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銀河帝国攻略戦㉕~皇帝親衛隊、強襲

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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#銀河帝国攻略戦


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●銀河帝国攻略戦
 そこはスペースシップワールド。広大な星の海で、今、宙を二分する大戦が行われている。
 完璧な統率と強大な軍事力を誇る過去の怨霊、銀河帝国。
 再び全世界より集った『解放軍』と猟兵たち。
 鳴り響く警報、高圧のブラスターの爆音、金属を裂く悲鳴……。
 宇宙に投げ出されれば全て途切れたままに死する、静寂と轟音の大海戦。
 その中で……。

●ペイジャの任務
「出撃の準備は整ったかい、猟兵たち。任務を説明するよ」
 グリモア猟兵、ペイジャ・レーンは宙図を広げる。
「一応、顛末を語るよ。スペースシップワールドにおける『ヘロドトスの戦い』を経て、アタシ達は『ワープドライブ』の力と、それを操る『ミディア・スターゲイザー』を保護した。帝国はミディアを抹殺するべく大軍勢を差し向け、アタシらはあの世界の全戦力を糾合して奴らと激突することになった。『銀河帝国攻略戦』の始まりだ。時はまさに、星の海での大海戦さ」
 グリモアベースにて、グリモア猟兵、ペイジャ・レーンが事の顛末を話し終える。
「戦局は大きく動いているよ。アゴニーフェイス艦隊を撃破したことで、帝国旗艦『インペリウム』と『解放軍』のスペースシップが闘いの火蓋を切った。だが、旗艦の名は伊達じゃない。そこで宙間戦闘の援護の為に、猟兵を内部に転移させてインペリウム強襲作戦を展開することになった」
 白兵戦を仕掛けて内部で破壊活動を行い、『インペリウム』の戦闘力を削ぐ。それが、猟兵たちに課された任務というわけだ。
「これから、急ぎでアンタたちを『インペリウム』内部に転移させる。可能な限り暴れ回って、船の戦闘能力を奪うんだ。我らが『解放軍』は勇気と決意と数だけが取り柄。巣立ちしたばかりの若鳥もいいとこだ。援護がなけりゃ、どうなるかわからんからね」
 頷いた猟兵たち。飛び立とうと身構える彼らを、老描はふと眉を寄せて。
「待ちな。まだ警告がある。……インペリウム内には『皇帝親衛隊』とかいう気取った連中が控えてる。看板通りの精鋭部隊さ。指揮官も兼ねてるだろうから、撃破出来ればそりゃ敵の戦力低下に大幅に貢献できるだろうが……正直、アンタ達でも手こずるレベルの強敵だ。できるだけ、闘いは避けな。無理せずに帰還するんだよ」
 何か言おうとする猟兵たちを押し留め、素直ではない老描は押し付けるように頷きを待った。
「よし……転送するよ。何はともあれ、命は持ち帰りな!」
 そして猟兵たちの視界を、渦巻く闇が覆っていく。

●帝国旗艦『インペリウム』
 身が浮くような感覚から、ふと足元がはっきりする。いつもの転移を終えた感覚。
 オゾンの焼けるような匂いを感じる。遠くからは、宇宙からの戦闘音が響いてくる。
 ここが帝国旗艦『インペリウム』。その一室……。
「君たちを、待っていたよ」
 目を開いた猟兵たちの前に、にやりと笑みを浮かべた少年が立っていた。
 閃光と共にサイキックエナジーが迸り、転移したばかりの猟兵たちが次々と鏡の中へ封じられる。
「皇帝陛下の仰った通りだ。ここで待てば、君たちは自ら罠に飛び込んで来るってね! ……さあ、皆殺しだ!」
 けたたましい笑い声の中、『闇に落ちたサイキッカー』が光の槍を構える。
 これは、罠だ。
 皇帝親衛隊による待ち伏せ。
 何故、ここに出るとわかったのか。
 いや、考えている暇はない。
 今、必要なのは、この危機を脱することのみ。

 猟兵たちは鏡を打ち破り、宙に浮かぶ少年へと打ち掛かる。
 危機を、喰い破るのだ。


白石小梅

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●状況
 何故か、グリモア猟兵が猟兵たちを転移させる場所が、敵に筒抜けになっているようです。皆さんは、敵の目の前に転移してしまい、待ち伏せを受けたところから戦闘開始となります。
 この待ち伏せを切り抜け、皇帝親衛隊を返り討ちにしてグリモア猟兵の元へと帰還することが今回の目的になります。
 なお、皇帝親衛隊を撃破することは指揮系統を大いに混乱させて敵戦力の低下させることが出来るため、この危機を脱することが出来れば『インペリウムの戦力を低下させる』という作戦目的は達成できます。

●闇に落ちたサイキッカー
 強大な力と才能を持つがゆえに、力に溺れてしまったサイキッカーで、帝国の理想に心酔し、皇帝を信奉する親衛隊の一人です。強大なサイキックを駆使して皆さんを攻撃して来ます。
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第1章 ボス戦 『闇に堕ちたサイキッカー』

POW   :    3体のしもべ
自身が戦闘で瀕死になると【黒き四足獣と白き巨鳥、そして鋼の巨人】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    サイコスピア
【伸ばした腕】を向けた対象に、【サイキックエナジーで生み出した光の槍】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    ラプラスの鏡
【対象の背後】から【サイキックエナジーで生み出した光の鏡】を放ち、【鏡の中に閉じ込めること】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エルシー・ナインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ユーノ・ディエール
連携アドリブ歓迎

転移がバレた? そうか……エンペラーズマインド
アレみたいなものが、この近くにあるのでしょうか
いえ、今は眼前の敵を倒して艦を攻撃しなければ!

鏡に封じ込めるなら、私は透明になるまで
先制攻撃でミサイル、誘導レーザー、連装キャノンの一斉発射
合わせてドローンを展開し情報収集しつつ
騎乗したクルセイダーで回避機動を取ります

敵がラプラスの鏡を発動したら2回攻撃で透衣束明を発動
一回目の攻撃で崩れた残骸も同時に透明化して
鏡の不発で動揺させた所を
収集した情報を元に死角を割り出して
念動力で透明化した残骸を全力でぶつけます
サイキックなら早々遅れは取りません……勝負です!

余裕があれば艦内設備を破壊します!


狗飼・マリア
あらあらまあ。
これはしてやられましたわね。内通者かなにかの策略でしょうか。

ともかく気を取り直して、
私は【幻影】しながらや「メイド大砲」を乗り回し、
撹乱しますわ。
他の方々に「メイドワクチン」をあらかじめ渡しておきます。毒を使いますので

そして隙あらば、【UC:メイドキネシス】で持っていた複数の「メイ毒ポーション」を親衛隊の皆様方に振る舞いますわ。
「毒使い」「マヒ攻撃」を交えながら。

「オロチウィルスの抗体ベースの毒を、ご賞味あれ。」


おまけのウイルスならびにワクチンの副作用のメイド男の台詞


「諦めんなよォ!」
「お米たべろぉ!」


ロア・ネコンティ
【WIZ・共闘OK】ブラックホールで吸い込む

親衛隊のキミは皇帝の理想のためにここにいるんだろう?僕も僕の理想のためにここにいる。つまりこれは縄張り争い、喧嘩だ。春先の猫は気性が荒いぞ。

まず鏡は[精霊銃]に闇属性の魔法をこめて光と中和させブチ破る。敵には当たらず、相殺されようとも牽制として銃を撃ち続ける。仲間の助けになるはずだ。

隙を見ながら[エレメンタル・ファンタジア]の準備を。[高速詠唱]しつつ[精霊銃]の銃身内で闇魔法を限界まで圧縮し、敵のみを吸い込むブラックホールを形成し、撃ち出す。

光の槍も鏡も、3体のしもべも、キミも、何もかも吸い尽くしてやる。過去は過去へ……骸の海へ帰れ!!




「皇帝陛下の仰った通りだ。ここで待てば、君たちは自ら罠に飛び込んで来るってね!」
(「転移がバレた? そうか……エンペラーズマインド。アレみたいなものが、この近くに……? いえ、今は眼前の敵を倒して艦を攻撃しなければ!」)
 絡め取られた罠の中で、ユーノ・ディエールは身を縛る空間を睨む。
「あらあらまあ。これはしてやられましたわね。内通者かなにかの策略でしょうか」
 挑発した狗飼・マリアの言葉に、少年は薄笑いを浮かべたまま、手に光子を収束し始めた。
「……さあ、皆殺しだ!」
 睨み返したマリアの視線へ向けて、その手に光の槍が収束する。
 その時、硝子の砕ける音が、静寂を打ち破った。
「おや……? 一匹抜けたか。やはり強度がブレるな。ま、いいけど。僕の鏡を破るのは、さぞ消耗したろう?」
 くすくす笑う少年の前で、鏡を破ったロア・ネコンティが、息を切らしながら煙を上げる銃口を吹く。
「……親衛隊のキミは、皇帝の理想のためにここにいるんだろう? 僕も僕の理想のためにここにいる。つまりこれは縄張り争い。ただの喧嘩だ……春先の猫は気性が荒いぞ」
 交錯するのは、にやついた少年の目と、睨み返す猫の瞳。
 次の瞬間、光の槍と闇の弾丸が解き放たれ、闘いが始まった。

「僕が抑えます! その間に、鏡を抜け出てください!」
 ロアが吼え、魔導と超能力の激突は、闇と光のぶつかり合いとなって、閉じ込められた仲間たちの前で火花を散らす。
 だが高笑いする少年と、ロアの撃ち合いは、破片のように散った光の槍を抑えきれずに、瞬く間にロアの体に細い傷を穿っていく。その実力差は、圧倒的。
「駄目です、独りで立ち向かっては! くっ……急いで脱出しましょう!」
 ユーノが叫ぶ。このままでは勝ち目はない。敵は単独でこちら全員を封じる力を持った、怪物なのだ。
「ええ、お独りに任せるわけにはいきませんわ。さあ、気を取り直して……行きますわよ」
 ユーノが視線を向けた時、マリアは大砲の中から顔を突き出した状態でそう応えた。
「……」
 ほんの一瞬の沈黙。全体的にドン引いた空気と鏡とを、マリアはその大砲の暴発で顔面から突き破る。
「これぞわたくしのメイド力……! さあ、オロチウィルスの抗体ベースの毒を、ご賞味あれ」
 空中を飛びながら放たれるのは【メイ毒ポーション】の入った注射弾。身を退いた敵を、しかし注射器は誘導弾の如く追尾する。
「な、なにっ」
「ふふ、ただの投擲と思いまして? 目に見えぬメイド力を操るちょっとした裏技……使わせていただきますわ」
 ロアの射撃と追尾する注射針を弾きつつも、すり抜けた毒が一発を肩に受ける。
「ちっ、サイコキネシスか……」
 揺れる視界を払い、敵は刺さった針を引き抜く。傷を受けたロアを支えながら、マリアはびしっと敵を指差して。
「いいえ、メイドキネシスですわ。毒が回ったあなたには今、『お米食べろォ!』などと叫びながら迫り寄る熱血メイド男の幻覚が見えているはず。その幻覚が見えたが最後、あなたは……」
「うるさい! よくも僕に……こんなものを!」
 怒りの叫びと共にその周囲に降り立つのは、三体のしもべ。黒き四足獣と白き巨鳥、そして鋼の巨人。
「くっ……下がって」
 ロアが進み出ようとして、片膝を付く。その身をマリアが支える間にも、押し寄せる怪物たちは光の槍を構えて。
「僕の全力で踏み潰してやる! やれ!」
 少年の甲高い叫びが、硝子が砕ける音にかき消された。瞬間、横合いから怪物たちを無数の熱弾が撃ち抜く。
「力は強くても挑発に弱いんですね! こっちを忘れるなんて! これ以上、仲間を傷つけさせてなるものですか!」
 宇宙バイク、クルセイダーのエンジン音が鏡を踏み砕きながら敵に迫る。
「……もう一人の女か! しもべたち、僕を護れ! 奴は僕が……」
 向き直った少年が見たのは、何もない空間。
 いない。バイクの音は確かに聞こえるのにユーノの姿も、バイクも、ない。
 一瞬、敵の手が惑った目の前。何もない空間から、放射されたキャノンの弾丸がしもべたちを撃ち抜いた。少年を護る三体が、悲鳴と共に爆炎に呑まれて行く。
「サイキックなら早々遅れは取りません……勝負です!」
「透明化か! 無駄な小細工を!」
 少年が腕を持ち上げると、強力な念動力がユーノの首を捕らえた。息が詰まり、その姿が紫電と共に露わになる。
「死ねっ!」
 その胸倉へ向けて光の槍が紡がれた時、突如として敵の肩口を紅い瓦礫が突き破り、血が噴き上がった。念動力が解けて膝を付いたユーノが、咽こんで笑う。
「私の……透衣束明が透明にするのは……私だけじゃ無いんです。掴まれて、狙いがちょっと逸れましたけどね」
「貴、様ぁぁあ!」
 雄叫びを上げながら敵がその槍を投げた時、マリアに担がれていたロアの手が持ち上がった。
「キミの技も、キミ自身も……何もかも吸い尽くしてやる。過去は過去へ……骸の海へ帰れ!」
 渾身を込めた闇の弾丸が、飛び出る。全てを呑むブラックホールとなって。
 それが光の槍と激突した瞬間、ロアを抱えたままのマリアが、ユーノのことも押し倒した。
「な……っ!」
 全力を込めた光と闇は、空中に縫いとめられたように空間にひびを穿ちながら急速に膨れ上がる。
 対消滅の爆発は、三人の猟兵と敵とを弾き飛ばして、部屋は轟音と共に蒸気に包み込まれた……。

 咽こみながら、ユーノが顔を上げる。
「敵、は……! いたた……!」
 その身を助け起こすのは、マリア。
「まだ生きていますわね。部屋が崩れて、よく見えませんけれど」
「けれど……奇襲は凌ぎました。閉じ込められていた仲間も、脱出できたはず」
 壁にもたれかかっていたロアもまた、息を切らしながら起き上がる。
 蒸気の籠った部屋の中で、三人は目を合わせる。
 互いに手傷を負ったものの、奇襲は喰い破った。
 後は真っ向勝負だ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

鴛海・真魚
ここで、やらなければ駄目……。
見過ごすだけならとても簡単、いつでもそうやってきたもの。
でも、今回はそうはいかないから……
私なりに、頑張ってみようと思うの。

得意なのは歌うこと。
シンフォニック・キュアで歌って味方の傷を癒すこと。
敵からの攻撃はオーラ防御で防ぐけど深追いはしないの。
後衛を陣取り癒して、攻撃は誘導弾と衝撃波を
敵の不意をつくように味方の合間を縫って使うわ。

癒しと攻撃、癒し重視に立ち回りたいけど邪魔が入ったら攻撃に
なるべく集中して癒せるように回復に専念をするときは味方の真ん中に居たいの。


時雨・零士
子供か…戦い辛いが、やらないわけにはいかねぇ、か…。
皇帝親衛隊…さぁ、おまえの罪を数えろ…!

他の猟兵と連携。
即座にポーズ取って「変身」。
敵の攻撃は基本【見切り、第六感】で回避。
ブラスター・バーストの連射【2回攻撃】で牽制し、【ダッシュ】で接近。懐に入り込み、【グラップル、2回攻撃、怪力】での拳や蹴りの連撃から、ブラスター・マグナの【クイックドロウ、零距離射撃】を接射して吹き飛ばす!
敵本体、もしくは召喚されたしもべに対し【捨て身の一撃、力溜め】の【カオス・ストライク】発動。全力の一撃で眠らせてやる…!

「さぁ、フィナーレだ!これが、俺の全力の一撃だ!!」

※アドリブ、絡み等歓迎


蛇塚・レモン
連携歓迎

ちょっ! いきなり戦闘っ!?
異変を察知して(第六感+戦闘知識)すぐに先手を取るよっ!(先制攻撃)
みんなを守ってっ! 蛇神様っ!
蛇神様に攻防一体の結界を生成してもらう
あたいも含めて猟兵たちを援護(オーラ防御+救助活動)
そして乱戦中に蛇神様は霊体化
透明な状態で敵の背後へ移動
(目立たない+迷彩)

背後に嫌な予感がするので鏡盾を構える振りをして背後を警戒
(第六感+野生の勘)
光の鏡が出たら、すかさず蛇腹剣を振り回して鏡もろとも敵を刻むよっ!
(範囲攻撃+なぎ払い+衝撃波+鎧無視攻撃)

トドメは透明な蛇神様が邪眼の念動力を発動!
(だまし討ち+2回攻撃+念動力)
意趣返しだよっ!
蛇神様!
全身を砕いちゃえっ!


リグレース・ロディット
んーこーいう事もあるよね。仕方ない仕方ない。殺そう。とっても強いけどそれに合わせれるくらいの頭は持っていなかったんだね。へへん。ばーかばーか……もっと考えなきゃだめだよ?

【POW】『束縛する黒』『解放する白』でサイキックエナジーを強化。UCの『サイコキネシス』で《2回攻撃》だよ。
召喚されたしもべって奴らには血を吸わせた『暴食紫炎』で《範囲攻撃》《吹き飛ばし》か『ドロップシャドウ』でこの場に適した武器を作って《生命力吸収》しながら攻撃だよ。

敵からの攻撃にあたっちゃったら《激痛耐性》で我慢するね。そんな攻撃痛くないよ。もっと痛くなるような攻撃してみてよぉ。倍で返してあげる。

(絡み・アドリブ大歓迎)




 仲間が奇襲を切り抜けている間に鏡を砕き、猟兵たちはあふれ出た蒸気に咽こみながら周囲を見る。
 先の爆発はこの区画を破壊し、仲間たちも敵もその余波でどこかへ飛ばされたようだ。
「ちょっと、いきなり戦闘っ!? 勘弁してよね、もう! 敵はどこ!」
 蛇塚・レモンが周囲を見れば、リグレース・ロディットが首を振っていた。
「んー、こーいう事もあるよね。仕方ない仕方ない。きっとまだ生きてる。きっちり殺そう」
 剣呑な言葉ながら、一理ある。戦端は開かれた。手を引けるときは、とうに過ぎ去った。
 衝撃波でようやく鏡を破った鴛海・真魚は、静かに目を落とす。
「ええ……ここで、やらなければ駄目ね。見過ごすだけならとても簡単、いつでもそうやってきた。でも、今回はそうはいかない」
 その時、人の気配にハッと身構えた三人のところに、時雨・零士が飛び込んで来た。
「無事だったか。さっき、こっちに小さな人影をみた。はっ……相手が子供とはな。闘い辛いが、やらないわけにはいかねぇ……俺たちでやるぞ」
 猟兵たちが頷き合った、その時。
 レモンの第六感が、蒸気の向こうに垣間見えた僅かな光に反応する。
「みんなを守ってっ! 蛇神様っ!」
 反射的に白き大蛇の式神を展開させた時、蒸気を裂いて、光の槍が飛来する。
 発動した大蛇の結界に光の槍が突き刺さり、焼け焦げとヒビ、そして血に塗れた少年が、現れた。
「……!」
「死ねぇええ!」
 次々と放たれる光の槍。飛び散った破片が硝子のように肌を裂く中、猟兵たちは身を転がす。
「皇帝陛下に逆らう、下賤な連中は……皆殺しだ!」
 狂信に目を濁らせ、闇に落ちた超能力者は吠え猛る。


「来たか、皇帝親衛隊……さぁ、おまえの罪を数えろ……! 変身!」
 印を組むように姿勢を決めて、零士は己のスーツを展開する。瞬間的に引き抜いた二丁のブラスターがビームを噴き上げ、少年へと嵐の如くビームを降り注がせた。
 だが敵は強大な念動力でその軌道を曲げ、必殺の連射の前に立ちはだかる。
「たかがブラスターでこの僕が倒せるか! 出ろ、三体のしもべたちよ!」
 光と共に現れた三つの巨体が少年を覆うように現れる。一斉に、光の槍を放ち、全周を丸ごと制圧せんと。
「ちっ! 方陣ってか……!」
 零士が跳躍する。
 それは、数で劣る敵が確実にこちらを擦り潰す策。自分を中心に三体を配置し、防御と攻撃を両立させる陣形だ。
 その閃光の雨の中を、くすくすと笑いながら疾駆するのは、細身の影。
 リグレースは、二つの指輪を輝かせながら己の力を増幅しつつ、周囲に浮かべた瓦礫や鉄パイプを巨鳥へ向けて放射する。その一つが巨鳥の翼を貫き、鳥は悲鳴を上げた。
「キミ、とっても強いけど、それに合わせれるくらいの頭は持っていなかったんだね。へへん。ばーかばーか……もっと考えなきゃだめだよ?」
 一方、黒い犬の如き獣には、レモンとその式神が飛び掛かった。同じく、強大な念動力を操る白き大蛇と、光の槍を発射する黒獣は、咆哮をあげて真正面から撃ち合う。
「やっちゃえ、蛇神様! 防御能力がある分、こっちが有利だよ!」
 レモンも更に蛇腹剣を振るえば、手数の面で黒獣は押され始める。
 一方、鋼の巨人が仲間を助けようとするのを、ブラスターの一射が押し留めた。
「てめぇの相手は、こっちだぜ!」
 零士がブラスターを乱射しながら、巨人へ飛び掛かる。
 敵は、猟兵たちであっても単独では勝てぬ強敵。だが、力を割って顕現した三つのしもべならば、一対一で勝てぬ相手ではない。
 このまま敵の防御を破れば、後は少年ただ一人だ。猟兵たちは敵への包囲を狭めて行く。
「それで包囲したつもりか? 僕がいることを忘れるなよ!」
 少年は、印を組むように三人の背後に鏡を展開した。無論、即座に振り返った三人は、背から己を閉じ込めようとする鏡を叩き割る。
 だが。
「今だ! 撃て!」
「……っ!」
 それこそが囮。傷つきながらもまだ生きていた三体のしもべが、渾身の閃光を解き放つ。
 それはほとんど同時に三人の腹腔を貫き、鮮血を舞わせた。
「かかったな! さあ、とどめだ!」
 高笑いをする少年からしもべたちが離れ、倒れた三人を圧し潰さんと迫り来る。
(「……言ったはずよ。見過ごさない。私なりに、頑張ってみる……って」)
 しかし少年は気付かなかった。撃ち抜いたはずの三人の傷が、すでに塞がり始めていることに。
 戦闘の轟音の中、部屋を満たしていた真魚の歌声に。
(「私の得意なことは……歌うことだものね」)
 透き通った水晶の如き歌声の中、倒れた三人は跳ね起きる。
「な……っ!」
 三体のしもべが放った光が床を穿った瞬間、レモンの大蛇が伸びあがり黒獣を締め上げる。
「意趣返しだよっ! さあ、蛇神様! 全身を砕いちゃえっ! あたいは……こっちぃ!」
 レモンの降り抜いた蛇腹剣が巨鳥の首を断ち、振り返った鋼の巨人は横合いから放たれた衝撃波に撃たれて転ぶ。
「さあ、行って。私じゃ、いつまでも抑えられないから」
 衝撃波を討ち続ける真魚に零士が親指を立て、リグレースと共に驚愕を浮かべた少年へ向けて、疾駆する。
 それは、しもべが本体を離れた隙を狙った起死回生の奇襲。
「小細工を!」
 敵は一瞬で手元に光の槍を展開し、リグレースを突き刺した。だが、血を吐きながらも、彼は倒れない。
「そんなの、痛くないよ……もっと痛くなるような攻撃してみてよぉ? 倍で返してあげるから、さ……」
 激痛耐性が痛みを和らげているのか、それとも血に酔ったか。
 血を吐きながら嗤う少年の狂気が、皇帝親衛隊を圧した。親衛隊の少年は身を退こうとし……その手に巻き付くリグレースの影に気が付く。
「油断したな。今、眠らせてやる……!」
 驚愕に顔を上げた親衛隊の少年へ向けて、照明を背にした影が、滑空する。
 零士は混沌の魔力を解き放ちながら、隕石の如く突っ込んで。
「……ひっ!」
「さぁ、フィナーレだ! これが、俺の全力の一撃だ!」
 悲鳴に似た吐息を漏らした少年を、渾身の蹴りが粉砕した。
 鮮血が舞い、その体は水晶のように砕け散る。
 膝を付いた猟兵たちの前で、少年の破片は過去の残滓として光と消えて行った……。


「いたたた……ちょっと無理したかな。傷が開いちゃった」
 レモンが苦く笑いながら、血の滴る腹部を押さえる。同じように、零士も深い傷を庇いつつ向き直った。
「俺たちは後でいい。コイツを先に、癒してやってくれ」
「あれぇ……優しい、ね」
 身を捨てて敵を抑え込んだリグレースは、血を吐きながら目を焦点を合わせようとしている。
「大丈夫。私の歌は、皆に響くわ。分け隔てはしない」
 真魚が味方を癒す中、激しい闘いの気配を感じ取り、散っていた猟兵たちが集まって来る。
 苛烈を極めた戦闘は、恐らく重要な配管設備であったこの区画を破壊し尽くした。
 目的は達されたと見て良いだろう。
 皇帝親衛隊は強敵だが、彼らだけで押し寄せる猟兵たちを全て止めることは出来ないはずだ。
 インペリウムの崩壊は近い。
 その奥に待つ、銀河帝国最後の敵の気配をひしひしと感じながら、猟兵たちはインペリウムより撤退する。
 最後の決戦の為に。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月20日


挿絵イラスト