にゃんにゃんメテオの襲撃
●ネコがせめてきたぞっ
無限ともいえる宇宙空間。その中を一直線に飛ぶのは一つの巨大な隕石!
隕石が向かう先はとある惑星。今まさに落下をしようと狙いを定めて急接近している最中だ。しかし、隕石も自らの意思で落下したい訳ではない。『外部の誰か』に支配され、機動を操られているのだ。これには隕石も遺憾の意である。
「行くわよネコちゃんたち。もうすぐあなたの大っ嫌いな星が木っ端微塵になるわよ」
「ニ゛ャアアァァァン……!」
隕石の周囲にいるのは巨大な宇宙猫の大群と華奢な人型の女。ロケットボードの上に乗った女は背中から生える触手で宇宙猫たちを指揮する。宇宙猫たちは身体を伸ばして隕石を守るようにぐるぐると巻き付く。
「フシャアアァァァ……!」
宇宙猫たちが心底嫌そうに惑星を見つめる。その惑星に親でも殺されたかのように、恨めしそうに睨む。
「もう、そんなに怒らないの。あとでうちゅ~るあげるから」
「ゴロゴロゴロ……」
女は苦笑いをしながら、近くにいた宇宙猫の喉元をよしよし撫でてやった。鋭い目つきが秒の速さで消える。
なんてのどかな光景だろうか。巨大な隕石さえなければよくある宇宙の光景だったのに。
「さーて、どれだけの爆発が起こるのかしら。今から楽しみだわ」
女、スペース・ジェノサイダーはそんな穏やかな人物ではない。
「ネコちゃんたちに害悪なものは、この宇宙にはいらないものね!」
彼女らの狙う忌まわしき惑星。その名は『みかんみかん|星《せい》』。
柑橘類の香りを漂わせる、甘酸っぱいオレンジ色の星。
つまり――ネコの天敵だ。
●もちの情報
『スペースオペラワールド』。スペースシップワールドのさらに外側に広がる、新しい宇宙世界。
「ウチュウって広いんだねー!」
グリモアベースにて希那古・もち(|あまり賢くない動物《わんわんわんわんわんわん》・f24531)がぐるぐる回る。新しい世界の情報にわくわくしているようだ。
「あ、でも喜んでる場合じゃなかったんだ。さっそく助けに行ってほしいところがあるの!」
もちは猟兵たちに事件の説明を始める。映像として映し出したのは、真っ暗な宇宙にぽつんと浮かぶオレンジ色の惑星だ。
「ここは『みかんみかん星』っていう星で、ここで育ったお肉とかお野菜とかは、全部すっぱいものになるんだって! それが有名なんだって!」
果実は勿論、あらゆる食べ物が柑橘類に似た味となるらしい。ただすっぱいだけでなく、甘みや苦みを含んだものもあり、それぞれしっかり別モノとして味わうことができるようだ。
「そんな星を壊そうとしてる宇宙人がいるの! 隕石をぶつけて、バーン! って!」
みかんみかん星を極度に嫌い、宇宙から消し去ろうとする謎の集団。その集団は隕石を誘導させ、惑星に落下させようとしているのだ。
「もちろん、犯人はオブリビオンだよ! おーっきなネコさんの宇宙人! それがいっぱい!」
オブリビオンの運ぶ隕石を止める事は誰もできない。ましてや普通の宇宙人ではオブリビオンに敵わない。
そこで、猟兵の出番という訳だ。
「みんなで隕石のところまで行って、オブリビオンをやっつけて! そして隕石を壊してほしいの! そしたら、みかんみかん星の人たちもきっと喜んでくれるよ!」
オブリビオンを倒し隕石を止めることができれば、猟兵の名が惑星に知れ渡ることだろう。今はまだ伝説上の存在とされ知名度も低い身分だ。最初の大きな仕事としてうってつけかもしれない。
「その後はきっと、みかんみかん星でお祝いしてくれると思うんだ。よかったらみんなも参加してみてね! おいしいものいっぱいあると思うんだ!」
勝利と平和を祝うパーティーでは、柑橘類の香るステーキ、レモン滴る魚料理、甘いみかんジュースやデザートなど。柑橘類の味だらけの不思議な料理が並ぶことだろう。みかんみかん星の名物は是非楽しみたいところだ。
「街とか国を守るんじゃなくて、星を守っちゃうんだよ。すっごいカッコイイね! みかんみかん星のためにも、どーぞよろしくね!」
そう言ってもちは説明を終えたのだが、ふと独り言を漏らす。
「なんで、おっきなネコさんたちはみかんみかん星を狙ったのかなぁ……みかんキライなのかなぁ……?」
賢い犬も、その理由までは最後まで分かることはなかった。
ののん
お世話になります、ののんです。
●状況
スペースオペラワールドにある惑星「みかんみかん星」とその近辺が舞台となります。
みかんみかん星からほのかに柑橘類の香りがするかもしれません。宇宙なのに。
●戦場について
みかんみかん星に向かう隕石を守るようにオブリビオンが取り囲んでます。
隕石はオブリビオンが強力なバリアを張っているため直接攻撃はできません。彼らを倒さない限り隕石の破壊はできませんので、戦闘に集中していただいて問題ございません。
また、宇宙空間での戦いとなりますが、必ず宇宙服を着るという必要はありません。
皆様は猟兵ですので、それがなくても不思議な猟兵パワーで自由に行動ができます。安心して素敵な宇宙戦闘プレイングをお書きください。
●3章について
無事にみかんみかん星を守れた場合、お祝いパーティーが開催されます。
もしお声掛けがあれば希那古・もち(f24531)もお邪魔します。賢い犬なので何でも食べます。
●プレイングについて
受付はいつでも。『#プレイング受付中』のタグがある間だと採用率は高めです。
キャラ口調ですとリプレイに反映しやすいです。
お友達とご一緒する方はIDを含めた名前の記載、または【(グループ名)】をお願い致します。
同時に投稿して頂けると大変助かります。
ユーベルコードは基本的に【選択したもののみ】描写致します。
以上、皆様のご参加お待ちしております。
第1章 集団戦
『スペースキャット』
|
POW : ニャッ!
単純で重い【ネコパンチ】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : ニャーー!!
【目からビーム】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : フシャーー!!!
【激しい威嚇】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
スペースオペラワールドの宇宙へ辿り着いた猟兵たち。
彼らが現地で見たものは、真っ暗な空間に浮かぶポンカンのような星、そしてそれを破壊しようと進む隕石。そして――巨大な|宇宙猫《スペースキャット》の集団。
「ニャアアァァァ!」
隕石の周りをぐるんぐるんと渦巻く、胴体の伸びた巨大な猫。猟兵の存在にいち早く気付くと目を光らせ、さらにぐんと胴体を伸ばす。
「フシャアアァァァッ!!」
伸びる伸びる。近付けば近付くほど巨大さが増す宇宙猫。まるで高層ビルを見上げているようだ。これはそう簡単に飼い慣らせそうにない。
このままではあのポンカン、いや、みかんみかん星が隕石によってジューシーに爆発してしまう!
柑橘類が宿敵である宇宙猫たちを退けるため、猟兵たちは新たな宇宙へ飛び出した。
神代・凶津
来たぜ、スペースオペラワールドッ!宇宙冒険活劇の始まりだぜッ!
「…みかんみかん星、オレンジ色の綺麗な星ですね。」
だな、相棒。宇宙なのに柑橘類の香りが漂ってくるのは謎だが。
ってか俺達宇宙にいるのに普通に行動できんだな。
「…不思議な猟兵パワーです。」
すげえな猟兵パワー。
先ずはオブリビオンを倒さなきゃいけねえが…何だあのデケエ猫ッ!?しかも目からビーム撃ってきやがるしッ!
見切って回避しながら接近だ。
デカ物にはデカ物だぜ、相棒ッ!
「…鬼面の大霊剣。」
破魔の大霊剣になった俺で相棒が猫をぶった斬ってやるぜッ!
初っぱなから派手にいこうやッ!星は俺達が護るってなッ!
【技能・見切り、破魔】
【アドリブ歓迎】
スペースシップワールドで経験している宇宙空間。とはいえ新しい世界となればまた別。同じ宇宙でも感じるものが違う。
「来たぜ、スペースオペラワールドッ! 宇宙冒険活劇の始まりだぜッ!」
意気揚々と神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)は叫び、彼と共に桜が宇宙を駆ける。視界に映るオレンジ色の惑星に顔を向けると、すんすんと鼻が動く。
「……みかんみかん星、綺麗な星ですね。宇宙なのに良い香りがする気がします」
「だな、相棒。……いや、それ以外にもツッコミどころが色々あるが。なんで宇宙服も着てないのに動けるのかとか」
「……不思議な猟兵パワーです」
「猟兵パワー」
納得いくようないかないような。なんて便利な言葉だ。
「ってか猟兵って相棒じゃなくて俺だよな。すげえな俺」
さて、目標である隕石にも、はっきりと形が分かるほど近付いてきた。巨大な宇宙猫の大群がニャーンと胴体を伸ばしてこちらへ襲い掛かってくる。
「なんだあのデケエ猫ッ!? だが今更デケエ相手に手こずる俺達じゃねぇぜ!」
「ニャニャッ!」
宇宙猫の目がキラリと輝いた。……なにか嫌な予感がする。瞬時にそう感じた凶津は慌てて桜に呼び掛ける。
「避けろ相棒ーーッ!!」
「ニャアァァーー!!」
身体を捩じらせ宇宙に漂う瓦礫を蹴り上げる。自身の軌道を無理矢理変えた途端、目の前が真っ白になった。野太いビームが目の前を通過したのだ。
「――……あっっっぶねぇ死んだかと思ったぜ!! 目からビーム撃ってきやがったッ!」
「……当たったかと思いました」
「大丈夫か相棒! 攻撃パターンは見切ったんだ、次はこっちから仕掛けるぜッ!」
体制を整え直すと、凶津たちは流れゆく瓦礫を次々と蹴り上げ宇宙猫へと接近する。
「ニャニャッ!」
宇宙猫の瞳に光が集まる。どうやらビームを出すより先に声が出てしまうようだ。
「二度目も当たってたまるかよ! 任せたぜ、相棒ッ!!」
「……任されました」
桜が顔から仮面である凶津を外すと、妖刀と共に上空へ放り投げる。凶津から噴き出した霊力の炎が妖刀を包み込み、彼らは融合を果たした。破魔を宿した巨大な刀、『鬼面の大霊剣』へと姿を変えたのだ。
「フニャッ!? ニャアァーッ!!」
二度目のビームは勢いよく発射された。だが、ビームは桜ではなく刀の方へと向かっていく。突然現れた巨大な刀に驚いたことが影響したのだろう。
「この俺を狙うとは好都合! いいぜ、そのままぶった斬ってやるッ!! 初っぱなから派手にいこうやッ!!」
「……いきます!」
桜が全身を使って巨大な刀を軽々と構えると、ビームに向かって刀を横一閃に振るう。桜を避けるように上下に割れるビーム。霊力を宿した斬撃の衝撃波はビームを引き裂きながら突き進み、最後に辿り着いた先は宇宙猫。
「ウニ゛ャ、アァァーーッ!!」
真っ二つに分かれた宇宙猫。やられたことを示す断末魔と共に宇宙で爆発四散した。
「さぁ、俺が寝ちまう前にさっさと来な! 星は俺達が護るってなッ!」
「……可哀想ですが、お覚悟を」
巨大な刀を操る小さな少女が今、宇宙を舞う。
成功
🔵🔵🔴
バロン・ゴウト
みかんみかん星がキライなのは個人の好き嫌いだから仕方ないけど、キライだからって壊すことないのにゃ!
みかんみかん星を壊そうとする猫がいるなら、守る猫もいるのにゃ!
【SPD】
宇宙服を借りて着用し、隕石の所へ向かうのにゃ。
宇宙空間であっても【地形の利用】をしながらうまく動き、敵が攻撃する前に【先制攻撃】で【金色の一閃】を叩き込むのにゃ!
重力のある地でも閃光の如き高速の攻撃、宇宙空間であればそれ以上の高速となるのにゃ!
絡み、アドリブ大歓迎にゃ。
小さな黒猫のケットシー、バロン・ゴウト(夢見る子猫剣士・f03085)が勇敢に宇宙へ参上する。真っ黒な空間にそのまま溶け込んでしまいそうに感じられたが、白い手袋と立派な白髭が自身を思い出させてくれた。
「みかんみかん星、本当に大きなみかんだにゃ! 不思議にゃ!」
改めて間近で見るオレンジ色の星に驚きつつ、そこへ向かってくる隕石にも視線を向ける。あれこそが今回の目標。そしてその目標を取り囲む宇宙猫の大群!
「ニャアアァァン……」
遠くから目視しただけでも分かる圧倒的な巨大さ。短く見える手でペシンとされただけで吹き飛んでしまうかもしれない。だが、そのような危険があると分かったところで引き下がるなど言語道断。
「みかんみかん星を壊そうとする猫がいるなら、守る猫もいるのにゃ! 覚えておくといいにゃ!」
金色のレイピアを引き抜き、きらりと輝かせれば、宇宙猫は胴体を伸ばして威嚇してきたのだった。
「ふふん、猫だから分かるのにゃ。光るものに思わず気を取られちゃうのをにゃ!」
宇宙を流れる瓦礫を蹴りながら右へ左へ、上へ下へ。レイピアを輝かせながらぴょんぴょんと駆け回るバロン。宇宙猫の視線もあちらこちら、バロンを追うように動かす。
「フニャ……」
激しく動かしたせいで、ぐるぐると目が回りそうになる。ぐらりと顔が傾いたところで、宇宙猫は自分の瞳を輝かせる。
「ニ……ニャニャッ!」
「! 今にゃ!」
宇宙猫が攻撃をしそうになったところを見抜き、バロンもレイピアを構える。移動をやめて動きが緩んだその瞬間を宇宙猫が捉えると、光を集中させた目から野太いビームを発射させた。
「ニャアアァァーー!!」
ビームが小さな黒猫を瓦礫と共に飲み込む。いや、宇宙猫にとって小さすぎる生物は瓦礫と変わらない存在と認識しているのかもしれない。その中に同じ姿である猫の種族がいたことなど知っていただろうか。
「ニ……ニャアアァァーーッッ!!?」
ビームを出し終えた宇宙猫が再び叫ぶ。しかしそれは攻撃の掛け声ではない。痛覚による悲鳴だ。
「これこそ宇宙空間の良いところにゃ」
どこからか声がする。正体は勿論、先ほどビームに飲み込まれたはずのバロンだ。
「ボクの技を甘く見ないでほしいにゃ。重力のある地でも閃光の如き高速の攻撃……宇宙空間であればそれ以上の高速となるのにゃ!」
彼はビームに直撃するよりも前に攻撃を仕掛けていた。もはや見えない速さに達した彼の攻撃は数知れず。遅れてやって来た痛覚に宇宙猫は困惑するばかり。
「フニャ、ふにゃ……!」
ぷすぷす、気付けば複数の穴が開いていた巨大な身体。バロンが貫いた場所から空気が抜けるように萎み朽ちていく宇宙猫。
「フニャアーーーッ!!」
最後には何故か爆発をした宇宙猫。突然の現象に驚きを隠せない他の宇宙猫たち。
「みかんみかん星がキライなのは個人の好き嫌いだから仕方ないけど、キライだからって壊すことないのにゃ!」
まだまだこれからだとバロンは意気込み、再び黄金のレイピアと共に宇宙空間へ消え去ったのだった。
成功
🔵🔵🔴
黒木・摩那
ネコが攻めてきたというから、どんなネコかと思ったら、もふなネコじゃないんですね……しかもでかいし。かわいくないですね。
あ、でも胴長なのはちょっといいかも。
ともかくかわいくないネコでオブリビオンならば、叩きのめすのも罪悪感は軽くなるというものです。
ミカンな星を守るためにも力を尽くします。
ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
UC【矢印過流】でねこパンチをスローモーションにしながらも、自分のヨーヨーは倍速にし、【念動力】で軌道を曲げながら、【なぎ払い】でネコを殴ります。
ヨーヨーの質量も重くして【重量攻撃】。一発でケリがつくようにします。
「ニャアアァァン……」
猫だ。確かに宇宙にも猫がいた。みんな大好きネコチャンだ。だがしかし、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は少々がっかりしていた。
「もふなネコじゃないんですね……しかもでかいし」
猫だと聞いたから来てみたものの、もふもふしてないタイプの巨大猫だった。
「胴長なのはちょっといいかもしれませんけど、なんだかゼリーみたいにつるつるしてそうですし、かわいくないですね」
「ニ゛ャーン!!(がーん!!)」
その発言が宇宙猫に大きな心のダメージを与えた。宇宙猫は傷付いた。
「ともかく、かわいくないネコでオブリビオンならば、叩きのめすのも罪悪感は軽くなるというものです。ミカンな星を壊そうとしているくらいですから……そうでしょう?」
見た目も中身も可愛くないぞ、と。追い打ちの言葉に宇宙猫はさらに深く傷ついた。落ち込む宇宙猫と、それを慰める宇宙猫。
「ニャニ゛ャアァァーーッ!!」
とうとう怒った宇宙猫。胴体を伸ばしに伸ばして摩那に襲い掛かってくる。摩那もヨーヨーを構えると、果敢にも自ら宇宙猫の方へ接近をした。
「ニャアッ!!」
「励起。昇圧。空間イメージ展開。操作開始」
宇宙猫が短く見える腕を振るい押し潰そうとしてくる中、摩那は冷静にユーベルコードを詠唱する。上から迫り来る宇宙猫の腕。しかしその速度が突如鈍くなり……。
「……? ヴ、ニャニャ……!?」
宇宙空間のはずなのに重力のようなものを感じる。何もないはずなのにこれ以上腕が進まず反発する。戸惑いながらも力尽くで押し込もうとする宇宙猫。
……動きが少しでも止まった時点で、宇宙猫の敗北は決まったようなものだった。
「そこです」
何かが飛んで来る。宇宙猫が顔を上げようとした瞬間、
「ブニャッッッ!!?」
横から飛んできた流星のような何かが脇腹を抉った。自慢の長い胴体が45度に折れ曲がる。
「イニ゛ャアァァーーッ!!」
あまりの激痛に宇宙猫は泣きながら爆発四散した。流星の正体は勿論、摩那のヨーヨーである。ヨーヨーを手元に戻すと、他の宇宙猫を狙うべくすぐさまヨーヨーを飛ばした。
ユーベルコードによって召喚された、宇宙空間に漂う複数の矢印。その効果を宇宙猫は理解することができるだろうか。いや、理解するよりも前に、彼女のヨーヨーによって撃破されてしまうのだろう。
成功
🔵🔵🔴
榊・ポポ
うわ猫!カカポの天敵ィ!
平和ボケしてたニュージーの同士カカポらをフルボッコにした野良キャット共!
ぶるぶる、ポポちゃんおいしい鳥じゃないYO(マナーモードばりに小刻みにふるえる)
...ってここで引き下がるとでも思ったかバーロー!
ヱアボーでスペースキャットを☆挑発しながら☆ダッシュ移動だー!
猫はうろちょろする奴に反応するからね!
挑発して輪くぐりみたいに移動して、その長い胴体を蝶結びにすっぞ!
最後は☆捨て身の一撃で隕石をスイカ割りすっぞ!
ポポちゃん超☆スケボートリック!スペーススイカ割...ブギョアァ!!
宇宙に猫がいれば鳥もいる。カカポだっている。宇宙では至って普通のことだ。
「うわ猫! カカポの天敵ィ!」
そう、このカカポが言うように小型の鳥類にとって猫とは恐ろしい生き物なのである。
「いやでもあんなサイズだし、こんなか弱いカカポなんてアウトオブ眼中のはず」
「ニャアァァァ」
「アーッそんなことなかっためっちゃ見てる! ぶるぶる、ポポちゃんおいしい鳥じゃないYO! 食べたところで小さすぎて味しないYO!」
巨大な宇宙猫に睨まれ携帯端末のように小刻みに震えるカカポ。やはり宇宙でもカカポは弱者のままなのか……!
「ってここで引き下がるとでも思ったかバーロー! こちとら賢い動物じゃい!」
そう、このカカポは普通のカカポなんかではない。榊・ポポ(|デキる事務員《トンチキカカポ》・f29942)は猟兵の力を持った賢いカカポなのだ。
「さーて宇宙進出しちゃったからには大暴れしちゃうからね!」
自前のヱアボーに乗り込み、爆速で宇宙空間を飛び回り始めるポポ。突然動き出した小さなものに、宇宙猫は目を大きく開いて視線で追いかける。
「ニャアァー! シャッ! シャッ!」
獲物に狙いを定めて襲い掛かる宇宙猫。伸びる伸びる、胴体が伸びる。しかし腕は何故か伸びない。あと一歩というところでポポを逃がしてしまう。
「調子良いじゃない今日のヱアボー! オラオラふかすぜ!」
自らエンジン音を発しながら宇宙猫の周りをうろちょろ、ぐるぐる。悔しそうにしながらも諦めず追いかける宇宙猫。
「ヘイヘイ! 話にならないなぁ! それとも目立つように七色に光ってあげましょうかー?」
「ニャアァーッ!!」
「ん?」
挑発された宇宙猫の瞳が輝き始める。今にも何かが発射されそうだ。
「なんかヤバそう!? くお~ここだとぶつかりそう~!! ここでアクセル全開、インド人を右に!」
謎の詠唱を唱えながらヱアボーの速度を上げ右にそれようとする。後ろからは光のパワーを溜めた宇宙猫の顔がじわじわと迫っていた。獲物をロックオンした宇宙猫は、光を放つ。
「ニャアァァー! ア゛ッ!!」
攻撃の合図である叫びの直後、苦しそうな悲鳴が響いた。目から発射されたビームはあらぬ方向へと飛んでいく。振り向いたポポは宇宙猫を見るなり高笑いを見せ付けた。
「……ッハ! 可愛いポポちゃんの虜になってたみたいだな! 感謝すっぞ!」
そう、ポポは賢い動物である。ただただ逃げてた訳ではない。宇宙猫の胴体を見事な蝶結びに仕立て上げてやったのだ。身体が絡まった宇宙猫は苦しくて動くことができない!
「さぁ終わりだー! ポポちゃん超☆スケボートリック!」
ヱアボーの加速を上げながら宇宙猫に突っ込むポポ。宇宙を漂う瓦礫をジャンプ台代わりにすれば、ギュルンと回転技を決め――
「ブギョアァ!!」
――られなかった。バグったかのように荒ぶりながら宇宙猫に文字通り突っ込んでいった。ヱアボーとポポの荒ぶる体当たりが宇宙猫に4HITする。
――知ってるか? この技、4回当たると死ぬんだぜ。
「ア゛ニ゛ャーーッッ!!?」
宇宙猫は爆発四散した。
成功
🔵🔵🔴
白斑・物九郎
●SPD
宇宙猫だァ?
マジで居るモンなんですわな……
ま、ともあれ――オブリビオンの仕業だってんなら狩るだけですわ
待ってろ者共
ワイルドハントの始まりっスよ
●高度な頭脳プレー
・【ビーストドライブⅢ(化術)】発動、自分も自分ででっかい宇宙の猫になる
・「スペースキャットの一員っスよ?」みたいなツラして、自分も隕石の周りをぐるぐる回る
・なんか怪しまれたなら【野生の勘+動物と話】技能でうまいこと疎通を試みる。あっ先輩こんちゃーす自分ココらへんのぐるぐる担当っす
・スペースキャットに協調するフリして、死角から致命的そうな所をしこたまブン殴るか齧るかする(怪力+暴力)
・繰り返して、たっぷり125秒間敵頭数を削る
みかんみかん星。やっとあのくっせぇ星を破壊できる時が来た。この隕石を運ぶのにも正直苦労した。あとはこのまま隕石を突っ込ませるだけだ。
運ぶ道中も何度か邪魔が入ったけど、まぁ大したことはなかった。何せオブリビオンという宇宙最強の力を持っているんだから。生前よりもピンピンしてる気がする。
ただまぁ、ここまで運ぶのに一日分のご褒美がうちゅ~る一本なのはちょっと不満なんだよな。そうだよな、そこのお前。
「え、あーそっすね、シケてますね」
あれ? お前いたっけ。
「あっ、こんちゃーす。つい先日合流させてもらった新人っす。ココらへんのぐるぐる担当になった者っす」
あ、そうなんだ。ご丁寧にどうも。上の方のぐるぐる担当だ。よろしく。
「よろしくっす先輩。どうもお疲れの様子っすね」
旅も長かったんでね。まぁもうすぐ終わるからいいんだけど。ほんと、この空間キツいんだわ。
「明らかに原因はあの星っすね。確かにこの辺り、すっぱい匂いがするっす」
だろう? 宇宙でも臭うとかマジ害悪すぎるんだよ。猫避けにもほどがある。だから宇宙中の猫の為にも壊さなきゃいけないんだって。
「それは……よくないっすね。色々と」
そうそう、あれは酷い星なんだ。おっと、上の方の人員が減ったか? 場所でも変えたんだろうか……ちょっとぐるぐるしてくるぜ。
「ウッス、ぐるぐるいってらっしゃいっす」
「ところで先輩」
どうしたしん……え?
「星を壊すっていうのは誰に許可取ったっすか?」
し、新人、お前……! 俺の腹部に何を……っ!
「邪魔してきた奴らをどれだけ葬ったんです?」
い、痛い! 痛い痛い! なんだその腕は! お前は誰だ!
「さァて、誰っすかね。少なくとも先輩よりは強い生き物っす」
痛い痛い! 爪が、刺さって……!
「俺めは――オブリビオンの仕業だってんなら狩るだけ。そういう存在ですわ」
やめッ……!
「ニ゛ャアァァーーッ!!」
急所を何度も突き刺され、引き裂かれた宇宙猫の断末魔。最後には身体が爆発して消え去っていった。
「はぁ、宇宙猫なんてマジで居るモンなんですわな……」
禍々しい腕を持つ宇宙猫がそう呟くと、ぼんっ、と煙に包まれる。煙の中から飛び出したのは、キマイラという小さな身体の種族。
「ワイルドハントはまだ始まったばっかりっすよ」
白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)は次の獲物を捕らえるとすぐさま近付き、宇宙猫ならぬ、宇宙魔獣ネコマタへと変化し、隕石を守る宇宙猫へと近付くのだった。
大成功
🔵🔵🔵
フォー・トラン
新調したばかりの宇宙服を着込んで戦場へゴー!
柑橘類が嫌いみたいなのでユーベルコード【偽造魔法】で100立方メートルの巨大ニセみかんを作り出して宇宙区間へ浮かべて囮にしよう。いわゆる[陽動]作戦だ。
猫がみかんに夢中になっている間に肉薄、体表にノミみたいに取り付いて[電撃]魔法で攻撃するぞ。
自分の身体を目掛けてビームを発射するようなら、視線に入らない位置、後頭部へ避難しつつ攻撃を続行だ。
よう、きょうだい。
キミらに美味しいプレゼントがあるんだ。
真っ暗な宇宙を駆ける隕石。それを守る宇宙猫たち。目標はみかんみかん星の破壊。苦手としているあのすっぱい臭いを宇宙から消し去るため、あのオレンジ色の……。
「……???」
オレンジ色のみかんの形をした星が……二つ?
宇宙猫たちは混乱した。みかんみかん星とは二つも惑星があったものだったかと。よく見れば少し違う気もするが、どちらが目標としていた星なのか思い出せない。
「ニャ……?」
「フシャァ……」
「フシャーッ!」
鼻とヒゲをすんすんと動かし、嫌いな臭いの強い方へ牙を向ける。みかんみかん星へ向かって胴体を伸ばし伸ばして突き進む宇宙猫たち。忌まわしきみかんみかん星も徐々に近付いていくにつれて大きく……。
「……???」
大きくならない。星と呼ぶには小さすぎるような……。
「ニャ……???」
ちょんちょん。星が触れる。遠くにあるから小さいと思っていたが、間違いなく目の前にあるようだ。意味が分からず小さなみかんみかん星を観察する宇宙猫たち。
勿論、これはみかんみかん星ではない。ましてや惑星でもない。
「フニャガガガッ!!」
突如、一匹の宇宙猫が悲鳴を上げた。ピカピカと全身を発光させながらビリビリと電撃を浴びていたのだ。雷でも落ちてきたのだろうか? いや、ここは宇宙空間である。
やがて宇宙猫は爆発四散した。突然の出来事に周りの宇宙猫たちが困惑する。
「よう、きょうだい」
ふと、どこからかそんな声が聞こえてきた。皆が一斉に一匹の宇宙猫へと顔を向ける。注目された宇宙猫はオロオロと周囲を見渡す。
「どうだったかな、良いプレゼントだっただろう。少し大きさは変えているが、そいつが本物のみかんってやつだ」
宇宙猫にしがみ付く小さな生き物。それが声の主、フォー・トラン(精霊術士・f12608)だった。宇宙猫たちが近付きちょんちょんしていたものはみかんみかん星ではなく、偽造魔法による『本物のみかん』だったらしい。
「食わず嫌いせずに食べてみればいいのに。まぁ……それも無理だろうな」
「ニャニャッ! ニャアァーッ!!」
「おおっと!」
フォーを排除しようと宇宙猫が瞳に光を集中させ、ビームを発射した。しかしフォーは宇宙猫の身体へしがみ付いている。駆け上げるように宇宙猫の頭部へと走りビームを避ける。避けるとどうなるのか? そう、宇宙猫に直撃する。
「ア゛ニ゛ャーーッ!!」
仲間からの攻撃を受けて悲しそうに叫ぶ宇宙猫。彼(あるいは彼女)もまた再び爆発四散するのだった。
「これだけ近ければ仕方がないよな。仲間の攻撃でやられるのと、あたしの電撃でやられるのと。……はたしてどっちが多いのやら」
爆風を利用して他の宇宙猫の身体へ飛び移り、フォーはにやりと笑う。両手には今か今かと放電を待つ電撃がバチバチと溢れ出ていた。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎
ふむ、ここが外宇宙、ということか。
しかして、やることは変わらぬ。いくぞ、霹靂。
…猫は蜜柑が苦手であったな、そういえば…。
霹靂に騎乗しての戦闘であるか。
宇宙空間であるが…ようするに、空よりももっと広い空間ということよな。
さて、新しく作ったUCを奮うにはよき相手たちよな!というわけで、存分に奮おうぞ。
この星を砕かせるわけにはいかんから…わりと近場で飛ぶ感じになるか。
※
霹靂「クエッ!クエー?」
初めての宇宙空間!なのに、自由自在に動けて不思議だな?
空中機動で、攻撃は避けていく!
舞台が何処であろうが行うことは何も変わらない。例えそれが宇宙空間であろうとも。
「クエッ! クエー?」
「そうか、お前は初めての宇宙であったな」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)はヒポグリフの霹靂を撫でる。足場のない真っ暗な空間の中、不思議そうに足をバタつかせたり周囲をキョロキョロと見渡す。
「ク、クエーッ!?」
霹靂が驚いて声を上げる。それもそのはず、果物に瓜二つのみかんみかん星、そして隕石と巨大猫の群れ。一体どのような状況なのか、一度見ただけでは把握できないことだろう。
「猫は蜜柑が苦手であったな、そういえば……。霹靂はどうかな」
「クエッ!」
「そうか。あの蜜柑を嫌う猫を成敗するぞ。何、空よりももっと広い空間だと思って、思う存分飛ぶと良い」
そう励まし、義透は霹靂の背中へ飛び乗る。
「いくぞ、霹靂」
「クエッ!」
翼を広げ、霹靂は飛び立つ。星を破壊せんとする宇宙猫たちの元へ向かって。
「ニャアァァン……」
隕石を守る巨大な宇宙猫が猟兵の存在に気付くと、胴体を伸ばしに伸ばして義透たちの元へと接近してきた。搗きたての餅を彷彿とさせるその姿、敵ながら天晴である。
しかし宇宙の神秘をのんびりと感じている時間はない。宇宙猫はこちらをはたき落そうと、短く見える腕でネコパンチを繰り出してきた。
「避けられるか霹靂。そこの瓦礫を利用しても構わん」
「クエックエッ!」
「ニャッ!? シャァーッ!」
流れてきた瓦礫を思い切り蹴り上げ速度を上げると、霹靂は宇宙猫の腕を滑空するようにするりと抜けてみせた。小賢しい! と言わんばかりに宇宙猫は両腕をぶんぶん振り回し義透たちを狙うが、あちこち飛び回る小さな標的はなかなか当たらない。
「さて、反撃といこうか。これを試すには丁度良い相手よな――霹靂」
黒燭炎を構え、矛先を宇宙猫へと向ける。義透の合図と共に霹靂が宇宙猫に向かって真っすぐと突き進む。狙うは腹部。
「四領域・焔極開放……貫け」
黒の槍から溢れる炎。螺旋状に噴き出した炎が義透たちを包み込む。紅き流星が軌跡を残しながら宇宙猫の腹部を撃ち抜き、貫く。
燃え盛る傷口。そこから瞬時に全身へ広がっていく様子はまるで炎上する城のようだ。
「フニ゛ャアーーッ!!」
炎の中で最後の叫びを響かせると、宇宙猫は豪快に爆発し消え去った。
ちりちりと宇宙に舞う火の粉。他の宇宙猫たちは恐れおののき、しゅんと耳を垂れ下げながら逃げていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『スペース・ジェノサイダー』
|
POW : ジェノサイダー・テンタクル
【背中から伸びる触手】で触れた敵に、【虐殺振動波】による内部破壊ダメージを与える。
SPD : ジェノサイド・スクワッド
【宇宙空間もしくは戦場となっている惑星】の龍脈から1〜12体の【虐殺宇宙怪獣】を召喚し、【ジェノサイダー光線】で戦わせる。[ジェノサイダー光線]の威力は召喚数分の1に減衰する。
WIZ : ジェノサイド・テレキネシス
自身の【虐殺念力】を籠めた【背中から伸びる触手】を用い、通常移動と同速度で地中を掘り進む事ができる。装甲破壊にも使用可能。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「ミャーン! しょぼぼ……」
宇宙猫たちは猟兵たちの力に圧倒された。勝てないと本能的に悟った途端、一目散に隕石から離れて逃げていった。耳をたたみ、胴体を伸ばしながら悲しそうに宇宙の彼方へ消えていく。
「ちょ、ちょっとネコちゃんたち! どこ行くの!」
隕石から宇宙猫がいなくなったかと思えば、そこに残っていたのは人間サイズの宇宙人。ロケットボードに乗って宇宙猫に呼び掛けようとしたが、宇宙でも猫の逃げ足は非常に速かった。
「あなたたちね? ネコちゃんたちをいじめたのは。なんて可哀想に……動物に危害を加えるなんて酷い人たち!」
女は猟兵たちを見るなり憤りを見せた。どうやら彼女が今回の主犯者のようだ。
「あのみかんみかん星はネコちゃんの嫌いなものの塊。つまり存在自体が悪なの。だから排除するべきでしょ?」
どうやら彼女は重度の猫好きのようだ。それも……あまり良くない方向性の。
「この隕石を当てるだけなのに、それを邪魔するのね。あなたたちはネコちゃんの敵! そんな人、私が殺してあげる!」
背中の触手を露わにさせ、女、スペース・ジェノサイダーは猟兵たちと睨み合う。
「宇宙動物愛護団体の一員である私が許さないわ。ネコちゃんの住みやすい宇宙のために、死になさい!」
馬県・義透
相当ダメな猫好きであるな。
それに抗議したいのが一匹…いや、二匹。
というわけで、UC使用。
陰海月「ぷっきゅ!」
ヒポグリフライダー・陰海月!
…宇宙パワーを受けた陰海月体内のメガリスで、陰海月語を翻訳します…
むー、猫ちゃんがみかんみかん星が嫌いだからって、破壊するのは違うんだもん!
えっと『ノットフォーミー』?だっけ?それ!!
僕は蜜柑好きだし!
というわけで、僕は四天霊障(極彩色化)で圧をかけたり、光珠作ってぽいぽいしたり!
霹靂が避けてくれるから、僕はこっちに集中できるんだ!
※
霹靂「クエ」
友は今日も元気に光っている。
さっきので具合を突かんだので、見切って空中機動で避けていく。
羽結界も念のために張ってる。
スペース・ジェノサイダーは複数の触手を鞭のように動かす。愛するネコちゃんを攻撃された上に計画をも邪魔しようとしてくる相手なのだから、イラついて当然だろう。
「……?」
そんな彼女の中に一つの疑問が生まれていた。先まであの団体の中に初老の男がいたはずなのだが見当たらないのだ。というかあんな……あんな目立つ奴いたっけ……?
「ぷっきゅ!」
1680万色に輝きながらヒポグリフに騎乗している巨大クラゲがこちらへ向かってくる。そんなの誰だってビビる!
「ぷっきゅ!(むー、猫ちゃんがみかんみかん星のこと嫌いだからって、破壊するのは違うんだもん!)」
その正体は陰海月と合体を果たした馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)なのだが、陰海月の意思が優先されているようだ。広大な宇宙パワーを受けたことにより陰海月の言ってることも何となく分かるようになっている。これなら宇宙生物として十分にやっていけそうだ。
「ぷっきゅ!(僕は蜜柑好き! そしてあれは蜜柑じゃなくて、誰かが大勢住んでる星! だから阻止するよ!)」
「な、なによ! ネコちゃんの嫌いなものを生成する原住民も同罪に決まってるでしょ! 責任取って全員死刑よ!」
スペース・ジェノサイダーは触手を束ねて陰海月へ立ち向かう。虐殺念力のオーラが螺旋状となり、束ねた触手の先端をドリルのように動かす。何もかもを貫きそうな勢いだ。
「ぷっきゅ!(いくよ!)」
「クエ!」
霹靂が速度を上げ気持ち良さそうに飛ぶ。宇宙飛行をマスターしたのか先の戦闘よりも動きが慣れている。陰海月は彼の背中で立ち上がると、
「ぷっきゅ!(喰らえっ!)」
ゲーミング色に輝かせていた体をさらに発光させた。爆発するようにフラッシュした1680万色。そんな光をモロに見てしまえば大抵の生物は目が眩むだろう。
「やだっ! 目が! 頭もクラクラする……っ!」
視覚を奪われたスペース・ジェノサイダーが攻撃の軌道をぐらりと狂わせる。陰海月を貫くはずだった触手は霹靂によってひらりとかわされてしまった。
「ぷっきゅ!(ありがとう霹靂! 次はこれだ! ぽいぽーい!)」
陰海月は自らの触手に力を込めると、光り輝く光珠、ゲーミングボールを作り出す。撃ち出すようにゲーミングボールを勢いよく投げ付けると、相手を追尾するようにボールが宇宙空間を駆け巡る。動きが鈍っているスペース・ジェノサイダーに直撃するのも時間の問題であった。
「いや、やめてっ! キャーッ!!」
悲鳴とともに爆発するゲーミングボール。その爆風もやはり非常に派手な色合いであった。みかんみかん星にもそれは見えただろうか……。
成功
🔵🔵🔴
バロン・ゴウト
宇宙猫さん達をけしかけたのはそっちなのに何言ってるのにゃ!
みかんみかん星で暮らしている人達も大勢いる以上、それを破壊しようとすれば守るための戦いが行われるのは当たり前にゃ。
本当に宇宙猫さん達が大切なら、唆すようなことはしないはずなのにゃ!
【POW】
【オーラ防御】で身を守りつつ、【地形の利用】をして瓦礫を蹴りながら高速で動き、【フェイント】を織り交ぜながら動いて敵を惑わすのにゃ。
敵の死角を突いたら小さな瓦礫を【吹き飛ばし】、敵の体制が崩れたところに【必殺肉球パンチ!】を叩き込むのにゃ!
絡み、アドリブ大歓迎にゃ。
猫を愛する(自称)宇宙動物愛護団体の一員だというスペース・ジェノサイダー。しかし彼女は本当に愛猫家なのだろうか。彼の姿を見ても何も感じないのだろうか。
「宇宙猫さんたちをけしかけたのはそっちなのに、何言ってるのにゃ!」
勇敢な猫、バロン・ゴウト(夢見る子猫剣士・f03085)がスペース・ジェノサイダーへ訴える。
「みかんみかん星で暮らしている人達も大勢いる以上、それを破壊しようとすれば守るための戦いが行われるのは当たり前にゃ。本当に宇宙猫さん達が大切なら、唆すようなことはしないはずなのにゃ!」
「何よ、人を悪人みたいに。私は善意でやってるの! あなたも同じネコちゃんなら、いずれ分かるはずだわ!」
「みかんみかん星をどうにかしたいのなら、他にも方法はあったはずにゃ。数ある中で星の破壊を選ぶなんて、絶対に間違ってるのにゃ!」
確かに宇宙にまで漂う匂いは、猫にとっては嫌なものかもしれない。それでもみかんみかん星には様々な文化、生物が生きているのだ。
「それに、オブリビオンは見逃せないのにゃ。だからボクたちが止めるのにゃ!」
「……あなた、もしかして本物の|猟兵《イェーガー》? そうだとするならお初にお目にかかるわ」
猟兵。噂程度でしか聞いたことのなかった伝説の存在。自ら口に出したその単語に、彼女はじわじわと興味が湧いてきたようだ。
「ネコちゃんたちがやられたのも納得! なら私が仇を討つまで!」
スペース・ジェノサイダーがロケットボードを加速させて触手を鞭のように振るう。進行を邪魔する瓦礫を触手で叩けば、瓦礫は内部から爆発を起こした。物理ではなく振動波による攻撃のようだ。
「ボクの素早さをナメたら駄目なのにゃ!」
小さな体であっても今までの経験が勇気を与えてくれる。バロンは恐れをなさず勇敢に立ち向かっていった。次々と瓦礫を蹴り、スペース・ジェノサイダーとの距離を縮めていく。彼女の触手が振り下ろされた時、そこには既にバロンの姿はなく瓦礫を破壊するだけに終わる。
「あなた小賢しいわ……うっ!」
苛立ったスペース・ジェノサイダーに突如当たる複数の小さな瓦礫。ロケットボードが揺れ、腕で顔を覆いながら瓦礫を触手で弾く。そう、その一瞬が彼女の勝敗を分けるとも知らずに。
「今にゃ! ボクのパンチを食らうのにゃ!」
いつの間にか相手の背後へ回り込んでいたバロン。レイピアを構えないまま突っ込んでいくと、ユーベルコードによって強化されたピンクの肉球を思い切り叩き付けた。
ぷにぷには……残念ながらしていなかった。重圧感が強化された正義の肉球パンチはスペース・ジェノサイダーをロケットボードごと叩き、吹き飛ばしたのだった。
「うっ……!♥」
大きなダメージを与えられたにも関わらず、彼女の悲鳴には少しだけ幸福感も含まれていた。
成功
🔵🔵🔴
白斑・物九郎
●SPD
呼びゃ出て来る俺めのサイキックキャバリア『ストームライダー』に乗って出陣しますでよ(操縦+推力移動)
テメーがこのヘン荒そうとしてる悪の宇宙人っスか
こちとら猫キマイラで猫型キャバリア乗りですけども、なんか言いてえコトありますかよ?
・【野性の勘】で周囲全周を網羅
・虐殺宇宙怪獣の出現位置、ジェノサイダー光線の射線を予期し抜きながら、こちらも戦場全体に亘る【ストームドライブ】を撃ち返し対抗
・持続回復で【継戦能力】をキープしながら、全方位稲妻で【蹂躙】せん
――取り分け俺めから言いてえコトはただ一ツ
『うちゅ~る』とやら俺めに寄越しなさいや!!!
テメー倒しゃ手に入るんスか!?
(【狩猟】本能全開の目)
「テメーがこのヘン荒そうとしてる悪の宇宙人っスか」
白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)の呼び方に、スペース・ジェノサイダーは不満げだ。
「悪の宇宙人はあなたたちでしょう? でもまぁ、お互いの正義がぶつかってるとも言うのかしらね」
「綺麗な言葉で片付ける気です? 反吐が出るっすわ」
あくまで自分の行動は善意であると言い張るのだろうか。だとしても間違っている。それもオブリビオンであるからこそ、余計にそう感じられるのだろう。
「こちとら猫キマイラで猫型キャバリア乗りですけども、なんか言いてえコトありますかよ?」
物九郎が乗り込んだキャバリアは人型ではなく四脚の獣型キャバリア。そして彼自身は先ほどまで巨大な猫と化し、隕石をぐるぐるしていた。これはもう立派な宇宙猫と呼んでも過言ではない。
しかしスペース・ジェノサイダーは納得する気はないようだ。
「噂の|猟兵《イェーガー》なら苦手なものを克服していてもおかしくないわよね。私は普通のネコちゃんのために行動してあげてるだけよ」
そんな上から目線の発言をしながら、彼女はパチンと指を鳴らす。宇宙空間の龍脈から何かを呼び出すようだ。
「来なさい、宇宙怪獣ニャン・ニャンボー!」
『ニャンボ~~~ゥ……』
彼女の背後から突如現れたのは、この辺りの宇宙では恐れられている恐怖の宇宙怪獣、ニャン・ニャンボー! 猫型巨人が姿を現したのだ!
「へぇ、そう来ますか。なら面倒にならないうちにワイルドハントを始めさせてもらうっス」
宇宙怪獣の数が増えないうちにと、物九郎もユーベルコードを展開させる。宇宙空間であったはずの周囲が突然霞みはじめたかと思えば、ザーザーとモザイク模様の雨嵐が発生する。まるでテレビの中にいたのではないかと錯覚してしまいそうだ。
「こ、これは……? いえ、行きなさいニャンボー!」
『ニャンボ~ウ!!』
スペース・ジェノサイダーからの合図で宇宙怪獣が口からジェノサイダー光線を放つ。しかし物九郎のキャバリアには今一歩届かず逃げられてしまう。それもそのはず、軽やかに動く猫型のキャバリアなのだから、機動力を侮ってはいけない。それに今は宇宙空間ではなく、『彼の空間』だ。
「俺めから言いてえコトはただ一ツ。……テメー倒しゃ手に入るんスか?」
「な、なんのこと!?」
「とぼけるなっス」
周囲がチカチカと発光する。この発光の仕方は――1680万色のゲーミングカラー!
「『うちゅ~る』とやら、俺めに寄越しなさいや!!!」
物九郎の叫びと共鳴するようにモザイク空間から放たれるゲーミング稲妻の嵐。宇宙怪獣もろともスペース・ジェノサイダーが1680万色に輝き痺れる。
「どんなものなんスか! どんな味なんスか! テメー倒せばドロップ確定っスか!?」
『ニャアアアンンンボボボボボウウウ!!??』
「いやああぁぁッ!! 渡してたまるものですかあぁぁッ!!」
拷問の如き雷撃に撃たれながらもなお、彼女はうちゅ~るを死守し続けたという。
成功
🔵🔵🔴
榊・ポポ
ゑー、みかんおいちぃのにー
ミカンの皮の汁を目ん玉にピュッピュすっぞ
うぇへぇ、勝ち抜き虐殺宇宙KAIJUアーケードモードバトルかYO
こんな時はデキるロボ子に乗ってェ!
ポポちゃんセンサーアイの☆野生の勘と☆瞬間思考力で回避してェ!
頭で動かすぞう君の1フレーム単位の的確な☆操縦で、いつの間にか手に持ってるガラスの灰皿鈍器でKAIJUを掴んで殴るッ!
ジェノサイド光線がなんぼのもんじゃい!
目押し☆ジャストガードで撃ち返してスペースジェノサイドにデッドボールじゃー!
普段の仕事のストレスの八つ当たりじゃい!
オラッ、相手になれYO!(灰皿ブンブン)
「ゑー、みかんおいちぃのにー」
キラキラしたお目目で榊・ポポ(|デキる事務員《トンチキカカポ》・f29942)が首を傾げる。これだけだったらただの可愛いカカポだった。
「ミカンの皮の汁を目ん玉にピュッピュすっぞ」
思い知っただろうか、これがポポちゃんである。
「ふん、悪い鳥! ネコちゃんの獲物になっちゃえばいいわ」
「えぇーっ!? お腹壊しちゃうかもしれないのにぃー!?」
「この子なら何でも食べるわよ。宇宙怪獣ニャン・ニャンボー!」
「は?」
素に戻ったポポを差し置きスペース・ジェノサイダーが召喚したのは恐怖の宇宙怪獣ニャン・ニャンボー。猫型巨人が数体、ゆらりと現れた。
『ニャンボ~~~ゥ!』
「うぇへぇ、こんなん聞いてねーYO!」
「これでも立派な虐殺宇宙怪獣よ! さぁ、ワンパンで消し飛びなさい!」
スペース・ジェノサイダーの合図で一羽の小さな鳥に飛び掛かるニャン・ニャンボーたち。ポポちゃんの煽りもここで終わりか。
「ってなるとおもーじゃん?」
そう、ならないのである。
「デキるロボ子と頭で動かすぞう君があれば、あら不思議! これでどうにかなりそうなんですよねぇ!」
どこからか呼び出したサイキックキャバリア『デキるロボ子』に乗り込めばこっちのもの。ワンパンされる心配はなくなったのである。
『ニャンボ~~~ビィ~~ム!!』
ポポを囲んだニャン・ニャンボーたちは一斉に口を開け、ジェノサイダー光線を放つ。絶体絶命! しかしここで焦ったら負けなのである。
「ポポちゃんナメんなよッ! ここで1フレーム単位の技連発してやるから見てろよッ!」
カッと目を見開きながら瞬時に的確な指示を送り、デキるロボ子を操作する。複数飛び交うジェノサイダー光線を見切り、当たり判定のない箇所へ回避、回避、回避を繰り返す。たまに一瞬ワープしてるように見えるときもあるが気のせいだろう。
勿論、回避ばかりを続けているのは逃げ一方に陥っているからではない。
「はいここでジャスガ! ジェノサイダー光線がなんぼのもんじゃい!」
いつの間にか手にしていたガラスの灰皿を盾代わりにすると、なんとジェノサイダー光線のジャストガードを成功させてしまったのだ。いい角度で弾き飛ばしたことで、光線はスペース・ジェノサイダーへ一直線に飛ぶ。
「やだっ! いやーッ!!」
光線がロケットボードに直撃し吹き飛ぶスペース・ジェノサイダー。しかしこの攻撃はまだコンボが続いている。
「ついでに普段の仕事のストレスの八つ当たりじゃい! オラッ、相手になれYO!」
吹き飛んだ先に待っていたのはデキるロボ子。傷一つついていないガラスの灰皿に最大限のストレスを込めながら、スペース・ジェノサイダーの顔面めがけて思い切り振り下ろしてやった。絶対に痛いやつだと確信したニャン・ニャンボーたちは、その光景を見るにも絶えず即行消えていった。
成功
🔵🔵🔴
黒木・摩那
ネコがみかんが嫌いでも、私はみかん嫌いじゃないし。
だから、私はみかんみかん星も守ります。
理由はそれで十分でしょ。
そして、ネコを焚き付けて、みかんみかん星を襲わせたオブリビオン。
あんたが一番悪い!
だからネコもボコボコになって、かわいそうなことになったんです。
理由はそれで十分です。
背中の触手うねうねが気持ち悪い敵には遠距離攻撃です。
引き続きヨーヨー『エクリプス』で戦います。
触手にヨーヨーを絡ませたところで、UC【獅子剛力】を発動。
触手がこちらに来ないように、大車輪で高速回転します。
最後は切り離して、星になってもらいましょう。
「私が戦う理由は二つ」
黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は指を二つ立てながらスペース・ジェノサイダーに伝える。
「一つめ。ネコがみかんが嫌いでも、私はみかん嫌いじゃないし。だから、私はみかんみかん星も守ります。そして二つめ。ネコを焚き付けて、みかんみかん星を襲わせたオブリビオン。あんたが一番悪い!」
守る理由も戦う理由も、それで十分。それ以上でも以下でもない。
「だからネコもボコボコになって、かわいそうなことになったんです。ネコを利用しておいて憤るのなら、最初から呼ばなきゃよかったんですよ」
「ネコちゃんをいじめたのは貴方達が初めてよ。それも|猟兵《イェーガー》とかいう人たちだからできたことなんでしょ? ネコちゃんたちは悪くないわ、危害を加えた貴方達が悪い存在よ!」
あくまで猟兵が悪いと言い張るつもりのようだ。確かにオブリビオンは並大抵の者では太刀打ちできない存在。宇宙猫も例外ではない。
「ま、悪いオブリビオンは倒すのみ。話し合えないのも想定済みなので!」
ヨーヨー『エクリプス』を握り締め、摩那は先に動き出す。スペース・ジェノサイダーも背中の触手をうねらせながら真正面に向かってきた。
「内側から破壊してあげる!」
スペース・ジェノサイダーが突き刺すように触手を束ねて伸ばす。勿論、そんな攻撃はノーサンキューである。
「いえ、うねうねが気持ち悪いので遠慮します」
接触を丁寧に断りながら相手の足元を潜るように避ける摩那。相手と交差するのと同時にヨーヨーを投げ付ける。伸ばした触手と絡み合ったのを確認すれば、そのまま勢いに乗せてぐい、と引っ張りあげる。
「接地、反転。アンカー作動……力場解放!」
「何を、うッッ!?」
絡まった細い糸からは考えられないような、強い力で触手を引っ張られた。思わずぐるんと身体が上下に一回転する。突然の出来事にスペース・ジェノサイダーは油断してしまったのだ。
摩那は自分の体を軸にしたままヨーヨーを振り回す。彼女の周囲で回され続けるスペース・ジェノサイダーは遠心力で近付くどころか動くことすらできない。
「大車輪で行きますよ、観念なさい!」
高速回転の末、最後は絡み付いたヨーヨーと触手を切り離し、浮遊していた瓦礫に思い切り叩き付けてやる。千切れそうな触手、瓦礫が破壊されるほどの激痛。スペース・ジェノサイダーの身体はボロボロだ。
成功
🔵🔵🔴
神代・凶津
何処の世界にも動物愛護団体を名乗る迷惑ヤロウは存在するんだな。本物の動物愛護団体にも迷惑だって分からねえのかよ。
「…自分勝手な理由で星を破壊しようと言う悪逆、見逃せません。」
おうよ、相棒ッ!炎神霊装でぶちのめすぜッ!
「…転身ッ!」
高速飛翔しながら一気に接近して通り抜け様に生成した炎刀でぶった斬ってやるぜ。そのまま連続攻撃だ。その鬱陶しい触手をバラバラにしてやるぜッ!
うお、敵が宇宙怪獣を召喚して光線を放って来やがったッ!?
光線を射線を見切って避けながら炎翼から放つ炎弾で各個撃破していってやる。
存在自体が悪なのはテメエの方だぜ。だから排除してやるよッ!
【技能・空中戦、見切り】
【アドリブ歓迎】
「……自分勝手な理由で星を破壊しようという悪逆、見逃せません」
「そうだそうだ言ってやれ! ったく、何処の世界にも動物愛護団体を名乗る迷惑ヤロウは存在するんだな」
仮面の奥で呟く桜と、それに乗る神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)。やろうとしている規模に違いはあれど、迷惑な人とはどこまでも迷惑な人であるようだ。
「大体よ、仮に星を破壊しちまったら、この辺もっと匂い広がるんじゃね? 匂いの元が散り散りバラバラになるんだからよ」
凶津の言葉にスペース・ジェノサイダーがハッとする。
「……」
確かに、と思ったのかもしれない。
「……いや! そんなことないわ! なくなってしまえばいいんだから!」
「頑固だなあんたも!」
ここまで隕石を運んだのだ。中止するわけにはいかない。何故なら自分の行動理由は間違ってないはずなのだから!
「惑わしてくるなんて、やっぱり|猟兵《イェーガー》は悪い人! ネコちゃんたちの仇よ、来て! 宇宙怪獣ニャン・ニャンボー!」
スペース・ジェノサイダーが怒りのまま宇宙怪獣を呼び出す。彼女の背後から現れたのは恐怖の猫型巨人、ニャン・ニャンボー!
『ニャンボ~~~ゥ!』
「うおッ、またでけえ猫かよ! 仕方ないな相棒ッ! 最後も派手にぶちのめすぜッ!」
「……転身ッ!」
凶津の合図に桜も最後の装いに着替える。『炎神霊装』。炎の翼を生やし、炎を纏う刀を握り締めれば準備も万端。
『ニャンボ~ウ!!』
大きく口を開いたニャン・ニャンボー。そこから発射される野太いジェノサイダー光線!
「うおおお避けろ相棒ぉぉッ!!」
体を回転させながら飛翔し光線から逃れる桜。翼から炎の弾丸を飛ばしながらニャン・ニャンボーの急接近を仕掛ける。ニャン・ニャンボーの周囲を回りながら弾丸を飛ばすことで視界を遮る寸法だ。案の定、相手も標的をしっかり狙えないまま光線を発射している。
「しっかりしてニャン・ニャンボー! 熱い、熱いわっ!」
そんな声もニャン・ニャンボーには届かず。ただただ足元にいるスペース・ジェノサイダーへ炎が降り注ぐ。
「これで終わりだ、排除してやるよッ!」
「……斬るッ!」
仮面と少女の心が一つになる。炎刀を構えた炎の巫女がニャン・ニャンボーの頭上でぴたりと止まったかと思えば、瞬時に急降下した。獄炎の刃が獲物を焦がし、左右へ引き裂いていく。その刃は足元にいたスペース・ジェノサイダーをも通り抜けた。
かちり、と納刀する音がどこか遠くから聞こえる。それが、彼女が最後に耳にした音であった。
「そん、な。なんで……ッ!!」
『ニ゛ャ~~~ンボォ~~~ウ!!!!』
納刀の音と共にニャン・ニャンボーは真っ二つに、スペース・ジェノサイダーは触手もろともバラバラに斬り刻まれた。彼女らは炎に包まれ、ニャン・ニャンボーの大きな悲鳴とともに爆発四散していった。
成功
🔵🔵🔴
第3章 日常
『新宇宙の名物を食べよう!』
|
POW : あつあつの肉?料理を食べよう!
SPD : ぴちぴちの魚?料理を食べよう!
WIZ : シャキシャキの野菜?料理を食べよう!
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
スペース・ジェノサイダーの存在が消え去ったと同時に隕石に変化が生じる。隕石を守っていたバリアは消え去り、みかんみかん星へ向かっていたはずの軌道がずれ始めたのだ。
ボロボロと脆くなっていく隕石。猟兵たちがちょっとした攻撃を与えただけで、隕石は簡単に破壊され消えていくのだった。
こうして猟兵たちの力により、みかんみかん星は破滅を逃れることができた。
星の様子を見に降り立った猟兵たちの元へ、早速みかんみかん星の住民が慌てて駆け付けてくる。
「あ、あ、あなた方ですか、この星を隕石から守ってくださった英雄は……!」
「あわわ、なんということでしょう! 奇跡です!! 感謝しきれません!!」
みかんから剥けた皮が手足のようになっている外見の生物。これがみかんみかん星人なのだろう。彼らは大いに喜び、猟兵たちを快く迎えてくれた。
「なるほど、あの伝説の|猟兵《イェーガー》……! まさか実在するとは夢にも思っておりませんでした!」
その後、みかんみかん星では平和を祝う盛大なパーティーが行われた。勿論主役は猟兵たちだ。みかんみかん星の名物であるくだものや料理がずらりと並んだ会場に招待されてしまったのだ。
「よろしければ遠慮なくお食べください。料理だけでなく、自慢のくだものもどうぞ!」
様々な肉料理、魚料理、サラダ、ケーキ、ジェラート……どれを見てもオレンジ系統の色だ。
くだものとは言わずもがな種類豊富な|柑橘類《みかん》だ。そのまま味わってもいいし、頼んでジュースやアイスにして貰うのもいいだろう。
肉料理や魚料理も柑橘類の香りが漂い、見た目よりもさっぱりして食べやすいものとなっているようだ。甘さ、すっぱさはお好みでオーダーしてみよう。
勿論、みかんみかん星産のうちゅ~るも用意してある。
「我々も突然の危機にパニックになっておりました。猟兵様、本当にありがとうございました」
偉い立場と思われるみかんみかん星人がぺこぺこする中、今回の発端となったオブリビオンの陰謀を伝えてみると。
「なるほど、それは大変失礼なことを……。宇宙に漂う香りは我々の課題でもあります。この惑星も、誕生してからそこまで時間が経っていないのです」
彼が言うに、惑星全体を覆う柑橘類の香りを制御できないほど惑星が幼いため、宇宙空間にまで漏れているとのこと。
……ええと、つまり?
「まだ発展途上の星なのです。だから惑星名を『みかん|みかん星《未完成》』と宇宙登録しております」
みかんみかん星人は、頷きながらそう言った。
白斑・物九郎
『ワイルドハント』、白斑物九郎
俺めのコトは猟団長と呼べ(自己紹介終了)
……って、なんスかどいつもこいつも
生ってる果物が果物なら住人までみかん🍊ですかよ
キマフューで色んなカッコしたキマイラは数見てますけども、なかなかシュールな絵面ですわな、おたくら?
みかん星――未完成?
何ちょっとうまい伏線仕込んで来てるんスか
ちょい膝を打っちまったじゃニャーですか
ンで?香りが周りに漂っちまうって?そんなん無理してアレしようとしねえで『これがウチの名物やぞ!』ってデカいツラしてりゃイイんスよ
ま、なんでもイイですわ
オラッそこのエラそうなみかん
伝説の英雄様からの注文はただ一ツ
うちゅ~るを土産に持たせなさいや(迫真)
みかんの星に降り立ったら住民もみかんだった。一体どこまでみかんみかんしているんだ、この星は。
「キマフューで色んなカッコしたキマイラは数見てますけども、なかなかシュールな絵面ですわな、おたくら?」
動物ではなく植物が混ざった生物は珍しいかもしれない。てか喰われないの? みかんみかん星人の姿に白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)も思わず驚かざるを得ない。
「というか、さっきなんて? みかん星……未完成?」
「はい、みかん|みかん星《未完成》です」
思わず片膝を着いた。いや正直声だけだから分かんないけど、発音的に間違いなく「未完成」で間違いないと思う。
「てか星の名前に未完成っていいんスかそれ」
「未熟故、星自体の問題も多い星ですので……。しかし星の滅亡を招くとは思ってもいませんでした。いつかは立派なみかん星として改名したく……」
「問題って香りが外に漂っちまうことすか? そんな気にする必要ないでしょうよ」
名前にまで反映して自粛しすぎではないか、と物九郎は思ったわけで。
「ンなモン外部が勝手にイチャモンつけるのが悪いに決まってますでしょうが。星が未完成? 完熟するまで待ってろって? そんなん無理してアレしようとしねえで、『これがウチの名物やぞ!』ってデカいツラしてりゃイイんスよ」
生活できるほど文化が発展してるのだから、何も自らマイナスを主張することなんてない。それこそ星の特徴として売り込めばいいのだ。
「そもそも宇宙空間に匂いなんて逆に唯一無二じゃないスか。いい匂いする店には誰だって吸い込まれますわ」
「そ、そうですか? なんと有り難きお言葉……是非みかんみかん星宇宙学会に話題を持ち帰らせていただきます」
みかんみかん星人がぺこぺこする。何かしら動く度に彼らから柑橘類の匂いがする気がする。この星にいる限り、柑橘類からは逃れられないようだ。
「はぁ、ま、なんでもイイですわ」
ずっとここに居たら体に匂いが染み付いて暫く取れなくなりそうだ。間違えてみかんみかん星人を齧ってしまうかもしれない。ツッコミも追い付かないし小腹も空いてきた。
「オイ、エラそうなみかん。数ある料理を用意して貰いましたけどね、この猟団長、伝説の英雄様からの注文はただ一ツ」
そう、これを貰うために来たと言っても過言ではない。あのオブリビオンが死んでもドロップしなかったあの代物。宇宙猫すら魅了したあの食べ物。
「うちゅ~るはあるんでしょうね? うちゅ~るを土産に持たせなさいや」
「なんと、数多の動物(主に猫)を魅了するうちゅ~るに目を付けるとはお目が高い! アマイミカン味うちゅ~る、スッパイミカン味うちゅ~るなど、お好みはありますか? 果汁入りうちゅ~るタワーもありますよ!」
「タワー、だと……全部っス全部。全部美味しくいただきますから俺めによこしなさいな!」
「いいですとも! 猟団長様にうちゅ~る山盛り!」
周囲にいたみかんみかん星人たちが物九郎に渡すため、せっせと動き回りうちゅ~るを集め始める。転がった方が早そうに見える、なんて思いながら物九郎は念願のうちゅ~るを一本手に取り、自らの口に運んだ。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
『侵す者』にて
ふむ、それで『みかんみかん星』か…。
いやしかし、それでも破壊はな。
さて、食べ歩きをするか。二匹とも頑張って、お腹が空いとるようだしな。
何に興味を示すか…と思ったが、ほぼ全部…。うむ、肉料理にしようか。ローストビーフ、に似ておる。
わしも気になっとったし。ふむ、さっぱりしておるのも良いな。
しかし、オレンジ系統の色…とは少々…親近感が沸くな!!
(生前は狼獣人なキマイラだった『侵す者』の生前の色あいは、狼な真の姿を参照願います)
※
陰海月「ぷきゅー♪」
霹靂「クエクエ」
陰海月、フォーク使ってもりもり食べる。量は義透+霹靂くらい(いつものこと)。
霹靂、皿から直接もぐもぐ。友は元気に食べている。
「ぷっきゅ!」
「クエッ! クエッ!」
みかんみかん星に降り立った陰海月と霹靂が楽しそうにはしゃぐ。何もかもが初体験の光景。何より今、目の前には美味しそうな料理がたくさん並んでいる。初体験を味わっているのは馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)も同じではあるのだが。
「二匹とも頑張ったからな。お腹も空いとるだろう、遠慮なく貰おうか。みかんみかん星人は食べるんじゃないぞ」
行っておいで、と二匹を見送り、自分も後からゆっくりと料理を見回る。
「さて、わしも食べ歩きをするか。どれも目移りするが……」
「クエッ」
「どうした、これがいいのか」
義透の袖を咥えて引っ張る霹靂。ちょんちょんと前足で指し示すものを霹靂の代わりに皿に盛っていく。盛っていくのだがその種類は多く……。
「ほぼ全部じゃないか、よく食べるな。いや、あいつ程ではないか……」
何本もの腕をフル活用して料理を片っ端から取っていく陰海月と比べれば可愛いものかもしれない。そんな彼の姿を見てもみかんみかん星人は特に驚いた様子は見せない。ある意味一番宇宙人らしい見た目をしているのと、自分たちも似たようなフォルムをしているからだろう。
「クエクエ……」
「ぷきゅー♪」
料理を取り終えた霹靂は皿に盛られた料理を夢中になって食べ始めた。対して陰海月は器用にフォークを使って料理をモリモリ食べていた。なんと律儀な不思議生物だろうか。尚、見慣れている霹靂はノーリアクションである。
「ふむ、このローストビーフに似たもの。さっぱりして食べやすいな」
しっかり肉であるにも関わらず何枚でも入ってしまいそうだ。これも柑橘類の力なのか、この惑星のものだからこそなのか。
「しかしこの系統の色……とは少々……親近感が沸くな!!」
自身の本来の姿を思い浮かべながら眺めていると、美味しいだけにちょっと複雑な気持ちにもならなくはない。
「みかんみかん星、か。いやしかし、それでも破壊はな」
改めてこの星のことを思い返す。これだけ星独特の環境があるのだから、それを未完成と呼ぶには少々惜しい気がする。みかんみかん星人とこの料理、そして霹靂と陰海月の様子を見ていると、オブリビオンから守れてよかったと感じることには変わりない。今後この星も発展していくことだろう。
「ぷっきゅー♪」
「な、なんですかこの光は!?」
料理に満足した陰海月がここでも1680万色に輝き始めてしまう。みかんみかん星人たちも流石に驚いたが、ハッと一人のみかんみかん星人が閃いてしまう。
「この輝き、あの姿……そうだ、次はあんなみかんが作りたい!」
「七色のみかん……! おぉ、新たな新種のヒントをありがとうございます、みかんの神様!」
おかしな方向に導いてしまった陰海月。煌びやかな未来にみかんみかん星人たちは喜びゲーミングダンスを楽しむパーリーピーポーと化したのだった。
「よかったのだろうか……」
「クエクエ」
発展の貢献になったならいいんじゃないの。料理を食べ続ける霹靂がそう言っているように聞こえた。
大成功
🔵🔵🔵
バロン・ゴウト
わーい、パーティーを楽しむのにゃ!
この白身魚のソテー、ほんのり香るレモンの風味が良いアクセントなのにゃ。
鴨のローストもオレンジ味のお陰でさっぱりして、いくらでも食べられるのにゃ!
あ、もちさん、この鴨のローストおいしいのにゃ。良かったら食べてみてなのにゃ。
みかんのアイスも甘みと酸味のバランスが抜群なのにゃ!
みかんみかん星のご馳走、ボクは大好きなのにゃ!
確かにみかんの香りが苦手な人々はいるけど、大好きな人々も大勢いるのにゃ。
いずれはきっとこの星のみかん味グルメを楽しみにくるみかん大好きな観光客が押し寄せるようになると思うのにゃ。
「わーい、パーティーを楽しむのにゃ!」
待ちに待ったみかんみかん星のパーティー。鮮やかなオレンジ色の料理の数々にバロン・ゴウト(夢見る子猫剣士・f03085)も年相応ながらにはしゃぐ。
勿論、みかんみかん星人は彼の姿に最初こそ疑問を抱いた。どう見ても猫なのだから仕方のないことだろう。しかし星を救ってくれた猟兵であることにも変わりない。『みかん好きな猫』として快く迎えてくれた。
「えっと、どこから見てみようかにゃ。気になるものたくさんにゃ」
肉料理に魚料理。どれも気になってしまう。しかし幸いなことに今回はビュッフェスタイル。気になったものは好きなだけ皿に盛ってしまえばいいのだ。
「これと、これと……あと、おススメくださいにゃ!」
バロンがそう声をかけると、みかんみかん星人は喜んで料理の説明をしてくれた。
テーブルに運んで並べた料理はどれも柑橘類の香るものばかりであった。といっても匂いも味もしつこい訳ではない。口に運べば、しっかりと素材の味が活かされていることが分かる。
「わぁ……この白身魚のソテー、ほんのり香るレモンの風味が良いアクセントなのにゃ」
柔らかい白身に舌鼓を打つ。添えてあるみかんを少し絞ってみれば、また味が変わって二度楽しむことができる。
「こっちの鴨のローストも不思議にゃ。オレンジ味のお陰でさっぱりして、いくらでも食べられるのにゃ!」
模様のようにかけられたオレンジソースと鴨の味が丁度良くマッチしている。どれを食べてもバロンの目はキラキラ輝いてしまう。
「みかんみかん星のご馳走、ボクは大好きなのにゃ!」
「お褒めのお言葉、ありがとうございます猟兵様」
みかんの皮の腕を揺らしながら、みかんみかん星人がぺこぺこする。
「このみかんみかん星もまだ未熟ですが、いずれは他の人に迷惑をかけないような立派な星にしたいと思います」
「うーん、猫に限らず、確かにみかんの香りが苦手な人々はいるにゃ。でも、大好きな人々も大勢いるのにゃ!」
バロンには分かる。宇宙にまで香るみかんの匂い、そして美味しい料理の数々でもっと賑わうであろう未来を。
「きっとこの星のみかん味グルメを楽しみにくるみかん大好きな観光客が、いっぱい押し寄せるようになると思うのにゃ。ボクは応援するのにゃ!」
小さなケットシーに勇気付けられ、ややマイナス思考気味だったみかんみかん星人にも希望が芽生えてきたようだ。
「えへー、おかわりしちゃった!」
「あ、もちさんにゃ。何を持ってきたのにゃ?」
「んっとね、これおいしかったの!」
「それはオレンジピールなのにゃ。ボクまだ食べてないにゃ」
「ピール? バロンさんも食べよ!」
「ありがとうにゃ。じゃあ代わりに鴨のローストあげるにゃ! このみかんのアイスも、甘みと酸味のバランスが抜群なのにゃ!」
「やったーありがと! いっしょに食べるの!」
喜ぶ希那古・もち(f24531)を見ながら、バロンもオレンジピールをひとつ摘まんだ。
大成功
🔵🔵🔵
神代・凶津
(浮遊する鬼面と横にいる巫女)
ひゃっほいッ!
どれもこれも旨そうで目移りするぜッ!
「…それにしてもこの星の名前の由来がみかんと未完成をかけた物だったとは。」
駄洒落かよ、って思ったがな。
様々な肉料理、魚料理、サラダ、ケーキ、ジェラートを食いオレンジジュースで喉を潤して…。
かーっ、堪らねえなッ!
「…みかんも種類がいっぱいだね。」
果物も全部制覇しねえとなッ!
「…がっつき過ぎだよ。」
がっはっはっはっ、そういう相棒だって料理の消費量が多いじゃねえか。がっつき過ぎると肥るぜ?
「…えい。」(みかんの皮汁ブシャー)
目が、目があああああッ!!?
【アドリブ歓迎】
「……それにしても、この星の名前の由来がみかんと未完成をかけた物だったとは」
「駄洒落かよ、って思ったがな」
桜と神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)がそんなことを口から零したところで、視線は並べられた料理へと向かい。
「まぁ未完成だろうと万事解決したッつーことで喰うぞッ! ひゃっほいッ! どれもこれも旨そうで目移りするぜッ!」
凶津が一直線に料理の並ぶテーブルへ飛んでいく。桜の顔が剥がれたのかと思い込み、浮遊する仮面に最初こそびっくりしたみかんみかん星人だったが、「まぁそういう宇宙人もいる」とすぐに受け入れたようだ。
「……とりあえず端から順番に選んでみようかな」
「そうだな、迷ったら片っ端から取っていくッ! 食べ放題の鉄則だぜッ!」
どんどん皿に盛っていく凶津。その後から桜もいそいそと気になる料理を選ぶ。あっという間に皿の上は豪華なものばかりで埋め尽くされていった。色鮮やかなオレンジ色だ。
「さて、まずは肉! と行きたいところだが順番にサラダからか? んじゃ早速ッ!」
「……いただきます」
「……ほぉー、野菜の草っぽさ? 苦味? が全然ねぇ!」
「……甘いサラダとは恐れ入りました。これならたくさん食べられそう」
「次はこの白身魚だなッ! ……うおぉめっちゃ柔らけッ! うっま!」
「……さっぱりして美味しい。さっき取れなかったお寿司みたいなものも、きっと美味しいかも」
「これにこの濃いめのオレンジジュースを……っかーッ!! 堪らねぇなッ!」
「……このお肉、多分オレンジジュースで煮込んでる。凄くトロトロだね」
「みかん煮込みの肉うっまッ! いくらでも入っちまうなッ!」
あんなに盛っていた皿の上の料理も、気付けば綺麗さっぱりなくなっていた。なくなるとどうなるか? そう、また料理も取りに向かうのだ。飲酒もしていないのに雰囲気に酔って上機嫌になる凶津。料理の美味しさに桜も目が輝いているように見える。
「いやー、みかんばっかで正直どうなるかと思ったけど意外とイケて驚きだぜッ! 果物も全部制覇しねえとなッ!」
「……流石にがっつき過ぎだよ」
桜がそっと落ち着かせようと声を掛けたものの、上機嫌の凶津は笑ってごまかすだけ。
「がっはっはっはっ、そういう相棒だって料理の消費量が多いじゃねえか。俺と同じくらい喰ってるんじゃねぇか? がっつき過ぎると肥るぜ?」
出た。いつものやつ。うっかり自ら地雷を踏みにいってしまう凶津。
「確かに喰った分だけ暴れりゃあいいけどよ、そんな毎日運動してる訳でも」
「……えい」
「あぎゃああああ目が、目があああああッ!!?」
凶津の顔に向かってみかんの皮を潰し、みかん汁をお見舞いしてやった桜。
「おぉっ!? これは……!?」
「……悪霊退散、です」
地面を転がり回る鬼面にビビるみかんみかん星人。後に、悪事を働いた相手にみかん汁をお見舞いするという文化がみかんみかん星に広まったとか、そうでもないとか。
大成功
🔵🔵🔵
黒木・摩那
みかんみかん星というだけあって、すべての味に柑橘系の味がするのですね。
ということは、ここで頼むのは肉ですね。
しゃぶしゃぶして、タレをくぐらせて食べる。最高ですね!
でも、この肉、なんの肉なんでしょうか……
ここは宇宙、気にしない方がよさそうですかね。
みかんみかん星人が食べられるものなのだから、きっと大丈夫ですよね。
お肉食べて、ケーキ食べて。
みかん味を堪能させてもらいます。
星や住民だけでなく、料理すら全てにおいて柑橘系。ここまで徹底した星も珍しい気がする。どれを選んでも柑橘系の味がするのだとしたら、気になるものは一つ。
「ここで頼むのは肉ですね。しゃぶしゃぶ……的なのはありますか?」
「お鍋ですね。良いものがありますよ」
黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)がみかんみかん星人に聞くと、彼らはすぐに用意してくれた。いい出汁が効いていそうな鍋と、一見すると地球でも見かける赤身の肉だ。
「しゃぶしゃぶしたら、まずはそのままお食べ下さい。その次に、お好みでタレや調味料を付けて味わっていただければと思います」
「なるほど、そういうのってなんだか高級っぽい食べ方ですね」
熱々の鍋に早速肉をしゃぶしゃぶし、まずは何も付けずに味わってみる。……何も付けていないのにポン酢っぽい味がほのかにする!
「なるほど想像通り。さっぱりして美味しいですね! お米や野菜はありますか?」
「勿論ございます。お鍋に出すお米は、すっぱさを控えたものをお出しするのが主流となります」
「要するに普通のお米ってことですかね。分かってらっしゃる、バッチリです!」
野菜やほかほかのごはんを貰ったところでしゃぶしゃぶ再開。さっぱりとした味のおかげでどんどん口に運べてしまう。
知らない星のものをこれだけ食べているが、ふと気になったのは材料だ。
「ところで、これって何の肉なんでしょうか……」
ちょっと怖いところだがみかんみかん星人に質問してみる。
「こちらポンデコ麦で育てたブランド牛、|不知火《ふちび》牛でございます。家畜となる牛や豚はこの惑星には少ないので、他の惑星から輸入して育てているのです」
「ポンデコ……ふち……? なるほどです」
柑橘類で育てた麦を食べた牛だということは何となく分かった。ともかく知らない生き物の肉ではなさそうだ。
「惑星間での貿易ですか。ということはここからの輸出品はみかんですね?」
「はいそうです、他にも輸出してますが、メインはみかんとなります」
「ということは……この宇宙のどこかで、またみかんみかん星のものが食べられるかもしれないですね」
それは楽しみですね、と摩那が微笑む。
「そうかもしれません。みかんを見かけましたら、思い出してくれると嬉しいです」
そう言ってみかんみかん星人は特製のみかんケーキを差し出してくれた。シャーベットの混ざった、甘い甘いケーキであった。
大成功
🔵🔵🔵
榊・ポポ
うおっ、喋る柑橘類!かーわいー☆
ほっほーう、何でも柑橘類フレーバーなんだね☆
え?なんでもいいの?マジで?
カイシャの経費で落とせるかな~ぐへへ
(業務用アイヒョーンを取り出す)
シャッチョさーん、接待費の捻出ヨロ
は?業務と関係ないから自腹で食え?しょんなぁ~
みかん箱ハウス物件押さえて来ますんで!
うん?世界が違うから他所様の物件はダメ?
いやでも最近は月や火星の土地売買も――ダメっすか、アッハイ
結局自腹だよチクショー!
マグロサイズの回遊魚丸焼き(レモン味)食ってやる!
デザートにみかんタワーケーキお願いしますん
ミニポポちゃんズも食え!おかわりもあるぞ!
...帰ったら自腹分は御魂の家賃催促額に上乗せしちゃろ
「もしもしシャッチョさーん?」
パーティー会場の隅っこで自社に電話をする榊・ポポ(|デキる事務員《トンチキカカポ》・f29942)。なお電波の心配はご無用である。
「業務の一環でめっちゃみかんな星に来てるんで接待費の捻出ヨロ」
食べ放題なんだからやっぱりここは出して貰わないと。ということで自社経費で落とす作戦に出てみた訳で。
「知名度もまだそこまでない面白い星ですよ~、星もみかん、住民もみかん、名産物もみかん、ぜーんぶみかん! みかん好きにはご満足いただける物件だらけですんでハイ! 交渉上手くいくようにするんで!」
一体何を言っているんだこの鳥は。
「は? ふざけてないですってワタクシいつでも大真面目☆です! ……業務と関係ないから自腹で食え? しょんなぁ~せめてみかん箱ハウス物件だけでも押さえて来ますんで! どっすか!」
そもそも世界が違うのでは?
「今? スペースオペラワールドって新世界宇宙ワールドにいますけど? 他所様の物件はダメ? いやいやでも最近は月や火星の土地売買も……え、もしもーし? シャッチョさーん?」
切られた。ダメっすか、アッハイ。
「結局自腹だよチクショー!」
オレンジジュースをやけ飲みするポポ。目の前にはみかんみかん星で獲れた巨大オレンジマグロの丸焼きが置かれている。自分たちよりも大きな相手にミニポポちゃんズも果敢に挑む。
「くっそーでもこれうっま! 白身がこんなに食べられるとか贅沢! さっぱりな味の料理ってなんかリッチに感じるモンよね!」
ずぞぞ、と魚のだし汁を飲みながら堪能する。あっという間に丸焼きも半分が骨と化している。
「アッー写真撮っとけば良かった? そしたら自慢できた? やっぱここの物件担当してチョーダイとか言われたかも! まいいか、おかわりあるし。エビデンスは大事じゃい!」
こうなれば贅沢三昧。丸焼きのおかわりとみかんのケーキをみかんみかん星人に頼んでみる。星を救った猟兵様の依頼ならばと快く用意してくれた。なんと健気なみかんなのだろうか。
「どうぞどうぞ! こちらはみかんとチョコ、生クリームを使ったタワーケーキとなります」
「はえ~なんかでっかいの来た! お気遣いあざまっす!」
ポポもミニポポちゃんズも出されたものを遠慮なく貪る。美味い、旨い、甘い。この三拍子が揃って非常に良い感じ!
「はー……帰ったら自腹分はあいつの家賃催促額に上乗せしちゃろ」
嫌な顔をされるのを心待ちにしながらパーティーを堪能するポポちゃんだったが、後に|無料《タダ》でいいことを知らされ、それはそれとして悔しくなるのであった。
大成功
🔵🔵🔵