アルカディア争奪戦㉖〜言語中枢を狂気に委ねよ
●グリモアベース
「濃密な大気が凝縮してる空中庭園に向かってくれその大気は帝竜『大空を覆うもの』に変形するからそいつと戦ってきて欲しいんだ奴の正体は『ブルーアルカディアの大気そのもの』だからブルーアルカディアから全ての大気を消滅させない限り倒せないつまりは絶対に倒せないってことなんだがその大気を散らすことで一時的に奴の顕現を妨げることならば可能だ」
そこまで一気に言ったのは、宙夢・拓未(未知の運び手・f03032)だ。息継ぎしてから、彼は続ける。
「世界中の大気が凝縮されることに伴い世界中の魔力もここに凝縮してるから皆はこの魔力を吸収してくれそうすりゃ自身のユーベルコードを強化できるから大気そのものである『大空を覆うもの』にもダメージを与えられるはずだぜだが膨大な魔力を取り込んで己を強化することは同時に『力ゆえの狂気』をも孕むからなこの狂気に冒された猟兵はどういうことになるかというと」
ふうぅー、と深呼吸してから、拓未は言った。
「今、俺が実演したみたいな喋り方になるぜ。こういう言葉を『ベルセルク言語』って呼ぶそうだ」
誰も、実演して欲しいなんて頼んでいない。にもかかわらず、拓未はやりきった。
「口から出る言葉はもちろん、頭の中の思考もベルセルク言語になっちまうだろうな」
句読点も改行もない文章でしか物事を考えられない。恐ろしい狂気だと言えよう。
「けど、そんな大変な中でも、皆はしっかり『大空を覆うもの』と戦って、顕現を阻止してきてくれるって、俺は信じてるぜ!」
グリモアが光り輝き、ブルーアルカディアの空中庭園の一つへと、猟兵たちを送り出す。
地斬理々亜
地斬です。
よろしくお願いします。
●プレイングボーナス
『ベルセルク言語でプレイングを書く』
(句読点と改行なしでのプレイングに挑戦してみてください)
●プレイング受付
オープニング公開と同時に受付開始します。
締切は設けませんが、早期完結の予定です。
採用人数は最少の予定です(採用は先着順ではありません)。
それでは、色んな意味でのご健闘をお祈りします。
第1章 ボス戦
『帝竜『大空を覆うもの』』
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POW : 雷災体現
自身の肉体を「稲妻の【渦巻く漆黒の雲】」に変える。変身中、雷鳴電撃・物理攻撃無効・通電物質内移動の能力を得る。
SPD : 災害竜招来
自身の【肉体を構成する雲海】を代償に、1〜12体の【様々な災害を具現化したドラゴン】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
WIZ : 魔竜真空波
全身を【触れたものを破壊する真空の波】で覆い、自身の【大きさ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
イラスト:純志
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
クーナ・セラフィン
予め爆発のルーン記述した符をたっぷり準備して転移し魔力たっぷり吸収してさーべるせるくたーいむ思考がガンガンドライブしてくけどあの帝竜倒す為ごーごー陽だまりのオーラをたっぷりの魔力の結界術で強化して全力ダッシュで災害竜襲撃は小柄な体活かしそれをすり抜け炎とか諸々の災害での妨害は野生の勘とか周囲の状況よく観察して回避できる場所探し飛び込み逃れできるなら災害竜の体の上も経路に帝竜の頭目掛け全力でダッシュするかにゃーさて帝竜のめっちゃでかい顔の真ん前でUC発動目が合ったならそこに心も終焉も見透かし狙いも読めるから回避しつつ魔竜の体に準備してた符をぺたぺた貼りありったけの魔力籠め起爆で空気散らしてやろう
●狂騎士猫と帝竜の瞳
灰色の毛並みを持つケットシー、クーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)は転移を終え、その小さな体へと、存分に魔力を吸収してゆく。
「さーべるせるくたーいむ思考がガンガンドライブしてくけどあの帝竜倒す為ごーごー」
藍色の涼やかな瞳は、狂気に彩られた。
まずクーナがしたことは、その身を覆う、温かな陽だまりのオーラを強化すること。吸収した大量の魔力を結界術の行使に注ぎ込み、守りを固めた。
それが終わるとすぐさま、クーナは全力で駆けた。
帝竜が召喚した災害竜たちの襲撃を、彼女は小柄な体を活かしてすり抜けていく。
災害竜たちが巨大であるのに対し、クーナの身長は40センチ強である。正確に攻撃を命中させるのは難しいだろう。
ならばまとめて破壊してしまえ、とばかりに、災害竜は火災を起こした。
「おっとこれは流石に危ないねだけど私の野生の勘を甘く見てもらっちゃ困るよ」
クーナは落ち着き払って周囲の状況を観察する。視界に入ったのは、雪のように白い災害竜の巨体。
「きっとあれは雪崩を具現化した災害竜ってところだね丁度良い」
さらに全力で駆け、その白竜の体の陰にクーナは飛び込んだ。読みのとおり、火災の勢いは雪崩の竜によって減じる。
それでもちりちりと熱さを感じたが、強化したオーラのおかげで、クーナが火傷を負うことはなかった。
炎が収まったところでクーナは飛び出す。手近な災害竜の尾を上り、背の上を駆け、そのまま災害竜の頭の上まで走り抜けた。
『……わかっている わたしは アルカディアを護らねばならない……』
帝竜の巨大な瞳がクーナを見る。目が、合った。
|騎士猫は終焉を知る《スコアリーダー》……クーナは帝竜の心と、終焉を見透かした。
帝竜は災害竜に、クーナへと雹を降り注がせる。それを読んでいたクーナは回避しながら、帝竜の体へと、大量の符を貼り付けていく。
爆発のルーンを記述した、魔術符だ。
「ありったけの魔力をキミにあげようどうか受け取ってくれるかい」
起爆――帝竜の体を構成する大気が散り、体のあちこちが大きく抉れた。
大成功
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鈴之音・朝露
でも少しこの雲海泣いているのですわかつて猟兵が対峙したという狂気の帝竜ベルセルクドラゴンと同じ狂気が満たされてるのですわ朝露の胸を満たしこの身を廻る狂気に震え朝露の白燐蟲も宿りし銀龍天も悦んでいますの大空を覆うもの穿たれなさいですのUCリベレイション朝露の体に憑依し銀龍天狂気の力に染まった銀龍の弾で撃ち抜き漆黒の雲海を貫き滅ぼすのですわ空は青く在れば良いのですわでも荒れる狂気は朝露を満たし心地良いですの
●満たされしもの
『……わかっている わかっている……』
帝竜の姿を目の当たりにした、鈴之音・朝露(終焉の埋没者・f38394)は、こう呟いた。
「でも少しこの雲海泣いているのですわ」
悲しそうだ、と。朝露は感じたのである。
「ああそれにしても何ということですの今の朝露にはかつて猟兵が対峙したという狂気の帝竜ベルセルクドラゴンと同じ狂気が満たされているのですわ」
ベルセルクドラゴンもこういう喋り方だった、すなわちベルセルク言語を用いていた、と朝露は聞いている。
かの竜と同質の狂気に冒された朝露が、今、感じているのは。
喜悦であった。
「朝露の胸を満たしこの身を廻る狂気に震え朝露の白燐蟲も宿りし銀龍天も悦んでいますの」
喜色満面の朝露は、帝竜を見据えた。
「大空を覆うもの穿たれなさいですの」
朝露は、ユーベルコードの名を唱える。
「リベレイション」
ぴょこっ、と朝露の頭にアンテナが立った。
『私の出番っすね宿主さん一発特大の弾をお見舞いしてやるっすよ』
「ええ銀龍天さあやっておしまいなさい」
アンテナ、すなわち寄生体の銀龍天と、朝露は会話を交わす。
朝露の体内の白燐蟲に混じった寄生体、それが銀龍天だ。
なお、銀龍天も狂気に染まっているので、ベルセルク言語である。
『……来い わたしこそが この世界の空そのもの……』
帝竜の体が、稲妻の渦巻く漆黒の雲に変わる。
雷光が眩しい。それでも朝露は目を逸らさなかった。
凝縮した魔力を籠めた銀龍の弾が、放たれる。
その一発の弾は、漆黒の雲海へと吸い込まれてゆく。
ユーベルコードによって攻撃力を5倍にした代わりに、攻撃のたびに自身の生命力は30%失われる。それゆえに、朝露はただ一撃に賭けたのだ。
その銀龍の弾は、帝竜の体を穿ち、散らした。
雲海に、一つの大穴が空いた。
穴の向こうには、澄み渡る青空が見える。
「空は青く在れば良いのですわでも荒れる狂気は朝露を満たし心地良いですの」
自分の身体を、朝露はそっと抱き締めた。
大成功
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国栖ヶ谷・鈴鹿
◎アドリブ連携OKです👊ユーベルコヲド超力陽子加速砲天火明♟【戦略】♟飛空艇ヨナでエネルギー充填開始しながら接近🏍フロヲトバイ紅路夢は空中機動の補助動力とヨナの挙動を最適化🤖阿穹羅はブースターの役割で推力として高速飛行🦊きこやんは結界展開して高速飛行中接近して射程内に入ったら解除🔥ユーベルコヲド超力陽子加速砲発射💨発射後は急速離脱して戦場を一撃離脱🌸なにこれどうなってるのかわからないけどまぁいっか🐧
●アメヰジング
空飛ぶ白鯨が空中を進んでいく。
正確に言うなら、それは白鯨のデザインを持つスカイクルーザーであった。名を、『ソラクヂラ型航空巡航艇ヨナ』という。
国栖ヶ谷・鈴鹿(命短し恋せよ|乙女《ハイカラさん》・f23254)は、その飛空艇に乗り、黒雲と化した帝竜に接近しようとしていた。その間にも、鈴鹿によるエネルギーの充填は始まっている。
ボデーが赤銅色のフロヲトバイ、『百弐拾伍式・紅路夢』は、空中機動の補助動力としている。また、飛空艇ヨナの挙動を最適化する役割も担っていた。
それに、ヨナはキャバリアを吊り下げている。ハイカラでアバンギャルドな、鈴鹿製のキャバリア、『SR-ARX01 阿穹羅』だ。これはブースター役であり、ヨナが高速飛行するための推力担当である。
それと、ヨナに並ぶように、一匹の狐が高速で空を飛んでいる。稲荷狐『きこやん』だ。帝竜が繰り返し放つ電撃を、展開している結界で幾度も防いでいる。
紅路夢による回避行動と、きこやんによる防御行動のおかげで、ヨナが雷で撃墜されることはない。阿穹羅による高速飛行で、ヨナは帝竜へと接近してゆく。
「そろそろぼくのユーベルコヲドの射程内だきこやん結界を解除して」
鈴鹿の呼びかけに応じたきこやんが、結界を解除する。
「ぼくの超決戦機械驚天動地の一撃を見せてあげる」
ヨナに乗った鈴鹿は、エネルギー充填を終えた機械を展開した。
それは、ひたすら威力を追求した超機械。すなわち、超決戦機械である。
「|超力陽子加速砲《ポジトロンキヤノン》|天火明《アメノホアカリ》発射」
超決戦機械から、一撃が放たれる。
ブルーアルカディアの世界中の、凝縮した魔力が籠められた一撃。|天才《ジイニアス》である鈴鹿が作った超機械による、加速された陽子の一撃。それはまさに、超弩級と呼ぶに相応しかった。
帝竜に命中し、大気が散り、体に大穴が空いたのを確認した鈴鹿は、戦場を急速離脱した。
「なにこれどうなってるのかわからないけどまぁいっか」
鈴鹿のベルセルク言語が治るまでは、あと少し。
大成功
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エゼル・ベストウィッシュ
連携アドリブ歓迎/心情:君の境遇はわからないけど僕の故郷を守る為に散ってもらうよ/使用技能:操縦/戦法:セイルフローターで飛行し接敵のちユーベルコードを叩き込むシンプル・ザ・ベスト/敵が変化した雲の加減を読みつつ航行し発生した稲妻に撃たれぬよう留意/ユーベルコード『愚者の発勁』を叩き込む位置は雲の濃度が最も高い一点を狙う/触れることさえできれば自身の魔力に加えて世界中から受け取った魔力も敵の身体の内部に伝えることが可能/膨大な魔力による内部破壊を受ければ敵の身体を構成する雲海も爆散を免れることはできない/散ってもらうって言ったでしょ/ところで/や:は句読点じゃないからセーフ?って何言ってんだ僕
●触れて、散らす
『……アルカディア わかってくれ わたしは「主」の側にいたいのだ……』
帝竜『大空を覆うもの』が声を上げた。
「君の境遇はわからないけど僕の故郷を守る為に散ってもらうよ」
エゼル・ベストウィッシュ(召喚獣「ガミジン」の飛空艇パイロット・f38531)は言う。セイルフローターに乗った彼女は、帝竜に向かって飛んでいく。
接敵ののち、ユーベルコードを叩き込む――シンプルだが、それゆえに無駄のない作戦だ。
帝竜が変化した黒雲の加減を読みながら、エゼルは小型飛空艇で航行する。帝竜は発生させた稲妻でエゼルを撃とうとするが、エゼルは巧みな操縦で回避した。エゼルの焦茶色の髪と、獣の尾が風で揺れる。
エゼルが目指すのは、雲の濃度が最も高い一点。
無数の稲妻を回避しきって、エゼルはやがて、そこにたどり着いた。
渦巻く黒雲の中で、最も濃密な一点――そこはいわば、帝竜の心臓部であろうと推測できた。
「ここだね」
身を乗り出したエゼルは、手のひらで雲に触れる。
「えいっ」
叩き込まれるのは、ユーベルコード『愚者の発勁』。
一見すれば、エゼルはただ、ポンと手のひらで雲に触れただけに見えた。
けれど、事実は違う。それは、手のひらを介して魔力を流し込むユーベルコードである。
エゼル自身の魔力に加えて、世界中から受け取った魔力も、帝竜の身体の内部へと伝播していく。
凝縮された魔力がもたらすのは、内部破壊。
「膨大な魔力による内部破壊を受ければ敵の身体を構成する雲海も爆散を免れることはできない」
エゼルは口にする――その言葉のとおりに、雲海が震え、帝竜の体が散った。
突風が起きる。エゼルは小型飛空艇を操縦して、吹き飛ばされぬようコントロールした。
「散ってもらうって言ったでしょ」
エゼルは小型飛空艇で飛び去る。
猟兵たちは、帝竜の身体を構成する大気を散らし、顕現を阻むことに成功したのだ。
「ところで/や:は句読点じゃないからセーフ? って何言ってんだ僕」
エゼルの呟きは、風に溶けていった。
大成功
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