アルカディア争奪戦⑱〜|太陽《いのち》を呪う帝竜を討て
「アルカディア争奪戦への参戦に感謝します。リムは戦況を報告します」
グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、リミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は『|拒絶の雲海《アルカディア・エフェクト》』に覆われた空域の地図を広げ、語り始めた。
「各空域で死人帝国に支配された浮遊大陸の攻略を進め、『空の道』を伸ばし続けた結果、ついに6つの大帝国のひとつである『|日蝕帝国《イクリプス》』の攻略が可能となりました」
かの帝国の主はアックス&ウィザーズの伝説にも伝わる『帝竜』太陽を喰らうもの。
彼はかつての仇敵であった『ヘリオス王国の蘇生と隷属化』という望みを成就させるために、己の信奉者達を率いてアルカディアの玉座を目指している。
「太陽を喰らうものは骸の海で『何か』と邂逅・融合した事で、世界を破壊する『昏き闇夜の力』を掌握しています。言わば骸の海そのものを内包した、極めて強大な存在です」
かつて群竜大陸で遭遇した過去の帝竜達と比較しても、その力は異質であり比類ない。
あらゆる「|太陽《いのち》の輝き」に強い憎悪と悪意を向ける太陽を喰らうものの全身からは、絶えず「悪意の瘴気」が溢れ出ている。
「この瘴気に命ある者が触れれば、等しく肉体と魂を冒されてしまいます。本体の戦闘能力も極めて高く、『昏き闇夜』の力は全ての生命体に対して圧倒的な殺傷性を誇ります」
まさに|太陽《いのち》に対する悪意と憎悪が形になったような存在。アルカディアの玉座の件がなくとも、この者を放置しておくのは危険過ぎるだろう。なんとしても此処で討ち取らなければ、ブルーアルカディアに生きる全ての生命が危うい。
「悪意の瘴気に対抗するには、敵の悪意を超える『|太陽《いのち》の輝き』を放つことしかありません」
昏き闇夜でも覆い尽くせぬ、燦然たる|太陽《いのち》の証明。それだけが瘴気を凌駕する力になる。太陽を喰らうものがどれだけ|太陽《いのち》を憎んでいようが、喰らい付くせぬほどの輝きを見せてやればいい。
「また、この戦争に先立って、一部の猟兵による|日蝕帝国《イクリプス》への|強襲作戦《ファーストアタック》が行われていました。それによると、太陽を喰らうものには隠された弱点が存在するようです」
危険な斥候の任から猟兵達が持ち帰ったのは、かつての|日蝕帝国《イクリプス》とヘリオス王国の戦いを描いた叙事詩。曰く、太陽の勇者と空渡りの巫女に追い詰められた太陽を喰らうものは、"昏き闇夜の神"と同化する事で絶大な力を得たという。
「ですが、その力は完全なものではなかったとも叙事詩には語られています。『過去』であるオブリビオンの性質上、この弱点が受け継がれている可能性は高いでしょう」
詳細についてはこちらを――と、リミティアは別のグリモア猟兵が纏めた|強襲作戦《ファーストアタック》の記録を見せる。後は各猟兵がここに記された情報を精査し、弱点を突くための作戦を練る必要があるだろう。
「|日蝕帝国《イクリプス》の支配者である太陽を喰らうものを撃破すれば、その大陸を強奪して『アルカディアの玉座』に向かう事ができるようになります」
太陽を喰らうものも脅威だが、それが自らの望みをかけるアルカディアも計り知れない力を持つのだろう。眼前の脅威を討ち、玉座に至る手段を手に入れるのが今回の目標だ。
説明を終えたリミティアは手のひらにグリモアを浮かべ、|日蝕帝国《イクリプス》への道を開いた。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」
戌
こんにちは、戌です。
今回の依頼は六大屍人帝国のひとつ『|日蝕帝国《イクリプス》』を支配する、帝竜『太陽を喰らうもの』との決戦です。
このシナリオでは下記のプレイングボーナスに基づいた行動を取ると判定が有利になります。
プレイングボーナス……自身の「|太陽《いのち》の輝き」を証明する/敵の『隠されていた弱点』を突いて戦う。
太陽を喰らうものが放つ「悪意の瘴気」は、全ての生命の肉体と魂を冒し続けます。この侵食に耐えるには、敵の悪意を超える|太陽《いのち》の輝きを放つしかありません。
太陽を喰らうもの自体も極めて強大な存在ですが、彼には|強襲作戦《ファーストアタック》によって判明した弱点があります。これを利用すれば有利に戦うことができるでしょう。
|日蝕帝国《イクリプス》に対する|強襲作戦《ファーストアタック》シナリオには、以下の二本があります。
勇士達よ、蒼空を征け~虎穴に入らずんば、虎子を得ず~(作者:月城祐一様)
俺たちゃ空賊(作者:ノーマッド様)
太陽を喰らうものの「隠されていた弱点」に関しては、こちらの両MS様のリプレイを確認していただければ幸いです。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『『帝竜』太陽を喰らうもの』
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POW : 暴虐の蹂躙
【『昏き闇夜』の放出】によりレベル×100km/hで飛翔し、【自身の負傷度(=傷を負うほど強化)】×【敵全員の生命力(=敵が強いと強化)】に比例した激突ダメージを与える。
SPD : グラビティ・クラッシュ
速度マッハ5.0以上の【超重力を帯びた黒爪】で攻撃する。軌跡にはしばらく【露出した骸の海】が残り、追撃や足場代わりに利用できる。
WIZ : 太陽を砕く一撃
【太陽(いのち)への憎しみ】を向けた対象に、【無限に伸びる漆黒超鋼の尾撃】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:ハギワラ キョウヘイ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
稷沈・リプス
普段は自称:人間な男だが、日蝕帝国関連ならば、関係ない『蝕神』
ようやっと本丸っすね。俺はお前さんが大嫌いっすよ。
さてと、UC使って。そう、これは借りた太陽の舟。俺と亡き太陽神の友誼の証っすよ。
この【夜の舟】に乗って、その鋼の尾を避け続けるっすよ。砕かせはしねぇって!
で…お前さん。力を使えば使うほど…自壊するんじゃないっすか?
そうでなくても、時間経過でそうなるんじゃ?
そこへ、太陽属性の光線を。俺はお前さんが本当に嫌いっすよ。
(神モード)
同じ属性を持つとて。我と汝を一緒にするな。
同一視するな。
我は、太陽(いのち)を愛する蝕神■■■■なれば。汝とは相容れぬと知れ!
「ようやっと本丸っすね。俺はお前さんが大嫌いっすよ」
数々の屍人帝国との戦いを経て、ついに|日蝕帝国《イクリプス》に乗り込んだ稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)は、この地を統べる者に対する敵意を隠そうともしない。それは相手がこの戦いを引き起こした元凶の1体だから、というだけでは無い。
「奇遇だな。我も貴様を嫌悪している。貴様だけではない、この世の全ての|太陽《いのち》をな」
帝竜『太陽を喰らうもの』は、最大級の敵意と嫌悪をもってそれに応じた。この世の全ての|太陽《いのち》は醜いと、根絶やしにせねばならぬと断じ、禁忌である"昏き闇夜"との同化を果たした邪竜――その在り方は、"蝕"を司る神であるリプスとは相容れぬものだ。
「そいつは結構。さてと、こいつを使って」
こちらへの悪意を隠そうともしない太陽を喰らうものの前で、リプスは【|夜の舟《ウイア・メセケテト》】を発動。さる"友"より借り受けた神の乗り物、空に浮かぶ大型の木造船を召喚する。
「その舟は……! 穢らわしい太陽の匂いがするぞ!」
それを一目見るなり太陽を喰らうものは怒号を発し、全身より溢れ出る「悪意の瘴気」の勢いが増す。出自を異にする彼はこの舟のルーツを知る由もないだろうが、憎き太陽の気配を間違えるはずもない。
「そう、これは借りた太陽の舟。俺と亡き太陽神の友誼の証っすよ」
神話においてこの舟は、太陽神が夜に冥界を旅するために使われるものとされている。
蝕神であるリプスがそれを|権能《ユーベルコード》として呼び出せる事こそ、彼と太陽神に結ばれた深き友情の証である。
「太陽が、死の世界を侵略する為の舟だと……なんと忌まわしき物か!」
そのような代物を断じて残してはおけぬと、闇夜の帝竜は【太陽を砕く一撃】を放つ。
|太陽《いのち》への憎しみに満ちた漆黒超鋼の尾撃が|夜の舟《メセケテト》に向かって伸び――リプスはすかさず舟の高度を上げて回避する。
「砕かせはしねぇって!」
太陽が運行する遥かな空の高みまでは、悪意の瘴気も届きはしない。しかし帝竜の尾はどこまでも無限に伸びて、憎き|太陽《いのち》を撃ち落とさんと追跡する。太陽を喰らうものと太陽の舟、神話を連想させる熾烈な追いかけっこの始まりだ。
「砕けよ! 地に墜ち、二度と昇ってくるな!」
憎悪に満ち満ちた太陽を喰らうものの咆哮が、猛攻と共に|夜の舟《メセケテト》を追う。リプスと舟の乗組員――獣頭人身の戦士達は、叩き落されないよう操船に必死だ。『昏き闇夜の力』を我が物とし、骸の海そのものを内包した彼奴の力は、これまでのオブリビオンとは一線を画している。その事実は悔しいが認めざるを得ない。
「で……お前さん。力を使えば使うほど……自壊するんじゃないっすか?」
「……ッ!?」
船上より発せられた一言で、太陽を喰らうものの表情が強ばる。リプスは|日蝕帝国《イクリプス》に対する|強襲作戦《ファーストアタック》に参加した猟兵の1人であり、現地で発見された叙事詩や諸々の情報から、敵の弱点の推測に至っていた。
「そうでなくても、時間経過でそうなるんじゃ?」
「クッ。そうか、貴様はあの時の羽虫共の1人か!」
太陽を喰らうものが手にした『昏き闇夜の力』は無敵ではない。この世に完全無欠なる者などは存在せず、過ぎたる力は身を滅ぼす――圧倒的なその力を行使すればするだけ、かの邪竜の力は弱まっていくのだ。
「その点、お前さんは初っ端から景気よく力を使ってくれたっすね」
憎悪の対象となる太陽神の権能をちらつかせた事が、太陽を喰らうものに力を使わせるための挑発になり、結果的にそれは自滅へのタイムリミットを早めた。邪竜の全身を包み込んでいた瘴気の渦に、小さなほころびが生じたのをリプスは見逃さない。
「俺はお前さんが本当に嫌いっすよ」
借り受けた太陽の権能の力が、|夜の舟《メセケテト》の船首に集まっていく。その様子は大砲の発射準備に似ており――照準を合わせるリプスの眼には、太陽を喰らうものが|太陽《いのち》に向けるものと同じ、或いはそれ以上の怒りが宿っていた。
「貴様は……本来ならば我と同じ、|太陽《いのち》を喰らう神であろう者が……!」
「同じ属性を持つとて。我と汝を一緒にするな。同一視するな」
リプスの雰囲気が変わる。人の世を生きるための処世術が普段の振る舞いなら、こちらは神としての威を示すべき時の態度。即ち彼が、眼前の邪竜を神の尊厳と誇りにかけて滅ぼすべき敵であると、断じたがゆえの宣告。
「我は、|太陽《いのち》を愛する蝕神■■■■なれば。汝とは相容れぬと知れ!」
「ッ……おのれ……おのれぇぇぇッ!!!!」
その言葉と共に|夜の舟《メセケテト》より神威は示され。神々しき太陽の光線が太陽を喰らうものを焼く。その身を焦がす|太陽《いのち》の熱を感じて、かの邪竜は苦痛と怒りのままに吼えた――。
大成功
🔵🔵🔵
シーザー・ゴールドマン
|太陽《いのち》を呪うか。その輝きの価値を証明するのは他ならぬ君自身だね。
帝竜たる君がオブリビオンと化してまで全身全霊で呪う。
その事実こそが|太陽《いのち》の価値をこの上なく証明している。
さあ、かかってくると言い。君の呪いが|太陽《いのち》に届くか試してみると良い。
『レヴィアタンの顕起』を発動して、戦闘態勢へ。
敵SPDUCによる攻撃を回避、あるいはオーラセイバーで逸らしてカウンターを入れたりして戦いを楽しみましょう。(無敵防御に全く頼らない戦闘スタイル)
おやおや、君の力、君の身体には過ぎたものの様だが大丈夫かね?
「|太陽《いのち》を呪うか。その輝きの価値を証明するのは他ならぬ君自身だね」
命ある者への悪意に満ちた『太陽を喰らうもの』を前に、シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)は飄々とした態度で言い放つ。強敵と相対しても臆したふうはなく、貴公子然とした神秘的なまでの美貌には、薄っすらと笑みさえたたえている。
「帝竜たる君がオブリビオンと化してまで全身全霊で呪う。その事実こそが|太陽《いのち》の価値をこの上なく証明している」
闇が深ければ光もまた強くあるという逆説的な理論。強大な脅威に晒された時にこそ、生命はより強く輝くものだ。自分達猟兵はそうして何度も、世界を滅ぼさんとするオブリビオンから、生命の価値を証明してきた。
「詭弁を弄するか、小賢しき羽虫が!」
その論説に太陽を喰らうものがますます怒りを滾らせたのは言うまでもない。全身から溢れ出る「悪意の瘴気」は闇夜の如く戦場を覆い、命ある全てを蝕まんとする。しかし、既に|太陽《いのち》の価値を証明したシーザーが、それで気分を害した様子はない。
「さあ、かかってくると言い。君の呪いが|太陽《いのち》に届くか試してみると良い」
己の|太陽《いのち》の輝きを示さんと、彼は【レヴィアタンの顕起】を発動して戦闘態勢に入る。創生神話に語られし海の魔獣「レヴィアタン」、その力を我が身に宿すことで、彼は絶大な防御力と全環境適応能力を獲得する。
「引き裂いてくれる!」
怒りに震える太陽を喰らうものの【グラビティ・クラッシュ】が、眼前の|太陽《いのち》に迫る。音速を超える超重力の黒爪による一撃は、並大抵の手段では回避も防御も不可能――だが、シーザーはそれを躱してみせた。
「私も楽しませて貰おうか」
爪撃の軌道を紙一重で見切り、|輪舞《ロンド》の如き足運びで回避。続け様に繰り出された追撃をオーラセイバーで逸らし、敵の腕が伸び切ったところにカウンターを入れる。【レヴィアタンの顕起】で得た防御能力に全く頼らない、技巧とスピードを重視した戦闘スタイルを披露する。
「チィッ。小賢しく足掻くな、見苦しい……!」
余裕の微笑を崩さないシーザーに対して、太陽を喰らうものは荒ぶるばかり。超重力を帯びた黒爪が空を引き裂くたびに、露出した骸の海が戦場を汚染していく。これも彼が"昏き闇夜の神"とやらとの同化によって得た力の一端なのだろうが――。
「おやおや、君の力、君の身体には過ぎたものの様だが大丈夫かね?」
時間が経つにつれて邪竜の攻撃が精彩を欠き始めたのを、シーザーは見逃さなかった。
感情の乱れも原因にはあるだろうが、最たる理由は『昏き闇夜の力』の濫用。かつての叙事詩に語られたのと同じ過ちを、太陽を喰らうものはまた繰り返そうとしていた。
「どうやらその力も、|太陽《いのち》の価値も、君の手には余るもののようだ」
「なにを……グアァッ!!」
敵の力が弱まった隙を逃さず、シーザーはオーラセイバーを一閃。彼自身の魔力でできた光の刃が、強靭なる帝竜の肉体に深い傷を刻み付ける。予想を超える|生命《いのち》の力を身に受けた太陽を喰らうものの絶叫が、|日蝕帝国《イクリプス》に響き渡った。
大成功
🔵🔵🔵
シズホ・トヒソズマ
太陽を喰らった闇の帝竜ですか
ならこちらも生命と太陽を使い挑ませて頂きます
からくり人形は自分に括り付けて◆早業で◆操縦
UCを発動
ピサロ将軍の力を使い
八艘飛びによる高速移動をクロノやクロスリベルの加速・移動力強化で強化
敵の高速爪や瘴気からとにかく逃げまくり距離を取りまくります
周囲の物質を邪剣に変換して操作する事で牽制や自分の足場にする事で回避に専念
避けきれない瘴気は呪いのようなものと読みイズンの闇属性刀に吸収
長くは持たないレベルの瘴気でしょうがなんとか保たせれば
力の使いすぎで敵に異変が生じたら一気に攻めます
背後の黄金太陽神を輝かせ
八艘飛びからの9回連続攻撃
これが今まで戦い抜いてきて得た過去の輝き!
「太陽を喰らった闇の帝竜ですか。ならこちらも生命と太陽を使い挑ませて頂きます」
悪意の瘴気を纏った|日蝕帝国《イクリプス》の王に、敢然と立ち向かうはシズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)。彼女は生物の代わりにからくり人形を|自分《マスク》に括り付けて、それを自分の身体やその延長として操作するヒーローマスクだった。
「奇っ怪な輩め。いかなる形であれ全ての|太陽《いのち》に価値はない」
相手がどのような種族であれ、帝竜『太陽を喰らうもの』の目的は全ての|太陽《いのち》を喰らう事。憎き命を見るたびに彼の内なる悪意は強まり、両腕の黒爪が超重力を帯びる。その切れ味は、人形ごとシズホの本体を引き裂くのに十分だろう。
「人形が吸いし過去の影、我が身に宿り力となれ。応報を持って因果を制す!」
闇夜の帝竜が【グラビティ・クラッシュ】を放つ刹那、シズホは【幻影装身】を発動。
からくり人形の中からかつて倒したオブリビオンの1体、黄金太陽神を従えた『邪剣』ピサロ将軍の幻影を全身に纏う。これによって彼女のボディは異常なスピードと跳躍力を見せ、必殺の爪撃を回避した。
「避けたか。だが、逃がさぬ!」
超重力の黒爪が空を切ったとしても、その軌跡には骸の海が露出する。太陽を喰らうものはそれを操作することで追撃を仕掛け、悪意の瘴気を合わせて標的を追い詰めていく。
(今はとにかく逃げまくり距離を取りまくるしかないですね)
ピサロ将軍が得意としたユーベルコード『八艘飛び』による高速移動を、豪腕人形『クロノ』の時間加速能力や強襲人形『クロスリベル』の速度上昇能力により強化する事で、シズホは敵の猛攻をどうにか躱す。ここまで回避に徹してようやくという辺り、帝竜の力はやはり圧倒的だ。
「いつまで逃げ回るつもりだ?」
太陽を喰らうものの追撃はなおも続く。逃げ場を失いかけたシズホはピサロ将軍の力をさらに使い、周囲の物質を邪剣に変換・操作する事で足場にする。刃を踏んで空中に跳び上がった彼女は、同時に牽制を兼ねて邪剣を敵に向けて放った。
「小賢しいわ!」
飛来する邪剣を爪でへし折りながら、咆哮を上げる太陽を喰らうもの。彼の全身から溢れ出る悪意は留まることを知らず、命ある全ての肉体と魂を蝕んでいく。長期戦において脅威となるのは、黒爪以上にこちらの方だろう。
(長くは持たないレベルの瘴気でしょうがなんとか保たせれば)
シズホはこの瘴気を呪いのようなものと読み、呪毒生成吸収装填人形『イズン』の刀にそれを吸収させることで被害を軽減する。ここまでして彼女が敵の攻撃に耐え忍ぶ方針を続けるのは――長期戦の先に勝機があると見越してのことだ。
「ええい、梃子摺らせおって……!」
敵を圧倒しているかに見えた太陽を喰らうものだが、その内心には微かな焦りがある。
彼が手に入れた『昏き闇夜の力』は、使い過ぎれば我が身を滅ぼしかねない諸刃の刃。
|太陽《いのち》如きにここまで粘られるのは想定外だったのか、能力の濫用によって彼の力は弱まり始めていた。
「この時を待っていましたよ!」
太陽を喰らうものの動きに異変が生じた瞬間、シズホは一気に攻勢に転じる。背後に備えた黄金太陽神を輝かせ、『八艘飛び』による高速移動で急接近。両手には創造した邪剣を構え、ありったけの意気を籠めて人形を駆動させ――。
「これが今まで戦い抜いてきて得た過去の輝き!」
「なん、だと……グガアアァッ!!!」
持てる全てを駆使した【八艘九連飛び】の高速九連斬撃が、太陽を喰らうものを斬る。
黄金の剣風にて瘴気を散らされ、その身体に9つの傷を刻み付けられた帝竜の口から、驚愕のこもった絶叫がほとばしった――。
大成功
🔵🔵🔵
山吹・慧
僕はこれまで『死と隣り合わせの青春』の中で
何度も生命の……太陽の輝きを見てきました。
迷い、傷つき、それでもその想いの為に
輝く生命を……。
それをこれから見せてあげましょうか。
奴がその力を行使すればするだけ傷つくのであれば
まずは防戦に徹しましょうか。
【聖天覚醒】で真の姿を解放。
光の翼で飛翔して敵の尾撃を
【残像】と【フェイント】で回避。
回避困難な攻撃は【リミッター解除】した
【オーラ防御】を展開し、【ジャストガード】からの
【受け流し】で対応。
逆境にあってこそ生命は輝くのですよッ!
敵が弱ってきたら【闘気】の輝きによる【目潰し】を放ち、
【衝撃波】と【功夫】による打撃の【乱れ撃ち】で
一気に攻めましょう。
「僕はこれまで『死と隣り合わせの青春』の中で、何度も生命の……太陽の輝きを見てきました」
生命根絶を目的とするゴーストから、人類と地球を守るために戦った、|銀の雨が降る時代《シルバーレイン》の能力者、山吹・慧(人間の玄武拳士・f35371)。あれから十年以上の時を経た今でも、あの激動の青春時代を彼は忘れない。
「迷い、傷つき、それでもその想いの為に、輝く生命を……」
それはゴーストの祖にして宇宙の創造主たる「二つの三日月」を前にしても、決して屈する事はなかった。|太陽《いのち》が持つ輝きと、無限とも思える可能性を、すでに彼は知っている。それは彼らが命を賭けて証明してきた事だから。
「それをこれから見せてあげましょうか」
「粋がるなよ、脆弱なる|太陽《いのち》如きが!」
凛として言い放つ慧に対して、太陽を喰らうものは傲岸不遜。あまねく全ての|太陽《いのち》を憎み、嫌悪し、侮蔑する彼にとっては、その1匹1匹がどんな想いを抱いていようが関係のない事であった。
「何を見せられようが、我が力には及ばぬ!」
かの邪竜が|太陽《いのち》への憎しみを籠めて放つは【太陽を砕く一撃】。無限に伸びる尻尾が大きくしなって標的を打ち据えんとする。小細工を弄することを良しとせず、我が肉体のみを頼りとする竜らしい攻撃だ。
「全て乗り越えましょう……」
対する慧は【聖天覚醒】を発動し、純白の衣をまとった真の姿に変身する。その背中からは光の翼が出現し、亜音速に到達する飛翔能力を与える。彼はそのスピードを活かして残像を作りあげ、フェイントをかけて敵の尾撃を躱した。
「羽虫がッ!」
空を飛び回る慧に太陽を喰らうものはますます敵意を漲らせ、鋼の尾をさらに伸ばす。
猟兵としての真の力を解放してもなお、単純な力においては帝竜が勝るか。複雑にうねる尾の軌道は、残像をなぎ払って本体に迫る。
(奴がその力を行使すればするだけ傷つくのであれば、まずは防戦に徹しましょうか)
慧は冷静に敵の攻撃を見極め、回避困難とみれば防御態勢を取る。【聖天覚醒】により強化された彼の闘気は白いオーラとなって迸り、時には武器にも、身を守る鎧にもなる。
「直撃のタイミングに合わせれば……!」
ジャストタイミングで接触面にオーラを集中させる事で、漆黒超鋼の尾撃を受け流す。
敵が強いのは百も承知。だがこの程度の苦境は能力者時代から何度も乗り越えてきた。
「逆境にあってこそ生命は輝くのですよッ!」
自らの|太陽《いのち》の輝きを証明する慧の肉体と魂は、悪意の瘴気も蝕むことはできない。果敢な徹底抗戦を続ける彼とは逆に、太陽を喰らうものは苦々しげに表情を歪めた。
「ええい、見苦しいぞ。何故そうも生に縋り付く!」
本人はおくびにも出さぬつもりであろうが『昏き闇夜の力』は無敵ではない。過ぎたる力は我が身を滅ぼす。早々に決着を付けようと力を濫用したツケが徐々に出始めていた。
「これが僕の。僕達の生命の力です!」
敵が弱ってきたのに気付いた慧は、光翼を羽ばたかせて急接近。生命への讃歌を謳うが如き、燦然たる闘気の輝きが、太陽を喰らうものの目を眩ませる――それは一瞬の事ではあったが、戦いにおいては致命的な隙となった。
「弱き|太陽《いのち》が、なぜ……グガァッ!!」
鍛え上げた功夫による打撃と衝撃波の乱れ打ちが、邪竜へと一気呵成に叩き込まれる。
|太陽《いのち》の価値を侮った者と、生命の輝きを示し続けた者。この結果は両者の差が如実に現れた形となった。
大成功
🔵🔵🔵
久遠寺・遥翔
アドリブ連携歓迎
イグニシオンに[騎乗]
闇が醜いっていうつもりはないよ
深い夜空に魅入ってしまうのも人間だ
けれど美しい青空や黄昏が太陽なくしては成立しないように
この世界の美しい在り方はいのちなくしては成立しない
行くぜ邪竜。お前がいのちを喰らおうともそれを超える焔で焼き尽くす!
UCを起動
戦場全て焔の世界で包み込む
全ての味方に不死鳥の癒しを
そして全ての敵に[焼却]を
爪は[戦闘知識]から予測し、[第六感]でイレギュラーにも反応して[見切り]、躯の海に囲まれないように[残像]で回避だ
[空中戦]は得意だが超重力に対抗できるのは別のUC、今は受けてやれない
UCだけでなく[生命力吸収]も駆使し継戦能力を高めるぜ
「闇が醜いっていうつもりはないよ。深い夜空に魅入ってしまうのも人間だ」
焔のキャバリア「イグニシオン」の操縦席から、久遠寺・遥翔(焔の機神イグニシオン/『黒鋼』の騎士・f01190)は太陽を喰らうものに呼びかける。『昏き闇夜の力』を掌握したかの帝竜は、まさに全ての|太陽《いのち》を喰らう日蝕の化身であった。
「けれど美しい青空や黄昏が太陽なくしては成立しないように、この世界の美しい在り方はいのちなくしては成立しない」
闇夜も太陽も等しく世界にあるべき尊きもの。憎悪によってその均衡を崩そうとするのなら、あれは自分が倒すべき敵だ。|原初の真焔《イグニス》を宿す猟兵、黒鋼の騎士として。
「行くぜ邪竜。お前がいのちを喰らおうともそれを超える焔で焼き尽くす!」
「やれるものかッ! 脆弱なる|太陽《いのち》に、我が闇夜の力は破れぬ!」
太陽を喰らうものが「悪意の瘴気」を放つと同時に、遥翔は【真焔なる世界】を発動。
イグニシオンから放出される原初の真焔で戦場を包み込み、巨大な結界を作り上げる。
「|原初起動《イグニッション》。最先より在りし焔よ、醒めよ」
渦巻く焔は漆黒と純白の二色。片方は全ての敵を焼却する終焉の焔であり、もう片方は味方に癒しをもたらす不死鳥の焔だ。焔が持つ滅びと再生の力、その両者を彼は統べる。
「これしきの焔で、帝竜たる我を焼き滅ぼせるつもりか!」
終焉の黒焔に焼かれながら、太陽を喰らうものは【グラビティ・クラッシュ】を放つ。
超重力を帯びた超音速の黒爪は、空間すらも引き裂いて結界を削ぐ。さらには露出した骸の海が怒涛の勢いで|太陽《いのち》を呑み込まんと押し寄せるが――これしきのことで吹き消されてしまうほど、遥翔の焔は弱くない。
「行くぜ相棒!」
操縦者の意志に応えてイグニシオンは大地を蹴り、スラスターからエネルギーを翼のように放出して空を翔ける。その機動性能は陽炎の如き残像を生み、骸の海を振り切った。
「デク人形が、ちょこまかとッ!」
忌々しき|太陽《いのち》に操られる機械に罵声を浴びせながら、さらに黒爪を振るう太陽を喰らうもの。遥翔はこれまでの戦いで培ってきた知識を活かしてその軌道を見切ると、骸の海による追撃も見越した動きで回避を行う。
(空中戦は得意だが超重力に対抗できるのは別のユーベルコード、今は受けてやれない)
瘴気の侵蝕は再誕の白焔で相殺しているが、流石にあの爪撃を食らって無事に済むとは思えない。イグニシオンは回避に専念させながら、終焉の黒焔による継続的なダメージで敵を追い詰める方針でいく。彼は決して敵の力を見誤らず、己の力に慢心もしなかった。
「ええいッ……人形如きが、手間をかけさせおって……!」
寧ろ、見誤っていたのは太陽を喰らうものの方だろう。爪のひと振りで薙ぎ払えるものと眼の前の|太陽《いのち》を侮った結果、思ったより時間をかけさせられたせいで、彼の『昏き闇夜の力』は弱まり始めていた。
「クッ、いかん……」
「隙を見せたな!」
己の力を完全には御しきれてはいないという、太陽を喰らうものの弱点。この予想外のイレギュラーに遥翔はすぐさま反応し、機神太刀"|迦具土《カグツチ》"を抜き放つと反撃に転じた。
「こいつを喰らえ!」
「グオオォォッ!!?」
漆黒の刀身を持つキャバリア専用の大太刀が、闇夜の帝竜を斬り裂き、生命力を奪う。
刃が取り込んだ力は遥翔とイグニシオンの活力となり、さらに黒焔が敵の傷口を焼く。
無限に燃え盛る原初の焔と生命の輝きは、太陽を喰らうものにも食らい付くせぬ熱量となって、彼に絶叫を上げさせた――。
大成功
🔵🔵🔵
オーガスト・メルト
最強生物の一角である竜が命を否定するか
【SPD】連携・アドリブ歓迎
バイク形態のナイツに【騎乗】し、ランス形態のデイズを構えて【空中戦】を挑む
敵の攻撃を【見切り】で回避に徹して行動パターンを解析
UC【帝竜復元】でこちらも最強格の生命を出現させよう
で、お前はこいつをどう思う、ヴァルギリオス?
『実に見苦しい。帝を名乗る竜にあるまじき醜態だ』
じゃあ八属性の【属性攻撃】ブレスであいつを蹴散らしてやろう
あれは武器素材としてはなかなか優秀そうだ、ぜひ回収させてもらおう
『生きる者の欲望…それも命の輝きということか』
せめて創作意欲と言ってくれ
「最強生物の一角である竜が命を否定するか」
竜という存在の強大さと生命力を、オーガスト・メルト(竜喰らいの末裔・f03147)はよく知っている。竜退治の騎士を祖先に持ち、彼自身も竜と共に戦う騎士であるが故に。だからこそ何故帝竜ともあろうものが|太陽《いのち》を否定するのは奇妙に感じる。
「問うたところで答えは返ってこないだろうが、な」
眼の前の『太陽を喰らうもの』から感じられるのは、全ての|太陽《いのち》に対する憎悪と敵意のみ。底知れぬ悪意は瘴気となって全身から溢れ出し、近くにいるだけでも肉体と魂を蝕まれる状況だ。
「目障りな|太陽《いのち》め……貴様も即刻消え失せろ!」
「全くもって面倒な事だな」
憎しみに満ちた咆哮を上げる太陽を喰らうものと、オーガストは空陸対応型のバイクに変身した黒竜「ナイツ」に乗り、右手にはランス形態になった白竜「デイズ」を構える。
同族が相手に含まれているとしても、この帝竜が生命に情けをかける事はないだろう。むしろ嫌悪の色を瞳に濃くして、全力の【グラビティ・クラッシュ】を放ってくる。
「人間如きに使役されるとは、竜の面汚しが!」
音速を超える超重力を帯びた黒爪が、大地を引き裂き、空間を歪めながら標的に迫る。
オーガストは全感覚を研ぎ澄ませてその軌道を見切り、ナイツと共に空中へ退避した。
「流石は帝竜と言ったところか」
かつて群竜大陸で戦った他の帝竜達にも劣らぬ力。被弾するのは危険だと、オーガストは空を駆けて回避に徹しつつ、敵の行動パターンの解析にかかる。どうやら、あの黒い爪が引き裂いていった軌道上には、露出した骸の海が残るようだ。
(それを足場や追撃にも利用すると。厄介だな)
奴に同じ攻撃を続けさせれば、そのぶん骸の海の汚染は広がり、こちらは苦しくなる。
瘴気の侵蝕もある以上、長期戦は不利だと判断した彼は、自身が持てる最大級の戦力で現状の打開を図った。
「こちらも最強格の生命を出現させよう」
発動するのは【帝竜復元】。手のひらの上に呼び寄せた八色鋼糸の蜘蛛竜「グローム」に、オーガストが|回復の異能《ヒールグラビティ》をかけると、それは一時的に素体となった帝竜の自我と肉体を復元させる。
「なっ……貴様は……!!」
それを見て太陽を喰らうものが驚いたのも無理はない。彼が復元させたのは群竜大陸を統べる帝竜の中の帝竜、大いなる八本首のドラゴン「ヴァルギリオス」だったのだから。
「で、お前はこいつをどう思う、ヴァルギリオス?」
『実に見苦しい。帝を名乗る竜にあるまじき醜態だ』
擬似的に蘇ったヴァルギリオスにオーガストが質問すると、それは八つの首で吐き捨てるように言った。骸の海で『何か』と同化し、|太陽《いのち》を喰らうだけの存在と化したソレは、彼の視点からはもはや純粋な竜とも呼べぬものらしい。
「じゃああいつを蹴散らしてやろう」
『よかろう』
かつては敵対関係だった両者だが、この時に限っては意見が合った。ヴァルギリオスがもたげた八つの首に、炎・水・土・氷・雷・光・闇・毒の八属性のエネルギーが収束され――全竜の頂点に立つ最強のドラゴンブレスが放たれる。
「バカな、何故貴様が……グオオオォォォォッ!!!?!」
かつてはオブリビオン・フォーミュラの座にあった帝竜の本気だ。ユーベルコードによる一時的な復元とはいえ、その破壊力は太陽を喰らうものの防御を遥かに凌駕していた。
「あれは武器素材としてはなかなか優秀そうだ、ぜひ回収させてもらおう」
『生きる者の欲望……それも命の輝きということか』
「せめて創作意欲と言ってくれ」
八属性の奔流に打ちのめされていく敵を眺め、オーガストはにやりと笑って品定めを。
その貪欲さに感心しているのか呆れているのか、ヴァルギリオスはふうと吐息を零すが――飄々と言い返す彼の眼には、なるほど生ある者にしか持ちえぬ輝きが宿っていた。
大成功
🔵🔵🔵
ポーラリア・ベル
ブラック帝タナカ!ブラック帝タナカだわ!
ブラックタナカでいいかしら!
女神のようなカビパンお姉ちゃん(ユーベルコード)から発せられるその光は
まさしく……あんk太陽!
ダラダラオーラもまた生きたいという太陽の輝き!
尻尾による尾撃(ハリセン)!
大変お姉ちゃんブラックタナカはツッコミ属性だわ!
でもこのタナカ大図鑑(今書いた)に載ってる情報によると
激しいツッコミはスタミナも切れやすいし
自分に返ってきた時大ダメージを受けるっぽい!
こっそり近づいて懐付近で強い太陽の輝き(ボケ)を起こし、誘発した攻撃をブラックタナカ自身に当てさせるわ!
(雪玉を襟巻の様に巻き太陽の輝き君になりつつ)
おまえもなんでやねーん!作戦!
「ブラック帝タナカ! ブラック帝タナカだわ!」
|日蝕帝国《イクリプス》の本拠地に乗り込んだポーラリア・ベル(冬告精・f06947)は、そこで待ち構えていた帝竜『太陽を喰らうもの』と出会うなり、妙なあだ名を付けてきゃっきゃと喜んでいた。一体何者なのだろう、タナカとは。
「ブラックタナカでいいかしら!」
「巫山戯ているのか? 言い訳がなかろうが!」
憎き|太陽《いのち》の一員からバカにされているとしか思えないあだ名で呼ばれて、太陽を喰らうものが「いいよ」と言う筈もなく。怒りに火を点けられた邪竜の全身からは悪意の瘴気が噴き出し、あまねく全ての生命を侵蝕していく。
「北海道にシュークリームは存在しない」
これに対抗するためにポーラリアは【冬を告げに来たよ(ねぇよ)】を発動して、悪霊雪女の「カビパン」を召喚。謎の呪文で呼び出された彼女はイマイチやる気なさげな様子で地べたに寝っ転がると、全身からぺやーっと光を放ち始めた。
「女神のようなカビパンお姉ちゃんから発せられるその光は、まさしく……あんk太陽!」
今ちょっとアンコウとか言いかけた気もするが、内面を考慮せずに見れば、確かにその姿は神々しく輝いているように映るかもしれない。ただ、それを太陽と称するには本人の覇気というか熱量が足りないような気がするが――。
「ダラダラオーラもまた生きたいという太陽の輝き!」
「いや|太陽《いのち》も何も、其奴はもう死んでいるではないか!」
力説するポーラリアに、容赦のないマジレスをぶっ刺すのは太陽をくらうもの。悪霊が|太陽《いのち》の輝きを発しているとか言われても、彼の眼にはただダラけた人間の女が死してなお現世にへばり付いているようにしか見えなかった。
「おふざけに付き合っている暇はない、消え失せろ!」
生命体であるポーラリアも、その仲間であるカビパンも、等しく敵とみなした帝竜は、長い尻尾をぶおんと振り回す。|太陽《いのち》への憎しみが籠もったその漆黒の尾は、鋼をも超える強度としなやかさを両立させた、剣呑な凶器だった。
「尻尾による|尾撃《ハリセン》! 大変お姉ちゃんブラックタナカはツッコミ属性だわ!」
「やかましいわ!」
まだ言うかとばかりに【太陽を砕く一撃】を振り下ろす太陽を喰らうもの。流石にコレに当たるとシャレでは済まなそうなので、ポーラリアはダラダラしているカビパンを引っ張って逃げる。
「でもこのタナカ大図鑑に載ってる情報によると、激しいツッコミはスタミナも切れやすいし、自分に返ってきた時大ダメージを受けるっぽい!」
彼女は今書いたばかりのメモ帳をパラパラとめくって、敵の弱点を確認。過ぎたる力は本人の身を滅ぼすということか――あの帝竜が『|昏き闇夜の力《ツッコミ》』を完全に掌握しきれていないのは事実だった。
「だったら、懐付近で強い|太陽の輝き《ボケ》を起こせば……」
作戦を思いついたポーラリアは安全な場所にカビパンを置いていくと、妖精の小柄さを活かしてこっそり敵に近付いていく。他の猟兵と戦っている隙にも紛れて、あとちょっとで触れるくらいの距離まで来たら――。
「ねえブラックタナカ! これを見て!」
「ぬぅっ?」
声をかけられて太陽を喰らうものが視線を下げると、そこには雪玉を襟巻きのように首に巻き付けた冬の妖精が。一体その格好が何の真似なのか分からなかった帝竜の思考が、一瞬停止する。
「………なんだそれは?」
「太陽の輝き君よ!」
「馬鹿にするなッ!!」
それが3年後に地球で開催予定の博覧会のロゴマークを元にしたネタだと、帝竜が知っているはずもなく。いい加減冗談に付き合うのもうんざりしていた太陽を喰らうものは、怒りのままに【太陽を砕く一撃】を放つ。
「ひっかかったわ!」
「なに……ッ?! グハァッ!!」
その瞬間、ポーラリアは脱兎の勢いで緊急離脱。的を外した攻撃は太陽を喰らうもの自身に向かい――バチーンッ! と大きな音を立てて、漆黒超鋼の尾撃が叩きつけられた。
「おまえもなんでやねーん! 作戦!」
誘発した攻撃を太陽を喰らうもの――もといブラックタナカ自身に当てさせるという、ポーラリアの作戦は大成功。誇りとする自身の力を我が身で味わうこととなった相手は、苦痛で身悶えしている。
「お、おのれぇぇ……!!」
終始ポーラリア(とカビパン)にペースを乱されまくった太陽を喰らうものは、屈辱で歯ぎしりしながら起き上がるが。その時にはもう彼女らは手の届かないところまで逃げてしまっていたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
カシム・ディーン
機神搭乗
そうか…お前…帝竜だな?
帝竜眼がお前を見ているぞ
命の輝き
【属性攻撃】
太陽属性を機体に付与
太陽があったから今も命がある
ならば僕らは太陽の申し子!
つまり僕らに太陽の輝きはある!
対wiz
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の動きと消耗具合を冷徹に分析
【念動力・空中戦・武器受け・弾幕】
念動障壁を展開して重力に抗い飛び回る
尾撃は太陽属性の弾丸を乱射して迎撃
避けきれない時は鎌剣で受け止め致命は避けて耐える!
確かにすげー力だ…だがな…お前さ…ウ〇トラマンって知ってるか?
「それまでに君に私が倒せるか?だぞ☆」
耐久戦で耐えながら弱体の瞬間
UC発動
【二回攻撃・捕食】
ブレスで蹂躙し食らい尽くす!!
「そうか……お前……帝竜だな? 帝竜眼がお前を見ているぞ」
かつて群竜大陸の戦いで帝竜から強奪した「帝竜眼」。その魔力が活性化しているのをカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は感じ取った。その理由が眼前にいる「太陽を喰らうもの」にあることは間違いない。
「|太陽《いのち》に敗北した他の帝竜どもの事など知らぬ。目玉をくり抜かれるとは不甲斐ない奴らよ!」
オブリビオンとして復活する際、骸の海を内包する存在となった太陽を喰らうものは、全ての|太陽《いのち》を滅ぼす邪竜と化した。他の帝竜らと比較しても、その姿は邪悪で禍々しく、命ある者を蝕む「悪意の瘴気」が、絶えずその身からは放たれている。
「命の輝きか……」
悪意の瘴気に対抗するためには、自らの命の輝きを証明すること。事前に聞かされた話を思い出しながら、カシムは界導神機『メルクリウス』のコクピットでまぶたを閉じる。
感じるのは脈打つ心臓の鼓動、体の奥から沸き立つ熱量。それらは紛れもなく命の証。
「太陽があったから今も命がある。ならば僕らは太陽の申し子! つまり僕らに太陽の輝きはある!」
かっと目を見開いて叫ぶと、彼の身体から輝きがあふれ、機神を通じて戦場を照らす。
それは紛れもなく太陽の光。太陽を喰らうものが憎む「いのち」の証そのものだった。
「おのれ……まだ抗うか、|太陽《いのち》よ!」
機神の輝きが瘴気を祓いのけていくのを見て、怒りの咆哮を上げる太陽を喰らうもの。
その忌々しき光を地に堕とさんと、彼は漆黒の尾に憎しみを籠めて【太陽を砕く一撃】を放つ。
「目障りだ、落ちろ!」
「御免だっての!」
カシムは敵の動きを冷静に分析しつつ、三次元の回避機動を取る。念動障壁を展開したメルクリウスの飛行性能は、重力の縛りに囚われない。さらに飛び回りながら太陽の輝きを弾丸として乱射し、少しでも尾撃の軌道を逸らすようにする。
「こそばゆいわッ!」
だが、太陽を喰らうものの尾は無限に伸びてメルクリウスを追い立てる。避けきれないと悟ったカシムはBX鎌剣『ハルペー』で尾撃を受け止めるが――致命傷となるバイタルパートは避けたものの、一撃で装甲に大きな損傷を受ける。
「確かにすげー力だ……だがな……お前さ……ウ〇トラマンって知ってるか?」
「なに?」
コクピットへの衝撃にのけぞりながらも、カシムはにやりと笑って一言。異世界で放映されている特撮ヒーローの事など、太陽を喰らうものは知る由も無いだろうが、彼が言いたいのはつまりこういう事だ。ヤツの力には「時間制限」がある、と。
「それまでに君に私が倒せるか? だぞ☆」
機神に宿った少女の意思、通称「メルシー」も挑発するように喋りだす。機体が受けたダメージを感じさせない明るいノリで、太陽の輝きを放ちながら翔ける姿は、敵からしてみればさぞかし目障りであろう。
「えぇい、往生際が悪いぞ……!」
何度も叩きつけられる【太陽を砕く一撃】。だがカシム達はしぶとく耐え凌ぎながら、敵の消耗具合をじっと見定めていた。息が詰まるような耐久戦、しかし反撃のチャンスは必ず回ってくると信じて――。
「ッ、いかん……」
「来たな!」
『昏き闇夜の力』の濫用により、太陽を喰らうものが弱体化した瞬間。カシムは帝竜眼を掲げて【帝竜「カシム・ディーン」】を発動。八色に輝く魔力の奔流をまといながら、メルクリウスのコクピットから外に飛び出した。
「万物の根源よ……帝竜眼よ……今こそ……帝竜の王の力を我が身に宿せ……!! わが身今こそ帝竜へと至らん……!!」
彼の肉体は光の中で変身を遂げ、雷雲纏う八首の帝竜『ヴァルギリオス』の姿となる。
帝竜眼に収束された多数の帝竜の魔力が、群竜大陸を統べる最強の帝竜の力を、一時的に顕現させる事を可能にしたのだ。
「またしても、貴様が……ッ!!?」
さしもの太陽を喰らうものも、この最強の帝竜の出現には驚きを隠せない。力の反動と狼狽により動きが止まった刹那、帝竜カシムの八首から八属性のブレスが解き放たれる。
「蹂躙し、食らい尽くす!!」
「グ、ガアアァァァァッ!!?!」
炎・水・土・氷・雷・光・闇・毒のブレスを浴びせ間髪入れず、牙による追撃も重ね。
昏き闇夜さえも凌駕しうる、真なる帝竜の力が、太陽を喰らうものを地に落とす――。
大成功
🔵🔵🔵
シャウエン・カムパネルラ
🌼花詩
私が勇士として旅立ってから、初めての戦い……
なんて昏くて、強大で、恐ろしいの……
でも、ここで逃げるわけにはいかない
私は召喚獣
祈りに応え、この世に現界した存在
両親とは血の繋がりはないけれど、実の娘のように育て慈しんでくれた
初めてこの世に生まれた時の、二人の喜びに満ちた顔を覚えてる
父さんと母さんは私に教えてくれた
命とは、ただそこにいるだけで尊く愛おしいのだと
だから、この輝きは誰にも消させない!
ヘルガさんと自身にそれぞれ「ヤドリギのローブ」を掛けて
敵の尾撃は植物の槍をぶつけ相殺しながら
生命の実で受けた傷を回復する
ヘルガさん、あなたを全力で援護します
どうかその光で世界を照らし出して……!
ヘルガ・リープフラウ
🌼花詩
良いご両親を持ったわね。シャウエン
あなたの言う通り、生きているだけで、命は尊く美しい
わたくしの両親も、あの闇と絶望と悪意に覆われた世界にあって
それでも慈悲を、希望を、信じる心を失わぬよう教えてくれた
証明しましょう。世界にはどんな暗闇にもかき消せぬ光があると
世界の平和を祈り、困難に立ち向かう勇気を奮い立たせて
優しさを込め紡ぐ聖歌【涙の日】
共に戦う仲間には癒しの光を
悪意振り撒く邪竜には神罰の光輝を
シャウエン、あなたのくれたヤドリギの加護が
わたくしに更なる力を与えてくれる
一人では不安と恐怖に萎れてしまう心も
手を取り合い、支え合えばより強くなれる
守って見せる
この命の輝きは誰にも消させないわ
(私が勇士として旅立ってから、初めての戦い……)
新米猟兵であるシャウエン・カムパネルラ(夕星のソルシエール・f38520)の初戦の敵となったのは、太陽の光さえ呑み込むような、禍々しい力に満ちた漆黒の魔竜だった。
帝竜『太陽を喰らうもの』。全ての|太陽《いのち》を滅ぼすために、昏き闇夜の神と同化したという、伝説の怪物が今、目の前にいた。
「なんて昏くて、強大で、恐ろしいの……でも、ここで逃げるわけにはいかない」
ちょっとでも気を抜けば身体が震えそうで、悪意の瘴気に包まれただけで息が詰まる。
それでも逃げ出すという選択肢はなかった。逃げてはいけない信念が彼女にはあった。
「私は召喚獣。祈りに応え、この世に現界した存在」
かつて、子供の無い夫婦が夕空の流星に願いを掛けると、光と共に山羊の角を持つ女児が現れた。それは星の巡りがもたらした奇跡か、はたまた運命の導きか。シャウエンの人生はそこから始まった。
「両親とは血の繋がりはないけれど、実の娘のように育て慈しんでくれた」
初めてこの世に生まれた時の、二人の喜びに満ちた顔を覚えている。心身ともに健やかに育てられた彼女は、やがて人々を脅かす屍人帝国の存在を知り、猟兵として世界を救う旅に出た。父と母が自分を守り育ててくれたように、今度は自分が誰かを守るために。
「父さんと母さんは私に教えてくれた。命とは、ただそこにいるだけで尊く愛おしいのだと」
故郷を遠く離れても、両親から受け取った想いは今もシャウエンの中で息衝いている。
それがあるから、こんなに恐ろしい竜を前にしても立っていられる。悪意に満ちた瘴気に蝕まれようと屈しない。自分自身もまた、愛を受けて育った尊き生命のひとつだから。
「だから、この輝きは誰にも消させない!」
「小娘が……賢しらにほざきおって!!」
愛と勇気をもって己の|太陽《いのち》の輝きを証明した少女に、太陽を喰らうものが咆哮する。怒りと憎しみに満ちたその威圧感だけで、シャウエンの身体は吹き飛ばされそうになるが――それを傍らからそっと支える、1人の女性がいた。
「良いご両親を持ったわね。シャウエン」
その女性――ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)は慈愛に満ちた穏やかな笑みを浮かべて語りかける。猟兵として先輩にあたる彼女は、シャウエンよりも多くの冒険と戦いを経て、たくさんの生命の輝きを見てきた。
「あなたの言う通り、生きているだけで、命は尊く美しい。わたくしの両親も、あの闇と絶望と悪意に覆われた世界にあって、それでも慈悲を、希望を、信じる心を失わぬよう教えてくれた」
それこそ一条の太陽の光も届かぬような世界でも、生命は生きることを諦めなかった。
想いを繋ぎ、希望を伝え、紡いだ絆はやがて大きな力となり。立ちはだかる絶望から明日を切り開くことができるのだと、彼女は知っている。
「証明しましょう。世界にはどんな暗闇にもかき消せぬ光があると」
「はい、ヘルガさん……!」
ふたりの猟兵はこの世界の平和を祈り、眼前の困難に立ち向かう勇気を奮い立たせる。
いざ太陽を喰らうものに挑まんと、手始めにシャウエンが【ヤドリギの織姫】を発動。ヤドリギで編んだローブで自分とヘルガを包み、敵の攻撃に備えて装甲を強化する。
「ヘルガさん、あなたを全力で援護します」
森の魔女である母親から学んだ魔術や薬草学が彼女の武器。それでも、まだ経験不足の自分が正面から帝竜を倒せるかといえば自信はない。今の自分にできる最大限の貢献は、共に戦う仲間をありったけで助けになることだ。
「草葉を編んだ脆い布切れ程度でッ!」
怒れる帝竜は尾をぶんと振り回し、【太陽を砕く一撃】を放つ。|太陽《いのち》への憎しみに満ちたその尾撃の直撃を受けて、無事で済む者はほぼ居るまい。少しでも威力を削ぐために、シャウエンはヤドリギのローブから一本の槍を生成する。
「やらせません」
さっと投げつけられた植物の槍は、超鋼の尾とぶつかれば砕け散ってしまうが、勢いを相殺することはできた。本来なら心臓を刺し貫くはずだった尾の先端は、わずかに逸れてローブを掠める――それでも、鋭い激痛が少女の身体に走った。
「シャウエン……」
「大丈夫です、このくらい」
心配そうにするヘルガに不安はかけまいと、シャウエンはすぐにローブから生命の実を生やして、受けた傷を回復する。あれだけ啖呵を切ったのだ、この程度で音を上げたりはしない。仲間のユーベルコードが発動するまでは何としても耐えきってみせる。
「どうかその光で世界を照らし出して……!」
「……ええ」
少女の想いを受け取ったヘルガは、胸に手を当てて息を整え、【涙の日】を歌い出す。
それは優しさを込めて紡がれる静謐なる聖歌。誰もが思わず聞き入るような美声と共に、光が戦場にあふれ出す。
「主よ。御身が流せし清き憐れみの涙が、この地上より諸々の罪穢れを濯ぎ、善き人々に恵みの慈雨をもたらさんことを……」
共に戦う仲間には癒しの光を。悪意振り撒く邪竜には神罰の光輝を。天の主がもたらす2つの側面を、ヘルガの聖歌は同時に顕現させる。暗雲の如き悪意の瘴気はかき消され、太陽を喰らうものの巨躯が照らしだされた。
「グオオォォォッ……?! なんだ、この光は……ッ!!」
邪竜の全身に激痛が走り、堪らず絶叫がほとばしる。『昏き闇夜の力』を掌握した彼にとって、この光は決して相容れぬもの。存在そのものを断罪するが如き神威に晒されて、帝竜の威厳も忘れてのたうち回る。
「シャウエン、あなたのくれたヤドリギの加護が、わたくしに更なる力を与えてくれる」
ヘルガの聖歌が強大なる帝竜相手にこれだけの効果を及ぼせたのは、決してひとりの力ではない。彼女はそっとヤドリギ使いの少女の手に触れると、慈しむように握りしめる。
「一人では不安と恐怖に萎れてしまう心も、手を取り合い、支え合えばより強くなれる」
「わかります。私にも力があふれてきますから」
シャウエンが敵から負った傷も、いつの間にか痕すら残さずに治癒している。重なり合うことで強さを増す|太陽《いのち》の輝き。その光が照らす先に限界などないと、今ならば確信できる。
「守って見せる。この命の輝きは誰にも消させないわ」
「クソッ……その耳障りな歌を……目障りな光を……やめろおォォォォッ!!!」
シャウエンに貰ったローブを歌姫のドレスとし、主への祈りと生命への讃歌を高らかに歌い上げるヘルガ。太陽を喰らうものの苦悶の絶叫も、その歌声を消すことはできない。
昏き闇夜に覆われた|日蝕帝国《イクリプス》に、夜明けの時が迫りつつあった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
空桐・清導
【討伐隊】
POWで挑む
アドリブも大歓迎だ
「やるぜ、バルタン!サライ!
さあ、勝負だ!太陽を喰らうもの!!」
まき散らされる瘴気に顔を顰めるが、
[気合い]で体勢を立て直す
「命とは尊く守りたいもの!
それを守る事こそが、オレの戦う理由だ!
ヒーローの輝き、しかとその目に焼き付けろ!!」
オーラを全開にして[力を溜める]
サライの援護を受けながら、攻撃を受け流す
「お前は時間が過ぎる毎にで力を失う!
オレはこの瞬間を待っていたんだ!」
UCを発動して全力で激突
「オレは1人で戦ってるんじゃない!
それが、お前の敗因だ!!やるぜ、みんな!
必殺!クロス・オーバーインパクト!!」
[限界突破]してバルタンや猫達と共に拳を叩き込む
木々水・サライ
【討伐隊】 POW
背中は任せな、清導、バルタン。
お前らの後ろに奴さんは立たせねェよ。
先にUC【精霊猫ライダー・チビサライ軍団参上!】を発動。
時間経過までは真・黒鉄刀と真・白銀刀で2回攻撃と部位破壊を叩き込む。
回避の時は真・黒鉄刀から溢れる闇を用いて、闇に紛れると残像を使うぞ。
清導とバルタンの状況次第だが、やばそうならそっちに出向いて盾にもなってやるさ。
時間経過でチビ共と精霊猫が召喚されたら、
|太陽《いのち》の輝きがコイツらであることを宣言する。
俺を支え続けてくれたチビ共は、俺の太陽と言っても過言じゃねェ。
精霊猫! 清導、バルタンを援護しろ!
チビ共、2人に続け!!
俺達の絆を見せつけてやれェ!!
バルタン・ノーヴェ
【討伐隊】POW
アドリブ連携歓迎!
お任せくだサイ、清導殿!
帝竜退治の開始デース!
サライ殿、背中はお任せしマース!
ワタシたちの太陽の輝きを見せつけて、一気に叩きマショー!
高速で飛翔するアナタに相応しいUCはこれデース!
「骸式兵装展開、剣の番!」
羅針盤戦争にて鎬を削り、骸式兵装の起動の切っ掛けとなった強敵の力を借りて!
高速機動で白兵戦を挑みマース!
我輩の|存在証明《レゾンデートル》は戦闘活動!
良き相手とのバトルを楽しみ、糧として成長する!
それがワタシの、私の輝きだ!
清導殿の渾身の拳に合わせて、チェインハンマーに換装!
精霊猫やチビサライ殿たちと連携し、挟んで叩くぞ!
必殺、クロス・オーバーインパクト!
「やるぜ、バルタン! サライ!」
「お任せくだサイ、清導殿! 帝竜退治の開始デース!」
「背中は任せな、清導、バルタン」
帝竜『太陽を喰らうもの』討伐のために、三人の猟兵が|日蝕帝国《イクリプス》に集う。彼らの名は空桐・清導(ブレイザイン・f28542)、木々水・サライ(|白黒猫使い人形《モノクローム・ドール》・f28416)、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)。いずれも経験を積んだ歴戦の戦士達だ。
「さあ、勝負だ! 太陽を喰らうもの!!」
「フン。小さき|太陽《いのち》が何匹群れようが、我が力に敵うものか……!」
三人を代表して清導が宣戦布告すると、太陽を喰らうものは咆哮と共に「悪意の瘴気」を放つ。|太陽《いのち》に対する憎悪と怨念が具現化したそれは、ただ近寄るだけでも生命体を侵蝕する。
「命とは尊く守りたいもの! それを守る事こそが、オレの戦う理由だ!」
清導はまき散らされる瘴気に一瞬顔を顰めたものの、それを振り払うように大きな声で叫ぶ。この胸の奥で燃え盛る|太陽《いのち》の輝きは、こんなもので消されはしない。気合いで体勢を立て直した彼の身体からは、炎のようなオーラが立ち上っていた。
「生意気な小僧めが! 力の差を思い知れ!」
その姿にますます怒りを滾らせた太陽を喰らうものは、『昏き闇夜』を放出して空中に舞い上がる。あっという間にその速度は音速を突破し、目で追うことも困難な域に到達。
竜たるものに小細工は要らず。後はただ、その身を武器として全力で突撃するだけで、全てを打ち砕く【暴虐の蹂躙】を引き起こすのだ。
「サライ殿、背中はお任せしマース!」
「おう。お前らの後ろに奴さんは立たせねェよ」
高速で旋回する帝竜に対して、真っ先に前に出たのはバルタンだ。黒鉄と白銀の二刀を構えたサライに背を守られながら、発動するのは【模倣様式・八艘飛び】。過去に交戦した強敵の記録を基に、骸の海から戦闘用データを抽出する。
「高速で飛翔するアナタに相応しいユーベルコードはこれデース! 骸式兵装展開、剣の番!」
羅針盤戦争にて鎬を削り、「骸式兵装」システム起動の切っ掛けともなった、七大海嘯『邪剣』ピサロ将軍。その姿を模した形態に変形した彼女は、空中すらも足場とした超高速機動で太陽を喰らうものに迫る。
「ワタシたちの太陽の輝きを見せつけて、一気に叩きマショー!」
射撃攻撃の使用を不可とする代わりに、機動力と白兵戦刀能力に特化したバルタンは、敵の飛行速度にも追随する。そして縦横無尽な『八艘飛び』の動きから繰り出される「ファルシオン風サムライソード」の斬撃は、頑健な帝竜の肉体にも傷を付けた。
「何匹来ようが同じ事と言っているッ!!」
だが、負傷度が上がったことで太陽を喰らうものの力は強化され、『昏き闇夜』の放出が勢いを増す。皮肉なことに、自らに傷を負わせられるほどに強大な敵と対峙した時にこそ、彼の力は最大限に高まっていくようだ。
「落ちろ、小蝿がッ!」
「ッ! やるじゃないデスか!」
さらなる加速を遂げた帝竜の突撃が、受け太刀ごとバルタンを弾き飛ばす。太陽を喰らうものは即座に旋回して追撃を叩き込もうとするが――その軌道にサライが割って入る。
「おっと、やらせねえぞ」
「身の程知らずがぞろぞろとッ! ならば貴様から始末してくれるわ!」
構わず突撃する太陽を喰らうものに対し、サライは「真・黒鉄刀」から溢れる黒き闇を用いて暗幕と残像を作りだす。これで一瞬でも敵がこちらを見失ってくれれば御の字だ。
「ぬぅッ……手応えがないだと?」
闇に巻かれた太陽を喰らうものが、残像を蹂躙した直後。紙一重で突撃を躱したサライは、すれ違いざまに二刀を振るう。闇を纏いし真・黒鉄刀と光を放つ「真・白銀刀」、父と母より受け継いだ形見の刃が、帝竜の翼を切り裂いた。
「一枚くらいは貰っていくぜ」
「グオッ?! よ、よくも我が翼に傷を!」
これによって太陽を喰らうものの速度は若干減少したが、その怒りはいや増すばかり。
『昏き闇夜』の放出量から見ても、その力が弱まる気配は今だにない。(もう暫くか)とサライは何かを待っている様子で、頭の中で秒数を刻みながら刀を構え直した。
「全ての|太陽《いのち》はやがて滅ぶ! 我が闇夜の前に滅びるのだ! 愚か者共よ、何故それが分からぬ!」
「言っただろう! それを守りたいから、オレは戦うんだ!」
抗い続ける|太陽《いのち》の勇姿に激昂し、触れるもの全てを傷つける勢いで暴虐を奮う太陽を喰らうもの。その暴威にたじろぐ事もなく、清導はオーラを全開にして言い返した。
「喧しい、喧しいわぁッ!!」
「清導!」
「ああ!」
「続きマース!」
超高速で襲い掛かる爪と牙、翼に尾。全身凶器に等しい帝竜の猛攻を、清導はサライの援護を受けながら二人がかりで受け流す。拳と刀で敵の突撃軌道が逸れたところに、空中からバルタンが強襲を仕掛ける――互いの呼吸を合わせた見事なコンビネーションだ。
「おのれぇぇ……グゥッ!?」
徐々に負傷を積み重ねられながらも【暴虐の蹂躙】を続けようとする太陽を喰らうものだが、ある瞬間を境に動きが急に鈍り始める。憎悪の赴くまま放埒に『昏き闇夜の力』を奮っていた彼に、ついに限界が訪れたのだ。
「お前は時間が過ぎる毎に力を失う! オレはこの瞬間を待っていたんだ!」
ここにいる猟兵達の中で、かの帝竜の隠されていた弱点を知らぬ者はいない。絶対的な破壊者かに思われた者が、自らの力に耐えきれなくなった時。清導は溜め込んできた力を一気に解放して【サンシャイン・フレア】を発動した。
「ヒーローの輝き、しかとその目に焼き付けろ!!」
清導の全身からあふれ出す紅蓮の炎。それは太陽の光と熱を吸収したものであり、共に戦う者や護るべき者たちから受け取った想いを束ねたもの。太陽を喰らうものが最も忌み嫌う、|太陽《いのち》の輝きそのものだった。
「いいタイミングだ。こっちも来たぞ」
時を同じくしてサライの元には、自身をデフォルメしたような見た目の「チビサライ」の集団が、可愛らしい精霊猫に乗ってやって来る。事前に発動していた【精霊猫ライダー・チビサライ軍団参上!】が、時間経過により効果を発揮したのだ。
「俺を支え続けてくれたチビ共は、俺の太陽と言っても過言じゃねェ」
召喚されたチビサライと精霊猫を並べて、サライはコイツらこそが自分にとっての|太陽《いのち》の輝きであることを宣言する。猫は可愛く、そしてチビ達も可愛い。すなわち最強、勝ったも同然。一分の隙もない完璧な論理である。
「ワタシも丁度体があったまってきたところデース!」
二人の準備が整ったのを見て、バルタンも装備をサムライソードからチェインハンマーに換装。本来はキャバリア用に開発された鎖付きの巨大鉄球を、腕部に装着してブオンと振り回しながら空を翔ける。
「精霊猫! 清導、バルタンを援護しろ!」
反撃の狼煙を上げたのはサライの号令。可愛い精霊猫の群れが、『『『ふぐるにょわー!』』』と鳴いて、自分達の何倍もデカいドラゴンに勇敢に飛びつき、牙でかじりつく。
「ッ、ええい、鬱陶しいわ……!!」
猫達の攻撃を太陽を喰らうものは尾や翼で払いのけようとするが、見た目以上に彼らはすばしっこくて手強い。本命となる二人の攻撃を通すには、十分すぎる隙を生むほどに。
「挟んで叩くぞ、清導殿!」
「わかった、バルタン!」
八艘飛びで空を翔けるバルタンと、炎を纏い地を駆ける清導。一気呵成に猛進する二人には、太陽を喰らうものから放出される悪意の瘴気もまるで効いていない。あまねく命を蝕む闇さえも凌駕する、|太陽《いのち》の輝きが彼らにはあるからだ。
「何故だ……何故倒れぬ! 何故貴様らの輝きは消えぬ!」
「我輩の|存在証明《レゾンデートル》は戦闘活動! 良き相手とのバトルを楽しみ、糧として成長する!」
愕然とする帝竜の問いに、いつもとは違う真面目な口調でバルタンが答える。人生を戦場に費やし、死線の狭間で生命を燃やすことを生業とする彼女にとって、今この時、この瞬間もまた、さらなる成長を遂げる好機であった。
「それがワタシの、私の輝きだ!」
「我を糧とするなど……思い上がるなぁッ!!」
眩き|太陽《いのち》の輝きを前に、太陽を喰らうものは己の誇りにかけて立ち上がらんとするが――精霊猫達に噛みつかれた傷、これまでの戦闘による度重なる負傷、そして『昏き闇夜の力』の濫用。全ての要因が彼の動きを止める。
「チビ共、2人に続け!!」
そこにサライが向かわせたチビサライ達も、ちまこい黒鉄刀を振りかざして連携する。
三者三様に証明した輝きは、今ここに一つとなり、太陽よりも熱く激しく戦場を征く。
「オレは1人で戦ってるんじゃない! それが、お前の敗因だ!! やるぜ、みんな!」
「了解! 骸式兵装、出力最大!」
「ああ! 俺達の絆を見せつけてやれェ!!」
燃え盛る炎を纏った清導の拳が。八艘飛びで叩きつけられるバルタンの鉄球が。サライの可愛いチビ共の黒刀が。寸刻の狂いもないタイミングで、敵の一点に叩きつけられる。
「「「必殺! クロス・オーバーインパクト!!」」」
爆熱、圧砕、斬撃。三人の猟兵による渾身の攻撃は、過たず太陽を喰らうものを捉え。
その衝撃の余波は上空から雲を吹き飛ばし、大地を抉り――そして、竜の絶叫が大陸中に響き渡る。
「グ、ゴアアァァァァァァッ!!!!?!」
かつて敗北した太陽よりも、なお熱く、強く、激しい生命の力を受け、さしもの邪竜も無事ではいられず。黒く濁った血を撒き散らしながら、どうと勢いよく大地に墜落する。
太陽を喰らうものが再び骸の海に還る時、そして|日蝕帝国《イクリプス》陥落の時は、着実に迫りつつあった――。
大成功
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国栖ヶ谷・鈴鹿
◎アドリブ連携OKです
ヨナ、阿穹羅、ペンギン🐧クルー、紅路夢、ぼくがあの竜からみんなを守る。
だから、この光をこの船全体に!
ユーベルコヲド、ハイカラさんは止まらない!
……ぼくたちはこの世界を飛ぶこと、そしてそこで得た思い出をたくさん思い出す。
空を飛ぶ鯨の島や、甘い雹の降る島での出来事、そして……ヨナに宿る、初めての天使核を手に入れたあの日の事……。
思い出に耽りながら遊覧飛行する……輝くまま太陽のように。
……そろそろ時間切れだろう?
マッハ1も出てないんじゃない?そのユーベルコヲド。
太陽を喰らっても、本質の闇を喪った時点で、君はもう負けているんだ。
(自分の超機械群からの一斉射で貫いていく)
「ヨナ、阿穹羅、ペンギンクルー、紅路夢、ぼくがあの竜からみんなを守る」
自らが発明した超機械の数々に、そう言って呼びかけるのは国栖ヶ谷・鈴鹿(命短し恋せよ乙女ハイカラさん・f23254)。敵の瘴気が全ての生命を蝕むというなら、非生物の機械は対象外だろう。仮にそうでなかったとしても、大事な皆を傷つけさせたりしない。
「だから、この光をこの船全体に!」
ユーベルコヲド【ハイカラさんは止まらない】。彼女の体から溢れ出した激しい光が、ソラクヂラ型航空巡航艇「ヨナ」の船体を包み込んでいく。外部の者にもはっきりと見えるくらい強く、明るく、輝かしく。
「グウゥッ……なんだ、あの舟は……?」
それは当然、地に叩き落された「太陽を喰らうもの」からも、視認することができた。
空飛ぶ鯨を意匠した光り輝くスカイクルーザーから、1人の少女の声が聞こえてくる。
「……ぼくたちはにこの世界を飛ぶこと、そしてそこで得た思い出がたくさんある」
鈴鹿が最初にブルーアルカディアを訪れてから、もうどれくらいの時が経っただろう。
幾つもの浮遊大陸を渡り、心躍る冒険の数々と、屍人帝国との戦いを経験し。その中で手に入れてきたものは、手に収まりきらないくらいある。
「空を飛ぶ鯨の島や、甘い雹の降る島での出来事、そして……ヨナに宿る、初めての天使核を手に入れたあの日の事……」
この空での旅路がなかったら、この船だって造ることはできなかった。心の中にある冒険日誌のページを捲って、鈴鹿は楽しい思い出に耽りながら|日蝕帝国《イクリプス》上空を遊覧飛行する――これこそが自分の生きてきた軌跡の証明だと、輝くまま太陽のように。
「やめろ……そのような醜い光で、我が帝国を照らすな……!」
嫌悪と怒りを露わにして、太陽を喰らうものは翼を広げ、その輝く船に襲い掛かった。
超重力を帯びた黒爪による、超音速の【グラビティ・クラッシュ】が叩きつけられる。だが、巨鯨すら真っ二つにするであろう一撃を受けても、ヨナの船体には傷ひとつない。
「なぜだッ、なぜ墜ちない?!」
思い出に耽るという非戦闘行為に没頭している間、鈴鹿のユーベルコヲドは外部からの攻撃を全て遮断する。その作用は彼女の乗船にも及ぶようで、太陽を喰らうものが何度爪を突き立てようとしても、後光の輝きによって弾かれてしまう。命を蝕む悪意の瘴気も、船内にいる鈴鹿の元にまでは届いていない。
「……そろそろ時間切れだろう? マッハ1も出てないんじゃない? そのユーベルコヲド」
「グッ……!!」
同時に、太陽を喰らうものの身体に限界が近付きつつあることも彼女は見抜いていた。
身に余る力の濫用は、必ず本人の身に災いとして返ってくる。叙事詩に曰く、太陽を呑んだ暗黒の邪竜神は、一時は無限の力を得たものの、その力を行使すればするほど纏った闇が衰えていったという――それは今の帝竜の姿そのものだ。
「太陽を喰らっても、本質の闇を喪った時点で、君はもう負けているんだ」
敵の力が弱まったところで鈴鹿は【ハイカラさんは止まらない】を解除し、ヨナに積載した全ての超機械群による一斉攻撃を開始する。これまで彼女に守られてきた全ての機械が、兵器としての唸りを上げる。
「馬鹿な……馬鹿なぁぁぁぁぁッ!!!!」
空飛ぶ鯨にペンギン型クルー、白銀のキャバリア、赤銅のフロヲトバイ。乙女の頭脳とテクノロジヰの結晶から一斉射撃を受けて、太陽を喰らうものは絶叫と共に墜ちていく。
その身に纏う闇の瘴気は、伝承のように酷く衰え、往時の威厳はすでに無かった――。
大成功
🔵🔵🔵
ロラン・ヒュッテンブレナー
ハロちゃん(f13966)と巨竜を討ちに来たよ
あれが「太陽を喰らうもの」?
この距離で見てるだけで、削られてる気がするの
ハロちゃん、いけそう?
間合いに長く留まるのは危険なの
ぼくが防御するから、一気に近づこ?
結界を多重に張って瘴気に対応・・・・・・、だめ、結界を侵食してるっ!
まずい、せめて攻撃は防ぐのっ!
う、ぐ・・・、強い・・・
でも、ここで負けられないの
果たしたい夢があるから
でも、その前に、守りたい人がいるの
たとえ、ぼくの長くない命でも、一緒に生きていきたい人がいるから・・・
ただで勝たせてくれないなら、もう一つ、記憶も、賭けてあげる
掌に魔導書「子狼の軌跡」を喚び出して浮かばせ、項を開くよ
大事な記憶を代償に、大人の姿になるよ(以下口調変化)
ハロ?そうだね、どんな困難も、共に戦って打ち勝つ
破滅にも運命にも挑む、この命の燃える様を見せつけよう
ハロの剣を共に握り、天狼の魔剣ルプスを纏わせる
ぼくの魔力、この一太刀に預ける
魔を退ける破邪結界の浄化の力、限界突破の全力魔術で、真っ向勝負!
汝、狐狼の巨剣!
ハロ・シエラ
ロランさん(f04258)と共に竜を討ちに来ました。
確かにこれは強いですね、対峙しただけで分かります。
ええ、太陽を喰らうとはよく言ったものですね。
ですが、二人ならいけるでしょう。
ロランさんの結界術の力を借り、一気に近付いて片を付ける……と言う作戦でしたが、その結界が侵食されるとは。
このまま私を守らせていてはロランさんの方が危ない、一度退いて態勢を立て直さなければ。
戦うにしても逃げるにしても危険な状況、このまま退却する方がまだ生き残る可能性は高いか……いえ、この魔術。
どうやらロランさんは諦めていない様です。
ええ、そうですね。
私もあなたを守り、夢を叶えさせてあげたい。
ならば共に戦いましょう、命を懸けて。
彼に合わせ、真の姿となります。
この姿であれば、大人になったあなたと共に剣を振るう事も出来るでしょう。
さあ、迫り来るあの竜に見せてやりましょう。
未来へと向かう私達の命の輝きを。
昏き闇夜を祓う【浄化】と【破魔】の力と全てを【切断】する二人の剣で……真っ向勝負!
汝、狐狼の巨剣!
「あれが『太陽を喰らうもの』?」
「確かにこれは強いですね、対峙しただけで分かります」
眼前に立ちはだかる漆黒の邪竜を見上げる、ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)とハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)。両者とも年若いながらも多くの実戦を積んできた猟兵だけに、相手の実力は即座に理解できる。戦場に立ち込める「悪意の瘴気」が、こうしている瞬間も彼らの生命を蝕んでいた。
「この距離で見てるだけで、削られてる気がするの。ハロちゃん、いけそう?」
「ええ、太陽を喰らうとはよく言ったものですね。ですが、二人ならいけるでしょう」
彼らはただの傍観者ではない。あの竜を討つためにここに来たのだ。互いに顔を見合わせ、準備と作戦に問題がないことを確認すると、二人は共に前線へと駆け出していった。
「脆弱で、小賢しく、醜い|太陽《いのち》が……何度、我の前に立ちはだかる……!」
これまでの激戦を経て、太陽を喰らうものは相当のダメージを負っている。だが、傷を負うごとに彼の|太陽《いのち》に対する憎しみは深まり、膨大な『昏き闇夜』が瘴気と共に放出されていく。この世から全ての生命を駆逐するまで、その悪意は止まる事を知らぬだろう。
「間合いに長く留まるのは危険なの。ぼくが防御するから、一気に近づこ?」
「わかりました。お任せします」
接近するほどに増す脅威を肌で感じながら、ロランは自分とハロを包むように防御結界を展開。多重に張ることで瘴気に対応しようとするが――帝竜の悪意に触れた瞬間、結界は外の層からボロボロと剥がれ落ちていく。
「……だめ、結界を侵食してるっ!」
「そのような小細工で、阻めるとでも思ったかッ!!」
予想を超える瘴気の強力さに、ロランは慌てて結界を張り替えるが、そこに太陽を喰らうもの自身が猛スピードで突撃してくる。猟兵が持つ旺盛な生命力を標的としたそれは、負傷による消耗など感じさせない迫力があった。
「まずい、せめて攻撃は防ぐのっ!」
「ロランさん……!」
前面に結界の魔力を集中させ衝突に備えるロラン。その様子を息を呑んで見守るハロ。
必死に抵抗する|太陽《いのち》を嘲笑うかのように、【暴虐の蹂躙】が激突し――二人の猟兵は後方に大きく吹き飛ばされた。
「う、ぐ……、強い……」
ギリギリで耐えたものの、この一撃で防御役のロランが受けたダメージは大きかった。
多重結界は全層に損傷を受け、本人も額からポタポタと血が滴り落ちる。もう一度同じ攻撃を食らったら、今度こそ無事でいられる保障はなかった。
(ロランさんの結界術の力を借り、一気に近付いて片を付ける……と言う作戦でしたが、その結界が侵食されるとは)
一方のハロの負傷は比較的軽かったが、状況の悪さは彼女も認識していた。決して侮っていた訳ではないものの、敵の力は想定以上だったと言わざるを得ない。当初考えていた作戦を、完全に力業で覆されてしまった。
(このまま私を守らせていてはロランさんの方が危ない、一度退いて態勢を立て直さなければ)
戦うにしても逃げるにしても危険な状況、このまま退却する方がまだ生き残る可能性は高いか――と、冷静に善後策を練るハロ。だが、撤退を提案するために声をかけようとした時、彼女はロランの口元が微かに動いているのに気付く。
(……いえ、この魔術。どうやらロランさんは諦めていない様です)
小柄な身体からあふれ出す魔力。それは徹底抗戦の意思の表れだった。窮地に立たされてもなお、少年の瞳はまっすぐに前だけを見て、倒すべき敵を睨んでいる。諦めるのはまだ早いと、魂が、|太陽《いのち》が、全身で訴えていた。
「ここで負けられないの。果たしたい夢があるから」
掌の上に竜胆色の魔導書を呼び出し、宙に浮かばせ、頁を開く。少年が語るのは大切な想い、生きるための希望。人狼の病に侵された、先の短い一生の中で、それでも叶えたいものが彼にはあった。
「でも、その前に、守りたい人がいるの。たとえ、ぼくの長くない命でも、一緒に生きていきたい人がいるから……」
夢が明日の希望なら、出会いは今を生きる礎。13年の人生で巡り会えたこの奇跡を、決して手放さない為に。守り抜くという意志は、立ち向かう勇気を少年に与えてくれる。
「ただで勝たせてくれないなら、もう一つ、記憶も、賭けてあげる」
命掛けだけで足りないのならと、ロランは自らの記憶を代償に|超克《オーバーロード》へと至る。魔導書「子狼の軌跡」に記された想い出の写真がパラパラと捲れていき、項から溢れ出した魔力が少年を大人の姿に変えていく。
「なんだ、貴様……その姿に、その力は……?!」
傷だらけの人狼の魔力が急激に高まっていくのを感じ取り、太陽を喰らうものが驚愕の声を上げる。生命を蝕む悪意の瘴気も、今のロランを侵食することはできない。結界よりも強力な|生命《いのち》の輝きが、昏き闇夜を押しのけていく。
「ええ、そうですね。私もあなたを守り、夢を叶えさせてあげたい」
ロランの決意を聞いたハロも、その言葉に深く頷き、剣を取る。小さな身体にたくさんの想いを抱えて生きるこの少年の事を、彼女もまた大切に想っていた。光はまだ夢のなか――けれど、夢のままでは終わらせない。いつの日か必ず、希望に手は届く。
「ならば共に戦いましょう、命を懸けて」
彼に合わせるように少女もまた|超克《オーバーロード》に至り、成長した姿に変化を遂げる。愛剣「リトルフォックス」を手に携え、凛と立つ姿は美麗。背伸びしがちな普段の振る舞いとも違って、その佇まいには落ち着きさえ感じられた。
「この姿であれば、大人になったあなたと共に剣を振るう事も出来るでしょう」
「ハロ?」
美麗の女剣士は人狼の青年魔術師と並び立ち、細剣の切っ先を敵に向けて突きつける。
その意図を察すれば、魔術師も彼女の剣を共に握りしめ、自身の魔力を重ね合わせる。
「さあ、迫り来るあの竜に見せてやりましょう」
「そうだね、どんな困難も、共に戦って打ち勝つ」
剣型に形成した破邪の結界――天狼の魔剣【ルプス】を纏わせる事でリトルフォックスは巨大化し、清浄な蒼き光に包まれる。寄り添い合うふたりの手の中で、その輝きはどこまでも強まっていき。
「未来へと向かう私達の命の輝きを」
「破滅にも運命にも挑む、この命の燃える様を見せつけよう」
互いを信頼しあい、全ての力を合わせた両名の宣言が、悪意の瘴気を消し去っていく。
太陽を喰らうものにとって、それは忌まわしき|太陽《いのち》の輝き。だのに、何故だ――あの二人から目を逸らすことができないのは。
「我が、恐れているというのか? あの者達の輝きを……ありえぬ、そんな事は!!」
動揺を振り払うかのごとく帝竜は咆哮し、前回にも勝るほどの『昏き闇夜』を放って、全速全力の突撃を仕掛ける。対する二人も、もう身を守りはしない。
「ぼくの魔力、この一太刀に預ける」
「私の全力を、この剣に乗せます」
ロランの限界を超えた魔術の技、ハロの全てを切断する剣の技、そして魔を退ける浄化と破魔の力。これら全てをただ一振りに込めてふたりは突進していく。猛然と迫る太陽を喰らうものとの、真っ向勝負だ。
「地を駆け天に舞う狼、月光の力を得て、顕現せよ……!」
「剣よ、新たな姿を見せなさい。その名は……!」
【魔導剣技:天狼疾駆】と【魔導剣技:鳴狐】。この2つのユーベルコードは、ふたりが協力して同時に放つ時にこそ真価を発揮する。燦然と輝く生命と魔力の煌めきは、身の丈を超えるほど巨大な刀身を形成し――ふたりはその銘を高らかに唱える。
「「汝、狐狼の巨剣!」」
嘶く妖狐と駆ける天狼の魔剣が、昏き闇夜を斬り祓い、太陽を喰らうものを断ち斬る。
――刹那の交錯の後、立っていたのはふたり。そして、地に崩れ落ちたのは竜だった。
「馬鹿、な……ぁッ!!!!」
漆黒の巨躯より吹き出した鮮血は大地を赤く染め、愕然とした絶叫が戦場に響き渡る。
夢を抱き、共に生きる。|太陽《いのち》が持つ尊さと無限の可能性が、この結果を導いたのだ。
大成功
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リーヴァルディ・カーライル
…確かに私独りの力では、お前の瘴気に抗えなかったかもしれない
…だけど無駄よ。この力は、この光は、私だけが生み出しているものではないもの
…解らぬと云うならば、その眼を見開いてとくと見るがいい。これが世界を紡ぐ|太陽《生命》の輝きよ!
これまでの依頼で左眼の聖痕に取り込んだ無数の霊魂を暗視してUCを発動
魂達と精神の同調を行い敵の瘴気を限界突破した青光のオーラで防御する
…今一度、問うわ。魂になってもなお私に付いてきてくれる英霊達よ
…この縁もゆかりも無い異界の地にて、貴方達は何を願う?その心に何を望む?
…貴方達の力を貸してほしい。怒りでも、憎しみでもない。この世界の未来の為に…!
大鎌に無数の霊魂を降霊して「全てを統べるもの」に武器改造を施して魔力を溜め、
敵UCの突撃を怪力任せに大剣なぎ払う闇属性攻撃のカウンターで迎撃する
…力を使えば使うほど弱体化する、か。ならば、もう暫くお前の滅びの運命に付き合うわ
…その爪と牙だけを頼りとする脆弱さ故に、お前は私達のように己の限界を越える事ができなかったのよ
「……確かに私独りの力では、お前の瘴気に抗えなかったかもしれない」
戦場に立ち込める「悪意の瘴気」の中で、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)はそう言った。命ある全てから肉体と魂を冒す、この恐るべき呪いの前では、ただの術理や技能による抵抗は無意味に等しい。
「……だけど無駄よ。この力は、この光は、私だけが生み出しているものではないもの」
彼女の左眼に刻まれた聖痕。そこから溢れ出る青い光が、闇色の瘴気を遠ざけている。
淡くも決して消えることのない光。それを灯しているのは魔力でも神の奇跡でもない、純然たる人の魂だった。
「なんだ、貴様……その忌々しい光は、どこから沸いて出ている……!」
「……解らぬと云うならば、その眼を見開いてとくと見るがいい。これが世界を紡ぐ|太陽《生命》の輝きよ!」
動揺する「太陽を喰らうもの」の目の前で、リーヴァルディは【代行者の羈束・断末魔の瞳】を発動。これまでの戦いや冒険の中で聖痕に取り込んだ、無数の霊魂の力を借りて青光のオーラを身に纏う。
「ッ……! あの小娘1人から感じる、|太陽《いのち》の気配は……何十、いや何百……!?」
この霊達はみな吸血鬼や闇の種族の犠牲者であり、果たされぬ未練や怨みを晴らす為に聖痕に吸収される事を同意した者達。言わば、闇夜に踏み躙られた生命の残り火である。
「……今一度、問うわ。魂になってもなお私に付いてきてくれる英霊達よ」
身に纏う青光で瘴気をはね退けながら、リーヴァルディは死者に問いかける。この状態であってもなお、魂は1人1人が意志を持っている。強引に力を引き出そうとするだけでは、その真価を発揮させることはできない。
「……この縁もゆかりも無い異界の地にて、貴方達は何を願う? その心に何を望む?」
彼女らの故郷は闇に覆われた地底世界。雲海の上にある蒼穹世界、ブルーアルカディアとは真逆とさえ言える。猟兵であるリーヴァルディはまだしも、霊魂達にこの世界を守るために戦う理由は、本来なら無いはずだった。
『……闇が、また生命を奪おうとしている』『これ以上、私達のような犠牲はいらない』
だが。眼前にそびえ立つ「太陽を喰らうもの」の異形を、リーヴァルディの瞳を通して見た魂は同じ意志を抱いた。たとえ異世界であっても、か弱き生命を虐げる|闇の種族《オブリビオン》がいるのなら、それは等しく彼らの敵だ。
「……貴方達の力を貸してほしい。怒りでも、憎しみでもない。この世界の未来の為に……!」
|破滅《カタストロフ》の危機に晒された世界に救済を、と呼びかけるリーヴァルディの精神に、霊魂達の精神は完全に同調した。生者と死者の魂の共鳴がもたらす光は、闇夜を覆すほどに強くなり、悪意の瘴気を完全に祓い散らす。
「えぇい、忌々しいッ! 脆弱な|太陽《いのち》が幾ら群れようが、我が爪と牙で全て喰らい尽くしてやるまでよ!」
目前にて輝く光に殺意を向けて、太陽を喰らうものは【暴虐の蹂躙】を発動。『昏き闇夜の力』を放出することで猛烈な加速を行い、形振り構わない突進攻撃を仕掛けてくる。
「……この輝きを、簡単に喰らえるとは思わないことね」
対するリーヴァルディは黒き大鎌"過去を刻むもの"に無数の霊魂を降霊させて迎撃体制を取る。救世の誓いに応えた死者達の怨念は浄化させ、聖なる力となり――大鎌は青き光を纏う聖剣に。最大解放形態である「全てを統べるもの」へと変形を遂げた。
「……力を使えば使うほど弱体化する、か。ならば、もう暫くお前の滅びの運命に付き合うわ」
太陽を喰らうものの突撃に合わせて、リーヴァルディは力任せに剣をひと振り。相手の牙とかち合わせることで強引に軌道を逸らし、難を逃れる。敵はすぐさま旋回して再突撃を仕掛けてくるが――それに初撃ほどの勢いはない。
「おのれぇ……ッ!!」
度重なる『昏き闇夜の力』の濫用により、太陽を喰らうものは限界を迎えつつあった。
力を振るうほどに弱まっていったという、かつての敗北をなぞるように。オブリビオンである彼に、己の過去を乗り越えることはできない。
「……その爪と牙だけを頼りとする脆弱さ故に、お前は私達のように己の限界を越える事ができなかったのよ」
数多の|太陽《いのち》の輝きを束ね、自分一人では成し得なかった力を手に、リーヴァルディは渾身の力で「全てを統べるもの」を振るう。その一撃は我武者羅な敵の突撃にカウンターを合わせる形となり――相対する力によってさらに威力を増す。
「グガアアァァァァァッ!!!!?!」
自慢の牙は折れ、爪は砕け。深々と斬り伏せられた太陽を喰らうものの絶叫が轟く。
未来を照らす光の前に、過去の闇は退くのみ。信念を背負った少女と英霊達の意志は、帝竜の怨念を遥かに勝っていた。
大成功
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ヴィクトリア・アイニッヒ
……この邪悪な気配。光を厭い、命を喰らわんとする傲慢な振る舞い。
予知や事前の情報でそうとは理解していましたが……やはり、我が仇敵『太陽を喰らう者』とその根本を同じくする存在ですか。
そうと知れば、立たねばなりません。
無念に散った人々の為、世界の未来の為。
……私と同じ思いをする者を、増やさぬ為。
『帝竜』太陽を喰らうもの。主に代わりて、討ち果たします!
・悪意の瘴気対策
奉じる神、太陽神へと誓いを立てる。
一つ。これは、鎮魂の為の戦いである。
一つ。これは、世界の未来の為の戦いである。
そして、一つ。この戦いは、復讐に非ず。私と同じ無念の想いを抱く者を生まぬ為の、戦いである。
太陽神の信徒として、この誓いに恥じぬ戦いを。
……それこそが、あの国で唯一生き残った私の魂の輝きです。
その誓いと共に、真の姿を展開。光の翼持つ戦女神の姿に変じ、蹂躙に対処します。
昏き闇夜を掻き消す太陽の神気と共に斧槍を振るい、敵の激突をいなし、消耗を強いて……必殺の一突きを入れるタイミングを伺います。
「……この邪悪な気配。光を厭い、命を喰らわんとする傲慢な振る舞い」
これまで|日蝕帝国《イクリプス》関連の事件を予知し続け、|強襲作戦《ファーストアタック》の依頼も行ったヴィクトリア・アイニッヒ(|陽光《たいよう》の信徒・f00408)は、自分の目で改めてその竜の姿を見る。
「予知や事前の情報でそうとは理解していましたが……やはり、我が仇敵『太陽を喰らう者』とその根本を同じくする存在ですか」
名は同じなれども姿形が異なるのは、叙事詩に伝えられていた"昏き闇夜の神"との同化による影響だろうか。骸の海で『何か』と融合した事で、かの邪竜は恐るべき力を手に入れた。あれはもはやヴィクトリアだけではない、この世の全ての生命にとっての敵だ。
「そうと知れば、立たねばなりません。無念に散った人々の為、世界の未来の為」
過去と今を通じて数多の浮遊大陸が、|日蝕帝国《イクリプス》の侵略により滅ぼされた。かの邪竜がアルカディアの玉座に到達する事があれば、さらなる|破滅《カタストロフ》が世界を襲うだろう。それだけは、何としても防がなければならない。
「……私と同じ思いをする者を、増やさぬ為」
そして彼女もまた、故郷をオブリビオンに滅ぼされた痛みを知っている。あの日の民のような力なき人々を護り、理不尽な暴力に抗う――この身に目覚めた猟兵の力は、きっとその為にあるのだと信じて。
「『帝竜』太陽を喰らうもの。主に代わりて、討ち果たします!」
「脆弱な|太陽《いのち》如きが……この我を討つなどと、思い上がるなァッ!!」
堂々たるヴィクトリアの宣言に、満身創痍の「太陽を喰らうもの」は罵詈雑言を放つ。
流血と共に溢れ出る悪意は、瘴気となって生命を冒す。絶体絶命の窮地に立たされた今だからこそ、かの邪竜の生命に対する憎しみは頂点に達していた。
「――一つ。これは、鎮魂の為の戦いである」
対峙するだけで怖気をふるうほどの殺意に、しかしヴィクトリアは臆する事無く、自らが奉じる神、太陽神への誓いを述べ立てる。|日蝕帝国《イクリプス》と帝竜に滅ぼされた死者の無念を晴らすために、自分はこの戦いに臨むのだと。
「一つ。これは、世界の未来の為の戦いである」
ヴィクトリアはさらに誓約を重ねる。散っていった者の想いだけでなく、今を生きる者の明日も背負う。それが|陽光《たいよう》の信徒として為すべき使命、果たすべき聖務であると。
「そして、一つ。この戦いは、復讐に非ず。私と同じ無念の想いを抱く者を生まぬ為の、戦いである」
最後となる3つ目の誓いは、己に対する戒め。眼前に立ちはだかる邪竜を討つ理由は、決して私怨によるものではなく、新たな悲劇を産まぬため。心に憎しみの陰りある者に、太陽の加護は微笑まないのだから。
「太陽神の信徒として、この誓いに恥じぬ戦いを。……それこそが、あの国で唯一生き残った私の魂の輝きです」
首から下げた「太陽の紋章」を握りしめて、ヴィクトリアが全ての誓約を終えた瞬間。
紋章より溢れ出した光が、瘴気を消し去ると同時に彼女の身体を包み込み、光の翼持つ戦女神の姿に変身させる。これこそが|超克《オーバーロード》に至った彼女の、真の姿である。
「ッ……太陽めが……またしても我の邪魔をするかッ!!」
その姿に、かつて自身が敗北を喫した勇士達を重ね合わせたか。溢れんばかりの|太陽《いのち》の輝きを喰らい尽くさんと、膨大な『昏き闇夜』が放出され――帝竜は持てる全ての力をもって、陽光の戦女神に襲い掛かった。
「今度こそ我は、全ての|太陽《いのち》を根絶やしにする! 貴様らのような矮小な者共に、躓いている暇など……!!」
「……そのような侮りが、貴方を再び滅ぼすのです」
激烈な殺意と憎悪を込めて繰り出される【暴虐の蹂躙】。黒き稲妻の如きその突撃を、ヴィクトリアは長柄の斧槍を振るっていなす。その矛先や翼から放たれる太陽の神気が、昏き闇夜をかき消していく。
「なぜだ、なぜだなぜだなぜだッ!! 昏き闇夜の力を掌握したこの我が、何故……!」
目の前にいる、たった1つの|太陽《いのち》さえも屠れない。太陽を喰らうものはなおも強く昏き闇夜の放出を行おうとするが――帝竜をもってしても身に余る力の濫用は、いよいよ限界に達していた。
「──主よ! 命を照らす、陽光の化身よ! 邪悪を灼き、命を護る為の力を!」
激戦による消耗を強いられた太陽を喰らうものの闇夜に、ほころびが生じたその瞬間。
ヴィクトリアは主への祈りを高らかに唱え、光の翼を羽ばたかせて間合いを詰めると、全身全霊を籠めた必殺の一突きを繰り出した。
「|陽光の誇りよ、邪悪を灼け《オルゴリオ・デル・ソレ・ヴルチア・イル・マーレ》!」
【|太陽の誇り《L'orgoglio del sole》】の銘を持つ斧槍の矛先が、燦然たる|太陽《いのち》の輝きを纏いて、邪竜の心臓に突き刺さる――主に代わりて邪悪を討つという、彼女の誓いはここに果たされた。
「馬鹿な……また我は、太陽に敗れるのか……そんな、馬鹿なああぁぁァァァッ!!!」
その断末魔の絶叫は、|日蝕帝国《イクリプス》全土に響き渡るほど大きく、何度も木霊して。
忌み嫌い続けた|太陽《いのち》の輝きに呑まれながら、帝竜『太陽を喰らうもの』は消滅していった。
かくして、猟兵達は六大帝国の一角、|日蝕帝国《イクリプス》を統べる者に勝利を収める。
争奪戦も終盤に迫り、アルカディアの玉座へ至る道がいよいよ開かれようとしていた。
大成功
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