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狙われたヒーローショー

#コネクト・ハート #プレイング受付中

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 袖から現れた全身黒タイツの男たちがステージ上に並ぶと、いっせいに雄叫びをあげて、舞台中央に立つ男性と、その背にかばわれるように立つ女性……ヒーローとヒロインに襲いかかっていき――。
 2人をあっという間にたたきのめすと、観客席に乱入し、そこに座っていた親子を思い切り蹴りとばした。
 座席から吹き飛ばされ、壁に打ちつけられて親子がずるりと地面に横たわる。
 一瞬の静寂の後、パニックを起こし出口へと殺到しようとする観客達に、戦闘員が背中から無慈悲に襲いかかった。


「ステージで行われていたヒーローショーが、狙われてしまうんです」
 新人『アイドル』であるラクリマ・トランクィッルス(いつかは王子様・f38587が、少し戸惑いながらも集まってくれたみんなにそう告げた。

『アイドル』
 この『アイドル・アース』において『アイドル』は、支援組織である『アイドル事務所CONNECT』に所属しており、事件を予知した『CONNECT』の指示で事件現場に派遣されて、世界を脅かす存在から、この世界を守る存在なのだ。

「このままでは、怪人役に変装した魔物たちに、会場のお客様方が襲われてしまいます」
 伝えられた予知の光景を思い、ラクリマが俯いて、
「わたしの力だけでは防ぐことができません。どうかわたしにみなさまのお力をお貸しください」
 そう言うと、色の違う両の瞳が、涙に滲み淡く輝く。
 助けに行かなければ、教えられた光景が現実のものとなる、ということだ。

『アイドル』は、ファンの応援を観客の声援を受けて自らの力と為し、魔物と戦う。新人とはいえ『ラクリマ』も『アイドル』である。

「『アイドル』と猟兵が力を合わせれば、ステージの演出としながら、魔物を退治することができると思うんです」
 ヒーローショーだけに観客には子供が多い。なるべくならば怖がらせずにステージを終わらせたい。ラクリマは猟兵たちに深々と頭を下げた。


すい

 コネクトハートの世界へようこそ。
 こちらはPBWアライアンスの一つ、コネクトハートの世界です。
 詳細は公式サイトをご参照ください。
 https://sites.google.com/view/connect-hearts/

 この世界では、猟兵のみなさまは『アイドル』のファンという立ち位置で、コネクトハートの世界で頑張る『アイドル』たちを助ける存在です。
 その卓越した身体能力やユーベルコードを使って、今回は『新人アイドル』ラクリマ・トランクィッルスを助けてあげてください。
 ラクリマに使って欲しいユーベルコードや、行動の指示などありましたらプレイングにいれてくださいませ。(リクエストのない場合は任意に行動します)

●戦闘
 謎の戦闘員(集団戦)

 POW:戦闘員キック。
 破壊力の大きいキックで攻撃してきます。
 一撃骨を砕き、そのうえ相手を吹き飛ばす特殊効果もついています。

 SPD:戦闘員パンチ。
 速く鋭いパンチで攻撃してきます。
 スピードに乗った連打が流星のように襲いかかってきます。

 WIZ:戦闘員人さらい。
 ステージを観に来ていた子供を捕まえて、攫おうとします。
 捕まってしまうと、人質として盾にされたりしてしまいます。

●好感度について
 『アイドル』と一緒に戦っていただけた場合、『アイドル』からの好感度がアップします。
 好感度が上がると、今後、『アイドル』との関係性も変化していきます。
 さらに、できることが増える場合も……?
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第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動

SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動

WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動

👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ベルカ・スノードロップ
一般人を巻き込まないように、頑張りましょう。

【鎧無視攻撃】の《選択UC》による連撃で【衝撃波】を打ちこんで
粛々と倒して制圧していきましょう
敵を【おびき寄せ】て【範囲攻撃】として、ある程度は、まとめて倒してしまいましょうか

敵の動きを【見切り】ながら【戦闘知識】から【瞬間思考力】で
敵のしそうな行動を読みつつ【逃亡阻止】もしておきます

【コミュ力】を駆使したコミュニケーションで、しっかり連携は取っていきます
特徴の女性に好かれる/年下に好かれるもプラスに働いたりするかもしれませんね




 この世界における『アイドル』とは、守護者である。
 自らに向けられる声援を勇気に変え、送られる気持ちを力に変えて、世界に突如現れた『魔物』に対する、唯一と言ってもいい人類の対抗手段。だから――。

「一般人を巻き込まないように、頑張りましょう」
『CONNECT』からの指示で、魔物の出現現場に派遣される新人アイドル、ラクリマ・トランクィッルスに、ベルカ・スノードロップ(【中将】少女を愛に染め救済せし夜の王・f10622)が笑顔でそう話しかけた。

 ベルカはこの世界の『アイドル』ではない。様々な世界を渡り歩き、世界の崩壊を救う『猟兵』と言われる存在だ。そしてその中でも、歴戦の強者と言っていい実力を持っている。
 そんなベルカがファンとしてラクリマを応援してくれる。初依頼の新人であるラクリマにとって、これほど心強いことはなかった。

「ベルカさん、わたし、子供達に血をみせたくありません……こんなの、甘いでしょうか?」
 ラクリマの問いにベルカは、
「甘いかもしれません、けれど、大事なことです」
 そう言ってベルカが微笑みラクリマの手を握ると、ラクリマもしっかりと握り返して頷いた。
「ラクリマさん、いってらっしゃい。あなたを待っている人たちのところへ」


 会場に駆け込んでいったラクリマを見送ると、ベルカは避難してきた観客達を守るように、会場の出口に立ちはだかった。
「観客のみなさんに手はださせません」
 観客達を襲おうとする戦闘員達にそう宣言すると、ダッシュからの拳の連打が先頭にいた戦闘員を吹き飛ばす。
 それでも数にものをいわせてくる戦闘員達に対し、ベルカは思考力を先読みにも等しいほどに高め、相手の型を判断すると、その攻撃を見切りながら戦闘員達の中へと飛び込んでいく。

「あまり接近戦は得意ではないのですけど――」
 立て続けに繰り出されてくる攻撃を悉く躱し、戦闘員達のど真ん中へ、ベルカの琥珀の瞳が光を放ち、左右から挟み込もうとしていた戦闘員に拳での一撃、そして|刹那《75分の1秒》の後の第二撃。
 防御不能の打撃と、体内で共鳴した衝撃波に左右の戦闘員が崩れ落ちると同時に、衝撃波を伴った拳の乱打が漆黒の刃とともに嵐となって吹き荒れ、ベルカを取り囲んでいた戦闘員達も一斉に倒れ伏す。
「峰打ちです」
 ベルカは周囲を見渡し、観客達の安全を確認すると、会場出口からラクリマへと叫んだ。
「観客のみなさんは無事です。ラクリマさん、心置きなく!」
 ベルカと観客の声援をうけたラクリマは、くっ、と唇を噛みしめると、金銀妖瞳に光を湛えると、会場内に残る戦闘員達に向けて、駆けだしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

蜩・コルト
全員殺せばいいんですね? え、子供がいるからダメ? そうですか......任務、了解しました。
アイドルの何たるかを学習するため観客席で見学していたが、戦闘員の乱入に異常を察し、舞台に乱入。私服で戦闘員と殴り合う。サイボーグなので見た目幼女ですが、普通に殴ったり蹴ったりするだけで常人より強いです。戦闘スタイルは今回は徒手空拳です。

アイドルがなんなのかはよく分かっていないので、声援を受けると戸惑います。サイボーグなので感情に乏しく、サービス精神とかは微塵もないです。




 主役をたたきのめし舞台を占拠し、次は会場にいる観客達を襲おうとなだれ込んできた戦闘員達を、蜩・コルト(鋼鉄の偶像・f38620)の右パンチが吹き飛ばして、数人の戦闘員がまとめて壁に叩きつけられ、凄まじい威力をみた戦闘員達が怯んでその動きを止めた。

 コルトがここにいたのはほんとうに偶然だった。
 新人『アイドル』として事務所に所属したばかりのコルトは、『アイドル』のなんたるかを学習するため様々な舞台を観て回っていたのだが、そんなときこの現場に遭遇したのだ。

 そこに『CONNECT』から指示を受け、騎兵服風の衣装を着た少女が走り込んでくると、その状況を見て、
「あ、あなたも『アイドル』なのですね。派遣されてのお仕事ではないと思いますが、どうかご助力をお願いします」
 少女は、ラクリマ・トランクィッルスと名乗ると、コルトの横で背中合わせになり剣を構えると、そう願い出た。よく見れば声も体も小さく震えている。コルトも『アイドル』としては新人なのだが、この子はこういう仕事自体が初体験か、それに近いのだろう。

「全員殺せばいいんですね?」
 拳を握り静かにファイティングポーズを決めるコルトに、ラクリマは、
「そ、それはいけません! 子供達もいますから……」
 と、ちょっと慌ててコルトを止める。
 ステージ演出として、子供達にトラウマが残らないようにして欲しい、そう願うラクリマに、コルトは、
「そうですか……」
 少し残念そうに呟きながらも、任務は了解しました。と告げ、戦闘員へとダッシュをかけると、ラクリマもコルトと逆方向へと走り出す。

 コルトの輝くような金の髪が緩やかに流れると、戦闘員達はその流れに飲み込まれ、吸い寄せられるように拳に身を晒していく。軽いモーター音とともに振るわれる拳は、その体躯からは想像も出来ないパワーの打撃で戦闘員の随を打ち、戦闘員たちは次々に崩れ落ちると、その動きを止めていった。
 ラクリマも座席の間を駆け抜けながら、剣の峰を使った鮮やかな剣技で、戦闘員を打ち据え、行動不能にしていっている。

 そんな2人に送られる熱い声援。
「パンチのおねーちゃんがんばれ!」とか「騎士のおねーちゃんやっちゃえ!」など子供達の応援に混じって、ちらほらと聞こえる「クール系もアリだな」とか「騎兵萌え~」などという声に、ラクリマは頬を染め、コルトは多少の戸惑いを感じながらも、その声が力になっていくのを感じていた。

 これがこの世界における『アイドル』。
 ファンの声援を受け、気持ちをともに魔物と戦う『アイドル・アース』の守護者。

 コルトが戦闘員を千切っては投げながら、ラクリマをちらりと見る。
 戦闘員を薙ぎ払いながら|観客《ファン》を守るラクリマの姿には、先ほどまでのおどおどとした感じはもう残っていなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

彩波・いちご
ヒーローショー…私もよくやりましたねぇ
温泉郷のローカルヒーローのショーで司会のお姉さん役とか
なのでここでも、司会のお姉さんしてみましょう
子供たちのためにも、ヒーローショー第2部、ここから開幕です!

「みんな、大きな声でアイドルを呼んでねー!せーのっ!」
まるで最初からこれが台本の続きのように彼女の登場を演出
アドリブでいいので名乗りの口上をどうぞっ
頑張れー!ぷりきゅ…じゃなくてラクリマさーん!
そして彼女の攻撃と同時に【幻想よりきたる魔法の演者】でステージ演出
派手な擬音の書き文字や、火花や星といったエフェクトを戦闘員にぶつけて
彼女の派手な必殺技っぽく演出してあげましょう!
すごいぞー!ラクリマさーん!


藤見・エスカ
ヒーローショーが襲われる…!?
ヒーローショーは希望の舞台
希望を恐怖と絶望に変えないためにも
助けてあげないと!

急いで舞台のヒーローたちや
観客たちを守るように立ちはだかり
皆様を守っていきます!

皆様が避難できるまでは守りを優先しながら
そちらを狙おうとした敵はラクリマ様と協力、分担して優先して狙い、被害を出さないように!

また、一般のみなさまだけでなく
ラクリマ様の事もお守りできるよう
できるだけ手助けして参ります

万が一人質をとろうとしてきたら
ラクリマ様と連携をとりながら
メイド式護身術で、ステージの壁や観客席、もしくは落ちているものを利用して敵の死角に回り込み、攻撃しつつ阻止し、人質にされた人を救出します!



「ヒーローショーが襲われる……!?」
 ヒーローショーは希望の舞台。観に来てくれている観客……とくに子供達の希望を、恐怖と絶望に還るわけにはいかないのだ。
(必ず助ける!)
 藤見・エスカ(藤見の月夜は永遠に・f38634)が、自らに気合いを込めて会場を見つめる。

そしてその隣では、
「ヒーローショー……私もよくやりましたねぇ」
 彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)が、舞台をみながら、うんうん、と頷いている。
 地元の温泉郷ではご当地アイドルとして知られた彼女――正確には『彼』なのだが――は、ショーの出演者としても司会としても経験豊富なのだ。
「エスカさん、いきましょう。ヒーローショー第2部、ここから開幕です!」
 いちごがエスカに声をかけると、エスカもそれにしっかりと頷き返した。

 走り込んできたいちごがマイクロッドを振り回しながら、観客と戦闘員達の間に割り込むと、警戒した戦闘員達が、戦闘態勢のまま動きを止める。それを見たいちごがすかさずマイクを構え、戦闘員達にに大きな声とアクションを交えて話し出す。
「あなた達なんて、アイドルさんたちがやってきて、すぐに倒されちゃうんだからね!」
 オーバーリアクションのまま戦闘員達を指さし、そして、くるりと振り向くと、観客にマイクを向けると、
「みんな、大きな声でアイドルを呼んでねー!せーのっ!」
 綺麗なソプラノシャウトの呼びかけに、ショーの演出のひとつと思ったのだろう。後ろにいた観客達が呼びかけに大きく応えた。
「「「「「アイドルさん、助けてー!」」」」」
 そして観客達の呼び込みに合わせたようにラクリマが観客と戦闘員の間に走り込んでくると、いつのまにかエスカもその横に寄り添うように佇んでいた。

「ああ、よかった! みんなの願いが届いて、アイドルさんたちが来てくれましたよ!」
 いちごが、すっ、と2人に立ち位置を譲る。いきなり向けられたマイクに、一瞬戸惑いの表情を見せたラクリマに、いちごが目配せして自己紹介を促した。

「わ、わたしの名はラクリマ。わたしはみなさまの剣であり盾、です」
 セリフはちょっと尻すぼみになりながらも、ラクリマが正面に剣を上げ、観客に剣を捧げると、
「わたしは藤見・エスカ。さあ、また一緒に歌いましょう……!」
 エスカは、静かに、けれどしっかりとそう語りかけながら、メイド服のスカートの端をちょこんとつまみ、カーテシーを決める。
 そして戦闘員のほうへと駆け込んでいく2人の背に向け、いちごが観客を煽り声援を求めた。
「頑張れー! ぷり……じゃなくてラクリマさん! エスカさーん!」
「「「「「がんばれー!!」」」」」

 声援が力に変わり、2人の背を強く押す。
 決して比喩ではない。これがこの世界の『アイドル』達が持つ力の源。『アイドル』たちは応援という心を受け取り、力に変えて魔物と戦うのだ。

 ラクリマが前に飛び出し、会場の座席の間を駆け抜けて戦闘員達に突撃していく。色の違う両の瞳を輝かせ、唇から紡ぐ旋律はあくまで柔らか。しかし座席を足場に、舞うように飛び上がって繰り出す剣劇は、苛烈の一言だった。目にもとまらぬ三連撃を叩き込むと、ふわりとアネモネの香りが漂う。

「ここからは私達の魔法のステージです!」
 その香りに乗せて、いちごが輝かせた瞳と同じ色の、大きなアネモネの花を召喚すると、花弁で戦闘員を包み込み、次々とその動きを止めていく。
「ボクの最高の一撃はキミにはもったいないね」
 動かなくなった戦闘員の前で、ラクリマがいちごが喚んだアネモネをその背に背負い、さらりと髪をかき上げる。どうやら応援の力で『民衆を守る騎兵』という役に入り込んだようだった。

 そんな、ある意味ゾーンに入ったラクリマを避けた戦闘員達が、回り込むように出入り口へと迫るが、彼らがそこで見たのは、扉の前に佇むエスカの姿だった。
 だが戦闘員達はエスカが丸腰であることを見て取ると、甲高い雄叫びを上げながら勢いをつけて仕掛けていく。メイド服の少女ひとりならば、突破できると踏んだのだろう。

 それに対してエスカはあくまで静かに動かない。戦闘員達がメイドを押し潰すまであと3歩。

 瞬間、エスカの瞳が輝き、その姿が後方へゆらりと揺れた。相手の突撃の勢いが止められないタイミング――戦闘員と3歩の距離――を保ったまま扉に手をかけ、外へと飛び出したエスカが、その扉を思い切り閉めると、先頭をきって突っ込んできた戦闘員が扉での一撃を喰らい、後ろに続いていた戦闘員達を巻き込み吹き飛んでいった。
 体勢を崩した戦闘員達の前で再び扉が開かれると、のぼりに使っていたポールを構えたエスカがにっこりと微笑み、そのままポールを一閃して戦闘員達を会場内へと押し戻す。

「お嬢様がた、挟み撃ちにいたしますよ!」
 エスカがラクリマといちごに声をかけると、いちごが召喚したアネモネの花が会場内で咲き乱れ、その花弁を増幅器として、観客の声援が会場内へと届けられた。
「すごいぞー! ラクリマさーん! エスカさーん!」
「「「「「がんばれー! すごいぞー! やっつけちゃえー!」」」」」
 いちごの声援に続いて、観客――主に子供達――の声援がラクリマとエスカにさらなる力を与えていく。
 役に入り込んだままのラクリマが華麗な剣技でたたき伏せれば、エスカも手にしたポールを巧みに操り、敵をまとめて吹き飛ばしていく。
 戦闘員が倒れる度に弾ける火花や飛び出す色とりどりの星は、いちごが幻想より喚びだした演出であり、それ自体がラクリマとエスカをサポートするビットとなって会場を飛び回る。
 3人の働きに、見る間に数を減らしていく戦闘員達ではあったが、それでもまだ袖からは戦闘員が湧き出るように出現していた。
 それを見たいちごとエスカが、ラクリマを舞台方向へ行くように促す。

 ショーはまだまだ終わらないようだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カーバンクル・スカルン
OK、サポート重点ね? あのよう分からん戦闘員の相手は任せなさい。……はいはーい、暴漢の方はお引き取りくださいませー!

蹴りを入れる、ということは片脚で立っているからバランスは両脚の時より悪いはず。そこに巨大なフックを巻き付けて怪力で引き込んで舞台裏にポーイ! そして舞台裏に待機させていた機械仕掛けのワニの牙で戦闘員をどんどん粉砕していこう! もちろん、流れた血が視界内に入らない位置でね? 血が通ってるかは知らねーが。

よし、ざーっとこんなもんかね? じゃあ、ラクリマさん……と舞台上のアイドルさん達? 本業の方よろしゅう。さっきの奴らが暴れたせいで足りないもんあったらパパーっと作っちゃうから


十二・エマ
うへへ、アイドルアース。こんな世界もあるんたねぇ。
実はちょっとだけアイドルとかのライブ映像見るの好きだったり。

いやいやいやっ、待って待って、あんな可愛いアイドルちゃんの隣で戦うとか緊張で出来ないかも。
お薬ちゃんのんで落ち着こう。
うんうん、そうだ、わたしぃは後ろの方から目立たないように支援するぐらいがいいかなぁ。

今使えそうなアシッドちゃんだとちょっとうるさいけどこの子かなぁ。

UC【ライトニング・カリギュラ】使用

舞台袖から魔物を捕まえますよぅ。

長時間は使えないけど、ラクリマちゃんが攻撃する隙を与える事は出来るはずですぅ。

※アレンジ・連携歓迎




「アイドルアース。こんな世界もあるんだねぇ」
 十二・エマ(トニエマ・f36559)の頬が、うへへ、と緩む。おおっぴらにしてはいないが、実はアイドルのライブ映像を見るのが好きなエマに、この世界は軽いヘブンだったようだ。
 が、くねくねしていたエマの動きが突如ぴたっと止まると、
「いやいやいやっ、待って待って、あんな可愛いアイドルちゃんの隣で戦うとか緊張で出来ないかも!?」
 なにかいろいろな妄想がぐるぐるしたのか、顔を真っ赤に染め上げると、慌てて取り出した薬瓶に入った錠剤をぐいっと一気にあおった。

 カーバンクル・スカルン(クリスタリアンのスクラップビルダー?・f12355)は、そんなエマの肩に手を置くと、
「サポート重点だよ? OK?」
 落ち着かせるように言い聞かせると、
「うんうん、そうだ、わたしたちぃは後ろの方から目立たないように支援するぐらいがいいかなぁ」
 薬が効いてきたのか、落ち着きを取り戻したエマも同意し、2人は頷き合って舞台へと駆けだした。


「はいはーい、暴漢の方はお引き取りくださいませー!」
 舞台上ひとり立ち回っていたラクリマを囲み、蹴りを入れようとしていた戦闘員の軸足を、巨大なフックが絡め取り、そのまま舞台裏へと引きずり込んでいく。
 一撃をもらうことを覚悟し、踏み込んで受けようとしたラクリマが少し驚いたように瞳を瞬かせると、轟音とともに周囲を囲んでいた戦闘員達に稲妻の鎖が巻きつき、そこから走り抜けた電撃に膝から崩れ落ちていった。

「ラクリマさん、あのよう分からん戦闘員のお相手、お手伝いさせてもらうわ」
 驚いたように振り向いたラクリマに向けてカーバンクルがウインク混じりに言うと、エマもサムズアップしてラクリマに笑いかけた。

 カーバンクルとエマが素早く会場の左右に分かれると、それを見たラクリマはいまだ湧き続けている戦闘員達に向けて剣を構え直し、真っ直ぐに斬り込んでいく。
 カーバンクルが右から現れる戦闘員達に巨大なフックを投げつけ、巻き付けると、次々に凄まじい膂力で引き込み、舞台裏に覗く大きな機械仕掛けのワニの口の中へ投げ捨てていく。

「ラクリマちゃん、こっちは任せてねぇ」
 エマも、左から出てくる戦闘員達を稲妻の鎖で絡め取ると、その身体を操って、舞台裏へと誘導していく。本来なら長時間の使用は厳しい技ではあったが、頑張るラクリマを見ていると、ちょっと妖しい笑みとともに力が湧いてくるような気がした。
 これがこの世界の『アイドル』が受ける力なのだろうか。エマはそんなことを思いながら、稲妻の鎖を振るい続ける。

「よし、ざーっとこんなもんかね? ラクリマさん、あとはよろしゅう」
「ラクリマちゃんのかっこいいとこ、もっと見せてほしいんだよぅ♪」
 左右から湧いて出る戦闘員達を抑えた2人が、ラクリマに向けて笑顔と声援を送ると、ラクリマの瞳がさらに輝きを増していく。

 カーバンクルとエマが左右の敵を捌いてくれたおかげで、ラクリマは目の前の敵に集中することができるようになっていた。

 ラクリマは、舞台裏から時折覗く、機械仕掛けのワニの口と、そこから聞こえる粉砕音と咀嚼音に聞こえないふりをしながらも、床に流れ、溜まっている血が観客達からは見えないことに安心し、しっかりと前を向くと、いまだ途切れず舞台へと押し寄せてくる戦闘員達の攻撃を華麗なステップで躱しながら、時折カーバンクルやエマに視線を送る余裕をみせつつ、剣の峰を使ったカウンターで叩き伏せ、その数を確実に減らしていく。


 ユーベルコードが限界を迎え、その効果が失われ、ラクリマの体力にも陰りが見えてきた頃、戦闘員の数も徐々に減り始めていた。
 無限に続きそうに思えた戦いも、あと少し、あと少しで魔物を退け、みんなを守ることができるはずだ。
 ラクリマはカーバンクルとエマに瞳で感謝を伝えると、最後の一押しをするべく舞台を駆けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エリアス・アーデルハイト
(アドリブ連携歓迎)
※見た目6歳ロリ、|中身《思考回路》40代のオッサン

「ダメダメ、|ヒーロー《アイドル》がネガティブフェイスを子供の前で見せちゃNGだよ☆」

涙目な新人アイドル《ラクリマちゃん》に、|生ライバー《猟兵》として色々と教えて上げないとね♪
基本的にエリィは端役に回って、ラクリマちゃんが目立てる様に
立ち回り、魅せ方(ポーズとか)教えてやったりするのが基本。

でも、流石にラクリマちゃんだけだと、戦闘員の数が多いかな?
そうなると危ないから、ココはエリィが脚部に【UC】起動してイン!
ショー見に来ただけの子供に手ぇ出す馬鹿どもを文字通り蹴っ飛ばす!

「……三分間で「|舞って《ぶっ飛ばして》」やるよ!(一寸素が出る)」

台詞
「……あ、今子供が此処にいちゃ危ないって思ったでしょ?
エリィはこう見えても|生ライバー《猟兵》ですよぉ☆(キリッと)」



 立ちはだかる戦闘員達をたたき伏せながら、ラクリマが舞台裏に駆け込んでくる。観客のみんなの、そして猟兵たちのサポートがあったとはいえ、長時間の戦闘をくぐり抜けてきた表情にはさすがに疲労が滲み、不安を隠しきれなくなっていた。

「ダメダメ、|ヒーロー《アイドル》がネガティブフェイスを子供の前で見せちゃNGだよ☆」
 舞台裏の影から現れた少女が、ツインテールを揺らしながら、ちっちっちっ、と小さな指を横に振る。
「え!? あ、あの、ここは……」
 おそらくは小学生であろう少女にいきなり声をかけられて驚きを隠せないまま、おろおろと慌てだしたラクリマに、
「……あ、今子供が此処にいちゃ危ないって思ったでしょ?」
 ツインテール少女――エリアス・アーデルハイト(見た目は美少女(自称)、中身はチンピラ・f36810)――は、心配する様子のラクリマに、悪戯っぽく笑いかけると、
 「わたしはエリアス。エリィはこう見えても|生ライバー《猟兵》ですよぉ☆(キリッと)」
 小さな背をめいっぱい反らして、どやっ、と名乗ったのだった。よく見ればインカムマイクをつけていて、どうやらいつもそこから生配信をしているようだ。

 把握はしつつも、まだなんとなく納得しきっていないラクリマに、エリアスは、
「ラクリマちゃんに、|生ライバー《猟兵》としてのいろいろ教えてあげないとね♪」
 そう言って、ラクリマに『Film crew』を呼び出させると、自分のデバイスとリンクさせて配信をはじめた。
 すると、観客が避難していた場所にも映像が映し出されたのだろう、外からかすかに聞こえる程度だった応援の声が、大きく盛り上がりを見せた。
 耳に届いた声援が、ラクリマに笑顔と力を取り戻させる。

 エリアスが、身振り手振りで、いいよ! おっけー! と合図を送ると、ラクリマが大きく頷いて戦闘員達に向かって飛び出していく。
 右に左に踊るようなステップを踏みながら、ラクリマが戦闘員をたたき伏せると、撮影クルーの後ろにいたエリアスがすかさずカメラに目線を送るように指示を出す。
 それに気づき、ラクリマがちらりとカメラを見ると、声援がさらに大きく響き渡った。

 ぐっじょぶ、と、サムズアップしながら、エリアスが撮影クルーの後ろから迫ろうとしていた戦闘員を蹴り飛ばす。
 主役はラクリマと決めてはいたが、戦闘員の数がまだ少し多い。ここは共闘して決着をつけてしまうのがいいだろう。しかしあくまで主役はラクリマだ。クルーのカメラにはラクリマを追わせ、自分はクルー達を狙ってくる奴らを片付ける、そう指示すると、
「……三分間で「|舞って《ぶっ飛ばして》」やるよ!」
 にやりと笑った瞳が漆黒の闇を湛え、細い足で床を蹴ると、エリアスの姿が残像を残してかき消え――クルーを狙ってきていた戦闘員達が、まとめて吹き飛ばされていく。

 子供に手ぇ出す馬鹿どもは、蹴っ飛ばすくらいでちょうどいい。折り重なるように倒れた戦闘員達をバックに、片足立ちでポーズをきめたエリアスのつぶやきは、クルーによってしっかり配信され、声援と歓声とどよめきが舞台裏にも大きく届いてくる。

 観客達のボルテージの上昇は、そのまま『アイドル』の力を増していく。
 ラクリマは左から殴りかかる戦闘員をバックステップで躱すと、右から飛びかかろうとしていた戦闘員に剣の柄を使ったカウンターを入れると、そのまま一回転して左の戦闘員にも峰打ちを叩き込んだ。
 再びカメラが映し出したその姿は、観客達のテンションに引っ張られるように、優雅に華麗に、舞うような動きで敵をうち倒していく。

 最後の戦闘員を地に伏せさせたラクリマに向けて、エリアスが『決めポーズを!』と書いたカンペを掲げると、ラクリマはカメラに向けて剣を捧げ、優雅に一礼してカメラに向けて微笑み、ふわりと髪をかき上げた。
 ライトに照らされキラリと光る汗の雫と|金銀妖瞳《ヘテロクロミア》の輝きに魅了され、大きな歓声が晴れた空へと抜けていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年10月10日


挿絵イラスト