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銀河帝国攻略戦㉕~少年は覇道を拓くか

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 スペースシップワールドを舞台に繰り広げられる大戦争。現在、帝国旗艦『インペリウム』と『解放軍』のスペースシップとの戦闘が開始されていた。音の無い宇宙空間で砲撃戦が繰り広げられ、互いを傷つけあう様は正しく轟音が響いてきそうな熾烈な様相を呈していた。
 そんな中、この戦闘と同時に猟兵の転移による『インペリウム』強襲作戦が開始される。内部で破壊活動を行う事で帝国旗艦『インペリウム』の戦闘力を削ぐ狙いだ。

「グリモア猟兵による転移は、銀河帝国に対して優位なカードの一つです」
 レニー・ヴァッサー(赤いグリフォン・f02063)は、碧色に透けるグリモアをいつものように指先で弄びながら言う。いつも緊張感のない彼だが、この未曽有の戦争を前にしているとその笑顔すら強張っているように見える。
「猟兵の皆さんを、俺がこれから帝国旗艦『インペリウム』に転移させます。そこで可能な限り内部を破壊し、敵戦力を削いで『解放軍』の援護をして頂きたいんです」
 そう言うと、レニーはぺちんと自分の頬を軽く叩いた。その後にそこにあったのは、いつものお気楽キマイラの顔だ。
「『インペリウム』の中には『皇帝親衛隊』という精鋭の敵がいます。強敵ですので、出来るだけ戦わずに済ませられるといいんですけどね」
 レニーの手の中にあるグリモアの輝きが増す。
「長い戦いも先がようやく見えてきました。もう少し頑張ってくださいね」
 気の抜けた笑顔を最後に、猟兵達の視界は一変する。

 薄暗く足元の誘導灯が照らす金属製の通路に、猟兵達は立っていた。視界が良いとは言えないが、移動や活動に支障はないだろう。
 転移させられたのは『インペリウム』内部のどこかには違いない。この先に破壊活動を行うべき設備があるのだろう。
 猟兵達が駆けだそうとしたその時。薄闇に、ブゥンと唸る輝きがあった。
 咄嗟に避ける。一瞬前まで猟兵がいた床を貫く光の槍。サイキックエナジーの漲るそれ。その大本を見れば、そこに立っていたのは一人の少年。そのエナジーを見れば、彼がただの少年でないことは明らかだ。
「……待っていたよ、猟兵達」
 少年は猟兵達に刃を向ける。
「皇帝陛下の覇道を阻む者。排除する……!」
 闇に堕ちたサイキッカーは自らの名も名乗らず、猟兵達に襲い掛かった。『皇帝親衛隊』の一員として――。


天風あきら
 こんにちは、天風あきらです。
 この度は戦争シナリオ、『皇帝親衛隊』戦をお送り致します。
 見かけは少年ですが、その実力は見た目通りではありません。何とか撃破してください。
 よろしくお願い致します。
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第1章 ボス戦 『闇に堕ちたサイキッカー』

POW   :    3体のしもべ
自身が戦闘で瀕死になると【黒き四足獣と白き巨鳥、そして鋼の巨人】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    サイコスピア
【伸ばした腕】を向けた対象に、【サイキックエナジーで生み出した光の槍】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    ラプラスの鏡
【対象の背後】から【サイキックエナジーで生み出した光の鏡】を放ち、【鏡の中に閉じ込めること】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エルシー・ナインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ガイ・レックウ
【SPD】で判定するぜ
その技…その力…悪に堕ちたのなら斬り捨てる!!
ユーベルコード【獄炎解放『爆心』】を使用し、【見切り】と【残像】、【フェイント】を使い、相手の攻撃を見切り、残像で惑わせて避けることに集中しながら突進するぜ
【怪力】【2回攻撃】【鎧砕き】のスキルを乗せた【串刺し】と刀による【なぎ払い】を叩き込んでやる!!


本山・葵
・戦闘前
「ちょ!?準備万端で待ち構えてるじゃねえっすか!」

・戦闘
「大人しく排除されるわけにはいかないっす、逆に排除させてもらうっすよ!」
ブラスターで攻撃、距離が近い時は【零距離射撃】、
離れていれば【スナイパー】を使う

グルメツールを【投擲】してけん制
「隙は待つものじゃなくて作るものっすよ」

「おおっと!嫌な予感がするから、避けてみたら大正解だったっすね」
敵のUCは【野生の感】で回避

※共闘、アドリブOK



「ちょ!? 準備万端で待ち構えてるじゃねえっすか!」
 本山・葵(ユートレマジャポニカ・f03389)が叫んだ。眼鏡の奥の青い瞳が驚愕に揺れている。グリモア猟兵の転移先を読まれて待ち伏せされるなど、今まではなかったことだ。
 サイキッカーの少年はそれに応えることなく、光の槍を振るった。葵が飛び退った後に、その床に槍が突き立てられる。
「おおっと! 嫌な予感がするから、避けてみたら大正解だったっすね」
「これを避けるとは……流石猟兵と言ったところか」
 少年は感嘆の声すら漏らす。そこへ斬撃が襲う。サイキックの力でその軌道を僅かに逸らした少年は、後退りながら斬撃の主……ガイ・レックウ(流浪の剣士・f01997)を見据えた。
「その技……その力……悪に堕ちたのなら斬り捨てる!!」
 ガイの手にした妖刀ヴァジュラが昏い炎を噴く。それはガイの武器のみならずその身を包み込み、すべてを焼き尽くす獄炎となった。
 ガイは走る。少年は光の槍を複数射出して迎え撃ったが、それらをガイは見切り、彼の残した残像を貫くに留まった。ガイの突進する速度は決して速くはない。しかしそれは少年の攻撃に対しフェイントも交えて避けることに集中していたからであって、残像を生み出す程度には動き自体は速い。
「おおっ!」
 裂帛の気合いで少年に迫る。成人と変わらぬ上背のガイがその膂力でもって斬り付ける。少年は小さな身体でその一撃を、光の槍で受け止めた。しかしガイの得物は一刀のみではない。死角からもう一刀の炎刀『鬼刃丸』が刺し、薙ぎ払った。それは少年の青白い腕を切り裂く。
「ぐっ……」
 そこへ熱線が迫る。葵の放った熱線銃のものだ。少年はそれを背後に跳ぶことで避け、次々に飛ぶ遠距離射撃をひらりひらりと躱していく。
 しかし少年が避ける先に、ナイフとフォークが刺さる。食事の用途だけでなく武器として昇華されたグルメツール。葵が投擲したもう一つの武器だ。少年は足元を狂わされ、踏鞴を踏む。
「隙は待つものじゃなくて作るものっすよ」
「しまっ……」
 少年が見せた一瞬の隙。そこに葵は走り込み、熱線銃を向ける。零距離射撃。熱線は、少年の脇腹を焼いた。
「……!」
 苦悶の声を上げることすらなく、少年はその傷口を押さえながら後退る。その眼光は歳にそぐわず憎悪に満ちていた。
「大人しく排除されるわけにはいかないっす、逆に排除させてもらうっすよ!」
 葵は不敵な笑みを浮かべて、熱線銃を構え直した。彼女の遠距離攻撃を活かすために、近接戦を得意とするガイがその前に立つ。
 戦いは、始まったばかり。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

徳川・家光
「たとえ、鏡の中に閉じ込められても……!」
油断して鏡の中に閉じ込められてしまうが、あらかじめそれを見越して、「大奥の叫び」を発動しておく! これならば、僕の姿さえ見えれば発動可能なので、嫁たちの声援を得て鏡の中でパワーアップし、鏡を打ち砕き脱出します!
「この技は、もはや僕ら猟兵には通じないよ。他の手段を講じることだな」と宣言します。
(表立っては言わないが、この少年はかなりの手練れ。他のみなさんの為に、少しでも敵の手数を減らさなくては……!)



 少年に未だ焦りの色は見えない。流石はかつて猛威を振るった銀河皇帝の親衛隊、と言ったところか。
「行くぞ!」
 そんな彼に、徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)が迫る。千子村正権現と大天狗正宗の二刀の刃。振り下ろされたそれを躱し、少年はサイキックを発動させた。その照準は、家光の背後。
「しまっ……!」
 家光の後ろに光の鏡が出現し、彼を飲み込んだ。
「ふ……鏡の中で大人しくしているがいい」
 少年の顔に初めて表情らしい表情が浮かぶ。愉悦、と言われるものだろうか。
 しかし、一連の流れを映しているものがあった。カメラを備えた浮遊する機械。それは家光があらかじめ発動していたユーベルコードによるものだった。
 映像デバイスは世界を越え、家光の居城へと情報を届ける。更に言うと、それは家光の妻達が住まう大奥へと。
『上様……!』
『ご無事のお帰りをお待ち申し上げております……』
『どうか御身に勝利を!』
 愛する妻達の声援が家光に届く。
「たとえ、鏡の中に閉じ込められても……!」
 家光はその声に奮起し、愛の力技で敵の生み出した鏡を打ち砕く。
「何っ!?」
 少年が驚愕している間に、鏡の内側にいた家光が鏡の破片を散らしながら現実へと姿を現わす。
「この技は、もはや僕ら猟兵には通じないよ。他の手段を講じることだな」
 家光の足が鏡の欠片を踏み砕く。自らの技を打ち破られた少年には、その姿は脅威に映っただろう。だが家光もまた、自らを封じ込めた少年に脅威を感じていた。
(「表立っては言わないが、この少年はかなりの手練れ。他のみなさんの為に、少しでも敵の手数を減らさなくては……!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜神・静流
「私の道を阻むならば、斬り捨てるのみ!」
相手が年端も行かぬ少年の姿だろうと、非情に徹して斬り進みます。

●サイコスピアに対応。
見切り技能で腕を伸ばして発射する瞬間を捉えて、それを放つ瞬間に迎撃を行ないます。
残像・早業・衝撃波・カウンター技能を使用して一ノ太刀・隼でカウンターを行ない、相手に隙が出来たら2回攻撃の技能で畳み掛けます。



 少年は流石に焦燥を滲ませていた。その彼に夜神・静流(退魔剣士の末裔・f05903)が向かう。
「私の道を阻むならば、斬り捨てるのみ!」
「憎き『解放軍』に……猟兵に敗北することは、『皇帝親衛隊』としてあってはならない!」
 年端も行かぬ少年、しかしその内実は皇帝の親衛隊にまで上り詰めた強者。手加減をする必要はない。静流は非常に徹して斬り進む。
 少年が腕を静流に向かって伸ばした。光の槍を放つ予備動作だ、と察した瞬間、静流はそれを見切って軌道から逸れた。瞬きの後、光の槍が貫いたのは彼女の残像。
「参ります。一ノ太刀・隼!」
 静流はそこで初めて刀を抜いた。業物・十六夜。神速の斬撃に加え、その刃から放たれる衝撃波が少年の腹を裂く。
「がぁぁ……!」
 静流はそれに驕ることなく、返す刀で突いた。その切っ先は少年の心の臓を捉える。
「ぐっ……皇帝陛下、申し訳ありません……っ」
 喀血。血と共にサイキックエナジーが溢れ出し、少年の身体から抜けていく。
 結局少年はその名を語ることすらなく、オブリビオンとしての二度目の生を終わらせることとなった。

 『皇帝親衛隊』の一員である少年を撃破した猟兵達。だが、彼らの元に迫る新たな気配があった。
「どうやら増援、のようですね」
 血を払った十六夜を納刀しながら、静流が呟く。複数の足音は通路の先から。
「ここは退きましょう。ここで親衛隊級の敵との連戦は得策ではありません」
 静流の提案に、猟兵達は頷き交わして踵を返す。静かに、通路の反対側へと。ひとまず安全そうな場所まで撤退すれば、グリモア猟兵による転移で帰還出来るだろう。
 当初の目的だった『インペリウム』の内部からの破壊工作は行えなかったが、親衛隊の戦力を削ることが出来ただけでも十分な戦果はあった。
 戦争はまだ続く。激戦の予感を胸に、猟兵達は一時の撤退を選ぶのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月17日


挿絵イラスト