銀河帝国攻略戦㉑~過去を操る者を、討滅せよ
勢いよく猟兵達のもとへと飛んできたのはファータ・カンタータ(遥か彼方の花びら・f02060)だ。
「みなさん、遂に『黒騎士アンヘル』が現れました!」
彼女はそう言いながら、猟兵一人ひとりに紙を渡していく。
「とにかく転送致します! 今すぐ準備を!」
いつになく余裕のない彼女。その紙は後で見てくださいとのことだ。
説明する時間も惜しいという。それほどまでに敵は強大なのだろうか。
彼女は言っていいのか一瞬悩むと、それでもこちらを真っ直ぐと見つめる。
「――予知は、予知にも、皆さんが出てきて、圧倒的な力で、蹂躙されてしまっていました……どうか、皆さん【しっかりと対策を立てて】ください!」
そういうと彼女はゲートを開く。
「黒騎士アンヘルさんは、次のオブリビオン・フォーミュラになる可能性が高いです。解放軍の援護はない状況ですが、この世界の未来のため、必ず撃破しなくては……!」
焦った様子のファータ。転送される場所は破壊された黒騎士配下の艦艇。
開けた場所で、そこに一人、黒騎士が佇んでいると言う。
取り巻きもいない状態であるが、それはつまり仲間を気にせず戦える状況であるということ。
「皆さんの実力をもってしても、勝率は五分といったところでしょう……」
黒騎士は『確定された過去を操る』ユーベルコードを操るという。
ただ闇雲に突撃しても、軽く往なされてしまうことは確実だ。
「どうか、どうか皆さん、ご無事で帰ってきてください……!」
ファータはゲートを開きながら祈るように言った。
苗木 葉菜
下記はファータより渡された紙です↓ リプレイ冒頭にも記載予定。
『黒騎士アンヘルは、先制攻撃を行います!
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。』
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
こんにちは。はじめましての人は初めまして。苗木です。
リプレイ執筆は遅いほうかもしれません。すみません。
普段は全採用をモットーにしていますが、今回の戦争はシナリオの成功本数が重要なため、成功度に達したらある程度のプレイングはお返ししてしまいます。
先着順ではありませんので、送れるときに送って頂けたらと思います。
どうかご理解とご了承をお願いいたします。
今回【判定はかなり厳しいです。覚悟して挑んでください】。
プレイングを書く際余裕がある人はマスターページを見てからプレイングを書いて頂けると嬉しいです。
ご同行者様がいらっしゃる場合はなるべく冒頭に【わかりやすい表記で】お願いいたします。
第1章 ボス戦
『黒騎士アンヘル』
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POW : 消えざる過去の刃
【虚空から現れる『空間に刻まれた斬撃』】が命中した対象を切断する。
SPD : 過去喰らいの三呪剣
【過去の鍛錬の経験を封じる白の呪剣】【過去の戦闘の経験を封じる黒の呪剣】【戦うに至った過去を封じる灰の呪剣】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : 記憶されし傷痕
【対象の肉体】から【過去に刻まれた傷跡や病痕】を放ち、【一度に再現され肉体を蝕む出血や疾病】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
転移前、猟兵の一人が渡された紙を見やる。
そこにはこう記してあった。
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黒騎士アンヘルは、先制攻撃を行ってきます。
その先制攻撃は『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
============================
つまり、【自分の能力に合わせた攻撃】を突入した瞬間に繰り出してくるということか。
能力別の攻撃内容も、紙には記されてあった。
この内容に対し【具体的にどう防ぎ、どのようにして反撃するか】が重要だという。
しっかりと【対策を立てていく】ことが出来なければ、攻撃すらできず終わってしまう可能性がある。それほどまでに、強力な敵。
見れば猟兵【自身の過去】を操られることがあるようだ。
この自身の過去を超越し、いかに敵に反撃するかが、今回の戦いのカギとなるだろう。
※※※また、今回のプレイングは2/17(日)8:30以降に送ってくださるのを推奨いたします。それ以前に送って頂いても採用しないというわけではありませんが、なにとぞよろしくおねがいいたします。※※※
☆☆☆
とある、破壊された艦艇。
本来なら何もないはずの空間だろう。
しかしその骸の海からどろりと立ち上がったのは、一人の騎士だった。
それは幾多もの剣を携え、漆黒のマントを翻し、深紅の眼で辺りを見渡す。
まるで、誰かが来るのをわかっているかのように。
そしてやがて、視線の先の時空が歪む。
この場所からやがて、猟兵と呼ばれる者が現れるのだろう。
そう――彼は騎士として、これらから主を護らなければならない。
『過去を操る力』を手に、彼はゆっくりと武器を構えた。
アリア・ティアラリード
連携NGでお願いします
黒騎士が『そこに在る』と言う事は、つまり既に虚空の刃は刻『まれている』と言う事
過去からの刃をソナーで探るようにその場で一閃【なぎ払い・衝撃波】を放って
刃と刃の打ち合った微かな『共鳴』を【第六感・野生の勘・聞き耳】で逃さず知覚して
消えざる過去の刃を【見切って】対策します!
そして『空間に刻んであった』過去の刃を避けつつ
無数の【残像】を残す【ダッシュ】で踏み込みつつUC発動!
UCに対して放たれる攻撃を【見切り、武器受け】しつつ
一瞬の隙を逃さず【カウンター】!【怪力・早業・二回攻撃】で致命の二重斬撃!
常に気を抜かず、第二第三の『消えざる過去の刃』に適宜【衝撃波】を放って対応です!
アリア・ティアラリード(エトワールシュバリエ・f04271)はゲートを通る前、一つの推測をしていた。
黒騎士が一人佇んでいるということは、メモにあった“消えざる過去の刃”という技は既に展開されているのではないか?
必ず先制攻撃を仕掛けてくる相手だ、その可能性も十分にあるだろう。
彼女は地へ降り立つと、まず行ったのは黒騎士の姿を見つけることではなく、辺りの空間への攻撃。
光の軌跡を残しながら振るわれた剣からは、正確には剣から放たれた衝撃波は、いくつかの金属音が響く。
アリアはそれを聞き逃さなかった。頭で思考するよりも早く動いた体は、反射的にその音のない空間へと移動した。
「……今のを、躱すか」
研ぎ澄まされたそれは、聞こえた声の元へと反射的に顔を向ける。
彼が、黒騎士アンヘル。言葉ではそういうものの、その瞳には驚きという感情がまるで見受けられない。
「ふふ、騎士同士仲良く致しましょう?」
またアリアもそう優雅に微笑みながらも、辺りには緊迫した空気が漂っていた。
間は、一瞬。
黒騎士が虚空を切り裂いた後に生じるほんの一瞬の隙を見極め、アリアは一気に距離を詰める。
そして、ぽそぽそとまるで誰かに語り掛けるかのように何言か交わすと、すうっと目を細めた。
「──『御苑・亞璃亜』リブートしました」
先ほどとは打って変わって、冷たい声色。直後装備は光に包まれる。
ユーベルコードにより本来の人格へ変わると、迷いなく敵へと突撃していった。
目の前から来た剣をそれは表情を変えずに弾き飛ばし、切っ先が上に上がったわずかな隙を見逃さずにカウンターを繰り出す。
迷いのないその行動はまるで機械のようだ。
しかしそれは黒騎士の携える剣の一つに往なされてしまう。
周りの斬撃から新たな“消えざる過去の刃”が襲い掛かるが、二回攻撃の技能を持つ彼女はその攻撃に対し剣を振るうと、その衝撃波で斬撃を凌ぐ。
長期戦は、出来ない。このユーベルコードを使用しているときは、毎秒寿命を削るのだから。
彼女は黒騎士の新たな隙へ付け入るべく、間合いを詰めていった。
成功
🔵🔵🔴
トール・テスカコアトル
「どうしよ……すっごく怖い」
アンヘルさん、本当に強いのが分かるよ
自信と能力が、経験が、ずっとずっと上だ
無謀かもね
トールみたいなのが、挑むなんて無茶だよ
……でも!
「この宇宙に平和をもたらすために!ここで!あなたを倒す!……変身!」
『説明しよう!護るべきモノのため、勇気をもって恐怖に打ち克つ時!トールは勇気の戦士として覚醒するのだ!』
グリモア猟兵さんの話しによると、過去の斬撃が空間に滞留してるんだよね?……なら!
「トールの勇気は!機動力!輝け!ブレイブ・ウィング!」
勇気で駆動する神秘の翼は、時間も次元も越えて、この心を届かせる力!
アンヘルさんの元へ!届け!
「くらえ必殺!ブレイブ・キーーーック!!」
メルティア・サーゲイト
今回は転送前のビルドが重要だな。ギリギリまで硬度を上げた硬鋼で斬撃耐性特化装甲だ。軟性がない分打撃には滅法弱くなるが斬撃には強い。さらに両肩レドーム装備で視覚に頼らず魔力感知を重視する。物理法則を無視した攻撃は必ず魔力感知には引っ掛かる筈だ。まあ、亜空間索敵機能もあるから空間の歪みも検知できるしな。避けるというより最小限のダメージで抑えられる角度で装甲に当てて防御する。凌ぎ切れない味方がいたらかばってダメージを引き受けるぜ。
攻め手はガトリングショットガンだ。どれ程優れた剣の達人でも散弾の鏖殺を防ぎ切るのは無理だからなァ! 殴り合いと行こうぜ。
♡♥▽▲
ベアータ・ベルトット
過去に囚われた亡霊に…私達が負ける筈無いでしょ!
餓獣機関活性
野生の勘を働かせ攻撃を感知
スナイパー+機関銃&命中力を重視したUCで、敵の内蔵兵器・斬撃の相殺を試みる
敵の攻撃が余りに多ければ攻撃回数重視に転換
一斉発射との併用で大量に迎撃
撃ち漏らしを見切りとダッシュで躱し敵の左手側へ接近
左機腕の鉄爪で刃を武器受け
続けて敵の左腕に、攻撃力を最大限底上げしたUCの零距離射撃を右機腕でぶち込み武器落とし→破壊を狙う
鎧の下の肌に傷を付けられたら、鉄爪で追撃
武器受けで折れてても切っ先で傷口をえぐる
可能なら生命力吸収で敵の血肉を動力に変換し
エネルギー切れまで肉弾戦を敢行
縋る過去無き獣の牙…存分に味わえ!
♡♥▽▲
グリモアベース、ゲート前。
今回、敵の技に対しいかに【対策を立てて】から突入することが重要だと判断したメルティア・サーゲイト(人形と鉄巨人のトリガーハッピー・f03470)は、突入前に自身の装備を出来るだけ見直していた。
黒騎士、というほどなのだから、斬撃に対する防御を上げたほうがいいだろうと【ナノクラフトバインダー】から斬撃耐性特化装甲を生成する。
他にも魔力感知を補助するレドーム装備を出すと、それらを自身の身体に装着していっていた。
そんな彼女の近くで、不安そうな顔をしているドラゴニアンの少女が一人。
臆病な性格のトール・テスカコアトル(ブレイブトール・f13707)はゲートを不安そうに見つめる。
黒騎士アンヘル。情報を聞いただけで格上だとわかる相手。
おそらく経験が、能力が、そして何よりも自信が、自分よりもずっとずっと上だろう。
「どうしよ……すっごく怖い。トールみたいなのが、挑むなんて無茶だよ……」
思わず漏れる不安の言葉に見兼ねたベアータ・ベルトット(餓獣機関BB10・f05212)は彼女に声を掛けた。
「大丈夫よ。過去に囚われた亡霊に……私達が負ける筈無いでしょ! もちろん油断は禁物だけれど、『勇気』を持って行けば、きっと勝機が見えてくるはずよ。例えどんな強敵だろうとね!」
勇気。
ベアータの言葉にトールははっと顔を上げると、肌身離さず持ち歩いている【一つの石「ニギ=アラ」】を握り直す。
そして意を決したように、力強く頷いた。
「さて、メルティア。そろそろ大丈夫かしら?」
同じ旅団であるメルティアに声を掛けるベアータ。装備の調整が完了したメルティアは親指を立てると、ゲートの中へと入っていった。
それにベアータ、トールも続く。
「変し――」
トールが到着するなり早速腰の【ブレイブ・ベルト】に手をあて勇気の戦士へと姿を変えようとしたが、目の前にあるのは黒い斬撃、斬撃、斬撃。
無数の斬撃が、変身を遂げる前の彼女に襲い掛かろうとしていた。
「っ、ぶね!」
それを咄嗟に庇ったのはメルティア。彼女は用意していたレドーム装備で即座に斬撃の場所を探知していた。
メルティアが装備している装甲の肩辺りがすぱんと切断される。
特化した装甲に対しても角度によってはこの有様。
続けてくる斬撃をいち早く感知し、やっとの思いで往なしながらも考えるのはもう一人の仲間、ベアータだ。
「っ……く、」
彼女も案の定、空間に刻まれた斬撃の歓迎を受けていたようだ。
しかし野生の感を働かせ致命傷は免れたようだったが。あちらも続けて来る斬撃に“ヴァリアブル・ウェポン”で対応していたものの機関銃の数本は切断されてしまっていた。
この状況、だけならまだなんとかなる。だがまだ本命の攻撃が来るのだ。
直後背後に感じる、ぞくりとした殺気。
目視しなくとも、そして魔力感知が出来なくともわかるそれは真っ直ぐこちらに向かってきていた。
「……トールが、やらなきゃ……! みんなを護るために……この宇宙に平和をもたらすために!」
変身という掛け声と共に、その殺気に対応したのはトール。
メルティアが庇ったお陰で致命傷を免れた彼女は、“勇気の戦士”であるブレイブトールに無事変身することが出来たのだ。
ようやく連撃を凌いだメルティアが振り返ると、そこには黒騎士と打ち合っているブレイブトールがいた。
『説明しよう! 護るべきモノのため、勇気をもって恐怖に打ち克つ時! トールは勇気の戦士として覚醒するのだ!』
気のせいかそんな声がどこからか聞こえる気がする。彼女の実力は正確には測りかねるが、勇気を力に変えるその力は凄まじいのだろう。
なんせ、あの黒騎士と互角に渡り合っているのだから。
「私たちも、負けてられないわね」
同じく先制攻撃を切り抜けたベアータもトールに続く。
物凄い速さで黒騎士の左手側へ接近していった。黒騎士はトールを相手している剣とは別の剣を操りベアータに切り込むが、それを読んでいた彼女は左機腕の鉄爪で武器を受け止める。
そしてそれを勢いよく弾き体制を崩させると、今度は右機腕を突き出した。
その手には、先ほど先制攻撃に対応したときに使用していた機関銃。
零距離射撃。
さすがの黒騎士もトールと応戦しながらのそれはよけられない。
武器のいくつかがその銃弾に弾かれフロアを舞った。
「伏せろ!」
後方でメルティアが叫ぶ。
「ガトリングショットガン、セット。鉄の雨を喰らいやがれ!」
二人が反射的に体制を低くすれば、その上をガトリングショットガンの銃撃が通った。
勝機は今だと判断したのか、ブレイブトールはそのまま距離を取ると床を蹴る。
「くらえ必殺! ブレイブ・キーーーック!!」
しかし銃撃を受けているはずの黒騎士は、右側から剣を新たに抜くとその蹴りを受け止めた。
そこからさらに援護に入るようなベアータの鉄爪も腕で受け止める。
「くそっ……化物かよ……!」
ガトリングショットガンは多少喰らっても大丈夫と踏んでいるのだろうか、トールの蹴りは届かず、彼女たちにはうっすらと焦りが見えてきていた。
鉄爪を振りほどき距離を取ったベアータが、再び機関銃を構える。
「なら! その鎧を引っぺがしてやるんだから!」
先ほど零距離射撃をお見舞いした箇所に重なるように銃撃を放つベアータ。
トールを吹き飛ばした黒騎士がそれに対応した時には、すでにその装甲にはヒビが入っていた。
今度はそこに鉄爪を抉り込ませようと、彼女は再び駆ける。
「こっちもそろそろ無視出来なくなって来ただろォ?」
メルティアのガトリングショットガンによる援護も助け、一部ではあるが遂に黒騎士の装甲を剥がすことが出来た。
「エネルギー切れまで戦ってやるんだから! 縋る過去無き獣の牙……存分に味わえ!」
ベアータはそれを見て口元を吊り上げると、トールと共に駆けていく。
少しずつ、本当に少しずつだが、黒騎士にダメージは蓄積されて行っていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
ルセリア・ニベルーチェ
転移前に対策するとしましょ。
突入前にUC【黒式・剣身一体】
【吸血鬼嬢は眠らない】発動
十一本の黒剣を自身に取り込み
記憶されし傷痕に対し超再生能力で対応
残す一本は黒式・過去<0>と未来<1>の狭間
過去と未来の知覚により消えざる過去の刃に対応
アンヘルの過去に刻んだ斬撃、未来に行動を掌握
三呪剣や怪しげな未来を見れば
切り札の透過による絶対回避
自動発動させ背後・無差別攻撃
認識できない攻撃にも対応させる。
防げば反撃開始
反撃時も油断せず対策を継続
【契約者権限】【破壊の暴君】を組み合わせ
1本が400m近くを消滅させる一撃を
250本分、敵の全方位から射出しデストロイ。
アドリブ歓迎、ソロ希望、敵との会話も歓迎!
転送前に、自身の装備を身体に取り込む“黒式・剣身一体(カミウガチ)”と自身を透過させる“吸血鬼嬢は眠らない(シナズノキミ)”を発動し、準備万端でゲートを通ったのはルセリア・ニベルーチェ(吸血鬼嬢は眠らない・f00532)。
一本だけ取り込まずに残しておいたお気に入りの剣【黒式・過去<0>と未来<1>の狭間】を握りなおすと、恐らくは転移前のユーベルコードを感知されたのだろう、フロアに入った瞬間に迫り来る斬撃を透過により難なく回避した。
何かあれば自身の武器が知らせてくれると思っていたが、黒騎士アンヘルの能力は『過去を操る』こと。
過去が変わってしまえば、未来も変わってしまう。一武器の能力を遥かに超える力のそれは主に何も知らせることが出来ず、ルセリアが反撃しようとユーベルコード“契約者権限”、“破壊の暴君”を同時発動させようとしたその時だった。
新たに垣間見えたのは凌いだはずの“消えざる過去の刃”。
しかも、先ほどよりも量が多い。
なんで、まさか。さっきとはまた別の――
頭に情報が雪崩れ込み、その雪崩は彼女に思考するスペースを圧し潰して、ほんの少しだけ動き止めた。
その一瞬を黒騎士アンヘルが見逃すわけもなく、容赦ない斬撃が襲い掛かる。
新たに別のユーベルコードを使えば、またしてもそれを上回る速度で攻撃して来るなんて。
黒騎士アンヘルの先制攻撃を甘く見ていた。彼女は斬撃をまともに受け膝を折ってしまう。
それでも念動力で剣を操りなんとか黒騎士の攻撃を凌いでいくルセリア。
長くは持たない。けれど、ほかの猟兵達から気を逸らしたり、救援を待つことは出来る。
ルセリアは残った力のすべてを振り絞り、黒騎士に抵抗していくのだった。
失敗
🔴🔴🔴
リア・ファル
♡♥▽▲
WIZ
【心情】
「ボクの過去はボクのモノだ、その痛みも歓びも、キミに渡したりしないよ」
【事前準備】
ユーベルコード【召喚詠唱・楽園の守護者たち】を使い、
予め、黒騎士アンヘルに対する攻撃行動をセットしておく
また、自分自身に【ハッキング】を行い、被ダメージの際には痛覚を一時カット、
後回しするように時限プログラムをセッティング
(自分を弄くるので痛い)
【防御】
「この傷も、心の痛みも、過去のボクが受け止めてきたモノさ
今更キミに、どうこうされる筋合いでも無いよっ…!」
一瞬でもダメージを後回しにできたら、攻勢に出る
【攻撃】
「残念だったね、ボクは既に『行動済み』さ…」
ボクが動けなくても、機械兵器達が反撃!
ライヴァルト・ナトゥア
黒騎士アンヘルか。確かに、今までの敵とは威圧感が段違いだな
(先制攻撃に対し、ユーベルコードを起動。【第六感】で敵の攻撃を予測して【2回攻撃】の手数で飛翔する斬撃を敵の攻撃に合わせて『置いて』いく。それでもかわしきれない場合は【ジャンプ】で離脱。【空中戦】で的を絞らせないように)
過去を操るユーベルコード、まだ見る事は出来ないが、感じることは出来る
(攻撃の全てに注意を払い、【学習力】で傾向を探る。隙を見出したならば攻撃に転じる。他の猟兵がいれば、攻撃を任せてもよい)
次はこちらの番だ
俺の鎌と爪、その身で受け切れるか?
(トドメに)
貴様の魂、この俺が貰い受けた
まだ復活するのだろうが、何度だって殺してやる
メルト・プティング
【過去に刻まれた傷跡や病痕】を再現する先制攻撃への対抗策ですが、ボクは大病も大怪我も未経験なのできっとそんなに痛くない…と…いいなぁ…なんて…
マジメな対策としては【オーラ防御】+【激痛耐性】+【覚悟】の技能複合で受けましょう、そして耐えつつ【妨害念波】を発動してアンヘルさんの攻撃の無効化を試みます!
これは「事前に見ていれば成功率が上がる」UC、【過去に刻まれた傷跡や病痕】を再現する技は「自分が見聞き経験した事象」に依存する技である為、おそらく有効打となるはず!
無効化に成功すればあとはこちらのターン!
仲間への攻撃も【妨害念波】で無効化しつつ、隙あらば【念動力】による衝撃波を叩き込みまくりますよ!
マックス・アーキボルト
見切り、武器落とし、ダッシュで避けて早業で「操り機械人形」をなるだけ早く起動する!
呪剣を受けても、AIに封じられる前の技術、【加速魔法式】攻性、防性の、攻撃と回避を行わせて攻撃だ。
過去を封じられるのなら―この瞬間の"今"で立ち向かう!
白と黒の呪剣を受けたら学習力でその場で経験と知識を学ぶ。
赤の呪剣を受けても人形の僕なら、今自分がしている黒騎士への攻撃をタスクとして認識するはずだ!
その最中にも呪詛耐性でこの呪いの封印を解くことを試みる。
これを繰り返してやつとの削り合いだ!何度過去を封じられたって戦い抜いてやる!
連携できるなら、おびき寄せで自分が黒騎士の攻撃を引き受けよう。
猟兵達の戦いで、満身創痍になりつつある黒騎士アンヘル。
また、新たに時空が歪むのを感じる。
敵。彼は剣を構え直すとそれを待ち受けていく。
まずはじめに来たのはリア・ファル(三界の魔術師/トライオーシャン・ナビゲーター・f04685)だった。
黒騎士は即座に彼女の過去を操り、今まで彼女が受けてきた傷、病根すべてを滲み出そうとする。
しかしそんな彼女を先制攻撃すると同時に襲い掛かってきたのは、数多の幻獣型機械兵器。
そして今ダメージを与えるはずのリアも、さほど苦しんではいない。
黒騎士は怪訝そうに目を細める。よく見れば、リアは自分自身をハッキングし、黒騎士の攻撃を遮断しているようだった。
「この傷も、心の痛みも、過去のボクが受け止めてきたモノさ……今更キミに、どうこうされる筋合いでも無いよっ……!」
しかし、実際のそれは完璧なものではなく、その痛みを後回しにするようにプログラミングしているだけに過ぎない。
彼女は自分を弄る痛みに歯を食いしばっている。と、続いて降り立ったのはメルト・プティング(夢見る電脳タール・f00394)だ。
黒騎士により襲い掛かる痛み。猟兵として活動してからのすべてのダメージといえるだろうその痛みを、覚悟を持って耐えていく。
予想よりもキツイ、が。彼女には対応策があった。
「っ、先ほど一部ではありますが見たリアさんと、そして今ボクに仕掛けてきた攻撃……っ! 纏めておジャマーしちゃいますよ……!」
そう言うと同時に彼女から放たれたのは【キラメキ☆オーラ】。彼女の光輝くサイキックエナジーはきらきらと二人を包み、そしてその傷を打ち消していく。
“妨害念波(サイコ・ジャミング)”。事前に見ていれば成功率が上がるそれにより、黒騎士の攻撃を完全に相殺したメルトは衝撃波を放った。
「ありがとう! よし、ボクも……いくよ、みんな!」
そしてリアの機械兵器も攻撃を行っていく。
しかし、黒騎士が手負いとはいえ彼女たちの攻撃は決定打に欠けていた。
じりじりと、斬撃により数を減らされていく機械兵器。
「まだまだ! これからですよっ!」
メルトのゴーグルから放たれる衝撃波も、一閃で薙ぎ払われてしまう。
このまま長期戦にもつれ込んでしまうか。苦い顔をしていた二人だが、突如そこへ新たな猟兵が転送された。
一人はライヴァルト・ナトゥア(巫女の護人・f00051)。蒼狼の外装を纏った彼は、襲い掛かる呪剣に対して複数回の攻撃を行い相殺し、それでもまだ繰り出される呪剣を跳躍で避ける。
無重力のそこでふわりと外装が舞うと彼の右手は鎌に変わっているようだった。
そしてもう一人はマックス・アーキボルト("ブラス・ハート"マクスウェル・f10252)だ。彼は呪剣を見切ろうとするも、黒の呪剣を躱そうとしたところで攻撃を受けてしまう。
しかし、初撃を躱している間に発動させていたユーベルコード“遠隔被操作ガジェット「操り機械人形」”を起動していた彼は、AIにその場で経験を積ませ、戦闘を行わせようとしていた。
「戦闘経験や今までの鍛錬を封じられたとしても、今この場で学べばいいだけのこと! 何度過去を封じられたって戦い抜いてやる!」
そう言ってAIに身を任せ、【スチーム・アームキャノン】を片手に黒騎士へ突撃していく。
始めは拙い彼の攻撃も、AIが学習していきどんどん精度が上がっていっていた。問題は、それまでの間にいくらかダメージを負ってしまったことだが。
難なくマックスの攻撃を往なしていた黒騎士だが、だんだんとその余裕は失われていく。
そして、そんな黒騎士を虎視眈々と狙っていたのはライヴァルトだ。
「俺の鎌と爪、その身で受け切れるか?」
彼は隙をついて現れると、鎌と化した右手で黒騎士へと切り込む。それはなんとか黒騎士によって受け止められるが、続いて繰り出された狼の爪による斬撃が、元々綻んでいた鎧の一部を剥ぎ取った。
「みんな、今だよ!」
そこへすかさずリアの機械兵器が追撃を行う。それは僅かな威力だったが、装甲が剥がれたそこには十分なダメージだった。
「お前が何度過去を操作しようと、僕らはこの瞬間の"今"で立ち向かうことができるんだ!」
続いてマックスによる砲撃。彼の封じられた過去の経験は、時間経過と自身が持つ呪詛耐性でなんとか消えつつあるようだ。
「……っ」
まだ、まだ諦められないと言わんばかりに、黒騎士は新たに呪剣を繰り出してくる。
「ふふん、ボクの【キラメキ☆オーラ】からは逃げられませんっ!」
しかしそれはメルトによって相殺されてしまった。
黒騎士がユーベルコードが放った瞬間に出来た、ほんの少しの隙。
その隙を付き、鎧の装甲が剥がれている個所をライヴァルトの鎌が入る。
黒騎士が身に着けているマスクから、こふっと血があふれ出した。
「貴様の魂、この俺が貰い受けた」
そしてそのまま強靭的な力で刃を進める。
黒騎士だったものは目線だけ動かして猟兵達を見やると、またどろりと消えていった。
「消えた……っ!?」
驚くマックス。ライヴァルト曰く、黒騎士アンヘルは骸の海というところから力の残っている限り、また別の場所から蘇ってしまうという。
「だが、何度蘇ろうが俺が殺してやる」
そう言ったライヴァルトの外装が、ふっとオーラを無くした。
ユーベルコード“限定解放・天狼疾駆せし戦場幻景”の効果が切れたのだろう。
それはすなわち、戦闘が終了した事を意味する。
「勝った気がしませんねー……」
メルトがぽつりと言ったが、不本意ながら、それに同意せざるを得ない猟兵たちだった。
苦戦
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