたらされた願いに起因する存在だ。
つまりは、エリクシルの影響が消えてしまえばギャルソウルもまた消えてなくなるだろう。
だからと言って、エリクシルをそのままにしておくのは駄目というのも間違いない。
「でも……大丈夫」
少しためらい、悩みながらも、自然に言葉がこぼれてくる。
それはギャルとしての自分ではなく、美奈自身の言葉として。
「後で今の私になれるお薬、作ってみるから」
しっかりと自分の言葉で、相手にやさしく伝える。
「マジで?」
「まじまじ。ちょーまじ」
「やっぱ正義は勝つっしょ! アタシらブラックなギャルの物語はエターナル的な? 略してブr……」
明るい声色だった。不安に飲まれても仕方がないはずなのに、そんなことを微塵も思わせることもない、そんな声。
「きっと、それ以上はダメだよ私」
何でもない会話を自分と交えるという奇妙な経験を、美奈は確かに楽しんでいた。
「……なんだかとんでもない約束しちゃったかな」
出来るかどうかなんてわからない。出来たとして、本当にそれが今のこの子だという保証もない。
だけど、約束してしまったからにはやり遂げたい。
また会いたいのも、本当だ。
「じゃあ、そのとんでもない約束、守ってもらうんだし、こっちもとんでもなく頑張んないと嘘じゃん?」
何か自分がよくわからないことを言い出した。
いや、すでに自分であって自分ではない自分となっている自分……つまりはギャルソウルがひとりでに動き出している。
「なんか今弱ってるみたいだし、このギャル魂、おもっきりぶつけたら何とかなるんじゃね?」
その身にギャルの魂がある以上、隠れることは出来ない。
だったらいっそのこと、自らが弾丸となって突撃してしまえばいい。
……というのがギャルの下した結論である。
問題があるとすれば、その魂の宿主は年端もいかぬ少女である美奈であり、戦闘力その他もろもろが皆無な点だろう。
(と、止まって……とまらない……!? いつもより負担をかけてごめん皆……もうちょっとだから頑張って)
「自分にできない事、素直にお願いできるっていうのも大切っしょ。でも、忘れちゃいけないのが自分自身の可能性! アタシが最後に見せたげる!」
『おともだち』が必死に美奈に追いつき、守ろうとする中、周囲からは謎の黒いオーラが集まってくる。
それは邪悪……ではない。エリクシルの力が弱体化したことで、周囲の人々から乖離した黒ギャル力が美奈に、その中に渦巻くギャルソウルに力を貸そうとしているのだ。
「これが、黒ギャル魂っしょ!」
集い一つの黒い塊となっていく黒ギャルの魂とともに、エリクシルへと肉薄する。
こんな至近距離に、自分から向かっていっているという様を、どこか自分ではない誰かの戦いを見るような感覚だった。
「願いが、逆らおうとする? 訳わかんないんだけど……」
「簡単! ギャルは、自分で掴み取るから、あんたなんかいらないだけだし!」
最後まで満面の笑みを浮かべたまま、体ごとエリクシルへと突撃する。それと同時に集った魂が列を為し、弾丸となって突き進みエリクシルを打ち抜いた。
「マジ、意味不明……」
最後まで、おそらくこの場の誰もが理解できない現象は、理解し難い現象によって終わりを迎える。
そうして、全ては崩れ去り、さらさらと天へと消えていくのだった。
「……んん……?」
見知らぬ公園で目を覚ます。
記憶が酷く曖昧だ。
どこまでが現実で、どこまでが幻想だったか定かではない。
特に最後の辺りは本当に起こった事だったかどうか正直自身が無い。
現実から乖離しすぎていて、他の仲間がトドメを刺したような気もする。
確かなことはエリクシルはもうこの場にはいないという事。
そして、今の自分には、願い事が増えたという事だ。
願望を狙う類の敵は多い。エリクシルなどその最たるものだろう。
自分の大切な願いをそんな相手に食べられたりはしたくない。
そのためには、どんどんと、自分が自分で願いを叶えていかなければならない。
「じゃあ、まずは……」
どんな願いを叶えていこうか。
帰路につく美奈はそう思いつつも、頭の中ではとある、新しい薬についての考えを巡らしていくのであった。
●願望過ぎてギャル増えて
こうしてこの一帯を騒がした黒ギャル騒動は落ち着きを見せた。
町の人々は、そんなことがあった事さえ覚えていないかもしれない。
だが、その一件以降、なぜかギャルが増えたりとか、若々しくなった人が増えたりとか、道を踏み外した……いや、新たな扉を開いた男性が増えたりだとかしたらしい。
エリクシルは確かに消えた。だが、もしかすると、ささやかに、ではあるが、願いはかなえられてしまった……かもしれない。
大成功
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