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魔塔に狂王は嗤う

#エンドブレイカー! #ギガンティア #三塔戒律マギラント #マスカレイドタワー

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#ギガンティア
#三塔戒律マギラント
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●魔塔再臨
 三塔戒律マギラント。
 その下層領域にはかつて邪悪なるギガンティアが存在した。
 マスカレイドタワーと呼ばれたそれはかつて何の前触れもなく突如出現し、三塔戒律マギラントの戦いではカーニバルの軍勢が出現した場所でもある。
 ――その魔塔が、再びマギラントの地に顕現していた。
 かつてとそっくりの姿で出現した魔塔の元凶はエリクシル、蘇生させられエリクシルの力を宿したマスカレイドが再びこの地に生み出してしまったのだ。
 多くの蘇生されたマスカレイド蠢くこの塔の麓には森が広がっている。
 暗く深い森は、まるで夜がそこに満ちているかのよう。
 その妨害を突破した先で、エリクシルの力を宿した王の如きマスカレイドは狂ったように星霊建築の空に向かって哄笑する。
 狂王はこのまま放置するならば人々を害し、数多の悲劇を生み出すのだろう。
 だが、それらを止める為に、"猟兵"達はやってくる――。

 グリモアベース。
「猟兵の皆様、はじめまして。この度猟兵になったばかりのエンドブレイカーですが、何卒宜しくお願い致します」
 恭しく礼をしたのはマウザー・ハイネン(霧氷荊の冠・f38913)という女。
 彼女は猟兵達に氷のような無表情で淡々と語り始める。
「今回皆様に向かって貰いたいのは私達の故郷である世界の三塔戒律マギラントという都市国家です。その下層領域にマスカレイドタワーという名のギガンティアが再び出現しました。ギガンティアというのは多数のマスカレイドが巣くう場所であり、どうやら蘇生させられたマスカレイドがエリクシルの力でマスカレイドごと復活させてしまったようなのです。そこで、元凶であるエリクシルに蘇生させられたマスカレイドを撃破してきて頂けませんでしょうか」
 マウザーは猟兵達の反応を確認しつつ、話を続ける。
「まず、マスカレイドタワーの麓には広い森が広がっています。森の中からでも塔は見えるので迷う事はないと思いますが、足を踏み入れた瞬間にマスターデモンの群れが襲い掛かってきます。これらを蹴散らして魔塔を目指し、頂上にいると予知された狂王アニールというマスカレイドを滅ぼしてくるのが今回の作戦……シンプルに真っ向勝負です。アニールを撃破できれば不安定なギガンティアは崩壊し、悲劇は食い止められるでしょう」
 因みに跡形もなく蘇生したマスカレイドも含め消滅するので後始末等は考えなくていい、そう冷たい声色のまま女は説明を続ける。
「あと、マスターデモンを倒した後に塔を登らないといけないのですが、道中の遺跡のような空間ではエリクシルによる暴風が吹き荒れているようです。この領域のあちこちにあるトーチに火を灯さないと狂王のいる空間へ進めないので、火が暴風でも消えないように工夫するなど必要があるかもしれません」
 いつもとは勝手は違うかもしれませんが、頑張ってくださいとマウザーは言って、一息吐く。
 そして、どこか演技しているような――歪さが滲む不器用な笑みを猟兵達に向けて。
「エンドブレイカーの世界へようこそ、|猟兵様《お客様》方。どうか、エリクシルによる悲劇を砕いてくださいませ」
 願う様に、祈るように。
 女はそう説明を締め括って蝋燭の形をしたグリモアに火を灯すと、終焉を砕く勇士達の世界へと猟兵達を導いた。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 エリクシルは想像以上に厄介な存在ですね。

 第一章はマスカレイドタワーの麓、暗い森の中での『マスターデモン』の群れとの戦いになります。
 闇に溶け込んで仕掛けてくるので対策があると有利に戦えるかもしれません。

 第二章はマスカレイドタワー第二層、暴風吹き荒れる遺跡の空間を探索して次に進む為の装置を作動させて最奥を目指し、第三章ではエリクシルに蘇生させられその力を宿した『狂王アニール』との戦いになります。
 こちらはそれぞれ冒頭に状況説明を追加致しますので、そちらをご確認下さい。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『マスターデモン』

POW   :    デモニックエクリプス
【真なる「夜」 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ダークネスフォール
【破壊力を持つ闇の塊 】を降らせる事で、戦場全体が【|悪魔《デモン》の来た異界】と同じ環境に変化する。[|悪魔《デモン》の来た異界]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ   :    デモニックアルター
X体の【実体を持つ「具現化された夜」 】を召喚する。[実体を持つ「具現化された夜」 ]は自身と同じ能力を持つが、生命力を共有し、X倍多くダメージを受ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

暗都・魎夜
【心情】
塔を登って、途中の魔物を倒して、魔王を討つ
こいつはゲームかなんかの主人公になったような気分だな

【戦闘】
マスターデモン
話に聞いてた通り、闇を操る力を持った強力な敵がうじゃうじゃいやがるぜ
気配からしても十分以上の強敵だが、それが地の利までつけてくるのは厄介だぜ

こっちだけ一方的に一方的に見えては不利なので自身もUCを用いて「闇に紛れる」
「暗視」を用いて互いに闇の中で戦闘を行う

ゆっくりと動いて、「生命力吸収」「切断」による攻撃を行う
動くもの最優先で来るなら、近くの壁でも崩して、「地形の利用」で目標をそらす

デスマーチで急いで進行するのは好みじゃないんでな
ゆっくり確実にやらせてもらうさ



●|夜《デモン》の森
 突如復活したマスカレイドタワー、その麓にはかつてと同じように奇妙な森が広がっていた。
 星霊建築の空から光が差し込んでいるにも拘らず異様に薄暗いその森からは、その外からでも危険な気配が感じられていた。
「塔を登って、途中の魔物を倒して、魔王を討つ……こいつはゲームかなんかの主人公になったような気分だな」
 銀の雨の降る世界の能力者である暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)は、暗き森の向こうに聳え立つ魔塔を見上げひとり呟く。
 この森を突破して塔に挑み、エリクシルの力を宿した蘇生マスカレイドを撃破する。言葉にすれば簡単だが、想像以上に難儀しそうだ。
 ユーベルコードを起動し、自身と武装を闇のオーラで覆う。この森に満ちる夜の気配に紛れるようにし、魎夜は塔を目指し森へと足を踏み入れた。

 魎夜は森の中を歩く。
 道幅は広く複雑に入り組んでいる訳でもなく、夜目の利く魎夜であっても見通し辛さを感じる程の暗さ以外には進むに支障はない。
 だが、魎夜の危険感知能力は全力で彼に警告している。
(「話に聞いてた通り、闇を操る力を持った強力な敵がうじゃうじゃいやがるぜ」)
 見えるのは闇ばかり。だが、その闇と同化したようなマスターデモンがそこにいる気配を感じ取っていた。
 闇のオーラを纏い闇に紛れている彼の存在は視聴嗅覚では感知不可能になっているが、敵が蠢く森を進むのは少々冷や汗もの。
 感じる気配だけで分かる。魎夜からしても十分以上の強さをこの森に潜むマスターデモンと言う存在は有している。
(「それが地の利までつけてくるのは厄介だぜ」)
 まともにやり合うのは得策ではない、歴戦の能力者である彼はそう感じながら進んでいく。
 そして進彼は、朽ちかけた像の元へと差し掛かった。
 闇の中にあって不思議と目立つ白い像――そこを通り過ぎようとした瞬間、闇の中の殺意が爆発的に膨れ上がった。
 最初からその近くの闇に溶け込んでいたのか、真なる『|夜《デモン》』に変化したマスターデモンが魎夜に襲い掛かってきた。
 魎夜は闇のオーラを纏いつつ炎を模した形の魔剣をゆっくりと振るい反撃。だが森の闇よりなお昏いマスターデモンを切り裂いた手ごたえはなく、夜は彼を呑み込まんと音も立てずに広がっていく。
 咄嗟に像の足元へと飛びのいた魎夜は流れるように一閃、足元への一撃に朽ちた像は自重を支えきれずぐらりと倒れる。
 ユーベルコードにより理性を失ったマスターデモンはその倒れこむ動きに反応し、像を呑み込むように闇が広がっていく。
 目標を逸らさせられた侵食するように広がる闇に向かって、静かに魎夜は滅びの業火をゆっくりと振るい、真なる夜と化したマスターデモンを中程で両断。
 生命力を奪い取るその一撃によって、森の闇よりも昏い闇とそこから感じられた殺気は消失した。
(「デスマーチで急いで進行するのは好みじゃないんでな。ゆっくり確実にやらせてもらうさ」)
 また他のマスターデモンがやってくるとも限らない。それらに悟られぬよう魎夜は闇に紛れながら崩れた像からゆっくりと離れ、魔塔を目指すのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鍋島・小百合子
WIZ重視
アドリブ絡み可

終焉を終わらせし者が守ってきたとされる世界・・・、
懐かしき思いを感じてしまうのは何故であろうか?

「闇に紛れるますかれいとやらを駆逐して見せようぞ。猟兵の力を今こそ思い知らせてくれる」

闇の中から攻め入る敵を視認すべく視力と暗視と環境耐性を活用しつつ薙刀の武技を以って迎撃、反撃も交えて駆逐す(なぎ払い、範囲攻撃、継戦能力、カウンター、受け流し併用)
薙刀で払えぬ程に数で攻めてこようともUC「勇炎心桜舞」発動にて我が薙刀を焔の花弁に変え、破魔と神罰の舞と共に纏めて焼いてくれようぞ(範囲攻撃、ダンス、パフォーマンス、焼却、鎧無視攻撃併用)
わらわの舞を是非ご照覧あれ



●夜を照らすのは
 元能力者の青年が静かに森を進む一方、紅白の装束纏う鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)は目を凝らしながら森を進んでいた。
(「終焉を終わらせし者が守ってきたとされる世界……」)
 初めて訪れる世界、なのに奇妙に懐かしいと感じられるのは何故だろう。
 そんな疑問を頭の片隅に抱きながら進む小百合子、淀んだような闇の向こうを奇襲を警戒しながら目を凝らし木々の合間を進んでいく。
 そして進んでいく内、突然視界が拓けた。
 泥濘のような色合いの植物の枯れ果てた地面、何か忌まわしき呪いにでも汚染されたようにもみえるその広場に、闇が蠢いたのを小百合子は視認する。
 それは奇妙な星空のような装甲を纏う、機械染みた異形。
 それこそがマスターデモンなのだと小百合子は直感し、死地を共に潜り抜けた得物の薙刀『竜王御前』を構える。
「闇に紛れるますかれいとやらを駆逐して見せようぞ。猟兵の力を今こそ思い知らせてくれる」
 小百合子の言葉が終わると同時、具現化した夜は分裂し巫女へと襲いかかる。
 薙刀のリーチを活かし向かってくるマスターデモン達を打ち払う。
 しかし分身体は切られ一歩退いたマスターデモンを乗り越えて、さらなる数で小百合子を圧倒せんとする。
 分裂した個体はいずれも元のマスターデモンと同じ能力を持つ。薙刀術に優れる小百合子とはいえ、無数の具現化した夜を一度に相手にするのは困難だ。
 舞うように薙刀を振るいマスターデモンを牽制しつつ、それを察した小百合子は、
「我の心に灯されし勇気の花よ……咲き誇れ!」
 ユーベルコードを起動、詠唱とともに彼女が勇気を奮い立たせると、薙刀が無数の焔状の花弁へと変化して周囲に舞い始める。
「わらわの舞を是非ご照覧あれ」
 小百合子が舞い始めれば、花弁は速度を増して周囲のマスターデモンとその分裂体達に襲い掛かる。
 彼女の舞は清らかな、邪悪を祓う神楽のよう。その力を帯びた焔の花弁は具現化した夜を燃やし、その闇を熱と光で駆逐していく。
 分裂体はその生命力を本体と共有しているが故に、複数の分裂体が焼かれたダメージは数倍にもなってマスターデモンへと降りかかり、それに耐えきれずにマスターデモンは燃え上がり他の具現化された夜と共に消滅する。
 舞終え元の形に戻った竜王御前を手にした小百合子の周囲には静寂のみ。
 しかし夜の如き闇はまだ深く、魔塔への道のりもまだ長そうだ。
 決して油断はできない――気を緩めることなく、小百合子は朽ちた景色を通り抜けて、再び夜の森へと進んでいくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルドルフ・ルーガルー
【心情】
マスターデモンにギガンティア…長からある程度は聞いたことあるけど
なんか、聞いたのと違うんだけど!?こんな怖いの聞いてない!

【戦闘】
無視して通り過ぎる、は無理だなわかってる。
わかってるよ戦えばいいんだろう戦えば!

様子見とか無理だから、サウザンドアーツで先制決めて速攻で片付ける。
ってわわ、無差別攻撃!?あぶなっ。
伏せてじっとするけど、このままじゃ…そうだ、「天候操作」でマスターデモン周辺だけ猛吹雪にしよう!

よし、雪に対して暴れているうちに伏せたままゆっくり近づいて、もう一度サウザンドアーツ!

これで一体撃破?うぇぇ、なんでこんなのが群れてんだようぅ。



●狼番長、真なる夜の森を往く
 女武者が具現化した夜の群れを焼き払っている頃、彼女から離れた暗き森の中を一人の狼バルバ『ヴォルフル』の青年が進んでいた。
(「マスターデモンにギガンティア……長からある程度は聞いたことあるけど」)
 彼、ルドルフ・ルーガルー(ヴォルフル番長の恐怖耐久・f39064)の姿はいわゆる番長のような姿格好、格好よくキメていかにも怖い人狼のように見える――のだが。
「なんか、聞いたのと違うんだけど!? こんな怖いの聞いてない!」
 見た目に依らず怖がりな彼にとってマスターデモン蠢く魔塔の森は少々刺激的に過ぎたようだ。
 その上向かう先の魔塔も奇怪な人面が無数に張り付けられたような禍々しい姿で、挑まんとするルドルフを威圧しているようにも思える。
 怖がりながらも前へ進む彼はぴたっと足を止める。
 その先の闇が、夜が蠢いて一体のマスターデモンが姿を現したからだ。
(「……無視して通り過ぎる、は無理だな」)
 明らかに殺意を向けてきている上に、この森はマスターデモンの巣のようになっている。
 だから、ルドルフは僅かに震えながらも戦闘の構えをとる。
「わかってるよ戦えばいいんだろう戦えば!」
 そして狼の瞬発力で加速しマスターデモンに接近してユーベルコードで攻撃を仕掛けようとする。
 相手は明らかに自分よりも強い、様子見など出来る余裕はないと判断したからだが、その前にマスターデモンは真なる夜へと変化して、触手のように伸ばされた闇がルドルフに襲い掛かる。
「ってわわ、あぶなっ」
 慌てて伏せてその一撃を回避するルドルフだが、真なる夜はそのまま狂乱の最中にあるように周囲の木々に破壊を撒き散らす。
(「無差別攻撃!? このままじゃ……そうだ」)
 このままじっとしていては埒が明かないし、状況は悪化するばかり。
 マスターデモンの挙動を見て、閃いたルドルフは獲物の七支刀を通して天候に干渉、星霊建築《ドロークラウダ》より生じていた雲をかき集めて周囲に雪を降らせ始める。
 始めはらはらと、すぐに猛吹雪となりマスターデモンは速く動く物を攻撃するという特性に従って雪を只管に攻撃し始める。
 それに気を取られている隙にルドルフは伏せたままゆっくりと真なる夜の死角へと忍び寄り、今度こそユーベルコード【サウザンドアーツ】を起動する。
 至近距離から飛びかかった人狼のバルバの連撃は一つ一つは然程の傷にはならない。だが絶え間なく叩きこまれる連撃はやがてその夜空の装甲を砕き、そしてその胴体部分に致命的な損傷を負わせる事に成功した。
 動きを止め夜に溶けるように消滅していくマスターデモン、その姿を見ながらルドルフは一息つく。
 しかし、
「……これで一体撃破?」
 闇の向こうに感じる気配はまだ数多く、それらがルドルフや他の猟兵達に気付けばきっとすぐさま襲い掛かってくるのだろう。
 一体でこれならば複数で襲われたならどうなるか――想像しただけでルドルフの毛並みは逆立ってしまう。
「うぇぇ、なんでこんなのが群れてんだようぅ」
 少々弱気になりつつも、ルドルフは慌てて魔塔の方へと走り出したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リフィクル・ナータス
・WIS

・心情
「随分と懐かしい……だが『俺達』は『門の先』に融けたはずだろう?
いや、俺がこんな事言う資格は無いか?ハハハ……
なぁヴィタちゃん。ヴィネちゃん。戻ってきてないのかい?」

・戦闘
索敵や暗視で闇の紛れた相手を警戒し、察知できた襲撃は残像で回避。
回避不可能ならば激痛に耐えてカウンターにて生命力吸収、戦闘スタイルは『被ダメージしつつ、それよりも高い与ダメージで回復する』と言う反撃特化スタイル。
集団相手にはUCを使い、じっくりと『門』の中を思い出して貰いたい。
「もう夢はオシマイさ。さぁ、生まれ変わろうぜ? ……それとも生まれ変わらせて欲しいのかい?」



●夜に融け、還る
 明けない夜をこそ望んだのは、誰だっただろう。
「随分と懐かしい……」
 魔塔の麓の森を往くリフィクル・ナータス(昏き異界より出でしモノ・f22103)は感慨深げに呟いた。
 エリクシルにより再び生み出されたギガンティア、それはかつて大魔女が遺失魔術により作り出した|仮面憑き《マスカレイド》の閨であり。
「だが『俺達』は『門の先』に融けたはずだろう? ……いや、俺がこんな事言う資格は無いか?」
 空虚さをにじませリフィクルは自嘲するかのように力なく笑い、急に表情を引き締めて森の闇の一点を見る。
 彼の視覚は森の闇に潜んだ存在の輪郭を捉えていた。
 腕輪に変えていた大鎌を元の形状に戻し構えれば、機械甲冑のような姿をしたマスターデモンが数体木々の向こうから音もなく現れた。
「……なぁヴィタちゃん。ヴィネちゃん。戻ってきてないのかい?」
 現れたマスターデモンの姿を見たリフィクルが親し気に問いかけた。
 異界門の向こうに封じられたマスターデモン達、その中にはエンドブレイカーもいたという。
 彼の口にした名前はその中でも首謀者に絶対の忠誠を誓った者と、最強であった者。
 特に後者の姿はこのマスターデモンに酷似していたのだが、マスターデモンは彼の問いに無反応でそれぞれが周囲に具現化した夜を召喚する。
 そして具現化された夜は散開、連携してリフィクルに攻撃を仕掛けてくる。
 残像で惑わしながら回避するリフィクルだが、数で押してくるマスターデモンを凌ぎきることは困難。
 やがて死角から突然羽交い絞めにされ動きを封じられて、そこに凶悪に変形したマスターデモンの腕が彼の胴体をずぶりと抉る。
 零れる血と共に激痛が走る。しかし、リフィクルはそれを表情に出さず、逆に笑みを浮かべる。
「――久しぶりに『光』を見ると、どうなるか知ってるかい? 」
 この痛みは覚悟の上、マスターデモン相手に無傷で勝てるなどとは思っていない。
 リフィクルがユーベルコードを起動すれば、傷口から血が滴り地面に血溜まりができて、その赤より赤き猟犬の群れが這い出るようにして召喚される。
「……興奮するんだよ、ギンギンにな」
 この苦痛を、興奮を与えたのは誰か――それは当然眼前のマスターデモン、そして具現化した夜だ。
 赤き猟犬の群れは一斉にマスターデモンに飛びかかり、その装甲に紅き牙を突き立て砕いていく。
 マスターデモンの反撃により血の猟犬の数体は砕かれるが、砕かれた端から別の血の猟犬が襲い掛かり数と暴力で蹂躙していく。 
「もう夢はオシマイさ。さぁ、生まれ変わろうぜ?」
 具現化した夜を貪り血を啜る猟犬が奪いし生命力は、明るく言うリフィクルの元へと集まり彼の抉られた臓腑を癒していく。
 苦痛を受けたのならそれ以上に傷つけ自身を回復する、実に被虐趣味な戦法ではあるが勝てれば問題はないのだ。
「……それとも生まれ変わらせて欲しいのかい」
 残骸のようになったマスターデモンにリフィクルが問いかける。しかし、その言葉に答えはなく、|真なる夜《マスターデモン》は具現化した夜と共に闇に溶けるようにして形を喪った。
 襲撃してきたマスターデモンの群れを撃破したリフィクルはいつもの調子のまま、けれどどこか空しそうに。
 偽りで全てを覆った彼は、無数の仮面を張りつけられた魔塔を目指し森を進んでいくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

御堂・伽藍
アドリブ、即席連携歓迎

うえへ うえへ
先ずは、麓へ

先制早業高速詠唱念動力衝撃波闇空属性結界術罠遣い捕縛逃亡阻止範囲攻撃UC
ブラックホールの罠を範囲に設置

念動力残像陽動釣りお誘い誘き寄せ
すてぜにを高速で動かし敵を罠に誘き寄せる

自分は残像迷彩闇に紛れるフェイント忍び足でゆるゆる行進

ここも すてきなせかい
様々な営み、様々な敵
そして がらくた
歪みの願望器…まさしくがらんどう

掃滅まで罠どんどん作る

みなそこへ みなそこへ
鎮め沈め骸の海へ

さようなら
さようなら
御然らば
御然らば



●がらんどうと|真なる夜《マスターデモン》
 |真なる夜《マスターデモン》との戦いが森のあちらこちらで繰り広げられる中、異形の少女が森を往く。
「うえへ うえへ 先ずは、麓へ」
 呟く御堂・伽藍(がらんどう・f33020)という黒髪の少女は罠を仕掛けながら闇に紛れ込むようにゆっくりと進んでいく。
 まるでそこに何もない伽藍洞であるかのように。
 彼女から少し離れた位置には価値を無くしたたからものが念動力に操られ、高速で飛んでいる。
 顧みられぬ貨幣、傷付いた宝石――打ち捨てられた富は、夜を招く見せ金のようで。
 真なる夜へと変身したマスターデモンはその貨幣の動きに反応して高速で襲い掛かっていく。
 真なる夜の暴力を前に打ち捨てられた富の一部は砕かれて、無事なものは逃げるように飛んでいく。
 理性なきマスターデモンはその動きを見逃さず、逃がす事はない。恐ろしい速度で闇の中を走り、腕を何度も振るい砕いていって――そして、仕掛けた罠に引っかかる。
 伽藍がユーベルコードによって、おなかから発生させた重力子塊。それを結界で封じた罠は、接触したマスターデモンに反応して周囲にその力を開放する。
 超重力を発生させ周囲を一点に引き寄せ押し潰す|黒洞《ブラックホール》――光すら逃さぬそれは、等しく闇も逃がしはしない。
 例え異常な耐久力を有していたとしても、逃がさない。
 マスターデモンの断末魔と重力による破壊音が森に響く中、伽藍は引き続き森の中に罠を作り続けていく。
 この森に潜むマスターデモンはまだ掃滅できていないのだから。
「ここも すてきなせかい」
 様々な営み、様々な敵。多くのものが存在するこの世界は伽藍が巡ってきた世界と同じように素敵なものだ。
 けれど、
「そして がらくた」
 無機質な言葉で示したのはあの歪みの願望器、|万能宝石《エリクシル》。
 何もないからこそ何でも入り、清濁拒まず受け入れる様はまさしくがらんどう。
 けれど受け入れた願いを悪意を以て叶え、営みも敵も滅茶苦茶にするそれは"がらくた"だ。
「みなそこへ みなそこへ 鎮め沈め骸の海へ」
 謡うように繰り返される伽藍の言葉は、マスターデモン達への鎮魂歌のようで。
「さようなら さようなら 御然らば 御然らば」
 御別れの言葉を残しながら、僵尸の少女の歩みは止まらない。
 そんな風にして麓の森に罠を仕掛け数多の|真なる夜《マスターデモン》を圧し潰しながら、がらんどうの少女は静かに魔塔を目指し、歩んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アンゼリカ・レンブラント
マスターデモン……苦い思い出が蘇るよ
鍵を携えた我が友もここにはいないが、
お前達を抑えるに特別なアイテムはいらない
齎す終焉、砕かせてもらおう

暗視を頼りに肉弾戦を挑もう
速く動いていれば攻撃は必ず来る
そこをグラップルの技量で押さえ、
覇気を乗せた剣の一撃を叩き込む

思い出してくるこの戦闘感覚、
そうだ、こうでないとな!
相手からの攻撃を見切り、その上で
前に敢えて身を晒すように立ち
攻撃を腹部で受け止めるとも――
《クラッシュ成功!》それは砕く!

私の体は勇者の斧も受けた体だ
そしてUCに昇華した今、それで私が死ぬかっ!
笑みを深め、敵を抑え拳と、剣で打ち砕こうか!

さて猟兵の緒戦はうまくいったかな
引き続き油断なく進もう



●黄金の輝きは夜を祓う
 マスターデモン蠢く陰鬱な雰囲気の森を踏破し、魔塔入口の門へと猟兵達は至る。
 かつてのギガンティアではその門扉を開くには仕掛けが必要だったが、今は開け放たれていてその必要はなさそうだ。
「マスターデモン……苦い思い出が蘇るよ」
 かつてエンドブレイカーとして戦ってきたアンゼリカ・レンブラント(黄金戦姫・f38980)はかつての戦いを思い返しながら、塔へと勢いよく飛び込んだ。
 飛び込んだアンゼリカを迎えるのは闇の中から恐ろしい速度で振るわれる爪の一撃。
 だが暗闇に目を凝らし集中していたアンゼリカはその不意討ちを飛びのいて回避する。
 暗闇の先に見える階段、しかしそれを阻むように|真なる夜《マスターデモン》達は立ちはだかっている。
 ――かつてマスターデモンを異界へと封印するのに必要だったバルムントの鍵、それを携えた友はこの場にはいない。
 だけれどこのマスターデモン達を抑えるのに特別なアイテムは不要。
「齎す終焉、砕かせてもらおう」
 ぎりり、と愛用の斧剣を持つ手に力を籠めてアンゼリカはマスターデモンに挑みかかる。
 真なる夜と化し理性を無くしたマスターデモンは本能的な反射速度で黄金の戦姫を引き裂かんと鋭い爪を連続で振るう。
 一撃まともに受ければ生命を根こそぎ刈り取るだろう脅威、しかしアンゼリカは逆に高揚していた。
「そうだ、こうでないとな!」
 十五年前の激戦の記憶――戦闘感覚が危険に晒された事により鮮明に思い出される。
 その感覚からマスターデモンの次の攻撃を見切る。いくら強くとも理性なく暴れ回るだけでは歴戦のエンドブレイカーは崩せない。
 大振りの一撃が振るわれようとしたその時、アンゼリカは敢えて真っ向から受ける為に身を晒す。
 そして腹筋に力を籠め、ユーベルコードを起動。
「それは砕く!」
 肉を切り裂いた音と思えぬ音が広間に響く。真なる夜の強烈な一撃は、されどアンゼリカの腹を引き裂くこと能わず。
「私の体は勇者の斧も受けた体だ。そしてユーベルコードに昇華した今、それで私が死ぬかっ!」
 笑みを深め、腹筋で止められたマスターデモンの爪を片手で真下に抑え込む。
 そして体勢を崩したマスターデモンにアッパーを一撃、喰らい空へと舞いあがった巨体を見据え斧剣を構える。
 黄金で装飾された創世の斧剣――覇気を籠めたその一閃は真なる夜を両断し、闇に還した。
「さて猟兵の緒戦はうまくいったかな」
 猟兵としての初めての戦いを勝利で飾りながら、黄金戦姫は残りのマスターデモンを掃討する為に油断なく斧剣を構えるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルジェン・カーム
マウザーさんもまたグリモア猟兵へと至ったのですね
あの方は海賊群島の戦いでも戦い…あのボアヘッド達とも(ちょっと遠い目

ならばあの方が見出した|終焉《エンディング》…破壊するとしましょうか

【戦闘知識】
戦術的にデモンがどう攻めてくるかを分析
【オーラ防御】
広範囲に展開
防衛ではなく捕捉に利用

開けない夜はありません

UC発動
【空中戦・切断・弾幕・二回攻撃】
空中を舞いながら連続拳撃で叩きのめし
即座に宝剣での斬撃
遠くから迫る敵には空気の断層の斬撃弾幕展開
肉体構造上の弱点を確実に捕捉してダメージを与え続ける

…我らが同胞の一部もまたマスターデモンになる道を選んだ
(苦い思いを抱き

だけど僕は…その道を…否定する!



●風を纏い銀牙狼は夜を砕く
 黄金の戦姫とほぼ同時、魔塔の門扉前にやってきたのは銀の髪の城塞騎士。
 温厚な雰囲気の彼、アルジェン・カーム(銀牙狼・f38896)はこの悲劇を予知したグリモア猟兵の事を思い出していた。
 海賊群島――後に愛するひとと婚礼の式を挙げた想い出の島のマスカレイドを倒す為に共に戦った彼女。
(「枯れ草……黒猪……しょっぱ臭い……変わったボアヘッド達とも共に戦ってましたっけ」
 真面目な記憶と何故だかコミカルな記憶が一緒に思い出されちょっと遠い目をしてしまったが、思い出に浸るのはその位にして開かれた門を見る。
 扉の向こうの暗がりから漂う殺気は、敵がそこに潜んでいるいる事を銀牙狼に感じさせていた。
「ならばあの方が見出した|終焉《エンディング》……破壊するとしましょうか」
 黄金の戦姫が飛び込むのとほぼ同じタイミングでアルジェンは塔の入口広間の闇――夜へと飛び込んでいく。
 直感的にアルジェンは宝剣『Durandal』を眼前に翳す。直後、強烈な衝撃が剣に響き、勢いを殺す為アルジェンはわざと後方に跳ねる。
 マスターデモンの一撃だ。飛び込んできたアルジェンに襲い掛かってきたその速度は戦術的な思考ではなく、理性を無くした上での反射行動であるように見える。
 昔から愛用し続けている宝剣で爪を受けたアルジェンは即座に察知し、周囲にオーラを張り巡らせる。
 広く薄く展開したオーラはマスターデモンの攻撃を阻むことはできないがそれは承知の上。
 動きを捕捉する為に展開したそのオーラの網を引き裂くように動く真なる夜の位置は、この闇の中でも手に取るようにわかる。
 狂える獣に暴れ回る姿、それは酷く恐ろしく、どこか哀しくも見える。
「……我らが同胞の一部もまたマスターデモンになる道を選んだ」
 黄金の戦姫も抱いていたマスターデモンへの苦い思い――それをアルジェンも抱いている。
 それぞれの思惑があってマスターデモンになり、そのまま帰らなかった|エンドブレイカー《同胞》もこのマスターデモンの中にいるのだろうか。
 しかし、
「だけど僕は……その道を……否定する!」
 そうはっきりと、アルジェンは言い切って見切った爪を弾き、ユーベルコードの詠唱を開始。
「風よ、世界を巡る風よ……我が武としてその力を示せ……」
 その言葉と共にアルジェンがぐっと足に力を込め、高く跳躍。
「白虎門……開門!」
 その言葉と共に彼の手足に風が渦巻き、その風に補助される形でマスターデモンへと一息に距離を詰める。
 風を纏った拳が装甲を凹ませ強烈な斬撃が深々と切り裂き衝撃で吹き飛ばして塔の壁へと叩きつける。
 そして落下しないままに彼は宙を舞い、彼の移動速度に反応し襲い掛からんとする敵の位置をオーラで把握、超音速で不可視の空気断層の斬撃を飛ばし迎撃する。
 その斬撃に切り裂かれながらも超耐久力で強引に突破してくるマスターデモン。攻撃直後の隙を狙っているのだろう。
 だが、アルジェンのユーベルコードは一つでも攻撃が通れば、通り続ければ何度でも再攻撃可能。
 故にアルジェンは高速で距離を詰めてきたマスターデモンに対し即座に宝剣での斬撃を返す。
 マスターデモンの肉体構造上、脆いと判断した腹部への一閃は上半身と下半身に両断。
「明けない夜はありません」
 床に落下した残骸が闇に消えていくのをオーラを通して感知しつつ、アルジェンはこの広間全体を探る。
 ――既にマスターデモンの気配はない。これで掃討は完了したのだろう。
 しかしこの場に長居する必要もない。倒さねばならない敵はこの塔の上にいるのだから。
 ただ一つある上層への階段を、猟兵達は急ぎ登っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『エリクシル大災害』

POW   :    体力と胆力で災害に耐えながら進む

SPD   :    災害の影響を少しでも凌げるルートを探し、急いで進む

WIZ   :    広域魔法を展開し、僅かでも災害の被害を和らげながら進む

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●暴風の祭殿遺跡
 魔塔への侵入を果たした猟兵達は階段を上り、順調に塔を登っていく。
 仮面に覆われた異様な外観とは異なり、魔塔の中には常識的な景色が広がっていた。
 もっとも、かつてのギガンティアと同様に塔の中とは思えない山道のような地形なのだが。
 そんな山道のようになった地形を越えた先に、拓けた丘に造られた祭壇の跡地のような領域が広がっていた。
 険しい地形の中に造られた遺跡は年月を感じさせ、周囲の切り立った崖と細い道は侵入者を拒むような造りのままでかつてと同じ景色。
 崖の手前に石板と炎を灯す棒があるのも同じ。かつてと同じように火を灯して淡く輝く魔法の橋を現れさせて渡った。
 この後もかつてと同じように、領域内に存在する火の灯っていない棒に灯せば遺跡の中央に次の領域に続く転送陣が現れるのだろう。
 だが、急に風向きが変化する。そよ風が強風に、屈むか何かに掴まらないと吹き飛ばされてしまいそうな暴風へ、その天候変化はエリクシルの力を宿したこのギガンティアの主の仕業なのだろう。
 先程炎を灯した棒を振り返れば、風に吹き消されてしまい魔法の橋も消失してしまっている。
 この細く危険な地形の各所に存在する棒に同時に火を灯さねば、魔塔の主の存在する階層へ至る事は出来ないのだろう。
 つまり暴風吹き荒れるこの遺跡の各所を巡り、風に吹き消されないように何らかの対応をするか、同時に炎を灯し消えてしまう前に転送陣に飛び込むか、或いは他の手段を取るか。
 いずれにせよ行動せねば始まらない。猟兵達はそれぞれ次の階層へ向かう為の行動を開始した。
暗都・魎夜
【心情】
これはまた随分と手ごわい仕組みにしてくれたな
エリクシルはよほど邪魔が入ることが嫌いらしい

ま、この程度のことをどうにか出来ないようじゃ、やってられないような青春時代送ってるんだよ、こちとら

【行動】
「まずは一つ目クリアっと。さて、問題はここからだな」

事前に「索敵」「偵察」で安全を確認したうえで
「召喚術」でUCにより「ダッシュ」が得意なモーラットを召喚
「任せたぜ、お前たち」

自分自身は魔法の橋の前で待機して、モーラット達に火を付けに行かせる
また、自分自身で「天候操作」によって、強風を抑える

魔法の橋が出たら、あとは一気にわたってしまう
「さて、この上に行けば大ボスとのご対面だな」



●パチパチダッシュでGO!
「まずは一つ目クリアっと。さて、問題はここからだな」
 デモン蠢く森を抜け魔塔への侵入を果たし、順調に進んできた暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)を迎えたのは暴風が吹き始めた山岳遺跡の領域だ。
 進むべき先を見やれば先端に火が灯った垂直な棒と、仄かに光る魔法の橋。
 そこで急に風が強まってくる。急激に天候は変化して暴風に、それに吹き飛ばされぬよう身をかがめて先を見れば、灯された火が儚く吹き消されてしまって、同時に魔法の橋の仄かな輝きが薄れ消失していく。
 再び火を灯し急いで渡ろうとしてみるが、灯された火はまたすぐに消されてしまい、足をかける前に魔法の橋は消えてしまう。
「これは随分と手ごわい仕組みにしてくれたな」
 呻く魎夜。本来は火を灯せばしばらくは消えない仕組みなのだろうが、この災害ともいえる暴風により簡単に火が消えてしまうことで面倒な仕掛けになっているようだ。
 猟兵であるなら簡単には吹き飛ばされはしないだろうが、エリクシルはよほど邪魔が入ることが嫌いらしい、そんな事を考えながら魎夜の表情に陰りはない。
 イグニッションカードを取り出しユーベルコードを起動すれば、カードから飛び出すように召喚されたのは九匹のモーラット。
『もきゅ!』
「任せたぜ、お前たち」
 しっかり仕事をこなしてくれよとの魎夜の威勢のいい合図にモーラット達は一斉に駆け出した。
 彼らは小柄だけれどもダッシュは得意、この風でも大丈夫だろうと考えながら、魎夜は橋の近くで炎を模した姿の魔剣を構え、暴風を和らげんと集中する。
 そして柱に到着したモーラットが火花を散らして柱に点火、再び現れた魔法の橋の上を魎夜が一気に駆け抜ける。
 彼に続くようにモーラット達も全力のダッシュで追いかけてきて、最後の一匹が渡り切った瞬間にまた魔法の橋は消えてしまった。
「ま、この程度のことをどうにか出来ないようじゃ、やってられないような青春時代送ってるんだよ、こちとら」
 ――銀の雨降る世界で過ごしたあの日々は、この世界の悪意にも負けない為の経験を彼に与えている。
 そして魎夜の真正面には石造りの遺跡、その中心には魔法の橋と似た雰囲気の文様が描かれていて、更に遺跡の周囲へと視線を向ければ火を灯すべき棒がいくつも立っている。
 魔法の橋と同じ仕掛けとするなら、この領域のあちこちに散らばっている棒すべてに同時に点火しなければ次の領域へ進むことは叶わないだろう。
(「こりゃ一人でやるのは難しいな」)
 そんな事を考えながら、魎夜は身をかがめ風の抵抗を抑えながら陣の近くに寄る。
 そしてモーラット達に遺跡周囲の柱への点火をお願いしつつ、魔剣を構え天候の制御に意識を傾けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御堂・伽藍
アドリブ、即席連携歓迎

あらし ともしび
先へ、進む為に

地形を利用し風属性魔力を増幅
咄嗟に高速詠唱UC

火風空属性を
防御力と状態異常力に
付与

忍び足悪路走破空中浮遊滑空UC
嵐の流れに同化、するすると進む

捕縛結界術道術継戦能力UC
価値のない紙幣(すてぜに)に魔力を宿し火を灯し
風属性の結界を火の周囲に作り火を守る
持続性を重視し結界は小さく、だが周囲の地形(豊富な風属性)を利用し長く強く火を守る(拠点防御)


あかり かがりび
灯火はいつでも、暗闇の中の導き
ちいさく あかるく
消える事無く、辛抱強く

ほしを ならべる
道を、象る
こっち こっち
そして我等は、目指す地へ至る…

魔法陣が現れたら、徐に入る



●風の力を借りて
 遺跡の周囲、切り立った崖の各所に見える幾つもの棒。あれらに火を灯し続けねば次の領域へ至る事はできないだろう。
「――あらし ともしび」
 捉えどころのない声色で御堂・伽藍(がらんどう・f33020)が状況を確認するように呟く。
 目も開けづらく視界の悪いこの暴風、麓の森の夜とはまた異なる暗闇の姿なのかもしれない。
「ほしを ならべる 道を、象る」
 そんな中、灯火はいつでも暗闇の中の導きであり続けてくれる。それを灯し、次への導きにする――先へ、進む為に。
 この暴風の領域では風の属性は強化しやすい。その助けを借り、伽藍は魔力を増幅させると滑らかに速やかに詠唱。
「きって、むすぶ。わけて、まぜる。時の刃が切り分けし渾沌の魔力、転輪せり」
 ユーべルコード【トリニティ・エンハンス十二刻】を伽藍が起動すれば、十二の魔力が彼女を強化。その強化を受けて嵐の流れに同化するように伽藍はするすると進んでいく。
 そして魔法の橋から見て遺跡の丁度裏側にあった棒の近くへと近づいた伽藍。仕立ての良いかわのひつぎから価値を無くし打ち捨てられた紙幣を幾つか取り出した。
 手に取ったそれらに魔力を通せば、ぱっと紙幣に火が灯る。その魔力の火を棒に移し灯して、
「ちいさく あかるく」
 消える事無く、辛抱強く――小さな灯をを覆うように同じくらいの小さな風の結界を作り出せば、小さな灯は大きく揺れる事もなく安定する。
 周囲には風の属性が満ちている。その力を利用した風の結界は小さいけれども持続時間と安定性は抜群だ。
 絶望のような暴風から灯火を守る仕掛けを暫く確認して、大丈夫と判断した伽藍は次の棒に向かい移動を開始する。
「こっち こっち そして我等は、目指す地へ至る……」
 捉えどころなく、されど何を為すべきかを理解している伽藍は、そのまま崖の狭い足場を容易くするりするりと移動し次への導となる火を灯していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アンゼリカ・レンブラント
【金と銀】

アルジェンも元気そうで何よりだ!
何年振りかな、やはり盟友との共闘は心躍る

そして転送陣が現れる仕掛け……
思い出す思い出す、ギガンティアを駆けた日々を。

アルジェンと情報共有しつつ進む
UCというのも色々使えるんだな
風から炎を守らせる手段として、
私は【クライシスゾーン】展開、
障壁を作り出して風から炎を守っていこう

突風に対しては自慢の鍛えた体で堪えつつ、
アルジェンの黄龍の風の援護を受けつつ進めるといいね
うまく追い風になったら、
武器を投げつける→武器に乗って飛ぶことも活用し
迅速に進めるといいかな

さぁ、転送陣に飛び込むっ!
力技力技……まあ、少人数で色々出来るように
なったのはいいことだ
さぁ先へ進むぞ


アルジェン・カーム
【金と銀】

アンゼリカさんも壮健で何よりです

こうして共闘も久しぶりですね

こういうギミックも懐かしいですね
とはいえ昔と違い…いくつか反則技もあります

英霊剣群展開発動

炎を付けたらそこに幻影剣群を周囲に展開して風から炎を守らせる

これで防げればいいのですが…

突風に対しては黄龍の風発動
相殺して被害を抑える

アンゼリカさんも被害から押さえます
【念動力・空中戦】
橋が消えて落ちそうな時も黄龍の風でフォローして先に進みます
それでも厳しい時は念動力の力も利用して
【戦闘知識】
それ以外の脅威についても周辺の状況と地形を確認して捕捉
アンゼリカさんと情報共有

依然と違い多少力業も使えるのは…良い事でしょうか



●嵐の中の黄金と銀狼
 ひとつひとつ、遺跡から比較的遠くから近くへと僵尸の少女の手で棒に火が灯されていく。
 遠くの火は彼女の灯した結界に守られしばらくの間は持つだろう。しかし遺跡近くには火を灯すべき仕掛けの棒が数多くあり、一人で回るには少々厳しいものがある。
 そんな近くの仕掛けに対応するのは金と銀の二人の猟兵。
「アルジェンも元気そうで何よりだ!」
 何年振りかな、とかつての盟友との共闘に心躍らせるアンゼリカの表情は太陽のように自信に溢れた明るい表情だ。
「アンゼリカさんも壮健で何よりです」
 魔塔への潜入を果たしてから登ってきたアルジェン・カーム(銀牙狼・f38896)とアンゼリカ・レンブラント(黄金戦姫・f38980)はかつての大魔女との戦いでも共に戦ったエンドブレイカーである。
 久しぶりの共闘と言う事もあって懐かしい気分になってくる二人は、周囲の地形をざっと見遣る。
「この転送陣が現れる仕掛け……思い出す思い出す、ギガンティアを駆けた日々を」
「こういうギミックも懐かしいですね」
 アンゼリカの呟きにアルジェンは同意する。
 三塔戒律マギラントの戦いの直前に出現したこのマスカレイドタワーは、多くのエンドブレイカーが駆け抜けたギガンティアだ。
 歴戦のエンドブレイカーでもある二人にはその時の記憶がまざまざと思い出される。見る限り地形自体はかつてと記憶の風景と変わらない、地形だけをみるなら気をつけるべきこともほぼ同じだろう。
 ただ一つ、矢鱈に強い災害の暴風が厄介だ。元々妙に遠回りさせるような造りの道が多い事もあって、短時間で回りたい今の状況ではかつてと同じ攻略法では厳しいかもしれない。
 実際近くにあった棒の一つへと近づいてアルジェンが火を灯してみるが、暴風にあっという間にかき消されてしまいそうになる。
 手分けをしつつ普通にタイムアタックを挑むという手もあるが――、
「とはいえ昔と違い……いくつか反則技もあります」
 かつてのアビリティではできなかった無茶――ユーベルコード【英霊剣群展開】を発動させる。
「来たれ数多の英雄が振るいし神剣よ……その力にて我らに祝福を与えん!」
 その詠唱と共に無数の神剣の幻影が放たれ、彼とアンゼリカの周囲を旋回し始める。
「ユーベルコードというのも色々使えるんだな」
 合わせて手ごたえを確かめるようにアンゼリカもユーベルコード【クライシスゾーン】を起動し、周囲の無機物――瓦礫を不可視の防御障壁へと変換する。
 この不可視の障壁はアンゼリカが操作できるもの、だから風に揺らめく灯火の周囲を障壁で覆い、暴風から保護するようにもできる。
 アルジェンが灯した炎の周囲を不可視の防御障壁と幻影の神剣がぐるりと覆う。一定以上の距離離れてしまえば障壁は元の瓦礫に戻ってしまうが、これがある限りは急な突風でも火が消されることはないだろう。
「これで防げればいいのですが……」
 幻影の神剣群はアルジェンやその仲間を守護するもの、その上で幻影であるからこの灯の周囲に展開して護らせ続ける事ができるかには少々不安があるが、二重に護られているならば大丈夫だろう。
 そして二人は他の棒に火を灯す為、崖の間の細道の移動を開始した。
 横から正面から吹きつける風は天候操作にかかっている猟兵の力で少しは軽減されているが、容赦なく襲い掛かる風は二人の歩みを遅くしてしまう。
「しかし中々風が強いな!」
 襲い掛かる暴風にも鍛え抜かれたアンゼリカの体幹は揺らぎはしないが、目を開けているのも少々厳しい位には風が強い。
 それにこの細い道では急な突風が来た時が少々怖く、慎重に進まざるを得ない。
「ここは僕が防ぎます!」
 ――アルジェンの英霊剣群展開は他のユーベルコードとも併用可能な特性がある。故にアルジェンは二つ目のユーベルコード【黄龍の風】を起動し、暴風を相殺するような逆風で周囲を覆う。
 災厄の暴風は逆風に相殺され、残りは涼やかな弱い風。
 この相殺状態を維持するための魔力は周囲を旋回する神剣の幻影から供給され続けている。当面の間はこの無風に近い状態を維持する事ができるだろうとアルジェンは感覚で推測する。
 暴風を弱め進んだ二人の前には遺跡東側の谷のようになった橋のない崖、全力で跳躍すれば向かい側に届きショートカットできそうだが、失敗すれば谷底へ真っ逆さまな危険な場所。
 しかし二人は躊躇いもなく跳躍。アルジェンは普通に、アンゼリカは愛用の斧剣を投げつけその上に飛び乗る形で身を投げ出した。
 そこに風が吹く。アルジェンの黄龍の風の加速、更には彼の念動力の補助を受けた二人は軽々と向かい側へと着地を決め、そこにあった棒に火を灯し守りつつ、元の遺跡へと同じように跳躍して帰還した。
 いつの間にか役割を果たした他の猟兵もこの遺跡の中心へと戻って来ていた。真ん中で輝く転送陣もその輝きを取り戻していて、客人を次の領域へ送れる状態になっている。
「以前と違い多少力業も使えるのは……良い事でしょうか」
 何とも言えない表情でアルジェンが呟いた。
「力技力技……まあ、少人数で色々出来るようになったのはいいことだ」
 うんうん頷くアンゼリカ、昔ならもっと多くの仲間たちと頭を捻って色々対策を考えただろうが、それはさておいて。
「さぁ、転送陣に飛び込むっ!」
 先へ進む、そのアンゼリカの気合十分な声と共に、猟兵達は輝く転送陣へと足を踏み入れていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『狂王アニール』

POW   :    クルーエルストリーム
レベルm半径内に【真紅の衝撃波】を放ち、命中した敵から【生命力】を奪う。範囲内が暗闇なら威力3倍。
SPD   :    暴走せし殺意
【剣】が命中した敵に、「【命を捨ててもアニールを殺したい】」という激しい衝動を付与する。
WIZ   :    我こそが王なり
自身の【王冠】から【恐怖のオーラ】を放出し、戦場内全ての【王ならざる者】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●魔塔の狂王
「さて、この上に行けば大ボスとのご対面だな」
 光発する転送陣へそう言った一人の猟兵が飛び込んでいく。ある者は徐に、ある者は堂々と転送陣へと足を踏み入れ転移する。
 一瞬重力がなくなったような感覚――次の瞬間猟兵達が見た景色は、足元がステンドグラスのようになった奇妙な空間であった。
 反響するように言葉が聞こえる。それは夜の道化師が詩に偽装した暗号。
 その暗号の先には道化師の影がいて、マギラントにおける戦争ではそれを撃破する事で戦況に影響があったが、今回猟兵達が打倒すべきは其方ではない。
 ステンドグラスのような足場を渡り、中央の鍵束の描かれた床、北の咲き誇る薔薇の床、そこから西へと箸を渡った紫の蝶と蜘蛛の描かれた場所に、このギガンティアの主はいる。
『よく来たな……エンドブレイカーか?』
 やってきた猟兵を迎えたのは威厳ある王のような風格の白髪の男。
『そうではない者もいるようだが……クックック、余に宿りしこの力に敵う筈もあるまい』
 ――狂王アニール、暴政と狂気により民を苦しめ虐殺した山斬烈槍ランスブルグ史上最悪の王。
 搔き集めた莫大な叡智は創造神の存在すらをも知っていて、けれどもその知は伝えられることなく勇騎士ジョナに討たれ、アンデッドマスカレイドとして復活し悪辣な手段を用いてエンドブレイカーを苦しめた存在だ。
 かつてのカトブレパスマスクこそ有していないようだが、エリクシルにより再び蘇生された狂王は狂気はそのままにその力はエンドブレイカー達と戦った時以上であってもおかしくはないだろう。
 しかし、この強大なマスカレイドを撃破できれば復活したギガンティアは崩壊、消滅する。
 力に酔い嗤う狂王に、猟兵達は武器を構え挑みかかるのであった。
御堂・伽藍
アドリブ、即席連携歓迎

ごきげんよう おうさま
左様なら、狂いの過去

残像陽動迷彩フェイント忍び足でゆるゆると接敵

射程に入り次第念動怪力衝撃波闇毒空属性目潰し捕縛マヒ攻撃UC
するする動きながら三本の「しん」を撃ち込み続ける
武器に纏わせた魔力で敵の自由を奪う

敵の攻撃を落ち着いて見切り
念動怪力衝撃波オーラ防御等で受け流す

窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃追撃

うばう? なにを?
我等は我楽多…物の屍。そこから如何に命を奪う?

わたしはやみ わたしはくも
慢心せずして何が王か。その不遜に糸を巡らす

えいがも くるいも
|水底へ《みなそこへ》 |皆其処へ《みなそこへ》
鎮め沈め骸の海へ

さようなら
さようなら
御然らば
御然らば



●狂気とがらんと
「ごきげんよう おうさま」
 恭しく正しく、王に対し言葉を発したのは御堂・伽藍(がらんどう・f33020)。
 しかしその言葉に温度はなく、ただ機械的に呟いているだけのようにも思われる。
「左様なら、狂いの過去」
 三本の|しん《・・》を取り出した伽藍。おれて、かけて、まがった三様の針は、時を刻み示すもの。
 構えた彼女は狂王の間合いへと飛び込んでいく。
『不遜な女め、その力を奪ってやろう』
 その瞬間、傲慢なる狂王より放たれし真紅の衝撃波が彼女を呑み込まんとする。
 ステンドグラスのような足元と相対する敵はよく見えるこの空間だが、空間そのものは夜の暗闇のようで、生命力を奪い取る衝撃波の威力は三倍増しになっている。
「うばう? なにを?」
 ゆらり、ゆらりと伽藍の姿がゆらぎ、衝撃波をすり抜けていく。冷静に衝撃波を見切り、独特な歩法で音無く虚をつく彼女は衝撃波に捉われることなく或いは受け流すことでゆるゆると、確実に距離を詰めていく。
「我等は我楽多……物の屍。そこから如何に命を奪う?」
 そして伽藍がアニールを間合いに捉え、ユーベルコードを起動し針を放つ。
「汝等の全て、刻まれ、朽ち果てて逝く」
 念動力により操られる三本の針は、衝撃波を伴いながらアニールへと襲い掛かる。
 剣を振るう狂王、二本の針が弾かれて、けれど欠けた短刃が一本だけアニールの肩口を裂く。
 その直後、弾かれた二本の針が向きを変えて再び狂王に襲い掛かる。
 びょうしん、ふんしん、じしん――三つの|しん《・・》のどれか一つでも狂王に撃ち込むことができれば更にもう三回撃ち込むことが可能になるユーベルコードの力だ。
「ちくたくちくたく ちくたくちくたく」
 時計の針がくるくる回り続けるように、何度も何度も。
『ぐうっ……!』
「わたしはやみ わたしはくも」
 針の撃ち込まれる速度が上がっていき、アニールの表情に僅かに焦りが見える。
 慢心せずして何が王か。その不遜に糸を巡らす伽藍。
 最初の三本で全てを打ち払えていれば鈍っていく身体で連続攻撃を受ける事もなかっただろうが、エリクシルより授かった力に慢心していた故に対処を誤った。
「えいがも くるいも |水底へ《みなそこへ》 |皆其処へ《みなそこへ》」
 二本、三本、しんに纏わせた魔力は少しずつ狂王の動きを鈍らせていく。
「鎮め沈め骸の海へ」
 伽藍に響く残響のように、別れの言葉は繰り返される。
「さようなら さようなら 御然らば 御然らば」
『ええい煩い! 纏わりつくな!』
 激昂した狂王が真紅の衝撃波を伽藍に合わせ、針を三つとも弾き飛ばす。
 連続攻撃を止められた伽藍は冷静に、一旦距離を取りつつ次の機会を狙う事にする。
 その有り様は、どこまでも追い詰め獲物を仕留める猟犬のようであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鍋島・小百合子
SPD重視
他の猟兵との連携を最重視

えんどぶれいかー?違うのう
わらわは肥前が女武者・鍋島小百合子
これより貴様を討ち滅ぼす猟兵ぞ

「長弓を持ちて加勢いたす。思う存分戦われよ」
後方の立ち位置にて長弓に破魔と神罰の力を込めし矢を番いては狂王に向け狙い射る(視力、スナイパー、鎧無視攻撃、属性攻撃併用)
味方の援護射撃を主として立ち回り、その勇姿を鼓舞す
狂王の剣の一撃には残像を纏いては回避、間に合わない場合は懐の小太刀で刃をこの身に受けぬよう武器受け防御

味方と攻勢に打って出る時はUC「心火焔硝矢」発動
火矢を番いては侵略する事火の如く焼却する勢いにて狂王に向け一気呵成に乱れ撃ち(属性攻撃、一斉発射、弾幕併用)


暗都・魎夜
【心情】
話を聞くだにろくでもない王様だが、それを復活させるエリクシルにも困ったもんだ
うちの世界にもあんまし来てほしくないし、そうなる前にどうにか出来りゃあな

「不勉強だな、王様。俺は通りすがりの能力者さ、覚えておきな! イグニッション!」

【戦闘】
叡智を集めた狂王って肩書は伊達じゃねえな
強大な魔力を使いこなして、剣技も中々
こりゃ、現役の頃に戦った奴らは苦労したろうな

その苦労を無にしないためにも、やらせてもらうぜ

「天候操作」によってUCの水鏡を召喚
「見切り」で回避を行いつつ、「斬撃波」を放つ

「お目覚め早々、運がなかったな、王様。師匠が言ってたぜ、"悪事ってのは失敗するようにできている"ってな!」



●雨の水鏡と蒼炎の矢
『ええい、離れよ!』
 "がらん"の少女の連続攻撃を途切れさせ、後退させたアニールは荒く息を吐く。
 そんな狂王の前にやってきたのは暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)と鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)の二人、
「話を聞くだにろくでもない王様だが、それを復活させるエリクシルにも困ったもんだ」
 魎夜の言葉に小百合子も首肯する。
(「うちの世界にもあんまし来てほしくないし、そうなる前にどうにか出来りゃあな」)
 エリクシルについては現時点でも、UDCアースなど他の世界をエンドブレイカー世界のマスカレイドを尖兵にして侵略するという事件も報告されている。
 つい最近では銀の雨降る世界でも第二次聖杯戦争のある戦場でエリクシルが萌芽しかけたという事例もあり、魎夜にとっても他人事ではない。
『お前達もエンドブレイカーか!?』
「えんどぶれいかー? 違うのう」
 朱色の鎧を装着した女武者は言い慣れぬその言葉を否定。
「わらわは肥前が女武者・鍋島小百合子。これより貴様を討ち滅ぼす猟兵ぞ」
『その鎧は天津神楽の者……か? だがヒゼンとは……? 』
 数多の知識を得たかの狂王といえど、異世界の知識まではないようで狂王は訝しむ。
「不勉強だな、王様。俺は通りすがりの能力者さ、覚えておきな! |イグニッション《起動》!」
 イグニッションカードを掲げた魎夜が瞬時に武装を装着、
『其方のお前も聞いた事がないが……まあいい。このアニールが新たなる恐怖の王朝の贄としてやろう』
 呼吸を整えたアニールは剣を抜き、二人に接近戦を仕掛けんと襲いかかってきた。
「長弓を持ちて加勢いたす。思う存分戦われよ」
 愛用の弓を構えた小百合子が魎夜へと告げ、狂王に神罰の如き破魔の力を宿した矢を放つ。女武者の視力と弓の技術から放たれた矢は、剣の間合いに飛び込もうとしてくる狂王に正確に向かっていく。
 その援護射撃を受けて魎夜もアニールに突進、ダッシュの加速を乗せて勢いよく炎の魔剣を横薙ぎに叩きつけるが、アニールの剣は飛来する矢と魔剣の刃を的確に弾き、受け流す。
 流れるように勢いを殺さずアニールは小百合子を狙い飛び込んでくる。その刃は狂気を齎す刃、冷静な思考を奪われてはエリクシルより授けられた強大な力を有するアニールを倒す事は到底困難となる。
 躱せぬと判断した小百合子は懐の護り刀を抜いて、狂気の刃を受け流しながら距離を取る。
「どこを見てる! 相手は俺だ!」
『邪魔だ!』
 そこに飛び込んできた魎夜、仕掛けてくる彼に対応するため狂王は残像を残しながら後退する小百合子へ追撃できない。
(「叡智を集めた狂王って肩書は伊達じゃねえな」)
 剣を交わす魎夜の思考。能力者時代から長らく戦ってきた彼ではあるが、それに劣らぬ剣の技量をアニールは発揮していて、中々切り崩す事ができない。
 それのみならず強大な魔力を使いこなしてくる事もあり、現役の頃に戦った奴らは苦労したろうとも。
(「その苦労を無にしないためにも、やらせてもらうぜ」)
 命中させた相手を狂気に等しい激しい殺意の衝動を与える剣、長時間接近戦でやり合えばいつかは当てられて、乱された精神から崩されてしまう可能性がある。
 だから、ここで仕掛ける。
『む……この空間で雨、だと?』
 魎夜の嵐の王としての力で優しい小雨が幻想の空間に降り始める。
 同時、小百合子はユーベルコード【心火焔硝矢】を起動。
「我は燃やす己が胸の内にある勇炎の心……」
 強大なるマスカレイドから発せられる悪しき狂気に圧倒されぬ小百合子の勇気が顕れたかのように、彼女の矢に蒼き火が灯る。
 小雨が自身に何ら影響を与えないことをすぐに理解したアニールは、魎夜に鋭く剣を突きこんできた。
 だがユーベルコードを起動した魎夜はその攻撃を見切っている。
「雨よ、嵐の王のために道を作りな!」
 魎夜の背後、そしてアニールの背後に二枚の水鏡が召喚、背の水鏡にバックステップで飛び込んだ魎夜の姿は消えて、標的を見失ったアニールはたたらを踏んだ。
 次の瞬間、水鏡を通じた異空間を通過して狂王の後ろに魎夜が出現し、その背に炎の魔剣『滅びの業火』を振るい強烈な斬撃波を放つ。
「貫け!」
 ――侵掠すること火の如く、番いて一気呵成に放たれた数多の矢は魎夜の斬撃波と同時。
 前後からの挟撃という形で襲い掛かるアニールへの攻撃全てを受ける事はさしもの狂王も叶わず、斬撃を逸らし切れず切り裂かれ、更に命中した矢が爆発的に燃え上がる。
 狂気を焼却するかの如き蒼き業炎に、狂王はくぐもった苦悶の声を挙げつつ剣とマントを振った衝撃波で蒼炎を散らし、その身の炎を消火する。
「お目覚め早々、運がなかったな、王様」
『お、のれ……!』
 だが、斬撃と火傷のダメージは生易しいものではなく、息を荒げる狂王。
 もうひと押しで倒せそうだが、その凶相の瞳に宿る殺意は未だ健在だ。
「師匠が言ってたぜ、"悪事ってのは失敗するようにできている"ってな!」
『だからどうしたというのだ! 王に失敗はない!』
 狂王が振るう剣を躱し、後方からの苛烈な弓の援護を受けながら、元能力者の青年と朱の武者鎧を纏う女武者は、アニールから一度距離を取ったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルジェン・カーム
金と銀

…アンゼリカさんと共にあの狂王アニールと戦う事になるとは
猟兵とは本当に…

【戦闘知識】
アニールの攻撃と戦い方を冷静に分析
情報共有

英霊剣群展開発動
アンゼリカさんと己を支援
【オーラ防御・念動力】
之から行うUCにおいての肉体の保護の為に展開
念動障壁もUCの反動軽減に使用

UC発動
【空中戦・二回攻撃・切断・串刺し・貫通攻撃】
超高速で飛び回りながら宝剣による連続斬撃から槍による串刺しへと繋げ乍ら

衝動に対しては…

…元より命掛けで挑ませて頂きます!

己の肉体の臨界を突破させての猛攻

肉体の崩壊を顧みず今この瞬間に全ての力を尽くす!

狂王アニール!貴方を破るのに狂気が必要なら!
我が全霊!我が魂!
此処に示す!!


アンゼリカ・レンブラント
【金と銀】

…今度は狂王アニールとはね
17年前の自分に言ってやりたいよ

絶対倒してやる、絶対だと思った相手を
この僅かの人数で倒すことになる、ってな

冷静に分析するアルジェンと情報を共有し
究極の光宿す拳を軸に近接戦を挑んでいこう

はやる気持ちは今の私にない
掌に爪が食い込んで、血が流れるまで拳を
握ったあの頃の激情は、この身を育てた過去

今は焦らず、アルジェンとの連携を意識し
剣を振るい拳を当て追い込んでいこう
相手も昔とは違うかもしれないが、
死者に、亡霊に屈するエンドブレイカーじゃないさ

限界を超えアニールを追い詰める
アルジェンに合わせ最大まで光を輝かせた
《断罪真拳》で仕留めるぞ
あるべき所へーーさよならだ、狂王。



●狂気を乗り越え
「……アンゼリカさんと共にあの狂王アニールと戦う事になるとは。猟兵とは本当に……」
 数奇な運命、とでも言うべきか。アルジェン・カーム(銀牙狼・f38896)は先に仕掛けた猟兵達の戦況を分析しつつ、切り込むタイミングを伺っている。
「……今度は狂王アニールとはね」
 マスターデモンの次はランスブルグを絶望に陥れたあの狂王と戦う事になるとは――アンゼリカ・レンブラント(黄金戦姫・f38980)の瞳に一層強い闘志が宿る。
 かつて三勇者決戦の前に鉄壁街の関所を守るために構築していた残虐極まりない結界、それを破壊する為に生贄とされたアンデッドだちと戦った苦々しい記憶が思い出される。
(「絶対倒してやる、絶対だ」)
 握りこんだ拳の掌に爪が食い込み血が流れる程の怒りを抱いたあの相手、未来ではこの僅かの人数で倒す事になると十七年前の自分に言ってやりたいくらいだ。
「……落ち着きましょう」
 入れ込み過ぎているようにも見えるアンゼリカを、アルジェンが宥めるように遮った。
 今、この場においては彼の方が冷静なようで、仕掛けるタイミングは彼の判断に合わせると予め決めていた二人。
「……大丈夫、はやる気持ちは今の私にない」
 あの頃の激情はアンゼリカの身を育てた過去ではあるが、抑えるべきは抑えるとアンゼリカは落ち着いた声で返す。
 丁度その時、水鏡で虚を突いた青年の一撃に合わせ、射かけられた火矢の蒼炎がアニールを炎上させた。
 仕掛けるならばこのタイミングーー、
「行きましょう、アンゼリカさん!」
「ああ! 行くぞ!」
 その言葉を合図にアルジェンが宝剣『Durandal』という大剣を掲げ、ユーベルコードを起動、
「来たれ数多の英雄が振るいし神剣よ……その力にて我らに祝福を与えん!」
 その詠唱と共に無数の神剣の幻影が猟兵達の周囲を旋回するように放たれた。
 神剣の幻影は纏うオーラにより自動で守ってくれる。何よりもこれより同時に起動させるユーベルコードの前に
「玄武門……開門……朱雀門……開門……白虎門……開門……青龍門……開門……」
 詠唱を継続する銀牙狼、黄金の戦姫はユーベルコードを起動しつつ飛び込んでいく。
 彼女発動させたユーベルコード【断罪真拳】により自慢の拳に宿るは究極の光、物質を透過し戦意と人を傷つける心のみにダメージを刻み込む力だ。
『この程度の不利、|余興《・・》には丁度いい』
 手負いの狂王はしかし冷静さを取り戻したようで、向かってくるアンゼリカの力を見破り大きく回避し剣を振るう。
 ステンドグラスのような床を強く蹴ってその一撃を回避したアンゼリカが裏拳を叩き込もうとするが、アニールはバックステップで回避。
 焦らずにアンゼリカは追撃に拳と逆の手に構えた創世の斧剣で踏み込み斬りかかる、狂王は剣術で受け流してアンゼリカの体勢を崩そうとする。
 が、黄金の戦姫は崩れた体勢から筋力で不自然な体勢から強引にアニールの懐へ飛び込みながら拳を突きこんだ。
 剣と拳、どちらも有効打にはならずにアニールの剣は神剣の幻影に阻まれ究極の光宿せし拳も掠める程度。
『そういう性質か。だが私の精神を焼き尽くせるか?』
 光に精神を焼かれる苦痛を受けているはずのアニール、哄笑と共に再び猟兵に斬りかかってくる。
 その底知れなさはかつて力を下げ渡された少女のアンデッドから感じた力を遥かに上回る――エリクシルの力を受けた影響だろう。
 だが、焦らずにアンゼリカは創世の斧剣で刃を受ける。死者に、亡霊に屈するエンドブレイカーではないのだから。
「……四門開門!! あなたを……『仕留め』ます」
 詠唱を完了したアルジェンがユーベルコード【絶・四門開門】を起動、彼を蒼きオーラが覆って彼の身体能力を強化開放、その体を飛翔させ高速でアニールに切り込んでいく。
 空中から襲い掛かる超高速の斬撃、アニールは剣で防ぐが追いつかない。見る見るうちに細かな傷が刻まれていく。
『こ、の……そこだ!』
 しかし一撃、苦し紛れに振るわれた狂王の剣がアルジェンに命中し弾き飛ばす。
 傷は神剣の幻影により殆どない。だが、命を捨ててもアニールを殺したいという強い衝動が湧き上がってくる。
 それは冷静さを奪いアニールのホームグラウンドである狂気へと導く力。
「……元より命掛けで挑ませて頂きます!」
 しかし、アルジェンには関係ない。元より命懸けで戦うと決めていたのだから。 
 ユーベルコードにより彼自身の肉体の限界以上に引き出された速度と膂力により身体が悲鳴を上げている。それが更に殺意に加速させらたからか、神剣の幻影の支援や念動障壁による負荷軽減を合わせても無視しきれない程に全身が軋む。
 それすら顧みず、アルジェンは今引き出せる全ての力を絞り尽くすように幻影の神剣も合わせた大剣とのコンビネーションで畳みかけ、アニールも焦りを隠せない。
「狂王アニール! 貴方を破るのに狂気が必要なら!」
 蒼きオーラを纏い銀狼は叫びながら宝剣を斧槍へと持ち替えて、
「我が全霊! 我が魂! 此処に示す!!」
『ぐおっ!?』
 連続斬撃から斧槍での強烈な刺突、得物の変化によるリーチと機動の急な変化にアニールは対処しきれない。
 狂王の不完全な防御が破られ、その胴は深々と貫かれた。そして、アニールの脚はステンドグラスの床から離れ、そのまま持ち上げられ宙へ投げ上げられる。
「今です!」
 アルジェンの限界を超えた連撃に呼応するように、限界を超えたアンゼリカの自慢の拳が最高潮に光り輝いて、跳躍。
「死ぬことは許さない。――そしてあるべき者はあるべき所へ」
 悪人を捕らえ罰を下す断罪の拳、ユーベルコードへと昇華されたそれが、空中の狂王の胴に叩き込まれた。
 断罪の光が悪しきマスカレイドの邪悪な心と戦意すべてを焼き尽くしていく。
『ぐあああああ!!!』
「――さよならだ、狂王」
 断末魔の絶叫をあげる狂王への黄金戦姫の手向けの言葉。
 魔塔の主となっていた狂王アニールの絶命と共に、無数の仮面の魔塔は崩れ消滅を開始する。

 そして、ドロースピカの空から射しこむ光に散らされるように、主を喪った魔塔は跡形もなく消失していく。
 脱出した猟兵達は災厄が完全に消滅したことを確認し、グリモアベースへと帰還したのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年01月19日


挿絵イラスト