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アルカディア争奪戦⑰〜Harvest Time!

#ブルーアルカディア #アルカディア争奪戦 #コルディリネ #『大天使』エンケロニエル

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#『大天使』エンケロニエル


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 とある浮遊大陸の肥沃な平地で、二つの軍勢がぶつかり合っていた。
 一つは植物の怪獣達。物言わぬ彼等が静かに進軍する光景は、まるで森の樹々が動いているかのようだ。
『貴方が現れると同時に討伐部隊を差し向けたにも関わらず、生き残りましたか。ですが、邪魔はさせません』
 その緑の軍勢を率いていたのは、一人の女性だった。降り注ぐ陽光の中、召喚した植物たちに守られる彼女の神々しさは、地上に降り立った天使そのものだ。
『私は、わが主アルカディアにまみえなければならないのです。その為に私は、天使戦争の残滓……天使核の製造法を見つけました。全ては……』
「お前の『植物怪獣軍団』を無限増殖するタメだろ!? だが残念だったナぁ? オレサマはKING候補者として、お前のような奴にメタを張ってたんだゼぇ!?」
 その新緑の軍勢を、もう一つの軍勢――否、龍の一群が片っ端から食らい尽くそうとしていた。
 互いに増殖し、瞬く間に地上を埋める。その光景を、空にかかる虹が見守っていた。


「あれは『植物怪獣軍団』だ。時間経過で無限に自己増殖する、『大天使』エンケロニエルのユーベルコードが行使されているのだ」
 眼下に広がる浮遊大陸の表面を、蠢く新緑が埋め尽くす光景を飛空艇から見下ろしながら、ソフィア・バーナード(スカイセンチュリオン・f11158)は猟兵達に向けて語りかける。
「あの浮遊大陸の端で輝く点がエンケロニエルだ。謎めいた帝国『コルディリネ』……その支配者は、かつてのデビルキングワールドの3rdKINGであったのだな」
 かつては堕天使と呼ばれていたらしい。そんな彼女の身体は、今や大天使の名にも相応しい、目映い輝きを放っていた。

 そして島の中央では、巨大な竜の群れが、揃って高笑いを上げながら暴れていた。
「スーパーカオスドラゴン。色々あってつい最近、この世界に飛ばされて来てしまったが、デビルキングワールドの東のラスボスだ。去る7thKING WARで、手合わせした者も居るかも知れないな」
 どうやらドラゴンはこの世界に来てから、エンケロニエルに討伐部隊を差し向けられたそうだ。だがそれらは全て猟兵達により退けられている。
 そして遂に今日、ドラゴンは逆にエンケロニエルに奇襲をかけた。
 混沌魔法「カオスヘッダー」で増殖させた自身に命じ、押し寄せる植物怪獣達を、その三つ首で喰らい、増殖を妨害している最中だ。

 だがそのペースは、植物怪獣達の増殖スピードよりも明らかに遅い。
「全力を出せれば全ての怪獣を食らい尽くせたかも知れないが、万全ではないようだな」
 この浮遊大陸の豊穣の大地は、エンケロニエルの『植物怪獣軍団』の行使に向いている。いわば彼女のホームグラウンドだ。
「もう一度、スーパーカオスドラゴンに力を貸してくれないだろうか」
 今のままでは、ドラゴンはエンケロニエルの喉元に迫る前に力尽きてしまうだろう。それでも戦いを止めないのは、魔王ガチデビルさえも駆逐した無敗の『7thKING』。そして魔界最強の王『|猟兵《イェーガー》』の救援を信じているからに他ならない。
「もちろん、エンジェル狩りを行う『コルディリネ』の支配者を倒すことは、この世界の平和にも繋がる。植物の群れに飲み込まれないよう、気を付けてくれ」
 宜しく頼む。最後にそう言って、ソフィアは転送の準備を整え始めるのだった。


白妙
 宜しくお願いします。
『六大屍人帝国』のひとつ『コルディリネ』の支配者。『大天使』エンケロニエル。
 その表れの一つ、怪獣女王形態との戦いです。

●戦争シナリオ
 これは戦争シナリオです。一章で完結します。

●難易度
『やや難』となります。判定方法はマスタールールに準拠します。

●植物怪獣軍団
 エンケロニエルは時間経過で無限に自己増殖する『植物怪獣軍団』を創造し、率いている為、そのままでは彼女に攻撃を届かせることは困難です。

●スーパーカオスドラゴン
 本調子ではありませんが、それでもエンケロニエルへの道を切り拓こうとしてくれています。
 彼の混沌魔法「カオスヘッダー」により次々と「新たなスーパーカオスドラゴン」が生まれており、倍々で増えていきます。

●プレイングボーナス
『スーパーカオスドラゴンと連携して戦う』です。
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第1章 ボス戦 『『大天使』エンケロニエル・怪獣女王形態』

POW   :    向日葵怪獣パラボラス
敵1体を指定する。レベル秒後にレベル×1体の【ひまわりの植物怪獣】が出現し、指定の敵だけを【太陽光レーザー】と【足を生やしての引き撃ち】で攻撃する。
SPD   :    世界樹の仔
X体の【幹と根を鞭及び脚とする『若き世界樹』】を召喚する。[幹と根を鞭及び脚とする『若き世界樹』]は自身と同じ能力を持つが、生命力を共有し、X倍多くダメージを受ける。
WIZ   :    天使核植獣
装備中のアイテム「【天使核】」が自我を持つ【天使核植獣】に変身し、ユーベルコード「【不滅の羽ばたき】」を使用するようになる。

イラスト:Anenecca

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

栗花落・澪
カオスドラゴンさんとは一度セッションしたいと思ってたよ
今回は音楽じゃないけど、ね

増殖が間に合わないのならまずは手数を減らす事に注力
植物は…燃えるからね

自身を【オーラ防御】で守りつつ
翼の【空中戦】で敵の空中戦にも少しでも追いつけるように
【高速詠唱】で炎魔法の【属性攻撃、範囲攻撃】
植物怪獣達を燃やします
地道に倒すでもいいけど一番都合がいいのは
倒れたりぶつかったりして他の怪獣達を巻き込む事で炎が燃え移っていく事

更に【指定UC】で炎の鳥を量産
バラバラにぶつける事で広範囲を燃やしつつ
発生する煙で【破魔】を拡散
【浄化】の力でも攻撃

本体への一撃は、お願いできる?
生き残った炎鳥がいれば僕も差し向けて連携攻撃



 次から次へと押し寄せる植物怪獣軍団の猛威は凄まじい。
 スーパーカオスドラゴンが次々と食らっていくそれらの数は、時間と共に減るどころか逆に増えていく。
 だが新緑の波がドラゴンに到達する寸前、空中に巨大な光の熱の華が咲く。
『――』
 次の瞬間、高速の詠唱から炎が放たれ、周囲の植物怪獣達を焼き焦がす。
 黒焦げになって動かなくなる彼等の前に、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)が現れた。
「カオスドラゴンさんとは一度セッションしたいと思ってたよ。今回は音楽じゃないけど、ね」
 滞空しながら流し目で微笑みを送る澪に対し、ドラゴンも高笑いで返す。
 去る魔界での混沌とデスメタルに満ちた、あの日のリサイタルを思い出したのかも知れない。
 ちょうどその時、新手が澪に向かって来た。
 数体の植物怪獣。だがそれは、頭に生やした翼をはためかせ、飛んでいた。
 それだけではなく、なにやら温かな風を発しながら、味方の植物たちの延焼を食い止めているようだ。
「アレはヤバいかもなァ?」
「ならば僕が手数を減らすよ。植物は……燃えるからね」
 空飛ぶ植物達がドラゴンに接近するタイミングで、再び澪が詠唱を紡げば、それは再び新たな熱と光となって放出される。
 ただし今度は、広範囲に向けた炎の波と言う形で。
『――』
 地に墜ちる空飛ぶ植物達。一方、紅色の奔流はなおも止まらず地表を埋め尽くし、さらに多くの植物怪獣達を巻き込んだ。
 火とは延焼するものだ。その特性を最大限活かした澪の一撃は、戦場のあちこちに燃え移り、たちまち混乱を生み出す。
 今やエンケロニエルと澪達の間の植物怪獣は焼き尽くされ、今や数体がまばらにうろついているだけだ。
「鳥たちよ、どうか導いてあげて」
 形成された直線コースをさらに拡張するように、無数の炎の鳥が風を切って戦場を翔け、方々で延焼を発生させていく。
 生じた煙までもが清浄な力を帯び、植物怪獣達を追い散らす中、澪は再度スーパーカオスドラゴンへと目配せした。
「本体への一撃は、お願いできる?」
「ゲヒャ〜ッヒャッヒャ! ココまで見事にお膳立てサれればナァ! ヤるしかネェぜ!!」
 一斉に驀進する三つ首竜の軍勢。それを支援するように澪が生き残った炎の鳥達を差し向ける。
 植物怪獣達を薙ぎ倒し、大天使へと噛み傷を負わせるドラゴンと鳥達の連携。その光景は、無人の野を往くが如くであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

ガチデビルとの戦いでも見かけマシタガ、何とも豪快デスネ、植物怪獣軍団!
しかし、今回はスーパーカオスドラゴン殿との共闘!
恐るるに足らず! 突貫して参りマショー!

滑走靴を履いてカオスヘッダーで増殖したスーパーカオスドラゴン殿たちに合流して、エンケロニエルを視認!
目標までの最短ルートを割り出したらならば、あとは道を作るだけデース!
左右と背後は任せマスヨー!
「六式武装展開、鉄の番!」
真正面の植物怪獣軍団を叩き潰し、地形を破壊して強行突破!
パラボラスのレーザーも鉄球で弾いて、真っ直ぐエンケロニエルごと吹き飛ばしに向かいマース!

もう二度と、エンジェルの皆様を狩らせはしマセーン!



 肥沃な緑の大地を、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が、高速で滑走する。
 すれ違いざまにキャバリアサイズの鎖付き巨大鉄球で、植物怪獣のうち数体を薙ぎ倒し到達したのは、カオスヘッダーで増殖したスーパーカオスドラゴンの間近だった。
「ガチデビルとの戦いでも見かけマシタガ、何とも豪快デスネ、植物怪獣軍団!」
 バルタンを含め、猟兵達がこの軍団を目にしたのは、これが初めてではない。
 遠くには首魁であるエンケロニエルの姿。他ならぬ彼女こそが、この強力なユーベルコードの使い手だったのだ。
「しかし、今回はスーパーカオスドラゴン殿との共闘! 恐るるに足らず! 突貫して参りマショー!」
「ゲヒャ〜ッヒャッヒャ! 面白ェ! ヤってやろうぜ!」
 高らかに宣言するバルタンは、真っ直ぐ遠くのエンケロニエルへと武器を突き付ける。
 彼我の距離は相当なものだ。おまけにこちらに向かって無数の植物怪獣が、じりじりと迫って来る。
 それでも最短距離である事は間違い無く、バルタン達の活路もまた此処にしかない。
「左右と背後は任せマスヨー!」
 素早く側面と背後をスーパーカオスドラゴンの群れが固めれば、早速、バリバリと三つ首が近付く植物を喰らう音が聴こえて来る。
 それを聞きながら、バルタンは、渾身の力で鉄球を振り回し始める。
 回転がトップスピードに達した時を狙い、大きく跳躍。
 前方に迫っていた植物怪獣に向けて、その巨大な質量を叩き付けた。
「六式武装展開、鉄の番!」
『!!』
 単純にして強力な鉄球の一撃は、数体の植物怪獣達をあっけなく撃滅し、さらには着弾と共に凄まじい地割れを引き起こした。
 形成されるクレーターに飲まれる敵群の間を素早く抜け、強行突破を果たすバルタン。
 近づくにつれて飛来し始める無数の太陽光レーザー。その弾幕を突っ切りながら、バルタンは再度鉄球を回し、それを防ぎ止める。。
 みるみる縮まる互いの距離。一直線に突撃するバルタンを避ける術を、迎撃で仕留める積りでいたエンケロニエルは持ち合わせていない。
「もう二度と、エンジェルの皆様を狩らせはしマセーン!」
 掛声一斉。ぶおん、と薙がれた鉄の風が、大天使と向日葵達を派手に吹き飛ばした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベルト・ラムバルド
アドリブ上等

裸の天使!?破廉恥な!
スーパーカオスドラゴン!このベルト・ラムバルドが助けに来た!
昨日の敵は今日の友!共にあの天使を倒そう!

キャバリア操縦し突撃!
二刀の剣振るいあの裸天使をドラゴンと共に攻撃!

植物怪獣!?…レーザー!…まずい!?眩し…!
…うぉ?私が巨大化してる~!?

ならば巨大化キャバリアで突撃!
スーパーハイパーカリスマオーラを展開!太陽光レーザーを防御!
ドラゴンを護りながらスーパー二刀流で植物怪獣共を伐採じゃい!

怪獣を蹴散らしたらスーパーサークランサーを振り回し
あの天使の胸に目掛けて串刺しにしてやるぞ~!
天使を攻撃とは罰当たりだが…私は暗黒騎士!なんなくやって見せるのよ!



「裸の天使!? 破廉恥な!」
 確かに輝く肢体は神々しいが、人によってはセンシティブに感じるかも知れない。
 ベルト・ラムバルド(自称、光明纏う暗黒騎士・f36452)もそれに同意見。キャバリア『パロメデス』の操縦席から、遠くで光り輝くエンケロニエルの出で立ちを一瞥するや、そう断じた。
「スーパーカオスドラゴン! このベルト・ラムバルドが助けに来た! 昨日の敵は今日の友! 共にあの天使を倒そう!」
「ヨォ、久しぶりだナァ!?」
 再会を喜び合うベルトとスーパーカオスドラゴンは、互いに少し以前を思い出す。
 魔界の草原に、神殿のある浮島。そこでの手合わせは、まさに激闘であった。
 今、手を取り合って戦えるのは、とても頼もしい事だ。
 やがて、す、と二刀の片方を天使へと突き付けた姿勢をパロメデスが取ると、カオスヘッダーたちも前傾姿勢を取る。
 息を合わせ、開始される突撃。
 だがその時ベルトは、エンケロニエルの後方で咲き誇り始めた、新手の黄色の軍勢を目撃した。
「植物怪獣!?」
 気を奪われた次の瞬間、コックピットを、眩い光が包み込んだ。
「……レーザー! ……まずい!?眩し……!」
『ふふ、行きなさい。向日葵怪獣パラボラス』
 ひまわり怪獣の太陽光レーザー。その一斉射の余りの眩しさに、思わずベルトは目を覆う。
 しかし、再び目を開けた時、周囲の様子は一変していた。
「何だ!? 何が起きてる!?」
 いつの間にか、機体の外に出ていた。
 そして、大きくなっている――パロメデスよりも、カオスドラゴンよりも遥かに。
「……これは……? 何だ……ひょっとして……」
「オイオイオイ、どうしちまったんだァ~!?」
 偶然の産物だった。もしかするとそれは、近くで混沌魔法を発動しながら戦っていた、スーパーカオスドラゴンの影響だったのかも知れない。
 もしそうだとしても、その原理は分からない。だが一つだけ確かな事がある。それは。
「私が……キャバリアそのものになってる~!!?」
 そう。まさにこの瞬間こそが、ユーベルコード『|スーパーカオスチェンジ!!!《ソノトキフシギナヒカリニツツマレタ》』開眼の瞬間であった。
『やってしまいなさい!』
 エンケロニエルが怯まず再度の発砲を向日葵に命じるも、それは呆気なくベルトの展開したスーパーハイパーカリスマオーラに弾かれる。
「植物怪獣共を伐採じゃい!」
 兎も角、立場逆転。
 ベルトはその圧倒的な巨躯を活かし、ドラゴンを護りながらスーパー二刀流で蹂躙を始める。
 たちまち蹴散らされる植物怪獣。一直線に生じたエンケロニエルへの道を前に、ベルトはサークランサーをぶんぶんと振り回した。
 全裸とはいえ天使、罰当たりにも思える行為に一抹の躊躇いを感じたが、それでもベルトは決断する。
「私は暗黒騎士! なんなくやって見せるのよ!」
 次の瞬間、ぶん、と重い風切り音。
 エンケロニエルの胸目がけて、ベルトは全身を使い、槍を投擲したのだった――。

成功 🔵​🔵​🔴​

月白・雪音
…先の魔王との戦においては貴女の力にも助けられたものです。
されど過去の残滓と変じ、此度その力を以てこの世界に仇為すとあらば是非も無し。
王たる在り様に殉ずるには余る身なれど、賜った信に応えましょう。


UC発動にて怪力、グラップル、残像の無手格闘戦を以て、カオスドラゴンと連携しつつ敵と生命を共有する世界樹を片端から討伐
生命力の消耗により生まれた軍勢の間隙を縫ってエンケロニエルへと肉薄、
見切り、野生の勘に殺人鬼の技巧も併せ急所を的確に見極め打ち抜く

若木とはいえ大いなる世界樹、嘗ての王とて代償なく喚ぶ事が叶うものでは無いでしょう。
故に軍勢を散らさば必ず勝機に手が届く…。混沌の魔にて助力頂きたく存じます。



「……先の魔王との戦においては、貴女の力にも助けられたものです」
 大地を動き回る新緑色の生き物たちに、月白・雪音(|月輪氷華《月影の獣》・f29413)は見覚えがあった。
 彼等を行使した事もある。去るガチデビルとの戦いでの事だ。
 そして、その力が3rdKING『堕天使』エンケロニエルのものであった事も、雪音は聞いていた。
 だが――。
『行きなさい、私の世界樹たち』
 今は大天使と名を変えた彼女は、何の因果か、此処ブルーアルカディアで天使狩りを続けていたのだと。
「過去の残滓と変じ、此度その力を以て、この世界に仇為すとあらば是非も無し」
 ひゅんひゅんと鞭のように根を振り、世界樹の仔達が雪音に迫る。
 嘗てはどうであったかは兎も角、少なくとも今のエンケロニエルは、明確な世界の敵だ。
 しかし、彼女の動きを察知したのは猟兵だけではない。
「ゲヒャヒャ! 来やがっタなァ!」
 戦場を震わせる大音声。スーパーカオスドラゴンの咆哮が、雪音の耳朶を撃つ。
 悪魔の王の候補であった存在。だがその王こそ、他ならぬ猟兵達なのだ。
「……王たる在り様に殉ずるには余る身なれど、賜った信に応えましょう」
 増殖するカオスドラゴンに背中と側面を任せ、雪音は、正面から殺到する世界樹の戦列に向けて構えを取った。
 根を脚とし、歪な動きで近付いて来る世界樹達。
 鞭の如く振り回される根を、雪音は容易く振り払う。
「――」
 刹那、横合いから貫かれる――だが、残像。
 既に雪音は敵の至近距離に出現していた。
 その卓越した格闘技術で以って、先頭の一体に足払いを仕掛けていた。
『――』
 背中から地面に叩き付け、昏倒させる。その時、全ての世界樹達が僅かに震えた。
「若木とはいえ大いなる世界樹、嘗ての王とて代償なく喚ぶ事が叶うものでは無いでしょう」
 雪音の想定通り。世界樹はエンケロニエルの『軍団』の中でも精鋭に当たるようだ。
「おっと、邪魔するゼェ?」
 硬直の隙を突いて、新たに増えた巨竜の三つ首が、容易く世界樹を食い上げた。
 生命力の共有――強力だが、一歩間違えれば使い手を追い込む。
 とりわけ雪音のようなシンプルな能力の持ち主であればこそ、連携によって撃破をさらに加速させる事が出来る。エンケロニエルの選択は、悪手だったと言うべきだろう。
「故に軍勢を散らさば必ず勝機に手が届く……混沌の魔にて、助力頂きたく存じます」
 広がる動揺の間隙を縫い、雪音が疾駆を開始する。
 一条の白雷の如く、エンケロニエルへ向けて一直線。
 身を躍らせ鎧袖一触。行く手の植物怪獣達を次々薙ぎ払えば、生じた崩れをドラゴンの突進が押し広げる。
 想定外の積もる疲労に襲われるエンケロニエル。その間合いに雪音が踏み込む。
『!』
「――参ります」
 繰り出されたのは神速の貫手。途中でエンケロニエルが受け止めるも――時既に遅し。
 細工も無く、闘気すら込めぬ掌は白い腹部を貫き、その指先は背中まで達していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

メノン・メルヴォルド
【青い鳥】

植物達が…
ザワザワと動く姿に眉を寄せ
なんだか歪められた姿のようにも思えて

ん、連携を意識しながら頑張るのよ
強い2人を追うように後を着いていく
(鏡介くんとレオンくんの足手まといになるのだけは…避けたいもの!)

とにかく、数を減らさないとなの
えっ、乗れる?(わたわた
スーパーカオスドラゴンの上
空を飛ぶ浮遊感に高揚する気持ち

ワタシにもお手伝いさせて、ね
時間が経てば不利になってしまうから
撃たれる前に速攻撃破を目指しましょう

お願い、ドラゴンさん、そのまま進んで欲しいの
高速詠唱と全力魔法で自らのドラゴンを召喚
スキは見逃さない
標的を合わせてブレスで攻撃

…倒せた?
魔力の消耗にふらり
ありがとうなの(手を取り


夜刀神・鏡介
【青い鳥】
無限の植物怪獣。数だけ見れば圧倒的な戦力差だが……
頼りになる仲間達がいるから、負ける気はしないな
レオン、メノン。スーパーカオスドラゴンも、よろしく頼む

出し惜しみなしの速攻で行く
神刀の封印を解放し、蒼の神気を纏う事で限界を越えて身体能力を強化
スーパーカオスドラゴンの身体の上から飛び降りて、漆の秘剣【蒼鷹閃】でまずは着地点に向けて斬撃波
適度に空間をこじ開ける事でスーパーカオスドラゴンが増殖する場所を作りながら、エンケロニエルへと切り込んでいく
レオンとは互いに攻撃の隙を補うように動いて、増殖する暇を与えないように叩き続ける

最後はメノン達に。一気に決めてやれ!
俺達の勝ちだ、見事な一撃だったな


レオンハルト・アウストラリス
【青い鳥】
大丈夫、きっと元に戻る。
だから…あいつを倒すんだ!俺達の手で!
いこう!鏡介!メノン!スーパーカオス……スーさん!

先手必勝の超速攻!最初からフルスロットルだ!第10の魔剣ラグナロク!
鏡介が斬撃波を飛ばした着地点に飛び降り、
第2の魔剣×第3の魔剣で不定形の炎を創出し、炎の蛇腹剣で周囲を薙ぎ払ってやる!
増殖する場所を作れば、大天使に向かい真っ直ぐに駆ける!

鏡介!背中は任せた!
互いに背中は任せ合い目の前の敵を叩き切ることに全力を出す。
植物怪獣が生み出されたら一歩踏み込みやられる前に倒す。

俺達は梅雨払いだ!やっちまえ!メノン!スーさん!

ああ、倒した!みんなで倒した!
ニッと笑って、その手を取る。



 青空の下、浮遊大陸には、豊かな草原が広がっている。
 それだけならば、美しい光景と言えなくもない――が。
「数だけ見れば圧倒的な戦力差だな」
 夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)の視線の先には、無限とも見える、若木で出来た怪獣の群れ。
「植物達が……」
 じりじりとこちらに迫って来る彼等を前に、メノン・メルヴォルド(wander and wander・f12134)はそう呟いた。
 普段は静かで安らぎを感じさせる筈の木が、新緑の体をざわざわと揺らして歩いている。
 その光景にメノンは歪なものを感じ、思わず眉を寄せてしまう。
「! 見てくれ、二人とも」
 レオンハルト・アウストラリス(魔剣の勇者・f20419)が指差した先では、一本の樹々が二つに増殖を始めていた。
 遥か遠くに見えるエンケロニエル。彼女の『軍団』が無限と謳われる所以だ。
 放っておけば、瞬く間に身動きが取れなくなってしまうだろう。
「大丈夫、木々もきっと元に戻る。だから……あいつを倒すんだ! 俺達の手で!」
「ああ、頼りになる仲間達がいるから、負ける気はしないな」
 横並びになり、鏡介とレオンが駆け出す。
 薙がれる太刀と大剣が、瞬く間に数体の植物怪獣達を斬り倒せば、その2人の後を、杖を抱えたメノンが付いて来る。
(「鏡介くんとレオンくんの足手まといになるのだけは……避けたいもの!」)
 舞い散る木の葉の中、必死で駆けていたのも数秒の事。すぐにメノンの前方から、戦場を震わせる大音声が、目的地への到着を告げた。
「来やがっタなァ! 猟兵ども!」
 3人が走り寄ったのは、混沌魔法「カオスヘッダー」を行使しながら暴れ回っていたスーパーカオスドラゴンだ。
 鋼の如き鱗に、緑の炎が照り返す。そんな雄々しき三つ首竜はしかし、徐々に植物怪獣の輪に包囲されつつあった。
 だが先程鏡介が言った通り、不思議と負ける気はしない。
「スーパーカオスドラゴンに、改めて二人とも、よろしく頼む」
「ああ、いこう! 鏡介! メノン! スーパーカオス……スーさん!」
「スーさん……!」
「ハッハァ! 言うじゃねエか!」
 新たな頼もしい仲間と共に、改めて3人は新緑の軍勢と対峙するのだった。


「ゲヒャヒャヒャ! 良いゼェ、乗せテやるよ!!」
「わ、わ、わ」
 ぐん、とスーパーカオスドラゴンが首の一つを持ち上げれば、その上に跨ったメノンの灰紫色の髪が、上空の風にぶわりと揺れる。
 その浮遊感は空を飛ぶときの高揚にも似ていた。
「出し惜しみは無しだ」
「ああ、そうだな!」
 もう二つの首には鏡介とレオンが乗り、互いに戦況を見渡す。
 ドラゴンは完全に包囲され、新たに分身を増殖させる場所すら確保し辛くなっているようだ。
 ならば、今すべきは速攻だ。 
「……よし」
 それまで着地点を探っていた鏡介は、神刀の封印を解除し、跳躍を果たす。
 着地と同時、斬撃を放てば、放射線状に奔る斬撃波が、周囲の敵を容易く伐り倒す。
 漆の秘剣【蒼鷹閃】。
 蒼の神気を纏い、引き上げられた身体能力を活かし、鏡介はエンケロニエル目がけ敵軍に切り込む。
 流水の如く淀みのない一連の動きに感嘆するメノン。だがそれでは終わらない。
 彼と入れ替わりに着地したのは、レオンだ。
「先手必勝の超速攻! 最初からフルスロットルだ!」
 着地の衝撃で体を低め、片手で地を掴んで耐えれば、肩に乗せた魔剣が赤熱するような光を帯びた。
 灼熱の剣。それが赫々と燃え上がる寸前、幾つもの切れ目が走る。
「……第10の魔剣、ラグナロク!」
 気合と共に力任せにフルスイングすれば、燃える刀身が分断され、周囲の敵を一気に薙ぎ払った。
 変幻自在、不定形の炎――大きくしなる、炎の蛇腹剣。
 これまでレオンが修得した二つのユーベルコードを融合した『魔剣融合形態』のひとつだ。
「鏡介! 背中は任せた!」
「ああ」
 レオンが飛び込む勢いを乗せて一閃すれば、焼き焦がされた敵軍が纏めて吹き飛ぶ。
 その反動の隙をカバーするのは鏡介だ。玉鋼の輝き目映い神刀を振るい、近寄る敵と増殖しようとする敵を的確に選んで斬っていく。
 背中合わせで道を切り開くレオンと鏡介。そして新たに増殖したドラゴンで、戦局は逆転しつつあった。
 押すなら今。二人を見守っていたメノンはそう判断すると、ひたひた、とスーパーカオスドラゴンの頭を掌で叩き、合図を送った。
「お願い、ドラゴンさん、そのまま進んで欲しいの」
「ゲヒャ〜ッヒャッヒャ! オレサマの力を見せてやるゼェ!!」
 一気に押し通せば、緑色の波が割れる。
「俺達は梅雨払いだ! やっちまえ! メノン! スーさん!」
 突撃を開始するスーパーカオスドラゴン達を支援すべく、目の前の敵を斬り続けるレオンと鏡介。二人の活躍で、進路の樹々は疎らとなっていた。
 凄まじい速度で前進を果たしたスーパーカオスドラゴンの目前には、いつの間にかエンケロニエルの姿があった。
「また会ったなァ?」
『私の植物怪獣軍団が敗れるなんて……』
 だが、まだ勝負はついていない。戦場を俯瞰出来る位置からメノンは見つけていた。
 オブリビオンの背後で、無数の向日葵怪獣達が攻撃の準備を整えようとしていたのを。
 それでも今なら隙だらけ。
 メノンは自らの中に眠る膨大な力を使い、虚空から一体のドラゴンを召喚した。
「よし、一気に決めてやれ!」
「――お願い」
 鏡介とレオンが斬り込み、スーパーカオスドラゴンが、エンケロニエルに渾身の体当たりをかます。
 吹き飛ぶエンケロニエルが向日葵畑に倒れ込んだ時、虚空から放たれたドラゴンの炎のブレスが、地表を一気に薙ぎ払ったのだった――。


 エンケロニエルの消滅と同時に、それまで動いていた植物怪獣達は、物言わぬ樹々と化した。
「……倒せた?」
「ああ、倒した! みんなで倒した!」
「俺達の勝ちだ、見事な一撃だったな」
 高笑いするスーパーカオスドラゴンの足元で、猟兵達は互いを労い合う。
 地上に降ろされたメノンは、少しだけ体をふらりとさせる。
 元3rdKINGに止めを刺すほどの一撃。その魔力の消耗はやはり大きかったのだ。
 よろけるメノンの手を、ニッと笑ってレオンが取る。その様子を微笑みを浮かべた鏡介が見守りつつ、刀をその鞘へと納めた。
 静寂を取り戻した大地。その上には、何処までも澄み渡る空が広がっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

劉・涼鈴
むわ! すっぽんぽんだ!

スーパーカオスドラゴンに乗って一緒に戦うぞ!
今の私はドラゴンライダー、竜騎士だ! むぉー!

うわ、足が生えたひまわり怪獣が走ってら、きも……
いっぱい出てくるけど、攻撃指定できる対象は1体だけ
私が目立って(存在感)攻撃を惹き付けてる隙に、フリーになったドラゴンに食べてもらおう!
【功夫】の体捌きでレーザーを躱して、方天戟を【なぎ払って】伐採だ! どっせーい!
さらに【劉家奥義・祝融禍焔掌】で大☆炎☆上ー!!

怪獣が燃える黒煙に紛れて忍び寄り、至近距離からすっぽんぽん天使にも祝融禍焔掌をお見舞いしてやる!
燃えろー!!



 エンケロニエルが倒れる、少し前。
「むわ! すっぽんぽんだ!」
「ゲヒャヒャ! 言わレちまったナァ!」
 スーパーカオスドラゴンの背中によじ登った劉・涼鈴(鉄拳公主・f08865)は、開口一番そう言った。
 遥か遠くで輝くエンケロニエルの恰好は、なんというか、センシティブなものだった。
 これが彫像や絵画であれば神々しく見えたかも知れないが、生身で、しかも屋外に立つ彼女の姿は、他の猟兵達の目にはどう映っただろうか。
 とはいえ、やることは変わらない。
「スーパーカオスドラゴンに乗って一緒に戦うぞ!」
 三つ首の中央、その頭上で方天戟をぶんぶんと回しながら、涼鈴は、押し寄せる植物達を真っすぐ見据える。
 そして回転の勢いを殺さず高所から薙ぎ払えば、ガサリと音を立てて植物怪獣が倒れ、新緑の葉が舞い散る。
 前進を始めるドラゴン。涼鈴もまた迫る敵をバサバサと薙ぎ倒し、斬り払っていく。
「今の私はドラゴンライダー、竜騎士だ! むぉー!」
 人馬一体ならぬ人竜一体の突撃でもって、エンケロニエルに迫る涼鈴。
 だがそんな彼女を、大天使が周囲に展開する、新たな軍勢が待ち受けていた。
「うわ、足が生えたひまわり怪獣が走ってら、きも……」
 涼鈴がそう零すのも無理は無い。それはこちらに花の正面を向けつつも、小さな足のような根を動かして、大地をちょこちょこと走り回っていたのだから。
 だが涼鈴は即座に看破する。太陽光のチャージを完了しようとする向日葵達の顔が、全て騎上の自身のみに向いている事を。
「……スーパーカオスドラゴン! 私が敵を惹き付けるから、その間にあいつらを食べて!」
 刹那、前方から飛来する無数の光線。だがそれを涼鈴は凄まじい動体視力で見切り、体捌きのみで躱していく。その華麗さは、両の足で地に立つ時と全く変わらない。
「伐採だー!」
 敵を片っ端から食い散らすドラゴンの勢いを乗せ、涼鈴は長柄を思い切りフルスイングさせた。
 ざ、と音を立て、逃げ遅れた向日葵達が、一気に薙ぎ払われる。
 そこへ視界を阻んだのは場を制圧する分身ドラゴン達。かささ、と残る向日葵達が後退しようとするも、今度はその頭上から、裂帛の気勢が響いた。
「どっせーい!」
 ドラゴンの背中から大跳躍を果たした涼鈴だ。
 着地点。そこに掌打を叩き込めば、充溢していた闘気が一気に解き放たれ、放射状の炎となって敵陣を駆け抜けた。
『……なんて威力なんでしょう! 私のパラボラス達が』
 劉家奥義・祝融禍焔掌――その恐ろしい一撃が向日葵達を焼き尽くし、辺りを火の海と化す光景を大天使も見ている――否、見ていた。
 なぜなら今の彼女の視界を覆うのは、炎に巻かれて逃げ回る配下の植物怪獣達と、彼等がしきりに上げる黒煙だけだからだ。
 もくもくと草原を包むその煙に紛れ、近寄る者があった――涼鈴だ。
「見つけたぞ、すっぽんぽん天使!」
『!』
 どん、と。
 回避を試みるよりも前に、天使の体を衝撃が襲う。
「燃えろー!!」
 瞬時に叩き込まれた掌打から、全身を駆け巡るのは、先程を上回る闘気。
 涼鈴の一撃は瞬く間にエンケロニエルを炎で包み込み、そのまま大火傷を負わせたのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

国栖ヶ谷・鈴鹿
◎アドリブ連携OKです

スーパーカオスドラゴンさん、おまたせ!
ぼくの予想通り、共闘できるチャンスがあったから作ってきて良かったよ!

じゃーん!『シェイプ・オブ・カオス』音響弾〜。
これはね、ヨナの音響弾で撃ち出したカオスミュージック効果で、混沌に対応するとパワーアップするって超機械だよ!

ぼくはぼくで虹色ペイント(混沌属性)機関銃で、染め上げていくよ!塗り潰せば潰す程、魂のダメージが蓄積するなんかすごいやつだよ!(毒では?)

ヨナの音響弾で効果続く間、スーパーカオスドラゴンさんと共闘して混沌でエンケロニエルを圧倒しよう!

うーん、こういうのも楽しくていいね!



 戦いが終わる少し前。
「スーパーカオスドラゴンさん、おまたせ!」
「来やがっタなァ! オレタチの王!」
 スーパーカオスドラゴンに駆け寄る国栖ヶ谷・鈴鹿(命短し恋せよ|乙女《ハイカラさん》・f23254)。草原を軽い足取りで踏むその様子は、どこか嬉しそうだ。
「ぼくの予想通り、共闘できるチャンスがあったから作ってきて良かったよ! じゃーん!
 途端に、鈴鹿とドラゴンの頭上に、巨大な一台の船が姿を現した。
 だがそれはガレオン船ではない。空飛ぶ鯨を模したスカイクルーザー『ヨナ』であった。
「『シェイプ・オブ・カオス』音響弾〜」
 よく見るとヨナの船体には、なにやら大掛かりな機械が接続されていた。
 それこそは、鈴鹿のテクノロジヰの粋を結集した超機械、その名も『超高精度近未来観測機構・甲』である。
「これはね、ヨナの音響弾で撃ち出したカオスミュージック効果で、混沌に対応するとパワーアップするって超機械だよ!」
 実際に使ってみた方が早いかな? と鈴鹿が言えば、たちまち大音量の音楽が、戦場の空気を振るわせ始める。
「オオ!? なんかスゲェな!?」
 体に湧いて来る力を実感するように、スーパードラゴンがその巨体を震わせた。
 手近な世界樹を食い上げれば、強化された顎の力が、メキメキと木の体を食い破る。
「よし、行くよ! スーパーカオスドラゴンさん!」
 鈴鹿もまた手元の機関銃から虹色の液体を撒き散らす。
 そこに世界樹の仔が踏み込めば、たちまち動きが鈍り、しおしおとその場に倒れ込んだ。
「これは混沌属性の虹色ペイント機関銃! 塗り潰せば塗り潰す程、魂のダメージが蓄積する、なんかすごいやつだよ!」
 きっと、いや、決して毒物ではない。
 だがその場に合わせて大掛かりなマシンや弾薬を誂える事が出来るというのは、事実上の未来視である。紛れも無い超技術の一端と言えるだろう。
「うーん、こういうのも楽しくていいね!」
 虹の銃弾が敵軍を叩き、そこを勢いを増した竜が粉砕する。
 なおもヨナからの音響弾が戦場に響き渡る中、スーパードラゴンと鈴鹿は、混沌で以ってエンケロニエルの軍団を圧倒し続けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
大天使エンケロニエル、かつて倒した大天使ブラキエルの関係者でしょうか
……大天使という種族には、衣服を纏う文化がないのですか……?

先の戦争で覇を競い合った混沌竜よ
空の世界を護るため、轡を並べて共に戦いましょう

白き翼の姿に変身
総身と聖槍に聖なる炎(属性攻撃)を纏い――【烈煌天翔翼】!

植物怪獣の攻撃方法は後退、照準、射撃の三動作からなる引き撃ち
時速12900kmの吶喊を前に悠長な
後退する暇も与えず、炎の【衝撃波】で【なぎ払い】、まとめて【吹き飛ばす】!

混沌竜と共に戦場を縦横無尽に翔け回り、植物怪獣を【焼却】【蹂躙】
全身全霊(全力魔法)で突撃し、【ランスチャージ】でエンケロニエルを【串刺し】にする!



 植物怪獣軍団の向こうに見えるのは、光り輝く一人の大天使。
 その姿を見て、オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は、すぐにとある存在を想起した。
「大天使エンケロニエル、かつて倒した大天使ブラキエルの関係者でしょうか」
 神々しい翼と優美な容貌を備え、天上界への到達を目指した、かの大天使。
 その岩腕の破壊力は、今もオリヴィアの脳裏に焼き付いている。
「――」
 少し間を開け。
 ふとオリヴィアは、不安そうな声色で口にした。
「……大天使という種族には、衣服を纏う文化がないのですか……?」
 その身に纏わりつく幼子の天使のような存在以外に、エンケロニエルは何も纏っていない。本当に、何一つ。
 少しで良いから慎みを持って欲しい。神を信じる者として、当然の希望ではあった。
「ゲヒャヒャヒャ~! どうかなァ!?」
「――先の戦争で覇を競い合った混沌竜よ。空の世界を護るため、轡を並べて共に戦いましょう」
 オリヴィアに同意を示すように咆哮一つ。スーパーカオスドラゴンは巨大な首をもたげ、手近な植物怪獣を一口で食らう。
 だが増殖を繰り返す植物怪獣の包囲網は、着実に徐々に狭まっている。
「……」
 紅いアンダーリムの端に動きを感じ取り、改めてオリヴィアが大天使の方向を見遣れば、そこでは沢山の向日葵達が動き出していた。
 容赦無い駄目押しの一手。時間が経つほど此方の状況は悪くなる。
 動くなら今――速攻だ。
 三つ首の巨竜に背中を預けたオリヴィアが、聖槍を立てて構えれば、たちまちにしてその姿が切り替わる。
 四肢を覆う白銀の兵装。背中に広がるのは白き巨大な一対の翼。その姿はまさに、天の守護者である御使いそのもの。
 だがその神々しい雰囲気を、今度は燃え立つ煌きが覆い尽くした。
 清浄にして聖なる炎。それに全身と聖槍を覆われたオリヴィアが、ぐん、と翼をはためかせ、空へと舞い上がる。
 そして次瞬――輝く魔力を放出し、敵軍深くへと突入していた。
『!! 迎撃しなさい……』
「悠長な!」
 光線群がオリヴィアの翼を掠めたのも一瞬の事。
 時速一万三千キロを超える突貫を前にして、三動作を要する引き打ちは余りに煩瑣。
 豪風と化して戦列を抜くオリヴィア。続いて巻き起こる炎の衝撃波が、向日葵怪獣を派手に吹き飛ばし、散々に焼き焦がした。
「これでようやく好きに動けるゼェ!!」
 動揺をさらに広げるように、動き始める混沌竜の群れ。その間を縫い、オリヴィアは縦横無尽に戦場を翔ける。
「……天翔ける祝福の翼よ」
 散り散りになる軍団を一通り蹂躙した後、ひゅん、とオリヴィアは黄金の穂先を遥か彼方に向け直すと、そのまま一直線に突撃した。
「不滅の炎を纏い、邪悪を焼き尽くせ!」
 裂帛の叫びが示すのは全身全霊。魔力と気力と速度を纏い、その身を一条の聖槍と化したオリヴィアが、戦場を縦断する。
 そのまま進路の植物怪獣を残らず焼き尽くし、エンケロニエルへと到達。
 ど、と激突音が響く。
 鈍く、しかし同時に大ダメージを想起させる重い音だった。
 同時に衝撃に大きく揺らいだその背中からは、腹部から刺し通された、聖槍の穂先が突き出ていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年09月19日


挿絵イラスト