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アルカディア争奪戦⑬〜熾火は赫く昌盛・ペザンテ

#ブルーアルカディア #アルカディア争奪戦

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●魔獣無法地帯
 名を聞けば勇士たちは皆、そこは駄目だと言うだろう。
 それが『魔獣無法地帯』と呼ばれる巨大な浮遊大陸であった。
 自然豊かであり、様々な資源が豊富なこの大陸は多くの人々が入植しようとして断念してきた。
 何故かと問われれば、そこには凶暴な魔獣達が闊歩する無法地帯であるからだ。
 それだけではない。
 ただの魔獣であるというのならば、それは簡単なことだ。
 このブルーアルカディアに生きる人々のたくましさを知っているのならば、魔獣が闊歩するからといって生きることをためらう者などいないことを理解しているだろう。

 けれど、そんな彼らですら『魔獣無法地帯』には踏み込もうとはしない。
 そう、其処に存在しているのはただの凶暴な魔獣ではない。
『魔獣の王』と称される『権天魔怪獣アルケー』。
 その存在が全てを拒む理由であった。

 体長60mを超える巨体。
 空を舞う巨大怪獣そのもの。
 そして、尾に備えられた笏の如き器官が光を吸収することによって様々な強化を肉体に齎す。
「Ahaaaaaaa――」
 空を舞い光を吸収し続ける。
 かの『魔獣の王』はただ、この浮遊大陸に存在し続ける。
 人を襲うわけではない。されど、己の領域を侵犯するものには容赦はしない。
 けれど、今まさに領空を侵犯するものが現れる。
 屍人帝国『オーデュボン』。
 彼らは『皇帝』の命令を受けたわけではないが、『皇帝』の意に沿うように動き出す。
『魔獣の王』たる魔獣を己たちの配下に引き入れることができたのならば、きっと『皇帝』は己たちを滅ぼさないだろうと思っているのだ。

「どこかの馬鹿が『権天魔怪獣アルケー』の領空を侵したのか……あれはこちらから極めて小さな縄張りだけで満足する。触れなければ無害な王だというのに」
 この浮遊大陸に住まう僅かな人々。
 名を『魔獣ハンター』。
 彼らはこの大陸に存在する凶暴でありながら稀有なる魔獣たちを狩ることで生きる者たちである。
 人が巨大な力を持つ魔獣を狩ることが出来るのは、その戦術故である。
 知識、道具、罠。
 あらゆるものを使い、魔獣を自分たちに有利な状況に引き入れることによって、狩猟を成功させてきた。

「……致し方あるまい。あのまま『権天魔怪獣アルケー』を放置すれば、この浮遊大陸事態が沈む。そのような憂き目、我らが座して待つことなどない」
『魔獣ハンター』たちが腰を上げる。
 座して待つのはもう辞める。
 狩ると決めたのならば、己たちの生命を賭してでも狩る。
 それが生命の遣り取りをする狩人と魔獣との間にあるたった一つの約束事だからだ――。

●アルカディア争奪戦
 グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。『魔獣無法地帯』と呼ばれる浮遊大陸をご存知でしょうか? 今まさにこの『魔獣無法地帯』は屍人帝国『オーデュボン』によって包囲されています」
 ナイアルテが語るのは、ブルーアルカディアに昔から存在する巨大な浮遊大陸だ。
 そこには『魔獣の王』と呼ばれるひときわ凶悪な魔獣がいる。
 名を『権天魔怪獣アルケー』。
 体長60mにも及ぶ巨躯。そして最たる特徴はその尾に備えられた笏によって光を吸収し、強化を重ねていく性質にある。

 本来『権天魔怪獣アルケー』は縄張りに固執するが、それは極限られた範囲でしかない。
 その範囲さえ侵犯しなければ『権天魔怪獣アルケー』は襲っては来ないのだ。
 だが、屍人帝国『オーデュボン』は、『権天魔怪獣アルケー』を己が戦力とするため、この縄張りに侵入しようとしているのだ。
「どうやら『オーデュボン』には、それほどまでに凶悪な魔獣であっても従えさせる術があるようなのです。ですから……」
 ナイアルテは少し表情を曇らせる。
 浮遊大陸に生きる以上、人と魔獣との境目は存在する。
 同じ大陸に合って争わず、境界線を守って生きるというのなら、それは共生といえるだろう。

 そんな浮遊大陸に住まう魔獣を猟兵たちは『オーデュボン』が自軍に取り込む前に倒さなければならないのだ。
「幸いに現地に住まう『魔獣ハンター』の皆さんは、連携してくれるようです。縄張りを侵犯されて怒り狂う『権天魔怪獣アルケー』の力は凄まじいものです。ですが、歴戦の『魔獣ハンター』の皆さんと連携すれば、きっと勝てるはずです」
 ナイアルテの言葉に猟兵たちは頷くだろう。
 オブリビオンの手駒として魔獣を利用されるくらいならば、という思いもわかる。
 同時に巨大な魔獣を狩れば、それはブルーアルカディアに生きる人々の糧になるのだ。ならばこそ、全てが無駄に生命を散らすことにはならないだろう。

 例え、それがこちらの勝手な理屈であるのだとしても。
「多く矛盾を抱えることになるでしょう。ですが、それでも人は生きているのです。ブルーアルカディアの人々のように生きるために狩る。狩るために生きる。どちらも正しく、どちらも過ちに満ちているのです」
 その矛盾に折り合いをつけて生きていく。
 強くたくましい人々は、いつだってそうして歩んできたのだ。

 その歩みを歪ませるオブリビオンの目論見を成させるわけにはいかない。
 ここに猟兵たちは『魔獣ハンター』たちと共同戦線を張る。
 魔獣狩りの始まりだ――。


海鶴
 マスターの海鶴です。

 ※これは1章構成の『アルカディア争奪戦』の戦争シナリオとなります。

『魔獣無法地帯』と呼ばれる浮遊大陸に存在する『魔獣の王』、『権天魔怪獣アルケー』を現地の『魔獣ハンター』たちと共に狩猟するシナリオになります。

 屍人帝国『オーデュボン』は、この『魔獣の王』、『権天魔怪獣アルケー』を自軍に取り込むために迫っています。
 皆さんは敵に捕獲されるより速く、この『魔獣の王』を打ち倒さなければなりません。

 協力してくれる『魔獣ハンター』たちは、皆、手練であり罠などでもって皆さんを支援してくれるでしょう。
 彼らの罠は落とし穴やシビレ罠、ネットにフラッシュグレネードのようなものまで様々です。

 それらを利用して強大な『魔獣の王』を打倒しましょう。

 プレイングボーナス……魔獣ハンターと連携して魔獣を狩る。

 それでは『アルカディア争奪戦』、屍人帝国の野望を打ち砕くべく雲海を進む皆さんの冒険と戦いの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
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第1章 ボス戦 『権天魔怪獣アルケー』

POW   :    メガエネルギー撃炎弾
【目からエネルギー光弾の連射、口から】【蒼い炎を放ち攻撃する。】【尻尾の笏で光を吸収する事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    セイントイリュージョンアタック
【無数の質量を持った光で構成する分身で】【攻撃する。それぞれが光速で飛翔し連携して】【攻撃を繰り出す。尻尾の笏で光を吸収する事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    リフレクトスナイプシールド
【周囲に攻撃を跳ね返すバリアを貼る。】【弾き返す角度を調整し的確に攻撃する。】【尻尾の笏で光を吸収する事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。

イラスト:猫壱

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はビードット・ワイワイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第二『静かなる者』霊力使いの武士
一人称:私 冷静沈着
武器:白雪林

こういう狩りですと、私か『侵す者』なのですが…今回は私ですね。
霹靂に乗りまして。行きましょうか。

ハンターの皆さんにはシビレ罠をお願いしまして。
ええ、増えないことに越したことはありませんので…。
そうしてから、UCを使います。後々も使うのならば…今は氷雪属性の方がいいと思いましてね。
痺れて凍れば、もう動けませんから。…そのまま、二の矢で攻撃していきましょう。


霹靂「クエー…」
故郷守るためとはいえ、ちょっと凹み。が、気をとりなおして羽ばたく。
ここが自分の故郷世界なんだ!



『魔獣の王』。
 その王たる称号を冠するのには理由が要る。
 例えば力。
 強大な力を保つ者には、それ相応の格が宿るものである。
『権天魔怪獣アルケー』にはどうだろうか。
 体長60mもある体躯を持ちながら、己の縄張りは微々たるもの。その僅かな領域に執着し守る。
 故に『魔獣無法地帯』たる浮遊大陸にあって『魔獣ハンター』たちと共生することが可能であった。

 また『魔獣ハンター』たちも『魔獣の王』たる『権天魔怪獣アルケー』に一定の敬意のようなものを払っていた。
 力ある者は、力のあり方よっては恐れ以上に敬う心を齎すものである。
 だが、それを狩らねばならない。
「致し方のないこと。シビレ罠は、天使核が力を発露する時に出る電流を魔獣の体躯に流し込み、一定時間麻痺させるものだ。だが、そう長くはあの『魔獣の王』には通用しないかもしれない」
『魔獣ハンター』の言葉に馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱『静かなる者』は頷く。
 巨大な魔獣を狩る。
 本来ならば『侵す者』が適任であるかのように思えたが、『静かなる者』が担当する。

 ヒポグリフたる『霹靂』に乗り、『魔獣ハンター』から手渡されたシビレ罠を携えて飛ぶ。
「ahaaaaaaaaaa――!!」
『権天魔怪獣アルケー』の砲口が轟く。
 王笏の如き尾を揺らし、光を吸収している。あれが『権天魔怪獣アルケー』たる所以。
 光を蓄え、それによって質量を持った分身を生み出し飛翔する。
 あの60mの巨体でありながら、その速度は強化されたがゆえの力でもって『静かなる者』をねめつける。

 己の領域を侵すものを何者たりとて許さぬと怒りに燃える瞳を見た。
「四更・林(シコウ・リン)――我が梓奥武の力よ、ここに」
 放たれる霊力の矢が分裂し、巨体に降り注ぐ。
 氷の属性を付与された矢は、次々に打ち込まれ、質量を持った分身を貫いていく。
 凍てつき凍れば動けない。
 されど、王笏の如き尾を叩きつけ、『権天魔怪獣アルケー』は咆哮する。
「ahaaaaaaa――!」
 だが、それで終わりではない。

『静かなる者』が仕掛けたシビレ罠。
 これまでの矢はその罠に誘導するための布石。
 叩きつけた尾からシビレ罠の電流が発露し、その巨体の動きを止める。動きを止めるためのポイントに誘い込み、さらに氷の矢でもって凍てつかせる。
 二段構えの矢の襲来は『権天魔怪獣アルケー』に置いても予想しないものであった。
 如何に知能高き魔獣であったとしても、二段構えの氷の矢は買わせない。

『霹靂』はその様子を見る。
 故郷を守るためとは言え、魔獣を狩るという行為は彼にとっては心が傷つくものであったかもしれない。
 けれど、それを慮るように『静かなる者』が首筋を撫でる。
 そうだ、と思ったかもしれない。
 ここが自分の故郷。
 世界は一つではないけれど、それでも己が生まれて育った世界。獣として生まれたのならば、獣としての摂理がある。
「クエッ!」
 嘶く声は高らかに響く。

「そのとおり。ならばこそ、全霊をもって相対すべし。隷属させるのではなく、恐れるでもなく。敬意を持って生命をやり取りする。ただそれだけが、この逞しき世界に示せる唯一のこと」
『静かなる者』が引き絞った弓から放たれた矢が宙を駆け抜け、氷の一閃を描きながら『権天魔怪獣アルケー』の体表をさらに凍りつかせていくのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鵜飼・章
悪ささえしなければ僕もわざわざ
魔獣を狩りに来ようとは思わないのに
オーデュボンも余計な事をしてくれるね
無理矢理服従させられるのも気の毒だ
協力するよ

あの尻尾の笏が厄介なんだよな
図鑑から召喚した闇くんを纏わりつかせ
光の吸収力を低下させる
ネットは移動や連携を制限できそうだ
僕の鴉達と協力して空中に広げて貰えるかな
一瞬でも止まってくれれば僕がどうにかする

解剖実習を使用し
ネットにかかった敵や助けに来る敵を
片っ端から解体するよ
本体と分身では手応えが違うかもしれない
本体には動物と話すで対話を試みるよ
僕達はきみの縄張りを荒らしたくなかった
ごめんね
きみたちの怒りは僕が覚えておく

彼らの命を糧にして
必ずあの帝国を狩ろう



 屍人帝国『オーデュボン』にとって魔獣とは隷属させるものである。
 そこに敬意はない。
 生命のやり取りをするのならばこそ、そこには敬意を保たねばならない。
 それが『魔獣の王』と『魔獣ハンター』たちの間にあった不文律であり、唯一つのことであった。
 だからこそ、彼らの到来は『魔獣の王』と『魔獣ハンター』の間にある共生じみたものを踏みにじる行いであったことだろう。
「悪ささえしなければ僕もわざわざ魔獣を狩りに来ようとは思わないのに」
 鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)はそう思っただろう。
 恐らく『魔獣ハンター』たちも章と同じ気持ちであったはずだ。

 狩るの必要のない生命がある。
 けれど、時として互いの思惑と領分とが激突する。もはや『魔獣の王』たる『権天魔怪獣アルケー』との戦いは避けられない。
 隷属か死か。
 その選択肢すら与えられぬ状況を前にして、『オーデュボン』にすることは余計なことそのものであった。
「我らが『魔獣の王』が隷属される姿を見るのは忍びない。だからこそ、俺達が狩らねばならない。生命を奪うのならばこそ、我らの生命を擲つ理由になる」
『魔獣ハンター』たちの覚悟の程を章は知る。
「僕も協力するよ」

 凍りついた体表を震わせ、『権天魔怪獣アルケー』が飛翔する。
 王笏の如き尾が光を吸収し、その光でもって己の分身を質量を伴いながら生み出す。体長60mもある体躯でありながら、その速度は凄まじいものであったことだろう。
「闇くん、頼んだよ」
 図鑑から飛び出すあやかしメダル。そこから鴉の妖怪が飛び出し、『権天魔怪獣アルケー』の尾に集約される光を覆い隠す。
「『魔獣の王』はあの光で全ての力を強化していく。重なっていく強化の力は、積み重なるほどに強固なものとなっていく」
「そのようだね。ネット、借りるよ。僕の鴉たちと協力して空中に広げてもらえるかな」
 一瞬でも止められるのならば、あとは己がなんとかすると章は『魔獣ハンター』たちに告げる。

 カラスたちがネットを咥えて飛ぶのを見やり、章は瞳をユーベルコードに輝かせる。
 手にしたのは『人間失格』と呼ばれた『少年の日の思い出』。羽撃く鴉は不吉の象徴であったかもしれない。
 けれど、手にした黒い鉈は、人の命よりも軽い。
 ふわりと空中に投げられ、回転した刀身がユーベルコードの輝きを受けて煌めく。
 一瞬の明滅。
 だが、それで十分であった。

「ここからは解剖実習(サイエンスフィクション)、さようなら」
 章が走る。
 手にしたあらゆる解剖器具は『権天魔怪獣アルケー』に走る。
 ネットが覆いかぶさり、その巨体の動きを止める。一瞬でいいと言った。そう、一瞬だけだった。
 彼が見たのは分身。
 切り裂かれる質量を持った分身は光の粒となって消えていく。
 生命の重みのないものは、如何に質量を持つのだとしても章にとっては手応えのないものであった。

「僕たちは君の縄張りを荒らしたくなかった」
「ahaaaaaaa――!!」
 怒りに満ちた咆哮が轟く。
 当たり前のことだろう。僅かな領域だけあればよかったのだから。それ以外には興味を示さず、小さき生き物たちの営みなど彼には関係がなかったのだ。
 ただ、そのままに。
 ただ、そこに。
 それだけの望みすら許されないのかと咆哮する『権天魔怪獣アルケー』の眼を章は見ただろう。

 その怒りは甘んじて受け入れるべきだ。
「だから、きみたちの怒りは僕が覚えておく」
 放たれる黒い羽のような一撃が『権天魔怪獣アルケー』の体表に在る鱗を引き剥がしながら、その肉を断ち切っていく。
 鱗はあらゆるものに使われるだろう。
 血肉は『魔獣ハンター』たちの血肉へと変わる。
 骨子は住居に、革は縫製される。
 牙と爪は、それを持たぬ人の爪牙と変わり、新たなる獲物を狩りて生命を繋いでいく。

 それが。
「彼らの生命を糧にして、必ずあの帝国を狩る」
 今の章の辿るべき道であると示すように、僅かな瞬間にきらめいたユーベルコードの輝きを以って『権天魔怪獣アルケー』の生命に対する敬意に変える――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・律
ああ、魔獣とて生きる理由がある。生きる場所を守るのは生きるものには当然の事だ。

オーデュポンはその当たり前の生きる意味も平気で蹂躙するんだな。全く、度し難い。



魔獣ハンター達の気持ちも分かる。誇り高く生きる魔獣の王。憧れだったはずだ。

俺も傭兵として命を脅かすものは倒さなければならなかった。手を貸すぜ。

魔獣ハンター、フラッシュグレネードで目眩しをしてくれないか。後は俺がやる。

火雷の意志を発動して【怪力】【重量攻撃】【切断】【気絶攻撃】【貫通撃】で全力で剣を振り抜き、叩き切る。

戦う理由は人それぞれだ。でもそれが他人に歪められたのなら・・・やりきれないな。アルケー、アンタの無念、しかと受け取った。



 生きるということの意味を真宮・律(黄昏の雷鳴・f38364)は真に知る者であっただろうか。
 一度目の生は祝福と共に同時に苦しみを得た。
 二度目の生は痛みと悲しみを得た。
 魂人とはそう云う存在である。己の中にある暖かな記憶をトラウマに変えて、死を否定する。
 だからこそ、律は『権天魔怪獣アルケー』の咆哮の意味を知る。
「ahaaaaaa――!!!」
 その瞳に灯るのは怒り。
 光弾を撃ち放ち、口腔より放たれるのは蒼炎。
 己の領域全てを侵す者を尽く滅ぼす怒りに苛まれた瞳を彼は真正面から捉えるだろう。

「ああ、魔獣とて生きる理由がある。生きる場所を守るのは生きるものには当然のことだ」
 常闇の世界にあって人とは隷属を強いられるもの。
 そして、この大空の世界ブルーアルカディアにおいて屍人帝国『オーデュボン』は魔獣に隷属を強いる。
 隷属を受け入れなければ、訪れるのは死。
 理不尽極まりない行いであると感じたかもしれない。
「『オーデュボン』はその当たり前の生きる意味も平気で蹂躙するんだな。全く度し難い」
「生きる糧を得るためでもなく、ただ隷属を強いる。それは家畜以下の扱いでしかない」
『魔獣ハンター』たちが言う。
 その気持もわかるのだ。

 誇り高い『魔獣の王』。
 それが『権天魔怪獣アルケー』。
 強大な力はに時として恐れより敬う気持ちが湧き上がるものである。憧れと言い換えてもいいだろう。
 だからこそ、律は己の生を振り返る。
 養鶏として生命を脅かすものは倒さなければならなかった。変わることのない毎日であったはずだ。
 手にしたフラッシュグレネードを投げ放つ。
『魔獣ハンター』たちと連携し、光弾放つ『権天魔怪獣アルケー』の視界を白く塗りつぶす。
「後は俺がやる」
 火雷の意志(ホノイカヅチノイシ)が律の瞳に宿る。

 燃え上がる雷の炎のオーラは、彼の屈せぬ意志に比例して、その力を底上げしていく。
 走る。
「戦う理由は人それぞれだ」
 だが、と律は閃光の中を走る。手にした赤銅の剣がひるがえる。
 オーラ纏う力は彼の心にある意志を受けて煌めき、輝きを強くしていく。
「でもそれが他人に歪められたのなら……やりきれないな」
 どんな生命であれ、自由に生きるべきだと律は思うだろう。
 隷属も支配も必要ないと思う。

 魂人として二度目の生命を得た己の中に今も宿る暖かな記憶が熱をもつ。
 無垢なる生命など此処にはない。
 生命のやり取りでしか得られぬ糧があり、それを認め、喰らうことを肯定する。
『魔獣無法地帯』に生きるということはそういうことなのだ。
「アルケー、アンタの無念、しかと受け取った」
 振るう斬撃が『権天魔怪獣アルケー』の体表を切り裂く。
 あらゆる血肉が糧となる。
 骨子は生活を支え、爪牙は脅威から身を守る術となる。

 ゆえに逞しき人々は今日も生きる。
 例え、躯を晒すことになろうとも、それだけは変わらない。
 この世界に生まれ、生きてきたという輝きこそ喪われないのだ。だからこ、律は振り抜いた剣が生み出した剣閃を以って、『魔獣の王』に畏敬の念を向けるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

村崎・ゆかり
『オーデュボン』ときたら、相変わらず|質《たち》の悪い。スーパーカオスドラゴンで懲りなかったのかしらね?

ドラゴンは『幻獣の王にして魔獣の王』。触れば祟る祟り神。それに敢えて触れるんだから、怒りのほども分かるというもの。
魔獣ハンターさん達は、動きを鈍らせるネットを使ってちょうだい。

「全力魔法」炎の「属性攻撃」「衝撃波」「召喚術」「仙術」「道術」で天絶陣。
蒼空の世界の更なる高みから、墜ちよ、隕石!
ネットで動きを抑えているうちに、術式を完成させないとね。
魔獣ハンターさん達、後は任せて。衝撃が来るから気をつけてね。

いくら『魔獣の王』でも、これは軽くいなせないわよ。出来れば苦しまずに逝ってちょうだい。



 屍人帝国『オーデュボン』はこれまで多くの魔獣たちを手繰り、人々の生活を脅かしてきた。
 どれもが巨大な魔獣であったし、強大でもあった。
 容易い相手など何一つ無く。
 そしてまた新たな従属を強いられようとしている魔獣がいる。
『魔獣無法地帯』にありて『魔獣の王』として君臨する『権天魔怪獣アルケー』。
 その姿は何処か威容をもって威厳めいたものを示すものであったことだろう。これだけ巨大で強大な存在を『オーデュボン』は使役する術を持っているのだろう。

「『オーデュボン』ときたら、相変わらず|質《たち》の悪い。『スーパーカオスドラゴン』で凝りてなかったのかしらね?」
 村崎・ゆかり(“紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)は、『魔獣無法地帯』たる大陸に降り立ち、猟兵と『権天魔怪獣アルケー』との戦いを見やる。
 激しい戦いだ。
 光の弾丸が撃ち出され、蒼炎が吹き荒れる。
 戦場は光を吸収し己を強化していく『魔獣の王』の圧倒的な力でもって、なおも猟兵たちの攻撃を跳ね返す。

「ドラゴンは『幻獣の王にして魔獣の王』。触れば祟る祟り神。それにあえて触れるんだから、怒りの程もわかるというもの」
「だが、一度決めたことは引っ込められない。くつがえせない」
『魔獣ハンター』たちの言うこともわかるだろう。
 一度命のやり取りをすると決めた以上、互いに引くことはできない。
 それがこの大陸に在る不文律。
 どちらが生き残るのだとしても、どちらかは必ず滅びる。

「いいわ。動きを鈍らせるネット、あれまだ使えるわよね?」
「ああ。我らが『魔獣の王』を狩ると決めた以上、出し惜しみはない」
 彼らにゆかりはネットを使うように告げて走り出す。
「ahaaaaaaa――!!」
 咆哮が轟く。
 ただ怒りに満ちている。
 己の領域を侵犯するものを許さぬ咆哮。
 ただそれだけなのだ。『魔獣の王』として君臨する力があれば、あらゆるものを蹂躙することができる。
 その理屈でさえ、人の勝手な屁理屈でしかないのかもしれない。

 互いに異なる生命。
 価値観や感情が同一であるはずもなく。だからこそ、ゆかりはその瞳をユーベルコードに輝かせる。
「古の絶陣の一を、我ここに呼び覚まさん。天より降り注ぐ先触れのかそけき光よ。滅びの遣いを導き、地上をなぎ払え。疾!」
 天絶陣(テンゼツジン)は空より飛来する光の流星雨でもって『権天魔怪獣アルケー』を打つ。
 同時にネットが放たれ、巨躯に覆いかぶさるのだ。
 網とは人の発明したもの。
 動けば動くほどに体に絡まり、解けなくなる。自分たちよりも強大で、膂力勝る存在を捉えるための発明そのも。
「蒼天の空のさらなる高みから、墜ちよ、隕石!」 

 光の流星雨をマーカーにして隕石が『権天魔怪獣アルケー』へと墜ちる。
「衝撃に備えて!」
 ゆかりの言葉に『魔獣ハンター』たちが岩陰に離れる。
 その隕石の一撃は巨体を捉える。
 どれだけ強固な鱗に覆われているのだとしても、その一撃の衝撃は凄まじいものであった。
 怒りの咆哮は痛みに喘ぐ咆哮に変わるだろう。
 荒ぶ衝撃波が止み、ゆかりは見やる。
「軽くいなせることはできないでしょう。できれば」
 そう、できれば苦しませずにと思う。これがエゴであることなどわかっている。
 命のやり取りをする以上、そこには敬意がなければならない。
 敬意無き生命のやり取りは、意味を持たない。
 故にゆかりは思うのだ。

 手前勝手な理屈であっても。
 それでも、と。歪められた生を終えるよりも。誇り高き『魔獣の王』として人々の血肉として脈々と紡がれていくことを――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フォルク・リア
魔獣ハンターには最初に罠を仕掛けて貰い
自分は隠れて敵が罠にかかる様子を観察し
その能力を分析。
その後にシャイントリガーを発動し攻撃を仕掛ける。
「そのバリアは厄介だが無制限に使えるものではない様だ。
跳ね返す角度の調整、尻尾での光の吸収等の理屈があってのもの。
ならば自ずと限界もある。」

右手のフレイムテイルで攻撃、左手で防御の炎を展開し
敵との根競べをするが攻めきれない悟ると
【全力魔法】で攻撃にかかり防御は
月光のローブの【オーラ防御】に頼る。
敵のバリアに限界が見え始めたらファントムレギオンの
死霊で敵の魂を狙い攻撃。
「その守りが万能でも防御が限界に近いところで
性質の違う攻撃が来れば耐えられないだろう。」



『魔獣ハンター』たちの持つ罠は見事なものであったことだろう。
 落とし穴や仕掛け罠。
 シビレ罠やフラッシュグレネードのような仕掛けもある。人の知恵を振り絞ってもなお、魔獣との生命のやり取りは危険をはらむ。
 だからこそ、彼らは誇り高い。
 そして、『魔獣の王』たる『権天魔怪獣アルケー』もまた畏敬の念をはらうに値する存在であった。
 フォルク・リア(黄泉への導・f05375)は、だからこそ観察する。
 他の猟兵たちと『魔獣ハンター』たちの扱う罠。
 それらを『権天魔怪獣アルケー』はどの様に反応するのかを。

 これまで多くの罠が作動していた。
 予め仕掛けられていたしびれ罠やフラッシュグレネード。ネットはどれもが有効的だった。
「流石は『魔獣ハンター』謹製とでも言うべきか……だが」
「ahaaaaa――!!」
 怒りに満ちた咆哮が轟く。
 猟兵たちのユーベルコードをどれだけ受けてもなお、かの『魔獣の王』は気高く抵抗し続ける。
 生命を取らせまいとあがき続ける。
 そこにある生命の輝きこそ、この逞しき世界に生きる者たちの糧になるのだ。

 輝く光がネットを弾き返す。
 なるほど、とフォルクは思っただろう。あの王笏の如き尾から光を吸収し、自身の強化のエネルギーに変える。 
 そして、張り巡らされる光のバリアはあらゆる攻撃を弾くのだ。
「そのバリアは厄介だが無制限に使えるものではないな」
 フォルクは己の黒手袋から光線を放ち、バリアに弾かれる様を見る。
 反射の角度。
 そして光を吸収する力。
 万能たる盾と言ってもいい。だが、それも限界があるのだ。

「例えばネット……光のバリアにかかる網目は、そのバリアの屈折率を変える。計算できないな、そのバリアの反射角度を!」
 放つシャイントリガーの炎が『権天魔怪獣アルケー』の鱗を焼く。
 だが、それでも尾と爪の一撃がフォルクを襲う。
 防御の炎すら容易く打ち破られてしまう。
「……ッ!!」
 月光のローブによる防御に頼りきりだ。だが、それでもフォルクは熱線を放ち続ける。 
 敵の防御は万能ではない。
 ならばこそ、その限界を超えていく。
 以下に熱線が効果的でないにせよ、彼のユーベルコードは火傷や乾燥、目くらまし、電磁波による障害をもたらし続ける。

「ahaaaaaa――!!」
 煩わしいと咆哮する。
 どれもがいなしつづけるには限界があるのだ。これはフォルクと『魔獣の王』との根比べでしかない。
 フォルクにとって、それは敬意と同義であったことだろう。
 真っ向からぶつかる。
 生命を奪うものの責務であるというように彼は拳から熱線を放ち、振るわれる爪の一撃を受け止める。

「その護りが万能でも防御が限界に近いのなら!」
 死霊がフォルクの背後から飛び出す。
 それはファントムレギオン。溢れる死霊たちが『魔獣の王』に群がる。魂を狙う死霊たち。
 それを阻むように暴れる『権天魔怪獣アルケー』。
 初めてフォルクから注意が外れた。
 その一瞬をフォルクは見逃さなかった。
「こちらに意識を向けていれば、死霊は防げず。死霊に意識を向ければ俺を防げない」
 放つ拳の一撃が熱線とともに巨体を打ち据える。
 吹き荒れる炎が体を包み込み、その体表を焼く。

 己の持てる全力で持ってあたる。
 フォルクの出来ることは、敬意を払うということはそれだけだ。
 故にフォルクは真っ向から炎でもって『権天魔怪獣アルケー』を下すのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…手出ししなければ大人しかったのかもしれないけど、
屍人帝国が虎の尾を踏んだ以上は情け容赦無用よ

…貴方達、罠を用意出来るのよね?それなら1つ、お願いしたい事があるんだけど…。

上空に「闇夜の精霊結晶」を投擲して戦場を闇で覆い敵のUCの発動を阻害し、
事前に魔獣ハンターが用意した落とし穴の罠の上に「写し身の呪詛」の残像を乗せUCを発動

…光がお前の力の源だと分かっている以上、対策は容易いわ。そして…。

…姿を見せた以上、お前はもう罠に掛かったも同然よ?

敵と残像の位置を入れ替える事で落とし穴に落として捕縛しつつ切り込み、
生命力を吸収する呪詛を纏う大鎌で敵を乱れ撃ち傷の治癒を阻害する闇属性攻撃を行う



『魔獣の王』を王足らしめるのはなんであっただろうか。
 人のように王冠を戴くのならばわかりやすかったことだろう。しかし、それは人の理である。獣の理ではない。
『権天魔怪獣アルケー』は魔獣として強大で巨大である。
 その体躯が王たる証かと言えばそれは違うだろう。
 ならば、何が『権天魔怪獣アルケー』を王足らしめているのか。
 それは縄張りである。僅かな領域とは言え、そこに踏み込むことがなければ不干渉。襲うことなければ、襲われることもない。

 穏やかな時間だけが流れるのが『権天魔怪獣アルケー』にとっての生であったというのならば、此度の戦いはまったくもって無意味であったし、不理解でしかない。
「ahaaaaaa――!!」
 怒りに燃える瞳があった。
 それを真っ向から受け止め、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は『魔獣の王』に挑む。
「……手出ししなければおとなしかったのかも知れないけど、屍人帝国が虎の尾を踏んだ以上は情けは容赦無用よ」
 彼女の言葉は正しい。
 感情的に成って負けるのは自分たちの方だと理解している。
 だからこそ、彼女は周囲に在るもので使えるものは全て使う。生命を刈り取るのであれば、全身全霊を籠めたものでなければならない。

「……貴方達、罠を用意できるのよね? それなら一つお願いしたいことがあるんだけど……」
「なんだ? 罠は多くは設置済みだ。あとは誘導するか、もしくはこちらから押し込むかだ。ネットならまだあるはずだが……」
「……それなら大丈夫。位置を教えてちょうだい」
 リーヴァルディと『魔獣ハンター』たちが走る。
『権天魔怪獣アルケー』の咆哮が轟き、怒りに満ちた力が暴風のように襲い来る。

「……分身。けれど、お前の力が光を源にしていると分かっている以上、対策は容易いわ」
 投げ放つ闇夜の精霊結晶。
 それが『権天魔怪獣アルケー』の頭上を覆う。
 その王笏の如き尾から光を吸収し、その力をもって自己を強化していく。それが『権天魔怪獣アルケー』の強さの源だ。
 強化に強化を重ねていく。
 元より強大な力は、さらに増していくのだ。だが、リーヴァルディの投擲した精霊結晶は陽光を通さぬ闇。
 もとを正せば彼女のための力。
 陽光を遮るためのものだ。だが、それは今回は逆に働く。彼女の力を強め、逆に『権天魔怪獣アルケー』の力を削ぎ落とす。

「そして……姿を見せた以上、お前はもう罠にかかったも同然よ?」
 写し身の呪詛によって隠された落とし穴。
 その上に『権天魔怪獣アルケー』が差し掛かった瞬間、彼女の瞳がユーベルコードに輝く。
「……逃しはしない」
 吸血鬼狩りの業・飛転身の型(カーライル)。
 それは自身の生み出した残像と対象の位置を交換する能力。
 落とし穴を隠していた写し身の呪詛。位置が入れ替わった瞬間、『権天魔怪獣アルケー』は理解しただろう。
 これまでの動作はこのためにあったのだと。
 入れ替わった位置にあるのは落とし穴。

 穿たれた穴から放たれる無数の槍。
 それが巨体を縫い留めるのだ。
「……どれだけ強大な王も、知恵ある者に狩られる定め……本来なら共生し続ける関係にあったのでしょうけれど……」
 それも叶わない。
 いや、そもそも共生していたというのも人間側の勝手な理屈であったのかもしれない。

 けれど、屍人帝国『オーデュボン』が『魔獣の王』の尊厳を踏みにじり、隷属使役するというのならばこそ、彼女は躊躇わない。
 振るう大鎌の斬撃が『権天魔怪獣アルケー』の首元を切り裂き、大穴の中に咆哮と血潮が吹き荒れるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルクス・アルブス
【ステラさんと】

え、えっと。
これはみんなで倒して剥ぎ取りイベントってことでいいのでしょうか?

やっぱりボス相手だと、トラップ重要ですよね。
とはいえ、『魔獣ハンター』さんは近づきすぎると危険ですので、
なるべく遠くから使えるネットとかフラッシュグレネードで援護がいいでしょうか。

『アルケー』さんの動きを止めてもらったところで、
わたしも『ベーゼンドルファー』で部位破壊を狙っていきますよ!

わかりました! 冷凍しますからその目やめてください!
ヤバさが5割増しになってますよ!?
圧に押されて【Tanz des Hagel】で剥ぎ取ったお肉を冷凍。

エイルさんには、もうステラさんがトラップみたいな感じですよね。


ステラ・タタリクス
【ルクス様と】
魔獣ハンターの皆様の生活と命がかかっているので
|エイル様病《愛》はちょっと横に置いておきます(後方出来るメイド面)

ルクス様のいう通りですが
まずは倒すことが重要です
ぶっぱダメ絶対

『アンゲールス・アラース』装着で飛べるように準備
魔獣ハンターの皆様の護衛をしつつ支援を
【テールム・アルカ】起動
人型サイズにリサイズしたRSパルスマシンガンで制圧射撃
ルクス様が突っ込む段階になったら
飛翔して真上から弾幕&援護射撃

生けとし生きるものに感謝する術
それは食べる事
というわけで勇者
早く肉確保
エイル様に届けます

誰が|やべーメイド《トラップ》ですか
どこからどう見ても|尽くすメイド《可憐な花》でしょうに



「え、えっと」
 ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)はちょっと困惑していた。
『魔獣無法地帯』に、ではない。
『魔獣の王』たる『権天魔怪獣アルケー』の巨体、その威容に、でもない。
 来るぞ来るぞと思っていた|『エイル』様病《愛》の叫びがないことに戸惑っていた。
 いや、正直もう何度も聞いたフレーズであったから、逆にないとないとでものたらな……いや、そんなことはないはずなのだが、なんとなく肩透かしを食らったような気持ちになってしまうのかもしれない。
 それでも戸惑いのほうが大きいという事実だけはしっかり伝えておかねばならない。

 しかし、ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は真面目な顔をしていた。
「『魔獣ハンター』の皆様の生活と生命がかかっているので」
 横においておきます、と後方出来るメイド面しているステラ。
 ものすごく面の皮厚いなと思わないでもなかった。
「これはみんなで倒して剥ぎ取りイベントってことでいいのでしょうか?」
 まあ、間違ってはない。
 けれど、その相手が凄まじい相手であるということは分かっていただけただろう。
 やっぱりボス相手であれば罠は必須である。

 狩りを円滑にすすめるためには、シビレ罠や落とし穴、フラッシュグレネードやネットなどあらゆるものを駆使しなければならない。
「とはいえ、『真珠ハンター』さんは近づきすぎると危険ですので、なるべく遠くから使えるネットとフラッシュグレネードで援護お願いしますね」
「わかった。だが、俺達も『魔獣ハンター』と呼ばれた者たちだ。やってやれないことはない」
「ルクス様の言うとおりですが、まずは倒すことが重要です。ぶっぱダメ絶対」
 ステラが後方で頷く。
 出来るメイドというのはたいてい後ろで意味ありげに目を伏せて立っているものである。メイド万歳!

「では、打ち合わせ通りに! いきますよ!」
 ルクスが飛び出す。
 背後からは『魔獣ハンター』たちの援護が飛び、閃光が迸る。
『権天魔怪獣アルケー』の咆哮が落とし穴の向こうから聞こえてきて、這い出してくる姿は満身創痍。
 けれど、今だその威容は損なわれていない。
 むしろ、傷つけられて尚更怒りが噴出したかのように光の分身を解き放ちながら迫るのだ。
 凄まじいまでの気迫。
「ahaaaaaaaa――!!」
「箱舟、起動。武装、転送」
 テールム・アルカ。ステラのユーベルコードに寄って展開されるのは人型サイズにリサイズされたキャバリアの武装、パルスマシンガンが迫る光の分身に放たれ、その動きを止める。

「ルクス様。今です」
「動きが止まったら、殴る! 立ち止まったらぶん回す!」
 ルクスの手にしたグランドピアノが鈍器そのものとなって『権天魔怪獣アルケー』の本体に走る。
 ステラのパルスマシンガンの斉射でもって光の分身は打ち払われている。
 ならばこそ、ルクスは残された本体をこそ打倒さんとグランドピアノの一撃を頭部に見舞う。
 部位破壊! と叫んでいたのはなにかのゲームのあれかそれかどれか。
「生きとし生きる者に感謝する術。それは食べること」
 ステラが言う。
 どうした、なんか急に。『魔獣ハンター』たちは思ったけれど、まあ、自分たちの信条と同じであるから黙っていた。
 空気読んだともいえる。

「というわけで勇者」
「え、わたしですか!?」
「他に勇者が居ますか。早く肉確保。『エイル』様に届けます」
 あ、やっぱり抑えきれてないじゃないですかやだー! とルクスは思っただろう。
 ちょっと目が怖い。
 判りましたからその目をやめてほしいです! とルクスは叫びながら『権天魔怪獣アルケー』の横っ腹を叩く。
 圧に押されてではないけれど、ルクスの瞳がユーベルコードに輝く。

「Tanz des Hagel(タンツデスヘイル)――! ヤバさ五割増しになってますよ!?」
 氷の礫が『権天魔怪獣アルケー』を打つ。
 その一撃が次々と巨体を揺らし、その強烈な打撃に咆哮を轟かせる。
 お肉は叩いて柔らかくしないとですね、とルクスは思っていたが、やっていることは冷凍保存である。
 鮮度が生命。
 ならばこそ、やべーメイドであるステラの期待に応えなければならない。

「……『エイル』さんには、もうステラさんがトラップみたいな感じですよね」
「だれが|やべーメイド《トラップ》ですか。どこからどう見ても|尽くすメイド《可憐な花》でしょうに」
 その言葉にその場に居た一同は同じ言葉を発することになった。
 有無を言わせることなんてない。
 答えはイエスかハイだけである。
 故に、ルクスも『魔獣ハンター』たちもちゃんと背筋を伸ばして言うのだ。

「アッハイ――!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
……爬虫類ぽくて翼を広げている……あいつは竜種、ヨシ(指さし確認)
…さて…それはともかく…落とし穴にフラッシュグレネード
……あっちは攻撃を跳ね返すバリア……ふむ…じゃあ作戦立てよう…(魔獣ハンター達と相談)

…まずは囮の担当のハンターがこっちを向くようにに誘導…
…顔がこっちを向いたら尻尾の笏を現影投射術式【ファンタズマゴリア】で闇を生み出して包み込んで…
…光の吸収を阻害したらフラッシュグレネードで眼を潰して貰おう…
…後は音で落とし穴に誘導して落として拘束…
…這い上がってくる前に【竜屠る英雄の詩】による竜殺しの武器を持ったハンター達と共に一斉攻撃…バリアを破壊しながらダメージを与えるとしよう…



 竜屠る英雄の詩(ドラゴンスレイヤーズ・バラッド)とは即ち、竜にまつわるものを殺す竜殺しの概念術式そのものである。
 敵が竜であるのならば、その効果は絶大である。
 何せ竜を殺したという因果が既に発生しているからである。
 即ち、その術式が展開された以上、竜たるものは滅びる定めに在るのだ。

 だからこそ、『権天魔怪獣アルケー』を見たメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は指差し確認する。
 確認大事。
「……爬虫類ぽくて翼を広げている……あいつは竜種、ヨシ」
 強引な気がしないでもない。
 けれど、王笏の如き尾を広げ光を集めながら己を強化し、攻撃を跳ね返す光の盾を展開する『権天魔怪獣アルケー』はたしかに竜と呼ばれるに値する力を持っていたことだろう。

 膨れ上がる力。
 これだけの猟兵を相手取ってなお、その力は強大そのもの。
「ahaaaaaa――!」
「……やっぱり縄張りを侵犯するものには条件反射で向かってくるか……攻撃を跳ね返すバリアをまとっているからか、動きが単調……」
「やはりあの作戦でいくか?」
『魔獣ハンター』たちの言葉にメンカルは頷く。
 事前に相談し、立てていた作戦を実行する時が来たのだ。
「……囮、よろしくね……」
「顔をお前に向ければいいのだな?」

 そのとおりだと頷く。
『魔獣ハンター』たちは、この『魔獣無法地帯』で生きてきた強者たちだ。
 彼らならば囮を任せられる。
「ahaaaaaa――!!」
 囮のハンターに即座に反応する『権天魔怪獣アルケー』。攻撃にさらされ、縄張りをあらされて気が立っているのだろう。
 普段ならば気がつけたことも、今の『権天魔怪獣アルケー』には気がつけない。

 メンカルは自身に向けられた怒りの眼差しを真っ向から受け止める。いや、受け止めるのは現影投射術式『ファンタズマゴリア』である。
 闇で包み込む王笏の如き尾。
 それは光を吸収し、おのれを強化するために必要な部位である。
 その部位さえ抑えてしまえば、その強化の力は半減する。
「……お前の力の源は光。けれど、今の状態ならフラッシュグレネードだって十分に効く……」
『魔獣ハンター』たちから放たれたフラッシュグレネードが閃光を解き放ち、『権天魔怪獣アルケー』の目を潰す。

 王笏たる尾があれば、その光を吸収し強化しただろう。
 けれど、今は違う。
 闇に覆われているがために強化はできない。
「……後は」
「音で誘導し落とし穴に落とす……!」
『魔獣ハンター』たちが武器を打ち鳴らし、視覚を封じられた『権天魔怪獣アルケー』を誘導する。
 巨体であるがために、多くの穴は谷間や窪地を利用して設置されている。

「ahaaaaaa――!?」
 その巨体が罠に落ちた瞬間、メンカルは走る。
 這い上がる前に肩を付けなければならない。
「厄討つ譚歌よ、応じよ、宿れ。汝は鏖殺、汝は屠龍。魔女が望むは災厄断ち切る英傑の業」
 一斉に走る『魔獣ハンター』たち。
 手にした武器に宿るのは竜殺しの概念術式。
 走る刃は『権天魔怪獣アルケー』の体表を切り裂き、鱗を砕く。
 どれだけ強靭な肉体を、巨体を持っているのだとしても、竜を殺すという概念を付与された武器は、それだけで竜という存在に対するカウンターとなるのだ。

 張り巡らされたバリアすら切り裂く刃。
 メンカルの竜殺しの剣となった黎明剣は、『魔獣ハンター』たちの道を切り拓く。
 魔獣とは糧。
 例え『魔獣の王』なのだとしても、その生は無意味にはならない。死もまた同義である。
 この地で生きる彼らの血肉となって……というのは人の理屈であるのかもしれない。
 けれど、そこには敬意があるのだとメンカルは逞しく生きる『魔獣ハンター』の姿を見て、明日の活路を開く瞬間を知るのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳳凰院・ひりょ
魔獣の王の打倒か
魔獣ハンターの皆さん、よろしくお願いします!

ハンターにはスモークとかお願い出来ないだろうか?
フラッシュグレネードだと、光を吸収される恐れがあるしね
煙幕でこちらの位置は正確に把握出来ないようにし、その間に【早業】で敵の周囲へと護符の配置を進めておく
自身には【結界術】で煙の中でも周囲の状況が把握出来る細工を施しておこう

煙幕が晴れたら、敵の周囲に貼られたバリアへ向けて『バリア無効化』【属性攻撃】を付与した護符を【乱れ撃ち】!
これで三つの敵の強化パターンを全て封じる事が出来るはずだ

【破魔】の力と火の【属性攻撃】を付与したUCを発動させる
破魔の炎で焼き尽くしてやる、覚悟しろ!



『魔獣の王』、『権天魔怪獣アルケー』の威容は確かに王と形容するに値するものであった。
 体長60mにも及ぶ巨躯。
 王笏の如き尾。
 そして、強靭な鱗と爪牙。
 どれもが王たる強大な力。
「スモークを!」
 その威容を前にひるまぬ者たちがいる。
『魔獣ハンター』達と鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)であった。
 彼らは共に協力して『魔獣の王』を狩る。

 放たれた煙幕弾は、本来彼らが用いるものではなかった。
 けれど、ひりょは事前に彼らと共に煙幕を生み出す弾を作り出していた。フラッシュグレネードであれば、王笏たる尾に吸収されてしまう恐れがあるからだ。
 視界を奪うのならば煙幕でも可能だろうと思ったのだ。
「視界が……! 大丈夫か、ひりょ!」
「大丈夫! 結界術で煙の状況を把握してるから! その前に護符の配置を!」
「わかった! こっちはできたぞ!」
『魔獣ハンター』たちと連携するひりょ。

 敵の力は強大なのはわかっている。
 これだけ猟兵たちの攻撃を受け、何度も罠にさらされてもなお向かってくる。
 そんなに縄張りが大切なのかと思わないでもない。
 生命を懸けてまで守らなければならないのかと。
 けれど、それは人間側の勝手な理屈でしかないことをひりょは知っている。だからこそ、頭を振る。
「もう決めたんだ。生命を狩るってことを! ――呼びかけに応じよ疑似精霊、かの者に大いなる鉄槌を……」
 ひりょは煙幕の中で護符を配置しつづける。
 敵のバリアは攻撃を反射する。

 けれど、ひりょは護符に防護、即ちバリアを無効化する力を込めて配置するのだ。
『魔獣ハンター』たちに配っておいたものも同じ。
「今しかないぞ! 退避だ!」
『魔獣ハンター』たちが一斉に煙幕の外に飛び出していく。
『権天魔怪獣アルケー』は訝しんだ。
 また自身を罠にはめるつもりなのかと、煙幕の中で咆哮する。だが、それは罠ではなかった。

 ひりょ自身は時間を稼ぎたかったのだ。
 そう、護符とは即ちマーカー。
 その内部に力を過不足無く通すためのマーカーであり、囲いであったのだ。
 きらめくはユーベルコード。
 掲げた手が振り下ろされた瞬間、それは極大の炎となって天に座す。
「疑似精霊・最大火力(エレメンタル・バースト)」
 ひりょは瞬間、配置されたバリア無効の属性を付与した護符でもって『権天魔怪獣アルケー』の持つバリアを貫く。
 反射など出来ない護符が貫いた穴からバリアを砕く。

 煙幕の中心に落ちる極大なる炎の塊。
「破魔の炎で焼き尽くしてやる、覚悟しろ!」
 打ち込まれる炎。
 それは巨大な柱のように『魔獣無法地帯』にそそり立つだろう。
 極限まで高められた炎の疑似精霊の力が、護符によって囲われた領域を通して更に倍増して放たれたのだ。

 この一撃を受けて無事で居られる者など存在しない。
 咆哮が炎の中に轟く。
 痛みか、怒りか。
 そのどちらかなのか。両方なのか。
 ひりょにはわからないかもしれない。けれど、それでも『魔獣の王』が屍人帝国『オーデュボン』の魔の手に落ちることなど合ってはならない。

 ならばこそ、尊厳を喪わせることなく、戦って強者として『魔獣ハンター』たちの明日の活路となることを祈るしかないのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

んもー
そんなこと言ってー
実は故あれば狩りたいって思ってたんじゃないのー?
挑戦したい狩ってみたい!って
ちょっとも思ってなかったって断言できる?
別にいいじゃない!
|生命《いのち》とは必ず尽きるもの…
敗れ死んだ者は数多の命の糧となる…
それが理ってものさ!
死ぬのはこっちかもしれないしね!
だからさあ
――――|一《ひと》狩りいこーよ!!

●フラッシュバーーン!
目くらまししてもらってその隙に接近!
[白昼の霊球]くんに周囲の”光”を遮断してもらいさらに接近!
【第六感】でかわし…UC『神撃』でドーーーンッ!!

そう、流れの中で澱まない限りキミたちは理とともに在る
また巡りあうことだってあるさ



『魔獣の王』でなくても、魔獣を狩るのならば命に対して敬意を払わなければならない。
 王たる『権天魔怪獣アルケー』だけが特別なのではないのだ。
 だからこそ、『魔獣ハンター』たちはロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は被りを振る。
「んもーそんなこと言ってー実はあれ狩りたいって思ってたんじゃないのー? 挑戦してみたい狩ってみたい! って」
「いいや」
「ちょっとも思ってなかったって断言できる?」
 できはしないだろう。

 命のやり取りをする以上、それは互いに敬意がなければならないものである。
 狩りとはそういうものであると『魔獣ハンター』たちは語る。
「別にいいじゃない!|生命《いのち》とは必ず尽きるもの……敗れ死んだ者は数多の生命の糧となる……それが理ってものさ!」
 それは『魔獣ハンター』たちにとっても同意できるものであったことだろう。
 この大空の世界ブルーアルカディアにおいて、生命とは生命を繋ぐものであるからだ。故に、人々は逞しく生きていく。

「死ぬのはこっちかもしれないしね!」
 ロニはあっけらかんとしてそう告げる。
 それが神性としての生死観であったのかもしれない。
 気を抜けば、生命を取られる。
 それが生命を狩る、狩られるということ。
 ならば。

「――|一《ひと》狩りいこーよ!!」
 その言葉と共にロニは閃光の中を走る。
 後ろめたさもなにもない。
 ただ、『権天魔怪獣アルケー』を狩る。そのために走るのだ。
 放たれる光弾も蒼炎も、球体を投げ放ち相殺していく。
 接近する。
 ただ、接近する。それだけなのだ。ロニができることはこの小節を叩きつけることだけ。

 放たれる光弾を第六感で躱す。
 でたらめのような動きであっても、背後から『魔獣ハンター』が放つフラッシュグレネードの明滅を避けて進む。
 光を吸収する王笏の如き尾が翻り、ロニに打ち込まれる。
 それを球体がガードし、その衝撃波で『魔獣ハンター』たちが吹き飛ぶ。

「そう、流れの中で澱まない限りキミたちは理と共に在る。また巡り合うことだってあるさ」
 だから、悲しみも憎しみも関係ないことなのだとロニは拳に満ちる輝きを振り上げる。
 それはユーベルコードの輝き。
 放つ一撃は、神撃(ゴッドブロー)。
 球体を階段状に駆け上がり、空に飛び上がる。

 振り下ろされた一撃が信心なき者にも神々しさを感じさせる一撃となって『権天魔怪獣アルケー』へと叩き込まれる。
 それはあまりにも強大な一撃であった。
 周囲の地形すら変えうる一撃。
「ahaaaaaaa――!!」
 咆哮が轟く。
 叩きつけられた大地は、砕け散り、その巨体を大地にめり込ませる。
「だから、今はさようなら」
「俺達がお前の生命を奪うのならば。また俺達も何者かの生命の糧となる。その連鎖の中に」
「また還るだけだ」
『魔獣ハンター』たちは、敬意を払う。
 
 最後まで、それを忘れない律儀さにロニは笑うだろう。
 あれもまた人間の理性。
 善悪では測れない理なのだと、『魔獣ハンター』たちの生き様がそう言っているようであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

国栖ヶ谷・鈴鹿
◎アドリブ連携OKです

ユーベルコヲド、厭穢欣浄パラダヰムシフト!
ぼくの光は、全てを改変するよ!
その光を吸収したらどうなるんだろうね、親和性は最高だろうから、悪いけど分身をこっちの味方にさせてもらうよ!

相手が混乱している今!
痺れ罠で動きを止めて、尻尾を切断しちゃおう!

こうすればもうユーベルコヲドは使えないはず!
弾幕と部位破壊の射撃術で一気に撃破しちゃおう!

そういえばこのドラゴンは核がいいの?他の部位はどうだろう?
記念に一ついいのもらってもいいかな?

(時間が無ければ、そのまま残念そうにして帰ります)



『魔獣の王』――『権天魔怪獣アルケー』は、猟兵たちと『魔獣ハンター』たちの猛攻の前に満身創痍であった。
『魔獣ハンター』たちは死力を尽くしていた。
 そうしなければ、今にも生命を奪われてしまいそうだった。
 猟兵たちもそうだ。
 自分たちの全力を惜しみなく使わなければ、『権天魔怪獣アルケー』は倒せないと理解していた。

 誇り高き『権天魔怪獣アルケー』は、まさしく『魔獣の王』だった。
 だからこそ、惜しむ。
 屍人帝国『オーデュボン』によって隷属使役される未来などあってはならない。『魔獣無法地帯』において『魔獣の王』として共生する未来は、もうどこにもないのだ。
 それを悲しむことも惜しむことも、それだけの暇も与えられないことに沈んでいく。
「ユーベルコヲド、厭穢欣浄パラダヰムシフト(プレヰング・ヱデン)! ここはぼくの領域、さあ、君の魂を在るべき姿へ」
 国栖ヶ谷・鈴鹿(命短し恋せよ乙女・f23254)は叫ぶ。
 彼女のユーベルコヲドは、後光。
 照らす領域は、彼女が思い描く理想世界を構築したもの。
 理想世界に改変することに寄る性質、形状の変化を『権天魔怪獣アルケー』へと齎す。

「ahaaaaaaa――!!」
 だが、それを拒む。
『権天魔怪獣アルケー』は『魔獣の王』。
 変わらぬ事実だ。
 どうあっても、かの獣は孤高であることを望む。隷属も敗北も是としない。認めない。最後の最後まで抗うことをこそ命の煌きとする。
 故に、その王笏の如き尾が光を吸収する。
 けれど、その光は鈴鹿の放つ光。
 ユーベルコヲドの光は、その尾から『権天魔怪獣アルケー』へと吸い込まれていく。

「改変……からの! 悪いけど分身を作らせてもらうよ!」
 鈴鹿は現実改変によって生み出された光の『魔獣の王』をもって『権天魔怪獣アルケー』へと相対させる。
 理解できなかったことだろう。
 己の姿を彼は知らなかっただろう。
 見ることもない。けれど、どこかシンパシーすら感じさせる姿に戸惑う。孤高であることを望み、そうあるべきであり、そうあってきた『権天魔怪獣アルケー』にとって、それはどうしようもなく理解できない感情だったのだ。

「今!」
「わかった!『魔獣の王』を、今此処で狩る!」
『魔獣ハンター』たちがありったけの罠を飛ばす。天使核による電撃の発露に寄って『権天魔怪獣アルケー』は動きを止める。
 怒りと戸惑いがないまぜに成った感情が乗る咆哮が轟く。
 鈴鹿の合図とともに『魔獣ハンター』たちは光を吸収する尾を切り裂く。 
 手にした二丁機関銃から放たれる弾丸の凄まじさは言うまでもない。
 一気に放たれた弾丸が、これまで猟兵たちに与えられた傷口を開き、その鱗を吹き飛ばす。
 尾は断ち切られ、翼は破け落ちた。
 
 最後の咆哮が轟き、その巨体が『魔獣無法地帯』に墜ちる。
 巨星の如き存在が今、倒れたのだ。横たわる『魔獣の王』の姿を鈴鹿は見ただろう。救いがあると人間が思うのならば、屍人帝国に『魔獣の王』が隷属を強いられ、使役され、貶められなかったことだけだろう。
「……」
 その沈黙は黙祷のように。
『魔獣ハンター』たちは命がけで戦った好敵手に敬意を払う。

 鈴鹿は静かにそのさまを見送るだろう。
 此処からは彼らの両分だ。『魔獣の王』は解体され、血肉は彼らの生命の糧になる。骨子は生活を支えるものとなるであろうし、飛空艇の材料にもなるかもしれない。
 爪牙は、彼らの狩りを力強いものとするだろう。
「これを。おまえたちには必要ないものかも知れないが」
『魔獣ハンター』の一人が鈴鹿に手渡すのは、『権天魔怪獣アルケー』の頭部に頂かれていた王冠の如き部位。

 恐らく角の一欠片。
「いいの?」
「共に戦った者たちには等しく権利がある」
 鈴鹿は、そのひとかけらを手に取る。
 煌めく何かがあるように思えたかもしれない。それは目の錯覚であったのかもしれないけれど。
 それでも、そこには命の煌きがあった。
 まばゆいまでの生命のやり取りがあった。
 それを心に留め置くことこそが、『魔獣の王』への手向けとなるのだと鈴鹿は、ひとかけらを握りしめるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年09月17日


挿絵イラスト