3
銀河帝国攻略戦㉕~『正義』の執行者

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#スペースシップワールド
🔒
#戦争
🔒
#銀河帝国攻略戦


0




●インペリウム強襲作戦
「集まったか。ま、長話してる暇はねえ、手短に話すぞ」
 ココ・ベレスマインズ(強欲な悪徳商人・f05396)はそう言うと作戦の説明を始めた。
「今からアタシがお前さんらを帝国旗艦『インペリウム』の適当な場所に転送するから、適当にインペリウムの内部をぶっ壊しな。以上!」
 が、それはおおよそ作戦とは呼べないものであった。
 一言で言えば行き当たりばったりとしか言いようがないものである。
「まあその、なんだ。今、インペリウムは解放軍のスペースシップと戦ってるだろ? つまりそっちの方に気が向いているから恐らく対艦戦闘に集中せざるを得ないはずだ」
 それに、というとココはニヤリと笑ってグリモアを出現させる。
「アタシら猟兵は任意の場所に転移することが出来る。そこで、お前さんらにはインペリウムの内部で暴れまわってもらって、あわよくばインペリウムの機関部やら重要そうな区画を破壊するとかして解放軍のスペースシップを援護してもらいたいんだ。ああ、そうだ。インペリウム内部には『皇帝親衛隊』とかいう精鋭部隊がいるらしいが……」
 まあ、そこまで心配することは無いだろうと言葉を続ける。
「敵側にはアタシら猟兵がいつ、どこの場所に現れるか予測のしようがねえはずだ。それに『親衛隊』なんて名前なら銀河皇帝の周辺で守りを固めてるはずだろうよ」
 そういうとココは転移の準備を始める。
「なあに、心配はいらねえ。アタシはギャンブルには自信があるんだ。転移した先には敵が全くいないか、いたとしてもクローン騎兵程度だろうよ!」
 ガハハ、というココの笑い声を聞きながら猟兵たちは転移を開始した。

●そこに『彼』はいた
 インペリウム内部に転移した猟兵たちは、まず敵がいないか周辺を警戒する。
 そこはやけに広々とした使われていない倉庫のような区画だった。
 ハズレか、と思った猟兵たちは唯一の出入り口らしき扉を見つける。
 扉に向かおうとするが、扉は猟兵たちがなにもせずとも静かに開いた。
 その先は上り階段になっていた。そして革靴の乾いた足音だけが空間に鳴り響く。
 しばらくすると、階段を下りてきたスーツ姿の男……地獄宇宙人アビ星人が現れた。
「正義とは何かと思うかね?」
 開口一番、猟兵たちに向かって問いかけるアビ星人。
 その言葉に返答がないと見ると、再びその口から言葉が発せられる。
「私は、陛下と、陛下の作りあげる素晴らしい世界! それこそが正義だと思っている。そしてその理想を邪魔するものは……」
 アビ星人は猟兵たちを睨み付ける。
「この私が処刑する!」
 そして、猟兵たちとアビ星人との戦いは始まった。


沙田
 沙田です。
 ようやく念願の戦争シナリオを出すことが出来ました。

●ご注意その1
 このシナリオでは、何故か猟兵たちの来る場所がわかっていた親衛隊の一人と戦うことが出来ますが、当初の目的であるインペリウム内部の破壊等はできません。
 戦闘を行う場所は広々とした何もない空間ですので、思う存分戦ってください。
 また、頑丈な区画ですので派手な技を壁等に命中させても大きくへこむ程度です。
 戦闘終了後はグリモア猟兵が転移して脱出させますので特に脱出方法の記載などは必要ありません。

●ご注意その2
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
12




第1章 ボス戦 『地獄宇宙人アビ星人』

POW   :    宇宙地獄近接格闘術
単純で重い【宇宙マーシャルアーツ 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    宇宙地獄超次元殺法
【短距離テレポートを駆使した近接格闘術 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【超高速連続攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    宇宙地獄プラズマ弾
【掌から100,000,000℃の光弾 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠砲撃怪獣・ガンドドンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

五条・巴
残念、賭けに負けたね。
予測されているのは脅威となるけれど、やることは変わらないさ。
君にとっての正義がそれでも、僕にとっての正義とは異なるんだ。
さあ、勝負だよ。

僕は仲間と連携して【援護射撃】【二回攻撃】を活用、敵の攻撃の相殺と妨害を図るよ。

それにしても攻撃が広範囲で厄介だな…。
ライオンライドで数秒飛んで攻撃の波から逃れる。
敵が攻撃してきた後すぐに、上から狙い撃ち。

処刑されるのは、君の方だったみたいだよ。

※絡み、アドリブ歓迎


クラウシス・ゴドリベント
正義とは自分が正しいと信じる行いだと思っているよ
そして僕は力なき人々を理不尽から守ることこそが正義だと思っている
貴方の正義とは相容れない以上ここで決着をつけなければならないね

POW対応:【見切り】で効果範囲から大きく回避しその範囲外から【カウンター】【早業】を駆使し心光剣・大両断でリーチを伸ばし攻撃
SPD対応:【第六感】と【見切り】で対応。勘で回避行動を取る
他の味方に向かった場合は【念動力】で少しでも動きを妨害し他の味方がフォローする隙をつくる
WIZ対応:【ダッシュ】と【見切り】で回避に専念。回避不能もしくは直撃を耐えられない者がいる場合は【盾受け】【オーラ防御】【かばう】でダメージを軽減する


マリン・クローバルド
-内情
何でか君が待っているんだね、
戦うの得意じゃないけど、がんばって倒さないと。
僕も・・・、イェーガーなんだから!

当初の予定(インペリウム内部の破壊)とは違うけど
まずは君を倒さないといけないね。

-行動
同行されているメンバーの様子を見つつ
連携が取れそうだったら取るよ

相手のスピードをみて
攻撃が当てれない、敵の攻撃が避けられない
ほどだったら、ライオンを呼び出して騎乗し戦う
これでスピードは補えるはず

あとは動きで翻弄しつつ戦っていくよ
基本は妖剣で戦って行こう

「君には退いてもらうね!」

戦うの怖いけど
絶対にひかないよ。

同行メンバーの様子み見ながら戦って
フォローできるところはして行こうかな。



「さっき、君は『正義とは何か』と僕らに聞いたね」
 クラウシス・ゴドリベント(流浪のプリンスナイト・f03839)はそう言うと、アビ星人に向かい、一歩踏み出す。
「僕は力なき人々を、理不尽な力から守る事こそ正義だと考えている。貴方の正義とは残念ながら相容れないね」
「成程、つまり……」
 突如として、クラウシスの横に声が移動する。
「貴様は……陛下の作りあげる素晴らしい世界の、秩序を乱すものというわけだ」
 アビ星人のユーベルコードのひとつ、『宇宙地獄超次元殺法』によるものだ。
 そしてそのまま拳をクラウシスの頭に向かって振り上げる。
 その時、風切り音と共に矢が二人の間に向かって飛んでいく。
 アビ星人は拳を止めると、矢が飛んできた方向に顔を向ける。
 そこにいたのはロングボウを構えた五条・巴(見果てぬ夜の夢・f02927)だった。
「残念ながら、君にとっての正義がそれでも。僕らにとっての正義は異なるんだ」
 すぐに次の矢をつがえようとする巴。
 クラウシスの横に転移した時のように今度は巴の方に転移しようと巴に向き直る。その時、アビ星人にとって新たな敵である三メートルはあるであろう巨体をもつ黄金のライオンと、それに乗ったマリン・クローバルド(家族想いな男の子・f07674)が巴の後ろから現れる。
「僕も、クラウシスちゃんと、巴ちゃんと同じように考えてるよ。強い人が弱い人を一方的にいじめるような、そんな世界が素晴らしい世界だと思えないもん!」
 マリンを警戒して先に排除しようとしたのか、それとも『陛下の作り上げる世界』を否定されたからなのか、対象をマリンに変えて転移しようとする。
 しかしマリンは妖刀を構え、ライオンと共にアビ星人に向かって突進する。
 不意に動かれたことで転移先にズレが生じ、転移先を修正しようと一瞬ではあるがアビ星人は動きを止める。
 そのわずかな隙を見逃す巴ではなかった。
 矢をつがえた巴はアビ星人に向けてその矢先を向ける。
「もし、君が正義なら僕たちは……悪ってことになるのかな?」
 そして矢は放たれた。
 アビ星人は矢を避けた勢いのまま横に飛び、クラウシスに向かって走り始める。
 ユーベルコード『宇宙地獄近接格闘術』による重い一撃を放とうと、そのままクラウシスに向かって拳を振るう。
 だが拳は命中せず、空を切った。
 クラウシスが、拳が命中する直前に大きく後ろに飛び、距離をとったからである。
『我が心に宿る不屈の光、顕現せよ!心光の導きであるべき場所へ帰るがいい!心光剣・大両断!!』
 そしてユーベルコード『心光剣・大両断(シャイニングフォースキャリバー)』によって発生したサイキックエナジーの光の剣がアビ星人のわき腹をえぐりとる。
 わき腹の傷を視認し、傷の程度を確認すると、すぐさま掌に光弾を発生させる。
 ユーベルコード、『宇宙地獄プラズマ弾』だ。
 アビ星人はそのまま飛び跳ねると、光弾を地面に向かって炸裂させる。
 鎧に身を包み、盾を持っていた男はある程度防げるだろう、あの華奢な子供もライオンが自身と同じように飛び跳ねていれば無傷だろう。
 だが、あの弓を構えていた男は今頃炸裂した100,000,000℃の光弾によって焼かれている。自身の正義を否定した悪であるあの男は。
 その姿を確認しようと再び視線を巴の方に向けるアビ星人。
 いない。
 あの男がいない。
 辺りを見まわすが、目に映るのはプラズマ光弾を盾で防ぎきったクラウシスとライオンを飛び跳ねさせ、回避したマリンの姿だけだ。
 すると不意にマリンのいる方向から矢が飛び、アビ星人の右足を貫く。
 そのまま体勢を崩し落下するその時、ライオンが一匹ではないことに気づいた。
 一回り大きいライオンがマリンの後ろにいる。
 そしてその上には巴が乗っていた。
「処刑するって言ってたけど。この様子じゃ処刑されるのは君の方かもしれないよ」
 ふ、と巴は微笑むとマリンと共に地面に着地する。
 右足を矢で射ぬかれたがために、着地体勢をとれずそのまま地面に落下し、地面に転げ落ちるアビ星人。
 そして立ち上がろうと右足の矢を引き抜くが、そのわずかな時間でライオンを駆けさせながらマリンが妖刀を構え、アビ星人に近づいていた。
「戦うのは得意じゃないけど、僕も猟兵なんだからねっ!」
 チ、と舌打ちしたアビ星人は再び掌からプラズマ光弾を発生させ、今度はマリンに向かって放とうとする。
 だが、腕が動かない。
 ふふ、と小さな笑い声の方向にアビ星人が目を向けると、そこはプラズマ光弾の炸裂を防ぎ切ったクラウシスの姿があった。
「念動力というものを、僕も多少は使えるんでね」
「貴様……」
 念動力によって動きを止められた腕を動かそうと必死になっている間に、アビ星人はマリンの間合いにはいってしまった。
「悪いと思うけど、君にはここをどいてもらうね!」
 そしてそのまま妖刀はアビ星人の胸を斬り裂く。
 呼吸器を損傷したのか、血の混じった咳をするアビ星人。
 だが、彼は傷を押さえながらも再び立ち上がった。
 攻撃を警戒し、後ろに飛び跳ねるマリン。
 だが、アビ星人は攻撃ではなく猟兵たちに向かって拍手をし始めたのだ。
「流石だよ、猟兵の諸君。陛下の敵として立ち塞がる者たちとして十分な強さだ」
 血を吐きながら拍手をし、敵である猟兵を称賛する。
 不気味な光景を目にした猟兵たちは、わずかではあるがこの意味の分からない行動に恐怖心を抱く。
「こ、怖がらせようとしても無駄だよっ!」
 マリンの言葉に、咳をしつつもアビ星人は答える。
「怖がらせる? とんでもない、私は純粋に君たちを評価しただけだよ」
 そして再び格闘の構えをとる。
「陛下の敵として、弱い者たちにはふさわしくない。君たちは陛下の敵としてふさわしい、このくらいの強さは見してもらわねば。だが……」
 血を滴らせながらも、笑顔でアビ星人は言い放った。
 勝つのは私だ、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

片霧・己言
お艦(ふね)を破壊かと思ったら
もっと楽しそうなのがいた~!(敵を前に嬉しそうに剣を握る)

「みこと遊ぼうよ!」

敵の攻撃力とかユーベルコードが厄介だから
咎力封じを最初の方に使っておくよ

武器は主に「cruel angel」にて攻撃を行う
形は剣状

今回は冷静にならないと勝てないかもしれない・・・
同行メンバーと合わせて攻撃もいいかな♪

「攻撃合わせる!!」

攻撃の手は止めないようにしつつ
相手の動きにも注目しながら戦うね

「攻撃は最大の防御!もっとみこに血を見せてよ!」

傷ついた仲間がいれば
スティグマで癒しを与えるね
「戦えないと楽しくない。もっと頑張れ、そしてもっと血を流させろ!」


「早く殺さないとみこ飢えちゃうよ」


七詩野・兵衛
アドリブ絡み等歓迎。

俺はこれが戦争初参戦だ。
さあ気合と情熱が過去に勝る力である事を見せてやる。
待ち伏せ上等!この様な集団戦こそ我らが応援力の魅せ所だッ!

応援団招集!まずは我輩のユーベルコードにて、
熱血応援団員と楽団員を召喚するぞ。
押忍!戦え!応援団。情熱的な演奏に乗せた、
「気合い」のこもった演舞とエールを魅せてやる。
我が団員達の「鼓舞」を侮るなよ。
可能ならば他の猟兵も応援したいところだな。

攻撃は愛用の鎖付き両手斧『気合連結』の出番だ。
他の猟兵との連携をし意識しつつ、
我輩の「怪力」で斧を「投擲」、更に鎖を操り「二回攻撃」だ。
可能ならば「第六感」と「学習力」で敵の攻撃を予知して、
戦闘していくのだ。


犬憑・転助
俺のユーベルコードは超嗅覚、キナ臭さだってかぎ分けるぜ

ははっ、こいつは良い!
楽しい戦いになりそうだ!

敵の奇襲(テレポート)や発見は超嗅覚で感知し、仲間に知らせる
来ると思ったぜ(かばったり避けたり敵の弱点ついたり)

基本的に仲間に指示出し、仲間がやられねーようにする

超嗅覚で敵の弱点を嗅ぎわけ狙う、自分が倒れても弱点だけは仲間に伝える

戦いが膠着したら、頭脳派な旅団の仲間の指示に従う。またはやろうとしてる作戦をフォローする
(傷だらけは望む所、苦労人ポジ希望)

この程度じゃ、俺の心は折れねーぜ?(立ち上がる)

プラズマ弾も刀で斬り捨てる
サムライに斬れないものは、ないんだぜ?

アドリブ歓迎、他PCと絡み希望



 あくまで勝つのは自分だという姿勢を崩さないアビ星人。
 そんなアビ星人に片霧・己言(ストライプの悪魔・f01858)はその形を状況に応じて変化させるcruel angelと呼ばれる、刀身まで黒に染まった剣……をぶんぶんと振りまわし、きゃっきゃとはしゃぎながらアビ星人に斬りかかる。
「ねえねえ、みこと遊ぼうよ。ぜったいぜーったい楽しいよ!」
 アビ星人は返答代わりにユーベルコード『宇宙地獄近接格闘術』による蹴りをその顔に喰らわせようとするが、蹴りは二対の妖刀によって阻まれた。
 とある一族に代々伝わる二刀一対の妖刀、白狼刀。そしてその持ち主は。
「あんま熱くなりすぎんなよ、己言。いくら楽しくなりそうな戦いだからってな!」
 犬憑・転助(孤狼の侍・f06830)である。
「えー、だってこの宇宙人ちゃんすっごくすーっごく楽しそうな人なんだもんっ」
 楽しそうな人。
 言われたことのない言葉にややアビ星人は困惑の表情を見せる。
 そこに突如、いきなり勇壮な曲と応援歌が辺り一面に響き渡る。
『この声援に応えねば漢が廃る。我輩の生き様とくと見よッ!』
 七詩野・兵衛(空を舞う熱血応援団長・f08445)のユーベルコード『応援活法『大声は里耳に入る』』によって召喚された大勢の熱血応援団員と楽団員によるものだ。
「吾輩の名は兵衛、アルダワ魔法学園『轟嵐会』団長 七詩野兵衛!」
 そして兵衛は自身の武器である気合連結と呼ばれる鎖のついた両手斧を構える。
「いざ尋常に、勝負であるッ!」
 兵衛の方にアビ星人が目を向けた隙に、己言はユーベルコード『咎力封じ』を発動させ、手枷と猿轡、そして拘束ロープを放つ。
 猿轡と拘束ロープは命中せずそのまま床に落ちたものの、手枷は軽い金属音をたててその両手をつないだ。
「こざかしい真似をする……」
「お手柄だな己言っ!」
「えへへ、一緒にいっぱい血を流させるぞっ」
 そしてそのまま転助と己言はアビ星人に向かい武器を構えながら突っ込む。
 アビ星人はユーベルコード『宇宙地獄プラズマ弾』を発動させ、光弾を投げつけるが、その光弾が炸裂することはない。
「サムライに斬れねえものなんざ……ねえんだぜっ!」
 光弾を二対の妖刀で切り裂き、霧散させる。
 その光景に少し驚きの顔を見せるアビ星人。
「攻撃、合わせる。攻撃は最大の防御だものっ!」
「右は任せたぞ!」
 そして二対の妖刀と黒い剣がアビ星人に迫る。
 アビ星人は二人の攻撃を回避しようと上空に飛ぶが、上空には大斧が待っていた。
「吾輩を甘く見るでないぞッ!」
 兵衛の大斧が命中し、そのまま叩き落されるアビ星人。
 その時、転助は兵衛に向かって叫ぶ。
「兵衛、『俺に向かって左横から大斧で攻撃しろっ!』」
「何か策があるのだな!」
 そのまま鎖を伸縮させつつ振り回し、大斧を転助に向けて右に薙ぐように飛ばす。
「悪いな、己言」
「あうっ!」
 転助は己言を突き飛ばし、地面に転ばせる。
 何をしている、己言嬢は敵ではない。
 その言葉が発せられる前に己言が立っている、いや立っていた場所の後ろにアビ星人が攻撃をしかけようと転移していた。
 だが、己言はそこにはいない。アビ星人が何が起こったのか理解する前に転助はアビ星人を羽交い絞めにし、そのままアビ星人を左に向ける。
 大斧が飛んでくる左の方向に。
 そしてそのままアビ星人は大斧の直撃を喰らい、転助は壁に叩きつけられた。
「グ、ググ、貴様、何をした……」
『来るのはわかってたぜ。悪いが俺の鼻は特別性でね、キナ臭い場所まで嗅ぎ分けちまうのさ』
 ユーベルコード、『超嗅覚』によってアビ星人の行動を予測した転助は機転を利かせ、自分ごと兵衛に攻撃させたのだ。
「転助君、大丈夫かッ!」
 すぐに兵衛は駆け寄り、大斧を引き抜く。
 大斧はアビ星人の身体を貫通し、転助の腹にも突き刺さっていた。
 アビ星人の身体を持ち上げ、放り投げる兵衛。
 そこに少しして、転んでいた己言も近づいてくる。
「己言、さっきは悪かったな」
「おー、大丈夫か転助、戦えないと楽しくないよ」
 そういうと己言は自身のスティグマで転助を回復させる。
「なあに、まだ俺の心は折れちゃいねえよ」
 ある程度、傷が塞がったことを確認すると転助はよろめきながらも立ち上がる。
「自身の身を犠牲にしてでも敵を倒す策、見事であったぞ転助君! 一瞬でも疑った私を許してくれッ!」
「気にしちゃいねえ。それに兵衛の武器と、その大斧を的確にブン回す技術がなきゃできねえ作戦だった……俺一人じゃ、倒せない相手だったかもしれねえな」
「ねえねえ、二人とも」
 二人の会話に割って入る己言。
「まだ、死んでないよ。早く殺さないと、みこ飢えちゃうよ」
 そう言うと己言は地面に這いつくばっているアビ星人を指さす。
「私は、正義……正義、わたし、は、せい、ぎ」
 私は、正義、私は、正義。うわごとのようにアビ星人は繰り返す。
 そして光弾を掌から出現させ、三人に向かって放とうとするが。
「もっと、血を流させろー!」
 光弾が放たれる前に、己言は笑いながらアビ星人の首を黒い剣で斬り落とした。
 アビ星人の首から血が噴出する。
「流石だ己言嬢ッ! 危うく最後の最後で逆転されるところであったぞ!」
「えへへー、みこ褒められた」
 そんなやりとりをしている三人の耳に、出入り口の方からあわただしく階段を駆け下りてくる音が飛び込んできた。
「もっと血を流すぞー!」
 そう意気込み武器を構える己言を兵衛は制止する。
「己言嬢、ここは一旦引くべきである!」
「えっ、なんでー?」
「兵衛の言う通りだ。親衛隊を一人倒した、今回はそれで十分な戦果だ」
 しょんぼりとする己言であるが、わかった、と呟く。
 そして猟兵たちはグリモア猟兵によってグリモアベースに転移した。
 正義だったものの残骸をそこに残しながら。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月19日


挿絵イラスト