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アルカディア争奪戦㉔〜殖え蔓延る為の巡礼

#ブルーアルカディア #アルカディア争奪戦 #ピルグリム

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●生命を冒涜し、殖えるもの
 猟兵達が目撃した霧島・カイト(氷獄喪心の凍護機人・f14899)の姿は再び頭を手で抑えるような姿をしていた。
 猟兵達の姿を認めると、その痛みを振り払うかのようにしてカイトは平静な振りをする。
「すまない、みっともない姿を見せて。だが……アレは根絶やしにしなきゃ、ならない」

「まず、ピルグリムは厳密に言えばオブリビオンとも言い難いが――同等の、いや同等以上の驚異である事は伝えなければならない。アレは……」
 口を開いたカイトは恐るべき事実を伝える。
 |巡礼者《ピルグリム》は生物やオブリビオンを問わずに『寄生する』ことで繁殖する生命体なのだと。
「……意思疎通なんて、出来る訳がない。現場には既に『天帝騎士団』所属のオブリビオンだったものが散乱している。既に、繁殖は始まっていると見ても良い」

 カイトは故に猟兵達に端的に任務を告げる。
 ……『一匹残らずピルグリムを根絶やしにすること』だ。

「気を付けて欲しいのは、その寄生手段だ。産卵管という部位がピルグリムの頭部には存在するんだが、その産卵管を肉体の何処かに突き刺された瞬間、『星型の痣』が生成される。……そうなったら、もう助からない。だから、皆は『誰かの行動を妨害してでも』それだけは阻止しなければならない」
 カイトの口調に若干の混濁が見られるが、それは置いといても『産卵管』による産み付けには注意を最大限払うべきだ、と彼は言う。
 幸いにも産卵管による産み付け行為に速度は無い為、誰かが必ず回避や阻止を行う隙は有るのだと言う。

「……だが、忘れないでくれ。ピルグリムは1匹さえ残っていれば、其処から繁殖する。だから必要なのは――」
 そう、誰も『産み付けられない』こと。
 一瞬で大多数を『殲滅する』こと。
 取り零しを慈悲無く『根絶やしにする』こと、
 この全て――なのだから。


逢坂灰斗
 カイトが頭を抱える案件が乱立し始めていて、まさかの連続出勤。
 逢坂灰斗です。

 今回は『ピルグリムを根絶やしにして頂きます』。

【MSより】
 このシナリオは『アルカディア争奪戦』の戦争シナリオです。
 戦争の該当エリアの戦況に影響を与えます。
 以下のボーナスを踏まえてプレイングすると判定に有利になります。

プレイングボーナス……
ピルグリムを一匹たりとも逃さない。/ピルグリムの産卵管攻撃に対処する。
(※産卵管による産み付けは最悪の場合、一部行為を出来なかった扱いにして誰かが阻止する扱いで判定していきます。無警戒はあまり良くないかもしれません)

 戦争シナリオの為、早めの完結を目指しますが、なるべく採用できれば……とは思います。
 それでは、お目に留まりましたら、宜しくお願いします。
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第1章 集団戦 『ピルグリムの群れ』

POW   :    ピルグリムシザー
【右腕のハサミ 】が命中した対象を切断する。
SPD   :    産卵管刺し
命中した【頭部から伸びる産卵管 】の【先端】が【無数の棘が生えた状態】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
WIZ   :    ピルグリムテイル
【尻尾 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:はましん

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●過去も今も、等しく苗床に
「あ、はっ、ぎっ」
 ――星型の痣が浮かんだ『天帝騎士団』の配下であった男の腹が、膨れ上がる。
 脂汗を垂れ流し、みしみしと肉体に在らざる音を立てながら。絶望を張り付けたままに。

 『天帝』たる冬のアスタルシャは、自身の悲劇は詠む事は出来ても、配下に起こりうる悲劇までも詠む事は出来ない。
 ……その結果がこれだ。

「ああああああああああああああああ!!!」
 『オブリビオン』だと言うのに腹が突き破られ、そこより異形の白き生命体が誕生する。
 こうして、幾人もの『天帝騎士団』のオブリビオンを苗床に、|巡礼者《ピルグリム》は既に繁殖を開始していた。
 最早こうなっては玉座を目指す以前の問題である。猟兵達の到達を待たずして、この場所を侵攻していた『天帝騎士団』の一部隊は壊滅し、美しい庭園に蔓延るのは――

 生命であろうと、オブリビオンであろうと、苗床を『問わない』。
 全ての命を冒涜する繁殖者――|巡礼者《ピルグリム》なのだから。
フォルク・リア
「なるほど。これは害虫というのも生温い。
確実に殲滅しなくてはならないな。」

敵の産卵管には常に注意しその動きを
見逃す事が無い様にする。
同時に敵の数と位置にも警戒して
死角を作って敵に不意打ちを喰らわない様に
位置取りには注意。
【残像】を発生させながら敵の攻撃を回避して攪乱。
敵に囲まれる前に生命を喰らう漆黒の息吹を発動。
花びらで自身の周囲を囲み。花びらに敵の生命を喰らわせると共に
花びらを盾として使って敵の攻撃を阻む。
花びらの物量を有効に活用して近づく敵を囲み
その生命を喰らい尽くして仕留めて行く。
花びらの手応えから素早く敵を倒せたか確認。
確認出来たら移動して敵を取り逃さない様に
探索しながら攻撃していく。



●花を手向けど理解はされずか
 フォルク・リア(黄泉への導・f05375)は庭園に足を踏み入れる。
 植物の咲き乱れる美しかった筈の庭園。其処は既に地獄絵図と化していた。
 猟兵達を見ても最早逃げることすら出来ぬ『天帝騎士団』のオブリビオンから、|巡礼者《ピルグリム》が次々と孵化し――次の苗床を矢継ぎ早に探し回るだけという、蝗害と比類にならない程の惨禍が其処にはある。
「なるほど。これは害虫というのも生温い。確実に殲滅しなくてはならないな」

 視線が合ったならば、最早此方の事も新たな苗床としか認識していないであろう眼差し……のようなものを向けてくる。
「あくまで繁殖にしか興味が無いと。……分かりやすい事この上ないが」
 その言葉を待たずして、殺到するピルグリムの尾部による打撃。どうやら捕縛からの産み付けを目的とした行動のようだが、その攻撃は不自然に空を切る。
 ただ、それには理解は出来ぬとばかりに見た目ばかりは可愛らしく首を傾げるも、直後、『庭園のもの』ではない花びらが咲き乱れる。

「手向けの花ぐらいはくれてやろう。……お前達が理解できるかは置いておいてな」
 その冥界の鳳仙花に攫われたモノは何が起きたかを理解することもなく、削り取られ、蹂躙される。
 だが、まだピルグリムは無数に存在する。これを殲滅するにはただ待つだけでは手が足りなさ過ぎる。
 故にフォルクは花びらの舞い散る中を舞い踊るかのような疾さで駆けていく。

 当然ながら彼が再三警告された『産み付け』に関して対応を怠る事もない。
 花びらの盾はその中に潜む苗床に手を伸ばそうとするモノの命を喰らい、それすらも叶わせないと咲き誇り続ける。

「……ふむ、耐久性はそこまで無い、か」
 産めよ殖やせよを第一とした生態であるが故なのか、一個体にはそこまで頑強さは無いようだ。
 それを物量でカバーせんとばかりに繁殖してしまっているのが問題ではあるのだが。
 慎重に、かつ大胆に。そして全てのピルグリムを根絶やしにするまで、彼の探索は続く……。 

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミア・ミュラー
それ以上のことはわからないけど、聞いただけでもすごく危ないもの、みたいね。これは放っておくわけには、いかない。

尻尾と頭の産卵管、どっちも気をつけないと、だね。囲まれたり危なくなったら慌てずダッシュで距離を、とろう。コンパスとかソリッドダイヤならわたしに触れてないし、防御しても大丈夫、かな。
わたしの攻撃は【火剣】で、いくよ。全部合体させた大きな剣で薙ぎ払って、焼き尽くす。盾にされたり死んだふりをするかもだし、全滅させるなら亡骸も残さない方が、いい。長さはあるから、無理しないで距離をとって、倒そう。人を苦しめて殺して、それで生き残ろうだなんて、絶対に、許さない……!



●命を踏み躙るモノを赦せるか
「……それ以上のことはわからないけど、聞いただけでもすごく危ないもの、みたいね」
 庭園に辿り着いたミア・ミュラー(アリスの恩返し・f20357)の視界に入ったのはその|『すごく危ないもの』《ピルグリム》が異常なまでに繁殖している光景である。
 最初は小規模であっただろうそれらは、何も知らずにやってきた『天帝騎士団』を苗床に此処まで爆発的に殖えたのだ。

「これは放っておくわけには、いかない」
 ミアを視野に入れたピルグリムは最早彼女を『新たな苗床』程度にしか認識していない。
 既に此方を利用する気満々、と言った様相で尾部での打撃攻勢に入った|巡礼者《ピルグリム》の群れから距離を取りつつ、
 彼女もまた、『産み付け』への警戒を怠る事は無い。

(武器や装備みたいな『身体に直接身につけてない』無機物なら、盾として防げる、かも)
 ミアの読み通り、産卵管はあくまでオブリビオンを含め『生命体』であるもののみを苗床として機能させるようだ。
 『産み付け』自体も若干緩慢な動作であり、分かっていれば致命的な自体に陥ることはない、と見て良いかもしれない。

 だが――それが分かっても、眼前の異形達への脅威度が低く更新されるわけではない。
 まるで彼女の内なる憤怒が形になったかのように、焔の剣は煌々と燃え盛りながら顕現する。

「人を苦しめて殺して、」
 亡骸も盾になんか使わせない。思考が恐らく『人間的ではない』であろうのは意思疎通が出来ず、繁殖する行為への残虐性から容易に読み取れる。
 向こうは繁殖の為ならば平気で『同胞であったもの』も利用するだろう。

「それで生き残ろうだなんて、」
 塵すら残さない。そんな気迫すら伝わる焔の熱気がピルグリムを灼き、舞い踊る剣が徹底的に『全て』を刻んでいく。

「絶対に、許さない……!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

国栖ヶ谷・鈴鹿
◎アドリブ連携OKです

あの産卵管が問題かぁ……じゃあ、まずはそこから始めようか!

ユーベルコヲド、厭穢欣浄パラダヰムシフト!

尻尾の産卵管を改変、管を根こそぎ奪いとる!

オーラ防御と結界術を展開、敵の接近を知らせる式神も同時に展開!

紅路夢と阿穹羅は自動射撃で迎撃!接近する敵には衝撃波切断で距離を取って!
ユーベルコヲド完了したら、エネルギー充填したレーザー射撃の出番!ありったけを弾幕と部位破壊で倒していくよ!

紅路夢に乗って、上空から阿穹羅の砲撃で一網打尽にしたら、ユーベルコヲドで死体は分解、されないのはトドメのスナイプで分解されるのを見届けて全滅を確認しておくよ。



●厭穢欣浄の光に満ちて
 国栖ヶ谷・鈴鹿(命短し恋せよ|乙女《ハイカラさん》・f23254)は何よりも、そもそもの問題点を注視していた。
「あの産卵管が問題かぁ……じゃあ、まずはそこから始めようか!」
 敵の生態が『産卵管』を用いた産み付けによる繁殖であるのならば、そもそも向こうからその部位を奪い去ってしまえば良いのでは? と。

 そう判断してからの彼女の手腕は鮮やかであった。
 接近を警戒させる式神を配置しながらも、結界での護りは怠らず。攻めも愛機達である紅路夢と阿穹羅に自動射撃での迎撃を常として|命令《オーダー》を授けていく。
 無論ただ離れて時間を稼ぐだけでは無い。彼女の狙いを案に示すかのように、後背に背負った後光の輝きが美しく煌々と咲き誇る様に――

「――ここはぼくの領域、さぁ、君の魂をあるべき姿へ」

 彼女の後光が、ユーベルコヲドが『セカイ』を塗り替えていく。
 塗り替えられた世界では、|巡礼者《ピルグリム》に『産卵管』という部類は存在しない。故にこれ以上その個体は繁殖も許されない行き詰まり。 

 ……最早殖やすことが出来ないならばただの群れなのである。
 産卵管が無いならばもう『ある個体』を向かわせるしか無い訳なのだが、それも既に鈴鹿は織り込み済みである。

「……やっぱり『そう』判断してくるよね。それでもまだ此処までは遠いけれどね?」
 式神が警告するように彼女の周りを舞い踊るならば、颯爽とその身を翻し自らも赤銅のボディーの愛機へと乗り込む。
 元より距離を置くことを重点にしつつユーベルコードを準備していたのだから、猶予さえあれば叩き込み続けるまでである。

 殺到していくピルグリムが片端からレーザー弾幕で焼き切られていく。
 死体は彼女の描いた『セカイ』が塵も残さず、といった風体で分解されるが、それは同時に『まだ息のある』個体を現出させる行為でもある。
 その個体へも慈悲は与えず、徹底的に。トドメのレーザーが降り注ぎ庭園が元の美しい形を見せたのを見届けて、彼女は離れていく。
 ……連中は此処だけではない。迅速に『次』へと、とばかりに。

大成功 🔵​🔵​🔵​

終夜・日明
【アドリブ連携歓迎】
『オルトロス』に騎乗。
【空中浮遊/空中機動】にて上空から殲滅を開始します。
『アストラル・ビットVer.C』による【制圧射撃】で【地形破壊】、
周囲を破壊して瓦礫を増やして逃げ場を塞ぐ。(【破壊工作/地形の利用】)

攻撃手段は一番は【指定UC】を用いますが、《蠱毒》の力を絡めた『MU-Sickle』で
【誘導弾/レーザー射撃】の【乱れ撃ち】も加えて弾幕を展開。
仮に確実に当てれずとも掠めれば《蠱毒》が奴の体内に回り込み
【継続ダメージ】を与え続けて殺す。

僕の力はこの時の為にあるようなもの……
逃げられるなら逃げてみるがいい。
貴様らが生命である限り、決して一匹足りとて生かしはしない!



●根絶の猛毒
 ……庭園上空に1機のキャバリアの影が差し込む。
 その|猟犬《オルトロス》を駆る終夜・日明(終わりの夜明けの先導者・f28722)の眼差しは何時にも増して険しい。

「当該敵性体を複数確認――油断も隙もない、というべきでしょうか」
 既に他の猟兵の働きで数多の|巡礼者《ピルグリム》が排除されているものの、あちらの増殖速度は凄まじいというべきか。
 最早何体斃されたのかを考えるのも止めたくなるレベルだが、彼には容赦をする理由など最初から無い。
 庭園に楔を打ち込むが如きビットの攻撃が、ピルグリム達の挙動に多少の混乱を生じさせた後――裁きの雷槌はこの地に降り注いだ。

 降り注ぐ蒼雷が、意志持つように。『オルトロス』からの乱れ打ちの中をすり抜けるかのように、ピルグリムを貫いては存在ごと焼き殺していく。
 だが、驚くべきはこの攻撃全てに付与された、彼自身の性質である。
 攻撃が掠り、生き延びた個体ですらも、猛毒が回り始めたかのように動きが緩慢となっていき、そのまま絶命するか別の攻撃によって塵と化す。
 ……彼は、全ての生命を等しく『害する』猛毒、『蠱毒』を持ち合わせているからだ。

「僕の力はこの時の為にあるようなもの……逃げられるなら逃げてみるがいい」
 平時ならば疎ましく思うこともある生命を害する猛毒。この時ほど『自分の在り方』を感謝する事ほど無いだろうか。
 『オルトロス』の攻撃の一挙一動に込められた『蠱毒』は、ただ不気味に殖え続ける存在を残酷に、冷酷に『根絶』していく。

「――貴様らが生命である限り、決して一匹足りとて生かしはしない!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アレクセイ・マキシモフ
【ジェイミィと】
殲滅戦か。
ならばやはり……物量と火力を用意するしか無いな。
ファーリー・ラットよりラットミリタリーサービス、支援を頼む。ビーコンで位置を送る。

……まさかジェイミィが来るとは思わなかったが。
|AC-130《スプーキー》の火力支援だけでも十分じゃないか?
……AR映像の天使か。考えたな。実体を持つとは言えAR映像、万が一の事態でも安心か。で、俺に指揮官をやれと。いいだろう。

(AR天使軍へ)
いいか、決して近寄らせるな! 複数人で全方位をカバーしろ! 苗床になりそうな奴がいたら即座に産卵管を仕掛けようとするピルグリムの頭を撃ち抜け!
ムーヴ!
(爆撃の中天使軍と共にカービンで制圧射撃を開始)


ジェイミィ・ブラッディバック
【アレクセイさんと】
こちらラットミリタリーサービス……と業務提携を結んだジェイミィです。
ご注文の支援要請、お届けに上がりました。
AC-130に空母2隻のサービスですよ。
AR映像の天使軍の指揮をお願いします。
やはり歩兵戦力はアレクセイさんに率いてもらわねば。
こちらは機動兵器群を使って一気に片付けますので。

空母ヘルメスより量子複製を行ったプラチナムドラグーン隊及びセラフィム・リッパー隊、そしてTYPE[JM-E]を発艦。
空中よりAC-130と連動して対地攻撃を敢行します。
こちらもSOL RAVENで空中より爆撃。歩兵戦力の近接航空支援と参りましょう。

殲滅戦は絨毯爆撃でちゃっちゃと終わらせませんと。



●根絶に慈悲など要らぬ
 庭園を睥睨するような位置より件の生物を見下ろす者が、1人居た。
「……殲滅戦か。ならばやはり……物量と火力を用意するしか無いな」
 此処までの作戦を展開しても尚、やはり脅威的なのはその繁殖速度だと、その男はアレクセイ・マキシモフ(歴戦のもふもふ傭兵ファーリー・ラット・f36415)は判断していた。
 完全に根絶する為にも過剰過ぎる程の火力を叩き付けなければ『一匹見かければ十は居る』という生態を止めることは出来ない、と。

 ――ファーリー・ラットよりラットミリタリーサービス、支援を頼む。ビーコンで位置を送る。

 故に彼は知己の軍事会社に支援要請をしたのだが――
「こちらラットミリタリーサービス……と業務提携を結んだジェイミィです。ご注文の支援要請、お届けに上がりました」
 ……来たのはよりによって知人というかジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/Mechanized Michael・f29697)の姿であった。
 注文のAC-130にまさかの空母2隻のサービス付き。更に展開されているのはAR映像の天使軍という充実っぷりである。

「……まさかジェイミィが来るとは思わなかったが。|AC-130《スプーキー》の火力支援だけでも十分じゃないか?」
 彼の言及する通り、『産卵管』による産み付けさえ行わせなければ良い為、対地爆撃による支援が継続して行われるだけでも十分であっただろう。けれどもジェイミィは十全過ぎる兵力を用意し、やって来たのだ。
 その追加内容も『AR映像』の天使軍という非実体の地上戦力という徹底的に|巡礼者《ピルグリム》の性質を突いたモノである。

「やはり歩兵戦力はアレクセイさんに率いてもらわねば。こちらは機動兵器群を使って一気に片付けますので」
「……AR映像の天使か。考えたな。実体を持つとは言えAR映像、万が一の事態でも安心か。で、俺に指揮官をやれと。いいだろう」
 あくまでジェイミィは戦場を数多渡り歩いた|歴戦の傭兵《けいけんしゃ》に地上の指揮を託す。自身は支援要請に応えるのみであり、粛々と友軍の援護に回るだけ、という様に。
 硝煙の匂いのモーラットがその意志に応えるように、庭園の中枢に降り立てば――其処は一変する。
 そう、此処からは一切の慈悲なき戦場が広がるのだ。

 ……ピルグリムには逃げ惑うという感情が存在するのだろうか。
 殖え拡がることを定義づけられた存在は、まるで他人の庭に撒かれたミントのような性質を持ち合わせていた。
 だが、その醜悪なるミントは今、塵も残らぬ程に徹底的に灼き尽くされている。

 最早一生物に展開すべき殲滅力では無い気もするが、其処までしないとこの存在を終わらせることも出来ないのだ。
 空を埋め尽くす航空戦力は総てジェイミィの派遣した空母2隻より賄われている。
 それらは量子複製により次々と発艦を開始しており、本来アレクセイのオーダーであった|AC-130《スプーキー》の火力支援に連動し、慈悲なき殲滅を繰り広げている。
 航空戦力に混じりながら、自身もその1つとして八面六臂の働きをこなすジェイミィは努めて冷静に、敵の全てを焼き払う。
「――殲滅戦は絨毯爆撃でちゃっちゃと終わらせませんと」

「――いいか、決して近寄らせるな! 複数人で全方位をカバーしろ!」
 天空より降り注ぐ爆撃と言う名の雨の中、1人のけだ……傭兵に先導されて電子の天使達が荘厳なる進撃を開始する。
「苗床になりそうな奴がいたら即座に産卵管を仕掛けようとするピルグリムの頭を撃ち抜け! ムーヴ!」
 こんな状況下でも尚『繁殖』を第一として行動するピルグリムには目に余るものがあるが、彼らにとってそれは関係ない。
 最初からオーダーは根絶であり、生命を害する生態をした相手の意志など知ったことではないからだ。

 『戦場』という言葉に相応しい状況へと一変した庭園は、時が経てば元の姿へと戻るだろう。
 ただ、この働きにより、|巡礼者《ピルグリム》という醜悪なる生物が放逐される事だけを覗いて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

真木・蘇芳
まるでB級ホラーだな昔観たことが有るんだよ
あれはなんだったか?
初っ端から全解放、鍵を回せば跳ね上がる熱量
「2.5×10∧17Jツァーリボンバの熱量だ、耐久テストしてやるよ」
拳一振り、そこが爆心地
「まだまだいるか、どうした?寄生虫共、俺に触れてみろよ」
挑発が利くかは知らん
「次1.2×10∧28J月が溶ける熱量だ」
また振るわれる拳
「もっと必死になれよ、俺より強い奴はゴマンと居るんだぞ」
更に構える
「さて寄生虫共、別の星から来たなら見たことあるだろ?1×10∧44J。超新星爆発の熱量だ」
彼女が一人で闘う理由、それは被害が大きいからだ
だからこそ最高の囮役になる
「逃げても良いが、次は1×10∧80Jだぞ」



●ソレ、嵐のように
 幾度となく壊滅的な打撃を加えられても尚、|巡礼者《ピルグリム》は繁殖を目指す。
「――まるでB級ホラーだな昔観たことが有るんだよ。……あれはなんだったか?」
 真木・蘇芳(Verrater・f04899)は、それを総評し、それでも尚彼女は手を止めることはない。

 緩慢にも見える産卵管による繁殖行為。
 対して彼女はエンジンにギアを入れるように腕を回し。拳を回し。高まる熱量は加速度的に。
「2.5×10∧17J……ツァーリボンバの熱量だ、耐久テストしてやるよ」
 そうして、その爆発は起きた。

 拳一撃で形成されるクレーター、爆心地は常に彼女。最早接触などして生き延びられる余裕など無い。
「まだまだいるか、どうした?寄生虫共、俺に触れてみろよ」
 だが、向こうは言葉を、状況を理解しているのか。それでも尚、向かってくる。
 彼女の拳は、『それでも』止まらないというのに。
「次、1.2×10∧28J――月が溶ける熱量だ」

「もっと必死になれよ、俺より強い奴はゴマンと居るんだぞ」
 彼女の宣言通り、『爆発』の規模は加速している。
 最後の一縷の望みを間違えて賭けて向かってくるピルグリム達は、そうやって絶命を繰り返す。
「さて寄生虫共、別の星から来たなら見たことあるだろ?1×10∧44J。超新星爆発の熱量だ」

 彼女を協力して戦わせるには、余りにも損害が多すぎる。
 それ故に彼女は『ひとりで戦うこと』を選択したのだ。だからこそ――
「逃げても良いが、次は1×10∧80Jだぞ」

 庭園が、最早原型を留めていない。
 それ『だけ』を代償にこの場所からは生命を冒涜する者はすっかり駆逐された。
 ……ここが元に戻るのは何時だろうか。それは最早誰も、知らない。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年09月29日


挿絵イラスト