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銀河帝国攻略戦㉒~決戦、ドクター・オロチ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #ドクター・オロチ

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●決戦、ドクター・オロチ
「ついにドクター・オロチのとこまでたどり着けそうだな」
 集まった猟兵達見て、真剣な表情浮かべ。クロード・ロラン(人狼の咎人殺し・f00390)は、此度の状況の説明を始める。
 『アマルテア情報艦隊』『オロチウイルス突撃艇群』を無力化した猟兵と解放軍は、ついにドクター・オロチの乗艦であり研究施設でもある実験戦艦ガルベリオンを発見、砲撃を加えた。
 この砲撃により、ガルベリオンを航行不能に陥らせることには成功したのだが、ガルベリオンはたちまちその損傷を修復し始めた。
「つまり……ドクター・オロチは、生存している」
 ドクター・オロチは、銀河帝国の興亡に興味をもっていないため、銀河帝国攻略戦に影響を与えることはないと思われる。
 だが、ドクター・オロチが存在する事は、将来の禍根となりうるのは間違いない。
「一般人がドクター・オロチに近付くのは危険だ。だから『解放軍』には銀河皇帝直属の軍勢との決戦に集中して進軍してもらうことになる。ドクター・オロチとの決戦は……猟兵達で、成し遂げねぇとならない」
 相手はかなりの強敵、激しい戦いになると思う。そう、仲間へ覚悟を確かめて。しっかりしたうなずきが返ればへらと笑って、クロードは決戦について言葉を紡ぐ。
「ドクター・オロチは装備した水晶剣によって、自ら発明したと思われる奇妙な存在達を召喚する能力を持ってる。さらに厄介なことに、相手は常に一体しかいねぇんだけど、その力が尽きるまで骸の海から蘇る力を持ってるんだ」
 猟兵が勝利して、ドクター・オロチが『骸の海』に放逐したとしても、『ドクター・オロチ』は、すぐに『骸の海』から蘇り、別の場所から再出撃してくる。
 だから、敵の力が尽きるまで、何度でも。戦い撃破まで成し遂げることができれば、スペースシップワールド敵が再び蘇ることはないことを予知していると、クロードははっきり語った。
「やつが『骸の海』から出現する場所は、広大な実験戦艦ガルベリオン内の『多数ある実験施設の一つ』。俺は、その一つを予知した」
 クロードが視た情景は、まるで手術室のような場所だったという。中央に置かれた人が寝ころべるほどの大きさの台、周囲には簡素な棚が並び、薬品と思われる瓶が中に置かれている。ここでどんな実験が行われていたのか――きっとロクなものではないと、苦々しげな表情浮かべて黒衣のグリモア猟兵は語り、それから仲間達へ視線向けた。
「身を隠す場所はいくつかあるけど……大人数で行ったら難しそうかな。お前らはここでドクター・オロチを待ち伏せして、撃破する必要がある」
 敵は動きが素早い。精鋭の猟兵でも、ドクター・オロチより先に行動することは不可能だろう。敵の攻撃にどう対応し、反撃に繋げるか。よく考えて臨んでほしいと、語ったクロードはグリモアを起動した。
「さぁ、準備はいいか? 強敵だから、思いっきりやってこいよ。力だけでなく、知恵も使って――必ずドクター・オロチを倒すんだ!」
 送るは激励と、精一杯の強気な笑顔。そうして人狼の少年は、戦いに挑む猟兵達を送り出した。


真魚
 こんにちは、真魚(まな)です。

 このシナリオは、難易度が高めの内容となっています。判定は相応のものとなりますので、お気を付けください。

●シナリオについて
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●戦闘について
 ドクター・オロチは、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

●その他
 ・ペアやグループでのご参加の場合は、プレイングの冒頭に【お相手のお名前とID】か【グループ名】をお書き下さい。記載なき場合は迷子になる恐れがあります。また、4名様以上のグループはリプレイ執筆までに時間がかかったり、キャパ的に不採用となる場合があります。
 ・今回のシナリオは、早めにプレイング受付を締め切る可能性が高いです。

 それでは、皆様のご参加、お待ちしております。
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第1章 ボス戦 『ドクター・オロチ』

POW   :    ジャイアントカルシウム
自身の身長の2倍の【恨みの叫びをあげる骸骨巨人】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    カリスティックボディ
自身の肉体を【あらゆる生命体を溶解し取り込む緑の粘液】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    ビャウォヴィエジャの森のフェンリル
【水晶剣が変形した門から『フェンリル』】の霊を召喚する。これは【炎の体を持つ巨大狼で、爆発を呼ぶ咆哮】や【瞳から放たれる魔炎光線】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フローリア・ヤマト
「とんでもない速度…
…でも大丈夫。私なら反応できるはず」
自身を呪いの指輪に黒い糸で操らせて人間の限界を超えた速度で行動できる「黒腱(ブラックピアニスト )」
「この力でオロチの行動には対応できるはず…でも…」
彼女はこの能力を発動してる間、他の能力を発動できない。
持ち前の刀で攻撃をいなしたり、防ぐ事はできるだろうが、きっと1人の力では防戦一方でどうにもならない。
「攻撃は…みんなに任せる!」
フローリアは仲間を信じて飛び出していった。


クロウ・タツガミ
他猟兵と連携、アドリブ歓迎だ

【POW】

先のトラウマ装置の借りは返さねばな

予め攻撃力重視で【龍騎乱舞】を用い、待ち構えるつもりだ。巨大マガホコに騎乗し空中という【地形を利用】して骸骨巨人による先制攻撃を待ちうけよう

(一気に巨人へと降下し)身長の2倍程度の巨人に力負けするつもりはない

【戦闘知識】を用い巨大サカホコ(ハルバート)を【怪力】で振り回し、騎乗の勢いのまま巨人と【2回攻撃・串刺し】で応対するつもりだ

さて、次は貴様か、確か装置を作ったのは貴様と聞いたが

巨人戦後は他猟兵への攻撃は巨大マガホコの身体で【かばい】つつ、自身はオロチへ【力を溜め】、巨大サカホコを【投擲】する事で攻撃するつもりだな


カタラ・プレケス
呪術師であるぼくが言うのもなんだけど君はやり過ぎだよ~。
だから…この身に変えても討伐するよ、悪意の塊。

まずはカタラの封印と解き大量の呪詛を溢れさせて狼を抑えるよ~。
そして四象変絶の詠唱をしながら突っ込むよ~。
咆哮はオーラ防御と覚悟で強引に耐えて、
光線はスクナで調合した毒の煙や高速詠唱によるな霧を作って光を拡散させよう。魔力を含んでいるから魔法の光でも防げるよね~。
防いだら四象変絶による氷の嵐で門ごとオロチを凍らせるよ。
もし届かないなら暴走覚悟で狼を自分もろとも凍らせようか~。

魂ごと溶かそうと思ったけど、何もできないの方が君には辛そうだからそっちにするよ~。
【アドリブ・連携歓迎】




 グリモアの力で猟兵達が転移されたのは、照明に明るく照らされた一室だった。
 中央に寝台、周囲には棚と、何だかよくわからない機械が置かれている。
 ドクター・オロチの実験施設の一つ。そうグリモア猟兵が語っていたのを思い出し、クロウ・タツガミ(昼行灯・f06194)は小さく眉寄せた。
「先のトラウマ装置の借りは返さねばな」
 今彼らが侵入している、『実験戦艦ガルベリオン』。それを秘匿していたジャミング装置――それもきっと、この戦艦での度重なる実験の末できあがったものだろう。
 今更見せられた、己の過去。それは決していい気のするものではなかったと、拳握り締める。
 その時――空間の一部が、歪んだ。
『ムシュ? ここにもいるんだ。キミ達しつこいな~』
 部屋に響く、不釣り合いなほどあどけない声。猟兵達が見れば、そこに小柄な人型が出現していた。クマをかたどったパーカーを被り、その中に見える本来顔があるべき場所には脳しかない――執政官兼科学技術総監ドクター・オロチ、その人だ。
 他の実験室での戦闘を幾度か行ってきたのであろう口ぶりで。オブリビオンは待ち伏せにも慣れた様子で、即座に水晶剣を振り上げた。
『それじゃまたボクから行かせてもらうよ。ジャイアントカルシウム~!』
 声に応え召喚されるのは、骨の巨人。その手にはドクター・オロチが持つ水晶剣を模して大きくしたものが握られて――巨人は、それを揮った。
『オォォォォ……!』
 叫ぶ声は、恨みのように。その攻撃に狙われたのは、クロウだ。
「サカホコ、マガホコ……!」
 白き髪の男は、咄嗟に相棒である小龍の名を呼ぶ。彼のユーベルコードを発動するには、まず相棒の封印を解かなければならない。動きの素早いドクター・オロチとの戦闘に、そんな時間はない。
 相棒達の巨大化が完了するのとほぼ同時、骸骨巨人の剣がクロウを襲う。懐に叩き込まれたその一撃は鋭い――あばらの一本や二本、折れたかもしれない。
「ぐっ……!」
 息を詰まらせつつ倒れるのだけは何とか堪えたクロウに、黒龍が翼をはばたかせた。背に乗せ体勢を立て直そうとする黒龍に、ドクター・オロチは楽しそうな声を上げる。
『遅い遅い! そんなんじゃボクの攻撃は止められないよ。そ~れ、もう一回!』
 笑い声と共にオブリビオンが水晶剣を構えれば、骸骨巨人も剣を操る。しかし同じ攻撃を二度は喰らわないと、クロウは黒龍の背で身構え巨大なハルバードへと姿変えた白龍を巨人へ向ける。
「サカホコ、マガホコ、武威を示せ」
 静かに紡ぐ言葉、黒龍が羽ばたき急降下する。狙うは骸骨巨人――大きさはクロウの相棒が上、力負けするつもりはない。
 ぶつかり合う水晶剣と白龍、激しく散る火花。圧し負けたのは、水晶剣の方だった。弾かれ剣が天を向く隙に、突き込まれたハルバードが巨人の頭蓋を鋭く穿つ。
 たまらず消えゆく骸骨巨人。その最後までを見る時間が惜しいと、クロウはドクター・オロチへ視線移す。
「さて、次は貴様か、確か装置を作ったのは貴様と聞いたが」
『ムシュ? どれのこと? 装置なんていっぱい作ってきたからわかんないなぁ~』
 はぐらかしているのか、本当にわからないのか。言葉続けても意味は薄いと感じ、クロウはハルバードを投擲した。鋭い一撃は、しかし先に受けたダメージの影響でいまいち力が入らずに――ドクター・オロチに届いたものの、僅かに傷生むのみにとどまった。
「なんだぁ、やっぱり猟兵ってたいしたことないね? え~い、次はキミだ~!」
 受けた攻撃の弱さに笑い、ドクター・オロチの体が緑色の粘液へと変化する。その切り替えにも隙はなく、フローリア・ヤマト(呪いと共に戦う少女・f09692)はこのオブリビオンは強敵だと感じる。
「とんでもない速度……。……でも大丈夫。私なら反応できるはず」
 蒼き瞳で敵を見据え、フローリアはその手を前方へ突き出す。すると指に嵌めた呪われし指輪より黒い糸が現れて、銀髪の少女の体を絡め取っていった。
 本当はコレ使いたくないんだけど。小さく呟きながら、自身の体を黒き糸へと委ねる。そこへドクター・オロチの伸縮性帯びた腕が伸びてくるが、糸はその攻撃を紙一重のところで躱し切った。
「ムシュ!?」
 驚きの声を上げるオブリビオン。その腕が元へと戻るより先に――フローリアは敵へと肉薄する。
 素早く揮うは、黒き剣。しかし届いた一撃はドクター・オロチのパーカーを僅かに切り裂いたのみ。
「ムシュシュシュシュ、回避は見事だったけど、攻撃が甘いなぁ! そんななまくらでボクが倒せると思ったの?」
 挑発的な言葉に、フローリアは唇を噛みながら後退する。自分の力では足りないだろうことは、わかっていた。けれど、彼女の戦意は失われていない。
(「……みんなに任せる!」)
 同じ戦場に集った、何人もの猟兵達。彼らと共に戦えば勝機は見えるはずと、信じる少女は背後の少年――カタラ・プレケス(呪い謡て夜招く祈りの鳥・f07768)を守るように位置取った。
 フローリアの背の向こう、ドクター・オロチを目に留めながら、カタラは手にした鳥籠の封印を解く。展開する宝槍、溢れる呪詛。それに気付いたドクター・オロチは、黒翼のオラトリオへと顔を向けた。
「ムシュシュ! 次の相手はキミだね? え~い、フェンリル~!」
 声と共に変形する水晶剣、開かれた門より現れるのは炎の体持つ巨大狼。しかしその禍々しき姿にも臆せず、カタラは狼向けて駆け出した。
「原初を別ち、陰陽超えて、 四元は詠い、八卦表す。 十六方位で運命示し、 三十二相で世界を語れ……」
 詠唱をかき消すように、フェンリルが吠える。巻き起こる爆発がカタラを包むが、それでも彼は止まらない。その胸に、覚悟があるから。強引にでも、耐えてみせる。
 しかし次の瞬間、狼が瞳から光線を放った。これにも魔力篭めた薬で対応しようと毒煙拡げるが、それでは魔炎は止まらない。オブリビオンの攻撃は、猟兵達と同じくユーベルコードを操ったもの。打ち消すには、アイテムの力では不十分だ。
 光線はカタラを狙い、命中した地点に火柱が上がる。灼熱の炎にその身が焼けるけれど――それでもカタラの足は止まらず、ついにフェンリルの元へ辿り着いた。
「万象担う汝はフィシィ」
 完成する詠唱、『四象変絶・エスカヘトル』。発動するは氷の嵐、それは炎の狼を飲み込み動かぬ氷像とし、更にオブリビオンをも凍てつかせる。
「捨て身の攻撃かぁ、なかなかやるな~」
 ケラケラ笑うドクター・オロチ。その姿に、カタラは焼け焦げた衣の裾払いながら言葉紡ぐ。
「呪術師であるぼくが言うのもなんだけど君はやり過ぎだよ~」
 だから……この身に変えても討伐するよ、悪意の塊。
 紫紺の瞳に決意篭めて、はっきりと。告げた彼の声聞きながらも、ドクター・オロチはいまだ余裕ある様子で笑っていた。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

アシェラ・ヘリオース
「何とも厄介な敵だな」
ここで仕留めないといけないと何かが警鐘を鳴らす。

先手は取られる。
骸骨巨人が振り下ろした剣に対し、自身も赤光の剣を構え。
「手荒くいくぞ……黒王刃」
一時的に出力を10倍に増したフォースソードで受け止める。
衝撃に床が砕け、全身が軋むが此処を凌げるならば安い払いだ。

その後は水晶剣をいなし剣戟に持ち込む。
二回攻撃とオーラ防御に念動力を駆使し、骸骨巨人と渡り合う。
このデカブツを倒せぬまでも私が押さえ込んでおけば、戦術的価値は大きい。
10倍出力の無茶は長く続かない。いずれ体力差で、私は剣戟に敗北するだろう。
それまでに奴を両断、もしくは味方による決着が望ましいな。

※アドリブや連携歓迎


アーサー・ツヴァイク
※協力アドリブ大歓迎
【街角】の皆と協力して攻略したい所だな

さて、俺は骸骨巨人を攻略しないと攻撃を叩き込めないわけだ
まずライドランに【騎乗】して接近しながら、レイシューターで骸骨巨人を撃つ。狙いはでけー武器。
近づいたらライドランを槍モードに変形、ついでに左腕からフラッシュブレードを取り出してオロチに投げる。で、ライドランは巨人の武器狙いで【槍投げ】だ。オロチの方は防がれるだろうけど、巨人は動きをトレースするわけだし、ライドランを武器狙いで当てるのは難しい話じゃないな。
後はバスターホーンを構えて【ダッシュ】で更に接近。バスターホーンで攻撃…と見せかけて【プロミネンス・インパクト】で直接殴る!




「何とも厄介な敵だな」
 先陣切って挑んだ仲間と、ドクター・オロチの戦いを見て。アシェラ・ヘリオース(ダークフォースナイト・f13819)は赤き瞳で敵睨み、赤光の剣を抜く。
 ここで仕留めないといけない――彼女の中で、何かが警鐘を鳴らす。剣持つ手に力篭めれば、気付いたオブリビオンは無邪気に笑った。
『ムシュシュ! お次はキミかな? ジャイアントカルシウム~!』
 再び召喚される骸骨巨人。それはドクター・オロチと同じ動きで巨大な剣振り上げ、アシュラへと接近する。
 先手は取られる。覚悟の上であったアシュラは、迫る巨人に動じることなくダークフォースソードにユーベルコードの力を注ぎこんだ。
「手荒くいくぞ……黒王刃」
 『黒王刃(ダークセイバー)』。その力は、剣形作る赤き光を増幅させ、十倍の出力を得た剣は巨大化する。巨人の振り下ろす水晶剣に動き合わせ構えれば、先制の一撃を受け止めることに成功した。
「くっ……」
 ズン、と体に伝わる衝撃。骸骨巨人の一撃は重く、アシュラの踏みしめていた床にひびが入る。全身が軋む感覚――だが、これで此処を凌げるなら安い払いだ。
 銀髪の女はそのまま剣を押し返し、続け様に剣を揮う。その力強い剣戟受ける巨人に、操るドクター・オロチはどこか楽しそうだった。
『ムシュ、なかなかやるねぇ。だけどまだまだだよぉ、そこのお友達と一緒に叩き潰してあげるよぉ!』
 言葉と共に、オブリビオンは水晶剣を揮う。呼応する骸骨巨人の刃が狙うは――『ライドラン』に乗ったアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)。
「ああ、そうくるよな!」
 不敵に笑いながら、赤髪のサイボーグは勢い殺さず巨人へと突っ込んだ。鷲の砲台より撃ち出す砲弾、続いてライドオンを龍頭の槍へと変形させ――同時に、左手の義手に収納した光の刃をドクターイエロー目掛けて投擲する。
『ムシュ!?』
 さすがに義手に仕込んだ刃は見切れなかったか、ドクター・オロチは驚きの声上げながら飛び来る刃を水晶剣で払う。不意打ちの攻撃でも軌道読めれば防ぐのは容易い。しかし、そこまでがアーサーの狙い通り。
「俺の狙いは……こっちだ!」
 槍持つ手に力篭めて、アーサーは骸骨巨人目掛けそれを放つ。巨人は、ドクター・オロチの動きをトレースする。即ち、異形のオブリビオンが攻撃防いだ今、骸骨巨人は隙だらけなのだ。
 ギィン、と金属音が戦場に響く。放たれた槍は巨人の剣の根元へ命中し、その衝撃に敵は武器を取り落とした。
「いい攻撃だ」
 固まる骸骨巨人の姿見て、アシュラが声上げ再び駆ける。力篭めた刃を一閃、あばらの骨を断ち切れば、巨人は脆くも崩れ去り消滅した。
『そんな! ジャイアントカルシウムが!』
 ドクター・オロチの声は、ここに来て初めて上擦った。仲間の作り出した好機に、アシュラは即座にオブリビオンへ肉薄する。彼女は骸骨巨人を押さえ込むことに重きを置き、ドクター・オロチへの攻撃は考えていなかった。それでもこうして刃向けることができたのは、アーサーが敵のユーベルコードの特徴を活かし行動したおかげだ。
 あと一歩、そこで赤光の剣の出力が弱まる。無茶は、ここまで続かなかった――けれど、戦う力を失ったわけではない。アシュラはそのままドクター・オロチの懐へと飛び込み、敵の水晶剣へ突き込んだ。
『うわぁ!』
 ドクター・オロチは、その攻撃を防ぐしかない。そして――その背後に、アーサーが回り込む。フェイントも用意していたが、不要。手の聖痕に力集めれば、赤き男の拳が太陽の熱を持つ。
「【Select……BURN ACTION!】この手に宿る太陽の力……受けてみやがれえええええ!!!!」
 力強い叫びと共に、繰り出す拳。その超高速の一撃は真っ直ぐにオブリビオンに叩き込まれ、衝撃にドクター・オロチの小さな体は吹き飛んだのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

塩崎・曲人
【メンカルと参加・連携】
知ってるぜぇ、この手合は絶対に好きにさせちゃいけないタイプだ
新しい悪巧み始める前に殺すぞ!

※敵UC対策 カリスティックボディは「生命体を溶かす」攻撃なんで
ベッドや棚等の大型機材を投げつけたり盾にしたり使う
事前に使えそうなものをできるだけ見繕っとくぜ
あと、戻る速度は兎も角伸ばす速度は任意じゃねぇはずなので
対処出来る距離をなるべく保って戦う

第一撃を凌げたら【咎力封じ】で敵の能力の封印を狙う
「ヘロドトスの時の恨みと、胸糞悪いウィルスばら撒いた罪で!テメェは躯の海に永久禁固刑だ!」
概念的束縛で体の弾力性も失わせれば、打撃や他の攻撃も通せるはずだぜ

【アドリブも可】


メンカル・プルモーサ
【塩崎・曲人】と参加する…
…召喚されるフェンリル…まずはこれをどうにかしないと……
爆発が来るなら身を伏せてオーラ防御を全開にして耐えて…魔炎光線に対しては【尽きる事なき暴食の大火】で逆に魔炎を食い尽くかせる…
…で、水晶の門やフェンリルを焼いてフェンリルの退去を試みる……
Drオロチへの攻撃は…身体を液体に変化されるみたいだから暴食の大火を細かく制御して……四方八方から襲わせる…同時に…回避されて床や壁にあたった大火の延焼も床や壁の延焼からDrオロチに食い付かせる…
……その有り様は同じ研究者として…見逃すわけにはいかない……
だから……ここで焼き尽くす……




 アーサーの拳受け吹き飛んだドクター・オロチの体は、実験施設の壁へと叩きつけられた。衝撃に棚が倒れ、薬品の瓶が床へと落ちる。
 今の一撃は、強烈だったろう。息を荒くしながら立ち上がるドクター・オロチに、ゆっくりと近付く猟兵が二人。
「知ってるぜぇ、この手合は絶対に好きにさせちゃいけないタイプだ」
 手にした鉄パイプで己の肩をトントン叩きながら、言葉紡ぐのは塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)。その隣には灰の髪に眼鏡の少女――メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)もいて。
「新しい悪巧み始める前に殺すぞ!」
 ニッと、不敵な笑み浮かべた曲人が続けて語れば、メンカルがこくり頷き月の装飾施した銀の杖を構える。そんな二人に、ドクター・オロチは水晶剣を揮って不機嫌そうな声を上げた。
『ちょっと当たったくらいでいい気にならないでよねぇ! いくよ~、フェンリル~!』
 光り、変形する水晶剣。再び召喚された炎の巨大狼は、メンカルを標的に大きく吠える。
(「来る……」)
 咆哮が呼び寄せるは、爆発。メンカルは身を伏せ護りのオーラ纏い、その攻撃を凌ぐ。完全に防げるわけではないけれど、まともに喰らうよりは幾分かましだ。
 続けて、獣の瞳が光る。魔炎光線――それにはユーベルコードで対抗すべく、メンカルは杖を掲げて言葉を紡いだ。
「貪欲なる炎よ、灯れ、喰らえ。汝は焦熱、汝は劫火。魔女が望むは灼熱をも焼く終なる焔」
 生み出されるは、複数の暴食の炎。メンカルはそれを自身へ襲い掛かる魔炎へ飛ばして、相殺を図る。
 一つでは、足りない。二つ、三つ。操り合体させた炎は、やがてフェンリルの炎を飲み込んでいく。このまま強化していけば、大狼までもを焼くだろう。
 少女がフェンリルと対峙する間に、ドクター・オロチは曲人へも攻撃を向けていた。オレンジ髪の男は、攻撃を警戒し距離を取っている。しかしそんなものは関係ないと、オブリビオンは自身の体を緑色の粘液へ変化させた。
『ほらほら、溶かしちゃうよぉ~!』
 笑うように声上げて、ドクター・オロチの体が伸びる。曲人はそれ見ても動じずに――先ほど倒れた棚を、小柄なオブリビオン目掛けて蹴飛ばした。
『ムシュ!?』
 突然目の前に現れた障害物に、緑の体が阻まれる。べたりと棚に付着する粘液は、それ以上何の変化ももたらさない。
「あんたのその攻撃、『生命体を溶かす』んだろ?」
 紡ぐ曲人の言葉は、ドクター・オロチのユーベルコード『カリスティックボディ』の特徴を語るもの。
 生命体を溶かす。逆を言えば、この敵のユーベルコードは『生命体しか溶かせない』のだ。だから曲人は、この部屋に置かれた設備を盾に使うことにした。それは、敵の攻撃の弱点を見抜いた、的確な対処法だったろう。
『ムシュシュ! 生意気だなぁ! いい気にならないでって言ったでしょ~!』
 語気が荒いのは、攻撃を封じられて焦ったからか。ドクター・オロチは一度引っ込めた腕を今度は両方とも伸ばして曲人に再びの攻撃を仕掛ける。しかし男は寝台と棚を動かし盾としながら、動き封じる拘束具を敵目掛けて放った。
「ヘロドトスの時の恨みと、胸糞悪いウィルスばら撒いた罪で! テメェは躯の海に永久禁固刑だ!」
 咎人封じるユーベルコード、『咎力封じ』。手枷、猿轡、拘束ロープ、そのどれもがドクター・オロチの体へ引き寄せられるよう飛んでいき、その身を封じる。先手を防ぎ、動きを封じ――ここまでくれば、後は畳み掛けるだけ。
「メンカル、今だ!」
「はい……」
 曲人の鋭い声に、応えたメンカルが『シルバームーン』を揮う。操るは暴食の大火――先ほどフェンリルに対抗するためいくらか消費したが、まだ炎は残っている。
「……その有り様は同じ研究者として……見逃すわけにはいかない……。だから……ここで焼き尽くす……」
 とつとつと語る彼女の言葉は、しかし不思議とはっきり空気を震わせた。操る炎は、十六個。それをドクター・オロチ取り囲むように展開し――四方八方より襲い掛かれば、オブリビオンの体が炎に包まれた。
『うっ、うう……! こんな、はずじゃ……!』
 炎に喰われながら、ドクター・オロチが悶える。暴食の火は、敵の傷口にも潜り込んでおり――先に仕掛けた猟兵達が与えた僅かな傷も、今の大きなダメージに繋がっているのが見て取れた。
 炎は合体し、膨れ上がってオブリビオンを燃やす。そして、その火が消えたところに――ドクター・オロチの姿はなかった。
 その身は再び、骸の海へと潜ったのだろう。またどこか別の実験施設に、出現するかもしれない。
 けれどひとまず、この場所での戦いは勝利に終わったのだ。猟兵達は顔を見合わせると、互いの健闘を称え合った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月20日


挿絵イラスト