|オブリビ隕石破壊作戦《オペレーション・インセキ》
●コズミック・デザスター
宇宙から、不届き者が降って来る。
隕石群、襲来。
その宇宙災害を事前に察知した『ゼシュテル|星《せい》』の王立宇宙局は、即座に対応。
配備されていた|隕石破壊砲《コズミック・デストロイヤー》により、星に被害が及ぶ前に粉砕を試みた。
……のだが。
「馬鹿な!」
|作戦《オペレーション》の成功を信じて疑わなかったスタッフに動揺が走った。
破壊光線が隕石へ直撃する寸前、謎のエネルギーフィールドが発生。ビームの軌道が曲げられたのだ。
「あれは自然の隕石ではないというのか?」
「宇宙カメラからの映像が入った。メインに回す」
大型ヴィジョンが、隕石表面の状況を映し出す。
「人、だと……?」
「こちらを見ているぞ。あっ」
ザッ。
いくつかの人影を捉えた瞬間、ノイズだけに変わる。
「奴等は一体……」
ゼシュテル星人達が困惑を深める間にも天は赤く染まり、星に滅亡の足音が迫っていた。
「こうなった以上、隕石に接近し、直接攻撃を加えるしかあるまい」
「虎の子の隕石破壊砲が通じない標的に、|宙船部隊《コスモ・フォース》で対応できるとは思えん……」
「我等にはどうする事も出来ないというのか……」
たんっ。
|操作卓《コンソール》を叩き、無力感にさいなまれるゼシュテル星人達。
その姿……ヒトデの体が、ふるふると震えていた。
●宇宙猫ではなく地上猫
たしっ。
タビタビ・マタタビ(猫勇者一歩手前・f10770)が肉球で示した地図は、一面の黒。
いや、これは宇宙地図だ。
「今回、みんなに行ってもらいたいのは、スペースオペラワールドだよ!」
新世界、というよりは、新領域、というべきか。猟兵が辿りついた、新たなフロンティア……!
「この『ゼシュテル星』は、ほとんどが海に覆われてる星なんだ。そこに住む人達は、大きなヒトデみたいな姿をしてるよ」
二足歩行で、喋るヒトデ。服は着てる。
しかし、この水に満ちた星に、災厄が訪れる。巨大隕石が、星に落下しようとしていると言うのだ。
「ゼシュテル星人さんは結構技術力が凄くて、普通の隕石なら簡単に壊せるはずだったんだけど」
この巨大隕石落下は、オブリビオンによって仕掛けられたもの。隕石の外周は、防護フィールドによって守られ、通常兵器による攻撃を遮断する。
「このままじゃゼシュテル星は木っ端みじんになっちゃう。そうなる前にみんなには巨大隕石に直接乗り込んで、そこにいるオブリビオン達を倒して欲しいんだ!」
そう、これがオペレーション・インセキ。
巨大隕石を守るオブリビオンは、『ギャラクシー・ならずもの』。
見かけこそ三下感漂う小悪党だが、今回は隕石警護の仕事を請け負ったらしい。仕事はしっかりする。
「ならずもの達の後ろには、謎の『侵略宇宙人』がいるみたい。そいつを倒せば、隕石を守るバリアは消えて、ゼシュテル星の人達でも破壊できるようになるはず」
そしてタビタビは言う。
「ゼシュテル星には、不思議な魚とか海の生物がいるらしいんだ。無事に星を守れば、そこで釣りをしたり、お魚を料理したりできるから、頑張って!」
お魚、と自分で言って、ちょろり、とよだれをこぼすタビタビだった。
七尾マサムネ
宇宙を満たしているのはダークマターとロマンである。
というわけで、スペースオペラワールドの冒険の始まりです!
●一章
巨大隕石上に乗り込んで、『ギャラクシー・ならずもの』達を一掃します。
●二章
巨大隕石落下作戦を行おうとしていた『侵略宇宙人・正体隠匿形態』と戦います。
正体は不明ですが、水と海の惑星を憎んでいるようです。とても。
●三章
隕石落下を食い止めた後、ゼシュテル星の海でフィッシングを楽しみます。
宇宙クジラとか宇宙サメとか、宇宙感ただよう特殊魚介類が色々います。料理してもいいです。
それでは、皆様の冒険に祝福があらんことを……!
第1章 集団戦
『ギャラクシー・ならずもの』
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POW : ユニバース・強奪作戦
指定した対象を【略奪と蹂躙の獲物】にする。対象が[略奪と蹂躙の獲物]でないならば、死角から【テレポートで無数の仲間】を召喚して対象に粘着させる。
SPD : スペース・お持ち帰り
【生物にも効くアスポート・ビーム】が命中した物品ひとつを、自身の装備する【宇宙船などのアジト】の中に転移させる(入らないものは転移できない)。
WIZ : コズミック・ハメ殺し
戦場内を【ならずもの様の命令に絶対服従の】世界に交換する。この世界は「【反抗心を持つほどに身体は従ってしまう】の法則」を持ち、違反者は行動成功率が低下する。
イラスト:小日向 マキナ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●隕石上の厄介者
青の星を見下ろし、ならずもの達が笑っていた。この球体が、もうすぐ死の星に生まれ変わる事を確信して。
「星がぶっ壊れるなんて特大の花火を見られて報酬までもらえるんだから、全くいい仕事だなぁ!」
特等席……隕石の上から、ゼシュテル星を眺める『ギャラクシー・ならずもの』達。
隕石破壊砲すら退けた防護フィールドの恩恵により、宇宙空間……落下する隕石上にあっても、彼らは快適な環境を享受している。
早くも任務完了、打ち上げ気分の彼らの背後に、巨大な影が現れる。
擬態宇宙服に身を包んだ人型。
ヒュゴー、と怪しげな排気音をこぼすその影こそ、隕石落としの首謀者。
『任務を、怠るな』
「わかってらぁな、ボス。けど、この隕石はボス特製のバリアで守られてるんだろ?」
「ああそうだ、オレらの出番なんてあるのかよ?」
楽勝ムード漂うならずもの達に、しかしボス……『侵略宇宙人』は、釘を刺す。
『くれぐれも油断するな。この水の星を、宇宙の塵に還る様を見るまではな』
言い残し、離れていくボスを、ならずもの達は肩をすくめて見送った。
「ずいぶん心配症なこった。わざわざこんなとこまでくるヤツがいるかよ」
マリカ・ヴィミラニエ
(アドリブ・連携歓迎)
SPD
・・・宇宙海賊のボクが言うのもなんだけどさ。隕石で星を壊そうなんてえげつないこと考えるよね。しかもそれを笑って実行しようとしてるやつらもいるときた。
・・さすがにそんなのは見過ごせないな。なんとしてでも止めさせてもらうよ!
行動
ボクはユーベルコード【バトル・インテリジェンス】で戦闘能力を上げて数も多いみたいだし範囲攻撃でカトラスを振るってギャラクシー・ならずものたちと戦うよ。敵のユーベルコードや攻撃は見切りを使って回避してみよう!
宇宙らしからぬ、いっそ酒宴でも始めそうな、緩んだ空気。
マリカ・ヴィミラニエ( 亡星の海賊姫・f38701)が出くわしたのは、絵に描いたように悪党が油断している光景であった。
「星を見ながら一杯、だなんてお洒落だけど、任務中にそれはいただけないよね」
「!?」
突如、隕石上に乗り込んできたマリカに、色めき立つ、ならず者達。
「どうやってここまで!?」
「ヒトデどもがバリアを破れるはずがねえ。こいつ……猟兵だな!」
腐ってもオブリビオン。
ならず者達は、マリカの正体に気づくと、武器を手に取り臨戦態勢。
「……宇宙海賊のボクが言うのもなんだけどさ。隕石で星を壊そうなんてえげつないこと考えるよね。しかもそれを笑って実行しようとしてるときた」
「一応仕事なんでな。それに個人的にも……大好物なんだよ」
ニタリ、下卑た笑いを並べるならず者達を、きっ、と睨むマリカ。
「……さすがにそんなのは見過ごせないな。なんとしてでも止めさせてもらうよ!」
「けっ、宇宙じゃそんな正義感が命取りになるって事を教えてやらあ」
ならず者達が、マリカを取り囲み、逃走経路を断つ。
相手を踏みにじる事にかけては、天賦の才があるようだ。悪党ヅラは伊達ではない。
だが、猟兵は一騎当千。マリカの背後に、AI搭載型戦術ドローンが現れる。
「そんなもんで俺達をどうにかできると思ってるのかよ」
「威勢のいい事を言ってられるのも……今のうちだよ」
マリカは、カトラスを構え……脱力した。AIにその身体を委ねる。
「隙だらけだぜ!」
ならず者達が、マリカに一斉に射撃した。
命のみならず、身ぐるみまでも剥いでしまおうと言う盗人精神。
しかしその目論見は、マリカのカトラスによってあえなく切り裂かれた。
「な……!」
能力の限界を超えた身のこなしが、アスポート・ビームの雨あられをかいくぐり、斬撃でもって、ならず者達を薙ぎ払ったのだ。
「お背中流しましょうかア?!」
巨漢が、マリカの背後に迫る。
死角からのスペース・バズーカの射撃という、ある意味卑怯な戦法。
だが、その射線は、マリカによって見切られていた。
ひらり、側転でかわしたマリカがいた場所を、空しく爆発が呑みこんだ。
「ガキ1人に遊ばれてんじゃねえよ! さっさと始末しゲフッ」
「ガキ、だなんて失礼だなあ。こう見えてお姫様なんだ」
カトラスの柄で新たなならず者を叩きのめしながら、マリカが憤慨した。
大成功
🔵🔵🔵
南平岸・月斗
すげー、本当に宇宙だ!
「あー、月斗? 昨夜『明日はデッキの試運転』と言っておきながら何故宇宙に?」
え、宇宙のならず者の皆さんに実験台になってもらおうと。
「ならず者の方々がカードゲームに明るいとは思えんのだg」
あ、そこの人ー! カードゲームで勝負だ!
僕が勝ったらこの隕石は破壊させてもらうッ!!(UC発動)
デュエルッ!!
「…嘘だろ」
「だが月斗、対戦相手は実験台ではないと何度m」
えー、現在《無重力》と《湯治》の効果でコストが0になった《ギフト券》を無限に撃てます、《ギフト券》の効果を無限に解決、そちらの山札が0になるまで引いてください。
デッキ切れで僕の勝ちです!
「聞いちゃいないよこいつ」
南平岸・月斗(電波デッキの使い手・f29828)が新たなバトルフィールドとして選んだのは、石の上だった。
ただの石ではない。隕石だ。
周囲に満ちる暗黒と、ちりばめられた星々の煌めき。
それらが、月斗に宇宙の神秘を教えてくれる。
「すげー、本当に宇宙だ!」
「あー、月斗? 昨夜『明日はデッキの試運転』と言っておきながら何故宇宙に?」
絶妙なるツッコミの主は、龍神アダム。
「え、宇宙のならず者の皆さんに実験台になってもらおうと」
「ならず者の方々がカードゲームに明るいとは思えんのだg」
「あ、そこの人ー! カードゲームで勝負だ!」
アダムの助言をぶった切って、月斗が走り出した。
そこにたむろしていたのは、ギャラクシー・ならずもの達。
防護フィールドに守られ、大気を満喫していた彼らが、月斗を一斉に睨んだ。
「ああん? 誰だテメー……っていうかなんでここにいる!?」
「それは僕がデュエリストだからだ!」
超断言。
「僕が勝ったらこの隕石は破壊させてもらうッ!!」
「いやまだOKしてねえしそもそもデュエリストって何?」
ならずもの達の反論を全スルーして、デッキをシャッフルする月斗。
「なんでもいい、隕石を壊そうってなら敵だ、排除s」
「デュエルッ!!」
「「……嘘だろ」」
アダムとならずもの達の声が重なった。
デュエルフィールドが、隕石上に広がっていく。これぞギャラクシーデュエル。
「俺達に黙って話進めんじゃねぇ! こっちもフィールド展開!」
ならずもの達が両手を掲げると、胡乱な色のオーラが噴出した。
無法世界が、デュエルフィールドを押し返そうと広がっていく……のだが。
「僕のターンですね」
何食わぬ顔でデュエルを始める月斗。
その間にも、ならずものフィールドは押し返されている。
「くそっ、よくわかんねぇが負けてられるか」
いつの間にか用意された手札の内容を確認するので精いっぱいな、ならずものA。
無理矢理相手に選ばれて、必死なならずものAに対し、月斗はあくまでマイペース。
「だが月斗、対戦相手は実験台ではないと何度m」
「えー、現在《無重力》と《湯治》の効果でコストが0になった《ギフト券》を無限に撃てます、《ギフト券》の効果を無限に解決、そちらの山札が0になるまで引いてください」
「ちょ何待って」
「はいデッキ切れで僕の勝ちです!」
「聞いちゃいないよこいつ」
アダムが説得を放棄した横で、ならずものが謎パワーで吹き飛ばされていた。
大成功
🔵🔵🔵
水琴・ヤト
わざわざこんなところまで来たよ!
よろしくね!!
……まさか隕石に乗ることになるなんて
宇宙すっごーい!
楽しいけど目の前にいる人達はどう見ても危険だね
早くやっつけないと……
と思ったらなんか変な世界にされてるー!
ひぃ、酷いことしないでよう
反抗はしないから……
その代わり提案はさせてくれないかな?
ヤトちゃんは歌うのが得意なのです
という訳で歌姫的なポジションで捕縛してくれないかなぁ……
ほ、ほら!
試しに一曲だけ聞いて!
ということでUCの歌を歌いましょう
けれど私の歌は|魔力《呪詛》を帯びてるからね
これで悪者達は勝手にダメージを受けるんだ!
周りの仲間を治療したとしても、これは歌の効果だもん
反抗はしてないもんねー!
「ったくなんなんだ猟兵ってヤツは!? どうかしてるぜ」
猟兵の攻撃でてんやわんやのならず者達の前に、新たな挨拶者が現れた。
水琴・ヤト(溺れ人魚の噂・f38518)だ。
「わざわざこんなところまで来たよ! よろしくね!!」
足元は岩、空に星。
そう、ここは、大宇宙空間。
「……まさか隕石に乗ることになるなんて。宇宙すっごーい!」
こうやってヤトが宇宙の神秘を楽しめるのも、オブリビオンがわざわざ隕石上を生存可能環境にしてくれたおかげ。
けれど、その目的は脅威。
そしてヤトの目の前にいる人達は、危険だった。どう見ても。
「早くやっつけないと……」
「なあに言ってやがる嬢ちゃん」
「オレ達が宇宙の厳しさを教えてやるぜエ!」
ぐにゃあ。
ならずもの達が組体操めいたフォーメーションを取ると、ヤトの景色が歪んだ。
絵の具をパレットの上で中途半端に混ぜたような、うごめくマーブル模様。
悪意の匂いに満ちたこの空間こそ、ならずものの無法世界。ユーベルコードの発現だった。
「なんか変な世界にされてるー!」
「変なとはずいぶんじゃねえか」
げへへ、と下卑た笑いを連れて、ならず者達がヤトににじり寄る。
「ひぃ、酷いことしないでよう。反抗はしないから……」
絵に描いたような悪人面を披露するならず者達に、ヤトはこう言った。
「その代わり提案はさせてくれないかな?」
「提案?」
「はい。ヤトちゃんは歌うのが得意なのです。という訳で歌姫的なポジションで捕縛してくれないかなぁ……」
「歌姫? 自分で言うか?」
「へっ、美声なら悲鳴とかで聞かせてもらうからよお」
「ほ、ほら! 試しに一曲だけ聞いて!」
ならず者の返答を待たずして、ヤトが歌声を披露した。
ただしそれは、このならずもの無法世界と同じ。ユーベルコードだった。
「ん、いい歌じゃねぇか……」
「意外と癒され……ない! ギャー!」
一瞬、ヤトの美声に聞き惚れかけたならず者達は、突如、得体の知れない呪詛に襲われた。
苦しみ悶え、隕石上をのたうち回る。
「ど、どういう仕掛けだ、俺達みてえに世界を書き換えたってのか?」
「けど、ここでオレ達に反抗するような真似なんて出来るはず……ぎにゃー!」
「へへん、これは歌の効果だもん。悪者さんが勝手にダメージ受けてるだけで、反抗はしてないもんねー!」
ヤトの笑顔は、意地悪だった。
大成功
🔵🔵🔵
リグ・アシュリーズ
隕石に乗り込んで破壊って、なんだかワクワクしちゃう。
それじゃ、遠慮なく壊……え? 壊すのは星の人達?
私たちは前哨戦? ええー……?
うん、まあいいわ! これも立派なお役目だもの。
黒剣を抜き放って、ならず者さんたちを相手取るわ!
勢いよく振りかぶり、そのまま敵じゃなく隕石へ斜めスイングを撃ち込む!
狙いを外したって? まさか。
重力の薄いこの空間で砂礫の雨を飛ばせば、
さぞかし気持ちよーく飛んでくかなって!
剣のスイングで纏わりついてくる敵もろとも、
ならず者さんたちめがけて振り飛ばすわ!
こう、ずんばらりんのスパーン、ってやれば万事円満解決って、
ウォーマシンさんも言ってたもの! 多分ね!
無限に広がる大宇宙……の片隅で。
リグ・アシュリーズ(風舞う道行き・f10093)が目指したのは、大気に保護された隕石の上だった。
「隕石に乗り込んで破壊って、なんだかワクワクしちゃう。それじゃ、遠慮なく壊……え? 壊すのは星の人達? 私たちは前哨戦? ええー……?」
グリモア猟兵から依頼を聞いていたリグは、ちょっと思ってたのと違った事に気づきつつも、すぐに思い直した。
「うん、まあいいわ! これも立派なお役目だもの」
ポジティブの化身。
そう、リグ達の双肩には、ゼシュテル星の未来がかかっているのだ。
辿りついた戦場。ゼシュテル星への落下が現在進行形。
敵は目前。黒剣を抜き放って、隕石のガードマン……ならず者達を相手取るリグ。
「また猟兵かァ~?」
「オレ達が遊んでやるから覚悟しろやぁ!」
幾度も猟兵の襲撃を受けた事で、気が立っているとみえる。
粗暴さを剥き出しにして、リグに襲い掛かって来るならずもの達。
今度こそ絶対に略奪し、蹂躙するという、褒められたところのない決意がにじみ出している。
「どんなに宇宙が広くても、悪い事は悪いのよ!」
勢いよく黒剣を振りかぶったリグが、斜めスイングを撃ちこんだのは、敵ではなく……隕石だった。
「どこ狙ってやがる!」
「オレらにビビって当てられませ~ん、ってかあ?」
「狙いを外したって? まさか」
リグの笑みが深くなる。
攻撃を不発と断じて攻めかかったならずもの達を、あるものがもてなした。
砂礫の雨だ。
「重力の薄いこの空間なら、さぞかし気持ちよーく飛んでくかなって!」
「なっ……!」
剣のスイングが、ならずもの達を振り飛ばす。
テレポートで、リグの死角から纏わりついてきた敵もろともだ。
「なっ、テメ、この、ぎゃっ!」
「ゆるさ、ぶほっ、ねぇ、がっ」
砂礫のシャワーを存分に浴びて。
ならずもの達は、途切れ途切れに悲鳴をこぼす事しかできない。
その中には、リグへの抗議も混じっていたようだが、文章の体を為すものは、どれ一つとしてなかった。
目どころか口すら開けられず、御愁傷さまである。
「こう、ずんばらりんのスパーン、ってやれば万事円満解決って、ウォーマシンさんも言ってたもの! 多分ね!」
砂礫の雨が止むのと、ならずもの達の悲鳴が止むのは、同時。
リグは、勝ち誇ったように、笑顔をこぼしたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『侵略宇宙人・正体隠匿形態』
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POW : クレセントビーム
【背中の月弧から放たれる黄金色の光線】が命中した部位に【重力エネルギー】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。
SPD : 宇宙近接格闘術
【頭突き】【蹴たぐり】【ボディスラム】を組み合わせた、レベル回の連続攻撃を放つ。一撃は軽いが手数が多い。
WIZ : キャプチャー怪光線銃
【重力光線】【炎熱ビーム】【冷凍ビーム】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
イラスト:猫背
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ならずもの達は、星の海から、骸の海へと送還された。
そこへ、小型の宇宙船が着陸して来た。
ドアが開き、中から現れたのは、長身の宇宙人。
その容貌は、擬態型宇宙服に覆い隠されて、うかがい知れぬ。声も、内蔵の変声器で宇宙人っぽくなっている。
「邪魔をするとは許さんぞ猟兵。この水の星は、宇宙の害悪。あってはならぬ存在だと言うのに」
淡々と、しかし、確かな憎悪のにじむ口調で語る侵略宇宙人。
「海は、水は、我等の敵なのだ……」
しゃこっ。
侵略宇宙人の頭部を覆うカバーが、左右に開き、のぞいた素顔。
それは、紛うことなきあの動物……すなわち、猫科のものであった。
「我ら猫科宇宙人にとって、水は脅威。この宇宙からあまねく消してしまうしかないのニャ。この隕石落としは、その壮大な目的の序章にすぎんのニャ」
なんと恐ろしく、なんと身勝手な野望である事か。
「邪魔するつもりなら、この星ともども宇宙の塵に変えてやるニャ」
しゃこっ。
再び素顔を隠した侵略……猫型……宇宙人が、バトルモードに移行した。
「さあ、星の終わりを見届けよう」
南平岸・月斗
なぁアダム、アイツ過去に水絡みで何かトラウマでも負ったのかな。
「恐らくキミが考えているトラウマとは違うと思うのだが」
え? だって水とか青でトラウマって言ったらヤバいコンボくらいしか。
「そういうとこだぞ! TCGにおいて水だの青だのは碌なことをしないというほぼ全てのTCGで言える事実に関しては同意するが!!」
まぁいいや、折角だからデュエルだ!!
たまにはビートダウンだ! 僕のターン、《龍神アダム》召喚!
「任せろ…おい、何だその3枚の装備カードは!」
え? この3枚を使うとクリーチャーが攻撃後に破壊、即蘇生して再攻撃を無限に繰り返すんだよ?
「無限攻撃コンボはビートダウンとは言わない! 即死コンボだ!」
素顔と本性をのぞかせた後、再び冷徹な侵略マシーンへと戻った侵略宇宙人。
だが、南平岸・月斗(電波デッキの使い手・f29828)とアダムは、既に知っている。
その猫な本性を。
「なぁアダム、アイツ過去に水絡みで何かトラウマでも負ったのかな」
『恐らくキミが考えているトラウマとは違うと思うのだが』
「え? だって水とか青でトラウマって言ったらヤバいコンボくらいしか」
『そういうとこだぞ! TCGにおいて水だの青だのは碌なことをしないというほぼ全てのTCGで言える事実に関しては同意するが!!』
確かに。
「おい猟兵ども」
月斗が降り返ると、侵略宇宙人が手招きしていた。
こっちを見ろ、と。
「まぁいいや、折角だからデュエルだ!!」
「先ほどの戦闘でデータは取らせてもらったが、意味不明だな」
手元にホログラムのヴィジョンを浮かべる侵略宇宙人。
その映像には、月斗とならずもの達の戦いの一部始終が映し出されている。
「安心しろ、同じデッキは使わない!」
「そういう心配はしていない」
すちゃっ。
月斗の問答無用に合わせるように、侵略宇宙人が光線銃を構えた。
しかし、月斗は構わず第一ターン、ドロー。
「たまにはビートダウンだ! 僕のターン、《龍神アダム》召喚!」
月斗の頼りになるツッコミ役……もとい相棒が、バトルフィールド、銀河をバックに降臨する。
「ドラゴンだと。こざかしい。宇宙の塵になれ」
光線銃が、光を迸らせる。
それは、三色の怪光線。重力、炎熱、冷凍。
雷のように非直線型の軌道を描き、月斗とアダムに襲い掛かる。
「くっ、こっちの攻撃力が!? 三種の混色デッキか。ならアダム、こっちも3で対抗だ!」
『任せろ……おい、何だその3枚の装備カードは!』
月斗がかざしたカードの種別を瞬時に悟ったアダムが、危険を察知する。
「え? この3枚を使うとクリーチャーが攻撃後に破壊、即蘇生して再攻撃を無限に繰り返すんだよ?」
『無限攻撃コンボはビートダウンとは言わない! 即死コンボだ!』
アダムの抗議も空しく、月斗のアタック宣言は、既に行われていた。
アダムが、侵略宇宙人を攻撃後、カウンターの三色光線を浴びる……まもなく破壊。
……が、カードは墓地に行くことなく、アダムは再び攻撃を繰り返す羽目になる。
「何という……不死、いや、ゾンビのような……。貴様も大変なのだな」
『ご心配、痛み入る』
侵略宇宙人の、思わぬ気遣い。
アダムは礼を返しつつも、そのライフを削り取っていくのであった……。
大成功
🔵🔵🔵
水琴・ヤト
か、かわいい……
でもやろうとしてることは凶悪すぎるね
というか猫さんだってお水飲まないと死んじゃうよ……?
えーっと、とにかくやっつけよう!
接近されないよう、とりあえずUCの歌を歌うね
この歌を歌えば雨の音がするんだ
実際に雨を降らす力はないけど、水が嫌な猫さんなら動揺すると思うの
その隙にどんどん|魔力《呪詛》を注ぎ込んじゃえ!
近付かれたら天輪を投擲して足止めしよう
ワンちゃんならこういう玩具好きそうだけど猫ちゃんはどうかな?
い、いや遊ぶつもりじゃなくて
ちゃんと攻撃するけどー……!
じゃれついてくるならそっちでもいいよ!
殴られなければなんでもいいの!
本物の猫さんなら頭突きもキックも大歓迎だったんだけどなぁ
「ニャッ」
漏れ聞こえる悲鳴に、猫のそれが混じる。
隕石上の戦いを続ける侵略宇宙人の正体に、水琴・ヤト(溺れ人魚の噂・f38518)は、きゅんきゅんしていた。
「か、かわいい……でもやろうとしてることは凶悪すぎるね」
「ニャ……コホン。かわいさなどいらぬ。我らを脅かすものをこの宇宙から排除したいだけ」
一種のパワードスーツなのだろう、仮の姿でヤトに主張する猫……もとい、侵略宇宙人。
「でも猫さんだってお水飲まないと死んじゃうよ……?」
「た、確かに……だが、あんなにはいらん。溺れ死にさせる気か」
海の青さを誇示するゼシュテル星を指し、侵略宇宙人が威嚇した。
「ふしゃーっ」
「……えーっと、とにかくやっつけよう!」
ほとんど猫の本性が露わになった敵を見て、ヤトは一応戦う姿勢をみせた。
相手は、格闘術を使って攻めてくる。ねこ頭突き、ねこキックというわけだ。
擬態スーツを自分の体同然に扱い、ヤトに迫って来る。
接近戦に持ち込まれれば、敵の思うつぼだ。
ヤトは、すすっ、と後ろに下がりつつ、ユーベルコードをこめた歌を披露した。
「むう……これは!」
「この歌を歌えば雨の音がするんだ」
侵略宇宙人が、ぴた、と足を止めた。
ヤトの歌声に混じって、隕石上に、微かな……しかし確かな雨音が聞こえて来たからだ。
あくまで、音。実際に、隕石が雨粒に濡れる事は、ない。
だがそれでも、猫であるところの宇宙人を動揺させるには、十分だった。
「ひいっ、雨は嫌いだ。雨宿りしなければ……」
が、ここは何せ隕石表面。建物や遮蔽物があろうはずもない。
唯一、宇宙人が乗って来た小型宇宙船がある。それを目指して逃げ出そうとする宇宙人に、ヤトの呪詛が襲い掛かった。
「ぐ、ぐわあああ!?」
宇宙人の悲鳴が、これでもか、と注ぎ込まれる呪詛の恐ろしさを物語る。
「おのれ、こうなれば」
逃走を断念した侵略宇宙人が、進路を反転させた。ヤトに飛びかかる。
だが、ヤトがとっさに投擲したものに、宇宙人の視線が引き寄せられた。
天輪だ。
動くものには弱い。猫だから。
「おっ、おのれ! これで我の機嫌を取ろうというの、かっ」
抗議する侵略者。必死に天輪を追いかけたりつかみかかったりしながら。
「い、いや遊ぶつもりじゃなくて。ちゃんと攻撃するけどー……! じゃれついてくるならそっちでもいいよ!」
殴られなければなんでもいい。
「本物の猫さんなら頭突きもキックも大歓迎だったんだけどなぁ」
天輪で遊ぶ……遊ばれる?宇宙人を観察しながら、ヤトがぼやいた。
大成功
🔵🔵🔵
日下・彼方(サポート)
人間のUDCエージェント × 月のエアライダーの女です
戦闘での役割はレガリアスシューズを使っての空中戦、
影の狼を使役して斥候・偵察ができます
武器は通常大型ナイフを使用しますが
強敵には太刀・槍を持ち出す事もあります
普段は(私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)
機嫌が悪いと (私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)
性格は受けた仕事はキッチリこなす仕事人のような感じです
仕事から抜けると一転惚けた風になります
ユーベルコードは必要に応じて、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
落下を続ける隕石上での、侵略宇宙人との激戦は、続く。
隕石に施された防護フィールドの副次効果……大気の存在によって、日下・彼方(舞う灰の追跡者・f14654)は通常通りの戦闘行動を続けていた。
しかしながら、レガリアスシューズで地面を蹴れば、1G下とは異なる跳躍力が発揮される。
天上に広がる漆黒と星の瞬きが、ここが一応宇宙空間である事を教えてくれる。
徐々にこの環境に動きを合わせながら、敵に抗う彼方。
「水の星をことごとく滅ぼすつもりなのか」
「そうだ」
彼方の試製封刃『Tyr』を受け流しながら、答える侵略宇宙人。
擬態型宇宙服に隠された野望が、この短い返答にもこめられているように、彼方には読み取れた。
スーツに覆われた敵の正体は、猫型宇宙人。
天敵である水を嫌うあまり、この宇宙から水に満ちた星を破壊しようという。オブリビオンである事を差し引いても、危険人物だ。
「我が目的を阻むものは、全て駆逐する!」
侵略宇宙人の攻勢が、一段ギアを上げた。
擬態型宇宙服で強化された手足を自在に操り、低重力さえ味方につけた、連続攻撃。
腕はもちろん、足、頭までも武器に使って、彼方を追いつめんとする。一撃一撃は軽くとも、積み重なれば、その威力は重撃に及ぶ。
だが、彼方の方が、一枚上手であった。
相手の攻撃のタイミングを何度かのやりとりで見切ると、てんっ、と軽く地を、虚空を蹴った。
「なぜだ、なぜ攻撃が当たらない」
猛攻をことごとくかわされ、焦りをにじませる侵略宇宙人。
始めこそ、圧倒しているように見えたが、徐々に彼方への命中率が減退。反対に、攻撃を受ける回数の方が上回っていく。
ユーベルコードを駆使した空中戦、身軽さを極めた彼方が仕掛ける鬼ごっこに、侵略宇宙人は追いつく事ができない。
「ニャ、ちょこまかと、逃げおって」
彼方を捉えようと、必死に追随する侵略宇宙人。その動きは、宇宙服をまとったうえでもしなやかで、中身である猫の運動性を感じさせる。
動き回るものを追いかけずにいられないのは、猫としての性であろうか。
しかし、鬼ごっこを仕掛ける彼方には、微塵も楽し気な雰囲気は感じられない。あくまで相手を翻弄するのが目的。
表情筋を、微動だにさせず。
彼方は相手をあしらうと、ナイフを見舞う。
連斬が、擬態型宇宙服の特殊繊維を、ずたずたに切り裂いていく……!
成功
🔵🔵🔴
リグ・アシュリーズ
一瞬見えた正体にほっこりしつつ、油断なく剣を構えるわ!
苦手はわかるけど、それで星を壊すなんてナンセンス。
そういう時はね、のっと・ふぉー・みーって唱えて
もっと自分に合う星に行けばいいのよ!
隕石に纏わる大気が薄くたって気流の刃は編み出せるわ!
剣を振るって地面を削り、巻き込んだ砂粒ごと衝撃波をお見舞いよ!
飛んでくる重力ビームはあえて利用。
高重力で足止めするなら踏ん張りを活かして気流の刃で強烈ストライク、
浮かすつもりなら勢いを活かして、速度を増した刃を叩き込んであげる!
ところで、ねえ。気付いたんだけど。
水の星爆破したら、大嫌いな水が宇宙空間に飛び散るわよね。
そこんところ、どうお考えなのかしら??
侵略宇宙人と、宇宙の決戦を繰り広げるリグ・アシュリーズ(風舞う道行き・f10093)。
だがその内心は、若干ほっこりしていた。
一瞬垣間見えた正体が理由だ。しかし、構えた剣に油断はない。
「苦手はわかるけど、それで星を壊すなんてナンセンス。そういう時はね、のっと・ふぉー・みーって唱えてもっと自分に合う星に行けばいいのよ!」
「そういうわけにはいかない。水がなくて居住可能な星など、そうは見つからないのだ」
それはそうでしょうね、とリグは思った。
どんなに苦手でも、猫にも水分は必要なのだ。全ては生存のため……。
相手の妄執を断ち切るべく、リグは剣を振るった。しかしそれは、やはり単なる斬撃ではない。気流を生み出す技だ。
「隕石に纏わる大気が薄くたって!」
リグの繰り出した剣が、隕石の表面、地面を削る。
そうして巻き込んだ砂粒ごと、衝撃波を相手に見舞った。
生み出された巨大な気流の刃、その数はおびただしかった。とてもではないが、全てを見切り、回避しきることは至難。
「く……高重力に呑まれよ!」
擬態型宇宙服を打ち据えられ、切り刻まれながらも、侵略宇宙人の背負った月弧が、輝く。
放たれるのは、黄金色の光線。重力エネルギーを存分に含有したビームだ。
リグは、正面から飛んできたそれを、あえて受けた。舞い散る飛沫。
宇宙的黄金光に包まれたリグに、侵略宇宙人の支配が及ぶ。
「その場から動けぬようにしてくれる!」
リグの全身を、上方向からの高重力が襲った。確かに、足も踏み出せぬ。
だがリグは、それを踏ん張りの力として活かした。死中に活を求める、とはこのことか。
周りには味方の姿はない。存分に刃を振るうには、うってつけの環境だ。
圧に抗し、二度目の斬撃を繰り出す。しかも、受けた重力を利用し、速度を増した刃だ。
それはそのまま威力へと転化される。
侵略宇宙人の全身を激しい嵐刃が襲い、宙に舞い上げた。
「ニャハ……ッ!」
地面に叩きつけられた侵略宇宙人の宇宙服が、砕け散る。
「ところで、ねえ。気付いたんだけど」
擬態型宇宙服を全損し、再び正体を晒すことになった猫型宇宙人に、リグが問う。
「水の星爆破したら、大嫌いな水が宇宙空間に飛び散るわよね。そこんところ、どうお考えなのかしら??」
「あっ」
そこまで考えてなかった。
そんな顔で、猫型宇宙人は、銀河の海ではなく……骸の海へと還っていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『宇宙ビックリ・フィッシング!』
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POW : ドでかいヌシを力任せに一本釣り!
SPD : 網や仕掛けを工夫して、逃げられないよう確実に捕えよう。
WIZ : 釣りの極意は精神集中。心を鎮めて獲物がかかるのをじっと待つのじゃ。
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
猟兵達による、侵略宇宙人の撃破。
遙か天上の出来事は、ゼシュテル星からも確認されていた。ただし、別の現象として。
宇宙局に、新たな報せが駆け巡る。吉報だ。
「隕石を覆う防護フィールドの消失を確認!」
「!? いったいなぜ……いや、この機を逃す手はない。|隕石破壊砲《コズミック・デストロイヤー》、てーっ!」
かくして、オブリビオンによる隕石落下作戦は、文字通り宇宙の藻屑となったのだ。
ゼシュテル星を訪れた猟兵達によって、今回の事件の全貌がもたらされると、ゼシュテル星人達は沸き立った。
「なるほど、あなた方が恩人だったというわけですね」
「もうあのまま隕石が落下していれば、被害は想像を絶するものだったでしょう。感謝してもしきれません」
握手という文化はこの星にもあるらしい。そっ、とヒトデハンドが差し出される。
「さしたるおもてなしも出来ませんが、この星の観光資源は水。フィッシングを楽しんでいっていただければ幸いです」
そうして案内された先は……もちろん、海。
UDCアース基準でいう海と、風景自体は変わらない。だが。
「シャーッ」
海面から姿を現すサメ……っぽい魚。頭は2つある。
「エビーッ」
エビや貝……っぽい魚介類。頭は2つある。1つのもいる。
ともあれ、そのどれもが、異常にでかい。もはや怪獣……海獣だ。
しかし、案内役のゼシュテル星人は平然としている。普通らしい。
「釣り上げた獲物は、食していただいても、リリースしていただいても構いません。釣り具は用意してありますので、お申し付けください」
まずはお手本。
スペース釣り竿を使って、ヒトデ流フィッシングを披露する案内人。
「お、かかりました」
が、その体は巨大エビに引っ張られ、水中スキー状態。これはこれでアクティビティ。
「どうです? 宇宙でも戦えるような方ならたやすいはずです。アハハっ」
たやすい。
そういうなら、やってみるのも悪くはない。
リグ・アシュリーズ
えっ。自由に釣っていいの?
スペース釣り竿って何かしらと思いつつ、喜び勇んで釣りに出るわ!
狙うはゆったりと泳ぐ大きな魚。
身の締まったのもいいけど、せっかくの秋。
脂の乗ったおいしい魚を狙っちゃいたい……!
流れに糸を垂らして小刻みに揺らし、
手応えがあったら引っかけるようにフック!
って、わわ。なかなかやるわね!
ちょっとこのサーフィンボード借りるわ! と、勝手に拝借。
……あ、あれ、なんか水上スキーみたく……?
ううん、これくらいで自由になれるって思わない事ね!
全身のバネを活かし、低く構えた姿勢から上空へ。
派手に釣り上げ、そのまま甲板にご招待よ!
……ところで、これ。捌くの骨折れそうね……手伝ってくれる?
星の海から一転、水の海。
ゼシュテル星を訪れたリグ・アシュリーズ(風舞う道行き・f10093)の目の前に広がるのは、煌めく大海原。
「えっ。自由に釣っていいの?」
スペース釣り竿って何かしら? なんて疑問は、この大海の前ではちっぽけなもの。
喜び勇んで、釣りにGO。案内人さんの船で、いざ出港。
「むむ……」
じっ、と、海とにらめっこ。
この星特有の青……ゼシュテルブルーを背に、極彩色の巨・トビウオが跳び、それをピンクの巨・タコが絡めとる。
そんな中、リグが狙うは、ゆったりと泳ぐ大きな魚。
「身の締まったのもいいけど、せっかくの秋。脂の乗ったおいしい魚を狙っちゃいたい……!」
ゆらり。魚影発見。
泳ぎ方、そのサイズ。リグの眼鏡にかなった獲物の到来だ。
「これはでかいですね。私もあまり見たことが無い」
ほう、と声を上げる案内人。
これは頑張らないと。
リグは、流れに糸を垂らすと、小刻みに揺らした。誘い掛けるように。
「来た!」
手応えあり。今だ逃すな、引っかけるようにフック!
「……って、わわ。なかなかやるわね!」
母なる海から離れがたいのか、
巨大魚はリグに抵抗し、むしろリグの方を海に連れ込もうという勢いだ。
このままでは、本当に海へ引きずり込まれてしまう。何か方法は……視線を周囲に走らせたリグは、よいものを発見した。
「ちょっとこのサーフィンボード借りるわ!」
「ちゃんと返せよー」
何故か漁船に相乗りしていたサーファーさんからボードを拝借すると、リグは獲物との海上戦に移った。
しゃばーっ。
「……あ、あれ、なんか水上スキーみたく……?」
なびく灰色の髪。風を切る感覚が心地よい。
見れば、船上のサーファーさんが、ぐっ、と片手を立てている。
リグはそちらに手を振り返すと、きりっ、と獲物を睨みつけた。今なお抵抗を続ける巨大魚を。
「これくらいで自由になれるって思わない事ね!」
ぐっ。リグの渾身。
全身のバネを活かし、低く構えた姿勢から、上空へ。フライハイ!
じゃばーん!
無数の水滴が、太陽光を浴びて、宝石のように散る。
空に舞ったのは、巨大な鮭似の魚!
ど派手に釣り上げられた獲物は、リグの案内で、そのまま甲板にご招待。
釣り上げられてなお活きの良さもとどまらず、ぴちぴち、というよりじたばた、という感じで。
何よりシンプルに、でかい。
「……ところで、これ。捌くの骨折れそうね……手伝ってくれる?」
「もちろん! パーティですね!」
リグの特大な釣果に、星の人達も大喜びだった。
大成功
🔵🔵🔵
水琴・ヤト
ヒトデハンドにはしっかり握手させてもらう
えへへ、もちもち……
こちらこそ歓迎ありがとう
ゼシュテル星、守れて良かったよ
それじゃあフィッシングにいこう!
目の前の光景が到底「おさかなつり」って感じじゃないけど!
でも宇宙広いもんね
こういう釣りもあるよね
おっきなお魚さんを食べるのはちょっとなぁ
私は釣りそのものを楽しむ感じでいこう
釣りってやるの初めて!
それじゃあ釣り竿を使って……
釣りはこうやってのんびり待つのも楽しいって聞いたことあるよ
どこまでも広がる青い海、守り抜いた平和な景色
とっても良いものだね!
……と思うのも束の間
いざ魚がかかれば海へレッツゴー!
わーい!いっぱい海を滑るよ!
……これちゃんと帰れるかな?
ゼシュテル星の救い主の1人となった水琴・ヤト(溺れ人魚の噂・f38518)は、ゼシュテル星人暫定代表の案内人ヒトデさんと握手を交わした。
宇宙友好。
「えへへ、もちもち……」
「ようこそゼシュテル星へ。救世主のお顔を拝見できて光栄です」
「こちらこそ歓迎ありがとう。この星、守れて良かったよ」
体こそ巨大ヒトデだが、そこに刻まれた顔からは知性を感じさせる。隕石破壊技術すら有するのだから当然か。
「それじゃあフィッシングにいこう!」
『ギャウウウウ!』
『ピギャアアア!』
勇んで出陣せんとするヤトの目前では、タツノオトシゴっぽい巨大生物と、クラゲめいた巨大生物が、取っ組み合いのケンカ中。
到底『おさかなつり』って感じじゃない光景。
「……これを釣っていいの?」
「遠慮なく!」
ヤトが海獣大決闘を指さすと、案内人は応えた。それはもう喜色満面で。
「えーと……宇宙広いもんね。こういう釣りもあるよね」
そういうことにした。
釣果は、美味しくいただいても構わないという。だが、ヤトはちょっぴり遠慮。
「おっきなお魚さんを食べるのはちょっとなぁ」
と、いうわけで、ヤトは釣りそのものを楽しむ事にした。
さっそく案内人さんから釣り具一式をレンタルして、いざ、チャレンジ。
「釣りってやるの初めて! それじゃあ釣り竿を使って……」
ちゃぽん。
じーっ……。
背後の大海戦とは裏腹に、ヤトの周りは静か。
いざこざもどこ吹く風。水面は薙ぐことなく、穏やかさを保っている。遠近法で、結構遠くで繰り広げられているらしい。バトル。
焦らない、焦らない。
「釣りはこうやってのんびり待つのも楽しいって聞いたことあるよ」
「そうですね、糸を垂らして思索に耽るのもまた一興。よい発明のアイディアが生まれるのもこういうタイミングなのです」
どうやら、案内人は技術者の一員らしい。
どこまでも広がる青い海。それは、ヤト達が守り抜いた平和な景色そのものだ。
「うん、とっても良いものだね!」
ぐんっ。
ヤトがフィッシングを満喫していると、突然竿が反応を示した。ヒットだ!
「かかりましたね! これは大きそうですぞ!」
案内人さんも思わず興奮。
ヤトは獲物のパワーに逆らわず、むしろ海へレッツゴー!
「わーい! いっぱい海を滑るよ!」
しゅばーっ!
天然の水上スキー。ヤトをけん引するのは、まるで最先端新幹線のように、しゅっとした体のサメ。
速い。もはやこれ自体、一種のアクティビティだ。
「すごいね! ……ってこれちゃんと帰れるかな?」
ふとヤトが海岸を振り返ると、米粒サイズの案内人が手を振っているのが見えた。
宇宙は神秘に満ちている。
今回猟兵達が触れたのも、その一端に過ぎぬ。
さあ、次に猟兵を待っているのは、いかなる現象であろうか。
大成功
🔵🔵🔵