銀河帝国攻略戦㉖～あるものとないもの～
●クイズのお時間です
「皆、戦争もだいぶいい具合で進んでいるけど、厄介な状況になってんだ。力を貸してくれねーか？」
梯・剛士（ヴァリウードの随伴者・f12919）はグリモアベースで、大きな声で猟兵たちに呼びかけた。
猟兵たちの活躍により、銀河帝国攻略戦の進捗は順調だ。
既に銀河帝国の旗艦「インペリウム」や、銀河帝国の中心人物たちへと手が届くところまで来ている。
そして「インペリウム」の内部に踏み込むことが出来るようになった結果、スペースシップワールドの各地から銀河帝国によって拉致され、死ぬまで働かされてきた優秀な技術者や科学者が酷使されている、科学技術センターの場所が判明したのだ。
「科学技術センターには、すっげー不気味な見た目の、でっかい樹の形をした中央コンピューターがあるんだ。科学者たちや技術者たちは、そいつに生体ユニットとして組み込まれて死ぬまで働かされている。
ユニットはまるで果物が樹に生るみたいに沢山ぶら下がってんだけど……無理やり引き剥がそうとすると、コンピューターが組み込まれている人間の意識を焼き切って殺しちまうんだ」
では、どうやって助け出せばいいのか。声を上げる猟兵たちに、剛士は手元の情報端末を操作した。
彼の隣に機械音と共に浮かび上がった立体映像が、幾つかの文章を表示する。
「問題。
東京にあって京都に無い。
北海道にあって新潟に無い。
沖縄にあって鹿児島に無い。
静岡にあって浜松に無い。
下北沢にあって中野に無い。
「共通してあるもの」とは何か？
二文字で答えよ。」
立体映像を表示したままで、剛士は立体映像を指さしつつ肩をすくめた。
「クイズみたいだろ？このクイズがコンピューターユニットから出題されるんだ。
その正しい答えを入力することが出来れば、安全に科学者や技術者を救出することが出来る。
ヒントは出せねーし、あんまり間違ったりすると助けようとした人が死んじまうから、よく考えてくれな」
そう眉をひそめつつも、剛士の瞳に諦めの色はない。
三人寄れば何とやら、これだけの猟兵がいれば、きっと問題を解くための道筋を見いだせる者もいるだろう。
「繋がれてるやつら、元々優秀な人だったらしいけど、ドクター・オロチの研究に携わるコンピューターの一部にされていたから、スペースシップワールドにこれまで存在しなかった、高度な技術や知識をものにしてるんだ。
そいつらを助け出せれば、スペースシップワールドが平和になった時、技術の発展にすげー役立てられると思う。
だから、なるべく助けてあげてほしいんだ。よろしく頼むぜ！」
そう言って拳をぐっと握る剛士の瞳には、いつか来るスペースシップワールドの平和な姿が映っているに違いない。
猟兵たちは謎解きのため、インペリウムへと赴くのだった。
屋守保英
こんにちは、屋守保英です。
謎解きという、普段とはだいぶ毛色の違う依頼ですね。
ちょっと気合入れてネタを考えたので、頑張って解いてください。
●特記事項
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
１フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●目標
・中央コンピューターに組み込まれた技術者・科学者の救出。
●戦場・場面
帝国旗艦インペリウムの科学技術センターです。
スペースシップから拉致された科学者や技術者が、中央コンピューターの生体ユニットとして繋がれ、大樹から果実のようにぶら下がる形で組み込まれています。
無理やり引き剥がしてしまうと、彼らの意識が焼き切れて死亡してしまいます。
救出するには、コンピューターユニットから出題される「謎」の正しい回答を入力する必要があります。
それでは、皆さんの考えに考えた解答をお待ちしています。
第1章 冒険
『中央コンピューターの謎かけ』
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POW : 総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、救出します。
SPD : 素早く謎の答えを導き出した後、救出した人のケアを行います。
WIZ : 明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、救出します。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | ［評価なし］ |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
セルマ・エンフィールド
UDCアースのアルファベットに直すと
TOKYO KYOTO
HOKKAIDO NIGATA
OKINAWA KAGOSHIMA
SHIZUOKA HAMAMATU
SHIMOKITAZAWA NAKANO
あるものは"OK"です。
治療などは得手ではありませんが、いつまでもあのままにしておくことはないでしょう、せめて組み込まれている状態からは救助し、寝かせてあげましょう。
運ぶのは他の猟兵の方たちを待ってから、ということで。
亜儀流野・珠
クイズ好きだな帝国は！
東京…北海道…
東京に…北海道に…
もしかして、
とうきょ「うに」、ほっかいど「うに」、おきな「わに」…
でウニ、カニ、ワニ…「動物」か？
少し自信が無いが…どうだ！
もし解放出来たら「千珠魂」で俺たちを召喚して皆で科学者たちを助けて回るぞ！
大変だったな、ゆっくり休んでくれ！
銀河帝国旗艦船「インペリウム」の科学技術センター。
なんともグロテスクで名状しがたい中央コンピューターがそびえる部屋に、亜儀流野・珠（狐の恩返し・f01686）とセルマ・エンフィールド（終わらぬ冬・f06556）は踏み入った。
その余りにも非人道的な扱いをされている技術者や科学者の姿を見て、セルマも珠も言葉を失う。
すぐさま二人して、グリモア猟兵に示されたコンピューターユニットに駆け寄った。
「ほんとクイズ好きだな帝国は！」
「これもドクター・オロチがここではない世界から持ち込んだ技術なのでしょうか」
グリモアベースで提示されていたものと同じ問題が表示されたディスプレイを直接に目にして、二人はしばし思考を巡らせた。
「うーん、東京……北海道……
東京にあって、北海道にあって、京都に無くて、新潟に無くて……
……ん？東京に、北海道に？」
画面を見つめて顔をしかめていた珠が、何かに気が付いた表情をした。
「あっ、とうきょ「うに」、ほっかいど「うに」、おきな「わに」、しずお「かに」、しもきたざ「わに」！
ある方は、全部最後に「に」を付ければ動物の名前になるんじゃないか！？ってことは答えは「動物」に……」
「しかし、それは「東京」「北海道」という地名そのものにあるとは言えないと思います」
我が意を得たりという表情で顔を輝かせた珠だが、セルマは難しい表情を崩さない。
憮然とした表情でセルマを見つめる珠だったが、そう間を置くことなく。
「あ……もしかして」
「何か気づいたのか？」
セルマが声を上げた。隣で立つ珠の表情が輝きだす。
徐にセルマが問題の表示された画面、「東京」の部分に指を触れた。パッと画面が切り替わり、QWERTY式のキーボードとテキストボックスが現れる。
「あぁ、入力デバイスが無いと思ったらタッチパネル式だったのですね。
この都道府県名や都市名を、ローマ字に変換すればいいんです。東京ならTOKYO、北海道はHOKKAIDO……ほら、何か見えてきませんか？」
「え……？
TOKYO、HOKKAIDO、OKINAWA、SHIZUOKA、SHIMOKITAZAWA……あっ！」
セルマのヒントを受けて宙に視線を巡らせた珠が、パンと手を打った。大きく頷くセルマ。
「そうです、どの地名もローマ字表記すると「OK」が入っているんです。つまり答えは……」
告げながら、淀みない手つきでキーボードを叩く。
入力する文字は「OK」
エンターキーを押すと。
「設問の正解を確認しました。ユニットを解放いたします」
無機質な機械音声が流れると同時に、吊り下がったコンピューターユニットから吐き出されるようにして白衣を着た男性が一人、科学技術センターの床へとまろび出て来た。
床に両手と膝をついて、深く呼吸をする男性。おそらく科学者なのだろう。
彼は傍らに立つセルマと珠に視線を向けると、長い前髪が目にかかるのもそのままに口を開いた。
「げほっ、ごほっ……わ、私は、助かったのか……？君達は……」
「大変だったな、もう大丈夫だ。ゆっくり休んでくれ！」
「身体はだるくないですか？辛いようなら、少し横になってください」
しゃがみ込んで、男性を気遣う二人。
ようやく解放されたことに安堵の息を吐いた科学者の男性は、うっすらと口元に笑みを浮かべながら、解放軍の船へと移送されていくのだった。
大成功
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