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銀河帝国攻略戦㉖~大樹の下の解答者達

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 猟兵たちの拠点、グリモアベースに一つの声が聞こえる。
「皆さん、銀河帝国に拉致された人々が見つかりましたわっ」
 ベースに響くのは、グリモア猟兵であるフォルティナ・シエロによるものだ。
「現場は、銀河帝国の旗艦『インペリウム』にある科学技術センターですの」
 身振り手振りを交えながら、彼女は集まった猟兵たちに言葉を送る。
「予知した未来を説明しますわ。拉致された科学者や技術者は、センターの中央コンピュータに……」
 そこで言葉を一度止めたが、頭を振り、続ける。
「……中央コンピューターの一部に“組み込まれて”いますわ。大樹のような中央コンピュータから果実のように……。大方の予想通り、無理やり引きはがしてしまうと、意識が焼ききれて死亡してしまいますの」
 悪趣味どころじゃありませんわね……。と呟き、
「皆様には、彼らを、安全に中央コンピューターから切り離し、無事に連れ帰ってきて欲しいんですの」
 フォルティナは眉を立て猟兵を見回す。
「銀河帝国がわざわざ拉致するほどの人物達……。これまでのスペースシップワールドには存在しなかった、高度な技術や知識はドクター・オロチが彼らを用いた由縁でしょうね」
 つまり、
「彼らを救出する事ができれば、今後のスペースシップワールドの発展に大きく役立つ事が予想されますわ」
 そこまでを笑顔で告げると、一転、再度、顔が曇る。
「問題は救出方法ですの。彼らを解放する手順もまた悪趣味ですわ」
 何か。
「中央コンピューターの正しく根元、そこにある端末に書かれた『謎』を解かないと安全に解放できませんの。……まるでゲームですわね」
 予知した未来で端末に表示されている謎はこうだ。

『ムーシュッシュッシュツ!
 頑丈な家を見つけたんだ! 風にも雨にも負けないとっても頑丈な家!
 でも穴だらけなんだ。その家。
 どこもかしこも穴だらけ。風も雨も入り放題。
 でも頑丈なんだ。その家。
 押しても引いても、ちょっとやそっとじゃ崩れない。
 【頑丈だけど穴だらけな家】こんな家ってあるのかな? わかるぅ?
 ムーシュッシュッシュツ!
 ※この謎解きに失敗すると果実が落ちちゃうよ~~~~!。ムシュシュシュ!!』

「……この謎解きに失敗すると、どうやら拉致された人々が死亡してしまうようですわね」
 フォルティナはそこまで言うと、苦虫をかみつぶした顔を一転させ、全員の顔を見渡すし、眉を立て、口角を上げた。
「まぁ、皆さんならできますの! 私はそう信じていますわ! 拉致された人々を救いだして下さいまし!」


シミレ
 シミレと申します。TW6から初めてマスターをします。
 今OPで5作目です。
 不慣れなところもあると思いますがよろしくお願いいたします。

 これ以上の戦争シナリオ執筆は難しいかもって雑記で言ってましたが、なんとか時間が取れそうなので、書こうと思います。
 こっちは、一章だけの戦争シナリオの中でも特に必要人数数が少なそうなので、すぐにリプレイ書けるかと思います。
 今回はスペースシップワールドの帝国旗艦『インペリウム』にある、科学技術センター。
 そこの中央コンピュータに繋げられた人々を助けて貰うシナリオです。
 端末に表示された謎を解き、彼らを救ってください。

 皆さんの活発な相談やプレイングを待ってます!!(←毎回これ言ってますが、私からは相談見れないです。ですので、なおのこと好き勝手に相談してください)

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 冒険 『中央コンピューターの謎かけ』

POW   :    総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、救出します。

SPD   :    素早く謎の答えを導き出した後、救出した人のケアを行います。

WIZ   :    明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、救出します。

👑3
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

蜂蜜院・紫髪
ふむ、そういえば…銃のある世界ではこういうのであったか?
銃で穴だらけになった様子を…【蜂の巣】…と、雨風にも負けぬよい家じゃと言うのにのぅ。
趣味の悪い問題じゃな。人柄が出ているようじゃぞ。

解答:蜂の巣

さて【癒しの狐火】と蜂蜜じゃ。良かったら舐めておくとよい。


ニィ・ハンブルビー

呼ばれて飛び出てボク登場ー!
…悪趣味!なにこの悪趣味な造形の装置!信じらんない!
もー!これだからマッドなタイプのオブリビオンはー!
すぐに謎を解いて、科学者さんたちを救出しないと!

で、【頑丈だけど穴だらけな家】?
頭脳労働は苦手なんだけどなあ
んー
…💡
閃いた!蜂の巣でしょ!
硬いけど穴だらけで雨も風も通り放題!
だからこそ雨風をしのげる場所に作る!
これでどうだ!

救出できたら早速介抱しないとだね!
必要なのは胃に優しい食事とか、毛布かな?
でも、マシンの目的を考えると、すぐに死ぬような健康状態にはならないよね…
軽く見て、大丈夫そうなら【フェアリーランド】で解放軍のとこまで運ぶ方を優先かな!



 
           ●
 
 グリモア猟兵による転移が終わった視界にまず入ったのは、正しく大樹だった。
「悪趣味じゃの……」
 思わず、といった念の声を漏らしたのは紫髪だ。
 視界と部屋。その両方の中央にあるコンピュータは、脈打つような動作を繰り返しており、それが生体コンピュータであることを知らせる。
 天高く伸びた機械と肉の大樹。その枝はフレームで、蔓はケーブルだ。
 そしてそれに成る果実は、
「人間だね……」
 隣、その位置から声が聞こえる。
 “果実”とされた人間達を見て、眉をひそめているのは共に転移してきたニィだ。
「早く助けなきゃ……! 行こう、紫髪さん!」
「うむ。許しておけん」
 共に言葉を交わし、近くの端末に向かって急ぐ。
 確か、画面に『謎』が表示されてるんじゃったな……。
 視界の先に端末が見えてきた。徐々に近づいていき、その画面に表示されている文字が読み取れる。

『ムーシュッシュッシュツ!
 頑丈な家を見つけたんだ! 風にも雨にも負けないとっても頑丈な家!
 でも穴だらけなんだ。その家。
 どこもかしこも穴だらけ。風も雨も入り放題。
 でも頑丈なんだ。その家。
 押しても引いても、ちょっとやそっとじゃ崩れない。
 【頑丈だけど穴だらけな家】こんな家ってあるのかな? わかるぅ?
 ムーシュッシュッシュツ!
 ※この謎解きに失敗すると果実が落ちちゃうよ~~~~! ムシュシュシュ!!』

「趣味の悪い問題じゃな……」
 紫髪は思う。人柄が出ているようだと。そして何より、
「簡単な問題じゃ」
 とくにわしにとってはな……。
 横目で隣を見れば、ニィも頷いている。
 謎は予知と変わらず、その答えも道中でお互いに確認し合っている。
「ならばやることは一つじゃな」
 端末の画面に表示されたキーボードで答えを打ち込む。
 そうして画面に表示される答えは、
「―――蜂の巣!」
 揃えた言葉と共に、全身で叩きこむようにニィが決定キーを押した。
 
           ●
 
 どう……!?
 食い入るように画面をニィは画面を見る。現状は端末側の反応待ちの時間だ。
 画面の中ではこちらを焦らし、嘲るように、SD調のドクター・オロチが◎と×の標示がついた水晶棒を手に踊っている。
「早く助けたいのに……!」
 ニィは思う。悪趣味だ、と。眼前のロード画面だけではない。ここにある全てがだ。
 グリモア猟兵から説明されたときも思ったが、転移してきて実際にその目で見たときもこのような“大樹”など自分にとって理解の外であり、だからこそ彼らを早く助けたく思い、だからこそ焦れる。
「もう!」
「焦ってもどうにもならんじゃろう。落ち着きなされニィ殿」
 隣の紫髪が腕を組みながら言葉を寄こす。視線はこちらと同じ、画面を注視だ。
 焦れているのは自分だけではないのだ。そう認識を改め、吐息する。
「そうだね……。ありがとう紫髪さん」
「うむ」
 返事は頷き一つだ。
 画面は未だ変わらない。
「……合ってるかな……答え」
 待つあいだの沈黙すらこの空間の悪趣味に浸らされているように感じ、ニィは紫髪に問う。
「わしは、職業的に親しいからこの答えにたどり着いた。しかし、それ故視野狭窄に陥ってるかもしれん。ニィ殿は? いかにしてこの答えに」
 根拠の補強じゃな。と付け加えながら、問われる。
「紫髪さんが職業的にって理由だったら、ボクは、故郷的にかな」
 片方の柳眉が上がるのは促しの合図だ。
「ボクって頭脳労働は苦手なんだけど、この問題は引っかかりを憶えて。それで考えてみたんだよね。どこかで見たことあるんじゃないかって」
 記憶は過去で、過去に自分が居た場所は故郷だ
「隠れ里だから自然多い場所だったんだけど、そんな場所だからこそいっぱいあってね」
「わしも職業的にもそうじゃが、それを抜きにしても農村には親しいのう」
「ちょっとやそっとの力じゃ硬くて壊せなくて。水は染み込んで、風も通り抜けるけど、だからそれらを防ぐ場所に作って……」
「穴だらけだが、その穴には家や家族を守るためのものが大量におる。押したり引いたりすればそんな大量がやってきてそれどころではないのう。
 内外ともに頑丈。良い家じゃと、わしはそう思う」
 目を細めながら紫髪が言った矢先、場に変化が生じた。
「画面が……!」
 画面内で踊っていたドクター・オロチがその動作を止め、手に握っていた水晶棒を突き付けているのだ。
 それと同時、ドクター・オロチのバックに文字が表示される。
 標示と文字が現す状態は一つだ。
「正解……!!」
 
           ●
 
 見上げた先、幾人かの被害者が“大樹”から降ろされていく。
「まるで宝石を扱うようじゃな……」
 傷一つ付けない、そんな慎重さを感じる運搬を見ながら紫髪が苦々しく吐き出すように言う。
 目の前に横たえられていく被害者たちの状態を確認すると、
「これ、避けるでない。――治療じゃ」
 言葉と共に生じるのは狐火だ。しかしそれは被害者たちの身体を高温で焼かず、触れた傷を癒していく。
 『癒しの狐火』だ。急ぎ、他の被害者たちへも治療を行っていく。
「みんな大丈夫!? 容態のひどい人は僕が能力で運ぶからね!」
 ニィが壺を抱えながら飛び回り、自力で歩けない者たちをその中に吸い込み、運んで行く。
「寒くない? ほらっ、ボク毛布とかも一緒に持ってきたから。必要だったら言ってね!」
「ニィ殿は力持ちじゃのう」
 ふふーんっ、とニィが胸を張りながら毛布を配っていく。
「うん? お腹が減って動けない? ――そう言うだろうと思って食料も持ってきました! 毛布があったから簡単なご飯でゴメンだけどね!」
「ニィ殿は用意がいいのう」
 まぁわしもなんじゃが。
「ほれ、疲れた身体には甘い物じゃよ」
 ニィが配るゼリー飲料を見ながら、自分も持っている蜂蜜を被害者たちに与えていく。
「おぉ! 天然物だね……!」
 手に持ってるゼリー飲料の表面に書かれたローヤルゼリーという文字を指差しているが、ローヤルゼリーと蜂蜜はちょっと違うんじゃよニィ殿?
 そう思い、訂正しようと口を開こうとしたが、
 ……まぁ……いいか……。
 能力の使用で疲労した脳が出した答えは、それだ。
 余った蜂蜜を舐めることで脳と身体に糖分を叩きこみ、足取りを確かにさせると、やっぱ天然物だよねー! と言いながら先導するニィに続き、拉致された被害者と共に科学技術センターを後にした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月17日


挿絵イラスト