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アルカディア争奪戦㉕〜わいるど植物迷宮

#ブルーアルカディア #アルカディア争奪戦 #三皇『神農兀突骨』

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#三皇『神農兀突骨』


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●三皇再び
 アルカディアの玉座に近い空中庭園。その中の一角には何故か空中庭園とは異なる奇怪な洞穴が出現していた。
 その中には異なる世界で猟兵達と交戦した三皇『|神農兀突骨《しんのうごつとつこつ》』が存在していた。
『……彼らは恐らく、悪しき願いを抱かぬであろう』
 それではよくない。破壊なき願いはアルカディアに何の実利も齎さないのだから。
 しかしそれを食い止めようにもつい最近、今年の初めに猟兵に敗北を喫している故に勝利できるかは少々不安がある。
 故に|神農兀突骨《しんのうごつとつこつ》はユグドラシルブレイドの力により迷宮を作り出す。
 突破するまでの時間を少しでも稼ぎ、アルカディアに勝利を齎す為に全力を尽くすのであった。

 グリモアベース。
「アルカディアの玉座の攻略も順調ね!」
 白象のグリモア猟兵、祓戸・多喜(白象の射手・f21878)が大きな声で猟兵達に呼びかける。
「今回は空中庭園の一角、『三皇神農の|塒《ねぐら》』へと向かって貰いたいの。そこは今食肉植物蠢く迷宮になってるけど、中のどこかにあるユグドラシルブレイドを傷つける事ができれば空中庭園が戻ってくるみたいね」
 その名詞に既視感を覚えた猟兵もいるだろう。多喜はそれを察し、説明を続ける。
「この領域にいるのは三皇『|神農兀突骨《しんのうごつとつこつ》』……今年の頭に戦争で戦った相手ね。何で別の世界に来てるのか気になるけど、とりあえず突破しなきゃならないから頑張ってほしいわ」
 食肉植物の迷宮は足元が不安定、更に四方八方からいつ植物が襲い掛かってくるかもわからない危険な場所だが、猟兵ならどうにかする手段もあるだろうと多喜は言って、転送の準備を開始する。
「ちょっと凶暴な植物だけど、全部相手してたらキリがない。だから頑張ってユグドラシルブレイドを探して思いっきりぶっ叩いてきてね!」
 そんな事を宣って多喜のグリモアから光が溢れ出す。
 その光は猟兵を包み込み、奇怪な洞穴の入口へと転送したのだった。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 生きていたのか神農兀突骨!

 このシナリオはブルーアルカディアの『三皇神農の|塒《ねぐら》』にある巨大食肉植物の洞穴の中にあるユグドラシルブレイドに傷をつける冒険となります。
 アルカディアの玉座へ通じる空中庭園が消滅して代わりに出現したこの領域は、『神農兀突骨』の神威によって大量の巨大食肉植物が生え狂い蠢き回る、不安定な足場の広大な生ける迷宮となっています。
 植物の罠を躱し、迷宮内のどこかにあるユグドラシルブレイドに傷をつけられれば食肉植物達・洞穴・神農兀突骨は全て消滅し、かつての美しい空中庭園が現れます(神農兀突骨本体を狙う必要はありません)
 また、下記の特別なプレイングボーナスがある為、それに基づく行動があると判定が有利になりますので狙ってみるのもいいかもしれません。

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 プレイングボーナス:迷宮を構成する巨大食肉植物をかわし、ユグドラシルブレイドを攻撃する。
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 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 冒険 『巨大食肉植物迷宮』

POW   :    植物を力任せに斬り払ったり燃やしたりして排除する

SPD   :    最小限の動きで罠を回避し、最短ルートを移動する

WIZ   :    魔法で植物の動きに干渉し、罠の作動を妨害する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

荒珠・檬果
迷宮は、何度潜ってもよいものです。
…バトルゲーマーとして、試したいんですよ、ここ。

というわけで。足元対策は…七色竜珠の緑を緑玉鳥へ変換。これに騎乗する。
まあ、狭かったりしたら、足に足場習熟習熟用式神を配して対応しますが。
そして…UC使用ですよ!対象は食肉植物そのもの。動きを見切れば、問題ない!

んー、ユグドラシルブレイド。たぶん…中央か、防御の厚いところにありますよね?
で、たぶん神農兀突骨自身もいるでしょうから…そういうときは、UC対象に彼(?)も含めて攻撃は回避。
こちらは、残りの七色竜珠でビームするか、七色竜珠そのものを式神使い+念動力でぶつけるかしますね!


ミュー・ティフィア
まずはユグドラシルブレイドを探さなきゃですよね。

スピリトーゾを展開して空中機動。更に結界も展開して身を守りつつ、襲い来る植物を躱しながら迷宮を進んでユグドラシルブレイドを探します!
躱しきれない植物はパルティータで切り払ったり、炎の魔法で燃やして道を切り拓きます!

あまり大きな音を出しすぎないように注意しないと。神農兀突骨に気付かれるわけにはいかないですから。

見つけた。この位置なら神農兀突骨はこちらに気付かない。うん、ここです。

丁度いいスポットを見つけたら不屈の射手を構えます。魔力を放出すればバレるかもだから、用意を始めたら迅速に発射します。

狙いはただ一つ、ユグドラシルブレイド。

この一矢で、折る。


レン・ランフォード
直接会ったわけではありませんが知った顔ですね
強敵とも聞きますが知った事ではないです
突破させて頂きましょう

足場を崩されるとキツイので飛んで行きましょう「空中戦」
UCを発動し、創造した刃を周囲に浮かせて、いざ

ユグドラシルブレイドの位置は「第六感」「野生の勘」と勘頼りで
止まらずに一気に行きましょう

「第六感」も合わせて飛び出してくる植物を「見切り」
供に飛翔している小刀型で空中に縫い留め
花粉等飛び道具などは刀剣型で散らしたり「武器受け」したり
壁は大剣型で突き破り、飛び抜けていきます
兀突骨は実現符で実体化した錬達に足止めを任せます

目標まで一直線です



●わいるど。
 その洞穴に踏み込んだ猟兵達は空中庭園とは思えぬ食肉植物の景色を目の当たりにする。
 巨大に育った植物は熱帯の植物相にも見えていて、空気もじめじめとして心なしか暑いようにも思える。
 そして進むべき道らしき足場はぽつぽつ生えた毒々しい色の巨大キノコ、そしてその下にはハエトリグサのような巨大植物が獲物を待ち構えるかのように大振りな葉を天井に向けている。
 軽業を得意とするなら駆け抜ける事もできるのだろうが、挑むには少々勇気がいるだろう。
「迷宮は、何度潜ってもよいものです」
 そうしみじみ言うのは荒珠・檬果(アーケードに突っ伏す鳥・f02802)というシャーマンズゴーストだ。
 彼女はバトルゲーマー、そしてこの足場が不安定で謎の食肉植物はびこる植物迷宮は見方を変えればACTやSTGのステージのようにも見えなくもない。
 もっともその失敗の代価はその命――にもなりかねないが。
「……バトルゲーマーとして、試したいんですよ、ここ」
 ゲーマーとしての好奇心は止められないのだ。
「直接会ったわけではありませんが知った顔ですね」
 一方で、この植物迷宮をユグドラシルブレイドの力で生み出した三皇『神農兀突骨』というオブリビオンについて思考を巡らせるのはレン・ランフォード(近接忍術師ニンジャフォーサー・f00762)という化身忍者。
 このオブリビオンと以前封神武侠界で交戦した事もある猟兵も存在しているが、生憎レンは実際交戦した事はなく強者ということだけは知っている。
 だが、その情報は今回の場合はあまり重要ではなく、知った事ではない。
「まずはユグドラシルブレイドを探さなきゃですよね」
 エルフの少女、ミュー・ティフィア(絆の歌姫・f07712)は迷宮を構成する食肉植物を見遣りながら呟く。
 今回の勝利条件はユグドラシルブレイドに傷をつける事、迷宮を突破してそれを行うだけで勝利できるのだから神農兀突骨の強さはあまり関係しないだろう。
「突破させて頂きましょう」
 レンが呟きユーベルコード【|風纏・天羽々斬《カゼマトイ・アマノハバキリ》】を起動。
「これは御伽噺の再現…天翔ける戦御子の武具をここに……!」
 詠唱と共に、彼女の黒装束が精神力によって創造された純白の戦衣へと変身し、空中に創造された大小十六の刃の一つである小刀の上に飛び乗る。
 それを足掛かりにレンは前へ跳躍。纏う戦衣の力で飛翔能力を得たレンは、刃の群れを従えそのまま飛翔し迷宮攻略を開始する。
「私達も行きましょうか」
 檬果も透き通った七色竜珠から緑の珠を選び、それをエメラルドの羽の巨大鳥へと変換してその背に乗ってレンに続けば、ミューも展開した光翼を広げ緑珠鳥の後に続く。
 足場が不安定ならば最初から空中を飛べばいい、そんな発想の三人は怪しげなキノコを踏む事もなく順調に進んでいく。
 迷宮故に少々狭まっている個所もあり、エメラルド色の巨鳥では通り抜けるのに少々厳しい場所では檬果は翠鳥を元の竜珠に戻し数体の式神を空中に配置してその上を飛んで突破していく。
 迂闊に迷宮の壁などに触れず堅実に進んでいく三人。だが、ここは食肉植物の迷宮、アクティブに襲い掛かってくる植物も当然いる。
「あれは……カカオ?」
 ミューが先に見える奇妙な物体を見て呟いた。
 三人の進路には何故か異様に巨大なカカオの実がたわわに大量に実っていた。
 場違いにも見えるが当然それらは食肉植物。蔓の先に吊り下げられた無数の果実にぱくりと口が開き、きしゃーと奇声をあげて威嚇、明らかに怪しいそれらをどう抜けるか一瞬速度を緩めた獲物に喰らいつかんとする。
 その横の壁には更には見た事もない肉厚の花弁が開きつつあり、花粉か種を飛ばそうとしてくるようだ。
 しかし先頭を往くレンが肉厚の花弁が開ききる前に、それを見切ったレンは計六本の刀剣で即座に華の茎を切断し散らし、口のついた謎の果実を小刀で迷宮の植物壁へと縫い留める。
 そして緑珠鳥に乗る檬果も蔓や幹を伸ばし襲い掛かって来た実の口撃をひらりと、彼女の動きはまるでどのように攻撃が来るのかを知っているかのように回避する。
 実際ユーベルコードを発動している今の彼女に憑依している存在は易剣将『虞翻』――太古よりの占術の知恵を纏め上げたその人であり、その占術の前には食肉植物の動きなど手に取るように分かるという事だ。
 ただ虞翻を憑依させている檬果自身はちょっぴり複雑な気分で。
「……推しを嫌いな推しっていうのも、存在するわけですよ」
 どこか悟ったように檬果は呟きつつ、気を取り直し前向きに突破していく。
 更にミューは光翼を羽ばたかせ回避しつつ、周囲に舞わせた12本の星の力を宿せし銃剣で切り払いながら炎の魔法を詠唱し食肉植物を焼き払った。
 植物で構成されている迷宮ではあるが量の多さから全てを焼く事は叶わないが、襲撃を一時的に止めさせ生み出した間隙を突いて猟兵達は一気に突破する。
 そして、
「道が分かれてますね」
 レンが速度を緩め、ミューと檬果を振り返る。
 どれも似たような作りの十字路、ここに集まった三人はいずれも単独での植物迷宮の探索を可能としている。
 分岐があるならばバラバラに探索を進める方が効率がいい、すぐさまそう判断して三人は別れそれぞれでの探索を開始する。

(「あまりいい空気の場所じゃないですね……」)
 左の道を選んだ檬果がユグドラシルブレイドの在処として想定していたのは中央、或いは防御の厚い場所。
 大雑把ではあるがなんとなく植物がより生い茂っているように思える道を選びつつ、時には緑珠鳥の、時には式神を足場に食肉植物を躱し進む彼女は、突如狭い通路から中心に植物が絡み合い柱のようになっている広間のような領域へと至った。
「……あれがユグドラシルブレイド?」
 彼女の想像通り、広間の中心のユグドラシルブレイドを囲うように食肉植物が生えており、そしてそのすぐ傍に神農兀突骨が侵入者であるシャーマンズゴーストへと体を向けていた。
 そして神農兀突骨はその魔獣の脚力で食肉植物を蹴り猛加速、檬果へと一直線に飛び込んでくる。
 対抗する檬果は虞翻を憑依させ魔獣の高速で突進してくる神農兀突骨の動きを見切り、緑珠鳥を巧みに操ってその突進を回避。
 更に六色の竜珠に式神を憑依させ、神農部分に竜珠を念動力で操りぶつけるが、流石三皇と称されしオブリビオンは頑丈でよろめく気配もない。
 緑珠鳥が制限された空間で神農兀突骨の突撃回避はギリギリ、中心のユグドラシルブレイドに狙いを定めようとする余裕もない。
(「見つけた」)
 その広間の一角、突撃を繰り返す神農兀突骨の背をミューは密かに見つめていた。
 奇怪な叫び声と共に彼女に喰らいついてくるカカオ色の食肉植物とその尾とを結界で抑え込みつつ、向こうに気付かれぬようにユグドラシルブレイドを狙える位置をミューは探る。
 更にもう一人、食肉植物の壁を切り裂きレンが飛び込んでくる。
 群がる食肉植物を見切って刃で切り裂き、純粋な勘を頼りにレンはユグドラシルブレイドを探っていた。
 勘故に何度か外れらしき道を引いてしまったが、そのタイムロスも圧倒的な機動力で補いあまり大きなラグもなくこの場所へ至れたのだ。
 飛翔する彼女は即座に中心の植物柱の中の剣を認識し、十六の刃と共に一気に飛び込まんとするが、神農兀突骨は雄叫びをあげ突進してくる。
 即座にレンは実現符に魔力を通し、『錬』と『れん』の人格を実体化させて足止めにかかる。
 圧倒的な暴力を誇る兀突骨ではあるが、多重人格者のレン同士の連携は万全。
 致命傷を受ける事無く空中に舞わせた刀剣を足場に翻弄する。
 しかし、その状況でも兀突骨はレンや檬果がユグドラシルブレイドに近づこうとすると即座に反応して妨害してくる。
 突破するにはあと一つ、何か決め手が必要。
 そして、その決め手はようやく準備を整えようとしていた
(「うん、ここです」)
 食肉植物が多少邪魔ではあるがこの位置関係ならば、檬果とレンが注意を惹いている今ならば神農兀突骨には気づかれずあの剣を確実に射抜ける。
 そうと判断したミューは空中で位置を維持したまま流れるような動作で弓を構えユーベルコード【不屈の射手】を発動。
(「この一撃は……必ず当てます……!」)
 時間をかければ矢に込めた膨大な魔力に気付かれてしまう可能性がある。だからただ一つの標的――ユグドラシルブレイドへと迅速に狙いを定めて、
「この一矢で、折る」
 放つ。
 膨大な魔力を宿した矢は障害となる食肉植物を容易く貫き、その向こうのユグドラシルブレイドの刀身に命中、甲高い金属音を響かせた。
 更にその隙を突いて白き戦衣のレンがユグドラシルブレイドへと一息に飛翔する。
 阻む植物の壁に電柱のように巨大な大剣を二本叩き付け強引にこじ開けて、その先の剣に十四の刃を叩き込む。
 更に檬果の式神宿した竜珠からビームが放たれ、それに合わせるように愛用の三日月の銘を持つ日本刀と翠の光刃の戦衣の力に強化された二刀を叩き込む。
 ――それだけの攻撃をまともに受けても、ユグドラシルブレイドは折れない。
 ただ、刀身の一部に傷がついただけだ。
 しかしそれは食肉植物の迷宮に劇的な変化を齎す。迷宮全体が振動すると共に、まるで神農兀突骨も迷宮も夢であったかのように解け、消失していく。

 ――気づけば、檬果とレン、ミューは美しき空中庭園の上にいた。
 やや冷たい強い風が頬を撫で、ほんの僅かに草の匂いが混じっているのがこの場に確かに迷宮があった事を証明している。
 かくして神農兀突骨の迷宮を攻略した猟兵達は、アルカディアの玉座へと向かうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年09月29日


挿絵イラスト