銀河帝国攻略戦㉒~何人目のオロチ?
●実験戦艦ガルベリオン
とある実験棟。
壁面に並ぶのは巨大な培養液に満たされた容器の中に浮く、生き物の脳髄。
そして、そこから繋がれる配線は壁面のコンソールとディスプレイの基部に接続されている。
一種の生体コンピューターなのだろう。
培養液だけが光る部屋の中に一人立つ影。
熊のフードの中身、人間の顔に当たるところが脳のようなものになっており、呼吸をするように脈動している。
この奇怪な外見の生命体の名はドクター・オロチ。
「ムシュフフフ……さあ、始めようか! 悪いけど殺される気はないよ」
●グリモアベース
「見えた!」
雷陣・通(ライトニングキッド・f03680)が見つけたのはドクター・オロチの居場所。
「奴は実験戦艦ガルベリオンの実験棟の一つに出現する、そこまでの道筋は掴んだよ、みんな!」
オブリビオンの居場所を突き止めたグリモア猟兵は緊張した声で皆に伝える。
「でも、気を付けて。ドクター・オロチは強敵だ。武術で言う先の先なのか分からないけれど『必ず先手を取って攻撃する』、格闘技だと防御できなきゃ一発KOだ」
少年の頬を冷たい汗が伝って落ちる。
「だから、今回はまずオロチのユーベルコードを対策しないと行けない。でも気を付けて、無敵城塞より先に相手は攻撃するから、防御系や封印系のユーベルコードに頼るのも難しい」
つまりは何らかの作戦が必要だと通は伝える。
「あと、一人で受けに回ると今度は攻撃が難しい。だからチームで臨むのが良いと思うんだ」
さらに伝えるのは単独行動の危険性であった。
「だから、今回はみんなで相談して『如何に敵のどの防御を防ぎ、そこから攻撃に回るか』がカギだと思う」
少年が時計に手をかけるとゲートが開かれる。
「ゲートは開いた、後は兄ちゃん達に任せる。だから必ず帰ってきて……俺に話を聞かせてほしいな!」
若きグリモア猟兵は精一杯の笑顔を見せた。皆の緊張をほぐすため。
みなさわ
●注意1!
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●注意2!
ドクター・オロチは、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
こんにちは、みなさわです。
今回はドクター・オロチとの戦いになります。上記の注意項目をよく読んだうえでプレイングに望んでください。
なお、今回の依頼に対しての判定基準もいただいておりますのでそれに基づいて判定していきます。
それでは皆様のプレイングお待ちしております。
第1章 ボス戦
『ドクター・オロチ』
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POW : ジャイアントカルシウム
自身の身長の2倍の【恨みの叫びをあげる骸骨巨人】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD : カリスティックボディ
自身の肉体を【あらゆる生命体を溶解し取り込む緑の粘液】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ : ビャウォヴィエジャの森のフェンリル
【水晶剣が変形した門から『フェンリル』】の霊を召喚する。これは【炎の体を持つ巨大狼で、爆発を呼ぶ咆哮】や【瞳から放たれる魔炎光線】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ニィナ・アンエノン
まぁでも一人でやらなきゃいけない時だってあるじゃんね!
ほら、友達が皆で別の戦場で戦ってる時とか……
いいもん、にぃなちゃんにはテンプテーションがいるもん!
とゆー事で、バイクで突撃しつつの粘液対策かな?
相手は液体だし、【衝撃波】で【吹き飛ばし】ちゃう!
それも限度はあるだろうからとにかく【ダッシュ】で駆け抜けよう!
しぶきくらいは【騎乗】のままでも【見切り】して避けられるかも。
当たっちゃっても【オーラ防御】と【激痛・毒耐性】で我慢!
体を液体にするってんなら【ジャンプ】で空中に逃げて、追いかけてこようって所をミサイルカーニバルで【範囲攻撃】、空間ごと吹っ飛ばしてあげる!
【誘導弾】は細かいのも見逃さない!
●Lonely only battle
「まぁでも一人でやらなきゃいけない時だってあるじゃんね!」
ニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)がスロットルを解放すれば、ヤンソン:テンプテーションZ17スチームカスタムの蒸気エンジンに火が入る。
「ほら、友達が皆で別の戦場で戦ってる時とか……」
彼女は一人で立ち向かおうとしていた、友が他の戦場で戦っている間に自分に出来ることをしようと。
そして少女にはテンプテーションという頼れる相棒が居た。だからこそ一人で戦えるのだ。
だがニィナとドクター・オロチの間で行われているのは戦争だった。
疾走するニィナに対してオロチは自らを緑色の粘液に変化させ、蛇蝎のごときスピードでテンプテーションに迫る、その速度はバイクのギアを上げるより速い。
咄嗟、衝撃波をスチームライダーが放てば粘液は飛散する……はずだった。
「ふき飛んでないの!?」
通常の液体なら飛散したかもしれない、けれどオロチが変態したのは伸縮性と弾力性を持った粘液。
ガラスに一滴、絵具を落としたように広がった粘液は元に戻ろうとするパワーを以ってニィナに迫る!
スロットルを捻り、ギアを落とし回転数でスピードを稼ぐスチームライダー。
だが弾き飛ばした分、縮むスピードは弾丸の様に速く、バイクの後部にまとわりついた。
蒸気エンジンを粘液が融解する、バイクのチャンバーが零れ落ち、排気不良を起こし、パワーが落ちる。
それでもニィナがアクセルグリップをひねねばテンプテーションはジャンプ。同時に放ったミサイルの空間に自ら飛び込む。
衝撃波による吹き飛ばしは確かに時間を作ることが出来た、だが攻撃に持ち込むにはまだ不足だった。誰かが攻撃してくれるか、第二波を防いでくれれば機会はあったかもしれない。
しかしこれは戦争だ。
準備が足りない状態で力量差にある敵に挑んで勝てるチャンスは少なく。ドクター・オロチという存在は偶然性という者を否定する科学者である。
半壊したスチームバイクをどうにか着地させるニィナ。目の前のオロチを爆発に巻き込むことはできたが軽傷といったところだろう。
相棒を失ったスチームライダーは撤退を選択することしかできなかった。
苦戦
🔵🔴🔴
諏訪野・みすず
【ジャイアントカルシウム】を防御してから攻撃します。あらかじめ【エレクトロレギオン】でロボットを出して、そちらを防御に専念させて、みすずはオロチに接近して【バールのようなもの】で撲り倒します。「質より量、なのだ」共闘、アドリブ歓迎します。
コトト・スターチス
オロチの姿に、思わず手や足がふるえます
…でも、ぼくはこれ以上ワルいことをさせないためにきました
必ず倒します!
できれば他の方と一緒に行動したいです
距離をとり、フェンリルの顔の動きから少しでも『情報収集』したデータで攻撃予測して、回避します!
咆哮なら爆発範囲に入らないよう、光線なら視線からそれるように避けます
遮蔽物など使えるものは使い、直撃しそうなら『オーラ防御』で耐えながらチャンスを待ちます
攻撃できるなら、防壁のあるしろにゃんさんをフェンリルの眼前へ飛ばし、次の攻撃にあわせて口または目へつっこませてジャマします!
併せてくろにゃんさんは炎属性弾をオロチに発射し炎上させ、少しでもスキを作りたいです!
エール・アブス
ドクター・オロチ……この世界を救うために、倒さなきゃ。
だからごめん“わたし”。囮になって!
【SPD】で判定。【毒使い】で毒をたっぷりと含ませたもう一人のわたしを先制攻撃の盾にして、その間に『転生齎す灰色の泥沼』で覚醒。同じ生命を溶かす力があるUC『灰泥の涙』で『カリスティックボディ』を剥がすよ。
生命を溶かす力、どちら上か勝負しよっか。
(覚醒時は一人称はそのままで女性的な口調になります。
アドリブ、共闘歓迎)
●Let's Jam! to Orochi
苦闘はまだ続く。
グリモア猟兵の少年は先制されるがゆえに防御系ユーベルコードでの対策も間に合わないと警告した。
それほどまでにドクター・オロチは速い。そして立ち向かうは臨時編成の猟兵三名。連携は望めない。
諏訪野・みすず(不思議系ダンサー・f00636)がエレクトロレギオンにて九体の小型ロボットを事前に用意した。けれど具体的な防御対策を供えず、ただ防御だけを命じれば、機械である以上画一的な処理しかできない上に機械兵器は一撃で消滅するもろさを持つ。そしてジャイアントカルシウムをコントロールするオロチは彼らを待つほど趣味は良くない。
水晶剣を模した骨の塊を振るえばみすずの小型ロボットが防御態勢を整えるまでもなく薙ぎ払われ、オロチに正面から接近しようとした彼女へ剣を振り下ろす!
――質より量、なのだ。
みすずはそう考えての行動だった。けれど先手を取られた場合、量は活かされることがなくなり、質で圧倒される。
せめて小型ロボットを囮として爆発させるか、自分が技能はなくとも機械兵器を囮に物陰に隠れるなりの行動をとっていれば、まだ希望はあったかもしれない。
しかしそうではなかった。
みすずの意識はゴーストの様に深い海を彷徨い、その手に持ったバールのようなものは床に転がった。
「ドクター・オロチ……この世界を救うために、倒さなきゃ」
エール・アブス(好奇心旺盛な泥人形・f07961)は決意を固め。
「だからごめん“わたし”。囮になって!」
泥の中から現れたもう一人の自分を呼び、盾にする。
泥で作られたニールの身体には毒を含み、攻撃すれば毒を帯びると計算しての行動。
確かにそれは成功した。泥人形が作られた直後、粘液が人形を貫き崩壊させる。
そしてニールは『転生齎す灰色の泥沼』によって外なる神の力に覚醒しようとする。だが、その隙にオロチは人型に戻り、毒に咳き込みつつ剣を振り下ろせば、背後の骸骨巨人が恨みの咆哮を上げて、骨の塊を落とした。
彼女がユーベルコードを複数利用するには技量が不足していた、そしてユーベルコードを複数利用する隙があればオロチはもう一度先制攻撃が取れる。
それに気付いたときにはブラックタールの少女の意識はもう既に暗転していた。
ドクター・オロチが周囲を見回す。
凶悪なるオブリビオンは気づいていた。もう一人、猟兵が居たことを。
フードから見える脈動する脳のようなものに対して、コトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)を震える手を抑えるように胸に当て、物陰から様子を見る。
彼女だけが一人、距離を取る作戦を選んでいた。物陰に隠れる努力も功を奏していた。
もし彼女も前に出ていたなら、一緒にやられていただろう。もしくは全員が後ろに下がる行動をとっていても追い詰められていただろう。
偶然が成せる奇跡とはこういうことを言うかもしれない。
だが、それもすぐに終わる。
オロチが水晶剣を床に刺せば、それは門となり炎の体を持つ巨大狼がこの地に降り立つ入り口となる。
『フェンリル』と呼称される巨大狼は爆発を呼ぶ咆哮で周囲を爆破し、隠れていたコトトを見つける。
フェンリルの瞳を見たとき、彼女は覚悟を決めた。
何故ならコトトは『これ以上ワルいことをさせないため』に来ただから!
フェンリルの顔の動きから情報収集をした少女は視線から避けるように走る。巨大狼が瞳から魔炎を帯びた光線を放ち、コトトを追いかける。
ギリギリのところで少女がオーラで防御すれば、オロチは勝利を確信した。
――だが、機会をうかがっていたのはコトト・スターチスも同じだった。
「くろにゃんさん、しろにゃんさん、お願いしますっ!」
白と黒の影が飛来する。
一つは防壁を展開する白猫型ドローン。フェンリルの眼前に飛び込めば展開された防壁が視界を防ぎ、光線を食い止める。
コトトの視界にオロチが入った!
直後、黒猫型のドローンが火球を発射し、オブリビオンへ一矢を与える。
炎に包まれ、転がるオロチ。
培養槽を破壊して、液体を浴びることで炎を消せば、周囲を見回す。
しかし、一矢報いたコトトの姿はどこにも無く、倒れた猟兵も消えていた。
オロチは戯れの様に壊した培養槽に浮いていた脳髄を引っ張り出し、叩きつけた。
それは今、初めて見せたであろう感情の発露であった。
成功
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ユリ・アップルヤード
「んで、ジャンのおっさん。何秒止めたら斬り込めんの?」
ジャンのおっさん(f10018)と組んでやろうか。
向こうが骸骨巨人なら、こっちは機械巨人のリアンさ。
ディフェンス、でかいのはこっちで引き受けるよ。
まずは機械巨人リアンの大楯で防ぎつつ、直接取っ組み合って動きを止めにかかろう。
同時に偵察ロボットコロマルと万能型ドローンルーで、骸骨巨人の目に目掛けて斉射。行動の阻害、意識をリアン、コロマル、ルーの3機に集中させて数的有利を取って行こう。
リアンと骸骨巨人の押し合いは五分なら最高、4:6なら十分さ。
少しでも動きを止められたなら、その一瞬にヒューズの狙撃を叩き込んで、Shoot&Bombといこう。
ジャン・クロニエミ
「おっさん歳だからなぁ。まぁ5秒でも10秒でも、隙作ってくれりゃ頑張るよ」
ユリちゃん(f00153)に便乗しようかね。
ディフェンスは向こうに任せて、ヒットアンドアウェイといこうか。
間合いの外で様子を見て、攻める時だけ踏み込んで、また間合いを取る。
基本だけど徹底すりゃ、ユリちゃんとこの子が押し負けた時の万が一の事故は減らせるでしょ。
隙さえあれば、骸骨巨人を支える足に一の太刀を浴びせて、ぶった斬るとしよう。
ロボットだけじゃなくて、おっさんにまでやられちゃ、メインのリアンに集中しづらいでしょ。
ユリちゃんのユーベルコードが巨人に当たったら、一気にダッシュして踏み込んで、ドクターに一の太刀といこうか。
●Apple&Jam 5or10second
「んで、ジャンのおっさん。何秒止めたら斬り込めんの?」
ユリ・アップルヤード(パーツ屋「アップルガレージ」・f00153)の駆る機械巨人リアンの大楯が骸骨巨人の剣を受け止めれば、そのまま肩をぶつけ格闘戦へと持ち込む。
「おっさん歳だからなぁ」
スパニッシュハットにロングコートのジャン・クロニエミ(フォースナイト・f10018)がアンダーリムの眼鏡を通して、巨人の激突を眺めれば。紫煙をたなびかせる紙巻を指に取り。
「まぁ5秒でも10秒でも、隙作ってくれりゃ頑張るよ」
放り投げる。
金属の床が灰を受け止めるころには白いストールをなびかせ、骸骨巨人とドクターオロチへと走る。
1.second
ジャンの念動剣とオロチの水晶剣がぶつかり合う。
2.second
フォースナイトと銀河帝国の科学者が離れる。
3.second
小さな丸形の蒸気ロボットと万能型ドローンが起動し巨人へと走る。
4.second
オロチがジャイアントカルシウムを操作すれば、ジャンが再び迫る。
5.second
フォースナイトの剣をオロチが切り払えば、呼応して骸骨巨人が剣を振るう。
6.second
そのチャンスを見て、ロボットのガトリングとドローンの機関砲が骸骨の目元を狙ってトリガーを開放する。
7.second
ジャンが走る。オロチは骸骨巨人をコントロールし機械巨人へと剣を振るう。
8.second
リアンが剣を受け止めれば、骸骨足元をロングコートの男が走り――その骨を切った。
8秒の出来事だった。
「ヒューズの目からは逃げられない」
そしてユリはチャンスを逃さない。戦闘用機械兵ヒューズへと狙撃プログラムの実行を命じれば。機械兵はプログラムを忠実に実行、もう一つの膝を打ち抜く。
「そしてリアンのパワーは!」
鋼鉄巨人が両手を握り、天高くへと掲げれば。
「誰にも止められない!!」
Shoot&Bomb! スレッジハンマーがジャイアントカルシウムの頭蓋骨を叩き割った!
直後、ロングコートの男がオロチへと肉薄する。
「師曰く『一太刀に研ぎ澄ませた念を込め、戦意を断て』とさ」
呟きと共に念動力が作り上げた一振りの太刀が舞い、ドクター・オロチの左腕を刎ね飛ばした。
片腕を失ったことでバランスを崩し、転倒したオブリビオン。
だが、水晶剣を杖に立ち上がる。
自分には「持ち帰る」ものがあるのだから、ここで邪魔されるわけにはいかないのだ。
負傷を押して前に進む、オロチの足元には灰になった紙巻の跡だけが残っていた……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
キリエ・ニール
チーム【惑星】で参戦
友達に無茶までさせるんだ。
絶対に、チャンスは逃さない。
フェンリルの咆哮の波を捨て身の衝撃波と念動力をぶつけ反射、ないし逸らして回避。
魔炎光線は瞳の視線から射線を見切り炎は念動力で散らす。
敵の攻撃を学習しダメージを抑えユナの負担を少しでも軽減、攻撃が途切れる隙を伺う。
息切れを起こすか瞬きか、その隙を学習力と第六感で察知し
そこにコードを使用。
百の刀剣を数打から召喚し一斉に射出…狙うはこのチャンスによる必殺
僕の剣は鎧無視、強固な守りも貫いて攻撃できる
神獣たるフェンリルなら対神対獣の剣は効くよねぇ…?
さぁ四の五の無用―切り尽くそう。
剣幕を浴びせ同時に狙うはお前だドクター・オロチ!
ユナ・アンダーソン
チーム【惑星】と行動
強敵みたいね
でも仲間と一緒なら切り抜けられるはず
行こう、キリエ!
フェンリルの攻撃は第六感5、激痛耐性6、火炎耐性3、武器受け3、気合い1、覚悟1を使って防御
かばう3、武器によるなぎ払い4でキリエに来る攻撃も庇う
来ると分かっているなら覚悟は出来る
私は防御に専念してキリエのチャンスを作る
キリエはやらせない!
傷ついたキリエを優しさ11、手をつなぐ11、祈り7、救助活動4、医術3、激痛耐性6、鼓舞12、覚悟1を用いて傷奪う星痕を使用
あなたと自分のダメージで動けなくなるって?
大丈夫よ、いつものことでしょ
あなたの傷を私にちょうだい?
うん、これで大丈夫
―――行って
頼んだわよ、キリエ
●Planetblade of Murakumo
立ち上がったドクターオロチへと止めを刺すべく、二人の猟兵が走り込んだ!
咄嗟にオロチが水晶剣を地面に刺せば、再びフェンリルが咆哮を上げ、炎で二人を焼く。
キリエ・ニール(勘頼りの放浪者・f00824)がイチかバチかの衝撃波で炎の勢いを殺せば、そこに飛び込むのはユナ・アンダーソン(星骸のスティグマテイカ―・f02647)。
金髪が炎を照らさせ、朱を差すのを構わずに己の身を投げ出し、炎からキリエを庇う。
「ユナ!?」
「強敵みたいね」
赤に照らされる彼女を美しいと見惚れるが、すぐに状況を思い出し、自らも手を伸ばす。
熱い!
この熱を耐えているのかと知れば自然とキリエの足が進む。
だが、ユナはそれを手で制するの。
「来ると分かっているなら覚悟は出来る!」
「…………」
「私は防御に専念してキリエのチャンスを作る。キリエはやらせない!」
キリエの手が伸ばされる。
念動力が幾分炎を捻じ曲げ、ユナの火傷を減らし、そしてキリエを焼く。
フェンリルが息切れを起こすか瞬きか……狙うはその一瞬。
『グォオオオオオオオオオッ!』
「ウォオオオオオオオオオッ!」
「ヤァアアアアアアアアアッ!」
二人の息が自然と合い。巨大狼とそれを狩る猟兵の咆哮が激突する。
どれくらいの時が立ったのだろう……熱が収まり炎が弱まっていくのを二人が感じた――息切れだ!
直後、赤の揺れる幕が切り裂かれるように消え、視線の先には巨大狼。
キリエが駆けだそうとすれば、その手にユナの手が掴み、絡み合えば星骸の聖痕が光る。
「ユナ!?」
「あなたと自分のダメージで動けなくなるって? 大丈夫よ、いつものことでしょ」
「でも!?」
傷奪う星痕キリエの負傷を奪い取り自らのものとしていく中、少年が叫ぶ。
「あなたの傷を私にちょうだい? うん、これで大丈夫」
そんなキリエに対してユナは微笑んで手を離す。
「―――行って……頼んだわよ、キリエ」
倒れ行く少女、少年は後ろを振り返らずに走る。
「友達に無茶までさせるんだ!」
飛び上がったキリエが抜くのは数打の剣百本!
「絶対に、チャンスは逃さない!」
視線の先にはフェンリル。その目が光ろうとした時、剣が射出され巨大狼の目を抉る!
「神獣たるフェンリルなら対神対獣の剣は効くだろ!」
少年の叫びが男の咆哮に変わる時、九十と九の剣が獣を打ち倒し。そして傍らに浮かぶ最後の剣を取れば。
「四の五の無用――切り尽くそう!」
ハンターソード・レギオンズ――剣の軍団が今、キリエと共に流星となってフェンリルとオロチへと降り注ぐ。
「狙うはお前だドクター・オロチ!!」
その中を天より授かった叢雲のごとき速さでキリエが身体ごとぶつかれば、ドクター・オロチの腹を刃が貫き、壁へと串刺しにする。
「ムシュフフフ……今回は勝ちは譲ってあげるよ」
致命傷を受け身体が石の様に変わる中、オロチが笑う。
彼は知っている。自分が何度でも骸の海から戻ってこれるのを。
キリエが柄を捻れば、オブリビオンの笑い声が消え、その身が崩れ去る。
「何度だって勝ってやる……猟兵を舐めるな」
彼は知っている、何度でも殺せば骸の海から帰ってこれないのを。
少年は背中を向け、倒れている少女へと歩いて行った。
成功
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