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銀河帝国攻略戦㉕~深淵は覗き返す

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●帝国旗艦『インペリウム』内部
「よぉ。待ちくたびれたぜ、猟兵」
 グリモアによる転移を利用した奇襲作戦。それは猟兵にとって多大なアドバンテージを齎し、多くの不可能な作戦を可能としてきた。だが。
 目の前のオブリビオン銃士、通称【ファントム・ガンマン】はまるで猟兵達がそこに転移するのかを知ってたかのように、万全の構えで待ち受けていた。

 時間は少し遡る――

●グリモアベース/ブリーフィング
「ついに帝国旗艦『インペリウム』への攻撃が始まったアル! 戦いもついに佳境に入ったアルネ!」
 グリモア猟兵、ミャオ・ニャンニャン(謎のヒーローマスク・f13204)がそう興奮気味に語るのも無理はない。『解放軍艦隊』は緒戦の戦いで快勝を繰り広げ、帝国要塞『エンペラーズマインド』に続き、『黒騎士』艦隊の突破に成功。そしてミャオの言う通り、ついに帝国旗艦『インペリウム』――つまりは敵の本丸にまで迫ったのだ。
「とはいえアル、インペリウムの守りの硬さは尋常じゃないアル。これまで通りに上手く行くとは限らないアルネ――そこで任務アルヨ。インペリウム内部に転送するから、中で暴れてきて可能な限りぶっ壊してくるアルヨ!」
 つまり、破壊工作という訳だ。インペリウムの迎撃機構や内部戦力を可能な限り撃破し、解放軍による艦隊戦が優位に推移するように働きかけるのが、今回の作戦である。

「とは言えそこは敵の本丸。まず間違いなく帝国のオブリビオン兵士との遭遇、そしてそれらからの抵抗は受けると見ていいアルネ。どうしても破壊工作までは無理そうなら、可能な限りオブリビオンをやっつけてくるアルヨ」
 どんなに相手を追い詰めようとも、そこが敵の本拠地であること、そして地の利が敵にあることには何ら変わらない。とは言え何の成果もなしで逃げ帰ってきたというのでは話にならないというのもまた事実だ。何が起こるか分からない帝国旗艦で、猟兵達は敵の戦力を削るという目的を果たさなくてはならない。
「それに――ひょっとすると『皇帝親衛隊』に遭遇するかも知れないアル。名前から分かる通り、親衛隊は相当の強敵アルヨ。出来るだけ遭遇はしたくはないアルケド、万が一会ってしまったら――多分逃げ切るのは難しいアルネ。その時は死力を尽くしてやっつけるアルヨ」
 ミャオは付け加えるようにまた別の懸案事項を語る。『皇帝親衛隊』は、名前の通りその実力をもって皇帝からの直接指揮を受けることが許された、エリートの中のエリートだ。普通に考えれば銀河皇帝の身辺警護を任されるであろうが、決めつけは危険だ。あらゆる可能性を考慮する必要があるだろう。

「こんな所アルネ。それじゃあインペリウム内部に直接転移するアルヨ! 検討を祈るアル!」
 ミャオがグリモアを掲げ、転移の準備を行う。それは破壊工作を主眼とした作戦。その時はミャオも、そしてブリーフィングに参加した猟兵もそう考えていた。その筈だった。

 そして時間は巻き戻る――

●帝国旗艦『インペリウム』内部
「おいおいおい、何だよその呆けた顔は? 大方、この艦の戦力を削いで来いって言われてきたんだろ? いるぜ。ここにインペリウムの主力がな――『皇帝親衛隊』がよぉ!」
 ファントム・ガンマンは笑いながら腰に差した銃を握り、指を掛ける。
「勝っても負けても恨みっこなしだ。さぁ――魂の取り合い、殺り合おうぜぇ!!」
 何故彼が猟兵の転移を待ち受けられたかは不明だ。だが今更逃げることも出来ない。そして逃げる訳にもいかない。猟兵達は意を決し、皇帝親衛隊に戦いを挑む!


前後
 皆さん、初めましての方は初めまして。以前プレイングを送って下さった方は今回も御贔屓にありがとうございます。ついにインペリウム内部に突入しましたね。銀河皇帝まであと少しです。前後です。

 なんだかオープニングが不穏なことになってますが、やること自体は【ファントム・ガンマン】1体の撃破、つまりごく一般的なボス戦フラグメントです。ミャオが破壊工作云々言ってましたが、それについては忘れて下さい。
 敵は皇帝親衛隊、恐らくそこまでさせて貰えるような弱敵ではないでしょう。

 参加して頂ける方にはいつも感謝させて頂いております。
 皆さんがプレイングを通して寄せて頂ける期待にリプレイで応えられるよう尽力しますので、どうぞよろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『ファントム・ガンマン』

POW   :    ボムファイア
【ブラスター銃の最大出力放射】が命中した対象を燃やす。放たれた【ブラスター銃の熱線の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    クイックドロウ
レベル分の1秒で【熱線銃(ブラスター)】を発射できる。
WIZ   :    ブラストキャンセラー
対象のユーベルコードに対し【ブラスター銃の一斉射撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は麻生・大地です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ジョイフィル・メルディネ
「親衛隊ですか。随分野蛮な方のようですね。…まあそれはさておき、貴方を倒して皇帝に迫ると致しましょう」

どうも。ジョイフィルです。
開幕、戦闘形態に変身し【激痛耐性】で相手の攻撃を耐えながら接近して、
【怪力】を以て、鋼鉄拳(フルメタルクラッシュ)】の一撃を叩き込みましょう。
その後は【2回攻撃】や【グラップル】の格闘攻撃や、愛用のショットガンでの【零距離射撃】の接近戦の嵐を叩き込んでいきましょう。
接近する時、または逃がさないよう液体金属のワイヤーを使った【ロープワーク】を使用できればいいですね。
地形に引っ掛けて急襲したり、敵に引っ付けて引き寄せたりとか…。

拳は銃よりも強し!
それを思い知らせますね。


月凪・ハルマ
理由は分からないけど、こちらの転移は読まれてた訳か

まぁなってしまったものは仕方ない、考えを変えよう。
ここでコイツを倒せば、後の戦いが少しは楽になる筈だ

……そう簡単にはいかないって?あーうん、知ってる

◆SPD

まずは念のために【防具改造】で耐熱処理を施し
次に【忍び足】で敵の視界から外れる

その後は【練成カミヤドリ】で複製した宝珠(本体)と
【残像】込みの手裏剣の【投擲】で他の猟兵を援護

敵の攻撃は銃口の向きや相手の動作を【見切り】回避

敵が大きな隙を見せれば魔導蒸気式旋棍で一撃、
そして再び距離を取り手裏剣での援護に戻る

いくら強敵だろうと、止まる訳にはいかない。
俺達は、お前を越えて往く!

※連携・アドリブ歓迎


アンナ・フランツウェイ
銀河皇帝までもう少し…。アンタに構っている場合じゃない、どけ。

行動は【POW】。最大出力放射なら次の射撃をするにしても時間がかかるだろうし、その隙を突いて接近して攻撃しよう。

ブラスター銃を向けられたら、鮮血の鋼鉄処女・改を盾にして「武器受け」で防御しつつ身を隠し、 「残像」 が出る程の速さで鋼鉄処女から飛び出してファントム・ガンマンへ接近する。

接近しながら断罪式・薊ノ花で、私自身の血液を素材に巨大な鋸を作成。「見切り」で敵の動きを見切り命中率を重視した攻撃を放つ。
攻撃が命中したら「傷口をえぐる」で深手を負わせつつ、ファントム・ガンマンを引き裂いてやろう。



●インペリウムは燃えているか
「理由は分からないけど、こちらの転移が読まれていた訳か」
 それは今までにない想定外の事態。だが月凪・ハルマ(天津甕星・f05346)はそのような状況に対しても前向きであった――正確には言えば、意識して状況を前向きに見ようとしていた。いくらここで理由を考えようが、所詮は仮定だ。現実に敵と遭遇してしまった以上、猟兵が成すべきことは只一つ。戦い、そして勝つ事だ。
「まぁなってしまったものは仕方ない。逆に考えよう――『皇帝親衛隊』がわざわざ出迎えに来てくれたんだ。ここでコイツを倒せれば、後の戦いも少しは楽になる筈……そう簡単にはいかないって? あーうん、知ってる」
 口で言うのは簡単だが、それを成すことは決して容易なことではない。手の内に隠した【忍者手裏剣】が、汗でしっとりと濡れる。

「皇帝親衛隊、ですか。大層高尚そうな名前の割に、随分と野蛮そうな方ですね」
 ジョイフィル・メルディネ(喜びを齎すモノ・f02904)は目深に被った帽子と口元を覆うマスクから輝く瞳を覗かせ、目の前の【ファントム・ガンマン】を見据える。褐色の肌に体に密着したインナーを身に着け、汚れ一つない【狩人装束】を纏ったその姿とシルエットは、優雅なラインを描いていた。
「……まあそれはさておき、貴方を倒して皇帝への道筋を開くと致しましょうか」
 身なりや肩書は関係ない。何故ならここで倒すからだ。ジョイフィルや猟兵達が成すことは、目の前の軽薄そうな男を倒し、インペリウムの戦力を削ぐこと。そしてスペースシップワールドの生きとし生けるもの全ての敵にして彼の主君である、銀河皇帝への道を切り開くことだ。

「そう、銀河皇帝まであと少し……ついこの間まで絵空事の夢物語だった『オブリビオンの根絶』が、あと少しでこの手に届く」
 白と黒の二つの翼を持つオラトリオ、アンナ・フランツウェイ(断罪の御手・f03717)が見据える先は、既にインペリウムの最深部に居を構えるオブリビオン・フォーミュラだ。髪に花を咲かせ、可憐なドレスで身を纏う麗しき乙女は、だが断罪による救済を是とする処刑者でもある。
「親衛隊だろうがなんだろうが、アンタに構っている場合じゃない。どけ」
 アンナは己の背丈ほどの【鮮血の鋼鉄処女・改】を、大盾の如く構える。二色の天使と鋼の処女が立ち塞がるオブリビオンに瞳を向ける。

「拳は銃よりも強し! それを思い知ってもらいましょう!」
 まず動いたのはジョイフィルだ。拳を振りかざし突進する。ガンマンは不敵な表情を崩さぬまま、ブラスターの最大出力放射【ボムファイア】を放つ。構え、照準、発射――その全てが一瞬で行われたことにより、それは傍目から見れば突如ジョイフィルが燃え上がったようにしか見えなかった。
 炎に包まれ、苦悶の声を漏しながらも【激痛耐性】でなお勢いを止まず突進するジョイフェル。炎の中から人工筋肉を増幅させた戦闘形態となった彼女が【鋼鉄拳】(フルメタルクラッシュ)を放つ。恐るべき【怪力】の一撃で地形が粉砕され、ガンマンの体が吹き飛ぶ。
 だがジョイフィルが拳に感じた手応えが思った以上に軽かった。そう、直撃すれば人の身すら四散する程の一撃を、ガンマンはあえて跳ね飛ばされることで軽減したのだ。そのまま受け身を取って着地するガンマン。
「おいおいおい、野蛮なのは貴様の方じゃないのか? ……だが今のは効いたぜ」
 軽口を叩きながらも、ジョイフィルの攻撃を受け立ち上がれずにいるガンマン。叩きかけるなら今だ。

「最大出力放射なら、次の射撃をするまで時間がかかるはず!」
 ほぼ同時に接近を試みるのはアンナだ。あれだけの大出力射だ。バッテリーは交換で対応したとしても、銃自体の冷却はすぐとは行かない――
「それはどうかな? 武器を沢山仕舞えるのはてめえだけだとは思うなよ!」
 ガンマンは躊躇なくジョイフィルに射ち放った銃を捨て、ポシェットから次のブラスターを取り出す。ボムファイアの第二射がアンナ目掛けて襲い掛かる。アンナは咄嗟に鋼鉄処女を正面に構え、燃え上がる光線を【武器受け】で防ぐ。アンナの拷問具が、まるで火炙りにされた聖処女のように赤く熱く燃え上がる。
「だがそれも無尽蔵ではない。今のでもう一挺潰れた」
 アンナはガンマンの攻撃によって足止めされる。だがその一撃を防いだことで確実にガンマンは経戦能力を削がれていく。そしてガンマンに追撃を仕掛けようとしたのはアンナだけではないのだ。

 ほぼ同時に、ガンマンは己の死角から無数の飛来物が接近するのを察知する。飛来物の先には【忍び足】でいつの間にか死角を取ったハルマの姿。彼が放ったのは無数の手裏剣、そして【錬成カミヤドリ】によって作り出された追尾する複製宝珠だ。【残像】を帯びた夥しい数の攻撃の雨がガンマンに迫る。
 すかさずガンマンは三挺目を取り出し、【ブラストキャンセラー】で迎撃を試みる。迎撃に特化した低威力だが高精度の速射が直撃ルートの手裏剣、そして宝珠のみを正確に射抜き迎撃していく。いくらかの手裏剣が直撃するもそれらは危険度が低い故にあえて見過ごされ、またガンマンの肉体に突き刺さり抉り取った宝珠の数も予想以上に少なかった。
「撃ち合いで――勝てると思うなよ!」
 さらにガンマンは反撃の【クイックドロウ】を放つと、正確無比な一撃がハルマの体を撃ち抜く。ハルマは咄嗟に態勢を変えて本体の宝珠が貫かれることは免れるも、仮初の体をブラスターの光条が貫く。
「回避の癖は掴んだ。次で殺すぜ――悪く思うなよ!」
 ガンマンがすかさず偏差を加えた一撃を放とうとしたその時。

 ガンマンの左手に何かが絡みつくと共に、それが締まり、彼の体制が崩れる。トドメの筈の射撃は明後日の方向に放たれ、前方へと引っ張られる。それはジョイフィルが投げた【金属ロープ】。彼女は左手でガンマンを引っ張り上げながら自身も近づき、右手に握った愛用のショットガン【アンロック】を素早く二連射する。
 引き寄せられまいと抵抗していたガンマンは、だがその【零距離射撃】に反応して逆に力を利用して接近、体に何発かの散弾を受けながらアンロックを蹴り上げる。同時にボムファイアでロープを焼き切ろうとするが、ジョイフィルも負けじとブラスターを殴りつけ、弾き飛ばす。ブラスターが虚空に赤い炎を放ちながら宙を舞う。

 ガンマンから余裕の表情が消える。己の武器である得物と距離、その二つが瞬時に失われたためだ。だがジョイフィルも敵の動きは封じれども決め手に欠く。だが戦っているのは彼女一人ではない。
 さらなる追撃を仕掛けんと、燃える鋼鉄少女の脇から【残像】を伴って飛び出したのはアンナだ。距離を詰めるアンナの腕から、赤い鮮血が放たれる。
「断罪の時は来たれり――」
 アンナが歌うように術式【断罪式・薊ノ花】を唱えると、鮮血は真紅の処刑鋸へと姿を変える。反物の如く薄く、だが乱杭の牙の如く鋭く禍々しい刃がガンマンへと迫る。ガンマンは次のブラスターを抜き取りブラストキャンセラーを放つも、その動きをアンナは【見切って】いた。滑らかに動く刃は光線を意思を持って避けるかのように揺らめき、そのままガンマンの左肩へと突き刺さる。
「今こそ報復の時だ」
「あがっ――!!」
 アンナは躊躇なく突き刺さった刃で引き裂くように【傷口をえぐり】、ガンマンの左肩から先を引き裂く。その断面はズタズタに引き裂かれ、肉と骨が剥き出しとなり赤い血を噴き出す。

 半身を裂かれる一撃を受け、よろめきながらもジョイフィルの拘束から免れ、後退するガンマン。そこにさらなる追撃を加えようと今度はハルマが【魔導蒸気式旋棍】を構えて接近する。
 ガンマンは血を吐きながらもハルマに背を向け、己の切断された体の断面もろともボムファイアを放つ。致命的な失血を焼き切ることで止めつつ、ハルマを迎撃するためだ。
 だが後者が叶うことはなかった。こちらが接近を試みれば確実にガンマンは迎撃を試みるだろう。ハルマの【見切り】は見事的中し、姿勢を低くした彼は背中に炎を背負いながら懐に潜り込む。
「いくらお前が強敵だろうと、止まる訳にはいかない――俺達は、お前を超えて往く!」
 ハルマのトンファーの一撃が、ガンマンの鳩尾に吸い込まれるように叩き込まれる。直撃を受けたガンマンは放物線を描いて宙を舞い、頭から地面へと落下する。
「やったか――いや、まだだ!」

 ガンマンはもはや死に体だ。だが左腕を失い、骨が砕かれ臓器を潰されてなお、新たな、そして最後のブラスターを構えて立ち上がる。
「今のでトドメを刺せなかったことを……後悔させてやるぜぇ……!!」
 なおも闘志を失わず、そして闘志のみで立ち続けているに等しいファントム・ガンマン。だがその肉体は限界を迎えつつあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

唐草・魅華音
後悔?もうこれ以上わたし達の仲間は傷つけさせないし、邪魔をさせる訳に行かないよ。あなたはここで終わりだ。目標、敵親衛兵。完全排除、開始するよ。

常に射線を外すように動いて接近、刀で止めを刺そうと動くよ。
【バトル・インテリジェンス】発動させて、残像を残して誤射を狙ったり、ダッシュ中横っ飛びをこまめに繰り返したりと、相手の射線を探知して外れるようにして動くよ。
接近範囲に入れたら、居合切り一閃。まだ活動してたらさらにメッタ切りして確実に止めを刺すまで攻撃の手は緩めないよ。


アドリブ・共闘OK


田中・香織
『ガンマンらしく、銃で勝負よ』
アサルトウェポン(オモチャ仲間の兵隊人形の形見の銃)で勝負を挑みます。(自分も彼と同じように銃を使うタイプのキャラなので)
瀕死のダメージを受けたら戦場の亡霊も使用して本体と亡霊の同時攻撃を掛けます。
『ヒーローは最後まで諦めないわ!!』
(ヒーローに憧れて猟兵になったキャラなので)
もしも倒せたら彼の靴を脱がせてやります。
(ガンマンに伝わる作法で、決闘で敗れたガンマンが安らかに眠れるように、という意味があるそうです)



●エンド・オブ・インペリアル・ガード
「後悔? もうこれ以上わたし達の仲間は傷つけさせないし、邪魔もさせない。勿論、後悔だって」
 なおも、されどもはや気力だけで立っている状態のガンマンに対し、唐草・魅華音(戦場の咲き響く華・f03360)は冷然と告げる。【野戦刀・唐獅子牡丹】を構え、射線から外れるよう半時計周りに動き、その隙を伺う。後悔もさせない。それは猟兵全員が一人として欠けることなく無事帰還すること。無論、そこには自分も含まれる。
「だから、あなたはここで終わりだ」

「ガンマンらしく、銃で勝負よ」
 本体である女児用の人形に似た面影を持つ、桃色の髪のヤドリガミの少女は田中・香織(ヒーローに憧れた人形・f14804)。その見た目には不釣り合いな、兵隊人形が持つような【アサルトウェポン】を肩に掲げ、彼女は問いかける。
「ガンマン、ねぇ。昔はそう呼ばれてたんだが、俺をそうやって見る奴は久しく見なかったな。少なくともオブリビオンとして蘇った後には一度としてな」
 口からさらに血を吐きながらも、かつてファントム・ガンマンと呼ばれた男は香織に答える。
「何せ俺は……皇帝親衛隊だ! そんな肩書、とうに捨てたんだからなぁ!」
 ガンマンはそう啖呵を切ると、銃を撃ち放ち大地を駆ける。

 ガンマンは赤い足跡を残しながらブラスターの一閃を放つと、鋭い光が香織の頬を掠める。対する香織も、形見の長身銃を構え3点バーストを行い、連なった発砲音がインペリウムの中に響く。
 目の前のガンマンは、とても片腕を失い体中がズタズタの瀕死の状態とは思えぬ俊敏な動きで精密な射撃を放つ。香織も決してそれに劣らぬ実力を持つも、いかんせん中距離での撃ち合いでは互いに決め手を欠く状況だ。
「ハッ! ジーアイ・ジェーンは大人しく、お家で人形ごっこしてなっ!」
 先に勝負に出たのはガンマンだ。放たれたボムファイアの火炎が、香織の体を呑み込み、焼き尽くす。香織は悲鳴を挙げながら炎に巻かれ、吹き飛ばされていく。ダメージは重篤だ。

「目標、ファントム・ガンマン……いえ、敵親衛隊。完全排除、開始するよ」
 目にも止まらぬ早業で最後のカートリッジを装填し、香織にトドメを刺そうとするガンマンに、魅華音が斬りかかる。ガンマンは体にさらなる切創を付けられながらも、熱せられた銃身で魅華音を殴りつけ、彼女を後退させる。
 よろめきながらも魅華音はガンマンが腕を失った左側を常に取り続ける。例えガンマンが神速の射撃術の持ち主であろうとも、銃を持つ手の反対側への攻撃は些か鈍るはずだ。それこそ無理して撃とうものなら、それはこちらの絶好の攻撃機会。ガンマンが浮かべる苛立ちの顔から、その方針が有効であることは証明されている。
 このまま消耗戦に持ち込めば、ガンマンの方が先に力尽きる。だがここでガンマンが動く。彼は突如魅華音に背を向けた。無論、狙うは先に見せた背面撃ちだ。

「ええ……必ずそうすると思ってた。だって、それ以外に打つ手はないもの」
 ガンマンが神速のクイックドロウを放つ。だが魅華音によって完全に読まれていたその一撃は虚しく空を切る。そして彼女は同時に【バトル・インテリジェンス】を起動する。冷徹な戦闘機械めいた正確にして迅速な動きで、残像を残しながらガンマンを斬り付けていく。ガンマンは辛うじて避け、そしてブラスターで反撃を済むも、彼が貫くのは魅華音が残す【残像】のみだ。横方向への跳躍で残像を増やしつつ、隙あらば正面へ駆け斬り付けていく。ガンマンは完全に防戦一方だ。

 さらに先程倒したはずの香織が、【戦場の亡霊】を発動させ戦線へと舞い戻る。魅華音と同じアサルトウェポン、今度はフルバーストによる火力制圧がガンマンの動きを封じ、ガンマンに銃創を一つ、また一つと加えていく。
「ヒーローは……最後まで諦めないわ!!」
 そして瀕死になった香織自身も、倒れ伏しながら銃を構え、ガンマンを狙い撃つ。かつて憧れていたヒーロー、ヤドリガミとなり、そして猟兵となった彼女。なれば、かつて憧れた姿も、自らをもって体現する。彼女に宿った魂が、渾身の一発を放つ。

「ガァッ……!?」
 それは正確にガンマンの心臓を貫いた。動きが止まる。戦場の亡霊による射撃が、続けざまにガンマンの体を次々に貫く。
「止めだよ」
 魅華音もまた素早く距離を詰め、居合斬りを放つ。だがまだ倒れぬ。なれば倒れるまで切り刻むとばかりに次々に斬り付ける。猟兵達による怒涛の集中攻撃を浴び、試し切りの巻藁、或いは銃の標的の如く姿となり、遂にガンマンは地面に倒れ伏す。
 もはや彼は言葉を語ることすら出来ない。それでも猟兵を一人でも道連れにとブラスターを構え、されど叶わず腕が地面に落ち、だがブラスターだけは離しはしなかった。

 親衛隊による待ち伏せという不測の事態に見舞われながらも、無事猟兵達はそれを切り抜けた。既にインペリウムの防衛網はガタガタであり、このまま銀河皇帝の元に踏み入ることも可能だろう。だが猟兵達の損害も少なくはない。彼らは一旦グリモアベースへの後退を決定する。
「香織さん、どうしたんですか? 彼の靴を脱がせて」
「ガンマンに伝わる作法、だそうです。決闘に敗れた者が安らかに眠れるように……と」
 重傷を負いつつも何とか立ち上がった香織は、ベースへの帰還の前に、彼を皇帝親衛隊としてではなく一人のガンマンとして弔うことにした。それは骸の海に還ったガンマンから余計なお世話だと物言いが入るかも知れない。しかしそれでも、香織はこの恐るべき強敵へ敬意を抱かざるを得なかったのだ。

 銀河帝国との決戦、終幕は近い。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月22日


挿絵イラスト