2

アルカディア争奪戦㉔〜侵略者の根源を潰せ

作者：夢幻

●侵略生命体
「日蝕帝国と天帝騎士団の浮遊大陸でアルカディアに突っ込んだんだけど、ここには何か妙な敵がいるみたいなんだよね」
　グリモア猟兵のスピカ・ネビュラスター（銀河の魔女・f31393）は、アルカディアで遭遇することになるその敵について説明を始めた。

「その敵の名前はピルグリム。こいつらは、生物やオブリビオンを問わず寄生し繁殖する不気味な怪物だよ」
　それらは、厳密にオブリビオンかどうかすら定かでない。こんな意思疎通も不可能な怪物を放置する事はできないだろう。
「で、ピルグリムの尻尾の針がそのための産卵管だね。コレに刺されると星型の痣と同時に卵を産卵されるんだけど、今の所猟兵でも助かる方法は見つかっていないよ」
　幸いなことに産卵管を刺す動きは早くない。必ず避ける必要があるだろう。

「それで、この場所の奥には、いくつか白い卵型をした敵の『｜母艦《ピルグリムシップ》』があるんだよね。今回の任務では、その一つを破壊してきて貰うよ」
　どうやらピルグリム達はそれに乗って星の海を渡ってこの地に降り立ち、更にアックス＆ウィザーズへと飛来したようだ。
「アックス＆ウィザーズへ行った方は全部予知で判明してるから、ここのやつらを倒せば、完全に殲滅出来るはずだよ」
　ピルグリムは他の生命体を繁殖の依代とし、猛烈な速度で繁殖する。ここで一匹も漏らさず壊滅させてしまわねば危険だ。そのためにも、ピルグリムの集団を蹴散らし、ピルグリムシップを破壊する必要があるとのことだ。

「どこから来たのか気になるけど、今は殲滅が優先だよ。それじゃあ、頑張ってね～」
　そして説明を終えたスピカは、猟兵達を転移させるのであった。

第1章 集団戦 『ピルグリムの群れ』

POW   :    ピルグリムシザー 【右腕のハサミ 】が命中した対象を切断する。 SPD   :    産卵管刺し 命中した【頭部から伸びる産卵管 】の【先端】が【無数の棘が生えた状態】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。 WIZ   :    ピルグリムテイル 【尻尾 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。 イラスト：はましん 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「ピルグリム。この数と力、一体何処から来た何なのか。それを知る必要があるが……今はその調査をのんびりしている時じゃないな」

　ピルグリムネストへと突入したフォルク・リア（黄泉への導・f05375）は、そこに蔓延っている『ピルグリムの群れ』を確認するとそう呟いた。その生態も何もかも不可解だが、今優先すべきは敵の根絶である。それを為すために、奥にあるという母艦を目指して、彼は敵の群れの中に突っ込んでいく。

「さて、産卵管攻撃が要注意だったな」

　ピルグリム達は、侵入してきたフォルクに群がって、尻尾の針で彼を突き刺そうとしてくる。その針は産卵管となっており、もしも刺されれば現状は猟兵でも助かる見込みがないと聞いている。そこでフォルクは、敵に囲まれないように気をつけ、確実にそれを避けられるようにと立ち回る。

「冥府への門たる忌わしき影よ。その枷を外し闇の力を我に届けよ」

　そして『冥空へと至る影』を発動したフォルクは、『フリージングエッジ』で生成した氷刃でピルグリムの足や産卵管を凍らせながら斬る事で行動を封じると、『フレイムテイル』の炎で頭を焼き潰して確実に一体ずつ倒していく。その活躍によって冥界から送られてくる魔力を武具に与えられ、その性能が向上する。その力を持って、彼はピルグリムネストの深部へと踏み込んでいく。

「……これが母艦か。流石にそう簡単には壊れてはくれないようだな」

　そこで白い卵型のピルグリムシップを見つけたフォルクは、フレイムテイルによる最大火力の炎をそれにぶつけた。しかし、ピルグリムシップは焦げたもののまだ健在だ。破壊するには、まだ何度かの攻撃を加える必要がありそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「致死率100%の繁殖、たまったものではありませんね。こういう時こそ僕のような存在が役に立つ時。その生命、一つ残らず刈り取りましょう」

　『【Code-Week】Mk-Third《オルトロス》』に搭乗して、終夜・日明（終わりの夜明けの先導者・f28722）はピルグリムネストに突入する。機械であるキャバリアならば産卵管攻撃も致命的にはならないし、日明の持つ生命に対し特効と言われる《蠱毒》の力も殲滅目的ならば有用だ。

「先ずは倒しながら奥へと進みましょう」

　『MU-Sickle』に《蠱毒》の力を乗せた日明は、空中起動で敵集団の上を進んでいく。それでもピルグリム達は飛びかかって襲ってくるが、それでも地上を進むのに比べればいくらかマシだ。彼はピルグリムを切り捨てつつ、奥へと進んでいく。

「母艦の索敵は、これを使いましょうか。『真実追躡』」

　とはいえ、闇雲に進んでも時間が掛かる。そこで日明はユーベルコードで索敵用ドローンを召喚して周囲に放った。それらはすぐに、敵母艦を発見した。

「アストラル・ビット展開……撃滅します！」

　そのピルグリムシップに向けて、日明の『アストラル・ビットVer.C』から無数のレーザー射撃が降り注ぐ。しかし、まだピルグリムシップの破壊までは至っていない。それでも確実にダメージは蓄積しているので、後は後続の猟兵がやってくれるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「産卵されると助からないか……これはとんでもない化物が出てきたな」
「オー。これが噂のピルグリム。敵とのバトルというよりは、害虫駆除のような雰囲気デスネー」

　続いて空桐・清導（ブレイザイン・f28542）と、バルタン・ノーヴェ（雇われバトルサイボーグメイド・f30809）が、ピルグリムネストへと転移してきた。ピルグリムは戦闘力自体は高くないものの、避ける以外に対処法の無い産卵管攻撃を持っている。そして対象問わずに依り代にして猛烈に繁殖するため、確実に駆除する必要があるだろう。

「戦争を終わらせるためにもぶっ倒す！　ブレイザイン・バーニングモード！」

　また、この戦場はどういう訳かアルカディアの玉座を支援している。そのため戦争の勝利を考えても、制圧は必須である。
　清導は『バーニング・クリエイション』で両手に炎の剣を作成すると、更にそこから放った炎を操作して鎧のように纏って、ピルグリムの集団へと切り込んでいく。
　巨大化した炎剣で近づいて来たピルグリムをなぎ払い、もしそれを抜けたとしても炎の鎧は振れた瞬間に大爆発して敵を焼き尽くす。この二段構えで、彼はピルグリムの群れを倒しながら、彼らの母艦を目指して奥へと進んでいく。

「ヘイ、交渉するつもりがあるのなら言語を覚えて出直してくだサーイ！　まー、逃しマセンガ！」

　そしてその後ろに続くバルタンは、産卵管攻撃を警戒してガトリングガンと火炎放射器という遠距離武器を手に清導を援護する。彼女は問答無用で襲い掛かってくるピルグリムを銃弾で蜂の巣にし、あるいは焼き尽くして殲滅する。この任務の目標はあくまで母艦ではあるが、ピルグリムの集団を見逃す理由はない。

　そして敵集団を駆逐しつつ進む二人は、ピルグリムネストの深部で白い卵型のピルグリムシップを発見した。これまで他の猟兵達の攻撃によって傷ついているそれは、後もう少しで破壊出来そうだ。

「HAHAHA!　建造物にはこれが一番デース！　六式武装展開、鉄の番！」

　遂に辿り着いた標的にむけて、先ずはバルタンが『チェインハンマー』による強烈な一撃を叩き込んだ。バルタンの『鉄拳制裁』によってピルグリムシップの外装はひしゃげ、大きな亀裂が入った。

「いくぜ！　超必殺！　ピアシング・エクスプロージョン！！」

　そして間髪を入れず、清導がユーベルコードで生成した炎の槍をバルタンの作った亀裂に目掛けて投擲する。炎の槍は外壁を貫通し、ピルグリムシップの内部から大爆発を巻き起こした。これならばもし内部にピルグリムが残っていたとしても、全滅していることは間違い無いだろう。

　猟兵達は目的のピルグリムシップを完全破壊した。他の猟兵達による作戦も進んでいるため、ピルグリムの根絶はそう遠くないうちに達成されることだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2022年09月24日