【城下町と黄金城】勇者の軌跡を追え【前編】
●前回のあらすじ
勇者が遺した一つのオルゴール。
そのオルゴールは主が生きていると音楽を奏でると言われている。
勇者がいなくなった年月の間、鳴らないオルゴールとして魔法店に預けられていた。
しかし、猟兵達との「妖精いたずら収穫祭」の最中、一人の猟兵の引き語りの中でオルゴールが鳴り始める。
「勇者が返ってきた」
それを聞いた妖精達の中で、噂はどんどんと広がっていったのであった。
●
こうして、勇者が返ってきたという噂が巷に広がった。
それはまず、妖精の間に広まり、妖精使いに伝わり、そしてお城へと伝わる。
神聖王国ファルシエールは、勇者のお供をした姫の血統が伝わる血筋である。
噂の真偽を確かめるべく、使いを出そうと会議を重ねる大臣たち。
そんな決議をしている中、一人の男がふらりと王城を訪れる。
勇者の印をかざすと、彼は言った。
「俺は帰ってきた。さあ、門を開いてくれ」
突然の勇者の到来に、王の謁見の場が開かれる。
顔を伏し、金の髪だけを見せる勇者に、ねぎらいの言葉をかける王様。
「よくぞ帰ってきた勇者よ、面を上げてくれ」
すると、突如笑い出す勇者。
「クク、ハハ、愉快よ」
口元を歪める勇者の姿に、王は下僕に取り囲むよう命令をする。
「さては、そなたは勇者ではないな?」
「そうよ、王様! 俺は勇者ではない!」
敵はオブリビオンとしての姿を見せ、黄金のドラゴンの翼を持つ男へと変身する。
そして、闘気を王様と妃に浴びせると、ギラギラとした黄金の姿へと変えてしまった。
「この城は、この俺によって陥落する!」
正体を現した男は、城内の人や物を黄金に変え、根城にして居座った。
こうして、一夜も過ぎず陥落した神聖王国。
城下町は下僕のドラゴンたちに占領され、竜と神聖王国の戦いが始まったのである。
●
ノラ・ネコカブリ(ダークエルフの眠りの歌い手・f35214)は、神聖王国の地図を壁に張り出すとこう言った。
「一つの王国が計略にかかり、滅びようとしているのら」
羊皮紙に描かれた勇者風の金髪の男の姿を配ると、続けてこう言う。
「敵は呪金竜ファフナー。勇者に倒され、個人的に恨みを持つ執念深いやつなのら」
君は羊皮紙に描かれているその男を見た。
ゆがんだ口元に、黄金の鎧と剣を手にしている。
「そいつは勇者に化けて王国に入り込み、神聖王国の城を黄金に変えたのら。今は城下町で残された人々が逃げたり戦ったりしている最中なのら」
姫の血統を継ぐ神聖王国。神聖な力によってオブリビオンを避けていたと言われている。
しかし、その王国が落ちたとなると、周りの国も黙ってはいまい。
「現在、友好国達が前線を保っているのら。みんなは、城下町に入って家来の竜を討伐しながら、門を守る白銀竜を討伐するのが任務なのら」
時間は刻々と過ぎているのが、ノラの横の砂時計で測られているのが分かる。
ノラは城下町を指さすと、敵の説明を始めた。
城下町と城は、堀に囲まれており、どちらも水がためられている。
「まず、竜の群れは簡単な【竜の爪】での攻撃。【竜の尾】による態勢を崩す一撃。【竜の吐息】による、命中や攻撃力を上げるか、攻撃回数を増やした攻撃」
簡単な小さなドラゴンたちだ。しかし、それを全部倒すのは難しいだろう。
「奴らは数で押してくるのら、群がられて足止めを食らわないように気を付けるのら」
敵の数は無数にいるようだった。何匹倒せばいいというわけでもないらしい。
ここは、城へと突破することを念頭に置いて戦わねばならない。
「兵士さん達も戦っているから、猟兵が着いたことで鼓舞してあげてほしいのら」
次に、ノラは城の門の前を指さした。
城下町と、城の門はつながっており、城の尖塔が高らかに何本もあるのが分かる。
「城の門番として跳ね橋に白銀竜というドラゴンが構えているのら」
門には堀があり、水が溜まっている。そこに跳ね橋がかかっているようだ。
「このドラゴンは、黄金に変えられて動かなくなった跳ね橋から飛ぶことはないのら。なぜなら、命令として誰も通さないように言われているからなのら」
黄金の城の門を守る白銀竜は、誰も通さないように言われているに違いない。
「奴は【殺気】に敏感で、気づかれると【流星】や【落雷】の範囲攻撃をしかけてくるのら。これは無差別に自分たちの強さに比例して大きくなるのら。群れて突入するのは危険なのら」
しかし、落雷や流星によって、黄金の跳ね橋が落ちる心配はなさそうだ。
もし、落とすだけの何かがあれば、また別かもしれない。
「さらに【攻撃を反射するオーラ】を身にまとい、生命力や戦闘力を増強するのら。そのオーラは、【意志の力】によって戦闘力を増強するのら。飛ぶのは今回は念頭に置かなくていいのら」
反射の攻撃に気を付ければ、基本的に相手を誘導させて追い掛け回す事などは管変えなくてもよさそうだ。
「跳ね橋の鎖は傷ついていて、壊してやれば堀に落とせる可能性はあるのら。やつは、門を死守するためにその場を動かないのら」
堀の鎖も黄金に変わってしまっているはずだが、黄金は柔らかく傷つきやすい。
熱やヒビによって割れる可能性は大だ。
「黄金の城に突入したら、そのまま謁見室までいくのら!そこに、敵ファフナーはいるのら!」
黄金の城を守るのは竜一匹らしい。
しかし、その奥にはこの騒動を起こした本体がいる。
「奴は勇者に倒された事を根に持って、勇者の関連したものをすべて滅ぼす気でいるのら」
君はどこか尊大な笑い声が聞こえるきがした。
この王国を落としたのも、結局は姫にまつわる国として隙を見つけたからに違いない。
「じゃあ、絶対死守の攻防戦いってくるのら!」
ノラはワープの魔法陣を杖先で叩く。
すると、魔法陣が光った。
猟兵達はそれに乗り、一瞬浮遊したかのような感覚を得た。
目の前には戦場となった城下町。
たくさんの竜の翼の音と、それと闘う兵士たちの怒声が聞こえる。
はるかず
●あらすじ
このシナリオは、フェアリーランドの収穫祭の続きになっております。
簡単に説明しますと、勇者に預けられていたオルゴールが、勇者の生死を判断する魔法の品であった事。
それが、猟兵達のお祭りの最中、鳴りだしたことによって、勇者が生きている噂が立ったこと。
その噂が、フェアリーを通じてお城まで届いたのが原因です。
●はじめに
勇者の軌跡を追う話の一つです。
今回は【前編】と【後編】に分かれています。
黄金の城に変えられてしまった神聖王国を助けてあげてください。
●竜の群れ
現地の人と協力し、竜の群れを倒します。
シンプルな攻撃で、多数で攻めてくるところに注意です。
一定数倒したら、次へと進みます。
城を取られて劣勢になっている兵士たちを鼓舞してあげると、ボーナスが付きます。
●白銀竜
門番として守っているプラチナのドラゴンです。
黄金に変えられた跳ね橋の上に立ち、襲ってきます。
跳ね橋の鎖にはひびが入っており、ドラゴンは守るために跳ね橋の上からどこうとはしません。
殺気に敏感なため、不意を打つのは難しいでしょう。
●さいごに
神聖王国は聖遺物とされるものを守ってきた国です。
武器防具などに神聖な力を宿しており、竜に引けを取りません。
しかし、今回は勇者を騙る者のせいで、オブリビオンを城の中に入れてしまいました。
勇者が生きているか?はさておき、今現在の危機を乗り越えましょう。
第1章 集団戦
『竜の群れ』
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POW : 竜の爪
敵を【竜の爪】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
SPD : 竜の尾
【竜の尾】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ : 竜の吐息
【竜の吐息】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
イラスト:小日向 マキナ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
御堂・伽藍
アドリブ、即席連携歓迎
わたしは しんじる♪
この『物語』の大団円を!
先制UC最大範囲発動
味方にも強化効果を付与
ひをふく こうもり
竜と思うな!
残像陽動フェイント忍び足にてするすると行進
射程に入り次第念動怪力雷氷地空属性衝撃波UC
フェイント二回攻撃を交え範囲ごと薙ぎ払う
マヒ目潰し捕縛逃亡阻止時間稼ぎ
雷と凍りで敵をまとめて縛る
結界術範囲攻撃罠遣い
すてぜにを核に雷氷の魔力トラップを仕掛ける
敵の攻撃を落ち着いて見切り
残像陽動迷彩フェイント忍び足等で躱し
さもなくば念動怪力衝撃波オーラ防御等で受け流す
窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃追撃
やり ゆみや
差し込めば治癒は遅れる!
見切りお誘い集団戦術
トドメは兵士達に任せて敵の無力化と進行を優先
『おゃおゃ、手の込んだ仕返しですなぁ。矮小と思い込んだ人間勇者にコテンパンに伸されたのが余程悔しかったと見える♪』
そんなに くやしい?
『大きいものほど「小さい」と言われるのが我慢ならないものですよ?図星ですからねぇ♪』
ふぅん そう
流石「道化師」、逆撫の達者故に
次の 頁は?
リオン・ゲーベンアイン
ゲーベンアイン侯、ここに推参だよ!
話は聞いているよ
王族達は保護できている?
一人でも保護ができているならまずは王室の断絶は防げたかな。勿論出来ていなくとも、まだ救出できていない関係者も全員助けるけどね
そう言って弓を絶凍弓へと変容させ、放たれる幻想武装群を変換した矢を放つ
ここからだよ、わたしが『神弓侯』と呼ばれる所以は!
放たれた矢から吹きすさぶ悲劇の連鎖を断ち切る星詠みの聖なる吹雪
それが竜の群れを凍てつかせ、悲劇の連鎖を凍りつかせ断ち切っていく
今だ!この隙に救出作戦を開始する!
総員、出撃準備は出来ているね?
さぁ、行くよ!
『神弓侯』ゲーベンアイン侯リオン、押し通る!
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎
「揺動では無く多面的作戦か…駆逐し撃滅する」
『マルチスタイル・サイコミュ・ファンネルビット』で可能な範囲のファンネルを創造して展開させ現地の人と協力し、劣勢になっている兵士たちを鼓舞するメッセージを伝え戦況を知らせながら猟兵には正確で的確な現状と譲許を報告しながら連携と対応をサポートしながら随時にレーザー攻撃をしながらシールドバリアで防ぎながら対応します。
優先順位は現地の人と協力し兵士たちを鼓舞をして、次に猟兵と連携した竜の撃滅、と認識して必要ならカバーや防御でファンネルでのテレポートで援護します。
「フェアリーランドの収穫祭を突いての潜入と掌握、姑息な戦法だな…」
城下町を一つの馬車が走る。
「伽藍ちゃん、疲れてないかい?」
「大丈夫」
伽藍の膝にはオルゴールが乗っていた。
中にエンゲージリングが入った勇者のオルゴールである。
伽藍とライはの二人は、勇者の生を知らせるこのオルゴールをこの国に届けに来ていた。
王族たちに勇者の生の確証を与えるのはこのオルゴールだけだからだ。
馬車が、広場を抜け中央通りを通りかかったとき。
急に馬車が止まった。
馬車の御者が上を指さし、何やら叫んでいる。
「王城が!」
ただならぬ雰囲気に、伽藍とライは馬車から下りて王城を見上げた。
なんと、王城がその中心から黄金に染まっていくのが見える。
それと共に、青い翼の小型のドラゴンたちが空を覆い始めた。
悲鳴が上がり、壺が割れる音がすると、近くの夫人が逃げ始める。
兵士が出動し、交戦のために剣を持ちながら降り立つドラゴンへと走っていくのが見える。
ばさり、ライの傍で竜の翼の音がした。
ライの目の前に一体の小型ドラゴンが現れ、爪で引き裂こうとする。
それをライは引き抜いた両刃剣で受け止めると、強く押し返し地面に叩きつける。
転んでいるドラゴンを、大きく突き刺して倒す。
「伽藍ちゃん、竜たちの衝撃だ!」
ライが振り返りみる。伽藍は、御者をすでに馬車内に避難させ、馬車の上に立ちながら竜を撃退していた。
ししんの二振りで、竜の二つの羽を断ち、大きく薙ぎ払うとその衝撃波で、空にいるドラゴンの群れごと払い落した。
二人が戦っていると、上空を大量の竜が、黄金に変えられた姫を抱えて飛んでいくのが見えた。
「姫様が――!」
市民たちが逃げる足を止め、上空にいる黄金の姫を心配する絶望の声が聞こえる。
晒し物のように吊るされた姫は、上空で竜たちに吊るされて止まった。
ファフナーの高笑う声が城下町へと響く。
――今から、目の前でこの姫の四肢をもぐ!大人しく見ているがいい!――
その時だった。
『降り続ける雪の如き悲劇の連鎖。その理を剣で断ち切るならば、弓を用いても悲劇という理を汝は穿ち貫き破壊するだろう――!』
凍てつく矢が四方八方から飛んでき、悲劇を断ち切る幻想武装軍となって降り注いだ。
竜たちの翼があらゆる武器によって捥がれ、ちぎられ、叩きつけられて落下する。
一瞬にして、天空に居た竜たちが一網打尽とされた。
リオン・ゲーベンアイン(四大副王北方担当『神弓侯』・f23867)のUC《天帝の弓よ、悲劇なる理を断ち切るが如く穿ち貫け》である。
支えられていた姫の体が落ちていく。
「ティティ!来て!」
とっさの、伽藍の呼びかけと共に、天空に魔法陣が現れ黄金を梳いたような金髪の女性が現れる。
ティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)であった。
姫が支えを失い落ちるところを、ティティスはテレポートで飛んで救出する。
「フェアリーランドの収穫祭を突いての潜入と掌握、姑息な戦法だな…」
そう言葉を発し、ゆっくりとティティスは降りていく。
「友軍だ!やった、助けが来たんだ!」
喜びの歓声が響き渡る。
門から中央通りに、友軍の騎馬隊が駆けてくる。
先頭には白馬に乗った軍を率いる司令官、青い髪をなびかせたゲーベンアイン候の姿があった。
「話はきいているよ!助けに来た!」
凛とした声が、大きく広場に響いた。
その姿を見て、市民たちに安堵の声がわっとわいた。
「ああ!ゲーベンアイン候だわ!」
「助けに来て下さった!」
「俺たち助かるんだ!」
「まずは、一人。王室の断絶は防げたかな?」
中央通りに降り立った、ティティスの前に馬を寄せてリオンは語り掛ける。
「一陣は倒した。これから、第二陣がくる」
冷静に判断を述べ、ティティスは姫を降ろすと、リオンの軍隊の馬車に預けた。
ファフナーの高笑いが、国に響く。
――ハーッハハハ!ようもやるようだなぁ!ゲーベンアイン候!――
第二陣の小型の竜たちが城から放たれ、群れを成して、王国に襲い掛かろうとしていた。
――絶望はこれからだ!とくとその眼で見ているがいい!――
小型の竜達は金の破片を次々と落としてくる。
叫び声がし、その黄金が何か察したもの達が声をあげる。
それは、黄金に変えられた国の家臣たちの手、足、胴体、引きちぎられた顔であった。
「う、うわぁああ!」
その黄金の破片を見て、リオンの友軍にもその悲劇は伝わっていった。
「くっ――――みんな、落ち着くんだ!」
リオンが制止しようにも、動揺は広がっていく。
兵士、領民、友軍の間で、士気の減退が伝わっていくのが分かった。
――はははははは!お前たちの助けたい思いはこうも簡単に引きちぎられる!――
伽藍のがらんどうの中にある仮面が笑い出す。
『おゃおゃ、手の込んだ仕返しですなぁ。矮小と思い込んだ人間勇者にコテンパンに伸されたのが余程悔しかったと見える♪』
「そんなに くやしい?」
『大きいものほど「小さい」と言われるのが我慢ならないものですよ?図星ですからねぇ♪』
「ふぅん そう」
二人の会話が秘匿するように行われた。
『適切対応可変型サイコミュ・ファンネルビット』
UCであるマルチスタイル・サイコミュ・ファンネルビットを使い。
ティティスだけが、手を休めずにファンネルビットで竜の迎撃を行っていた。
「揺動では無く多面的作戦か…駆逐し撃滅する」
ファンネルビット達は、空を飛び城内へと偵察に飛ぶ。
「伽藍ちゃん――これは!」
中央通りで、一匹の竜を薙ぎ払ったライが伽藍に声をかける。
伽藍は冷静に、すてぜにを四方に巻く。
「ライさん 馬を走らせて みんなの声が届く場所へ」
ライは頷くと、伽藍を馬にのせて自分も飛び乗る
「借りるよ!」
馬車の御者から馬を借りると、二人で教会がある丘の方へと向かっていった。
伽藍はすてぜにを巻きながら、僅かながら士気が残る兵士たちに強化効果を詠唱で載せて、支援する。
しかし、市民の間では絶望の嘆き声がしているのが耳に入って来る。
「みんな逃げるどころじゃない、立ち止まってしまっている」
ライはその状況を深刻に述べる。
二人は馬を走らせ、教会が建つ丘の上へ出た。
教会の丘は避難した市民たちが震え声で泣きわめいているのが聞こえた。
そんな中、伽藍はがらんどうの中にしまわれていた、オルゴールの声を聞いていた。
『伽藍ちゃん ぼくはね
竜との戦争に行くかもしれない子供に
お母さんが送るオルゴールなんだ
出兵していった人たちは みんな生きていることを
分かってもらうために お母さんに僕を託すんだよ』
あたたかい おかあさんのきもち
めぐる めぐる 生まれてきた物語の力
『みんな僕の音楽を聴いて 育ってきたんだ
さあ、僕の声を届けて
勇気を届けてあげて!』
泣きわめく市民たちに、とどめとばかりにファフナーの通告が入る。
――勇者など信じるからこうなる。勇者などいるから物語が悲劇に落ちるのだ――!
「わたしは しんじる♪
この『物語』の大団円を!」
声高らかに、伽藍の竜琴と声が響く。
――だ、誰だ!この希望に満ちた不愉快な声は!――
伽藍は歌いだす。オルゴールの音に合わせて、竜琴を弾きながら。
『絶望の中に 生まれ
私たちは生きてきた
奇跡が生まれる事を信じながら
一人の勇者の物語を 歌いながら』
虹色の竜が、教会の上を飛び立ち、市民がわぁッと声を上げた。
そして、市民の一人が勇気をもって続きを歌いだす。
『英雄は 生まれる
「かならず 竜を 倒すゆえ」
道化にしか 聞こえない 少年の言葉を
一人の少女が信じたから』
それに続いて、周りの避難していた市民も歌いだす。
戦っていた兵士に、教会での合唱が聞こえていく。
『それは誰もが耳する英雄章
小さいころ 母から聞いた 勇者の物語
私は信じる この物語の 結末を
この物語の 大団円を』
その声は、リオンがいた中央広場まで広がっていき。
リオンの耳まで聞こえてきた。
ティティスがリオンに状況を知らせる。
「ファンネルビットから、王城の様子の連絡がきた。中枢の人物はまだ生きている」
「分かった、ありがとう」
リオンは、弓矢を天に向け、無事を知らせる鏑矢を撃った。
「今だ!この隙に救出作戦を開始する!
総員、出撃準備は出来ているね?
さぁ、行くよ!
『神弓侯』ゲーベンアイン侯リオン、押し通る!」
リオンの凛とした声が、友軍を励ますように響く。
『君と未来を生きよう
君の花で しおりを作ろう
新しい未来の物語の
1ページにはさむため』
ゲーベンアイン候の旗印が掲げられ、友軍たちが市街へと騎馬を走らせる。
声高らかに、歌は広がっていく。
無事を知らせる鏑矢の響きと共に、市民の士気は上がり凱歌となって勝利の歓声が城下町から聞こえ始める。
『それは誰もが耳する夢物語
冒険を夢見た 小さな幼心の 君の物語
私は守る この物語の 結末を
一人の少女が夢見たから』
ティティスも歌に身をゆだねながら、ファンネルビットを連れて空を飛んで出動する。
どこからか妖精さんが現れ、ティティスのファンネルビットに飛び乗る。
「遊んでくれてありがとう!ティティスお姉さん!」
それは、フェアリーランドの収穫祭の妖精さん達だった。
「僕たちも戦うよ!」
彼らはファンネルビットと共に飛ぶ、魔法を撃って竜を凍らせたかと思うと、それをファンネルビットが撃ち落とす。
妖精とファンネルビット達は歌を伝えるために、兵士たちのもとへと支援に散っていく。
竜と闘う兵士の元にやってきたファンネルビットは、負傷者をテレポートさせ、シールドバリアを張って援護射撃をする。
「ありがとう。妖精さん、そして硬い妖精さん!」
兵士たちとファンネルビットの攻勢が、3つの連携と共に押し返していく。
ティティスは、竜を砲で焼き払いながら呟いた。
「そうだ、私たちは一人ではない……」
『たとえ世界に裏切られようとも
この気持ちは 裏切れない
それは少女から託された花
大人になるまで守ってきた童心』
参戦した妖精さん達が歌いながら竜達を魔法で仕留めていく。
ファンネルビット達が、メッセージを広めていく。
虹色の竜が歌と共に飛んでいく。
兵士が励まされ、友軍と共に戦う。
市民が鼓舞され、一人一人が立ち上がる。
少女が持つ一つのオルゴールから、希望が広がり、歌声となって奇跡となった。
教会で大合唱の中、伽藍が竜琴を鳴らしUC《大炎黒拆若土鳴伏》を発動する。
ラストの音楽が高鳴った。
『それは誰もが耳する英雄章
小さいころ 母から聞いた 勇者の物語
私は信じる この物語の 結末を
この物語の 大団円を!』
巻いていたすてぜにから、紫電の剣が現れ8つの柱となって、天空に立った。
その剣に貫かれ、触れた竜が地面へと墜落していく。
歌が止むと同時に、空には一匹も竜がいなかった。
市民たちから歓声と、互いに抱き合う抱擁が行われ、生き残った事を喜び合った。
「よかったね、伽藍ちゃん」
ライが傍に立って、伽藍の頭をなでる。
「ううん 皆が未来を信じたから……」
竜琴を抱きかかえ、伽藍が丘の上から抱き合う市民を見渡した。
完全勝利、ここに小さな英雄譚が始まったのである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ローズ・ベルシュタイン(サポート)
『さぁ、楽しませて下さいますわよね。』
人間のマジックナイト×電脳魔術士、女の子です。
普段の口調は「高飛車なお嬢様(私、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」、宿敵には「薔薇の棘(私、あなた、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は高飛車なお嬢様風の偉そうな感じです
花が好きで、特に薔薇が大好き
武器は、主にルーンソードや精霊銃で戦う。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
徳川・家光(サポート)
『将軍なんだから、戦わなきゃね』
『この家光、悪は決して許せぬ!』
『一か八か……嫌いな言葉じゃありません!』
サムライエンパイアの将軍ですが、普通の猟兵として描写戴けると嬉しいです。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、全般的に「悪事を許せない」直情的な傾向と、「負傷を厭わない」捨て身の戦法を得意とします。
嫁が何百人もいるので色仕掛けには反応しません。
よく使う武器は「大天狗正宗・千子村正権現・鎚曇斬剣」です。
普段の一人称は「僕」、真剣な時は「余」です。
あとはおまかせです!
それは、数十分前の事。
小型の青いドラゴンの群れに対して、猟兵達は城下町でそれぞれ戦っていた。
猟兵の一人、美しい紅の髪をしたローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)は、小型の竜を愛銃プリンセス・ローズによって翼を打ち抜いては、バランスを崩したところを夕焼け色のロングソードで切っていった。
背には赤髪に角を生やした、徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)がローズを守るようにして立ち。
名刀『大天狗正宗』で、爪で強襲してくる青い小型ドラゴンを真っ二つに切り伏せる。
「きぁあああ!」
突如、近くにいた女兵士から、叫び声がした。
彼女の目の前には、体を二等分された黄金の輝きを放つ、元見張り兵らしき姿があった。
続いて、黄金となった人間の部位が、ドサッと上から次々と降ってくる。
それは顔の一部であったり、欠けた鼻、腕、脚など様々であった。
「これは、まさか人だったもの……!?」
ローズは驚愕の声を上げる。
上から落ちてきた黄金は、それぞれ元は人だと思える姿をしていた。
すべて王城の、メイドや家臣、コックなどであった。
「このような蛮行、許せぬ!」
許しがたいファフナーの所業に、家光の刀を握る力が強くなる。
「こんな……ひどい、黄金になんて……」
言葉を詰まらせながら、黄金の前で足をつく女兵士。
その、女兵士に新手の敵の爪が襲い掛かろうとしたのを、ローズは剣を振り下ろし、足ごと切り落とした。
「立ちなさい、ここでくじけてはだめですわ!」
泣き伏せる女兵士を守りながら、その凛々しい声を張る。
「ローズ、汝が言い聞かせても難しいであろう、周りを見るがいい」
家光が、ひっ迫する状況に、冷静に周りを見渡している。
ローズもその穏やかでありながら、冷静な声に従って周りを見遣る。
そこには戦意を失い、叫ぶ兵士や、泣き狼狽える兵士、それを守るために戦線を維持するのに必死な兵士がいた。
「これは……!」
ローズは目を見張った。
「皆、この悲劇的な状況に、パニックになっているのであろう」
一匹の小型の竜を足で蹴りやって壁に叩きつけたあと、そのまま突き刺して家光は言う。
「なんとか……しませんと」
ローズは震える声を押し殺し、勇気を奮い起こして胸を張った。
何かないかと、周りを見渡した時。
先ほどまで泣いていた女兵士が泣き止んでいることに気づく。
女兵士の目の前に、小型のファンネルビットが飛び出していた。
その上には、妖精さんが乗り歌いながら肩を揺らしている。
ファンネルビットから「私たちは一人じゃない」とメッセージが入り、ことを奏でる少女と合唱をする教会の人々の姿がモニターに映し出された。
「歌……そうですわ!」
ローズは自分のカバンから、さっとヴァイオリンを取り出す。
そして、妖精さんの歌に合わせて、弦を引く。
『お聞きなさい、私の奏でる旋律を!』
UC、《薔薇園狂詩曲》が奏でられる。
ほぉ……と奏でる旋律にため息を漏らす兵士たち。
先ほどまでのパニックは静まり、逃げ出す兵士が止まり、さらに歌いだすものが出始める。
ローズから奏でられる旋律は、その場の士気を高揚させ、人々に希望をもたらす。
それぞれが、強く、明るく、希望をもって、歌いながら竜退治に参戦する。
ギャシャァーー!とその音に割って入って来るドラゴンがいた。
ローズを襲おうとする、群れの中でも大型の青いドラゴンの前に家光が出で立つ。
「余が相手である」
音楽を聴きリラックスした状態で放たれる、家光の澄み切ったような闘気。
『身は空、心は虚にて、柳流鉄を穿つ』
UC《無刀取り》によって、場を荒らす竜の尾による攻撃をそのまま手で受け止め、反らして威力を無効化させた。
そのまま、尾を抱いてひょいと上に持ち上げてスイングし、地面に叩き伏せた。
「これで、群れの上は退治しました。これで、ここ一帯は無事でしょうか?」
あっさりと叩きのめし、士気の上がった周囲を見遣る。
歌はより一層大きくなっていくのを家光は感じる。
ローズのバイオリンだけではない、国が一体となる軍歌が響き渡るのを感じる。
その光景に、家光は勝機がこちらに傾いたのを、その頭と体が高揚したことでハッキリと分かるのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『白銀竜』
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POW : 白銀竜のオーラ
全身を【一定ダメージを反射するオーラ】で覆い、自身が敵から受けた【受けたダメージ合計量】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD : 白銀竜の怒り
【殺気】を向けた対象に、【敵合計レベル半径mのいる敵に落雷と流星】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : 白銀竜の意志
全身を【一定ダメージを反射するオーラ】で覆い、自身の【意志の力】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
イラスト:にこなす
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠純・ハイト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
王城の前には一つの桟橋が下りていた。
その上には、白銀のドラゴンが巨体で塞いでいる。
来るものを防衛するため配置されたそのドラゴンは、黄金の城を守り、そこから動かずに猟兵達を睨んでいた。
ファフナーの手下である、白銀のドラゴンは、猟兵達に一吠えし威圧する。
ここを越えれば、王城の謁見室にいる宿敵まで直ぐだ。
焦る心を抑え、悪逆非道の敵へと君たちは立ち向かう。
御堂・伽藍
【金剛胎蔵】
アドリブ、即席連携歓迎
じゃま どいて
クライマックスが待ってるの!
先制早業リミッター解除
残像陽動フェイント忍び足でするすると至近まで接敵
念動怪力投擲誘導弾フェイント二回攻撃追撃
敢えて威力を抑えすてぜにで射ち続ける
マヒ目潰し捕縛逃亡阻止結界術
ルビーを陽動にガーネットを迷彩し魔力を撃ち込む
味方の攻撃に援護射撃追撃
叶う限り攻撃回数を増やす
敵の攻撃を落ち着いて見切り
残像陽動フェイント忍び足等で躱し
さもなくば念動怪力衝撃波オーラ防御等で受け流す
敵の動きが止まったら
念動怪力衝撃波鎧無視部位破壊スナイパー
逆鱗にUCを撃ち込み敵UCを無効化
追撃早業高速詠唱リミッター解除召喚術
ティティを即時召喚しチャンスを広げる
それは なに?
金の前座で銀?気の利かぬ駄洒落…
やくしゃ ふそく
鎮め沈め骸の海へ
さあ そこをどいて
疾く速く舞台から転がり去れ!
さようなら
さようなら
底の其処で蹲って居れ
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎
金剛胎蔵
「主力の登場か、城の解放の為にも駆逐し撃滅する」
『マルチスタイル・サイコミュ・ファンネルビット』で創造し展開して警戒・捜索・索敵・防衛・反射・対応ファンネルビットを準備してティティス本人がアルテミス・レーザーで先制攻撃を仕掛けながら攻撃の反射をシールドで防いでスピードで避けれ無い際にサイコミュ・ファンネルビット・テレポートで空間飛翔して避け、絶対的な回避不可能な反射にはマルチ・リライズ・パルスで反撃します。
反射の様子を見て機会があればフルバースト・マキシマム+ヘラ・エウピションで苛烈な猛攻で全方位攻撃を仕掛けて反射をし切れ無い攻撃を仕掛けます。
向・存(サポート)
もし手助けが必要でしたらお手伝いするのですよぉ~。
ユーベルコードの出し惜しみをするつもりはありませんけどぉ、だからと言って乱発すればいいってものでもないですよねぇ~。
使いどころに迷ったときはぁ、ご同輩に相談すればいいでしょうかぁ~?
けどぉ、非道なことをなされる方には手加減無用、全力で参らせていただきますねぇ~。
あとは最後まで油断大敵、【咄嗟の一撃】も放てるように【逃亡阻止】は意識しておきましょう~。
大丈夫ですよぉ~、手足の二・三本くらいもげてもなんとかなりますのでぇ~。
荒事以外の御用ならめいっぱい楽しんじゃいますよぉ~。
特に読み物なんかは好きですねぇ~。
※アドリブ・連携歓迎
レイン・ファリエル(サポート)
『さぁ、貴方の本気を見せて下さい』
人間のサイキッカー×ダークヒーローの女の子です。
普段の口調は「クールで丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、機嫌が悪いと「無口(私、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は落ち着いてクールな感じのミステリアスな少女です。
人と話すのも好きなので、様々なアドリブ会話描写も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
城田・紗希(サポート)
基本的には考えるより行動するタイプ。
でもウィザードミサイルや斬撃の軌跡ぐらいは考える。…脳筋じゃナイデスヨ?
暗器は隠しすぎたので、UC発動時にどこから何が出てくるか、術者も把握していない。
逆恨みで怒ってる?…気のせいデスヨ。UCの逆恨みじゃアルマイシ。
戦闘は、範囲系ユーベルコードなら集中砲火、単体攻撃なら可能な限りの連続使用。
必要に応じて、カウンターでタイミングをずらしたり、鎧破壊で次の人を有利にしておく。
……防御?なんかこう、勘で!(第六感)
耐性……は、なんか色々!(覚えてない)
リオン・ゲーベンアイン
さぁ、わたしの『生命体の埒外』…『弓矢に伝承を乗せる』というものを披露してあげよう
弓の弦を引き絞り、起動するはカワイイ怪人の絶対無敵バリア
味方も守るべく限界が記されていないそれは、射程範囲内の落雷と流星を防ぎ切る!
さぁ、次はこちらの番だ
次にマニアック怪人に変身し、対UC用武器・戦術で白銀竜のUCを封殺していくよ
そうだね、超射程範囲を誇る自動迎撃バリスタ…
それを持って白銀竜諸共落雷と流星を撃ち落としていくよ
そうして最後にスピード怪人に変身し、暴風と高速移動で連続攻撃を仕掛けていくよ
これで一先ずは終わりかな?
グゥルルル!
桟橋の上に立ち、城門をふさぐ白銀の色をした竜。
ここを通さぬと言わんばかりに、しっぽを振り、歯をむき出しに見せてくる。
犬のように吠え、威嚇する白銀竜。
猟兵達と、白銀竜を取り囲んだ兵士たちがにらみ合っていた。
「おびえるな、撃てー!」
リオン・ゲーベンアイン(四大副王北方担当『神弓侯』・f23867)と共に到着してた友軍達が、騎馬に乗って弓矢を射かける。
すると、弓矢が反射され、逆に友軍達へと帰ってきた。
「うぉあー!」
「こいつ……反射するぞ!」
手や足に、弓が返ってきて動揺する友軍達。
友軍の弓矢では、反射に対して歯が立たないようであった。
「みんな!ここは、わたし達にまかせて!」
リオンが前に颯爽と出ると、一人の猟兵に指示を出す。
「回復をお願いするよ!」
「分かりました。私の聖なる光が、あなた達に祝福を!」
レイン・ファリエル(クールビューティー・f17014)のUC《生まれながらの光》がキラキラと傷を癒し、友軍達を高速治療させていく。
しかし、瞬時に白銀竜が一吠えして、上空から巨大な流星が現れて友軍に襲い掛かる。
「友軍に攻撃しようったってさせないよ!」
リオンのポニーテールに黄色い縁取りにオパールの輝きのリボンが現れ、ひと輝きする。
「さぁ、わたしの『生命体の埒外』…『弓矢に伝承を乗せる』というものを披露してあげよう!!」
リオンの姿がオパールの輝きと硬さを持った鎧に変身し、虹色のカワイイ怪人となった。
黒いマントをなびかせて、友軍達の前に立ち、弓矢を構える。
光る弓矢を引き絞り、放つと【絶対無敵バリア】が、虹色のオーラとなって友軍全体を包み込んだ。
「ゲーベンアイン候が盾となって、守ってくださっているぞ!」
「おお!我らのゲーベンアイン候!」
「なんて優しい光だ!」
友軍の士気の高まる横を、盾型のファンネルビットが何機も素早く飛んで行った。
白銀竜の周りをヒュンヒュンと飛び回り、白銀竜の牙と翼を弾いて陽動する。
上空に向かって牙を鳴らす白銀竜の下を、一人の少女が足音一つ立てずに忍び寄る。
御堂・伽藍(がらんどう・f33020)は、白銀竜の足元に立つ。
ウォンと大きく太い音を立てて「ふんしん」で【フェイント】をかけた。
驚いた白銀竜が振り向いたところに、指ではじいた「すてぜに」のルビーを飛ばす。
ルビーはカッと輝き、紅い閃光となって場を包んだ。
白銀竜の苦しい声が響く。
すかさず、伽藍は「すてぜに」のもう一つガーネットを逆鱗に魔力ごと打ち込み、素早く飛んで退避する。
閃光が3秒ほど、場を包んだ中、桟橋がガタリと落ちる音がした。
城田・紗希(人間の探索者・f01927)のナイフが、その3秒間で桟橋の鎖を切り落としたのだ。
『私に斬れないものは、たぶんない!』
すちゃっと、城田は友軍の前にかっこつけて舞い降りた。
目を閉じたまま堀に落ちそうになる白銀竜は、瞬時にバタバタと上空へと舞い上がる。
「リオンさん、やっちゃって下さい!」
城田は場をリオンに譲り、鎖を切ったナイフをしまう。
「いいよ!さぁ、次はこちらの番だ!」
次は青色に輝き、サファイアの輝きを放つリボンをポニーテールに身にまとい【マニアック怪人】に変身する。
また黒いマントを靡かせると、大きな固定砲台であるバリスタが現れた。
リオンは超射程範囲の自動迎撃バリスタを、舞い上がるドラゴンに射程を定める。
白銀竜は苦し紛れに流星と落雷を落としながら、舞い上がっていく。
「いけ!」
流星を貫き、落雷を浴びようとも、突き進み、白銀竜へとバリスタの矢が貫いていく。
増える 射止める 落ちよ!
呪文を伽藍が唱えると、バリスタの矢が数十を超える巨大な矢の束となって白銀竜へと刺さっていく。
白銀竜は反射したものの、いくつかの矢の束の攻撃にたまらず堀へと落ちていった。
フォンフォンと、ファンネルビットが盾となり、反射されたバリスタの矢を受けてダメージを受け流す。
「じゃま どいて クライマックスが待ってるの!」
堀に挟まりじたばたする白銀竜へ3本の時計の針の武器が飛んでくる。
ガーネットが輝く首の逆鱗に、見事命中した三本の「ふんしん」「びょうしん」「じしん」はギリギリと逆鱗があった首元で音を立てる。
パリンッと敵のUCである反射オーラが割れ、スンッと消えていった。
「それは なに? 金の前座で銀?気の利かぬ駄洒落……」
バタバタ暴れる白銀竜は堀から這い上がり、城門の方へ逃亡を試みる。
ティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)と向・存(葭萌の幽鬼・f34837)が城門の前に立っていた。
召喚と《サイコミュ・ファンネルビット・テレポート》で先手に回って、後方を抑えていたのだ。
「逃亡阻止、させていただきますねぇ~」
向のUC《聖杯幻影兵団》によって、【聖杯幻影兵】が数十体召喚され、城門をふさぐようにして立つ。
槍を持ち、白銀竜の顔面を何度も突き刺していく。
『適切対応可変型サイコミュ・ファンネルビット』
ティティスのUC《マルチスタイル・サイコミュ・ファンネルビット》によって、ファンネルビットが、槍型に変形した。
そして、白銀竜の背を幾度も刺して、羽がボロボロになって落ちていく。
友軍が、とどめといわんばかりに弓矢を射かけ、ティティスの《アルテミス・レーザー》によるレーザー攻撃がさく裂する。
白銀竜はずるずると、堀の下へと戻っていった。
UCがなくなり、翼が切れ、皮膚が怪我を負い、ズタボロになった白銀竜をリオンが見遣る。
「これで最後だよ!」
「ふんしん」「びょうしん」「じしん」が逆鱗からずるりと離れ、ガーネットがまだそこには輝いていた。
リオンのポニーテールのリボンが、水色と白のフリルが付いたリボンに変わり【スピード怪人】へと変身する。
「やくしゃ ふそく
鎮め沈め骸の海へ
さあ そこをどいて
疾く速く舞台から転がり去れ!」
伽藍の声と共に、リオンの弓矢が引き絞られる。
『散華せし自由を求める三の華。その想いは我が弓と矢に宿り、過去ではなく未来を満たすためにその百花繚乱を世界に魅せる』
まばゆく弓矢が光り、高速で矢が打ち出される。
逆鱗に何千もの光る矢が浴びせかけられ、首がこそぎ落とされていく。
最後には、皮一枚となり、体を残して堀の下へと落ちていった。
さようなら
さようなら
底の其処で蹲って居れ
響く少女の声。
首のない竜の亡骸が、堀ですがるように固まっていた。
そして、友軍達の勝利の歓声が、ゲーベンアイン候の賛辞と共に響いた。
「万歳!ゲーベンアイン候!」
「友軍万歳!猟兵万歳!」
「われらの勝利に幸あれ!」
その歓声にリオンは手を振ると友軍達に残るように指令した。
「住民たちは任せたよ!」
リオンは城下町に背を向け、猟兵達と共に王城へと向かうのであった。
成功
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