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銀河帝国攻略戦㉔～対艦兵装を護るモヒカンの群れ

作者：夢幻

「フハハハハ！！！　戦士達よ！　銀河皇帝の居城は目前だ！」
　グリモア猟兵の夢幻・天魔（千の設定を持つ男・f00720）は猟兵達を見回して哄笑を上げる。
「しかし、ここで解放軍は足止めを喰らっている。原因はインペリウムを護る『対艦兵装群』のせいだ」
　『対艦兵装群』は解放軍のスペースシップに対して、およそ2倍の最大射程距離を持っており、解放軍は反撃もままならないとのことだ。
「今回の任務は、この『対艦兵装』の破壊だ！　どうやら護衛もいるようだが……そちらは必ずしも相手をする必要は無い。我らの目標がインぺリウムの銀河皇帝である以上、『対艦兵装』さえ破壊できればそれでいい」
　天魔の担当する『対艦兵装』は20ｍほどのビーム発射装置となる。この『対艦兵装』は至近距離への攻撃はできないが、その代わりに猟兵の転移攻撃に備えた護衛部隊が配置されている。護衛の攻撃を掻い潜り、兵装を攻撃、最終的に破壊すれば任務は達成だ。理想は護衛の攻撃を回避することだが、それが叶わなかった場合は護衛を倒した上で『対艦兵装』へ攻撃することになる。
「『対艦兵装』の護衛は宇宙バイクに乗った小悪党どもだ。帝国の正規兵ではなく、帝国にすり寄った暴走族が捨て駒として利用されているだけのようだな」
　そこまで強くはなさそうだが、相応の移動速度と遠距離攻撃は持っている様子だ。数もそれなりにいるようなので、如何にこの敵を掻い潜って『対艦兵装』へと近づくか、良く考えてほしい。
「ククク……この任務に成功すれば、遂に銀河皇帝への道が開かれる。戦士達よ！　勝利へ向けて突き進むのだ！」
　天魔はそう言うと、奇妙なポーズを取りつつ猟兵達をスペースシップワールドへと転移させ始めた。

第1章 集団戦 『スペースモヒカン』

POW   :    ゴミクズは焼却だーっ！！！ 【手にした火炎放射器から放つ炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【暴力的な】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。 SPD   :    俺様のスピードについて来られるか！！ 自身が装備する【イタイ改造を施した宇宙バイク】を変形させ騎乗する事で、自身の移動速度と戦闘力を増強する。 WIZ   :    行くぜダチ公どもっ！！ 【宇宙暴走族の仲間達】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

「ヒャッハー！　解放軍は皆殺しだーー！！」

　猟兵達は解放軍の宇宙船から宇宙へ飛び出した。すると、それを見て、緑、黄、紫など様々な色のモヒカン達は、同じカラーリングにした宇宙バイクを爆走させて襲い掛かってきた。

「今は亡き雷獣よ……どうかその力をここに……」

　ビーストマスターであるベール・ヌイ（桃から産まれぬ狐姫・f07989）は、護理雷招来を使用してゴリラを召喚。ゴリラの乗るバイクにタンデムして、モヒカンの群れ突破を狙う。そのゴリラの表情は（モヒカン相手ならばバイクで行かざるをえない）とでも思っているようにも見える。

「基本……いつでも……バイクだよね？」

　首をかしげるベールを後ろに乗せて、ゴリラはフルスロットルで『対艦兵装』へむけて発進する。

「ゴミクズは焼却だーっ！！！」

　ベールの乗るバイクへ向けて、緑色のモヒカンが火炎放射器から火炎を発射する。しかし、ゴリラは野生の勘で攻撃を感知、華麗なドライビングテクニックで火炎を回避する。

「ゴリラ如きが生意気なっ！　行くぜダチ公どもっ！！」

　攻撃を回避したことで、敵も本気になった様子だ。わらわらと6人ほどのモヒカンが、ベールの乗るバイクを撃墜しようと集まってきた。ゴリラの操縦テクニックでも、流石にこの数を突破するのは厳しいか。

「さあ、お行きなさい。　ダーティ・ピジョン！」

　その時、横合いからモヒカン達を鳩の群れが強襲する。

「うわっ！　なんじゃこら！？」
「べたつきやがるぜ！？」
「くっそ！　俺の自慢のバイクが！？」

　モヒカンを襲った鳩は粘着質なスライム性だ。鳩はモヒカン達のバイクに貼り付き、機能不全に陥らせた。この鳩はオル・クブナス（殴られ屋・f00691）のユーベルコードによって生み出されたものであった。

「ベール様、私が援護しましょう。さあ、今のうちに『対艦兵装』へ攻撃するのでございます」
「ありがとう……ボクが……アレは……破壊する」

　オルはシルクハットから、さらに追加の鳩を出して、モヒカンの動きを封じていく。オルの的確な支援によって、ベールをバイクを遮るものはなくなった。
　ベールはゴリラに指示し、バイクに電撃をフルチャージ！　そのまま『対艦兵装』へと突っ込んでいく！！

　バリバリバリ！！！　ズガガガーン！！！
　
　『対艦兵装』も巨大といえど機械だ。雷撃は効果的にダメージを与えている。

「素晴らしい。支援した甲斐がありました。ゴロツキが厄介かとも思いましたが、意外と大したこともないようでございますねえ」

　ゴロツキ如きでは、猟兵達の連携を阻止できるはずなど無かったのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

「大詰めが近いってのに、いまさらモヒカンが出てくるかよ。とはいえ、油断はできねえな」

　色取り取りのモヒカンを見て、ラザロ・マリーノ（竜派ドラゴニアンのバーバリアン・f10809）はうんざりとした様子だ。しかし、銀河皇帝へと迫るためには、このモヒカンを突破し『対艦兵装』を破壊せねばならない。ラザロは気を引き締めて戦いに臨む。

「目的は『対艦兵装』だ。戦わずに済むならそれが一番だな」

　ラザロは体表の鱗の構造を変化させることで、宇宙空間にその姿を溶け込ませる。そして、モヒカン達に見つからないように、そろり、そろりと『対艦兵装』へ向けて慎重に進み始めた。

「先へ進むため、あのような装置は討ち滅ぼします」
「アタシのスピードを見せてやろう！」

　ラザロが隠れて進むのと並行して、夜神・静流（退魔剣士の末裔・f05903）とフロッシュ・フェローチェス（疾咬の神速者・f04767）も『対艦兵装』へ向けて走り出す。

　先行するのはフロッシュだ。彼女は得意のスピードで、モヒカンの宇宙バイクをことごとく振り切って駆けていく。

「捨て駒程度の速さで、アタシを止められるもんか！　スピード勝負ならアタシの土俵だ」

彼女はただ速いだけでなく、走りながらも周囲の敵配置を把握し、敵の攻撃を回避できる中で最も距離の短い、いわば最適解ともいえるルートを通って、最速で『対艦兵装』へと突き進む。

「チッ、抜かれたぜ！」
「くそっ、速すぎるんだよ！」

　モヒカンもバイクを変形させて加速するが、細かい方向転換で翻弄しつつ進むフロッシュを捉えきれない。
　疾走するフロッシュの少し後ろに、静流が続く。フロッシュにこそ劣るとはいえ、彼女もかなりのスピードだ。

「ヒャッハー！！　焼却してやるぜーっ！！！　何ぃ！？」

　フロッシュを取り逃した一人のモヒカンが、静流へ向けて火炎放射器から炎を繰り出す。炎が当たったかに見えたが、それは静流の残像だった。静流は勘を研ぎ澄まし、敵の攻撃を見切って残像を残して回避していく。これはまずいとモヒカンも道を塞ぐ様に宇宙バイクを展開するも、静流はこれを跳躍することで通り抜けた。
　スピードも体術も併せ持つ２人は、モヒカンの群れを突破し、『対艦兵装』へと辿り着いた！

「機械ブーツ可変完了――まとう音すら、超えてやる……！　喰らえっ！！」
「我が剣は雷。薙ぎ払え、三ノ太刀・鳴神！！」

　フロッシュは更なる加速から、必殺の足刀を『対艦兵装』へ叩きこんで裂断する。そこに重ねるように、静流は雷を宿らせた愛刀で『対艦兵装』を切り裂いた！
　２人の攻撃を受けて、『対艦兵装』はかなりのダメージを受けているが、破壊までは後一歩足りなかったようだ。更なる追撃を加えようとする２人であったが、追いついてきたモヒカン達の邪魔によってそれは叶わなかった。囲まれるのはまずいと、２人は仕方なく撤退する。

　２人の撤退によって、『対艦兵装』は護りきられたか？　いや、この戦場には、まだ１人の猟兵がいる。ラザロはフロッシュと静流にモヒカンの注意が行っている間に、着実に歩を進めていた。宇宙空間を漂うデブリやスクラップになった宇宙バイクに隠れつつ、遂にモヒカン達に見つからないまま、『対艦兵装』の元へと辿り着いたのだ！

「一気にカタをつけてやるぜ！！」

　ラザロはドラゴンハルバードを全力で『対艦兵装』に叩き込む。ラザロの単純かつ重い剛力による一撃は、これまでの猟兵達の与えた破損の上から『対艦兵装』を貫いて、真っ二つに叩き割った！！

「やべぇ！　対艦兵装がやられちまった！」
「失敗しちまった！　もう終わりだ！！」
「くそっ、逃げるぞ！！」

　元々銀河帝国にすり寄っていただけのモヒカンの暴走族だ。忠誠も何もない彼らは、『対艦兵装』の防衛に失敗したことがわかるとバラバラに逃げて行った。

　猟兵達の活躍により、『対艦兵装』は破壊された。銀河皇帝の座すインぺリウムまではあとわずかだ。この先には更なる激闘が待ち受けているだろうが、猟兵達ならば、必ず勝利を掴むことができるはずだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年02月19日