恋のフリーマーケット
「恋のフリーマーケットとか言うと、恋大安売りしてるみたいっすね」
こたつに頬杖をつき、雨月・雨莉(は何もしない・f03581)が呟いた。いきなりどうした。猟兵達の疑問に、雨莉はああ、とひらひら手を振って答える。
「カクリヨで今、市っていうか、いわゆるフリーマーケットが開かれてるんすよ」
恋の? 恋という、形のないものが売られているのか?? どうやって?? ハテナマークを浮かべる猟兵達に、雨莉はあ~……と頬を掻いた。
「違くて……いや違わないんすけど……えっと、そうっすね、元々は普通のフリーマーケットが開かれてたんすよ。ほら、カクリヨって、UDCアースで忘れ去られた、色んなものが流れ着いてくるじゃないですか? それを有効活用しようってことで」
UDCアースで忘れ去られたもの――例えば、昔の家電であったり、奥にしまったまま忘れ去られた骨董品であったり、電車等で置き忘れられて、そのまま持ち主の見つからなかった傘や小物であったり。カクリヨに流れ着いてきた、そういったモノ達に、カクリヨで新たな主人との縁を紡がせてあげようと、有志の妖怪達がフリーマーケットを開いたのだ。元々は。
「もちろん、そこはフリーマーケットですから、UDCアースから流れ着いてきたものだけじゃなくて、妖怪達の不用品とか、手作りの品物とかも売られてて。けっこう、盛り上がってたんすけど……それに目をつけて、猟書家幹部『お露』が来ちゃったんすよ」
猟書家幹部『灯籠に照らされし夢魔・お露』。彼女はあらゆる種族の老若男女を魅了し、生霊化させる能力を持っている。その魅了の力を使って、彼女はより強くて素敵な恋のお相手――もとい、配下の生霊を求めて、かつて「人の驚きと好意」を多く集めた東方妖怪達の集まる場所に現れる。今回はフリーマーケットの会場に白羽の矢が立ったらしい。
「お露の魅了の力に当てられた妖怪達は、たちまち彼女にメロメロになってしまい……フリーマーケット会場が、恋のお祭り会場に……」
……なるほど。それで、「恋のフリーマーケット」か。恋の大安売りっていうのも、あながち間違ってはいないのかもしれないっすね、と遠い目をして、雨莉は猟兵達に向き直った。
「でも、いくら妖怪と言えども生霊に変えられ、肉体から魂を引き剥がされてしまえば、いずれ肉体の方は衰弱死してしまいます。ほっとくわけにはいかないっすよ。なんで、皆さんにはまず、魅了の力に負けない恋愛アプローチで、彼らを生霊化から解放して欲しいんす」
……サラッと言ったが、どうやって? 魅了の力に負けない恋愛アプローチ? フリーマーケットで?? フリーマーケットと恋って、あんまり結びつかないような……首を捻っている猟兵達に、雨莉は、
「例えば……そうですね……」
とやおらこたつから立ち上がって、芝居がかった仕草で虚空に向かって手を伸ばす。
「『僕は、このフリーマーケットに集まるどんな品物よりも価値のある宝物を見つけた。それは、君だ!』……な~んて、クッサい台詞で口説いてみる……とか……」
自分で言ってて鳥肌立ったわ、と素に戻って腕を擦りつつ、彼女は続けた。
「他にも、偶然同じ品物に手が触れて、『あっ……』『ご、ごめんなさい……』『い、いえ……』から始まる恋を演出してみるとか、なんの変哲もない売り物の指輪を、『こ、これは! 前世で二人が運命に引き裂かれた時、再び巡り合えたら結婚しようと交わした約束の指輪!!』とか前世からの因縁をでっち上げてゴリ押しするとか、色々やりようはあると思います。まあ、生霊化から解放された時点で彼らは正気に戻るので、別に本気で口説かなくてもいいっすしね」
そうなのか。リア充を心から憎む雨莉が恋愛アプローチしろという依頼に目をつり上げていないのも、別に|本気《マジ》で恋しろってわけじゃないからだろう。演技でいいのだ。
「で、恋愛アプローチで東方妖怪達を振り向かせたら……恋のお相手を奪われた、もとい配下になりかけていた東方妖怪を奪われたと感じたお露が、ヤンデレ全開で襲い掛かってくるんで、助けた東方妖怪達と協力して撃退してください」
だ、そうだ。なお、たとえ店主が生霊化していようと、フリーマーケットの買い物自体は普通にできるらしい(店主心ここにあらずかもしれないが)。恋愛アプローチのついでに、カクリヨのフリーマーケットを楽しんでもいいかもしれないっすね、と雨莉はハート型のグリモアを煌めかす。
「それじゃ、フリーマーケットで素敵な品物と一緒に、素敵な恋もゲットしちゃいましょう! ……っていうのは冗談っすよ? 買い物するのはいいけど、恋人まで連れて帰ってこないでくださいね」
非リア代表らしく、据わった目で釘を刺しつつ、雨莉は猟兵達を恋の……もとい、カクリヨのフリーマーケット会場に送り出したのだった。
ライ麦
ライ麦です。自分で投稿したフラグメント自分で使いました。カクリヨでのフリーマーケット+猟書家幹部『灯籠に照らされし夢魔・お露』との戦いです。
以下詳細です。
●第一章
お露に魅了された東方妖怪達を、彼女に負けない恋愛アプローチで振り向かせつつ、フリーマーケットでの買い物を楽しみます。
生霊化から解放された妖怪は正気に戻るので、本気で口説かなくて大丈夫です。
恋愛アプローチはOPでいくつか例を挙げましたが、別にこれに沿った内容でなくて構いませんし(むしろお客様の考えた恋愛アプローチが見たい)、フリーマーケットという場は気にせず、普通にナンパとかしても大丈夫です。
口説く東方妖怪の希望(ろくろ首口説きたいとか)あればプレイングで指定してください。なければ適当な東方妖怪口説かせます。
たとえ店主が魅了されて生霊化してても、買い物自体は普通にできるので(ちょっとかわいそうですが)、フリーマーケット楽しんでも構いません。
●フリーマーケット
UDCアースで忘れ去られ、カクリヨに流れ着いたモノ(昔の家電とか骨董品とかアンティーク小物とか)がメインのフリーマーケットですが、妖怪達の不用品とか(河童の使い古した頭の皿とか)、カクリヨならではの不思議アイテム(消えない行灯とか)、手作りの品物、手作りのお菓子なんかも売ってます。
あると思ったものはだいたいあると考えていただいて構いません。素敵な品物案を待っています。
カクリヨフリマを楽しんじゃいましょう!
●第二章
猟書家幹部『灯籠に照らされし夢魔・お露』との戦いです。
恋愛アプローチで東方妖怪達を振り向かせると、恋のお相手を奪われた、もとい配下になりかけていた東方妖怪を奪われたと感じたお露が、ヤンデレ全開で襲い掛かってくるので、助けた東方妖怪達と協力して撃退してください。
東方妖怪達に恋愛アプローチするプレイングには、全章共通でプレイングボーナスがつきます。
それでは、皆さんのプレイングを心よりお待ちしております!
第1章 日常
『カクリヨフリーマーケット!』
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POW : お値打ち品を探して歩き回る
SPD : 忘れ去られた中でも、質のいい品物を見極めて買う
WIZ : 素敵なアンティーク小物や、心のこもった手作りの品を買い求める
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ミルナ・シャイン
ようは少女漫画のごとき出会いを演出すればよいのですわね!任せてくださいませ、素敵な恋をゲットしてみせますわ!
読むのは少女漫画ばかり、恋に恋するお年頃。
はっ、あの方好み…!
長身で色黒、白い牙が輝く鬼(イケメン)にロックオン、人混みに押されて躓いたふりして胸に飛び込む!
きゃっ!ご、ごめんなさい…
潤んだ上目遣いで【誘惑】。
ああ!大変!先ほど買ったみたらし団子のタレがお洋服に…
もちろんこれも作戦のうち。
本当にごめんなさい…いいえ、気にしないわけにはいきませんわ!お詫びにわたくしに新しいお召し物を贈らせてくださいませ。
あ、あのセーターなんていかがかしら?
さりげなく手を引いて、これで合法的にデートですわ!
様々な品物や東方妖怪達が集まり、賑わいひしめくフリーマーケット会場。その一角で、長身の鬼と人魚が人混みに押され、ぶつかった。
「きゃっ! ご、ごめんなさい……」
弾みで胸に飛び込む形になってしまった人魚――ミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)が潤んだ瞳で鬼を見上げる。澄んだ海のような青い瞳に、光の加減で緑にも輝く、ピンクのグラデーションの入った青い髪が波打つように揺蕩う。美しき人魚の姿に、鬼の胸もドキリと高鳴った。
「い、いや……俺もちゃんと前、見てなかったし……」
ドキマギと目を逸らす鬼の方も、色黒の肌に白い牙が映える、なかなかのイケメンだった。でも、としゅんと俯いたミルナは、自身の手元を見て慌てて面を上げる。
「ああ! 大変! 先ほど買ったみたらし団子のタレがお洋服に……」
片手で口を押えるミルナ。その手に持ったみたらし団子の茶色いタレが、びにょーんと鬼の着ている服に張り付いて伸びていた。
「えっ、あっ……」
驚き見た鬼が声を上げる。本当にごめんなさい、と頭を下げるミルナに、鬼は慌てて手を振った。
「いやいや、洗えばいい話だし……! 本当、気にしないで……」
「いいえ、気にしないわけにはいきませんわ!」
ぎゅっとミルナが鬼の手を握る。えっ、と鬼が微かな声を漏らした。その頬に赤みが差している。それには気付かないふりで、ミルナはハンガーに掛けられた多くの衣料品が立ち並ぶ一角を指差した。
「お詫びにわたくしに新しいお召し物を贈らせてくださいませ。あ、あのセーターなんていかがかしら?」
そう言って、実にさりげなく鬼の手を引く。
「あぁっ、ちょっと……!」
驚きに声を上げた彼の方も、ミルナのような美しい人魚と手を繋ぐのは悪い気はしない。照れたように頬を掻きつつ、大人しく手を引かれていく。ミルナは密かに微笑んだ。
(「これで合法的にデートですわ!」)
――そう、これまでのことは全て彼を生霊化から開放するための、ミルナの作戦だった。恋に恋するお年頃、日頃から少女漫画を読み漁り、素敵な恋に胸踊らせている彼女のこと、少女漫画のごとき出会いを演出するなどお手のものだ。イケメンの鬼と合法的にデートもでき、ミルナにとって役得な依頼だったと言えよう。
恋のフリーマーケット、出だしは上々である。
大成功
🔵🔵🔵
陸・慧
※お相手お任せ
(女性の店主が営む店にて品物を吟味しつつ、ハンドメイドの品を一つ取り)
失礼、此方は店主が作られたものですか?
(暫く説明を聞きつつも、途中から店主の方を見つめ)
……いえ、熱心に説明してくださる貴女の姿が余りに素敵で
つい見惚れてしまいました
作品に愛情と情熱を注ぐ方が魅力的でない筈がありましょうか(漢詩的反語表現)
その上斯様に可愛らしいor美しい方(お相手の外見に合わせます)とあっては尚の事
と、私ばかり貴女を独占してしまっては、他の方に嫉妬されますね
此方をいただきましょう(お買い上げ!)
……この後、休憩の予定はありますか?
まだ貴女と語り合っていたいのです
(普段より表情柔らかめを心がけ)
「失礼、此方は店主が作られたものですか?」
品物を吟味していた陸・慧(今はまだ燃え上がらぬ陸家の炎・f37779)は、手乗りサイズの可愛らしい猫の人形に目を止め、手に取り尋ねる。美しい白銀の毛並みを持つ、化け猫の女性店主が答えた。
「ええ、わたくしの抜け毛を集めて作った、羊毛フェルトならぬ猫毛フェルトですわ。もちろん、抜け毛といっても作る前にきちんと洗っていますから、衛生面も問題ありません。他の化け猫仲間にもお願いして、白銀以外にも様々なお色がありますのよ」
例えば黒とか、茶色とかグレー、ちょっと高度なものになると三毛とかぶちとか……と次々に指差し解説していく。
「お人形以外にも、例えばポートレートですとか、バッジですとか、大きなものになると帽子なんかもありますわね。とっても軽くて暖かいんですのよ」
ほら、と実際に被ってみせる店主。猫の毛は柔らかいから、キレイに成形するのがなかなか大変で……と説明しながらも、化け猫の大きな瞳はきらきらと輝いている。慧はそんな彼女を、途中から品物はそっちのけでじっと見つめていた。その視線に気付いた彼女は急にモジモジしだす。
「あ、あの、どうしまして……? わたくしの顔に何かついていますかしら?」
「……いえ、熱心に説明してくださる貴女の姿が余りに素敵で、つい見惚れてしまいました」
その返答に、化け猫は目を瞬かせた。白銀の毛で覆われた頬が、ほんのり色づいている。
「す、素敵だなんて、そ、そんな……そんなこと、ありませんわ」
照れていやいやと首を振る彼女に、慧はさらに熱っぽく畳み掛ける。
「作品に愛情と情熱を注ぐ方が魅力的でない筈がありましょうか。その上斯様に可愛らしく美しい方とあっては尚の事……」
「……そんな、そんなこと言われたら……照れてしまいますわ」
化け猫は手で顔を覆った。その顔はもはやほんのりどころではなく、真っ赤に染まっている。あと一押しだ。慧は先ほどの白銀の猫の人形を再び手に取った。
「と、私ばかり貴女を独占してしまっては、他の方に嫉妬されますね。貴女に似ている、此方をいただきましょう」
「は、はい、ありがとうございます……」
頬を赤く染めたまま、商品を受け取った彼女は会計と梱包を進める。そんな彼女に、慧は語りかけた。普段より柔らかめな表情で。
「……この後、休憩の予定はありますか? まだ貴女と語り合っていたいのです」
「……はい、わたくしでよければ……喜んで」
商品から顔を上げて慧を見つめる化け猫の瞳は、ときめきに潤んでいた。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『灯籠に照らされし夢魔・お露』
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POW : わたしの唯一人の味方・お米
【骸魂と化した黒い霧の体を持つ侍女】の霊を召喚する。これは【黒い霧から伸びる白骨化した手足】や【手に持つ牡丹の灯籠から吹き出す炎】で攻撃する能力を持つ。
SPD : 愛しいあの方との想い出
自身の【恋愛体験を包み隠さず語ること】を代償に、1〜12体の【語りに登場した過去に魅了された者達の生霊】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
WIZ : 魅惑の下駄の音
【自分が履いている下駄】から、戦場全体に「敵味方を識別する【歩くたびカランコロンと鳴る足音】」を放ち、ダメージと【時間と共に重みが増す使用者への恋愛感情】の状態異常を与える。
イラスト:おきな
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ルネ・シュヴァリエ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フリーマーケットを楽しみつつ、次々に東方妖怪達への恋愛アプローチを成功させていく猟兵達。そこに、不意にカランコロンと雅な下駄の音が響く。その音を聴いた妖怪達は、たちまち恍惚とした表情になり、一斉に音の主にうっとりとした目線を向けた。つられた猟兵達が妖怪達の視線の先を見る。すると、そこには薄紅色の着物に身を包み、黒髪をなびかせた美しい女がいた。様々な容姿を持つ東方妖怪達が集まる場でも一際目を引く。しかし、その背には禍々しい黒霧が立ち込め、周囲には人魂のような青い炎が浮かんでいる。普通にフリーマーケットに来た客のようには見えなかった。何より、美しいその顔は憤怒に歪んでいる。握った拳をわなわなと震わせ、女は猟兵達を睨みつけた。
「ひどいわ……! あの色黒の肌に白い牙が映える鬼の方も、白銀の毛並みが美しい化け猫の方も、みんなみんな、わたしのもの……わたしの、恋のお相手だったのに……許さない……!」
涙さえ浮かべて訴えた彼女は、
「……この、泥棒猫!!」
と昼ドラでしか聞いたことないような台詞と共に襲いかかってきた。
※マスターより
第2章、猟書家幹部『灯籠に照らされし夢魔・お露』との戦いです。
2章から参加してくださる方がいらっしゃった場合、その辺の東方妖怪に恋愛アプローチして協力してもらっても良いですし(プレイングボーナスがつきます)、特にせずそのまま戦ってくださっても構いません(この場合、プレイングボーナスがつくかはプレイングによります)
1章から続けて参加してくださる場合、前章で恋愛アプローチした妖怪は生霊化から開放されていますが、協力してもらうかはお任せします(協力してもらうとプレイングボーナスがつきますが、無理に協力してもらわなくても大丈夫です)。
それでは、皆様のプレイングを心よりお待ちしております!
ミルナ・シャイン
泥棒猫ですって?まあ失礼な、わたくしはこのイケメンな鬼の殿方を生霊化から開放しただけですわ(ぷんすか)
貴女の方こそ、恋のお相手が何人もいらっしゃるなんて節操がなさ過ぎますわ!恋はたった一人の運命の人とするものですわ。
先ほどの鬼様に耳打ち。
「あの方、貴方様に執着してるようですわ。ここで貴方様が魅了されているフリをすれば油断を誘えると思いますの」
「あの性悪女…こほん、あの方を引きつけていてくださらない?その隙にわたくしがあの女を退治いたしますわ」
大丈夫、わたくしを信じて!
指定UC発動、氷上を滑るように音もなく近づき【不意打ち】で仕掛けますわ。
全て命中させられなくとも…貴女の恋の花は咲かせませんわ!
「泥棒猫ですって? まあ失礼な、わたくしはこのイケメンな鬼の殿方を生霊化から開放しただけですわ!」
お露の物言いに、ミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)はぷんすか。彼女にビシッと指を突きつけ、言ってやる。
「貴女の方こそ、恋のお相手が何人もいらっしゃるなんて節操がなさ過ぎますわ! 恋はたった一人の運命の人とするものですわ」
「まあ、ひどい! わたしは、全ての方を真剣に愛しているのに……!」
口元を覆い、大粒の涙を流してみせるお露。ミルナとお露、恋の見解の相違である。はらはらと涙を零しながら、お露は語りだした。
「その証拠に、愛しいあの方との想い出を語ってみせましょう……包み隠さず……そう、あれはこのフリーマーケットに来て初めて出会った、一反木綿の方のこと……」
自らの体をかき抱き、しみじみと語るお露。……このフリーマーケットに来て初めて出会ったって、想い出も何も会ったばっかじゃねぇか。というギャラリーの無言のツッコミは華麗にスルーし、お露は続ける。
「偶然ぶつかって、目が合った瞬間、二人の恋は始まったの……一反木綿の方は、人目もはばからずにぎゅうっとわたしの体を抱きしめて……」
それは恋が始まったのではなく、一方的にお露が魅了しただけだろう。だが、うっとりと頬に手を当てて語り続ける彼女の背後から、言葉通りに一反木綿の生霊が飛び出してきた。
「……ほら、こんな風に」
飛び出してきた生霊が、ミルナを窒息させるべく体を広げて巻き付こうとする。
「危ないっ!!」
そうはさせじと、先ほどの鬼が、果敢に腕を広げてミルナの前に立ちふさがった。一反木綿の生霊はうろたえたように動きを止める。それを見たお露は再び目をつり上げた。
「あんなに激しく愛し合ったわたしたちなのに……やっぱりその女がいいのね……許さない……許さないわ!」
「え、いやこれはその」
魅了されていた時の記憶がまだあるのか。気まずそうに視線を泳がせる鬼に、ミルナはそっと耳打ちする。
「あの方、貴方様に執着してるようですわ。ここで貴方様が魅了されているフリをすれば油断を誘えると思いますの」
「そ、そうなのか?」
ええ、と頷き、ミルナは続けた。
「あの性悪女……こほん、あの方を引きつけていてくださらない? その隙にわたくしがあの女を退治いたしますわ」
うっかり本音が出たが。でも、と鬼は心配そうに返す。
「危険じゃないか? こんなかよわい人魚の女の子に……」
ミルナの手を握り、囁く彼に胸をときめかせながら、ミルナはしっかりと彼の目を見て言う。
「大丈夫、わたくしを信じて!」
「そうか……そこまで言うなら……」
鬼は手を放し、お露に向き直った。
「すまない! 俺が悪かった……この人魚の女にたぶらかされただけなんだ……許してくれ、俺が好きなのは、お前だけだ……」
「え……ほ、本当に……?」
さっきまで目をつり上げていた彼女が、たちまち頬を紅潮させ両手で口を覆う。
「ああ……もう、お前を離さない……!」
「嬉しい……! わたしも……」
ヒシッと抱き合う二人。……の背後から、まるで氷上を滑るように、音もなくミルナが近づく。
「貴女の恋の花は咲かせませんわ!」
美しい細身の剣が閃くたび、氷できた百合の花びらと鮮血が散っていく。抱き合う二人を背後から刺すって、ミルナの方が逆にヤンデレみたいな絵面になってしまったが。1回、2回、3回……4回目を数える前に、痛みに耐えきれなくなったお露がたまらず鬼を突き飛ばし、振り向いてミルナを睨みつけた。
「愛しい方との時間を邪魔するなんて……! よくも……!」
そう言う彼女の背からは、どくどくと鮮血が流れ続けている。全てを命中させることは叶わずとも、大ダメージを与えられたことは間違いない。
大成功
🔵🔵🔵
プフェルトラム・メーベルナッハ
遅参となりましたので、まずは東方妖怪の方にご協力を願いましょう。
見た目少年風な鎌鼬の方にお声かけをば。
「あらあら、もしや貴方はあの時の…ふふ、また逢えて嬉しゅうございます♪」
「あの夢のような日々の続き、この場にて過ごすと致しましょう」
(運命の再会的なシチュらしいです)
協力取り付けましたらば敵へ挑みましょう。
一方的に所有するばかりの恋は優しくありませんもの、祓わせて頂きますわね?
私が先行して敵陣へ突入、お露様へ向かって参ります。
恐らく生霊達が包囲にかかってくるでしょうから、そこをUCにて纏めて攻撃。
無防備になった処を鎌鼬の方に追撃して頂き、私はお露様へ斬りかかりますわね。
「あらあら、もしや貴方はあの時の……ふふ、また逢えて嬉しゅうございます♪」
イタチの尻尾を生やし、鎌を携えた少年風の鎌鼬に、プフェルトラム・メーベルナッハ(千夜の踊り手・f00012)は軽やかに、歌うような声音で語りかける。既にお露に魅了されているらしく、生霊化して体が透き通っている彼は、戸惑ったように眉根を寄せた。
「えっと……誰?」
まるで旧知の仲であるかように声をかけたが、もちろん初対面である。だが、これも彼を生霊化から救うため。運命の再会を演出するべく、プフェルトラムは悲しげに俯いた。
「忘れてしまわれたのですか? あの熱く激しく愛し合った夜のことを……」
「え、あの、その……」
両手で頬を包み込み、目を合わせて語りかけてくる彼女の色香に、少年鎌鼬はドギマギと頬を染める。記憶にはなくとも、こんなに美しく淫らなお姉さんに誘惑されるのは、悪い気はしない。彼が揺らいでいるのを見てとり、プフェルトラムはさらに畳みかけた。
「あの夢のような日々の続き、この場にて過ごすと致しましょう」
「……はい♥」
彼女の持つ、上品でかつ淫蕩な雰囲気に呑まれ、うっとりと頷く鎌鼬。彼の心と魂が自分から離れていくのを敏感に察知したのか、お露がたちまちギッとこちらを睨みつけてきた。
「あなたまで……! 何故みんな、わたしから離れていくの……? 許せない……!」
あんなに一緒だったのに、とお露が自身の体をかき抱いて、悲劇的な声でこれまでの恋を語る。その語りに応じ、幾体もの生霊が現れては襲い掛かってきた。
「えっ何……あれ……」
正気と肉体を取り戻した今、お露の異常さがはっきりと分かったらしい。青ざめる鎌鼬に、プフェルトラムは囁いた。
「まずは、あの方を止めると致しましょう。協力していただけますか?」
「ああ、もちろん!」
鎌鼬が鎌を構える。プフェルトラムも頷き、先行してお露に向かって駆け出した。彼女自身、身も心も一つ処に留まることを知らず。交わした情の記憶は幾多を数える。恋に全てを捧げるお露の気持ちは分からなくもない。だが、決定的に違うのは相手を所有し、自身に縛り付けようとはしないことだ。さりとて絆を軽んじるわけではなく。胸には、これまで夜を共にした者全てへの情が宿っている。一方的に相手を使役するばかりの彼女とは相いれない。炎を放ちながら、|ルーンソード《フラメ・テンツェリン》を振るうプフェルトラムをお露の元には行かせまいと、生霊達が彼女を包囲する。だが、それは予想していたこと。プフェルトラムは自身の蠱惑的な肉体を惜しげもなく晒し、激しく躍動させながら、文字通り彼らに躍りかかる。
「私の肢体と舞踏、どうぞ心行くまでご堪能くださいませ」
揺れる薄布と、どうしたって目立ってしまう彼女の一部分。艶やかで淫靡、かつ気品のある踊りに、生霊達は一斉に口を開けて見入っている。無防備になった彼らに、すかさず鎌鼬の鎌が襲い掛かった。その隙に、プフェルトラムはお露に斬りかかる。
「一方的に所有するばかりの恋は優しくありませんもの、祓わせて頂きますわね?」
炎のルーンを宿した剣は炎と共に大気を震わせ、お露の体に着実に傷を残していった。
成功
🔵🔵🔴
鬼河原・桔華
●POW
【探偵社】
随分と|恋慕《おっこち》た猟書家幹部じゃねぇか
男ひとりやふたりなんざ、肩をぶつけさせて色目でも送りゃ訳ねぇよ
『とか総長が気張ってましたけど、ロンさんのご推察通りです』
う、うるせぇ!
仕方ねぇだろ…って、善童と妙童!
お前ら、いつから座敷わらしと仲良くしてんだよ!?
おい、ロン
テメェ、中々良い|女《スケ》連れてるじゃねぇか
どう引っ掛けたんだぁ?
おいおい、漢詩ったぁ雨莉が好きそうな|男同士の友情《BL》を謳ったもんだろ…って、聞くのも小っ恥ずかしいモンをサラッと抜かすんじゃねぇ!
猟書家も哀れんだ目をしてるんじゃねぇ!!
鬼棍棒で侍女の霊ごと叩き潰してやろうか、お⤴ぉん⤵?(威圧&殺気)
黄・威龍
●SPD
【探偵社】
随分と節操ねぇ奴だこった
別行動してる桔華の姐さんに合流って、ひとりじゃねぇか
肩をぶつける度に色目を送らねぇでガン垂れてたのか?…って図星かよ
俺か?
そこに居る狐仙に恋の漢詩を【詩詠み】させたら一発だったぞ
|君問帰期未有期《いつ戻るのかと君は聞くが》
|巴山夜雨漲秋池氀《いつ帰れるか分からない》
|何当共剪西窓燭《いつか窓辺に寄り添いながら》
|却話巴山夜雨時《今降っている雨の話を一緒にしよう》
ってのな…って、猟書家の手下はともかく姐さんも顔を真っ赤にさせてどうすんだよ
姐さんが暴れてる隙に仙狐には仙術を、座敷わらしには幸運で支援して貰う
俺は呼び出した生霊を相手にしながら追い詰めて行くぜ
「随分と|恋慕《おっこち》た猟書家幹部じゃねぇか。男ひとりやふたりなんざ、肩をぶつけさせて色目でも送りゃ訳ねぇよ」
などと威張っている鬼河原・桔華(仏恥義理獄卒無頼・f29487)だが、その割に周囲に男の影はなかった。合流した黄・威龍(遊侠江湖・f32683)があきれたように肩をすくめる。
「いやひとりじゃねぇか。肩をぶつける度に色目を送らねぇでガン垂れてたのか?」
『ロンさんのご推察通りです』
桔華の式神である双子の子鬼、善童&妙童が声を合わせて答える。桔華は赤くなった。
「う、うるせぇ! 仕方ねぇだろ……って、善童と妙童! お前ら、いつから座敷わらしと仲良くしてんだよ!?」
気づけば、善童&妙童の傍らにはおかっぱ頭の、古めかしい服装の少女がちょこんと佇んでいた。桔華が|男《妖怪》を落とせずにいる間に、式神の方が落としていたらしい。図星かよ、とため息を吐いている威龍を睨み……桔華は瞳を丸くした。
「おい、ロン。テメェ、中々良い|女《スケ》連れてるじゃねぇか。どう引っ掛けたんだぁ?」
威龍の後ろでは、狐仙の少女が恥ずかしそうに俯いていた。威龍は頭を掻きつつ答える。
「俺か? そこに居る狐仙に、恋の漢詩を詠んだら一発だったぞ」
そう言って、彼は朗々と件の漢詩を詠い上げた。
『|君問帰期未有期《いつ戻るのかと君は聞くが》
|巴山夜雨漲秋池氀《いつ帰れるか分からない》
|何当共剪西窓燭《いつか窓辺に寄り添いながら》
|却話巴山夜雨時《今降っている雨の話を一緒にしよう》』
中々にロマンチックな詩である。それを荒々しくも逞しい肉体を持つ威龍に囁かれたら、そのギャップも相まって、落ちるのも頷けるというもの。狐仙の少女はますます恥ずかしそうに身を縮めた。桔華もまた、その詩に頬を染めている。
「おいおい、漢詩ったぁあのグリモア猟兵が好きそうな|男同士の友情《BL》を謳ったもんだろ……って、聞くのも小っ恥ずかしいモンをサラッと抜かすんじゃねぇ!」
照れ隠しのように鬼棍棒を地に打ち付ける桔華。意外に乙女だった。
「いや姐さんも顔を真っ赤にさせてどうすんだよ」
ツッコむ威龍。
「本当に……わたしを蚊帳の外に追いやっておいて……」
男ひとり落とせないのに、といつの間にかそこに立っていたお露も、桔華に哀れみの目線を向けた。思わず飛び退きつつ、桔華は鬼棍棒を彼女に突きつける。
「哀れんだ目をしてるんじゃねぇ!! 侍女の霊ごと叩き潰してやろうか、おぉん?」
殺気を放ちつつ威圧する彼女に、お露も、
「あなたがそのつもりなら、わたしも容赦はしないわ……! あなたの式神に、わたしの座敷わらしも奪われたもの……!」
と黒い霧の体を持つ侍女の霊を召喚する。桔華に向かい、振るわれた白骨化した手足は、偶然にも侍女の霊がそこに転がっていたバナナの皮に滑って転んだことにより、空振りに終わった。見れば座敷わらしが無言で手を掲げている。どうやら彼女のもたらした幸運により、攻撃を免れたらしい。
「恩に着るぜ!」
意気揚々と鬼棍棒を両手で振り上げる桔華。負けじと牡丹の灯籠から吹き出された炎は、狐仙の少女が振るった扇が起こした風に阻まれ消える。おそらく彼女の仙術だろう。もはや邪魔するものはない。桔華は鬼棍棒を振るい、侍女の霊を地形ごと粉砕していく。その隙に、威龍はお露に向き直った。
「しっかし、愛だ恋だと抜かす割に、随分と節操ねぇ奴だこった。本当にそこに愛はあるのか?」
挑発する彼に、お露は顔を真っ赤にして怒鳴る。
「何を! わたしの恋は本物……! こんなにたくさんの方が、わたしを慕ってくれているのだもの!」
そう言って語る過去の恋の話から、語られた分の生霊が飛び出し、威龍に襲い掛かる。威龍は100キロを超える速度で飛翔し、それらを迎え撃った。水晶状の直刀に北斗七星が浮かび上がる剣が振るわれるたびに、生霊達が切断されていく。追い詰められていくお露に向かって、威龍は宿星剣『北斗』を掲げた。
「加減はしねぇぜ」
煌めく軌跡を描き、振るわれた宿星剣は彼女を斬り裂く。お露がよろめく。この猟書家幹部を倒すまで、あと一息だ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
WIZ
オーバーロードで背中に黒炎の翼。
更に守護霊の憑依【ドーピング】で
UC級(技能118)の強化
お労しや、お露様……ですが御安心を。
私は、私達は、貴女様を愛しておりますわ♥
『私達の楽園』で美男美女の霊130人を召喚。
一人一人が私と同じ強さ。
【念動力】でお露様の下駄を【盗み】
【結界術・全力魔法】の中に封じて攻撃手段を奪い
服も下着も【解体】して隔てる物なく【怪力・捕縛】の抱擁
魅了など無くとも私達は裏切りませんわ。
心からの、永遠の愛を貴女様に♥
【誘惑・催眠術】の睦言とフェロモンの香り。
舌による全身への愛撫。男性霊だけでなく女性霊や私も
【化術】で御立派様を生やしての【串刺し・慰め・乱れ撃ち】
体の外側も内側も媚毒の【呪詛】を含む体液で染め上げ
お露様も経験した事の無い程の悦びで満たす【集団戦術】
私を入れて131人の【継戦能力】絶倫なモノは
まだまだ【気合い】充分。
時間も忘れて愛し合い【生命力吸収・大食い】
魂までも蕩け合い、永遠に離れる事は無い。
ヤンデレはヤンデレ同士ならただのバカップルよ♥
「お労しや、お露様……ですが御安心を。私は、私達は、貴女様を愛しておりますわ♥」
オーバーロードの力で、背中に黒炎の翼を生やしたドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)が妖しく微笑み、お露に向かって両手を広げる。その背後には、彼女が【私達の楽園(ネヴァーエンド・ラブメモリーズ)】で召喚した130人もの美男美女の霊が佇んでいた。突然の甘言と、圧すら感じる守護霊達の人数に、逆に警戒したようにお露は一歩下がる。
「そんなの……信じられないわ……これまで散々裏切られてきたのに……」
お露の顔が曇る。猟兵達に恋愛アプローチをかけられた妖怪達は、次々に彼女の元から離れていった。無論、それは彼らを生霊化から解放するため。正しい行いとはいえ、お露から見れば裏切りに等しい。唇を噛み、キッとドゥルールを睨みつけた。
「そんな調子のいいことを言って、どうせあなたもわたしを裏切るんでしょう!? なら……その前に……あなたを殺してわたしも死ぬわ!」
さすがヤンデレ、情緒不安定である。ドゥルールを睨みつけたまま、お露は足を上げて下駄の音を響かせようとし……。
「おいたはいけませんわ、お露様……そんなことしなくても、わたしはずっとお露様のそばにいますのに」
すっとドゥルールが手を伸ばす。瞬間、念動力でお露の履いていた下駄は脱がされ、彼女の手元に引き寄せられた。お露が息を呑む。
「そんな……返して!」
足袋のまま駆け寄ってくる彼女の前で、ドゥルールは結界の中に下駄を封じ、お露の攻撃手段を奪う。呆然と立ちすくむ彼女の着物を、ドゥルールは下着ごと悲愴の剣で解体した。お露の足元に、ハラリと薄紅の着物の残骸が落ちる。
「キャア! な、何するの!?」
恥ずかしげに自身の体を抱きしめ、大事なところは隠しつつキッとこちらを睨みつけてくる彼女を、ドゥルールは力強く抱きしめ、囁いた。
「魅了など無くとも私達は裏切りませんわ。心からの、永遠の愛を貴女様に♥」
その睦言は、誘惑の催眠術。濃厚なフェロモンの香りに、クラリとお露がよろめく。
「ほ……本当に……?」
しがみついてくる彼女の手を取り、頷いて微笑んだドゥルールは、再び睦言を囁くかのごとく耳元に口を寄せ……そこに舌先を這わせる。
「あっ……」
ピクリとお露の体が跳ねた。耳元から首筋、さらにその下へと、ドゥルールの舌による全身への愛撫は続いていく。ドゥルールだけではない。130人にもおよぶ彼女の守護霊達もお露を取り囲み、四方八方から手や化け術で生やした器官を使って、うずく彼女の体を慰めていく。体の外側も内側も媚毒の呪詛を含む体液で染め上げられ、思わずお露は喘ぎ交じりの叫び声を上げた。
「あっあっ、何……これ……こんなの……初めてぇ♥」
数多の恋を経験してきた彼女でも、さすがに131人相手は初めてだろう。これだけいれば継戦能力も十分。絶え間なく注ぎこまれる快楽に、お露が何度達してもまだまだ守護霊達もドゥルールも気合十分で、尽きることがない。時間も忘れて愛し合い、貪り合い、その生命力を喰らっては吸い上げていく。もはやお露もドゥルールも守護霊達も、渾然一体となって、互いの境目が分からなくなるほどだった。重なり合う体は魂までも蕩け合い、永遠に離れる事は無い。
「ヤンデレはヤンデレ同士ならただのバカップルよ♥」
チロリと舌を覗かせて言うドゥルールの言葉は、ある意味真理であったろう。力を使い果たして消えていくお露は、どこか満ち足りた顔をしていた。
成功
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