7
アルカディア争奪戦⑯〜空門の守護者

#ブルーアルカディア #アルカディア争奪戦 #プレイング受付中です

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ブルーアルカディア
🔒
#アルカディア争奪戦
#プレイング受付中です


0




「ブルーアルカディアっていいところよね。空の旅って聞くだけでわくわくしちゃう」
 楽しそうに言ったのは、花降・かなた(雨上がりに見た幻・f12235)であった。両手を合わせて、楽しそうに微笑む。微笑みながら、でも、と、話をつづけた。
「勿論、楽しいわけではないのだけれど……ね。そういうわけで今日は、ブルーアルカディアのアルカディア争奪戦のお話を持ってきました。どん」
 どん。と自分で言ってかなたはスケッチブックをみんなの前に横向きで開く。開いたところには空の絵が描かれていた。しかしながら真ん中には『?』という記号が大きく描かれている。その横に『オーデュボンさん』と文字で書かれていた。
「謎の人物『オーデュボン』さんは冒険したのかしていないのかわからない末に、アルカディアの玉座が隠されていた、『雲海の聖域』のひとつを発見しました」
 ぺらりとスケッチブックをめくる。同じ空を背景に玉座っぽいイラストが描かれていた。さらにぺらりと、もう一枚。
 そうすると今度は何やら仰々しい門の絵が描かれていた。
「で、そこへと通じる門がスカイゲート……って認識でいいのかな? そしてなんと、スカイゲートには「アルカディア・オブリビオン」という門番が存在し、「拒絶の雲海アルカディア・エフェクト」の放出能力を持ち、余計な人はだれも通らないようにと道を塞いでいたのです!」
 と、そこまで大仰に語ってから。かなたはほんの少し、首を傾げた。
「ちなみにこの門番さん、現時点ではオーデュボンに従い行動しているらしいわよ。ということで、つまりは私たちの敵ね。敵・即・殲滅が我々のモットーとしては、ぶっ飛ばさずにはいられないわね」
 ちなみに戦場は空である。故に飛空艇艦隊の勇士達……、ガレオンフリートも手も借りねばならないだろう、とかなたは言った。スケッチブックをぺらりとめくると、巨大な、大人数が乗ることのできる飛行艇と、そして巨大なドラゴンが向かい合う絵が描かれている。
 で、細かい話なんだけど……と、かなたは話を続ける。
「自分で飛行艇を持ってくれても大丈夫だけれども、そうでない人もいるわよね。なので現地まで向かうのに大きな飛行艇を一隻、勇士他の方々から借りることができたわ。この門までご一緒してくれる仲間よ。で、その飛行艇、内部から小型の飛行艇を飛ばすことができるの」
 最大二人乗りの小型飛行艇で、操作はさほど難しくない。見る人が見れば、第二次世界大戦時代の、小さな戦闘用飛行艇に似てると思う人もいるかもしれない。
「自分の飛行艇で攻撃を仕掛ける。小型飛行艇を借りて接近して攻撃を仕掛ける。勇士の飛行艇から攻撃する。何らかの手段で飛ぶ。大体想定できる戦闘方法は、それくらいかしら?」
 あっ。とそれからかなたは思い出したかのように口元に手を宛てた。
「それでこの門番さんたちなんだけど、通常のユーベルコードに加えて、「アルカディア・エフェクト」という雲海を放出……うーん。めっちゃわかりやすく言うと、すごくでっかい嵐を使って戦場を嵐にして船を沈めちゃうみたいなのよね。後は、どちらかというと勇士の船を狙って攻撃することが多いみたい。だから」
 勇士の船を囮にするなり、軌道を読んで庇いながら攻撃するなり。
 勇士の船に突撃してくることもあるらしいので、それを利用して飛べずとも甲板から攻撃することも可能だろう。
「連携しながら戦えば、上手くことが進めると思うわ」
 と、いうことであった。そこまで説明して、かなたはぐっ、と拳を握りしめる。
「みんななら、絶対、ぜーったい負けないって信じてるわ! だから、とっちめてきちゃいましょう! 気を付けていってきてね!」
 がんばって! と明るいエールを送り、かなたは話を締めくくった。


ふじもりみきや
いつもお世話になり、ありがとうございます。
ふじもりみきやです。
=============================
プレイングボーナス:飛空艇艦隊の勇士達と協力し、速攻を仕掛ける
=============================
POWとかWIZはフレーバー程度にお楽しみください。
断章の追加はありません。
空中戦になります。自分の船を使うか、勇士の船(大人数)の甲板等から攻撃するか(別にマストとかでも大丈夫です)、小型飛空艇を借りるか、自力で飛ぶかそのあたりを想定しております。
ただし、戦場は嵐です。全般激しい嵐となっており、注意が必要であるとともに速攻でカタを付けることが必要です。

●プレイング募集期間
9月14日8:30~募集します。
断章の追加はありません。
書けそうなプレイングから書いていって、書き上げ次第投稿していきます。
場合によっては、サポートさんにお願いすることもあります。
一応、その日中の完結を目指します(そこまで無理にこだわってはいませんが……)
もしもたくさんプレイングをいただいたら、早めに閉める可能性があり、プレイングの失効に合いそうになければお返しする方向で行こうと思います。

それでは、良い一日を。
263




第1章 ボス戦 『制空竜ウルガルドヴァルナージ』

POW   :    スカイエンペラー
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【口】から【圧縮空気のブレス】を放つ。
SPD   :    ロード・オブ・プロヴィデンス
全身を【かまいたちと異常重力】で覆い、自身の【自尊心】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    アトモスフィア・ブレイクダウン
【周囲の大気を圧し潰す重力波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。

イラスト:朝梟

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフィリリアンナ・フェアリーガーデンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リリスフィア・スターライト
量産型キャバリアのワイルド・サンダーに搭乗して参加。
勇士達の飛空艇を借りての出撃だね。
短期決戦狙いで出し惜しみなく火力をぶつけて、
門番である制空竜を撃破するよ。
凄い嵐みたいだし戦闘中に吹き飛ばされないようには注意かな。
飛空艇で可能な限り近づいてもらってから
ライトニング・ライフルで強力な実弾を叩きこんでいくね。
攻撃力重視で制空竜に致命傷を与えていくよ。
飛空艇と勇士達には攻撃してもらうよりは嵐から
自分達を守ってようにして欲しいかな。
制空竜との接近戦になるならルナ・ブレードで応戦だね。

「容赦できる相手でも状況でもないし、全力でぶつけさせてもらうね」
「無理をさせちゃうからにはやり遂げてみせないとだね」



 リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)は甲板から、量産型キャバリアのワイルド・サンダーに乗り込んだ。
 安定した気体である。さして尖ったところはないが、この暴風雨では頼もしい存在になるであろう。
 雷鳴が轟く。しかしながらリリスフィアは気にも留めなかった。浮上、そして飛行を行うキャバリアのことは信頼している。
「目標、短期決戦狙いで出し惜しみなく火力をぶつけて……門番である制空竜を撃破するよ!」
 決意とともに目標を確認する。していると同時にごう、と風が吹いて機体が揺れた。長引けば長引くほど大変だね、と、リリスフィアは心を確かに持ち、目の前の竜を見据える。
 嵐の真ん中に、竜は佇んでいた。取り巻く雷の様相に、リリスフィアは機体の中から息を詰める。竜もまたこちらを見た。そして、
「――!!」
 風が吹いた。頭上に落ちる雷をリリスフィアは紙一重で回避する。そうして、いざというときのために用意していた通信機から、勇士たちの飛行艇に呼び掛けた。
「行く……よ! みんなには、自分達を守ってようにして欲しいかな!」
 飛空艇にはぎりぎりまで近づいてもらった。かなり無理をさせた自覚はある。だから後は、それにこたえるだけだ。
「無理をさせちゃうからにはやり遂げてみせないとだね」
 至近距離から、さらに近付く。向こうもただでは近寄らせてくれない。大きく口を開くと同時に、
「……っ、ブレス……!」
 それは嵐の声だったのか、竜の声だったのかはわからない。
 風と雷がうねるような音とともに、ブレスが放たれた。紙一重で回避したリリスフェアの機体の端が、削がれる。
「まだまだ!」
 衝撃で揺らぐ。しかしリリスフィアは躊躇わない。キャバリアがもつ弾速重視した多機能ライフルを構える。実弾と制圧用の電撃弾に使い分けすることができるが、本日はもちろん、実弾入りだ。
 唸り声がする。リリスフィアは接近されたと器用のフォースセイバーを構える。しかし突進と同時に放たれたのは、
「また、ブレス……! でも、そんなのじゃ、怯まないよ……!」
 今度はぎりぎり、紙一重で避けた。そうしてぐるりと期待を旋回させる。
「こういう時は……こっちの方が有効かな!」
 先ほど被弾した足の一部を飛行に適した形に変形させ、リリスフィアは撃って、撃って、撃ちまくった。回避を最小限に、逃げることなく。なるだけ足を止めることはないよう、全力で球を叩き込んでいく。
 忌々しげな竜の咆哮。けれどもリリスフィアが怯むことは、なかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

西条・霧華
「護るべき物は、きっとお互いに…。」

でも、私の守護者の【覚悟】も負けてはいません

小型飛行艇をお借りします
飛空艇艦隊の勇士の皆さんとは、お互いに遊撃し合う形が理想ですね

私は【斬撃波】で攻撃し敵の意識を此方に引き付けます

敵の攻撃は高めた【集中力】と【視力】を以て【見切り】、【残像】と【フェイント】を交え回避
避け切れなかったり、勇士の皆さんの船を【かばう】時は【オーラ防御】と【覚悟】を以て受け止めます
何れの場合も【カウンター】を狙います

纏う【残像】と【フェイント】で眩惑し、【破魔】と【鎧砕き】の力を籠めた[籠釣瓶妙法村正]にて『幻想華』
不安定な動きが嵐のせいなのか意図的なのか悟らせないままに斬ります



 西条・霧華(幻想のリナリア・f03198)は小型の飛行艇に乗り込んだ。
 外は暴風雨。小さな期待に、不安がなかったといえば嘘になる。
「気を付けてね! 危ないと思ったら、帰ってきて!」
 しかし、飛行艇の勇士たちがそう言って手を振って送り出してくれる。それに、霧華は小さく頷いた。そうして猟兵以外にも戦っているものを感じると、なんだか心がきゅう、となるのだ。
「護るべき物は、きっとお互いに……」
 大きな飛行艇から飛び立って、嵐の中に身を投げ込めば霧華はそんなことを思う。彼らも、自分の世界を守るために戦っていて、そして、
「でも、私の守護者の覚悟も負けてはいません……」
 そして。ほんの少しの対抗心のような。そこまで言うと大げさかもしれないような。そんな小さな思いを胸に、霧華は前に進んでいくのであった。

 機体が揺れる。揺れると同時に巨大な竜がどんどん近づいてくる。
 竜もこちらに気付いているのであろう。牽制のように飛んでくるブレス。飛空艇艦隊の勇士たちからは少し離れて、お互いに引き付けるように。引きつけ過ぎないように、距離を保っていた。
 飛行艇の操縦は容易なほうであった。とりあえずまっすぐ進むだけならば片手だけでも問題はない。勿論、両手でも問題はないのだけれども。そのことを確認して、霧華は片方の手を己の刀に添える。
 ごう、と風が吹いて機体が揺れた。たぶん……刀を使わずとも、心で思えば技を仕える気がした。気がしたけれども……霧華はどうにも、刀を使わなければ落ち着かない。片方の手で刀に触れたまま、霧華は竜に向かって突撃する。
「――!!」
 暴風だろうか。それとも、竜の声だろうか。
 それほどまでにすさまじい音量で、何かが吠えた。それと同時に、竜は翼をはばたかせる。
「……来ますか!」
 霧華は正面を睨み見据える。勇士たちの飛行艇を見た。その視線を斬るように、霧華は竜の真正面に飛び込んだ。
「私も……相手をして、いただきます」
 冷静な言葉。竜もまたすさまじい勢いで飛翔する。そのまま霧華に体当たりを行い、吹き飛ばした後切り返して勇士たちに攻撃すると、霧華はそう捉えた。
「……」
 正面。ぎりぎりで霧華は横へと避ける。風で期待がぶれそうになるのをかろうじて堪えた。そのまま片手で己の刀。愛刀籠釣瓶妙法村正を握りしめる。
「そ……こ!」
 振った。さやのままだが、確かに霧華はそれを振りぬいた。
 衝撃波が走る。すれ違いざま、その速さとともに叩きつけられた衝撃は、竜の首を確実に狙っていた。
「次……行きます……っ!」
 嫌な音がしていた。手ごたえはあった。だが、この程度で竜が倒れないことは、霧華にも分っている。すれ違って離れた次の瞬間、即座に霧華は飛行艇を反転させる。
 まだまだ、戦う。そんな決意を込めて、霧華は正面を見据えた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

篝・倫太郎
【兎鬼】
はい、しょこさん!
元のサイズに戻ってザクロ乗っけて?
俺は今回自力飛行すっから
ウッ友(=兎のズッ友)助けたげて

んじゃ、空中戦と行きますか

鬼焔疾走使用
嵐だって発生源を補足出来ればある程度の動きは判る
近接状態で使われるんじゃなきゃ、飛空艇も大丈夫だろ
敵の攻撃に注意するよう勇士達には言い残し、飛翔して接近
いや、囮にしますって言い難いじゃん?

折角なんだ、俺とも遊んでくれよ?

そう挑発し、空中戦と空中機動で陽動
敵の攻撃は見切りと野生の勘を用いた残像で回避
回避不能時はオーラ防御でジャストガード
敵の死角からザクロ達が接近したら
華焔刀からの斬撃波でザクロが攻撃する為の道筋を作る

本気で言ってるだろ、アレ……


ザクロ・シャハブ
【兎鬼】
『ありがとうりんたろ。飛ぶのはまだ出来なくてな
しょこはよろしく頼む』
俺はしょこに乗って空中戦に挑む

『遊べー飛びやすいように削いでやる』
選ぶは火力と数
片方は迷彩解除『飛遊星』による複数の銃弾を撃ってもらう(ザクロにはぼやけて見えてます)
俺は黒縁で撃った箇所に斬撃波で更に斬り込む(鎧無視攻撃も仕様)
近くに寄れば片方と一緒にゼロ距離で攻撃。切断出来るように力強くいくぞ

『りんたろが開いた隙を無駄にしない』
敵の攻撃は斬撃波で軌道をそらして回避
飛空艇には囮になってもらおう
そっちに集中すれば死角も生まれるだろう
『俺達はこっちから行くからお前らはあっちから回り込んでくれ』



 外はどこをどう見ても嵐であった。雷が乱舞し、雨が降り、そしてすさまじい風が吹きすさんでいる。すごいなあ。と思わず篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は呟いて、それから嵐に負けないよう、少し大きめにぱんと両手を叩いた。
「はい、しょこさん! 元のサイズに戻ってザクロ乗っけて?」
 ラビットグリフォンのしょこらに語り掛ける。いつだってしょこらは大体兎サイズであったが、そういうこともできるようだ。しょこらはきょとん、と倫太郎を見上げる。「大丈夫?」と言っているようにも思えた。
「だいじょぶだいじょぶ。俺は今回自力飛行すっから。ウッ友助けたげて」
 ウッ友(=兎のズッ友)。そう言われてしょこらは視線を別の方角へと変える。そうするとザクロ・シャハブ(懐中兎計・f28253)がほんの少し、首を傾げていた。兎耳のザクロは、時に黒兎の姿にもなるので、そういう感じの友達、なのだろう。
「ありがとうりんたろ。飛ぶのはまだ出来なくてな。しょこはよろしく頼む」
 ちょっと視線をかがめてごあいさつ。あい、とばかりにしょこらもうなずいた。するするすると、乗れるくらいに巨大化していくと、
「ありがとう、しょこ」
 改めて礼を言ってザクロはショコラに乗った。任せろ、とばかりにしょこらの耳がそよいだ。
「お。いい感じいい感じ。んじゃ、空中戦と行きますか」
 しっかりザクロが乗ったのを確認して、倫太郎はとんと足をける。飛翔能力でふわりと体を甲板から浮かせれば、
「ああ。挑もう」
 ザクロの頼もしい言葉が返ってきて、倫太郎は頷くのであった。

 嵐はますますひどくなってきていた。
 兎角風が強い。そしてこちらに挑むかのように雨が降り注いでくる。ザクロは目を眇めて、手を前に差し出した。右小指に嵌まった赤い縄の指輪が、ザクロにはなんとなく、ぼやけて見えた。
「遊べー飛びやすいように削いでやる」
 かまわず、ザクロは声をあげる。オレンジ髪の男性のようなものが現れて、次から次へと銃弾を撃ち込んでいく。古びた懐中時計がリボルバーへと変化しているようだ。大量の弾丸が、竜に向かってばらまかれる。
「……」
 ザクロにはその人影を視認できない。ぼやけたように見える何かが、銃を撃つ。不思議な状況だが、ザクロにとってはそれはそれで構わない。
「しょこ、頼んだ」
 同時にしょこらに飛んでもらう。すかさず接敵し、真っ黒な刀で銃弾打ち込んだ場所に間髪置かず斬りこんだ。
 そのまま接近戦に持ち込みたいようだ。そんなザクロに倫太郎はおお、と思わず声をあげる。
「はええなザクロ! まあ、俺も負けてはいられねぇけどさ……!」
 言いながらも、倫太郎も空を飛ぶ。こちらは接近戦に持ち込みたいが、向こうは距離を取ろうとしているようだ。飛翔能力ですかさず交代する。後退したとたんに、ブレスを吐く。
「は……っ! この焔、止められるなら止めてみな!」
 ぎりぎりのところで攻撃をよけ、倫太郎も距離を詰める。
「折角なんだ、俺とも遊んでくれよ?」
 挑発するような口調で、衝撃波を伴いながら華焔刀を振り切る。
 真正面からの攻撃は大きく竜の体を削った。
「――!!」
 方向がする。それは雷鳴なのか、それとも防風なのか。はたまた竜の咆哮なのか。ともすれば判別着かなくなるほど、巨大で、力強い方向であった。同時に爪が振るわれる。
「……っ、と!」
 それをぎりぎりのところで避けると、ブレスが来る。
「……!」
 思わずちょっと後方を見る。
 どうやら飛行艇の方も無事に回避できたようであった。よかった。
(まあ、この距離から使われるんだったら、回避できるとは思ってたけどよー……)
 気を付けてと言っていたのを、ちゃんと聞いていたのだろう。その時のことを思い出すと、倫太郎はちょっと、後ろめたい表情になる。
(いや……、囮にしますって言い難いじゃん?)
 なので、オブラートに包んで色々アドバイスしたのだが、どうやら効果があったようで、良かった。
 そんなことをつらつら考えながらも、倫太郎は竜に接近する。敵の真正面から、声をあげて突撃する。
 その隙に、ザクロが再び後ろに回り込みながら接敵する。変わらず銃弾を打ちまくるぼやけた人とともに、ザクロは突入した。
「りんたろが開いた隙を無駄にしない」
 その台詞に、倫太郎が「なんだか俺死んだ人みたい」と言いかけて、ちょっとやめた。
『飛空艇には囮になってもらおう。そっちに集中すれば死角も生まれるだろう。俺達はこっちから行くからお前らはあっちから回り込んでくれ』
 さっきザクロが言っていて、「本気で言ってるだろ、アレ……」と、ほんのちょっと言葉に詰まったことを倫太郎は思い出したからだ。死んだ人みたい、なんて言ったら、真顔で遠慮のない台詞が返ってくるのは目に見えている。いやそこも彼のいいところだとは思うが。
「いや……いやいやいや! 俺は死なない! ほら……こっちだ!」
 ブレスを真正面から受け取りながら、倫太郎は華焔刀を振りぬく。ブレスの力を弱め、同時に攻撃を試みる。手ごたえのところは、今ひとつわからない。……が、
「エンドロールの先に待つ何かをこの目で見る為に。俺はここでは死なない」
 あくまで、倫太郎は囮なのでそれはそれで構わない。背後からザクロの黒い刀が深々と、竜のうろことうろこの間を突き刺す。
 咆哮が上がる。しかし怯む二人ではなかった。構わず、二人は刃を振るい続けた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィクトル・サリヴァン
雲海放出してくる竜…あんまり雲増やされても困るし危険だし速攻で仕留めないとね。
この小型飛空艇なんか見覚えあるような…操作感覚が近ければ大丈夫だけど。
頑張ってくれる勇士達の力も借りつつ竜退治やろうか。

小型飛空艇借り空へ。
嵐が中々厳しいね。軋んでる気がするけど頑張って飛空艇…!
風の精霊に呼びかけ動きやすい進路とか教えて貰えないかな。
勇士とか他の誰かが突っ込んだタイミングで合わせて制空竜へ全速力。
風のブレスや放出される雲海は飛空艇を念動力で強引にずらし回避、竜を間合いに捉えたら銛投擲し命中したらUC発動!
追撃の水シャチで一気に畳みかけるね!
勇士達の姿見えたら健闘讃えたい所。

※アドリブ絡み等お任せ



 ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)は嵐の中、ふんふん、と頷いた。
「なるほどなるほど。雲海放出してくる竜……」
言った瞬間、すさまじい風が吹く。ご尾、という音とともに大量の雨粒と、そしてついでに雷の音までして。ヴィクトルはもう一度、大いに頷いた。
「……あんまり雲増やされても困るし危険だし速攻で仕留めないとね」
 なかなかえらいことになっている。「この小型飛空艇なんか見覚えあるような……」と思いながらも乗り込んだ小型飛行艇は、なかなかやっぱり使いやすそうであった。甲板から飛び立つと、飛行艇にいた勇士たちが、手を振って見送ってくれた。
「……うん、竜退治、やろうか」
 雷鳴がもう一度。構わずヴィクトルは進んだ。空へ空へ……竜の待つ、空へ。

 バタバタと風が鳴る。かろうじて降り注ぐ雷は回避しているけれども、風や雨はどうにも避ける方法がなかった。
「軋んでる気がするけど頑張って飛空艇……!」
 なので、呼びかける。根性があれば、きっとどうにかなる……!
「あと、風の精霊、頼んだ……!」
 どのみち全方位嵐だが、何とか風は読んで進むことができるだろうか。ぶべべべべべべべべ、と怪しい音を響かせながら飛ぶ飛行艇を、何とかヴィクトルはあやしながら進んでいく。
 少し行くと、竜が見えた。勿論、竜もこちらを見ていた。
 別方向から、勇士の飛行艇が突撃する。それもまた竜は視界にとらえて、どちらから対処するか、一瞬、試行している間があった……、
「それ……!」
 それを見逃すヴィクトルではなかった。その一泊の間を縫うように、ヴィクトルは全力で飛行艇を走らせる。
「!」
 速度は、融資の飛行艇よりもこちらが上だった。竜がヴィクトルを見る。口からブレスが吐き出される。
「どっこいしょ……!」
 ぎりぎり。念動力で期待を浮かせる。そう何度も使えない技だが、一瞬のそれは竜の目をそらせるのに十分であった。
「さあ、追いかけて、齧り付いて――喰い千切れ!」
 竜が視線を逸らしたその一瞬、ヴィクトルは銛を投げていた。餅が当たると同時に、水でできたシャチが姿を現す。
「……!!」
 竜の声と、シャチの咆哮。両方が混ざり合い、そこに雷が落ちた。シャチは竜の喉を喰い、竜はシャチを霧散させる。
「まだまだ、行くよ!」
 しかしヴィクトルの攻撃は、まだ終わらない。すかさず二撃目を放つヴィクトル。巨大な咆哮が周囲に響き渡り、それを手ごたえとヴィクトルは知るのであった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

国栖ヶ谷・鈴鹿
◎アドリブ連携OKです

ユーベルコヲド、超力陽子加速砲準備!

|ガレオン《ヨナ》は受け流しの浄化噴水!|守護稲荷《きこやん》、結界術と式神術で艦隊に防御力を回して!

ヨナのペンギン🐧クルーは天候操作で嵐を中和する様に予備パワーを使って!
残像のダミーバルーンで注意をこっちに引きつけるんだ!

相手の攻撃の隙に合わせるよ!
超力陽子加速砲・天火明、発射!

直で受ければタダじゃ済まないからね!今!相手が態勢を立て直す前に、艦隊一斉射!
制空竜を落とすよ!

ヨナ、|キャバリア《阿穹羅》、追撃の砲撃とレーザーで一気に決めておくよ!

ぼくの全力……ダメージは通ったはず……!



「ユーベルコヲド、超力陽子加速砲準備!」
 雨が降っていた。
 雷と暴風の威力は徐々に弱まってきているようである。
 様々な猟兵たちの攻撃を受け、既に竜は瀕死の状態であったのだ。
 故に、国栖ヶ谷・鈴鹿(命短し恋せよ乙女・f23254)は空飛ぶ鯨を意匠したスカイクルーザーの上で、号令を飛ばす。
「ガレオンヨナは受け流しの浄化噴水! 守護稲荷きこやん、結界術と式神術で艦隊に防御力を回して!」
 次のブレス攻撃が来る。それまでの間が勝負だ。
「ヨナのペンギンクルーは天候操作で嵐を中和する様に予備パワーを使って! 残像のダミーバルーンで注意をこっちに引きつけるんだ!」
 攻撃が来るならくればいい。対策は立てた。
「相手の攻撃の隙に合わせるよ!」
 そして、その隙にこちらが攻撃するまでだと、鈴鹿は宣言する。
「でも、直で受ければタダじゃ済まないからね! ……今! 相手が態勢を立て直す前に、艦隊一斉射! 制空竜を落とすよ!」
 ブレスが放たれる。それと同時に指定通り、スカイクルーザーより大量の水が放たれた。暴風雨の中突っ切って、ブレスト水流が激突する。それは互いに正面からぶつかり合い威力を削いで、ブレスの方が勝つ。……それは想定通りだ。
 同時に、鈴鹿に宿る稲荷狐が結界を張り巡らせる。今度はブレスト結界がぶつかり合い、結界がはじけ飛ぶ。……これも、想定通りだ。
 ヨナにブレスが被弾する。その一瞬前、鈴鹿はキャバリアに乗り込み上昇を開始していた。被弾は避けられなかったが、押しとどめ威力を削いだ結果、被害はごく軽微であると鈴鹿は判断する。
「ぼくの超決戦機械! 驚天動地の一撃を見せてあげる! ……超力陽子加速砲・天火明、発射!」
 そして鈴鹿は敵の好きを見逃さない。鈴鹿の言葉により、キャバリアから、ヨナから、所持していたあらゆる砲撃が、レーザーが、はじけ飛んだ。
「ぼくの全力……ダメージは通ったはず……!」
 勝負は一瞬である。鈴鹿の全力はまっすぐに竜へと向かい……、
「……!」
 爆発した。最後に、嵐とも雷ともつかぬ方向が、周囲に響いた。
「わ……!」
 竜が爆散する。その衝撃に思わず鈴鹿は踏みとどまる。その次の一瞬には、

 竜の姿はどこにもなく。
 雨も風もやみ、ただ静かな青空のみが広がっていた。
 まるで、最初から何もなかったかのように……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年09月14日


挿絵イラスト