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|試作型《プロトタイプ》:Bibliothek

#ダークセイヴァー #ダークセイヴァー上層 #第三層 #グリモアエフェクト #試作型シリーズ

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●知恵と知識こそが史上の食材
 ダークセイヴァーの上層にある魂人達の集落。
 以前、この集落の人々は猟兵達に助けてもらったことがあり、少しでも恩返しをしたいと毎日知恵と知識を蓄え続けていた。
 闇の種族に殺されて、蘇ってしまうなどという苦しみの日々を覆すために、毎日、毎日、来る日に向けての知識を集めていた。
 何処かで、必ず闇の種族を倒すための知識が必要になってくるからと。

 けれどそんな日々は長くは続かなかった。
 新たにこの近辺に君臨した闇の種族によって集落が目につけられたその日から、知識と知恵を持つ者達を食材とした『晩餐会』を開くために魂人達が次々に攫われてしまう。
 たくさんの知恵と知識を持つ者が極上の食材として選ばれ、闇の種族の邸宅へと連れて行かれてしまう。

 邸宅へと連れて行かれたら最後、永劫回帰を永久に使い続けながら邸宅の主と招かれた賓客に貪り食われる道しか残らない。
 蓄えた知恵と知識を全て喋れば解放すると言われているそうだが、今のところ、誰も戻ってきていない。

 このまま魂人達の道は暗闇へと閉ざされてしまうのだろうか……。

●邸宅へと侵入せよ。
「胸糞悪いですよねぇ、ホント。というわけで、これから皆さんにはダークセイヴァー上層にて、魂人の皆さんの救出を行っていただきたいのです」

 集まってくれた猟兵達に向けて、金宮・燦斗(|夕焼けの殺人鬼《MorderAbendrot》・f29268)は今回見えた予知の内容を伝え、作戦を告げる。

 これから先に起こる未来――すなわち、ダークセイヴァー上層の集落に住まう魂人達が食材として晩餐会で振る舞われる未来。
 その未来が始まったら最後、魂人達が蓄えていた闇の種族への対抗を考えるための知恵と知識が全て失われ、再び暗黒の時代となってしまう。
 燦斗はこれを防ぐべく、魂人達の救出をお願いしたいと猟兵達に伝えた。

「今はまだ、闇の種族に対抗するための知恵と知識が我々にはありません。が、彼らが集めている知恵や知識がこれから先必要になってくるかもと考えると、ここで救助しておいたほうが良いかと思いまして」
「今回の作戦は、ズバリ囮。みなさんが知恵と知識をふんだんに持っているとわかれば、闇の種族はみなさんを邸宅へと連れていくでしょう」

 闇の種族の邸宅にはこれまでに捕らえられた魂人達がたくさんいるため、彼らを救出することで未来を捻じ曲げて晩餐会を潰し、思い通りにさせないようにするのが今回の目的となる。
 抵抗したくとも、今はまだ知識も知恵も技術も足りない。故に、今回は闇の種族やその配下を無理に倒すなどはせずに、魂人の救出に注力して欲しいと燦斗は言う。

「一歩間違えれば、地獄の底。……ですが私は皆さんを信じて、ダークセイヴァー上層へ送り出します」
「この働きが何時か必ず、どこかで役に立つと……私は思っていますから」

 ゆるく笑みを浮かべた燦斗は準備が整った者達から順次、グリモアベースから現場へと送り届けるという。

 ――|図書館《Bibliothek》を荒らされる前に、食い止めろ。


御影イズミ
 閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
 久しぶりにダークセイヴァー上層のシナリオを出したくなりました。
 以前出した試作型:Arkとは少しだけ繋がりがありますが、前作を知らなくても大丈夫です。

 初めての方はMSページをご確認の上、ご参加ください。

●第一章:日常シナリオ
 魂人達の集落で、彼らと会話をして闇の種族の配下につれて行かれるシナリオ。
 闇の種族の目的は『魂人達の持つ知恵と知識を余すこと無く奪い、そのついでに肉体を食材として扱う』ため、知識や知恵を披露していると配下によって連れて行かれてしまいます。

 皆さんはここで、何でもかまわないので魂人達の会話の中で知恵と知識を披露してください。
 ダークセイヴァーやそれ以外の世界の知識、または日常知識、おばあちゃんの知恵袋などなど、なんでもOKです。

●第二章:冒険シナリオ
 第一章で捕まった後、闇の種族の邸宅へと連れて行かれ牢屋にぶっ込まれますが、猟兵なので簡単に牢から抜けて捕まっている魂人達を救出します。
 しかし邸宅内部は迷宮のように入り組んでおり、脱出までに時間がかかってしまうようです。
 その他、詳細は断章にて。

●第三章:集団戦シナリオ
 集団敵『有翼従者『ドラゴンメイド』』との戦いになります。
 逃げているところで見つかってしまうため、魂人達と協力して脱出を目指していきます。
 その他、詳細は断章にて。

 皆様の素敵なプレイング、お待ち致しております。
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第1章 日常 『たとえ消えゆく希望でも』

POW   :    まず自分が話し、話を促す

SPD   :    適切に相槌を打ちつつ、話を聞く

WIZ   :    共感する姿勢を見せながら、話を聞く

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

サンディ・ノックス
にこやかに穏やかな態度で「はじめまして」
猟兵だと名乗れば話は早いかな
猟兵は世界を渡るんだ、今日はたくさんの世界の話を聞かせに来たよ、と
彼らの知識は話す機会が無いくらいたくさん俺の話を聞かせよう

俺は依頼以外でも世界を渡り多くの世界を見ている
見てきた世界全てを話しきるつもりでひたすら魂人に語り続ける
でも他の世界の環境の良さはあまり悟られないようにしたい、話す部分は慎重に選ぶ
(例えば平和なアルダワ学園も子供から大人まで学生として災魔と戦い、大きな戦いがあって姿を何度も変える魔王と戦って大変だったとか)
ダークセイヴァーの環境の苦しさから、他の世界を羨む悪い気持ちが出てきてしまったら苦しむのは魂人だから



●猟兵の知識と知恵は、まさしく宝箱
 魂人達の集落へとやってきたサンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)はキョロキョロと辺りを見渡して、現在の状況を確認。集落内には魂人達のみがいるようで、今は平和なようだ。
 しかし、それでも魂人達は恐れている。この地を支配している闇の種族にいつ捕らえられ、いつ食べられるのかがわからない恐怖に、彼等は少々萎縮していた。
(ふむ、ならばこちらから話しかけたほうがいいかな?)
 サンディは臆すること無く、集落の魂人達に話しかける。最初は彼を闇の種族の配下だと勘違いした魂人達だったが、彼が猟兵の身分を明かすと皆表情を明るくさせた。
 この集落の以前、別の闇の種族によって虐げられていたところを数多の猟兵達に助けられている。故に、猟兵には恩義を感じているためサンディもまた同じように助けに来てくれたのだと喜ぶ。

「今日はたくさんの世界の話を聞かせに来たんだ。俺は、依頼以外でも世界を渡って多くの世界を見ているからね」
「で、でも、そういうのを話したら――……」
 1人の魂人が制しようとしたが、サンディは指を立てて口元に当てて、静かに、と止める。知識と知恵を語ることで闇の種族の配下に捕らわれるまでを行わなければならないため、サンディは続けて様々な世界で起こった出来事について語り始めた。

 蒸気と魔法が発達したアルダワ魔法学園。
 UDC溢れる現代世界UDCアース。
 つい最近様々な惑星が見つかったスペースシップ&オペラワールド。
 剣と魔法と竜の世界アックス&ウィザーズ。
 呪術法力の蔓延る江戸幕府のサムライエンパイア。
 人類滅亡後の不思議ワールドキマイラフューチャー。
 ヒーローとヴィランの戦いが巻き起こるヒーローズアース。

 ……と、語りだせばキリがなく、サンディも様々な出来事を思い起こしながら世界の全てを語る。
 しかし、ダークセイヴァーの世界に比べればどの世界も環境が良すぎるものだ。故にサンディは魂人達に良い環境であることを悟らせないように、言葉を選びながらこれまでの冒険を語り続けた。


「あっ……!」
 語り終わった途端に、1人の魂人が小さく声を上げる。
 その視線の先にいたのは、闇の種族の配下であるドラゴンメイド。
 どうやらいつものように見回りに来ていたら、サンディの語りを聞いていたようだ。
「……俺を連れていく、かな?」
 その言葉を言い切ったと同時に、配下のドラゴンメイドは無理矢理にサンディを捕まえて手を縛る。

 知恵と知識を語った者は誰もが食われるのがこの場所でのしきたりなのだと伝えるかのように。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エグゼ・シナバーローズ
俺の大切な人達も上層のどこかにいる
だけどこの集落にはいねーみたいだな
安心したような、残念なような複雑な気分だ

厄介なことになってるんだってな
手助けしに来たぜ
集落の人に告げて身分を明かし、作戦のために俺の自慢話を聞いてほしいと頼む

精霊術士はこの世界には馴染みが無いだろうからそこから説明だな
俺は4つの属性の精霊と契約してて、呼ぶことができるんだぜ
話だけより見るほうがわかりやすいだろと、指定UCやエレメンタルロッドの精霊達を呼び出して見せる
可愛いだろー?
可愛いだけじゃなく頼りになる存在だってことを具体的にたっぷり話す

人攫いが来たら力いっぱい抵抗する
すんなり連れていかれたら怪しまれるかもしれねーじゃん



●数多に存在する精霊の知識
「……この集落には、いねーみたいだな……」
 集落へとたどり着いたエグゼ・シナバーローズ(4色使いの転校生・f10628)は小さく、ホッとため息をつく。ダークセイヴァー上層のどこかには彼の大切な人も存在しているため、グリモア猟兵から話を聞いた時にはもしかして、という嫌な考えもあったが……どうやら、それらは全て杞憂だったようで。
 安心したような、残念だったような気持ちが心の中に渦巻いたが、事件に巻き込まれなかっただけ良かったと思おう、と気持ちを切り替えてもう一度辺りを見渡す。

 集落の人々はエグゼの来訪に首を傾げていた。彼が猟兵という身分であることを告げると、以前別の人に助けてもらった礼をしたいからと、協力してくれる姿勢になった。
「ふむ、じゃあそうだな……作戦のために、俺の自慢話を聞いてほしいんだ」
「自慢話?」
「そう。精霊術士としての自慢話をさ!」
 そう言ってエグゼはユーベルコード『仮初めの精霊化』を使い、辺りに散らばる無機物のうちの1つを大地の精霊ヴィーオと似た精霊に変換。まずはこういった精霊を扱うことが精霊術士である、という話から始めた。
 ダークセイヴァーの世界は吸血鬼が蔓延る世界。故に、精霊とは縁があまり無く、集落の人々も物珍しそうな目でエグゼと精霊達を見つめている。
「アンタはこんな小さいのと一緒に戦ってるのか……?」
「ん、そうだな。……あ、小さいからってナメちゃダメだぜ! 精霊は小さくても人より強いからな!」
 どんなに小さくても、人間が敬意を忘れれば猛威を奮うことだってある。草原を1つ焼き尽くす大きな炎を作り出し、街1つを滅ぼす風を巻き起こし、大地を飲み込む水を呼び出し、立つことを許さぬと大地を震わせ地の底へ飲み込むことだって出来るのだと少し脅かしの意味も込めて話すと、集落の人々は少々怖がり始めた。
「大丈夫。俺たちが精霊達に敬意を払えば、こうやって……」
 ユーベルコードによって変換された精霊は近くにあった荷物の乗ったリヤカーを見つけると、グイグイと押す。少女の姿でありながら、大人数人でなければ押せないリヤカーを軽々と押すその姿に集落の人々はまたしても驚きの声を上げた。

 その騒ぎを聞きつけて、闇の種族の配下であるドラゴンメイドが数人やってきた。
 話の中心であるエグゼが知識と知恵を披露している事に気づき、無理矢理に人波をかき分けてエグゼの手を引っ張り始めた。
「ちょっ、離せ! 何するんだ!!」
 ――ここで抵抗する素振りを見せなければ、怪しまれる。
 そう判断を取ったエグゼは表情を目一杯嫌そうなものに変えて、しっかり踏ん張って堪える。
 しかしドラゴンメイドはそれでもなお、エグゼを引きずって屋敷へと連れて行く。

 晩餐会には遅れてはならないのだから、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『黄土色の魔物』

POW   :    根性と気合で迷宮を踏破する

SPD   :    魔物が少ない箇所を予測して踏破する

WIZ   :    風通しの良さそうな場所を探して踏破する

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
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※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 闇の種族に連れて行かれた猟兵達は、他の魂人達同様に牢屋のような部屋へと放り込まれる。
 主の食事が始まるまではこの部屋で待機しろということなのだろう。ドラゴンメイド達は皆すぐに、食事のセッティングへと向かった。

「ああ……もうダメだ……」
「食事会が始まったら、私たちはもう……!」

 様々な魂人達の嘆きの声が部屋を包む。
 これで終わりだと、悲観する声。終わりが来てしまうのだと。

 しかし猟兵達は知っている。
 この邸宅の扉は猟兵達であれば簡単に壊せて、簡単に脱出ができる。
 故にあとは経路を確認して、魂人達を連れ出して逃げ出すだけ。

 なのだが……さすがは闇の種族といったところか。
 万が一食材が逃げ出したときのために、低級ではあるが番犬となりうる魔物達を邸宅内に解き放っているようだ。
 下手をすると魂人達は番犬魔物達に食われてしまうかもしれないのだが、そこへ1人の魂人が声を上げる。

「逃げよう。闇の種族にさえ食われなければ、まだなんとかなる!!」

 魂人の持つ力、永劫回帰。それはいくら身体を断たれようとも、幸せな記憶を捨てて何度でも復活する力。
 ここで無惨に食われ続けるぐらいなら、少しの幸せを捨ててでも未来への道を切り開きたい。
 ここで終わることを選ぶよりも、少しでも生きる道を選びたい。
 そんな彼の思いが、他の魂人達を立ち上がらせた。

 ――彼等を守りつつ、邸宅を脱出せよ!!


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 プレイング受付:11/23 8:31~

 邸宅内に侵入に成功した猟兵達は魂人が捕らえられた牢屋っぽい部屋に放り捨てられます。
 扉の鍵は簡単に壊せるため、すぐに脱出が可能です。
 しかし邸宅内には獣のような姿をした低級の番犬魔物が存在しており、通路をぐるぐると見回っています。

 目を合わせると、あるいは姿を見られるとすぐさま襲いかかってきます。
 建築材の影響なのか鼻は効いていないようで、匂いで辿られることはありません。
 音に関しては現在、メイド達による作業もあるせいで足音の聞き分けが出来ていないようです。
 室内は風が通っているのか、番犬魔物の感触系統はあまり使い物にならないみたいです。
 でもお腹が空いているようです。魂人でもなんでもいいから、お腹いっぱい食べたいみたいですね。

 以上の情報をお渡ししておきます。
 よろしければ、ご活用くださいませ。

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サンディ・ノックス
「大丈夫だよ」
決意した魂人達の勇気が好ましい
微笑みを浮かべ
立ち上がって扉に向かい
玉桂の小刀を取り出して錠を破壊する
「なにのんびりしてるの。置いてくよ」
因縁があるエグゼ(f10628)には辛辣な物言いをするけど
優しくしたら気持ち悪がられるのでいつも通りに接してるだけ

魔物が徘徊している
番犬のつもりかな、それにしてはこちらに気付く気配もないけど
いいや、殺そう
…なんでそこで反対意見を出すかなあ、わからないよ
魂人さんを守りながら突破する自信はあるけど面倒臭い
そもそも魔物を生かしておく意味ある?

ああこちらに気付いたね
その顔…おなか減ってるのかな
可哀想に
死ねばもう飢えることもないよ
さよなら――解放・夜陰


エグゼ・シナバーローズ
魂人が勇気を振り絞って立ち上がってるときに
いまいち緊迫感がないんだよなアイツ(f03274)…
うるせー!
とりあえずアイツが先導する気満々みたいだから
俺は最後尾を歩いてバックアタックに備えるか

魔物を殺す?
その騒ぎに気付いて数が増えたらどうすんだよ
どれだけ魔物がいるかわかんねーんだぞ
全部殺せばいいって思ってるみたいだが俺達にだってできることとできないことがある
なかなか殺せない性質の魔物だったらお前責任取れるのか!?
今、最優先にすべきなのは魂人を守ることだろ!

だーっ、見つかった!
仕方ねえ、あのバカは放っておいて俺は魂人を守る
魂人に飛びかかる魔物がいたらUCスプライト・ロードで射撃
俺に注意を向けさせる



●飢えに最適な解決方法
 決意した魂人達を前に、サンディは微笑みを浮かべる。
 彼等には抗うすべはない。なのに、そこまで勇気を持つことが出来たのは希望があるからなのだろう。称賛に値するほどの勇気に、サンディはゆっくりと立ち上がった。
「大丈夫だよ」
 その一言を魂人達にかけた後、彼は扉へと向かいながら隠し持っていた小型の黒剣・玉桂の小刀を用意し、扉に到達すると同時に小刀を振るって鍵を壊す。
 壊れた鍵が砕けて床に落ちる音が響くが、誰も来る気配はない。脱出するのなら今のうち……ということなのだろう。
 くるりと振り向いたサンディは魂人達……ではなく、彼等と並んで座り込んでいたエグゼに声をかける。
「なにのんびりしてるの。置いてくよ」
「うるせー!」
 エグゼはサンディに色々と思うところがあって黙っていたが、いまいち緊迫感がないんだよな、と小声で呟きながらも魂人達の背を守るために最後尾へと並び、彼等の足取りをゆっくりと追いかけた。

「ん……魔物が徘徊してるね」
 廊下を歩けば、番犬として解き放たれた魔物がうろついている。距離はまだ遠いが、はっきりと視認できるほどでいつ見つかってもおかしくない状況だ。
 獣という形をとる以上、匂いや気配などで辿ってきそうなものだが……どうやら番犬魔物は視界でしか敵を捉えることが出来ない様子。それに気づいたサンディは『殺そう』と意見を出した……が。
「おい、ちょっと待て。殺すのはまずいだろ」
「……なんでそこで反対意見を出すかなあ」
 エグゼだけがサンディの意見に反対した。というのも、魔物を殺した際に気づかれて数が増えた場合、魂人を守りきることが出来るのか、という反論があるからだ。
 それなら先に皆殺ししてから突破すれば良いというサンディと、魂人達を守ることを最優先にするべきというエグゼ。2つの意見が大きく交わって、時間が過ぎていく。
「魂人さんを守りながら突破する自信もあるし、そうやって守るだけに徹するのは面倒臭い」
「全部殺せばいいと思っているみたいだが、俺たちにだって出来ること出来ないことがあるだろ」
「……そもそも、魔物を生かしておく意味ある?」
「なかなか殺せない性質だったらお前、責任取れるのか!?」
 サンディとエグゼの喧嘩は少しずつ、声が強くなっていく。それは屋敷の内部の壁を反射し、遠くにいた魔物たちが首を傾げてしまうほどに大きかったようで、そのうち2人の喧嘩の様子と魂人達の群れを見つける。
 どたどたと走り寄ってくる低級の番犬魔物達。見つかってしまったその瞬間、サンディは冷静に状況を分析し、エグゼは魂人達を守る構えを取った。

「……その顔、おなか減ってるのかな?」
 魔物の口周りがべたべたに濡れている。美味しいご飯が近くにいるとわかって、涎を垂らしているのだろう。襲いかかる魔物は今にも食いつきそうに口を大きく開ける。
「――可哀想に」
 小さく漏らした言葉を拭うように口元を隠し、小さく詠唱を唱えるサンディ。ギリギリに近づいてきた番犬魔物がサンディに噛みつこうとしたその瞬間、魔物の身体が一瞬のうちに吹き飛んだ。
 ユーベルコード『解放・夜陰』によって作り出された漆黒の水晶が番犬魔物を貫き、勢いを付けたまま壁に縫い付ける。650本もの水晶に抗う事はできず、番犬魔物はそのまま死に絶えた。
「死ねば、もう飢えることはないからね」
 冷徹な目で死骸を見た後、サンディは次の魔物を相手にするために振り向いた。
 だが振り向いたその時には、エグゼのユーベルコード『スプライト・ロード』によって強化された精霊銃・精霊のみちしるべによる一撃が魂人を襲おうとする番犬魔物の群れを振り払っていた。
「だーっ! やっぱりこうなったじゃねえか!」
 サンディに恨み言を吐き捨てるように、エグゼの銃が魂人達を守り抜く。
 どんなことがあっても、絶望的な状況でも、必ず守りきってみせるからと半ば無理矢理に告げるかのように。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クヤク・サンガ(サポート)
外見年齢20代半ば程度
何も考えていないときは無表情で不機嫌そうな印象を与えがちだが
喋るとそれなりに表情豊か
実年齢相応の落ち着きと分別はある
エンドブレイカー以外の世界に興味津々
歴史や文化、相違点共通点を知ろうとする等分析癖あり
他者には敬語混じり、敵には言い捨てるような口調で接する


戦い方は、戦場や相手の出方を分析し
その場その場の最優先事項を決め
最終的に力任せ
無茶も通せば何とやら思考
メインウェポンは金属製のアックスソード、近接用に陸王牙
使える技能やユーベルコードは積極的に使う
他の猟兵に迷惑をかける行為はしないけれど自分は死ななきゃOK

そんな感じで仔細お任せ
他者との絡みも歓迎
どうぞよろしくお願いします


仲佐・衣吹(サポート)
ワシことコートが対応しよう
老人口調の人格
元刑事のようとも表されたが無論そんなことはない
目覚めて五年くらいなものだからな

派手な立ち回りより隠れながらや考えながらの行動
追跡や情報収集が得意だ

意思持つ相手だとちょいと感情移入してしまう傾向があるがな
いい方向へ導いてやりたいと思うのは道理だろう

アイテムやユーベルコードは良さそうなものを使ってやってくれ


ルクス・キルクルス(サポート)
『私、あんた、しばく。ドゥーユーアンダスタン?』

人間の剣豪×バトロワシューターの女です。
普段の口調は「自由人(私、あんた、だ、だね、だろう、だよね?)」
怒った時は「喧嘩は高価買取(私、てめぇ、ぜ、だぜ、じゃん、じゃねぇの? )」です。

自由に自分の好きなことを好きなようにやるのがモットー。
基本は剣をメインにした近接戦闘で、状況に応じて銃も使います。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
アドリブ連携◎ エログロ× あとはおまかせ。
よろしくおねがいします!



●時に必要なのは、力任せの突破口
 邸宅の牢屋として使われている部屋に、また新たな食材――と言う存在で扱われている人々がやってくる。
「っとと……ここに入ればいいんですね??」
 抵抗すること無く、素直にドラゴンメイド達に従いクヤク・サンガ(徒人・f38921)が部屋へと押し込まれる。すみません、と一言添えて魂人達の隣にゆったりと座って魂人達を落ち着かせていく。
「そう慌てるな、ワシは逃げも隠れもせんよ」
 早く入れ! と騒ぎ立てるドラゴンメイド達の言葉を嗜める仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)――4つ目の人格のコートも同じように部屋の中へと追いやられる。
「ちょっ、わかってるってば! ほら、抵抗しないって!」
 両手を上げて降参のポーズをしたままに部屋に入ったルクス・キルクルス(36の世界の果てまで・f38588)は入った瞬間に目視で魂人の人数を把握する。
 それぞれ、捕まった場所は違えど目的は同じの猟兵達。ドラゴンメイドにとって猟兵という存在はあまり知られていないのか、それとも気にする必要はないと言われているのか、3人については詳しく知ることなどはしなかったようだ。
「なんとか入れましたね。……皆さん、無事ですか?」
 クヤクの問いかけに、魂人達はそれぞれが首を縦に振って応答する。声を出すことが出来ないほどに恐怖している証拠なのだろう、彼らの手足は少し震えているのが伺える。
 だが、助けが来たのだとわかるとその震えは徐々に失われ、希望の眼差しへと変わる。魂人達は過去に猟兵達に助けられたこともあるために、ここからの脱出もきっと出来るという希望の芽が芽生えていたのだ。
「となると、さっき見た通路の番犬っぽい魔物をどうにかしないとだね。3人いるし、上手く隊列を組めばイケるかも?」
「それなら……」
 クヤク、衣吹、ルクスでどう隊列を組むかの作戦を考える。魂人達を傷つけず、うまく邸宅を脱出する方法を数分のうちに考えてまとめ上げ、魂人達にもその情報を共有してから作戦を開始した。

「……おっと……見つけた」
 先頭を歩くクヤクが一同にストップの合図を送る。
 その視線の先にいるのは廊下を守る番犬魔物達。食材が逃げ出した時用に見張り番として置かれているのか、辺りをキョロキョロと見渡して警戒をしている様子を見せた。
 だが、衣吹はその様子を見て鼻が利いていないことに気づく。建築材の匂いが強すぎるせいか、自分達を見つけていないのだとわかるとクヤクとルクスに合図を送り、2人で揃って番犬魔物に向けてユーベルコードを放つ。
「――ブチ抜いて、前からバッサリだ!!」
 ルクスのユーベルコード『サンクティオ・グラディウス』。放った銃弾が番犬魔物を貫いてよろめいたかと思えば、ルクスのサムライブレイド【銘・月光静】が番犬魔物の身体を切り裂く。銃弾を目印としてサムライブレイド【銘・月光静】が呼応し、寸分の狂いなく対象を切り落とすことが出来るこの力は、番犬魔物がルクスを目視した瞬間に放たれる。
「――覚悟、よろしく」
 同じく斬撃を浴びせたクヤクのユーベルコード『轟墜閃』。ルクスの銃弾によって体勢を崩した番犬魔物は、気づけば復帰できないほどの一撃を浴びせられている。態勢を崩していれば致命的な箇所に命中するこの力は如何に番犬魔物といえども、喰らえばひとたまりもない。
 僅かな音しか発せられない一瞬の出来事に、魂人達は驚きと称賛の声を小さく上げる。衣吹も小さく拍手を送るが、不意に後ろを向くとルーンソードを大きく振り下ろした。
「やはり、見えることが条件となっていたか」
 ルーンソードを振り下ろした先にいたのは、襲いかかろうとしていた番犬魔物。事前にユーベルコード『トリニティ・エンハンス』によって炎、水、風の魔力を宿して強化しておいたおかげで、一撃で葬り去ることが出来た。
 衣吹はいくつかの思考を重ね、背後にいた番犬魔物を使って軽い調査をすることで番犬魔物達の行動パターンを把握することを主に動いていた。おかげで、クヤクとルクスにも十分なデータを差し出すことが出来たため、ここから先は少し強引に先に進むこととなった。

「よし、もうすぐ出口だ!」
 ルクスの声に魂人達の安堵の声が上がる。
 ここを出ることが出来たら、あとは村へと帰るだけだと小さな喜びの声が多かった。
「……けれど、一筋縄ではいかないようですね」
 クヤクの声に、衣吹もうむ、と頷いて。
「食材が逃げ出したら困るのは、何も番犬魔物だけではないからの」
 そう言って向けた視線の先にいたのは――この館の主に仕える者達だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 集団戦 『有翼従者『ドラゴンメイド』』

POW   :    従者の左腕
【左腕】に触れた対象の【生命力】を奪ったり、逆に与えたりできる。
SPD   :    従者の仕事
他者からの命令を承諾すると【主に関連するモノ】が出現し、命令の完遂か24時間後まで全技能が「100レベル」になる。
WIZ   :    従者の道具
【左腕】から、対象の【主から与えられた役割を果たしたい】という願いを叶える【道具】を創造する。[道具]をうまく使わないと願いは叶わない。

イラスト:すねいる

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 魂人達の脱出。
 それは館の主にとっては許されざる出来事で。
 それは主の配下にとっては最悪の出来事。

 晩餐会の食材達が逃げ出すことは、あってはならない。
 メインとなる料理が並ばないなんて、晩餐会の意味がない!
 メインの料理が食べれない晩餐会なんて、なんの意味もありゃしない!
 さっさと捕まえて準備を終わらせろ!

 そう叫んだ館の主は、なんとしてでも連れ戻して食材に変えろと怒る。
 配下である有翼従者『ドラゴンメイド』達は皆、その怒りを鎮めるために逃走している魂人達を見つけた。
 猟兵の手を借りての脱走劇。主の顔に泥を塗った者達を許す訳にはいかない。

「ここで捕まってたまるか……! この人達だって、殺させやしない!!」
「皆、覚悟を決めろ!! 未来を切り開くために、俺たちも戦うぞ!!」

 猟兵という希望と、辿り着けるかもしれない未来への道を手に入れた魂人達にとって、もう怖いものはない。
 絶望的な状況になってもひっくり返してくれた猟兵達を守ること。
 どんなに危機的な状態でも助けに来てくれた猟兵達に恩を返すこと。
 出来ることはこれまで手に入れた知識と知恵を振り絞り、有利な状況を作り出すこと。
 それが、現在の魂人達の指標となっているようだ。

 ――彼らがただ好きで捕まったわけではないことを、共に証明しよう。


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 プレイング受付:12/19 8:31~

 集団敵『有翼従者『ドラゴンメイド』』との戦いになります。
 場所は邸宅の庭。盾になりそうな選定された木やちょっとした彫刻などが並んでいます。

 ドラゴンメイド達は主から賜った『猟犬の紋章』を携えており、フラグメント内容の攻撃以外にも紋章の力を解放して見えざる刃による攻撃を行います。
 見えざる刃はユーベルコードではないので、ユーベルコードを指定して封じる系の行動は不可となります。
 紋章はドラゴンメイドの手の甲に見えておりドラゴンメイド本体から剥がすことは出来ませんが、一撃を与えるとしばらく使用ができません。

 またこの章では救出した魂人達も参戦いたします。
 ユーベルコード『永劫回帰』(ユーベルコード一覧参照)を使い、猟兵の盾となった後に復帰します。
 この一連の行動はプレイングで指定がなければ使用することはないのでご安心ください。 
 指定がない場合は盾として木や彫刻の後ろで控えております。

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サンディ・ノックス
紋章持ちか
しかも複数体
…エグゼとは別行動しよう
こいつらくらいならエグゼも一人で相手出来るはずだ

暗夜の剣を抜き【ダッシュ】
接敵し攻撃回数重視をした解放・宵でまずは紋章を傷つける
手を斬り落としてやろうとするけど、駄目か
ならば何度も何度も斬って命を削ってあげるよ

ふうん?左腕に触れたらどっと疲れたし敵の傷も癒えたね
左腕だけなんだ
ふうん…
特性がわかれば何も怖くない
敵の動きを【見切り】躱せばいい
ああ、複数で襲ってくるのはちょっとやりにくいな
でも傷ついたくらいで俺は止まらないよ
【激痛耐性】を活かしダメージを受けても平気な顔をしておく
魂人は安心するだろうし敵は焦るだろう
焦った敵は隙を作る
ふふ、殺しやすくなるね



●知識が手に入れば、怖くはない。
 魂人達を救出し終えたサンディは1度、二手に分かれる旨を伝えてさっさと館の出入り口へと走る。配下達ぐらいなら共に行動した彼1人でも十分だろうから、と。
 だが、既に有翼従者『ドラゴンメイド』によって行く手を塞がれており、出るには倒す他にはないようだ。
「……紋章持ち、か」
 サンディの視線に映るのは彼女たちの手の甲に見える紋章――猟犬の紋章。闇の種族の配下という縁があるからか、強さをより一層引き出されている状態。
 紋章の話は魂人達も知っているようだが、それを無効化する方法はわからない。ただ、一撃を与えることで多少の時間稼ぎは出来ると情報を伝えた。
「なるほどね。……じゃあ、まずは紋章を何とかする必要がありそうだ」
 見合っていたサンディとドラゴンメイド達。やがてしびれを切らした1人のメイドが竜化した左腕でサンディへと殴りかかって来たため、同じようにサンディもダッシュで距離を縮めていく。
 暗夜の剣を抜き、ユーベルコード『解放・宵』で剣を軽くして攻撃回数を増やし、接敵する僅かな一瞬に身体をひねって紋章を狙い連続攻撃。最初は腕を切り落とそうとしたが、紋章で強化されている肉体は落とすことはかなわないようだ。
「そうか。なら、何度も何度も斬って命を削ってあげよう」
 紋章を切られたことで怒り狂ったドラゴンメイド。すかさず左腕による一撃をサンディの腹に当て、大きく吹き飛ばす。魂人達が不安な声を上げる中で、サンディはけほ、と咳をして立ち上がった。
「……ふうん?」
 身体が少しだけ重くなる。そこまで動かしていない手足に酷い疲労感が襲いかかる。どうやら左腕に触れた相手の生命力を奪うのがドラゴンメイドの左腕に秘められた力のようだ。
 更に別のドラゴンメイドの左腕によって傷ついた身体は癒されるため、無限ループが発生する。複数人で襲いかかってこられては厄介な相手だ。

(……でも、表情は誤魔化せてないね)
 よく観察してみれば、ドラゴンメイド達は焦っている。一撃を受けて、更には生命力を奪われたはずなのに……サンディが物ともせずに平然と立っていることから、何故立っていられるのかわからない、と。
 実際は激痛耐性で耐えて表情を変えていないだけなのだが、それが思ったより功を奏していたようだ。徐々に焦りが広がっているようで、サンディに対しての攻撃がおぼつかなくなっている個体が現れ始めた。

「焦りは禁物って言葉、知らないのかな? ……ふふ、殺しやすくなるね」
 少しだけ愉悦感を得たサンディは次々に暗夜の剣を振るい、ドラゴンメイドを叩き落とす。
 何も知らないドラゴンメイド達をただただ煽るように。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エグゼ・シナバーローズ
捕まってたまるかよ!
みんなは隠れててくれ
そうだ、みんなは闇の種族への対抗手段ってのを知ってるんだっけな
教えてくれねーか?
俺でも実行可能なことならやってみせる!

魂人には遮蔽物に身を隠してもらうよう頼んでUCエレメンタル・ファンタジアだ
制御が難しいが魂人が一定の方向にいて、しかも身を守ってる状態なら誤射の危険性は無くなる
サンディ?あいつなら自力でなんとかするだろ
魂人からの情報で闇の種族に有用な属性を教えてもらえたらそれで、特にないなら炎の竜巻を駆け巡らせてぶっ飛ばしてやる
喰らえー!

敵が道具を作りだしたら性質を看破してやろうと思う
特性がわかれば対処もできるだろ
ガジェッティアの知識、ナメんなよ!


ロビン・バイゼ
他に戦っている猟兵がいるなら、その猟兵にドラゴンメイド達の注意が向いている隙を狙って、(あれば)白い彫刻を盾に隠れて祈りを捧げ、セイクリッド・ダークネス使用
僕は小柄だし着ているのは白いローブ、白い彫刻の陰に隠れて少しでも【目立たない】ようにできないかな
もちろんそれで攻撃を完全に防げるわけじゃないから、【オーラ防御】で見えざる刃や他の攻撃を少しでも防ぐよ
その間にトラバサミでドラゴンメイドを一体でも捕らえて【捕縛】、動けなくした状態で紋章に向かってペインティングナイフを投げて【部位破壊】
道具は何を創造しても巨大絵筆で叩き落す【武器落とし】
もしも魂人に攻撃が向かうなら【かばう】
※連携、アドリブ可



●ガジェッティアの知識と、オラトリオの知識
「くそっ、捕まってたまるかよ!!」
 魂人達を救出し終え、あとは脱出するだけとなったエグゼ。しかし有翼従者『ドラゴンメイド』達が食材の脱走に気づいたために、彼らの行く手は阻まれてしまった。
 このままでは非常にまずい。せっかく脱出できたというのに、また逆戻りになってしまう……そんな考えが頭の中を過ったその瞬間、彫刻の裏から声がかけられる。
「こっち、こっちだ」
 白い衣装で彫刻と同化し、エグゼや魂人達に声をかけたのはロビン・バイゼ(芸術と鮮血・f35123)。先に駆けつけていた猟兵を助けるために急遽転送されてきたのだが、思った以上の状況となっていたため姿を隠した状態でエグゼと協力を付けることにしたようだ。
 それを知ったエグゼはドラゴンメイド達にロビンの姿を気取られないように大声で魂人達に彫刻の裏に隠れているように誘導し、自分がメイド達を引き付けるからとロビンに聞こえるように告げた。
「そうだ、闇の種族への対抗手段ってのを知ってるんだっけな。教えてくれねーか? 出来そうだったらやってみる!」
「対抗手段……と言うほどではないが奴らは紋章の力を使う以上、風の流れを読まなきゃならない! 風をうまく使うといいかもな!」
「ん、ありがとう! これからちょっとヤバいの出すけど、ちゃんと隠れててくれ!」
 エグゼの言葉を受けて、魂人達はそれぞれ彫刻の裏へ隠れていく。ロビンの存在を気づかれないようにしてくれる者達もいるおかげか、ロビンのユーベルコード『セイクリッド・ダークネス』の使用をドラゴンメイド達に悟られることはなかった。
 ロビンが祈りを捧げる間、白き闇の翼によるダメージがドラゴンメイド達に入り、黒き光の翼がエグゼや魂人達の身体を治癒し続ける。そのおかげでエグゼはドラゴンメイドの左腕から生えた道具による傷を受けても、すぐに身体が治癒されて現場に留まり続けることが出来ていた。
「後は……みんな、隙が出来たらで構わない。手伝って欲しい」
「ああ、手伝えることがあるなら言ってくれ!」
 小声で魂人達にある手伝いをお願いするロビン。その知恵によってこの後、戦況に大きく変化が訪れる。

「さあて、これなら特大の一発を放っても大丈夫だな!」
 指をぱきっと軽く鳴らして、エグゼは四大精霊に協力を呼びかける。この屋敷の彫刻が壁となるなら魂人達が一定の箇所に集まっている以上、彼らへの誤射の危険性は無くなるわけで。
 扱いが難しいユーベルコード『エレメンタル・ファンタジア』によって作られる四大精霊の力が付与された自然現象は、今が絶好の発動チャンス。複数集まるドラゴンメイド達の身体を一気に焼き尽くす炎の竜巻が無数に舞い上がった。
「喰らえぇーー!!」
 風に弱いという情報は大いに役に立った。現に、炎の竜巻の中に飲み込まれたドラゴンメイド達は紋章の力で中からこじ開けることは出来ず、外からでも開けられない。見えざる刃の正体、それが風を練って作られたものだとわかれば対処法も容易いものだ。
 そこでドラゴンメイドは主から与えられた役割を果たしたいという願いを叶える道具を複数作ってエグゼを傷つけに行くも、たちまちに傷が癒やされるためほとんど無傷となってしまう。現状この場所はエグゼの独壇場でもあった。

「おっ……?」
 ふと、エグゼの視界にロビンの姿が映る。彼が床をちょんちょん、と指差している様子から何かを仕掛けたと判断したエグゼ。炎の竜巻を維持しながら、その場所へと走った。
 逃すまいとドラゴンメイドが追いかけ、エグゼに手を伸ばしたその瞬間。バチン、と何かが挟まる音が辺りに響き始めた。
「ふう、よかった。前を見てなくて」
 その音の正体はロビンが魂人達と協力して仕掛けたトラバサミ。ドラゴンメイドを捕まえて、紋章に向けてペインティングナイフを投げつけて部位破壊を行うことで紋章の力を一時的に無力化していく。
 それだけでなく、造られた道具も全て巨大絵筆で叩き落として砂へと返し、全力でドラゴンメイド達に抗い続けた。

「後少し、一気に倒していこうぜ!」
「そうだね。此処を切り抜ければ、後少しだ」
 エグゼとロビンの閃きと知恵がドラゴンメイド達を翻弄していく。
 これこそが猟兵達の蓄えた知識なのだと告げるかのように。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

サイゾー・ブレイブ
遅くなったでありますが、助太刀に参ったでありまする!
目立たないように忍び足で敵に近づき、まず苦無にて紋章に一撃加えて見えざる刃、封じさせてもらうでありまする
それから名乗り
「サイゾー・ブレイブ、見参!義によって助太刀いたすでありまする!」

先手を取らせてもらうでありまするよ
【手裏剣投げ】の影縫いにて動きを止めさせていただき、サイゾー自身に成功率を高めた【幻術忍法「曼陀羅華」】を纏わせるでありまする!
おっと、曼陀羅華はダチュラの和名にて、曼荼羅とは何の関係もありませぬ!you see?
願い抱く心あらば、情動あり!情動あらば「曼陀羅華」は効くでありまする!
UCを封じたら、苦無にて暗殺であります!御免!



●華麗に、鮮やかに
 逃げ遅れた魂人達がいる。助けに来てくれた猟兵達からはぐれてしまった者もいる。
 このままでは何をしたって、食材としての人生を歩むことになるだろう。
 だが、彼らのもとにこっそり、こっそりとやってきた新たな猟兵がいるわけで……。

 有翼従者『ドラゴンメイド』達は辺りを見渡す。先程逃げ出された魂人達よりも捕らえていた方がまだ多いから、きっとどこかにいるはずだと。
 目をしっかり見開いて、魂人の存在を見逃さないように草の根一本、残らずに捜索を続けていた。
 ところが、彼女達は突然手の甲に痛みを覚える。紋章を授かった方の手の甲に大きな切り傷が生まれ、何かに攻撃されたとやっと気づく。
「やっと気づいたでありまするか」
 その言葉に思わず、定番の『誰だ!』の声を上げたドラゴンメイド達。そう問われてしまっては名乗らずにはいられなかったのが、サイゾー・ブレイブ(|霧隠《KIRIGAKURE》・f39302)。姿を見せぬままにドラゴンメイド達に名乗りを上げた。
「サイゾー・ブレイブ、只今見参! 義によって助太刀いたすでありまする!」
 声のする方向にドラゴンメイド達は作り出した道具を投げるも、そこにサイゾーはいない。既に彼女は素早く手裏剣投げを1人1発ずつ当てて影を縫い、ドラゴンメイド達の動きを一時的に止めていく。
「――ものを感じる心あらば、これは毒にて……」
 更にはユーベルコード『幻術忍法「曼陀羅華」』を使い、ドラゴンメイド達に色鮮やかな様々な光景を作り出した幻影を見せつけ、道具作りの力までせき止める。ドラゴンメイドのうちの誰かが非対称的であり対象的な調和! と声を上げたが、それに対してサイゾーはツッコミを入れた。
「おっと、曼陀羅華はダチュラの和名にて、曼荼羅とは何の関係もありませぬ!」
 ――そもそも字が違うので、まあわかる人は多分わかる。文明人とかその辺りは。

 曼陀羅華の鮮やかな光景に心を揺り動かされてしまったドラゴンメイド達は、主から与えられた役割を果たしたいという願いを込めても道具を作ることは出来ない。
 その心が少しでも、ほんの僅かでも、ナノ単位でも動かされてしまったのなら、サイゾーの力がホッチキスのように押し留めてしまうからだ。
「それでは、御免!」
 道具が作れなくなったとわかれば、後は切り崩すのみ。
 姿の見えないサイゾーの苦無がドラゴンメイド達の首を一気に掻き切った。



●知恵と知識は再び書庫へ
 助け出された魂人達は無事、集落へと戻ることに成功した。
 更には猟兵達の戦いを見てまた新たな知識を得た者達も現れた。
 彼らの勇気はいつの日か、闇の種族を討伐する知恵を作り出すのだろう。

 その時が来るのはいつになるのかはわからない。
 だが、その時が来るまで、彼らはずっと知恵と知識を貯め続ける。
 集落が|図書館《Bibliothek》と呼ばれるその日まで。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年12月24日


挿絵イラスト