ライスメキア|MMM《3000》世とメテオストライク
●メテオ・ディザスター
スペースシップワールドは一つの世界であった。
だが自分たちの観測できる範囲だけが世界であったなどと誰が決めたであろうか。光届かぬからこそ生命は暗闇に満ちた先へと進んでいく。
未知に満ちた世界であれど、その未知を照らすのが知識の光であるというのならば、生命は知らねばならない。
そう、無限に広がる大宇宙。ここはスペースオペラワールド。
比喩ではない。
無限に思えたスペースシップワールドですら、宇宙という世界の片隅でしかなかったのだ。
だが、それは無知であったことの証明ではない。
恒星間の距離は無限にも等しいけれど、かつて『善竜スターゲイザー』が設置したという宇宙船ごと転移することが出来る巨大建造物『ワープゲート』が距離の問題を解決してくれる。
見上げる瞳が見つめるは遥かなる星の海。伸ばす手は届かず。けれど、彼女は――『ライスメキア|MMM《3000》世』は願わずにはいられなかった。
彼女は『ワープゲート』にほど近い『惑星バブ』を統治する女帝である。
「ですが、それ故に『ワープゲート』の周辺だけしか私達は未だ知り得ない」
未だ『ワープゲート』より離れた場所は惑星一つ統治してもなお伺い知れぬ深淵をのぞかせている。
だが、スペースオペラワールドの時の流れは待ってくれない。
如何に科学レベルが一巡した『超技術の中世文明』が当然のようにまかり通っていたとしても、流石に『これ』はない、と彼女は思っていた。
いや、『惑星バブ』の住人たちは皆思っていた。
「いくらなんでも、こんな滅びは理不尽すぎはいたしませんか!?」
さっきまでの荘厳なオーラなど何処かに吹き飛んだように『ライスメキアMMM世』は目を見開き、天を見やる。
そこにあったのは巨大隕石。
ただ、それだけであったのならばよかった。問題なのは、その巨大隕石の表面にいっぱいひしめくように存在している物体……いや、猫。否、オブリビオン『スペースキャット』たちであった。
大小様々な『スペースキャット』たちが隕石の表面で集会しているのである。
「……――できない……! 猫ちゃんたちをぶっ飛ばすなんて、そんな……!!」
『ライスメキアMMM世』は肩を震わせる。
そんな彼女を見やる臣民もとい住人たちも同意見だった。このままだと確実のあの巨大隕石は『惑星バブ』に激突してしまう。
そうなってしまえば、己たちの惑星は多分、滅びてしまう。
だがしかし!
そう、猫なのである。
猫ちゃんはかわいい。かわいいのである。どれだけ自分たちの惑星を滅ぼす巨大隕石の表面にいて、とても邪魔なのだとしても。それでもやっぱり彼らもろとも隕石をぶっ飛ばすことなんてできないのである……!
「皇女殿下! 俺達も同じ気持ちです! ですが、猫ちゃんに滅ぼされるのもなんか悪くないかなって思ってしまっているのです!」
「いけません! 確かに猫ちゃんは可愛いですが……ですが……ですが!」
生命を諦めることはあってはならない。
けど、どうしようもないのである。
ああ、誰か! 誰か猫ちゃんを退けてほしい!
そんな切なる願いが無限に広がる大宇宙に木霊する――。
●スペースオペラワールド
グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)だった。
「お集まり頂きありがとうございます。今回はスペースシップワールドの外側に広がるスペースオペラワールドでの事件の予知となります」
ナイアルテはちょっと目がチカチカしているようで、瞼を何度もパチパチさせていた。
如何なる光景が見えたのかはわからないが、新たに見つかったスペースシップワールドの領域は未知そのものであったはずだ。
「はい、スペースオペラワールドは広大な領域を持つスペースシップワールドの一部……いえ、逆ですね。スペースシップワールドがスペースオペラワールドの一部、辺境であったという事実は私には少しスケールが多きすぎました」
なんだスケールの大きさに目がくらんでいたということか。
「スペースシップワールド出身の方には待望の、それこそ望み続けた居住可能惑星の一つである『惑星バブ』。そこはすでに一人の皇女によって統治された惑星でありますが、そこに巨大隕石が落下しようとしているのです」
星すら砕くことのできる技術を持つスペースオペラワールドの住人たちならば、隕石くらいは自力でどうにかできるのではないかと猟兵たちは訝しむだろう。
だが、何故か彼らの攻撃は通用しない。
それどころか、彼らはどうしても隕石を攻撃できないようなのである。
「『スペースキャット』……大小様々なサイズの宇宙猫たちが、この落下する隕石の表面で集会を開いているため、どうしても『惑星バブ』の皆さんは隕石を攻撃できないのです」
明らかにおかしい。
おかしいっていうか、奇天烈である。猛烈に不自然である。
「そうなのです。『スペースキャット』はオブリビオンにゃのです」
ナイアルテは、招き手にして言う。
……。
「……これはオブリビオンの仕業であるのです。オブリビオンの力で守られている隕石は通常の手段では破壊が不可能。直接皆さんが隕石に乗り込み、『スペースキャット』ならびに、この隕石を守っているオブリビオンを打倒しなければなりません。ええ、わかっております。常人なら軽く不可能な任務です。ですが、皆さんならば実現できるはずです。転移は即、隕石の表面となります。『スペースキャット』は大小無数に存在しています。そして彼らを倒せば、隕石を『惑星バブ』に落下させようとしていたオブリビオンが出現するはずですこれを倒せば隕石を守っていた防護フィールドも喪われ破壊が可能となるはずです急ぎこれをなさねば『惑星バブ』は滅びてしまうでしょうどうかお願いいたしますでは早速転移しますねそうしますねよろしくです」
めちゃくちゃ早口で言った。
もう後半、句読点も何もあったもんじゃなかったが、勢いに任せてナイアルテは猟兵たちを転移させる。
そんな彼女の耳は、真っ赤であった――。
海鶴
マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
今回は新たに見つかったスペースシップワールドの新領域、スペースオペラワールドでのシナリオとなります。
ある皇女が統治している居住可能惑星『惑星バブ』にオブリビオンによって不自然に守られた隕石が落下しようとしています。
通常の方法では隕石を壊すことができない防護フィールドに覆われており、速やかにこれを守るオブリビオンを撃破しなければなりません。
●第一章
集団戦です。
『惑星バブ』に向けて飛来する隕石を守るオブリビオン軍団『スペースキャット』たちの集会です。
転移した直後は隕石の直上です。
もちろん、さっさと倒さなければ隕石は惑星に落下してしまいます。
●第二章
ボス戦です。
『惑星バブ』に隕石を落下させようとしていたボスオブリビオンこと『スペース・ジェノサイダー』との戦いになります。
これを打倒すれば、防護フィールドは喪われ隕石は破壊されるでしょう。
●第三章
日常です。
無事に隕石を破壊して守った『惑星バブ』に降り立ち、住人たちに任務完了を報告しましょう。
その後で惑星見聞ならぬ惑星観光することもできます。
『惑星バブ』はその名の通り、竹林が多く存在する惑星です。
スペースオペラワールドの例にもれず、科学レベルが一巡した『超技術の中世文明』を持っており、竹林と洋風のお城や雰囲気がミスマッチしたなんとも不思議な惑星となっています。
この惑星は皇女『ライスメキアMMM世』によって統治されていますが、身分制度などはなく、ゆるく仲良く住人たちが生活を送っています。
それでは、無限に広がる大宇宙を舞台に皆さんの活躍を彩る物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
第1章 集団戦
『スペースキャット』
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POW : ニャッ!
単純で重い【ネコパンチ】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : ニャーー!!
【目からビーム】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : フシャーー!!!
【激しい威嚇】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
イラスト:key-chang
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「にゃー!」
「にゃーす! にゃす!」
「にゃっす! にゃーん!!」
何を言っているのかさっぱりわからないが、『スペースキャット』たちは落下する隕石の表面で集会を開いていた。
大小様々な宇宙猫たち。
彼らは人類に対して敵意を持って襲うスペースモンスターである。だがしかし、彼らの姿は猫そのもの。
その愛くるしい姿は、どんなに敵意を持って襲いかかるのだとしても、その姿故に攻撃を躊躇ってしまう。それは『惑星バブ』の住人たちも同様であった。あの隕石が落ちたら自分たちは滅びてしまうのだとしても、やっぱりどうしても攻撃できないのだ。
「にゃにゃにゃん。にゃんやんにゃんにゃんなー!」
ぐぐぐー! と伸びをする『スペースキャット』。
くっそかわいい。
だがしかし。倒さなければ、『惑星バブ』は滅びてしまう。
非常に心苦しいが、猟兵たちは隕石の直上に転移し、これを迅速に打ち倒さなければならない――!
鏡宮・ノエル
猫さんって可愛いよね、わかる。
…ヴァーイから抗議の目が。ヴァーイは可愛いというより、カッコいい区分なんだけどな。
あ、それで満足…してるや…。
さてと、そのヴァーイに乗って行こう。宇宙空間でも自由に動けるのは不思議だけど。
しかも隕石の上。
…考えるのは後だ。即UC使って、猫さんたちを吹き飛ばさなきゃ!
そう、即。でないと、手元鈍りそうなんだよね!!
ヴァーイはさすがの大狼。威嚇して、近づけないようにしてるし。
何なら、クローカも積極的に目潰ししてる…そうか、連携して過去と未来潰して、ビームを抑えてるんだね。
なら、僕も頑張らなきゃなぁ。
…でも、猫さんを攻撃するのは忍びないんだよなぁ…。
宇宙だろうがなんだろうが猫はかわいいのである。
猫はわかっている。
自分の可愛さを。理解しているのだ。人には自身たちの可愛さが効くのだと。だからこそ『スペースキャット』たちは隕石の表面に在りて、ただ守るでも攻撃するでもなく、マイペースに伸びをしたり毛づくろいをしたりしているのである。
ただそれだけで『惑星バブ』の住人たちは惑星を攻撃できなくなってしまっていた。
それ以前にこの隕石を守っているフィールドが在る限り、攻撃は無意味なのだが。
「猫さんって可愛いよね、わかる」
とってもよくわかる、と鏡宮・ノエル(よく圖書館にいる學徒兵・f38658)と少女と見紛うほどの幼き顔で頷く。
微笑んでいるのは、隕石の表面で戦いなどつゆ知らずにマイペースな振る舞いをしている『スペースキャット』たちの姿を見てしまったからだ。
ノエルの影から大狼である『ヴァーイ』が不服そうな鳴き声を上げたのに気がついて、ノエルは苦笑いするしかなかった。
可愛い、というよりはかっこいいの区分であると。
その一言で『ヴァーイ』影から飛び出し、主と認めるノエルを背に乗せて宇宙を駆ける。
如何なる理屈か『ヴァーイ』はなにもない真空の宇宙を駆け抜ける。
どうしてだろう、不思議だねとノエルは微笑んでいる。
けれど、今はそれが頼もしい。
ぽんぽん、と『ヴァーイ』の背中を撫でる。隕石に取り付こう、と提案しているようでもあったし、あるじの意を汲んだ『ヴァーイ』は一つ咆哮すると隕石へと降り立ち、一気に走る。
「なーす!!」
「にゃす! なー!」
「ニャ――!!!」
『スペースキャット』たちは自分たちのゆるふわマイペース空間への闖入者に対して、その瞳をユーベルコードに輝かせ、その輝きを光条として解き放つ。
ものすごい熱線が、冗談みたいに『スペースキャット』の目から放たれる。
隕石の表面に張り巡らされたフィールドに反射して、熱線の熱量がノエルたちを襲う。
「オオオオォォォ――ン!!!!」
その咆哮は『ヴァーイ』から放たれたものであった。
次の瞬間、『スペースキャット』たちは、その咆哮にビビってビームを止めてしまう。さらにそこへ『クローカ』と呼ばれる鴉が飛びかかり、積極的に『スペースキャット』たちに襲いかかっているのだ。
ノエルが、その可愛らしさ故に手元が鈍ってしまうのを理解しているようであった。
「なら、僕も頑張らなきゃなぁ」
ああ、でもでも。
ノエルはちょっと苦悩した。
だって、あの猫さんたちに罪はない。いやある。罪ある。オブリビオンだからあるのである。
けど、あんな、こう、にゃーんってながーく伸びている姿を見てしまっては、もう手元がおぼつかない。
手にした神剣クラウソラスを振るう手が止まってしまうのだ。
しかし、『ヴァーイ』と『クローカ』が頑張ってくれているというのに、自分ががんばらないのは違う気がする。
「……でも、猫さんを攻撃するのは忍びないんだよなぁ……」
だが、やらねばならんのである。
どんなに『スペースキャット』がかわいかろうが、あ、いまあくびしたかんわいー! ってなったのだとしても!
この隕石が『惑星バブ』に墜ちてしまえば、住人たちは皆死んでしまうのだ。
「そんなことさせやしないって思ったから僕は此処にいる……なら!」
手にした神剣『クラウソラス』の刀身から煌めくはユーベルコードの輝き。
神殺しの光線を解き放つ一撃は、さらに倍以上に輝きを放ち巨大な『スペースキャット』へと振り下ろされる。
隕石の表面から吹き飛ばす一撃は、宇宙の暗闇を切り裂くようにして『スペースキャット』たちをふっとばしていく。
「ごめんね! でもオブリビオンだから仕方ないよ。次会う時はオブリビオンじゃない猫さんがいると嬉しいな!」
ノエルは神剣を振るい、さらに隕石の上に屯する凶悪な『スペースキャット』たちをぶっ飛ばし続け、こんな強敵を呼びこんだオブリビオンを打倒せんと鈍りそうな手元を必死に抑えるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
貴方・あなた
フック付ワイヤーの先を念動力で保持してぶら下がり、振り子移動!
必殺、密林の王者キーック!!
「アーアアーッ!!」
「わたし、参上!」
ふへへ、グリモア猟兵のお姉さん可愛かったにゃ〜…♪(思い出しにやけ)
可愛さならわたしも自信あるもん!猫さんにだって負けないにゃん!
「きゃ!やめて、イジメないでにゃ……!」
傾世の美貌を以て、瞳をうるませてお願い
メロメロに魅了したらフック付ワイヤーを投げて美貌で操る
「好きあり!いっけー!猫さんを縛っちゃえにゃー!」
周りの宇宙へ声を掛けて隕石の雨
「隕石さん達、お願い!猫さんへ突撃にゃー!」
ふへへ…♪よーっし!お仕事頑張って、お姉さんになでなで褒めてもらおー!
地獄の炎ー!!
隕石の直上に猟兵たちは転移する。
猟兵が見たのは隕石の表面に屯するオブリビオン『スペースキャット』たちであった。彼らは大小様々なサイズであるが、総じて猫と同じような習性を持っている。
集会とは言え、特に何かするでもない。
寝転がったり、毛づくろいをしたり、はたまたにゃーにゃー鳴いていたり。
とてもじゃあないが、オブリビオンとして何かしているようには思えなかった。
けれど、彼らがこうして隕石の上にたむろっている以上、『惑星バブ』の住人たちは隕石を破壊できない。
いや、例え『スペースキャット』たちが隕石の表面にいなかったとしても、彼らは隕石を破壊することはできなかった。
オブリビオンの張り巡らせた防護フィールドがあらゆる攻撃を防ぐのだ。
だからこそ、猟兵たちの出番なのである。
「アーアアーッ!!」
突如として響く声。
まるで密林の奥で暮らすターザンの如き雄叫びにも似た声が響き渡る。
それはフック付きワイヤーを念動力でもって宇宙に固定して振り子のように飛び込んできた貴方・あなた(転生したら猟兵(神)でした。・f38681)であった。
必殺、密林の王者キックとは彼女の言である。
しかしながら『スペースキャット』たちは、それを見上げて躱す。
隕石の上に降り立つあなたは、攻撃を躱されたというのになんだかごきげんであった。
猫ちゃんも可愛い。
無限に広がる大宇宙。
世界は知るべきことで満ち溢れている。
「確かに猫さんは可愛いけれど、可愛さならわたしも自信あるもん! 猫さんにだって負けないにゃん!」
招き手でもってポーズを取るあなた。
彼女の可愛さは天井しらずであった。
「にゃっす! にゃんにゃんにゃー!」
「なーご! ごろごろにゃー!」
「にゃにゃんにゃー!!」
しかし、『スペースキャット』はオブリビオンである。どんだけあなたがかわいかろうが、相対している時点であなたを猟兵――つまり倒すべき敵、滅ぼし滅ぼされる間柄でしかないことを理解しているのだ。
だからこそ、彼らの瞳はユーベルコードに輝く。
ビームである。
宇宙の猫は目からビームを出すのである。
もはや猫とは言えないなにか別のなにかに成っているような気がしないでもないが、見た目だけは確かに可愛らしい猫さんなのである。
「にゃーす!」
びー! って放たれるビーム。
「きゃっ! やめて、イジメないでにゃ……!」
身にまとう傾世の美貌でもってあなたは『スペースキャット』たちを懐柔しようとする。
にゃっす、と『スペースキャット』たちは少し躊躇うが、それでもビームは止まらない。止められない。一回ビーってやったら外れても止められないのである。
打ち込まれるビームの光条が隕石の表面を削りながらあなたに迫る。
潤む瞳に輝くビーム。
けれど、貴方はフック付きワイヤーでもって一匹の『スペースキャット』に体を縛り付け、ぐるんとビームを躱す。
「隙あり! いっけー!」
ぐるぐるぐるっとワイヤーで『スペースキャット』の一匹を縛り上げる。
さらに彼女の瞳が輝く。
それはユーベルコードの輝き。
いっぱいお仕事をがんばれば褒めてもらえる。
それは猟兵としての戦いにあって、あなたのモチベーションの一つであったことだろう。
掲げた掌から荒ぶる炎の渦が放たれる。
それは地獄の炎。
燃え盛る炎が『スペースキャット』たちを飲み込み、竜巻の如き渦の中に沈めていく。
「ふへへ……♪ これが地獄の炎ー!! さあ、どんどん倒して言っちゃうにゃー!」
あなたは笑顔のまま地獄の炎を手繰り、消えぬ炎のままに『スペースキャット』たちを飲み込んでいく。
隕石の上に屯する『スペースキャット』たちはまだまだいる。
滅ぼし、滅ぼされる間柄でしかない猟兵とオブリビオン。
その激戦の火蓋はまだ斬って落とされただけに過ぎない。
けれど、安心していいのだと、決して負けることなんてないとあなたは消えぬ炎を手繰り、言うのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
スーパーヒーロー・ゴッドハンドマスク
少女形態
ヒーローコスチュームを身に纏い登場
YEAHHHH!!
皆!もう大丈夫だ!ヒーローは……ここにいるッ!!
HAHAHA!イケナイ子猫ちゃんには、少しばかりお仕置きが必要なようだね?
ヒーローズマントで宇宙を飛び回り、存在感を出し挑発するぞ!
さあ、子猫ちゃん達!どこからでも掛かってきたまえ!可愛がってあげよう!
猫パンチを避けて腕を掴み、引っ張って体勢を崩すぞ!
そしてすかさずヒーローズマントで増幅した覇気と念動力を拳に込め、UCとして一撃必殺の拳を叩きつける!!
SMAAAAAAASH!!
HAHAHA!これが大地を砕き、大河を分断するゴッドハンドにしてスーパーヒーロー、ゴッドハンドマスクの力だ!!
無限に広がる大宇宙にスーパーヒーロー・ゴッドハンドマスク(スーパーゴッドハンドヒーローマスク・f38708)の声が響き渡る。
「YEAHHHH!! 皆! もう大丈夫だ! ヒーローは……ここにいるッ!!」
彼女の言葉は『惑星バブ』に響き渡る。
念動力を介して伝わる声はテレパシーのようでもあったし、その声に住人たちは安心感を覚えたかも知れない。
けれど、まだ脅威は去っていない。
オブリビオン『スペースキャット』たちが屯する巨大な隕石は、未だ『惑星バブ』に墜落するという事態を解決に導かれていない。
やはり、この隕石を砕かぬ限り『惑星バブ』の住人たちに安心は届けられない。
ゴッドハンドマスクは、身にまとったヒーローコスチュームに翻るヒーローズマントを持って『スペースキャット』たちの興味を引く。
ひらひらとはためくヒーローズマントは彼らにとって猫じゃらしのようにも思えたことだろう。
「にゃんにゃん!」
「にゃす、なーん!!」
一気に飛びかかってくる『スペースキャット』たち。
その姿だけ見れば大小様々なサイズの猫たちが自分に戯れようとしているようにも思えたことだろう。
だが、相手はオブリビオンである。
猟兵であると認識出来るがゆえに、そこにあるのは可愛らしくも凶悪な害意のみ。
振るう猫パンチの一撃をゴッドハンドマスクは宇宙を飛び回るようにして駆け抜け、躱す。
「にゃっす!」
凄まじい一撃が隕石の防護フィールドにぶち当たって衝撃波を放つ。
受けてしまえば、単純であるが重たい一撃に寄ってゴッドハンドマスクも危ういだろう。
だが、ゴッドハンドマスクは毅然と言い放つのだ。
「さあ、子猫ちゃんたち! どこからでも掛かってきたまえ! かわいがってあげよう!」
挑発するゴッドハンドマスクに『スペースキャット』たちが、しゃらくせぇ! とばかりに飛びかかってくる。
多勢に無勢である。
振るわれる拳の一撃は、猫パンチと言えど一撃でゴッドハンドマスクを打ち倒すだろう。
だからこそ、受けてはならない。
念動力によって制御されたヒーローズマントが翻り、彼らの視界を覆い隠す。
狙いが甘くなれば隙も生まれるというものである。
「甘いぞ!」
振るわれる猫パンチの腕を掴むと背負投の要領で『スペースキャット』を隕石の表面に叩きつける。
防護フィールドがなければ、それだけで隕石の表面を削ったかも知れない。
けれど、今は破壊できない。
彼らの背後にいるであろうオブリビオンを倒さねば、この防護フィールドは解けないのだ。
「だが、耐性は崩せた!!」
煌めくユーベルコードの輝き。
ヒーローズマントによって増幅された覇気と念動力が拳に集約していく。
「SMAAAAAAASH!!」
放つ一撃は『スペースキャット』の土手っ腹に叩き込まれ、一撃必殺たる様相を見せつけるだろう。
「HAHAHA! これが大地を砕き、大河を分断するゴッドハンドにしてスーパーヒーロー!!」
ゴッドハンドマスクはヒーローコスチュームに身をまとった姿を晒す。
それは危険極まりない行いであったことだろう。
だが、ヒーローは逃げない。隠れない。正面から立ち向かうのだ。
どんな困難にも。
どんな強敵にも。
それがスーパーヒーローであるとゴッドハンドマスクは思う。故に、宇宙に翻るマントとともに宣言する。
「これが、ゴッドハンドマスクの力だ――!!」
大成功
🔵🔵🔵
ガーネット・グレイローズ
猫か……いや、確かに猫だな。メッチャ伸びてるが。
厳密には宇宙怪獣の一種なのだろうが、妙に愛嬌がある。
しかしこのままでは、隕石が地上に落下してしまうな。
キャバリア「夜の女王」に乗り込み、機体を《操縦》して《空中戦》。
【灰薔薇の旗の下に】を発動し、宇宙船を召喚して支援要請。
宇宙船から現れるのは、宇宙用の戦闘服を纏った屈強な集団。
彼らを《戦闘知識》《集団戦術》で統率しながら戦うぞ。
兵士達は、フライトユニットで《推力移動》しながら、
アームドフォートで火力支援を。
私はPSDホーネットを射出して、《念動力》で
制御しながら《レーザー射撃》で敵を撃破。
なあ、ダメ元でねこ用のおやつで餌付けできないか?…ダメか。
宇宙の猫こと『スペースキャット』はオブリビオンである。
この無限に広がる大宇宙において、彼らは脅威であった。その愛くるしい外見とは裏腹に、彼らはただのんびりとしている。
伸びをしたり、爪をといだり、あくびをしたり、耳元を掻いたりしている。
まあ、有り体にいって猫である。
まあ、猫である。
まあ、そういうものなのである。
「猫か……いや、たしかに猫だな。めっちゃ伸びてるが」
ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)はうん、と一つ頷く。
彼女はキャバリア『夜の女王』に乗り込み、『惑星バブ』に飛来し墜ちようとしている隕石の表面に屯するオブリビオン『スペースキャット』たちを見やる。
めっちゃ伸びている。
のびーって気持ちよさそうにしている姿は、本当に猫である。だがしかし、猟兵であるガーネットにはわかっている。
あれがどれだけ可愛い生き物であったとしても、滅ぼさなければならない。
彼らを排除できなければ、隕石は『惑星バブ』に墜ちて住人たちは滅ぶであろう。それ以前に、隕石を覆っている防護フィールドを解除するためにはオブリビオンを倒さねばならないのだ。
「厳密には宇宙怪獣の一種なのだろうが、妙に愛嬌がある。しかし――」
このままではいけない。
彼女の瞳がユーベルコードに輝く。
掲げるは、旗。
その旗印は灰色の薔薇であった。
彼女が、『夜の女王』が掲げる灰薔薇の旗の下に(アンダー・ザ・フラッグ)に集結するのは銀河帝国と戦いを繰り広げたグレイローズ家の精鋭私兵の幽霊たちである。
彼らを乗せた強襲宇宙船が『夜の女王』を筆頭に次々と隕石を取り囲むのだ。
「フシャ――!!!!」
猟兵の襲撃に『スペースキャット』たちは毛を逆立てて威嚇する。
その威嚇は、怖い、というよりはなんとも愛らしいものであった。ネコ好きにはたまらんやつである。おー、怖いねーってなるあれである。
やんのかステップを踏むように『スペースキャット』たちが一斉に隕石の表面で威嚇しているのだ。
しかし、ガーネットは容赦しない。
「左翼、右翼、両方から取り囲め。フライトユニット装備でアームドフォートで火力支援を。私が打って出る」
ガーネットと『夜の女王』が宇宙を駆け抜ける。
隕石に屯する『スペースキャット』たちは今も尚威嚇しているが、屈強なる私兵たちはためらわない。
アームドフォートによる火力支援は次々と隕石に降り立ち、爆発を起こしていく。
その爆発の中に切り込んでいく『夜の女王』の腰部、スカートのような装甲に供えられた射撃デバイスが射出される。
「にゃっす!?」
「にゃんにゃんにゃー!?」
『スペースキャット』たちは見ただろう。
宇宙を舞う射撃デバイス。それは念動力に寄ってコントロールされるガーネットの、『夜の女王』のオールレンジ攻撃壁。
放たれるレーザーが『スペースキャット』たちを貫いていく。
どれだけ威嚇しても、ガーネットには通用しない。
涙目になりながら霧散していく『スペースキャット』はいっそ憐れであったことだろう。
だから、というわけではないがガーネットは『夜の女王』のコクピットでうずうずしていた。
これだけ大小様々な『スペースキャット』がいるのならば、一匹くらい……いや、それはできない。
何を考えている私、とガーネットは頭を振る。
だがしかし、猫ちゃんは可愛いのである。
オブリビオンであっても可愛いのものは可愛いのである。
「なあ、ダメ元で猫用おやつで餌付けできないか?」
できるのではないか。
いや、きっとそうだ。できるはずだ。ガーネットはその考えを実行に移そうとしたが、迫りくる『スペースキャット』たちを前に断念するしかなかっただろう。
そもそも宇宙怪獣的な『スペースキャット』たちに猫用のおやつは通用するのだろうか。
猫まっしぐらなあのチューブのあれである。
「……ダメか」
ダメである。
ここは涙をのんで『スペースキャット』たちをぶっ飛ばすしかないのだ。
ガーネットは、『PSDホーネット』、射撃デバイスのトリガーを引き、隕石に屯する『スペースキャット』たちを一掃するのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
菫宮・理緒
【サージェさんと】
『オブリビオンにゃのです』
よし、動画おっけー(さむずあっぷ)
ナイアルテさんわかったにゃ!
猫さんを退治するのは心が痛むけど、
隕石落としを防ぐためにも行ってくるにゃ!
さて、猫の集会を解散させるなら、大きな音と水だよね。
あ、でもその前に……可愛いのは可愛いから、
【セレステ】を装甲5倍、速度半分にチューンして、
集会の中につっこんで、動画は録っておこうかな。
それなりにお土産動画が録れたら、
【D.U.S.S】と【mist sprayer】でどーんといっちゃおう。
集会を蹴散らしつつ、【M.P.M.S】で退治していくね。
ここは……うん。
ナイアルテさんの精神状態のためにもモザイク処理かな!
サージェ・ライト
【理緒さんと】
(既に息がない。萌え死んでいるようだ)
(ダイイングメッセージは『ナイア』の途中で止まっている)
(前口上の前に死んだようだ)
理緒さんその動画は生きとし生きる者の至宝ですコピーしてばら撒きましょうええ万物にその萌えをお披露目するのが我々菜医愛流帝ファンクラブの役目だと思うんです!!思わずベルセルク言語になってますが私は元気です!!!
さて猫ちゃん倒しましょう理緒さん
どこまで伸びるのかは気になります
シリカさんやらせてくれないので
しかしここは緊急事態
もう人海戦術で宇宙にぽいってします
【かげぶんしんの術】で増えた私でバケツリレーしますね!
もふもふレポートを後でナイアルテさんに提出しますねー
「にゃんにゃんにゃんにゃん」
「にゃーごにゃーごにゃご」
「にゃす」
『スペースキャット』たちは今日も元気であった。
いや、のんびりマイペースであったというべきでろうか。猫とはそういうものである。理由などない。あるのかもしれないが対峙する者たちにとって、それはどうでもいいことであった。
ただ猫ちゃんかわいい。
その感情のために猫の奴隷になるのである。
有史以来、人はお猫様のために生きているのである。過言である。
「よし、動画おっけー」
菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)はよい顔でサムズアップしていた。
何を動画に収めていたのかなど言うまでもない。
「わかったにゃ! 猫さんを退治するのは心が痛むけど、隕石落としを防ぐためにも行ってくるにゃ!」
的確にえぐる。
えぐいぐらいえぐる。
理緒はにっこしサムズアップしていたが、相棒であるサージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は突っ伏していた。
すでに息がない。
しんでいるようだ。
ダイイングメッセージは『ナイア』で止まっている。
いつもの前口上なんてどこかに吹っ飛んでいた。それでいいのかと思わないでもないが、まあ、本人たち楽しそうだしいいのかなぁ。
「理緒さんその動画は生きとし生きるものの至宝ですコピーしてばらまきましょうええ万物にその萌えをおひろめするのが我々菜医愛流帝ファンクラブの役目だと思うんです!!思わずベルセルク言語になってますが私は元気です!!!」
元気ですじゃないが。
サージェはリスポーンしてから理緒と固い握手をする。
ファンクラブとしては、見逃せない瞬間があったのだろう。恐るべきはファン心理というやつである。
ここまでしなければならないのか。いいや、ここまでしてこそなのかもしれない。
しかし、『スペースキャット』たちには関係ないのである。そう、彼らにとって守るべきは今の状況。
隕石が墜ちようがどうしようが、この居心地の良い防護フィールドの上で毛づくろい最高ですにゃーってやっているのがいいのである。
それを邪魔するものは何であれ許さんのである。
「フシャー!!!」
お、威嚇である。かわいいですね。
だが、理緒は容赦などしない。
「猫の集会を解散させるなら、大きな音と水だよね」
でもそのまえに猫さんが可愛いのは可愛いのであるからと、『リオ・セレステ』を集会もとい、屯している隕石へと突っ込ませる。
録画も忘れてはいない。
モーフィング換装(モーフィングカンソウ)によって装甲を五倍にまで引き上げられたガンシップはちょっとやそっとでは落とされない。
そんなことにユーベルコード使っていいのかな。いいのである。可愛いは全てに勝るのである。
そんなこんなで理緒はしっかりとお土産動画を撮りためてから、装備された音響攻撃装置と高圧散水機でもって『スペースキャット』たちを翻弄する。
「んにゃー!!!」
「どこまで伸びるのか気になります」
サージェはサージェで伸びる『スペースキャット』たちを持ち上げようとしていた。白猫又の『シリカ』はこういうことさせてくれないので、こういう機会でもないとできないのである。
しかしながら、敵は猫ちゃんであってもオブリビオンである。
めっちゃ威嚇される。
当然、サージェ一人ではどうしようもない。しかし、サージェの瞳はユーベルコード輝く。
そう、一人ではどうしようもないことでも二人ならなんとかできることがある。
なら、もっと増えたらどうなるだろうか?
「そう、人海戦術ならね!」
かげぶんしんの術(イッパイフエルクノイチ)によってサージェは自分の分身を作り出し、一気に『スペースキャット』たちを隕石の上からポイポイしはじめる。
バケツリレーも斯くやという勢いでサージェたちは『スペースキャット』たちを放り投げていく。
あ、もふもふしている。
つるんとしているのかなぁって見た目で思っていたが、案外もふもふしている。お腹に顔をうずめてスーハースーハーしたら、それは至高であろうなぁと思える程度であった。
しかし、サージェはぶん投げる。
ぶん投げまくる。
彼女に放り投げられた『スペースキャット』たちは理緒のミサイルランチャーから放たれるミサイルによって撃破されていく。
「ここは……うん。モザイク処理しておこうかな!」
「もふもふレポートは後で提出しましょう!」
「それは逆に煽ってない?」
「? そうでしょうか?」
理緒とサージェは猫のバケツリレーで隕石にたむろっていた『スペースキャット』たちを大掃除しながら、お猫様の可愛さを堪能し、ファンクラブ会報に掲載することを決意するのであった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
【ステラさんと】
ネコミミ?
ステラさん、犬じゃなかったんですか?
うわぁ。
ブルアカでのステラさんの10倍やべーですね。
いや、ギャップと言えなくもないですが。
とりあえず【サウンドウェポン】の【撮影】機能で保存しましたし、
あとでなにかに使えそうではありますね。
さ、最終的にエヅケになってます!?
『ご飯最強説』師匠じゃなくても適用されるんですね。
わたしの演奏で一掃って、魅了の間違いですよね?
って、なんで【ルジェッリ】を構えただけで怯えてるんですか!?
せめて【Canon】を演奏しだしたらにしてほしいんですが!
い、いいですもん。
芸術家は涙の数だけ強くなるんです!
打ち砕け耳栓!破れろ鼓膜ー!
ナイテナイデスヨ。
ステラ・タタリクス
【ルクス様と】
なるほどナイアルテ様は猫キャラ……
覚えました
今度ネコミミをプレゼントいたしますね
さてルクス様参りましょう
このネコミミの出番です(すちゃっ)
これで意思疎通を図ります
ふっ、私が犬なのはエイル様に対してだけです(キリッ
というわけで
にゃー?にゃにゃー?にゃーん。ふにゃー。
すみませんルクス様
全然通じませんでした
威嚇されてます
仕方ありませんね
ここはとっておきのにゃんちゅーるをコンテナから出しまして
ふふ、これでも商売人です
売れる品は押さえておくのは基本
さあルクス様
今がチャンスです
音楽で一掃されるといいかと
ええ、私にはこの『対ルクス・レゾナンスイヤープラグ』があります
今日こそ勇者を超える時!!
猫キャラ。
それは安易な属性付与ではない。
猫耳と付け尻尾つけて語尾ににゃんって付けてればいいものではないのである。
猫とは気まぐれ。猫とはマイペース。猫とは人に阿ることをしない。
媚び媚びな猫キャラなど猫キャラにあらず。
それは別のなにかである。似非とは言わぬ。
それはそれでとても良いものであるからである。
「なるほど」
何がなるほどなのかさっぱりわからん前置きがあったのは無視していい。
今度猫耳をプレゼントしようと、ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は頷く。なんで?
そんでもってステラはネコミミをすちゃっと装着する。なんで?
「ネコミミ? ステラさん、犬じゃなかったんですか?」
ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)はそんなステラの様子に首をかしげる。
だって今まで散々に犬って言ってたのに、と思ったのだ。
「ふっ、私が犬なのは『エイル』様に対してだけです」
キリッ。
キリッ、じゃないが。うわぁとルkジュスは思った。ブルーアルカディアでのステラの10倍はやべーと思った。
いやまあ、ギャップと言い換えれば、それはなんとなくいい感じのことのように聞こえてしまうが、それで帳消しに鳴るってものでもないような気がする。
「にゃー? にゃにゃー? にゃーん。ふにゃー」
ステラのネコミミメイド術が炸裂する。
ここはちょっと邪魔なのでよそに行ってくれませんか? 的なフレーズであったことだろう。たぶん! 猫語ちょっとわかんないですね。
「うわぁ」
思わず声に出してしまっていた。
ルクスはうわぁ、と思ったけれど、それは決して口にしてはならぬものだと思っていた。けれど、それはあっさりとヤバさに打ち消されてしまっていたのだ。
「すみませんルクス様、全然通じませんでした」
「フシャー!!」
「威嚇されてます」
「そうでしょうね」
そう言いながらルクスはさっくり、その様子を撮影していた。あとでなにかに使えそうな気がすると判断したからである。
交渉材料とか、そういうあれである。抜け目ないのもまた勇者としての資質なのである。
「仕方ありませんね。ここはとっておきの……」
ステラ'sコンテナ(ステラズ・コンテナ)から取り出したるは、にゃんちゅーる。
そうお猫様御用達のアイテム。
みんな大好きにゃんちゅーるである。ねこまっしぐら。しかしながら、そのにゃんちゅーるに釣られる『スペースキャット』ではない。
だって、目の前にいるのはオブリビオンの不倶戴天の敵、猟兵なのである。そんな猟兵がにゃんちゅーるを持っているからと行って釣られるわけがないのである。
「さ、最終的に餌付けになってます!?『ご飯最強説』、師匠じゃなくても適用されるんですね」
いや、つられている。
抗いがい難き匂い。
「にゃっす……」
ふらふらと『スペースキャット』たちが蹌踉めく。
「ふふ、これでも商売人です。売れる品は抑えておくのは基本。さあ、ルクス様。今がチャンスです。音楽で一掃されるといいかと!」
「わたしの演奏で一掃って、魅了のまちがいですよね?」
ルクスがヴァイオリンを構えた瞬間、ステラは構える。何をって『対ルクス・レゾナンスイヤープラグ』をである。
いわゆる耳栓というやつである。
だがしかし、ルクスのCanon(カノン)の音響兵器たるやは言うまでもない。
これまでどんなに高性能な耳栓であっても、その音色を突き抜けさせてきたのだ。
もはやこれは『スペースキャット』とルクスとの戦いではない。
そう、これは『対ルクス・レゾナンスイヤープラグ』とルクスの演奏との戦いなのである。
「せめて演奏しだしたらにしてほしいんですが! なんで構えただけで怯えるんですか!?」
「にゃーす」
ごめんて、と『スペースキャット』たちも申し訳無さそうにしている。だが、それは彼らが知らんからである。
ルクスの演奏は、それ自体がユーベルコード。
破滅的な不協和音はあらゆるものを破壊する。
「今日こそ勇者を超える時!!」
ステラはステラでなんか別の画風になっているが気にしないでおく。
「い、いいですもん。芸術家は涙の数だけ強くなるんです!」
ルクスの瞳がユーベルコードに輝く。
もはや趣旨が変わってきているような気がする。しかし、ルクスにだって意地がある。例え、自分の演奏が壊滅的だったのだとしても。
それでも伝えたい思いがあるのならば、それは通さねばならぬものなのである。
「打ち砕け耳栓! 破れろ鼓膜ー!」
響け、Canon(カノン)!!
その旋律は旋律ではなかったのかもしれない。ただの不協和音であったのかもしれない。
けれど、確実にいえることがある。
そう……。
「こ、この『対ルクス・レゾナンスイヤープラグ』が、砕ける、です、と……」
ルクスの奏でるユーベルコードにまで昇華した演奏は、高性能耳栓すらも打ち砕き、『スペースキャット』たちもあまりにあれな不協和音に霧散霧消している。
この惨状に唯一人たつのはルクスのみ。
キラリと輝く頬。
「ナイテナイデスヨ」
今は泣いていい。
そう、いつの日にか不協和音を脱し、全てを魅了する音を奏でる時まで、その涙こそがルクスの背中を押すのだ。
故に、何一つ諦める必要などない。
耳栓などいくらでも壊せばいいのだ――!!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
大町・詩乃
(招き手のナイアルテさんを「可愛い~♪」とスマホで激写した勢いのままに隕石に転移するも、猫ちゃん達を前に戦えなくなり、隅っこでしゃがんでる)
「私にはできない…!それに猫ちゃんで世界が滅ぶのも有りですよね。ダメかな?」とのの字書いてたらUC発動。
女神が「悲しみに耐えて星と世界を救うのです!」
邪神が「神の秘められた暗黒面を解放し、”どっか~ん”とやっちゃうのです!今まで何度も安易に解放してますよね~。」
と提案。
邪神様なりきりセットに早着替えして、「今の私に慈悲はありません!」と演技して戦闘。
UC効果&多重詠唱による炎と爆発属性攻撃・全力魔法・高速詠唱・範囲攻撃で”ちゅど~ん!”
(小声で)ごめんね。
猫の招き手は可愛いものである。
同時に演技の良さもまた象徴するものである。猫に招かれたのならばしゃーなしであるとばかりに千客万来。商売繁盛。
そんなご利益があるのも頷けるのが猫の可愛さである。
そう、人は猫に夢中なのである。
故に、その仕草を真似したくなるのも道理。
大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)はニコニコほくほく笑顔であった。
「可愛い~♪」
ご機嫌である。
スマホを匠に操作し激写したグリモア猟兵の姿を、勢いのままに転移したスペースオペラワールドの宇宙空間、その問題の隕石に降り立つ。
敵はオブリビオン。
『スペースキャット』と呼ばれる宇宙猫たちである。
その姿は大小様々。まさに普通に猫である。ちょっと体色が、なんか宇宙色しているくらいであるが、それは些事である。
猫の可愛さに色など関係ない。
う、と詩乃は思わずたじろぐ。
思った以上に可愛い。
さっきスマホで激写した招き手のグリモア猟兵など霞む。
「にゃっす」
「にゃーん。にゃんにゃー」
「フシャー!!」
威嚇する姿まで可愛いとか反則ではないかと詩乃は思った。
「……私には……できない……!」
そう、これをぶっとばせなど土台無理な話なのだ。可愛すぎる。オブリビオン、おそるべし。
猫ちゃんをぶっ飛ばすという人として在るまじき行為を強要されるとは詩乃の神性たる瞳を持ってしても見抜くことなどできなかった。
「それに猫ちゃんで世界が滅ぶのも有りですよね。ダメかな?」
思わず隕石の隅っこにしゃがみこんで詩乃はのの字を描き出す。
いいんじゃないかな?
他のものならダメだなって思うけど、猫ならまあ仕方ないかなって思わないでもない。うん仕方ない。
だがしかし、詩乃の中には二つの己がいる。
一つは自分の真の姿たる幻影。
もう一つは邪神様なりきりセットで邪神になっている自分の幻影。
二人は詩乃にささやく。
「悲しみに耐えて星と世界を救うのです!」
真の姿の自分は至極まっとうなことを言う。
それはそうだ。そのために自分は猟兵として転移してきているのだから。だが、しかし。
「神の秘められた暗黒面を開放し、“どっか~ん”とやっちゃうのです! 今まで何度も安易に解放してますよね~」
邪神様なりきり詩乃がささやく。
悪魔の囁きであった。
善と悪(?)の狭間にて(ゼントアクノハザマニテ)揺れる詩乃の心は、揺れに揺れていた。
びっくりするくらい揺れていた。
しかし、その天秤たる心の支柱は変わることはない。
どっちにしたって世界を救うということに変わりはないのだ。だからこそ、詩乃の瞳はユーベルコードに輝く。
煌めく輝きはメイクアップ。
希望に満ちた明日にウェイクアップ。
何が何だか分からないが、詩乃は邪神様なりきりセットに早着替えして、颯爽と、その黒に染まった姿を見せるのだ。
「今の私に慈悲はありません!」
演技である。
「にゃー!?」
だが、『スペースキャット』たちは知らない。
この邪神様なりきりセットで邪神様になりきった詩乃は、あらゆる行動の成功率が八倍にまで膨れ上がるのだ。
つまり、だいたいのことは成功する。
「そういうわけですので、早速雑にぶっ飛ばさせていただきます!」
いつもならちゃんと詠唱もするのだが、今の詩乃は邪神である。邪神はこう、なんか、ほんにゃかぱっぱと詠唱するのである。
わかるようなわからないような、そんな曖昧な詠唱でおどろおどろしい雰囲気を醸し出しながら、その炎と爆発の魔法でもって……。
「ちゅど~ん! です!!」
放たれる爆発。
炎は隕石の上をなめるようにして広がっていき、『スペースキャット』たちを宇宙に吹き飛ばしていく。
あんまりにもあんまりな雑なあれ!
だが、詩乃は小さく呟くのだ。
「ごめんね」
そういうところが詩乃の憎めないところである。いい。なんでも許しちゃう――!!
大成功
🔵🔵🔵
ファランス・ゲヘナ
【心境】
「宇宙の海はオレの海♪」
名実ともに宇宙海賊となったオレの略奪を魅せてやるゼ。ヒャッハー。
え、相手は猫?
…猫と和解セヨ。ムリ?残念。オレは犬派ダ(今回全く関係なし)
【行動】
ブラックタール特有の液状ボディを『肉体改造』で鼠の形へトランスフォーム。
知ってるカ?猫が魚を好物なのは…幻想ダ。
島国日本だけの特殊進化なんだゼ(注:相手は宇宙産である)
鼠の姿で目の前を移動して注意を引きつけるゼ。
まんまと引っかかりやがったナ。残念ファランス様ダ。
オレに注意を引きつけている間に『エネルギー充填』が終了したコロニーレーザーの『レーザー射撃』『範囲攻撃』で猫どもを『蹂躙』殲滅スル。
オレ犬派ダシ…。
無限に広がる大宇宙。
それは浪漫もまた無限に広がっていくことを示している。
「宇宙の海はオレの海♪」
軽快な歌声が聞こえる。
ファランス・ゲヘナ( ・f03011)は、そのブラックタールのスライムの不特定な形状の体をたゆませながらごきげんであった。
そう、ここはスペースオペラワールド。
スペースシップワールドの更に外側に存在する広大な宇宙。無限。そう、まさに無限に思える大航海時代のはじまりであった。
『ワープゲート』があるからこそ、居住可能惑星間に横たわる無限の如き距離も縮まって入るが、同時に『ワープゲート』より離れた場所は未だわからない宙域が広がっているのだ。
これを浪漫と呼ばずなんと呼ぶのか。
「名実共に宇宙海賊となったオレの略奪を魅せてやるゼ。ヒャッハー」
しかし、ファランスは知らなかったのだ。
これから相手をするのが猫。宇宙猫。『スペースキャット』であることを。
神は言うのだ。
ネコと和解セヨ。
「ムリ。残念。オレは犬派ダ」
まったく今回の話に関係ないことであるが、それでもファランスは言わずにいられなかったのだ。
こういう時いっつもフューチャーされるのは猫なのである。キャットなのである。ワンちゃんだっていいだろ! 人懐っこくて! 献身的で!
そんなこんななファランスの思いをブラックタールの液状ボディに籠めて、彼はネズミへとトランスフォーム!
「知ってるカ? 猫が魚を好物なのは……幻想ダ」
どういうこと?
「島国日本だけの特殊進化なんだゼ」
でも、目の前の宇宙猫は宇宙産なんですが。それは。
「……ネズミの姿で引きつけるゼ!」
ヒャッハー!
ファランスはネズミの姿で隕石の上を走り回る。ちょろちょろ走り回るファランスに『スペースキャット』たちは、猫としての本能を大いに刺激される。
そう、ちょろちょろしているやつを追いかけたくなる衝動があるのだ!
こればっかりは宇宙産であろうが日本産であろうが、そんなコト関係ないのである。本能なのである。
「にゃーす!」
「にゃにゃにゃんにゃーす!!」
ハイテンション『スペースキャット』たち。
追いかけ回されながらファランスはニヤリとニヒルに笑う。宇宙海賊らしい活躍かこれはと思わんでもない。だがいいのである。
ファランスの目的は『スペースキャット』たちの注目を集めること!
「まんまと引っかかりやがったナ。残念ファランス様ダ」
にゅっぽんとファランスの姿が元のスライム形状に戻ると『スペースキャット』たちは、なんだただのスライムかと興味を失う。
そこまで露骨にされるとちょっと心がしょんぼりしてしまうかもしれないが、すでに手は撃ってあるのである。
いやさ、打ってあるのである。
何を撃っているのかというと、それは文明破壊砲(シヴィライゼーション・デストロイヤー)である。
スペースシップワールドにあるコロニーレーザーの一撃が、無限に広がる大宇宙を駆け抜け、ワープゲートを取って打ち込まれるのである。
「にゃー!?」
『スペースキャット』たちが焼き払われていく。
その光景をファランスはみやりながら、やっぱりニヒルに呟くのだ。
「オレ犬派ダシ……」
良心の呵責とかそんなのないし。
別にスライム形状になって露骨に興味喪われたことに対する腹いせとかそんなんじゃねーし。
そんなふうにファランスは思いながら『ワープゲート』の万能性、その距離すら無視する超技術を利用したコロニーレーザーの一撃でもって焼き尽くされる『スペースキャット』たちを睥睨するのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ミルドレッド・フェアリー
●WIZ
──どこか星の陰で誰かが泣いている
星空に|谺《こだま》する|悪《ワル》の笑い声を、赤き流星が切り裂く
耳を澄ませた奴は誰ぞ、泣き声目指して走る宇宙サーフボードを駆るは|宇宙《コスモ》の|風来坊《ストレンジャー》
お呼びとあれば、即参上!
何処からか謎の口上が出てきますが、何時もの事です
転送と共に宇宙サーフボード『X-Gladius』を操って現場に急降下しますが…これは見事に育ちに育ったネコチヤンですね
バブ星の方々が駆除に苦心しているとなれば、宇宙騎士としてその思いを汲まねばというかWinWinというか
宇宙サーフボードの機動性で注意を引き付けたら【ステイシムビーム】で大人しくなって貰いましょう
――どこか星の陰で誰かが泣いている。
唐突にアバンタイトルである。
え、なに、なに? と誰もが思ったかも知れないが、『スペースキャット』たちはどこ吹く風であった。
だって宇宙猫である。
猫なのである。
猫は自由気ままにマイペース。それはこの隕石の上でたむろっていても変わりのないものであった。
星空に|谺《こだま》する|悪《ワル》の笑い声を、赤き流星が切り裂く。
あ、これまだ続くやつだ。
「耳を澄ませた奴は誰ぞ、泣き声目指して走る宇宙サーフボードを駆るは|宇宙《コスモ》の|風来坊《ストレンジャー》。及びとあられば、即参上!」
大宇宙を駆け抜ける赤い流星の如きサーフボード。
漆黒に輝くは星ばかりではない。
一直線にラインを引くようにして駆け抜けるは、ミルドレッド・フェアリー(宇宙風来坊・f38692)!
そう、これまでの前口上はミルドレッドの語り口であった。
無限に広がる大宇宙。
どんな所にだって駆けつけて悪をしばくのがミルドレッドである。情け無用! J6! Jはイェーガーの、猟兵のJだよ!
「そういうことで、見事に育ちに育ったネコチャンを!」
ミルドレッドは、己が駆る宇宙サーフボードで疾駆する。現場は急転直下。いつだって不測の事態に備えなければならないものである。
一気に効果するミルドレッドは、己を威嚇する『スペースキャット』たちを見やる。
「フシャー!!」
「フッシャー! にゃーごなご! なんにゃんにゃー!!」
めっちゃ伸びる猫ちゃん。
ぐにーって胴体どうなってんだ? となるほどに伸び切った彼らの図付きやら威嚇やらをミルドレッドは華麗に躱して、その瞳をユーベルコードに輝かせる。
「『惑星バブ』の方々が駆除に苦心しているとなれば、宇宙騎士としてその思いを汲まねばというかWin-Winというか」
まあ、どっちにしたってぶっ飛ばせばいいのである。
迫る『スペースキャット』たち。
彼らの注意を自信に引き付ければ、彼女の瞳に輝くユーベルコードが、彼らを『時間停滞領域』に追放するのだ。
それは精神が帰還するまで肉体は動くことができなくなる。
しかし、それでいいのだ。
要は隕石から猫ちゃんたちを排除できればいい。
倒せずとも無限に広がる大宇宙に放逐できればいいのだから。
「というわけで、おとなしくぶっ飛ばさせていただきます。宇宙騎士として!」
そう、ネコチャンかわいい。
可愛いから酷いことしたくない。
でもでも隕石の上から排除しないと星が滅びてしまう!
その両方をいっぺんに叶えるためにはこうするのがベスト! のはず!
ミルドレッドは、動けなくなった『スペースキャット』たちを次々と隕石の上から排除していく。
しかし、戦いはそれでは終わらんのである。
そう、個々からが宇宙騎士としての本番。
この隕石を『惑星バブ』に落とそうとした張本人がいるのだ。
「さあ、でてきて頂きましょうか! 隕石落としで星を滅ぼそうとする者! 宇宙騎士として、私が成敗してくれます!」
そんでもってタイトル回収である。
『宇宙風来坊コズミック・ストレンジャー』――!!
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『スペース・ジェノサイダー』
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POW : ジェノサイダー・テンタクル
【背中から伸びる触手】で触れた敵に、【虐殺振動波】による内部破壊ダメージを与える。
SPD : ジェノサイド・スクワッド
【宇宙空間もしくは戦場となっている惑星】の龍脈から1〜12体の【虐殺宇宙怪獣】を召喚し、【ジェノサイダー光線】で戦わせる。[ジェノサイダー光線]の威力は召喚数分の1に減衰する。
WIZ : ジェノサイド・テレキネシス
自身の【虐殺念力】を籠めた【背中から伸びる触手】を用い、通常移動と同速度で地中を掘り進む事ができる。装甲破壊にも使用可能。
イラスト:せつ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
宇宙猫『スペースキャット』たちは隕石の上から排除された。
だが、未だ隕石を覆う防護フィールドは解けていない。
そう、まだオブリビオンを完全に排除できていないのだ。
「あら、猫ちゃんたちもういなくなったの? 案外早いのね、仕事が」
声が聞こえる。
しゃなり、しゃなりとゆっくりと隕石の上を歩くのは、『スペース・ジェノサイダー』であった。
彼女は妖艶にほほえみながら隕石の表面を撫でる。
防護フィールドに覆われた隕石は、『スペースキャット』と猟兵の戦いの余波にあっても傷一つ付いていない。
これこそが滅びの予知の元凶。
どれだけ科学技術が魔法の如き力を持つのだとしても、この隕石が破壊できないのは、オブリビオンの力……『スペース・ジェノサイダー』の力があってこそ。
「壊すの好きなのよね。だって、完成したものが、積み上げたものが、崩壊していく様って、ゾクゾクするほど美しいじゃない?」
彼女は恍惚として語る。
壊すことの快楽を。悦楽を。法悦たる喜びを。
「今までは自分で作ったもの、自分で積み上げたものを壊すのでよかったんだけどぉ……でもダメね。他人のモノを壊すのが一番ヨかったの」
彼女は微笑む。
美しさすら見いだせるものであったが、その微笑みは邪悪そのもの。
壊すことに意味を見出す彼女にとって、最も快楽を得られるのが、他人のモノを壊す時だったのだ。
「だから、壊すの。他人の生命も、他人が築き上げた平和も、何もかも。だから、邪魔しないでね――?」
鏡宮・ノエル
わー、どこにでもいるんだね、そういう人。面白いなぁ。
でもね、はいそうですか、とはいかないよ。
【クラウ・ソラス・ドライブ】を使って二人に。増えた僕に『レグンレグナ』と『ソーリグクラート』を渡しておいて。あ、伴うUCもお願いね!
僕自身は、ヴァーイに乗って突撃!退魔刀を抜きはらって、神罰つきの攻撃いくよ!
こっちの方が慣れてるんだよ、僕。
敵のはヴァーイが見切って避けてくれるみたい。
あなたは迷惑だ。オブリビオンでなくても、そんな目的だったら止めてるよ。
何かを壊したいと願うこと。
その願い事態に貴賤はない。あるのは価値観による相違のみ。故にオブリビオン『スペース・ジェノサイダー』の言うところの何かを壊したいという欲求事態は否定されるべきものではなかった。
けれど、何が問題であるのかを問われた時、やはり問題としてあげられるのは他者との兼ね合いである。
生命とは単独で成り立つものではない。
他者がいるからこそ個を自覚できるように、この無限に広がる大宇宙においても、それは例外ではない。
他者との距離が無限に等しい距離を持っていたとしてもだ。
「でも、だからって私が壊してはならないって理由にはならないでしょう? 私は壊したい。あなたたちは守りたい。立ち位置が違うだけよね? だったら」
『スペース・ジェノサイダー』は背に追った触腕に籠められた虐殺念力をもって猟兵に相対する。
まるで念動力が衝角のように螺旋を描いている。
「わー、何処にでもいるんだね、そういう人。面白いなぁ」
鏡宮・ノエル(よく圖書館にいる學徒兵・f38658)は外套を翻しながら、その瞳をユーベルコードに輝かせる。
可憐なる彼にとって、目の前のオブリビオンの語る言葉は否定できるものではなかった。けれど、肯定できるものでもなかったのだ。
「でもね、はいそうですか、とはいかないよ」
「いくのよ、それが。それだけの力が私にはあるもの。現にこれまでも壊してきたわ。建物も、星も、銀河さえもね」
振るわれる触腕の一撃は虐殺念力によって凄まじい威力となっている。
だが、二兎追う者は一兎も得ずという言葉があるように、目の前でノエルの体は二つに分かたれた。
手にした神剣が自我を持つもうひとりの『ノエル・スピーゲル』へと変身する。
宇宙の暗闇の中に輝くは、ユーベルコードの輝き。
クラウ・ソラス・ドライブ(ノエル・スピーゲル)によって現れたもうひとりのノエル。
彼の手にあるのは2丁拳銃。
放たれる弾丸が『スペース・ジェノサイダー』へと走る。
それらを触腕に籠められた念力でもって弾き飛ばしながら彼女は微笑みを絶やさず襲いかかる。
「二人に増えるなんて。壊し甲斐があるわ。だって二倍ってことでしょう!」
光の魔法剣が『スペース・ジェノサイダー』へと迫る。
それを彼女は切り払いながら、突き進んでいく。けれど、彼女は見ていなかった。二兎追う者は一兎も得ずというのならば、彼女は目の前のノエル・スピーゲルしか見ていなかったのだ。
「よそ見ばっかりして! こっちのほうがなれてるんだよ、僕」
振るう退魔刀。
その斬撃が神罰の煌めきとともに『スペース・ジェノサイダー』へと振るわれる。
だが、その斬撃だけでは彼女には届かない。
けれど、ノエルは一人ではない。二人でもない。もうひとりいるのだ。『ヴァーイ』という名の狼が。
その狼の背にノエルは乗っている。
「あなたは迷惑だ」
「なんでよ! 私は私の!」
欲望に従っているだけだと彼女は言う。誰も彼もが欲望を持っている。大小あれど、それは確実なことだ。
自分の欲望だけが悪いことで、他者のそれだけが良いことなど認められるはずがない。
だからこそ、振り返り叫ぶ。
其処に走る魔法剣が触腕を隕石の表面に縫い止め、動きを止める。
「オブリビオンでなくても、そんな目的だったら止めてるよ」
だって、その破壊は多くの人を巻き込むものだから。
宇宙は無限に広がっているけれど。
「隣に人がいるってこともわからない人には」
振るう退魔刀が煌めき、『スペース・ジェノサイダー』を袈裟懸けに切り裂きながら『ヴァーイ』と共にノエルは隕石の表面を駆け抜けていく。
「どう言ってもわからないことなのかもしれないけれど――」
大成功
🔵🔵🔵
ガーネット・グレイローズ
自分の破壊衝動を満たすためだけに、惑星を巻き込んだ
虐殺を起こすのか。迷惑な奴め!もはや一刻の猶予も許されない。
このオブリビオンを倒し、隕石を破壊しなければ。
SPD
今回は生身で戦闘する。あの女に用があるからな。
宇宙空間を泳ぐように飛び回りながらの《空中戦》だ。
スラッシュストリングを《念動力》で操り、
糸鋸のように高速震動させて、宇宙怪獣の皮膚を切り裂く
《鎧無視攻撃》。仲間の猟兵と連携しながら、
クロスグレイブの《レーザー射撃》も併用。
《戦闘知識》で怪獣それぞれの動きのクセを
見抜きながら光線を躱し、タコ娘本体を《追跡》。
無重力空間で強化された、【烈紅閃】の一撃をくれてやる。
逃げるな!歯ぁ食いしばれっ!
「自分の破壊衝動を満たすためだけに、惑星を巻き込んだ虐殺を起こすのか」
その言葉と共にガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)はキャバリアのコクピットから飛び出す。
宇宙空間、『惑星バブ』に迫る隕石の直上で彼女はオブリビオン『スペース・ジェノサイダー』と対峙する。
破壊こそが悦楽であると語るオブリビオンは、ガーネットにとってはた迷惑以外の何者でもなかった。
どれだけ広大な宇宙があろうとも、生命は個であっても他者を意識しなければならない。
ならばこそ、共存という手段を持って生命は繁栄していくのだから。
「それの何がいけなくって? 私は壊したい。あなたは守りたい。ただそれだけのこと。個が見えれば、理解するか理解できないかの二つに一つ」
だから『スペース・ジェノサイダー』は破壊する。
他者が築いたものを、自分の快楽のためだけに壊す。
「さあ、おいでなさい。この隕石に宿りし龍脈。出るは宇宙怪獣!」
その言葉と共に隕石の中から現れるのは奇妙な生物であった。触腕を持ち、うねるようにしてガーネットを狙う。
さらにジェノサイダー光線が放たれ、宇宙の暗闇に光を走らせる。
「もはや一刻の猶予も許されない。邪魔をするな!」
ガーネットが手にしたスラッシュストリングが宇宙空間を走る。念動力で高速振動させたワイヤーは宇宙怪獣たちを切り裂いていく。
「クロスグレイブ! 行け!」
ビーム砲塔がジェノサイダー光線に負けじと迸る。
宇宙怪獣との戦いは一進一退であった。触腕の動きは素早く、またジェノサイダー光線も痛烈な一撃となってガーネットを襲う。
だが、敵が、『スペース・ジェノサイダー』が人型をしているというのならば、それに準ずる動きもあるはずだ。
ガーネットはこれまでの戦いから、『スペース・ジェノサイダー』の戦い方を見極める。
強力な力による力押し。
宇宙怪獣を呼び寄せたのも、全てが破壊のため。
大雑把だといえるだろう。
「なら……! 多少手荒にいかせてもらうぞ」
ガーネットの瞳がユーベルコードに輝く。
鮮血のように紅いエーテルが彼女の拳に宿る。それは宇宙の暗闇を切り裂く一条の輝き。
迸るエーテルとともにガーネットは隕石の表面を統べるように走る。
重力から開放されたガーネットは、もはや誰も止められない。
「速い……! この無重力空間にあって、それだけ速いって……!」
『スペース・ジェノサイダー』の触腕が隕石の表面を蹴るようにして叩いて距離を取ろうとする。
だが、ガーネットの踏み込みの方が速い。
彼女にとって宇宙空間は不慣れた戦場ではない。むしろ、彼女の本領を発揮するためのステージであるとさえいえるだろう。
ガーネットは、宇宙怪獣たちの間隙を縫うように、それこそ無重力に舞い踊るようにして『スペース・ジェノサイダー』に迫る。
「逃げるな! 歯ぁ食いしばれっ!」
煌めく紅いエーテル。
みなぎる拳の一閃。
それは閃光のように一瞬の明滅。
されど、その一撃は『スペース・ジェノサイダー』の胴に吸い込まれる。逃げることさえ叶わぬ一撃。
それ故に、名を烈紅閃(レッコウセン)。
ガーネットの名を示すように、彼女の赤色が無限に広がる大宇宙に迸る。
「やめ――」
「穿ち、砕く!」
開放されたエーテルが爆発的なまでの威力を伴って『スペース・ジェノサイダー』を隕石の表面に叩きつけられる。
その光景はまるで宇宙に咲く花のようでもあったことだろう――。
大成功
🔵🔵🔵
菫宮・理緒
【サージェさんと】
破壊の快感かー。
そういうのもあるとは思うけど、はた迷惑だね。
それに、あなたには壊せないものだってあるしね。
できるっていうなら、わたしと【セレステ】を壊してみるといいよ。
と、軽く挑発して、乗ってきたら
【リフレクション・マリス】を発動して、相手の攻撃を反射しちゃおう。
自分で作ったものを壊すのは楽しくなくなっちゃったみたいだけど、
自分の攻撃に自分が壊されるのならどう?
壊される快感ははじめて、だよね?
少しは楽しくなったかな?
さぁサージェさん!
とどめはお任せしちゃうから、壊れていく快感をたーっぷり教えてあげちゃってー!
サージェさんなんて『忍ぶ』機能が壊れているんだもんね。得意だよね!
サージェ・ライト
【理緒さんと】
お呼びとあらば参じましょう
私はクノイチ、胸とか関係なく忍ぶの諦めてるとかそんなことないもんっ!
やっぱりお約束はやっておかないと
いいリズムが出ませんね(イイ笑顔で額の汗をぬぐう
アッハイシリアスヤリマス
壊すもの壊されるもの
ずっと同じで永遠ということがない以上
いつも何かが|壊れている《変わっていく》のでしょう
それでも貴方の行為は迷惑ですし
|壊れない《変わらない》ものだってあります
そう、それは絆……アッハイセレステガンバッテ
いやー見事な反射ですねー
それではこの後をいただきましょう
「手数こそ正義! 参ります!!」
久しぶりの【疾風怒濤】を攻撃回数重視でごーごー!
クノイチパワーを思い知れー!
隕石の表面に叩きつけられる『スペース・ジェノサイダー』。
痛烈な一撃を受けて尚彼女は立ち上がる。
ゆらりと幽鬼のように。それこそ未だ得られぬ破壊の快楽のために彼女は立ち上がるのだ。
「まだ壊していないもの。まだ壊したいもの。壊すことの快楽は、私の全てに勝るものだから」
彼女の瞳がユーベルコードに輝く。
煌めくユーベルコードに寄って再び呼び出される宇宙怪獣たち。
「破壊の快楽かー。そういうのもあるとは思うけど、はた迷惑だね」
菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)はスクラップ・アンド・ビルドだと思ったかもしれない。
壊して、作って。壊れて、作り直して。
そうして文明も、文化も織りなされていく。一つの結実が見えたとしても、それは終わりではなく、新たな始まり。
このスペースオペラワールドであればなおさらのことであろう。
けれど、やっぱりオブリビオンのやることは迷惑そのものであった。
「あなたには壊せないものだってあるしね」
「そんなものなどないわ。私は――」
「お呼びとあらば参じましょう。私はクノイチ、胸とか関係なく忍の諦めてるとかそんなことないもんっ!」
それはあまりにも空気を読まない前口上であったことだろう。
壊す側の『スペース・ジェノサイダー』がまさか逆に空気を壊されるという失態をおかしてしまうほどの前口上。
その前口上は、言うまでもない。
サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は、やっぱりお約束はやっておかないといい笑顔で汗を拭っていた。
ちゃんとやるべきことをやっていないとリズムがでないと彼女は隕石の直上でうんうんとうなずいていた。
少しも悪びれた様子はない。
空気をぶっ壊すなんて『スペース・ジェノサイダー』もやってことがない。一緒にやってきていた理緒も若干、うん……と頷くことしかできなかった。
「できるっていうなら、わたしと『セレステ』を壊してみるといいよ」
理緒も空気なんて読まない。
読んだら負けである。そんな横でサージェが『アッハイシリアスヤリマス』とかやっているのが更に火に油を注ぐ行為であると理緒はもう突っ込まなかった。
「馬鹿にして!」
宇宙怪獣たちが隕石の直上を走り、ジェノサイダー光線でもってサージェと理緒を襲う。
「術式展開! リフレクションマリス!」
電脳術式で編んだ、敵の攻撃を反射する結界が理緒の周囲に張り巡らされる。放たれたジェノサイダー光線は反射され、宇宙怪獣たちの体を貫く。
「自分で作ったものを壊すのは楽しくなくなっちゃったみたいだけど、自分の攻撃に自分が壊されるのならどう?」
「私が壊すのよ! 誰かに壊されるのなんて、なんにも気持ちよくないじゃない!」
『スペース・ジェノサイダー』が吼える。
隕石の直上を『セレステ』めがけて一直線に駆け抜けてきたのだ。
触腕に念力が迸る。
その一撃はあらゆるものを破壊する一撃。
結界そのものを破壊する力。凄まじいものであると理解出来ただろう。
「壊される快感は、はじめて、だよね? 少しは楽しくなったかな?」
理緒の言葉に『スペース・ジェノサイダー』は忌々しげに顔を歪めることしかできなかった。
反射される破壊の一撃が結界を破壊し、けれどその一撃が触腕に流れ込んで爆ぜる。
「壊すもの壊されるもの。ずっと同じで永遠ということがない以上、いつか何かが|壊れている《変わっていく》のでしょう。それでも貴方の行為は迷惑ですし、|壊れない《変わらない》ものだってあります」
サージェが爆ぜる触腕を掻い潜って『スペース・ジェノサイダー』へと迫る。
漲る瞳に輝くユーベルコード。
それはまさに疾風怒濤(クリティカルアサシン)と呼ぶに値する速度であった。
超連続攻撃。
「そう、それは絆……いやー見事な反射でしたねー! それでは!」
「とどめはおまかせしちゃうから! 壊れていく快感をたーっぷり教えてあげちゃってー!」
理緒の言葉にうなずき、サージェの一撃が……いや、一撃にしか見えないほどの超連続攻撃が『スペース・ジェノサイダー』の体に吸い込まれていく。
「手数こそ正義! 参ります!」
「こんな派手なクノイチがいるわけないでしょ!」
「サージェさんは『忍』機能が壊れているんだもんね。得意だよね!」
そういうの! と理緒の言葉にサージェは思わず、そんなことないもんと拳に力を込める。
止まらぬ連続攻撃は『スペース・ジェノサイダー』を撃ち抜いていく。
「クノイチパワーを思い知れー!」
クノイチとは一体なんぞやと哲学的なことを思いを馳せる。
こんなのだったっけ、と『スペース・ジェノサイダー』は叩きつけられる連続攻撃の痛みを受けながら考える。
いや、こんなこと考えている場合じゃあないとわかっている。
けれど。
「クノイチってもっと密やかにするものでなくって?!」
「だから、サージェさんなんだよー!」
理緒の笑顔が眩しい。
忍ぶという機能がぶっ壊れているサージェは納得行かないとばかりに最後の一撃を『スペース・ジェノサイダー』に叩き込み、クノイチパワーをスペースオペラワールドに叫ぶのであった。
だから、そういうところ――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
【ステラさんと】
刹那の瞬間が美しいという気持ちはわかりますが、
破壊はなにも生みません。
刹那の美しさを求めるのなら、生での芸術をおすすめします!
わたしの演奏のような!
なにか釈然としないところもありましたが、
【Canon】を演奏して『ジェノサイダー』さんを魅了してしまいましょう。
どうです!
これがライブオンリーの美しさです!
って、ステラさん?
ノイズキャンセリングってやだなー。
わたしのは芸術ですから、それでは相殺できないですよ?
あと除霊ってなんですか?
特に何か喚び出したりできないですからね?
いやときどき黒いの見えたり見えなかったりしますけど、
そういう類いではないと思いますよ。
わたし光の勇者ですしね!
ステラ・タタリクス
【ルクス様と】
何かを壊す瞬間には得難い快感があるでしょう
しかしその様では二流もいいところ
|真の破壊者《一流》とは純然たる清らかさで|全てを壊す《敵を倒す》のです
口に出しているのはルビの方ですよろしくお願いします
というわけでルクス様出番です!!
ええ、私にはこの『対ルクス・レゾ以下略』があります
この耳栓の真の力をお見せしましょう
実はこれは鈴飾り
すなわち鈴鳴りの音で音を相殺するノイズキャンセリング
音響弾の仕組みで共振結界を張り
ルクス様の音を相殺&受け流します
そして除霊です除霊
技能フル活用です
さっさとルクス様の|愛《音》で|滅んで《倒されて》ください!
ナイフのおまけも付けますので!
そして私は生きます!
『スペース・ジェノサイダー』は思う。
破壊とは刹那の快楽だ。
強烈な快楽だからこそ、僅かにしか得られない。脳内に満ちる物質は、たちどころに消えていく。
だから求める。
もっと欲しい。
もっと、と。だから繰り返す。だが、快楽とは慣れていくものである。マンネリに陥れば、それは死活問題だ。だから新たな刺激を求める。
他者の何かを壊すことは、毎回異なる刺激であった。
「何かを壊す瞬間んいは得難い快感があるでしょう。しかし、その様では二流もいいところ」
ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は『スペース・ジェノサイダー』が猟兵たちの攻勢によって打ちのめされる様をみやり、告げる。
そう、如何に破壊の念力を持っているのだとしても、宇宙怪獣たちを繰り出し、戦場となった隕石の表面が光線飛び交う嵐の様相を見せるのだとしても。
「|真の破壊者《一流》とは、純然たる清らかさで|すべてを壊す《敵を倒す》のです。というわけでルクス様出番です!!」
ステラは言うだけ言って満足したようである。
ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は振られてなんか釈然としない気持ちになっていた。
なんか常に自分が壊しているような物言いである。失礼である。失言であったと撤回して欲しい。
けれど、よく考えたら師匠もブッパしてぶっ壊してぶっちしているのだから、ある意味で弟子らしいと言えば弟子らしいのではないかと思ってしまう。
しかし、わかるのだ。
刹那の瞬間が美しいという気持ちも。
けれど、破壊は何も生み出さない。あるのは破壊の後にある始まりだけである。
「刹那の美しさを求めるのなら、生の芸術をおすすめします!」
つまり!
「わたしの演奏のような!」
ステラは、だからそういうところが、と思ったが口をつぐんだ。
彼女はすでに耳栓をセットしている。だまってセットしていた。前回、普通に突き抜けてきている。鼓膜が破壊されているから、もう耳栓しなくてもいいんじゃないかなと思わんでもない。
けれど、それでもやらねばならない。
なにせステラは商人。
次またこのような機会が訪れるかわからない。
『対ルクス・レゾナンスイヤープラグ』は確実に売れる。そう、この耳栓の真の力は、鈴飾りなのである。
ぱっとみ耳栓に見えないのである。
そして、音を相殺するノイズキャンセリング。音響弾の色見で共振結界を張り、ルクスの不協和音を相殺し受け流すのだ。
そんでもって除霊である。
ここまで言うともはやルクスの演奏が呪詛の類に思えてきてしまう。
「さあ、奏でましょう! Canon(カノン)!」
放たれる不協和音に宇宙怪獣たちは、多分聴覚をぶっ壊される。あると思う、宇宙怪獣にも聴覚。その鼓膜をたやすくぶち破ってのたうち回る彼らを尻目に『スペース・ジェノサイダー』は飛び込む。
「不協和音だろうとなんだろうと、音なら壊せる!」
同じ振動をぶつければ音は壊れるのだ。
けれど、ルクスはわかっていた。『スペース・ジェノサイダー』がこちらに向かってくるのは、自分の演奏が彼女を魅了しているのだと。
だから、感激のあまり握手を求めているのだろうと。
だが、今はまだ演奏の途中だ。
「どうです! これがライブオンリーの美しさです! ほら、ステラさん? オブリビオンさんだって感激して……え」
「?」
ステラは首を傾げている。
音なんて聞こえない。にこやかなメイドが其処にいた。
微笑みを湛え、どうぞ、と『スペース・ジェノサイダー』を示している。
ルクスは見ただろう。
不協和音を打ち砕いていた『スペース・ジェノサイダー』が、なんでかすでにのたうち回っているのを。
「音が、音が気持ち悪い……! なにこれ! 同じ音をぶつけても音が……!!」
体の中に響き渡る音。
それは生命であれば必ず持つものである。己の心臓の鼓動が鐘を打つように、どこにだって音は溢れているのだ。
けれど、ルクスの奏でる不協和音はとんでもないものであった。ステラが除霊っていった意味がわかる。
これやっぱり呪詛とかそういうあれ!
「……いや時々黒いの見えたり見えなかったりしますけど、そういう類ではないと思いますよ?」
ルクスは心配になった。
けれど、その背後からステラが投げナイフを放つ。
のたうち回っているの『スペース・ジェノサイダー』を見て、まあ、今ですよね、と思ったのだ。
「ナイフはおまけです。そして私は生きます!」
微妙に会話が噛み合っていない。
あ、もしかして、とルクスはステラの耳飾りの如き鈴飾りを引っこ抜く。
まあ、後はわかるな。
どうなったかなど言うまでもない。
無限に広がる大宇宙に響く不協和音。
歪む音は、生命ある者たちの音を歪ませ、なんとも言えない感想という名の絶叫が、二つ迸る――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
大町・詩乃
(戦巫女の姿に戻り)
猫ちゃん達を倒さざるを得ない状況に追い込み、多くの生命が住む星を壊して喜ぶ。
何という悪逆非道!
許せません!
タコやイカに掛ける情けは有りません。
速やかに倒しますよ。
《サイコキネシス》&捕縛で触手も身体も捕捉して身動き取れないように雁字搦めにします。
更に「貴女はもう動けません。」と催眠術を重ね掛け。
「それではお仕置きです。UCを行使中であっても、私にはUCと併用して放てるこの技が有ります。」
プラズマの属性攻撃を右拳に宿し、念動力にて電子スピンをコントロールして形成したプラズマスパイラルを衝撃波と共に打ち出す貫通攻撃。
「ギャラクティカ・●グナム!」
神罰もおまけしておきますよ。
大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)は激怒していた。
かのオブリビオン『スペース・ジェノサイダー』は必ず打倒しなければならないと決意に満ちていた。
何故ならば!
「猫ちゃん達を倒さざるを得ない状況に追い込み、多くの生命が住む星を壊して喜ぶ……」
確かにそのとおりである。
そのとおりであるのだが、その猫ちゃんこと『スペースキャット』もまあ、その、オブリビオンなのである。
どうあっても倒さねばならない相手であったのだ。
猟兵であれば仕方のないことであったのだ。
だが、詩乃にはそんなこと関係なかったのである。
宇宙猫と言えど、愛くるしい猫には変わらない。それを倒さねばならなかった心的外傷は凄まじいものであったのだ。
「何という悪逆非道! 許せません! タコやイカに掛ける情けはありません」
ぶっちぎれている。
びっくりするくらい怒髪天を衝く状態である。
「猫はよくてタコイカはダメって!?」
『スペース・ジェノサイダー』の言葉も尤もである。いいじゃん、タコイカ。けれど、詩乃には関係ない。
サイコキネシスでもって『スペース・ジェノサイダー』の触腕を補足する。
念力とサイコキネシスが拮抗し合う。けれど、詩乃の怒りに任せた力は、彼女をがんじがらめにする。
「貴女はもう動けません」
催眠術まで使用してのがんじがらめ。
二重三重に掛けられる捕縛。
それは『スペース・ジェノサイダー』にとって恐怖そのものであった。
「じょ、冗談だじゃない! なんでこんなに……!」
迸り続けるサイキックエナジー。
詩乃の瞳はユーベルコードに輝き続けていた。ただ拘束するためだけに詩乃の力は『スペース・ジェノサイダー』に注がれ続けていた。
だが、それだけだ。
拘束されているだけ。なら、まだ勝機はあると『スペース・ジェノサイダー』は思っただろう。
けれど、それは甘い考えであった。
そう、詩乃の拳になんかこう、渦巻く力がある。
「え、なにそれ……」
「ギャラクティカ・――」
あ、それヤバイやつ。権利的に。メタ的に。
だが、詩乃は止まらない。
プラズマを右拳に宿し、念動力でもって電磁スピンをコントールして、あれして生まれたスパイラル。
その衝撃波と共に打ち出す貫通攻撃。
詩乃が勝手に名付けているだけなので、関連性はありませんと、とりあえず断っておく。
まあ、なんていうか、そういう拳のあれ。
もっと言うなら!
「お仕置きの神罰です!」
詩乃の右拳が唸りを上げる。
技名は最後まで宇宙に響き渡ることはなかった。だって、プラズマスパイラルを宿した拳の一撃は『スペース・ジェノサイダー』の顎を捉え、ものすごい劇画調の効果音と共に星々の間に横たわる暗闇の中に消えていったから。
違う。
版権的な心配をしたわけではない。
それだけ詩乃の怒り心頭は凄まじいものであったのだ。
きらめくユーベルコードと、詩乃の突き上げた拳が『スペース・ジェノサイダー』を打ち据え、彼女は頭から隕石の表面に落ちるしかなかったのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ミレア・ソリティス
敵性体との交戦状態を確認……ミレア・ソリティス、これより支援に入ります
初手でUCを発動、その後ジャミングミサイル発射による認識阻害ジャミングを開始。
同時にアクティブステルスを起動して姿を消し、遠距離から背部触手を狙撃、接近されたり至近に来た触手はアーマーユニットのバリア機能と、Pセイバーでの斬撃、リアランチャーの榴弾(体勢崩し・吹き飛ばし強化)で迎撃します
時間を稼げば後は実体化、展開した百機以上の「FR-07 ヒュドラー」で包囲し各種属性弾頭による飽和砲撃を実行。対象を殲滅しましょう
対象の発言は無視します。最初から向こうにこちらの話など聞く気がない以上、「対話」は不可能です
※アドリブ◎
『「ヴァルギリオス」解析データ読み込みを開始』
『多連装属性砲「FR-07ヒュドラー」生成……』
それらは全てミレア・ソリティス(軍団たる「私」・f26027)の声であった。
スペースオペラワールドは広大に広がる無限の如き大宇宙。
スペースシップワールドと違うのは居住可能惑星が存在すること。そして、この領域にも仇敵たるオブリビオンが存在している。
ならばこそ、ミレアは躊躇うことなくユーベルコードを発現させる。
コードヒュドラー。
それは『ヴァルギリオス』を模した浮遊自律する機動砲塔による15を数える属性による砲撃。
だが、それを成すには時間がかかる。
すでに彼女はステルス機能によって姿を消している。
遠距離からの砲撃によって『スペース・ジェノサイダー』の背後を狙撃し、触腕を砕いている。
「敵性体の背面装備を破壊成功」
ミレアはしかし見る。
こちらの狙撃に勘付いた『スペース・ジェノサイダー』が己の姿が見えずとも、狙撃された角度から自分の位置を割り出したことを。
故にアーマーユニットのバリア機能を開放し、触腕による一撃を受け止める。
「敵性体の攻撃能力の減衰を確認」
「いちいち癪に障ることを!」
もしも、『スペース・ジェノサイダー』が十全であったのならば、アーマーユニットのバリア機能は貫かれていたことだろう。
けれど、これまで紡がれてきた猟兵の攻勢とミレアの狙撃に寄って触腕の力は墜ちている。
斬撃で『スペース・ジェノサイダー』を吹き飛ばし、さらにリアランチャーの榴弾でもっ距離を稼ぐ。
それは距離を稼ぐだけではない。
時間を稼ぐことにも繋がる。彼女のユーベルコードは強力であるが、しかし発動までに時間がかかるのだ。
「なにか待っているわね……だったら!」
破壊念力が迸る。
けれど、ミレアは『スペース・ジェノサイダー』の言葉を無視した。
何故ならば、相手はオブリビオンである。
そもそも滅ぼし、滅ぼされる間柄でしかないのだ。
そこに情も何もあったものではない。それにあちらはこちらの話など聞く気がない以上、『対話』など無意味であり不可能であると彼女は断じる。
「私の破壊を邪魔するっていうのなら!」
ミレアはその言葉に応対する言葉を保たない。
代わりに彼女の周囲に現れる機動砲塔。
それは竜の首を模していた。
満ちる15の属性。
「目標捕捉、各砲装填……砲撃開始」
「なっ――」
ミレアが聞いた『スペース・ジェノサイダー』の最後の言葉。
それは驚愕の声であったことだろう。
強力なる砲撃の飽和攻撃。あらゆる属性を網羅するかのように放たれる砲撃は、対応することを許さぬとばかりに宇宙空間に迸る。
防護フィールドに隕石が守られていなければ、この飽和攻撃そのもので隕石そのものが消滅しかねないほどの圧倒的な火力。
ミレアは単体でもって、それだけの火力を有する。
「火力支援は完了。対象の殲滅を」
ミレアは静かに告げ、己の為すべきことを為す。
『スペース・ジェノサイダー』が破壊をもって快楽を得るように。
ミレアは与えられた任務を実行し、完了することでもって己の存在意義を満たす。
ただそれだけのこと。
静かにミレアは広がる爆風の向こう側にある隕石を見やる。
オブリビオンを打倒した後にあるであろう隕石破壊ミッションのために、彼女は『惑星バブ』の衛星軌道上にて待機し、防護フィールドが喪われた瞬間を狙い続けるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ミルドレッド・フェアリー
●SPD
貴方ですね
欲望に赴くまま生きる罪なきスペースキャットを猫の盾としていたのは
ですが、その計画もここまで
我ら|J6《猟兵》が惑星バブに落とそうとする隕石ごと打ち砕いてみせます!
などと啖呵を切りましたが、ハイそうですかとやられてくれる相手ではありません
宇宙空間なり隕石なりから虐殺宇宙怪獣が湧いてくれば、これらの攻撃を掻い潜り彼女へ至る必要があります
X-Gladius、行きますよ!
UC『宙を切り裂く紅き流星』でジェノサイダー光線群を最小の軌道で躱し、またX-Gladiusから分離させた騎士銃槍によって迎撃
本丸に辿り着けば、【サーフィン】状態のままによる【ランスチャージ】で隕石に叩きつけましょう
オブリビオン『スペース・ジェノサイダー』は破壊を求める。
自分が破壊することをのみ求める。
自ら壊されることなど考えてはいない。
なぜなら、これまで彼女は一度たりとて己が脅かされることなどなかったからである。壊すことのみを快楽として捉え、己もまた破壊されることを理解していなかったからである。
誰も彼女を止められなかった。
故に、彼女のような怪物を生み出してしまったのならば、それは不幸であったと言うべきだろうか。
「だからなんだっていうのよ! 私は壊したいから私なの!」
迸る念動力。
触腕はひしゃげているが、それでもなお隕石の表面に現れる宇宙怪獣たちが嵐のようなジェノサイダー光線でもって猟兵たちを寄せ付けない。
けれど、その光線の嵐の中を、宙を切り裂く紅き流星(レッド・シューティングスター)が走り抜ける。
「貴方ですね。欲望の赴くまま生きる罪なき『スペースキャット』を猫の盾としていたのは。ですが!」
ミルドレッド・フェアリー(宇宙風来坊・f38692)は宇宙サーフボードとともに『スペース・ジェノサイダー』へと迫る。
猟兵たちの攻勢によってすでに彼女は満身創痍。
ここで押し込まなければならない。すでに『惑星バブ』へと近づく隕石は阻止限界点を間近に控えている。
「その計画もここまで。我等|J6《猟兵》が『惑星バブ』に落とそうとする隕石事打ち砕いてみせます!」
「だから! 私が壊すって言ってるでしょ!」
迸るジェノサイダー光線。
その乱舞する光の中をミルドレッドは、宇宙サーフボードと共に華麗にくぐり抜ける。
圧倒的な速度。
光線の一撃をかすめるようにして躱す機動力。
最小にして最速。
ミルドレッドは見えていた。たどるべき道筋を。『惑星バブ』は滅ぼさせはしない。敵の悪意は貫くもの。
ならば、彼女はサーフボードから分離した騎士銃槍を構える。
「行きますよ、X-Gladius!」
槍の一撃が宇宙怪獣を貫き、えぐりながら彼女は『スペース・ジェノサイダー』へと迫る。
距離は詰めた。
宇宙サーフボードは無重力下であっても、まるで波間を斬るようにして『スペース・ジェノサイダー』の背から迸る触腕の一撃を躱す。
空に舞うようにしてミルドレッドは『スペース・ジェノサイダー』の天を取る。
「生意気な! 私の上を取って!」
「その悪意を打ち砕かせていただきます!」
放たれる銃槍の一撃。
それは『スペース・ジェノサイダー』の触腕のガードを貫き、彼女の体をえぐる。
叩きつけられる体。
槍に伝わる防護フィールドの衝撃。
それらを感じながらミルドレッドは宇宙サーフボードと共に離脱する。
これだけの一撃を放って尚、防護フィールドは貫けない。けれど、ミルドレッドは確信していた。
自らが倒しきれなくても、続く猟兵がきっと『スペース・ジェノサイダー』を倒してくれると。
繋ぎ紡ぐ戦いこそが猟兵の本領。
ならばこそ、ミルドレッドは最早阻止限界点に近づく隕石を見ても、何も不安に思うことはなかった――。
大成功
🔵🔵🔵
ファランス・ゲヘナ
【心境】
「他人のモノを壊すのカ。そんな奴にはこんな格言を教えヨウ。撃っていいのは撃たれる覚悟があるものだけダ。」
なので今度は貴様が壊される番だと知レ。
【行動】
ひゃっはー略奪の時間ダー。
ジェノサイド光線を『オーラ防御』と防ぎ、『第六感』で感知回避しつツ、流星号を『運転』して接近スル。
さて、ユーベルコード:襲撃者を発動。分身して『集団戦術』で襲い掛かるゼ。宇宙なだけに暗黒だしナ。威力はきっと上がる…多分。
戦いは数だよアニキ。
分身を張り付かセ、『生命力吸収』し幸運を『略奪』スル。
これが壊れされるということダ。
「私は壊すもの。私が壊されるなんてあっていいわけがないじゃない」
『スペース・ジェノサイダー』は立ち上がる。
どれだけ猟兵たちの攻勢にさらされようとも、彼女は壊すことを諦めない。
この宇宙に在りて、最も壊すことが困難なのが惑星である。星である。
其処に生命があり、抵抗があればあるほどにいいと彼女は考えていた。だから、文明の栄えた星を狙う。
『惑星バブ』は平穏そのもの。
だから壊す。
ただ星を壊すだけではない。
他者の築き上げた尊いものがあればあるほどいいのだ。
「だから壊すのよ!」
宇宙怪獣たちが隕石の上に蔓延るようにして出現する。
ジェノサイダー光線が走り、嵐のように荒れ狂う。
「他人のモノを壊すのカ。そんなやつにはこんな格言を教えヨウ」
ファランス・ゲヘナ( ・f03011)は、スライム状の体を跳ねさせながら、ジェノサイダー光線をオーラで防ぎながら、高く飛び上がる。
彼が飛び乗るのは宇宙バイク『流星号』。
「撃っていいのは撃たれる覚悟があるものだけダ」
ファランスは『流星号』と共にジェノサイダー光線をかいくぐる。
光線の輝きがブラックタールの体をかすめていく。
その覚悟が『スペース・ジェノサイダー』にあるかと問われれば、あるわけはないだろう。
なぜなら、彼女はこれまで壊し続けてきたからだ。
自分が壊されるなどと、壊される側に回るなどと考えたこともないのだ。だから、壊す。壊し続ける。
覚悟無きものにファランスは負けるいわれなどないと、その瞳をユーベルコードに輝かせる。
「戦いは数だよアニキ。そういう格言もあるのダ」
襲撃者(オソウモノ)。
それはファランスの分身を放つユーベルコード。
この無限に広がる大宇宙にありて、光は星の輝きのみ。
残るすべえが暗闇に包まれている。
ならばこそ、ファランスの漆黒の体は宇宙にあって紛れ、『スペース・ジェノサイダー』や宇宙怪獣たちは視認することもできなかっただろう。
増殖したファランスたちが弾丸のように跳ねて、次々と宇宙怪獣を貫いていく。
「これが壊されるということダ」
「何が! こんなの奪っているだけじゃあない!」
「奪われ、瓦解していク。自ら崩壊していくこともまた壊されるということ」
吸収されていく生命力と幸運。
もはや万が一もない。
『スペース・ジェノサイダー』が滅びることは必定となった。
ファランスは『スペース・ジェノサイダー』からあらゆるものを略奪していく。生命も、破壊の快楽も、何もかも奪っていく。
「宇宙怪獣が宇宙海賊に勝てるわけないのダ!」
奪うことに特化したものたち。
それが海賊であるというのならば、破壊を信条とする『スペース・ジェノサイダー』の全てを奪っていく。
破壊することなく。
ただ、ただ奪っていく。
「なので今度は貴様が壊される番だと知レ」
全て奪われたものは壊れるのみ。
己を支える支柱すら失ったもの。何も省みること無く、ただただ破壊を宇宙にもたらしてきた『スペース・ジェノサイダー』は、もう何もできない。
壊れ果てることだけが唯一彼女に出来ることだった。
「こんな、ところで……まだ壊し、たいのに……!」
「その無念さえも略奪するのが宇宙海賊ダ。オレに目をつけられたのが運の尽きだったと思うんだナ――」
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『惑星見聞』
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POW : 足を使って調べよう。
SPD : 技術を使って調べよう。
WIZ : 魔法を使って調べよう。
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
オブリビオン『スペース・ジェノサイダー』を打倒した猟兵たちは、『惑星バブ』に迫る隕石を覆っていた防護フィールドが喪われたことを確認し、自らの力を、武装のありったけを持って隕石を破壊する。
爆砕された隕石が次々と『惑星バブ』へと散り散りになって落ちていく。
細かく粉砕された隕石ならば、『惑星バブ』の大気圏で燃え尽きるだろう。
それは流星雨のように降り注ぐ。
その光景を『惑星バブ』の統治者である『ライスメキアMMM世』は見上げていた。
「あれは、もしや伝説に謳われる者たち……猟兵……!」
彼女の瞳は感激にぬれていたことだろう。
住人たちもそうだ。
奇蹟のような光景。そして、伝説的な存在を目の当たりにし、もしも彼らに神を信仰する心があったのならば祈りを捧げていたことだろう。
猟兵たちは『惑星バブ』に降り立つ。
隕石を破壊したこと、もう脅威は訪れないこと、そうしたことを報告するために。
とは言え、少しはこの星について見聞を広めることもできるだろう。観光と言っても差し支えない。
住人たちは皆、暖かく迎えてくれるであろう。
周囲を見やれば、竹林があちこちに茂っている。
だと言うのに、なぜか洋風の城が存在していたり、住人たちは中世の文明をそのままにしたかのような……いうなれば、疑似欧風な文化圏の中で生活をしている。
ゆるっとした雰囲気が、戦いに疲れた猟兵たちの心をきっと癒やしてくれるだろう――。
鏡宮・ノエル
わー、本当にゆるっとした雰囲気。ここにしかない物語とかもありそうだ。
…本あったら買っていけるかな…?
そして、そこに一番馴染んでるのがクローカなんだよね。
さすがの鴉。竹林の上を飛んでも、城の上を飛んでも様になる。
ヴァーイは『怖がらせるのは本意ではない』と影にいるけど…見せてほしい、といわれたらちょっとだけ忠告してから見せよう。
だってヴァーイはかっこいいもの。
…ブレック拗ねてる。拗ねてるけど…。うん、ごめんね。ってこっそり頭(?)撫でたら機嫌直った。
ブレックも、忠告してから出そう。かけがえのない仲間だもの。
…ブレックもここの雰囲気に合ってるなぁ…。不思議。
『惑星バブ』は、その名が示す通り、竹林が多い惑星である。
青々しい竹林は近づくと良い香りがする。
しかし、竹林の向こう側にあるのは中世のお城である。普通、こういう場合……猟兵的に言えば封神武侠界のような世界が似合うのではないかと思う竹林に、アックス&ウィザーズ世界のような城がそびえ立つのはなんともおかしみがあった。
鏡宮・ノエル(よく圖書館にいる學徒兵・f38658)は、それでも受け入れていた。
「わー、本当にゆるっとした雰囲気」
彼の言葉通りである。
ゆるっとした雰囲気に似合うかのように、この惑星の住人たちは穏やかな気性を持っているようであった。
ノエルの姿にも恐れることはなかったし、むしろ歓迎ムードさえあったのだ。
「うーん、それにしても『クローカ』が一番馴染んでいるね」
空を見上げれば、そこには彼の影から飛び出した鴉『クローカ』が悠然と飛ぶ姿がある。竹林の上をとんでも、城の上を飛んで居ても様になるなぁ、とノエルが見上げていると、近づいてくる一団がある。
どうやら城からでてきた者たちであると推察できる。
「私は『ライスメキアMMM世』。この度は隕石の破壊を為して頂きありがとうございます。私どもではどうしようもなく、ほとほとに困り果てておりました。『惑星バブ』の住人を代表いたしまして御礼申し上げます」
うやうやしく頭を下げる女性。
彼女はやんごとなき身分の者とノエルは推察出来ただろう。
「ううん、みんな無事でよかったね。ところで、この星には本とかあったりするかな?」
「本、でございますか? ええ、ございます。どのようなものをお望みでしょうか。私の城の蔵書室をご覧になってもかまいませんし、市井の者たちが読むものがご所望でしたら、街中の書店をご利用になってもよろしいかと」
「ライスメキアMMM世』はそう言って、どうかごゆるりとお過ごしください、と一礼してまた何処かへ去っていく。
どうやら、隕石騒ぎを解決してくれた猟兵たちの元にその足で礼を告げるために行脚しているのだろう。
そんな彼女を見送りノエルは、せっかくだからと『惑星バブ』の文化を堪能しようと街中に繰り出す。
やっぱり竹林があちこちに点在している。しかし、市街の街並みは中世ヨーロッパ風味。
「まだちょっと混乱しちゃうな。文化が違うって言えばそれまでだけど……」
ノエルは『ヴァーイ』と共にと思ったが彼自身が『怖がらせるのは本位ではない』と思っているのならば無理強いはよくないなと思って街中を歩く。
だが、それ以上に今回出番がなかった『ブレック』が影の中で拗ねている様子を悟ると、少し微笑んで頭をなでてあげる。
タコの姿をした彼の出番はまた今度。
そんなふうにしていると、市街の住人の子供らであろうか。
ノエルたちを遠巻きに見ている者たちがいる。
「……どうかしたのかい?」
やんわりとした言葉に子供らは近寄ってくる。
「影の中にお友達がいるの?」
その言葉にノエルは微笑んで言うだろう。そうだとも、と。格好良くて頼もしい仲間が居るんだ、と。
「影からでてこない? 引っ込み思案?」
「そうじゃないよ。キミらを驚かせるんじゃないかって遠慮しているんだ」
ちょっと怖いかも知れないけれど大丈夫? と尋ねると子供らは頷くだろう。
じゃあ、と影から飛び出す狼と大蛸。
その姿に子供らが歓声を上げるだろう。賑やかなだな、と思うと同時にノエルは穏やかでもあると思う。
のんびりとした、ふんわりとした、と形容するのが一番いいかもしれない。
ノエルはこんな時間をこそ大切にしたいと思う。
かけがえのない仲間たち。
空には『クローカ』。地には『ヴァーイ』。海には『ブレック』。
きっと何処に居ても、どこに行っても、ノエルは孤独ではないだろう。
彼らが居る。
ノエルは市街で手に入れたスクロールに手を触れる。
それはスクロールのように見えた電子書籍。空中に浮かぶ映像が文字を刻んでいく。ああ、これがスペースオペラワールドの書物なのかと驚きと好奇に胸が踊る。
『クローカ』、『ヴァーイ』、『ブレック』。
彼らが子供らと戯れる午睡のような時間と共にノエルは中に浮かぶ物語を、ゆっくりと読み解いていくのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ガーネット・グレイローズ
巨大隕石の危機は去ったか。
まずは、町の郊外を「BD.13」でゆったりとドライブしよう。
どんな動植物が生息しているんだろう?
市街地に入ったら、そこからは徒歩で散策しよう。
物珍しそうな住民の視線を感じるが、敵対的なものではなさそうだ。
笑顔で会釈しておこう。
アックス&ウィザーズの世界に似ている雰囲気があるね。
一番大きくて立派な建物が、ライスメキアMMM世の住むお城だろうか?
可能であれば、彼女に謁見してみたいんだが。
私はガーネット・グレイローズ。クエーサービーストの群生地帯を
抜けてやってきた、猟兵の一人です。
オブリビオンの撃破と、隕石の破壊が完了したことをお知らせします。
……ねこ、お好きですか?
流麗なクーペが『惑星バブ』の街道を走る。
それは不思議な光景であったことだろう。
『惑星バブ』は竹林が多く茂る惑星でありながら、街並みは中世ヨーロッパのような様相をガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)に見せる。
彼女はゆったりとした速度で惑星をドライブする。
スペースシップワールドの外側、スペースオペラワールド。
その宙域にはこうした居住可能惑星が存在していることさえ、ガーネットは最近になって知ったのだ。
もしも、彼女が猟兵でなかったのならば、これが本物の大地であると感動したことだろう。
けれど彼女は他世界を知る猟兵である。
重力があることも、大地をければ土煙が舞い上がって埃っぽく思えることも、風が奏でる音も、降りしきる雨の冷たさだって知っている。
「どんな動植物が生息しているんだろう?」
他の惑星と変わらないのか。それともこの惑星固有の種がいるのだろうか。興味は尽きない。
できるだけゆったりと『惑星バブ』の市街地に繋がる街道をドライブしながらガーネットは思索に耽る。
街道が終われば、そこはもう市街地だ。
この惑星の人々はのんびりと過ごしているようだ。
先程まで隕石が衝突するといった緊迫した事態であったことなど忘れたように、マイペースに過ごしている。
向こうに見える城は、この惑星の統治者のものだろうか。
「様式はアックス&ウィザーズ世界に似ている雰囲気があるね」
面白いものだ。
このスペースオペラワールドの科学水準は恐らくどの世界を見回して見ても、高度な部類に入るだろう。
しかし、一巡した科学文明は、今や中世の様相をガーネットに見せる。
そんなことを思っていると、彼女は自分に向けられる物珍しそうな視線に気がつく。この市街地に住まう人々の視線であろう。
確かに目立つかも知れない。
彼女の紅い宝石のような髪は否応なしに、彼らとの種族の差を感じさせるものであったからだ。
「どうかご無礼をお許しください、伝説に聞く猟兵の御方」
その言葉とともにガーネットは気がつく。
市街の向こうから伴も付けずにやんごとなき身分であることを思わせる女性が自分に歩み寄ってきているのを。彼女が、とガーネットは気がつくだろう。
言葉遣い、所作、雰囲気。
どれをとっても統治者としての貫禄があるように思えた。
「申し遅れました。私は『ライスメキアMMM世』。この『惑星バブ』を統治している皇女、という役職に付いている者です」
その言葉にガーネットは一礼して迎える。
こちらから出向こうと思っていたが、どうやら『ライスメキアMMM世』は自ら猟兵たちの元にやってきているようである。
「私はガーネット・グレイローズ。クエーサービーストの群生地帯を抜けてやってきた、猟兵の一人です」
その言葉に『ライスメキアMMM世』は頷く。
彼女にとってクエーサービーストの群生地帯を抜けてくるということは、その内部にまた生命が存在していたという事実を再確認させるには十分な事実であった。
驚くべきことであったが、ガーネットが告げた言葉に、やはりとうなずいた。
このスペースオペラワールドにおいて猟兵の存在は伝説的な、それこそ噂話程度にしか聞くことのできない名であり、これまで誰も猟兵の姿を見たことがなかったのだ。
「オブリビオンの撃破と、隕石の破壊が肝ろうしたことをお知らせします」
「やはり、あなたが猟兵……いえ、伝説に聞く猟兵の皆様のご活躍、そして、『惑星バブ』を救ってくださったこと、御礼申し上げます」
『ライスメキアMMM世』はうやうやしく頭を下げる。
それほどまでにオブリビオンの脅威は、このスペースオペラワールドの住人たちにとって破滅的なものであるのだ。
ガーネットは、そうかしこまらなくてもいいのにと思ったかも知れない。
けれど、彼女の真摯な言葉に頷く。
「……ねこ、お好きですか?」
「うふふ、嫌いな御方がいらっしゃいますか? ああ、いえ、本当に助かりました。どうです、もしお時間がありましたらお城でお茶でも」
ガーネットと『ライスメキアMMM世』は微笑み合う。
それは破滅的な悲劇を回避したことへの何よりの報酬。
その後、ガーネットは招かられた城でお茶をごちそうになり、スペースオペラワールドの優雅な一幕を味わうのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
菫宮・理緒
【サージェさんと】
たしかにゆるっとまったりしたところだね。
隕石落としは防いだし、これならナイアルテさんもこられないかな?
雰囲気はとっても中世だし、
いっしょにアフタヌーンティーとかいいかも。
紅茶は好きな茶葉を教えてもらえると嬉しいな。
軽食はティースタンドを用意して、スコーンとジャム。
ローストビーフのサンドイッチにアップルパイかな。
あ、でも、チョコは自前のパイでよろしくね。
多めに用意して、サージェさんのかぐや隊とかもよんじゃえば、
けっこう賑やかに楽しくなりそう♪
ふふふ。いまのわたしはふれんどりぃ!
主に可愛い子のためにね!
お茶を楽しみながら、ナイアルテさんの動画をみたり、
FCの今後を考えたりしよう!
サージェ・ライト
【理緒さんと】
にゃんにゃご、にゃごなご、にゃんにゃかにゃん!!
いえ、ナイアルテさん召喚の詠唱ですよ?
誰かーネコミミとにくきゅうグローブをもてい!
ナイアルテさんもストレスたまっていそうですし
ゆっくりとストレス発散を
え?私たちが原因?ハハハハ、ご冗談を
アフタヌーンティーとかお洒落ですね
自前のチョコパイとか何言ってるかわからないんですけど?
しかし理緒さんがこんなに社交に慣れているとは予想外でした
引き篭もり設定どこ行きました?もしかして最近の流行りで壊れた?
竹といえばちまかぐや隊、わかります
では呼びましょう
はい、せーれつっ
皆と遊んできてください
私たちは今後のFC活動の大切な会議がありますので!
『惑星バブ』は先ほどまで滅亡の危機にひんしていたとは思えないほどにゆるっとした雰囲気が流れていた。
あちこちに点在する竹林と市街の中世の雰囲気がミスマッチと言えばミスマッチであった。
けれど、慣れてしまえばそういうものだと理解ができる。
「たしかにゆるっとまったりしたところだね」
菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)はオブリビオンによる隕石落としを阻止し、『惑星バブ』に降り立っていた。
周囲を見回してみても脅威は見受けられない。
風に揺れる竹林は爽やかな陽射しが差し込んでいる。
「にゃんにゃご、にゃごなご、にゃんにゃかにゃん!!」
サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)の声が響き渡る。
お、なんだ新手の前口上かなにかかと思ったが、それは違ったようである。召喚の詠唱である。
理緒は、それで召喚されるものであろうかと思った。
案の定、ちょっと召喚は難しいあれであった。
「誰かーネコミミとにくきゅうグローブをもてい!」
サージェが装着すればいいと思います。
ストレスって精神的にも肉体的にもよろしくないものである。
こういうゆったりとした空間でストレス発散するのも大切なことである。
「アフタヌーンティーとかいいかもね。紅茶のフレーバーってどんなのが好きなのかな」
理緒は、穏やかな雰囲気の中準備を進めていく。
「アフタヌーンティーとかおしゃれですね」
「スコーンとジャム、ローストビーフのサンドイッチにアップルパイかな」
うん、と理緒は頷きティースタンドに次々と細々としたものを並べていく。その手際は見事なものであった。流石はメイド服を着ることもある猟兵である。
「あ、でも、チョコは自前のパイでよろしくね」
「自前のチョコパイとか何言ってるかわからないんですけど?」
理緒の言葉にサージェは首をかしげる。
あるじゃろがい。
立派なのが。
理緒は無言のまま準備を続ける。彼女はこれまで電脳空間に引きこもっていた猟兵である。サージェは共に戦いに赴く事が多いが、これほどまでに社交性が高まっているのは予想していなかった。
「引きこもり設定どこ行きました? もしかして最近の流行りで壊れた?」
「それはサージェさんの忍び設定だから」
「忍んでますけどぉ!?」
そんなやり取りだって楽しいと思えるものだろう。せっかくだから、と理緒はサージェに賑やかにしてほしいと、ちまっとかぐや隊!(ゲーミングカグヤヒメトアソボウ)を呼び出してもらう。
折角こうして竹林にいるのだから、ゲーミングちまかぐや姫たちの出番である。
「はい、みんなせいれーつ! じゃ、皆と遊んできてください!」
いえーい! と小さなかぐや姫たちがゲーミングカラーに輝きながら、竹林の中を飛び交う。
さながら移動するミラーボール。
ダンスミュージックも流れてしまえば、もう立派なクラブハウスであった。
しかし、そんなアゲアゲでごきげんなグルーヴに似つかわしい者が竹林に現れる。
「午後のお茶の時間に失礼いたします……って、なんです、これ!?」
それは『ライスメキアMMM世』であった。
隕石落としを防いでくれた猟兵たちのもとに自ら足を運んでいる皇女も、流石にこの竹林の様子は予想外であったようだ。
あまりのことに絶句している。
それはそう。
「やっぱり画角がもうちょっと凝れたらいんだけど……」
「ドローン使いましょ、ドローン。色んな角度から舐めるように……」
そんなご機嫌ライヴハウスの竹林でアフタヌーンティーを楽しみながらファンクラブの今後を考えている理緒とサージェ。
二人はあれ、と気がつく。
『ライスメキアMMM世』のぽかんとした顔がなんとも面白かった。
「え、ええと、御礼を。申し上げようと、思いまして」
「いいよいいよーお茶しようお茶」
とってもふれんどりぃ。今の理緒はとってもふれんどりぃなのである。主に可愛い子のためなら引きこもり設定などどこ吹く風である。
サージェはサージェでファンクラブに勧誘するべく、シュバる。
『ライスメキアMMM世』は困惑し続けていたけれど、啓蒙活動と言う名のファンクラブ勧誘に引きずり込まれ、新たな会員が誕生した……。
のかもしれないし、してないのかもしれない!
答えは、穏やかな午睡のようなお茶会の中に。
守られた『惑星バブ』の竹林の一角は、色とりどりの光が乱舞し、一時住人たちの憩いの場になったのであった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
【ステラさんと】
なにを言ってるんですか、もちろん光ですよ。
あ、ステラさん、耳飾り返しておきますね♪(にっこり)
癒やしと言えば音楽。音楽と言えばわたしですよね。
ここは竹林で演奏会を開いて、
ステラさんやバブのみなさまを癒やしてさしあげるのが、
今できる勇者の勤めではないでしょうか!
ステラさんはなにか楽器とかできませんか?
わたしピアノでいきますので、
よろしければバブのみなさまにセッションとかお聴かせしませんか?
竹のさざめきをメインにしたセッションとか、とってもいいと思うんです!
たまには素敵な音楽で煩悩をクリアするのもいいと思うんですよ。
ステラさんも、ヤバくないメイドに戻ってみるのはいかがでしょう!
ステラ・タタリクス
【ルクス様と】
これが人間のやることですか(ごふっ)
猟兵じゃなければ復帰不可能でした
一度確認したいのですがルクス様の属性、光で合ってますよね?
光の勇者……あ、この話は後日にしましょう(闇?を察した)
楽器は出来なくはないのですが機械的に演奏するだけですよ?
私はメイドで音楽家ではないので
その代わり何でもお任せください
寿命?
大丈夫です先の戦争と氷結の島で通常の1.1倍まで伸びております
愛の力で
ルクス様もたぶん普段演奏する分には大丈夫だと思うんですが
回復効果が出ている時もありますし
あと一般人を滅ぼすようなことは無いと思いたいです
それではメイドの本領お見せしましょう
ルクス様のピアノに合わせてハープの演奏を
「これが人間のやることですか」
ごふって息を吹き返したステラ・タタリクス(紫苑・f33899)が開口一番にそう言った。
心からの叫びであったのかもしれない。
猟兵じゃあなければ復帰不可能なほどのあれ。
気絶程度で済んでいるのは、やっぱり猟兵であったからであろう。
「一度確認したいのですがルクス様の属性、光であってますよね?」
「なに言ってるんですか、もちろん光ですよ」
ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は息を吹き返したステラの横でにっこりと微笑んでいた。
はい、とルクスはステラに鈴飾りを手渡す。
「あ、ステラさん、『耳飾り』返しておきますね」
彼女がステラに手渡したのは『耳栓』であった。『対ルクス・ノイズキャンセリングイヤープラグ』。
ルクスは耳飾り、と言ったのだ。
これが耳栓とは一言も言っていない。にこやかな笑顔の奥にステラは闇を察した。
これ以上踏み込んでは行けない何かをメイドセンサーが感じ取ったのだ。具体的には光っていうより闇のあれそれって感じがしないでもない。
「それにしたってステラさんもお疲れの様子。癒やしが必要ですよね。そうですよね。癒やしと言えば音楽。音楽と言えばわたしですよね」
有無を言わさぬ圧力。
ルクスは竹林の一つに陣取る。
この竹林で演奏会を開いて、ステラや『惑星バブ』のみんなを癒やすのが今できる勇者の務めではないかと彼女は思った。
ステラは、それはない、と思ったかも知れない。
演奏の腕前を知っていれば、逆効果ではないかと思ったが、それは野暮ってもんである。
誰かを癒やしてあげたい。誰かを助けたい。
その思いこそが勇者たる資質なのだ。ならばこそ、そこに技量の上下は関係ないのである。
結果は伴わないかも知れないが、しかし、その心意気が必要なのである。尻拭いはステラがやる。
「ステラさんはなにか楽器とかできませんか? わたしピアノでいきますので」
「楽器はできなくはないのですが、機械的に演奏するだけですよ?」
ステラは自身がそうした情熱的な演奏ができるとは思わなかった。
メイドであって音楽家ではないのである。しかし、任されたのならばやらねばならない。
しかしいいのだろうか。ルクスの演奏に付き合うということは、そのぉってなる。けれど、安心していい。
今の顔所は、先の戦争と氷結の島で通常の1.1倍まで伸びているのである。主に愛の力で。メイドズ・ホワイトって便利。
「じゃあ、セッションしましょう。『惑星バブ』のみなさまにお聴かせしましょう!」
竹のさざめきをメインにしたセッション。
風によって竹林が揺れる。
穏やかな陽射しが空より降り注ぐ中、ルクスとステラが演奏を奏でる。
共に連弾するように鍵盤を弾く。
その音色は、戦いに際して奏でられる破滅的な旋律とは異なるものであった。
優しく、心地よい旋律。
それを隕石落とし阻止の功労者である猟兵たちのもとに訪れていた『ライスメキアMMM世』は聞く。
セッションを邪魔してはならぬと静かに佇みながら、微笑んでいた。
「たまには素敵な音楽で煩悩をクリアするのもいいと思うんですよ」
「まるで私が煩悩を持っているかのような物言いですが」
「え」
「え」
互いに鍵盤を弾きながら顔を見合わせる。え。
「ステラさんも、ヤバくないメイドに戻ってみるのはいかがでしょう!」
「いつでもヤバくはないですが?」
ステラはルクスから離れて、それを証明するようにハープを爪弾く。
ピアノの旋律とハープの旋律が竹林に響いていく。互いに、え? と思ったことは別に行き違いではない。
こうして言葉を交わすこともまた必要なことだ。
セッションは互いを通じ合わせる。そして、その音色は多くの人々の心を癒やすだろう。
『ライスメキアMMM世』だってそうだ。
演奏が終わるまで待って、彼女はゆっくりと一礼する。
二人の演奏に拍手し、いつの間にか集まってきていた近隣住人たちと共に微笑んでいる。
ルクスは人々に癒やしを。
ステラは勇者をそっと支え、一礼する。
優雅でゆるりとした時間が『惑星バブ』に流れている。
それはオブリビオンから人々を守った証。そして、一つの報酬として、彼女たちに大きな喝采を浴びせるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ミルドレッド・フェアリー
●SPD
黒幕だったスペース・ジェノサイダーを打倒し、こうして宇宙サーフボードに乗りながらの大気圏突入も無事に終わりましたので惑星バブの散策にお預かりしましょう
ですが、空から見下ろせば統治者の城や集落を除けば竹林ばかりが広がっています
特に気になるものが無ければ手近な集落へと降着しますが、やはり宇宙サーフボードが珍しいのか竹細工で遊んでいた子どもたちが集まってきますね
しかし、竹料理の歓迎を受けてしまった以上、子ども達の知的好奇心を無碍にするのは宇宙騎士の名折れ
食後の運動がてら、乗るスペースはひとり分しかなくても私が抱っこしたりおんぶしたりしつつ体幹の鍛えるトレーニングも兼ねて軽く翔んであげましょう
『惑星バブ』に迫っていた隕石。
それを落とそうとしていた黒幕たるオブリビオン『スペース・ジェノサイダー』は猟兵たちの手によって打倒された。
ミルドレッド・フェアリー(宇宙風来坊・f38692)は宇宙サーフボードを駆り、惑星の大気圏へと突入する。
紅いサーフボードは重力に引っ張られるようにしながらも、それを拒むように大気を斬りつけるようにして空を飛ぶ。
「竹林と中世の城……」
ミルドレッドは『惑星バブ』の様子に興味を持つ。
街道が竹林を縫うようにして敷き詰められている。
ちぐはぐな印象を受けたかも知れない。竹林と石畳が混在しているということもそうだが、その街道の先に続くのが大きな石造りの城なのである。
「あれが恐らく統治者の城。集落も中世にならっているようですね」
ふむ、とミルドレッドは宇宙サーフボードでもって空を飛びながら眺める。
なんとも緩やかな雰囲気である。
この惑星の人々が穏やかな毎日を送っている証拠でもあるだろう。これを守れたことは宇宙騎士として誇るべきことであったのかもしれない。
「……と」
ミルドレッドは宇宙サーフボードから飛び降りて一つの集落を見回す。
遠くからでもミルドレッドの乗っていた宇宙サーフボードは目についたのであろう。すぐさま集落の子供らが近寄ってくる。
珍しいものに興味を持つのは子供らしいな、とミルドレッドは思った。
「私はミルドレッド・フェアリー。この惑星に迫っていた隕石を破壊したことを報告したいのですが、統治者の方はあのお城に?」
「ええ、ご連絡を頂いております。あなた方が伝説の猟兵……此度はこの星をお救い頂き、なんと御礼を申し上げていいか」
集落の代表であろう者がミルドレッドに深々と頭を下げる。
それに習うようにして子供らも頭を下げている。子供らしいお辞儀にミルドレッドはほっこりした気持ちになるだろう。
「統治者……皇女『ライスメキアMMM世』様も直にお見えになります。それまでどうかおつくろぎになってください」
ミルドレッドは思わぬ竹料理の歓迎を受けてしまう。
無下にするのも騎士としていかがなものかと思い、歓待を受け入れる。
しかし、ここはスペースオペラワールド。
一見中世のような文明に思えても、その実一巡した科学文明を有する者たちだ。竹料理と見えても、実際には食べたことのない美味なる味がする。
それに竹細工一つとってもそうだ。
子供らが遊んでいた竹とんぼですら、高性能なドローンと同じである。一度空に飛び立てば、竹とんぼかな?! となる機動力を魅せたりもする。
そんな中で子供らの興味はミルドレッドの持つサーフボードに集中するだろう。
「気になりますか?」
こくこくと頷く子供ら。
なら、とミルドレッドは食後の運動とばかりにサーフボードに飛び乗り、子供らを背負ったり抱っこしたり、おんぶしたりしながら一気に空へと舞い上がる。
子供らはあまりに高さにミルドレッドにしがみついてしまうが、それさえも彼女にとっては良い体幹トレーニングであった。
「しっかり掴まっていてくださいね。そうそう、上手ですよ」
ミルドレッドは微笑みながら子供らと共に空を飛ぶ。
歓声が聞こえる。
穏やかな時間だと彼女は思っただろう。自分が守るべきは、やはりこうした小さく幼い生命であると自覚できただろう。
今回、隕石から……いや、オブリビオンから彼らを守れたことは幸いであった。
宇宙騎士としての誇りが守られたことよりも、彼らの笑顔を見られたことがもっとも喜ばしいこと。
『ライスメキアMMM世』が到着し、空を見上げている。
そこには宇宙騎士たるミルドレッドが、守るべきものを守り、その誇りと責務をもって空をかける姿があった。
「少しスピードを上げましょうか。行きますよ、X-Gladius!」
宙を切り裂く紅き流星(レッド・シューティングスター)は、守られた空を疾駆する――。
大成功
🔵🔵🔵
大町・詩乃
これでお仕事完了ですね。
スペースオペラワールドの事はほとんど知らないので、今後に備えて見聞を広めましょう。
のんびりまったりと散策してみます。
植物がすくすくと育っている良い星ですね~♪
竹は生命力強いからこんなに生い茂っているのかな。
パンダがいれば大喜びしそうですね。
不思議な感じですが、竹がこの星原産で人々が後から植民したなら、この風景も不思議ではないのでしょう。
ライスメキアさんや人々とほんわか話して、普段の生活について教えて貰ったり、この世界の品物に触れて便利さというか不思議さに驚いたり。
同じ猫ちゃん好きとして、猫ちゃん話で盛り上がったりして和気藹々と過ごしていくのでした。
なごみますね~♪
「これでお仕事完了ですね」
砕けていく隕石をみやりながら、大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)は頷く。
散り散りになって『惑星バブ』の大気圏にて燃え尽きていく隕石は、流星と変わる。きっと地上からそれを見上げている者たちは流星となったそれに願いを託すことだろう。
例え、それが悪意に満ちた策謀であったのだとしても、打ち砕かれたそれは希望に満ちたなにかに変わっていく。
猟兵としての戦いは、いつだってそういうものだと詩乃は思ったことだろう。
「後はご報告しておしまいですね……とは言え、スペースオペラワールドのことは殆ど知らないので、今後に備えて見聞を広めたいところです」
彼女は『惑星バブ』に降り立つ。
大気の状態はUDCアースと代わりないように思える。
ただ、植生がが異なるようである。この『惑星バブ』はその名の通り、あちこちに竹林が存在している。
植物がすくすくと育っている良い星であると彼女は思っただろう。
「竹は生命力が強いからこんなに生い茂っているのでしょうね」
詩乃はゆっくりと惑星の土に一歩を踏み出す。
パンダがいれば大喜びしそうな環境だな、と思っただろう。逆にこの惑星の住人たちは、こうした竹林があるからこそ、穏やかな気質のものが多いのかも知れない。
しかし、不思議でもあるのだ。
科学文明が一巡するほどに発展しているとは言え、竹林ばかりがあり、また直ぐ側にある市街地は中世のような様相を見せている。
向こうに見えるのは石造りの城だろうか?
「まるで封神武侠界とアックス&ウィザーズが一緒になったみたいな惑星ですね。でも、竹がこの惑星原産で人々が後から入植したなら、この風景も不思議ではないのでしょう」
どちらが先であったのかは最早知りようがないのかもしれない。
それほどまでにスペースオペラワールドの歴史は膨大なものであったはずだ。それこそ、この無限に広がる大宇宙のように人の身で知りようのない事実もあるのかもしれない。
そんなふうに詩乃が惑星の見聞を広めようと街道を歩いていると、向こう側から一人の女性が歩いてくる。
彼女のやんごとなき雰囲気に詩乃は、すぐにこの惑星の統治者である『ライスメキアMMM世』であることに気がついただろう。
「貴方が此度の隕石騒動を治めてくださった伝説の猟兵のお一人……私は『ライスメキアMMM世』。この惑星の統治を任されているものです。今回のこと、深くお礼申し上げます」
そのうやうやしく頭を下げる態度に詩乃は驚いたかも知れない。
惑星一つを救ったとは言え、統治者である彼女がこうも簡単に頭を下げるとは思っていなかったのかも知れない。
けれど、彼女の態度は柔らかなそれであった。
皇女、と呼ばれて身分をひけらかすこともなく、ただ統治者としてすべきことをしている、そんなふうに思えただろう。
この惑星に流れる雰囲気の一つに彼女の別け隔てのない性格が影響を与えていることはまちがいなかった。
「いいえ。この惑星に訪れたのは初めてですから。どうか普段の生活を教えていただけませんか?」
詩乃も柔らかく微笑む。
普段の生活やこの世界の品物のことを彼女は知りたいのだ。
『ライスメキアMMM世』に連れられて詩乃は市街地を歩き、城へと招かれる。
お茶会、と言ってもいいだろう。
中世のような雰囲気を持っていても、そこにあるのは進んだ科学文明の一端であった。
自動的に出てくる飲料や食べ物。
何処を見ても、高度に発展しすぎて一瞬それとは気が付かぬものばかりである。
「詩乃様も猫ちゃんお好きですか?」
「ええ、とても。あのマイペースで、のんびりしたのがとても気に入っています。私が管理を任されている神社にも来てくれる子がいて……」
二人は同じ猫好きとして会話が盛り上がっていく。
穏やかな時間だ。
この時間をこそオブリビオンは破壊しようとしていた。守れてよかった、という安堵と和気藹々とした雰囲気を楽しむことができたという喜びが詩乃の心の中を占めていく。
「なごみますね~♪」
竹の香りが香るカップで頂くお茶は、詩乃の心を解きほぐしていく。
猟兵として戦いばかりの毎日ではあるけれど。
それでも、その戦いが守ったものが彼女の心を癒やしてくれる。そう思えば、彼女はこれからも、そして明日も。力の限り戦う事ができるだろう。
新たな世界を知って尚、それでも時は待ってはくれない。
前に進み続ける。
この『惑星バブ』の穏やかな日常を守りたいと詩乃は強く思い、『ライスメキアMMM世』とのお茶会は終始穏やかであったことに喜びを見出すのであった――。
大成功
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