銀河帝国攻略戦㉖～科学の目覚め
帝国旗艦インペリウム。その巨大な船体の一画にその異様な建築物はあった。
科学技術センターと称されるその施設では、様々なスペースシップから攫われてきた科学者・技術者たちが働かされている……。その情報を得た猟兵たちが拉致された人々の奪還を計画するのは自然なことだった。
だが、科学技術センターに乗り込んだ彼らが目にするものは――。
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「集まってくれてありがとう。今回はみんなの知恵を貸してもらいたいんだ」
グリモアベースに集まった猟兵たちに京奈院・伏籠（K9.2960・f03707）がミッションの概要を説明し始めた。
今回は武力で解決できない問題だよ、と語る伏籠の手元でグリモアが発光をする。やがて空間に映し出されたのは、見上げるばかりの超巨大な演算機械だった。
「よく見て。あの機械に接続されているロッカーサイズのユニット。あそこにスペースシップから拉致された科学者や技術者が閉じ込められている」
その言葉に投影された映像を注視して見れば、確かに中央の巨大機械から伸びたケーブルの先には長方形のユニットが接続されている。中央のコンピューターが大きすぎて距離感が狂っていたのだろうか、一度気づけばそのユニットがそれこそ数え切れないほど存在することがわかった。
それは、あたかも巨大な樹木に吊り下げられた果実……、あるいは首吊り死体のようであった。
「彼らは今、生体部品として中央のコンピューターに取り込まれている。だけど、その接続を無理矢理解除しようとすると、意識を焼き切られて死亡してしまう」
つまり、彼らを救うには正規の方法で接続を解除しなくてはいけない。
伏籠の言葉と共に映像が巨大コンピューターの一部を拡大する。そこには淡く光るディスプレイと入力用のコンソールらしきものが存在していた。
「解除用の操作パネルはこれ。肝心の接続解除の方法は、コンピューターユニットから提示される『謎』の『正しい解答』を入力する事だ」
要は謎解きだね。そう言って伏籠が問題となる『謎』を猟兵たちに開示した。
それは次のようなものであった。
『汝、敗北を認めよ。
過去が巻き戻っても変わらぬものあり。それは星の至宝であり、遺骸である』
どういうことだろうね、と頭を捻る伏籠。この謎の解答がわかれば、罪のない科学者たちを救うことができるというわけだ。
「普段の任務とはちょっと毛色が違うけど、みんなで考えればきっとなんとかなるはず。頑張ってくれ、イェーガー！」
そうエールを送り、伏籠は猟兵たちを送り出した。
灰色梟
はじめまして、こんばんは。灰色梟です。
今回は謎解きに挑戦するシナリオになります。
プレイングには『謎の答え』を記入してください。
頭を捻って考えてみましたがどうでしょうか？
皆さんの回答をお待ちしています。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
１フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
第1章 冒険
『中央コンピューターの謎かけ』
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POW : 総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、救出します。
SPD : 素早く謎の答えを導き出した後、救出した人のケアを行います。
WIZ : 明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、救出します。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | ［評価なし］ |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
亜儀流野・珠
ふむ。過去からでも変わらない…
しほー…ほし…いがい…
なるほど？
で。敗北を認めよ、か。
負けを認めてそれを打ち込め、という事か？
…ふむ、こういうことか！
「わたしまけましたわ」と！
どうだ？
科学者たちは「千珠魂」を使い「俺たち」の力も借り助け出そう。
弱ってるだろうからな。そっとだぞ！
帝国科学技術センター内部。囚われた科学者たちを利用し、メイン・コンピューターは今も不気味に胎動を続けている。伸ばされたケーブルを行き来する計算式の群れは、やがてオブリビオンによる異形の技術として結実するのだろう。
その悍ましい研究施設の中、歩みを進める猟兵がひとり。科学者たちを救うため、『謎』に挑む亜儀流野・珠（狐の恩返し・f01686）は顎に手を当てつつ自身の考えをまとめてみる。
「過去が巻き戻っても、つまり過去からでも変わらないもの……」
じっくりと問題を諳んじてみる。問題そのものは短い。わずかなヒントをどう解釈するかが考えどころだ。
「ほし、しほー。いがい。……なるほど？」
文章を分解し、キーワードを抜き出してみる。文字ではなく、言葉に出してみたところで珠は何かに気づいた。俯き気味に更に頭を回転させる。
「で。敗北を認めよ、か。つまり『謎』の『答え』は負けを認める言葉……！」
珠はバッと顔を持ち上げ、解答用のコンソールに駆け寄る。その瞳には『答え』に辿り着いた者だけに宿る『確信』の光が輝いている。
「こういうことか！」
彼女が打ち込んだキーワード。それは――。
『わたしまけましたわ』
私、負けましたわ。敗北を認める言葉。『ほしのしほー』『いがい』と同じく、時の流れを逆にしても変わらないもの。それが、珠の辿り着いた『答え』だ。
打ち込まれた言葉がコンソールに映る。それを精査するかの如く、コンピューターは小さく唸りを上げ始める。
「……どうだ？」
これが本当に正解なのか。解答を終えた以上、珠も固唾を飲んで見守るしかない。
しかし、永遠とも思える沈黙は、不意に終わりを告げた。わずかな機械音を立て、コンソールに新たな文字が表示される。
『めざめ』
目覚め。その表示と共に巨大コンピューターに吊り下げられていたユニットが地上へとゆっくり降ろされていく。そこかしこから響く軽快な機械音は、科学者たちを縛り付けるロックが外れた音だろうか。
そう、珠の解答は見事に正解を撃ち抜いたのだ。
「ようし、やった！ 待ってろ、すぐに助けるぞ！」
喜色満面で跳びはねつつ、珠は降ろされたユニットへ駆け寄る。さらにはその道すがら、ユーベルコード・千珠魂により自らの分身を呼び出してはあちらこちらのユニットへも派遣するという、八面六臂の様相だ。
彼女の活躍で科学者たちは無事に解放された。衰弱している者もいたが、養生すればすぐにでも回復するだろう。
彼らにとって珠はまさに救い主。しきりに感謝を告げる科学者たちに、彼女ははにかんだ笑みを向けるのであった。
大成功
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