銀河帝国攻略戦㉖~10月10日
●帝国旗艦インペリウム内科学技術センター
朝も夜も関係なく、寝ても覚めても関係なく。
同じ艦からつれてこられたヤツは、逃げ出そうとして死んだ。頭に乗るヘルメットのような装置は重く俺らを束縛し続ける。
俺たちが今居るのは地獄だ。生きていても地獄、死んだとしても地獄。
それならば、俺らが生きている意味はあるのだろうか?
ーーもう疲れてしまった。願わくばまた騒々しくもあたたかい故郷に戻りたかった。
或一人の科学者は誰にも聞こえないそんな声で呟いて、頭に取り付けられている機械に手を伸ばした。
●
「クイズが得意な子はいる?」
青景・黒影(くるりくらり・f00707)は不思議な問いかけを猟兵らに投げ掛ける。
それでも数人の、そういったことに覚えのある猟兵が集まってきたので、ゆるりと話を始めた。
曰く、インペリウムの科学技術センターと呼ばれる施設にスペースシップワールド中の科学者や技術者が集められているらしい。
「彼らが居るのはそこの心臓部。中央コンピューターのある部屋だ。ボクがキミらを送り届けるのもそこになる」
コンピューターはそれを中心にいくつものコードで彼らを繋ぎ、頭脳……いや“部品”としている。その姿はまるで、巨大な木にたわわに実る果実と表現するのが相応しいだろう。
そこに繋ぎ止められている科学者や技術者を救出してほしい、というのが今回の依頼になる。しかしそれとクイズになんの関係があるのか?
首を捻っていると青景は続けた。
「彼らを救出するためにはコンピューターが出すクイズに答えなきゃいけない。見事正解すれば無傷で救出することができるよ」
ただし、解答を誤ったり無理やり助け出そうとしたなら……、
その先の言葉は沈黙により続くことはなかったが、察しの悪い者もどういった結末に至るかは想像に容易いだろう。
「……ま、コンピューターの出すクイズの内容はわかってるから、転移されながら考えておくがいいさ」
ぺらりと小さなメモ紙を見せて、青景は君らを見送る。
此度の謎かけ、その問いは……、
『10月10日の1日の挨拶を答えよ』
樹志岐
皆様ごきげんよう。謎解きは解くのは好きですが、出題は苦手な樹志岐でございます。
というわけで、今回は謎解きをしていただきます。
【注意!】
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
【補足】
科学者や技術者はコンピューターから伸びる無数のコードの先に、ヘルメットのような装置を取り付けられて機械の一部として稼働しています。
彼らはもともと優秀な頭脳を持っていましたが、ドクター・オロチにより、彼らが持ち得た以上の知識を教えられています。
この㉖番シナリオのクリアに応じて戦争後、スペースシップワールドの技術力が発展するかもしれません。
なお、この装置は無理に外そうとする等すると繋がれている科学者らが死にます。
それでは、頭の切れる皆様からのプレイングをお待ちしております!
第1章 冒険
『中央コンピューターの謎かけ』
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POW : 総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、救出します。
SPD : 素早く謎の答えを導き出した後、救出した人のケアを行います。
WIZ : 明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、救出します。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
10月10日。
誕生を祝う言葉やインプットとアウトプットを意味した言葉ではないか、とか10は2進法で『2』だから
節分のことだ。など、あれこれ知恵を絞る猟兵たち。
しかしいずれも挨拶というにはどこかちぐはぐだ。
もしかして。ある猟兵が声をあげた。
謎に挑んだ四人目の猟兵。彼の名は、
ゼルド・シュバイツァー
これ、わざと英数字で書いてますね?
全て漢字に直し『十月十日』。
全てを組み合わせると『朝』という漢字になります。
朝の1日の挨拶は?
と聞かれたら
『おはようごさいます』かと……
という問題かと思いますがどうでしょう?
当たりでしたら【サイコキネシス】もありますので囚われていた方をゆっくり下ろしますね。
※台詞のアドリブ補完等はお任せします。
●答え合わせ
ゼルド・シュバイツァー(陽炎の仇刃・f12297)はメモにかかれた問題をじぃ、と眺めてある結論へと至る。
「これ、わざと英数字で書いてますね?」
メモの空いたスペースに10月10日を漢数字に直して書き入れる。
「10月10日、サムライエンパイアの文字では十月十日。これを並び替えると『朝』という漢字になります」
10月10日の挨拶とは即ち、1日の始まりとなる朝に使う挨拶。
「つまり、『おはようございます』かと」
どうでしょうか? ゼルドが首をかしげると周囲から異論は出なかった。
これがダメなら、また考え直さねばならない。そうしている間に命がつきようとしている人も居るかもしれない。
ーーこれは、ある意味の賭けだ。
震える指をなんとか悟られまいと、コンピューターに自身が導き出した答えを入力していく。
最後のエンターキーを叩く音が大きく響いて聞こえた。
コンピュータールームに動作音以外の音の聞こえぬ静寂が訪れる。そして、
『パスワード入力ヲ、受ケ付ケマシタ。パスワードレベルⅡ。ロックヲ解除シマス』
男とも女ともつかない、機械的なアナウンス。それと同時に片手で数えられるくらいではあるが“果実”が“落ちた”。
慌ててサイコキネシスを使って怪我のないように“果実”……、彼らを受け止める。
やや衰弱しているようだが生きているようだ。
しかし、まだ果実は幹に繋がれている。少しずつ、確実に。
また近いうちにまた救いにこれるだろう。それまで、希望を捨てずに待っていてほしいと願って。
ゼルドと猟兵たちはその場をあとにしたのだった。
【Congratulations!】
大成功
🔵🔵🔵