銀河帝国攻略戦㉖~黙して見よ
●グリモアベースにて
銀河の海を渡り、更なる先へ。
枝葉のように分かたれた戦場をすさまじい勢いで制圧し、そして越えてきた猟兵の前に現れたのは、また新たなる艦隊だった。いやでも目に入るその旗印は、銀河帝国のもので間違いない。
その艦隊の名は、帝国旗艦インペリウム。
すでに制圧しているアマルテア情報艦隊で得た情報により、帝国旗艦インペリウムの科学技術センターでは、各地から銀河帝国工作員の手によって拉致されてきた有能な科学者や技術者が無理やりに働かされていることが分かっている。
ここで猟兵がすべきことは、他でもない彼らの救出である。
「……どうか無事に、彼らを救出してきてください」
脳裏に描いた予見から目を伏せるように、プルミエール・ラヴィンス(はじまりは・f04513)はそして猟兵を送り出す。グリモアの輝きの中で、猟兵の武運を祈って。
●無機質なる大樹
帝国旗艦インペリウム、科学技術センター。
誰も立ち入ることのない閉ざされた一室に、その中央コンピューターはあった。ただのコンピューターではない。その異様さには、おそらく部屋に立ち入った時点で気付くはずだ。それはあまりに醜悪で、醜怪で、度し難い。
その部屋にはただひとつ、機械仕掛けの大樹だけがあった。
機械の幹はまるで無機質。伸びる枝葉さえ冷たい鉄で作られた温度のなさで――ただひとつ、枝葉の先に繋がれた果実代わりのコンピューターユニットだけが色付いている見える。
なぜなら。無数のコンピューターユニットにはそれぞれ生きた人間、拉致されていた技術者や科学者たちが直結したままぶら下げられているからだ。
呻くもの、眠るもの。意識あるもの、ないもの。いずれにしても既に生体コンピューターの部品として組み込まれており、無理やり引き剥がすことは敵わないだろう。
彼らを安全にコンピューターから切り離すことを考えるならば、できることはただひとつ。彼らが繋がれたコンピューターユニットから提示されている謎解きに、正しく回答するしかない。
そうして覗き込んだディスプレイに提示されていた謎解きは――ひどく、簡潔な文章のみだった。
『白い牛、赤い馬、黒い犬、青い鳥』
『いちばん大人しいのは、どれ?』
atten
お目に留めていただきありがとうございます。
とっても簡単ななぞなぞです。息抜きくらいの気軽さでどうぞ。
特殊なシナリオになりますため、以下ご留意ください。
▼ご案内
舞台はスペースシップワールドになります。
なぞなぞの正しい答えを入力して、救出を目指しましょう。
よろしくお願いします。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 冒険
『中央コンピューターの謎かけ』
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POW : 総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、救出します。
SPD : 素早く謎の答えを導き出した後、救出した人のケアを行います。
WIZ : 明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、救出します。
👑3
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
レイ・アイオライト
……ああ、そういうこと。
おとなしい、ってことは、つまり沈黙、「黙っている」ってことよね。これは「黒い犬」の漢字を合わせて「黙」になるから、正解は「黒い犬」ってことかしら。
さっさと人間を解放してこんなところおさらばするわよ。全ての人間を解放したら、【変幻ナル闇ノ曙光】で盛大に暴れてコンピューターを再起不能にしてやるわ。
結城・蓮
まったく、悪趣味だな、ドクターオロチとやらは。
クイズで助けださせてくれるのは良心なのか意地悪なのか。
ま、そのクイズの内容はそこまででも無いから親切と思おうか。
【SPD】
さて、クイズの回答だけど。
これは簡単。黒い犬だ。
大人しい=静か=黙っている、ということ。
黙という文字はバラして組み替えれば黒犬という文字になるからね。
答えがわかれば躊躇の必要はなし。
早速入力して救出作業だ。
《泡沫の鏡像》で2倍の効率で助けだしていくよ。
「大丈夫かい?もう大丈夫だからね」
パルミリーリル・アーティルノッド
≪アドリブ・アレンジ大歓迎≫
(UDCによる狂気が混じったりなんやかんやでテンションが高い)
なるほどなるほどぉ、大人しい、でございますか!
言い換えれば静かな、Quiet、Silent……あるいは、黙っている、でございましょうか?
おおっと、随分とジャパンジャパンした問題文でございますねぇ!
わたくしはUDCアースに暮らしているからまだしも、人によっては大変でございましょう!
回答は『黒い犬』、『黒犬る』でございます!
ではでは御開帳!
機械様様、開けゴマでございます!
ハリーハリーハリーハリー!
解除されたらレプリカクラフトで巨大なクッションを作って科学者の落下の衝撃を和らげるのでございます!
山路・紅葉
🐰頑張る!頑張るけど…あうあぅ…
🐺だから勘で依頼を決めるなって言ったじゃないのッ!謎解きとか完全にアンタに向かないじゃない…
🐰でも、助けたかったんだよ…?
やっぱりこういう非道なことは許せないよ!
だから、何としてでも助けたいんだけど…
🐰うー…うー…考えても分からないよぉ…
🐺良いから黙って考えなさい、ワタシも考えるから
🐰はーい…黙って…黙…あーっ!?
🐺ちょっと、いきなり何!?
🐰わかったよ!と言う訳で織子ちゃんGO!
🐺なんでッ!?
と言う訳で回答「黒い犬」
「黙」を分解すると解答になる
(🐺織子=人工UDC刻印兵器『黒犬』)
※アドリブ・絡み歓迎
●黙して見よ
帝国旗艦インペリウム、科学技術センター。その一室。
誰も立ち入ることのない、中央コンピューターが設置された部屋への侵入を果たした猟兵たちは、その部屋の様相に隠すことなく顔を歪めていた。
「……まったく、悪趣味だな」
結城・蓮(チキチータ・マジシャン・REN・f10083)は機械仕掛けの大樹を見上げて、小さく溜息を吐く。ドクターオロチとやらの品性を疑ってしまう程度には、その光景は醜悪だった。
見上げた機械仕掛けの大樹といえば、予見されていた通り。
視界を過ぎるようにぶらりと揺れたのは果実代わりのコンピューターユニット、そして脳みそごと直結された人間の四肢だ。動かないものもいたが、時折痙攣するかのように揺れているものはまだ意識があるのだろう。言葉にもなっていない呻き声が聞こえてくる。
「さっさと人間を解放してこんなところおさらばするわよ」
蓮の隣に立つようにして大樹を見上げたレイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)もまた、その枝葉を睨み付けた。
すべてのものを解放したなら、こんなところすぐにでも壊してやる。そう意気込む心を落ち着かせるように深く息を吐き、レイは手短なディスプレイを覗き込む。いずれにしても、ここに吊るされたひとびとを解放するためにはディスプレイに提示される謎を解き、その答えを入力することでセキュリティを突破するしかない。
覗き込んだディスプレイに提示されていた文字もまた、予見と同じく。そこにはただただ、簡潔な文章のみが綴られていた。
『白い牛、赤い馬、黒い犬、青い鳥』
『いちばん大人しいのは、どれ?』
続くように背後から覗き込んだパルミリーリル・アーティルノッド(くるくる少女・f14000)は、ディスプレイの映した瞳を輝かせながら大きく頷く。なぞなぞである。
「ほうほう、なるほどなるほどぉ。大人しい、でございますか!」
「うー……考えても、分からないよぉ」
同じくディスプレイを覗いた山路・紅葉(白い兎と黒い犬・f14466)は、兎のように赤い瞳を不安げに揺らして、頭を抱える。非道なことは許せない。だからこそ、何としてでも助けたい。そんな思いを抱えながらも、しかし紅葉にとって謎解きは完全なる門外漢。
「だから勘で依頼を決めるなって言ったじゃないの!」
そんな紅葉を叱るように声をあげたのは、彼女からまろびでる黒い影。『織子』と呼ばれた人工刻印兵器、その黒犬である。
それでも、助けたかった。そう呟いた紅葉はしかし、周囲がいやに静かなことに気付いてきょろきょろと辺りを見回した。見ればその場にいる猟兵たちの視線が、自分に集中していることが分かる。慌てたように目を瞬かせた紅葉――正確には、黒犬を見ながら、猟兵たちは深く頷いていた。
「……ああ、そういうこと」
「ははあ、なるほどね」
「そういうことでございましたか」
レイ、蓮、そしてパルミリーリル。各々が納得したように声をあげ、頷けば頷くほど紅葉は焦ったように忙しなく視線を走らせる。やがて、彼女らの視線の先に気付いた紅葉がおそるおそるとその視線を辿れば、そこには。
「あーっ!?」
「ちょっと、いきなり何!?」
そう。答えはひとつ。
白い牛でも、赤い馬でも、青い鳥でもなく。
答えは、沈黙するもの。黙すのは、黒い犬。
黒い犬こそが、このなぞなぞには相応しい答えとなる。
突然指を指され驚いた様子を見せる織子をよそに、先を急かす紅葉とパルミリーリルの声に促されるように蓮は素早く答えを入力していく。
そうして。
高らかな機械音が鳴り響き、おもむろにディスプレイは切り替わる。セキュリティが解除されたのだ。解除コードとなっていた答えを入力されたコンピューターユニットは停止し、生体コンピューターから無事に解放された科学者のひとりが、ゆっくりと垂れる枝葉から降ろされていく。
猟兵たちはひどく疲弊した様子の科学者を優しく迎え、そしてこの救出劇は大成功を収めて幕を下ろすのだった。
大成功
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