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銀河帝国攻略戦㉕~今、地獄を越えてゆけ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #アビ星人

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「皆、聞いてくれ!とうとう、敵の本体に殴り込みをかけるときがきたぞ!」
 グリモア猟兵、ロア・メギドレクス(f00398)は握った拳を振り上げて叫ぶ。
「これより汝らを帝国旗艦『インペリウム』へと飛ばす。やることはこれまでと変わらぬ。シンプルだ。せいいっぱい暴れて、ブッ壊せ。帝国と戦う『解放軍』を援護するのだ!」
 ロアは早速グリモアを輝かせ、猟兵たちを送り出す準備を進める。だが、ここでひとつ。ロアは話を付け加えた。
「……そうだ。戦地に赴く前に、ひとつ注意しておくことがある。インペリウムには、皇帝の親衛隊が待ち構えているのだ。いわば精鋭部隊だな……当然、凄まじく強力だ。こいつらに遭遇しては破壊活動どころではない。できるだけ戦わずに済ませられればよいのだが」
 気をつけてくれ、というロアの言葉を最後に、猟兵たちは戦場へと飛ぶ!

 しかし、戦場へと赴いた猟兵たちを迎えたのは突然の攻撃であった!!
 閃光!豪熱!爆轟!強烈な光とともに、プラズマが爆ぜ猟兵たちを襲う!
「ははははははは!ははははははははは!」
 なんということであろうか!インペリウムへと転移した猟兵たちを待ち受けていたのは、グリモア猟兵を擁する猟兵たちの専売特許である転移を用いた奇襲作戦へと更にその上から襲い掛かる親衛隊の奇襲だ!
「よくぞ。よくぞここまで来れたものです。猟兵たち!ははは、ははは!素晴らしい実力だ。しかし、あなたがたはここで終わるのです」
 ——地獄宇宙人、アビ星人!強力な技を駆使し、帝国に与する邪悪な侵略宇宙人だ!
 そこは、廃棄物処理のために使われている区画のようだった。劣化した資材や、スクラップが廃棄の瞬間を待つ。まるで墓場のような空間だ。目立たぬ場所であるゆえ、侵入経路の起点としては良い場所だったのであろう。敵が待ち受けてさえいなければ。異形の宇宙人は、ゆっくりと床面へ降り立つと猟兵たちへと相対する。
「さあ、私が黄泉路への案内をいたしましょう。今こそ、地獄に堕ちる時!」
 頭部の発光器官を明滅させ、アビ星人は構える——!帝国旗艦インペリウム艦内において、ひとつの戦いがこうして幕を開けるのであった!


無限宇宙人 カノー星人
 ごきげんよう、イェーガー。カノー星人です。
 戦乱ももはや佳境。戦いはさらに激しくなる一方です。たのしいですね。
 我々カノー星人は変わらず侵略をすすめさせていただきます。
 この度も、あなたがたとともに旅路をゆけることに感謝いたします。
 よろしくお願いします。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦 『地獄宇宙人アビ星人』

POW   :    宇宙地獄近接格闘術
単純で重い【宇宙マーシャルアーツ 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    宇宙地獄超次元殺法
【短距離テレポートを駆使した近接格闘術 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【超高速連続攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    宇宙地獄プラズマ弾
【掌から100,000,000℃の光弾 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠砲撃怪獣・ガンドドンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エコリアチ・ヤエ
敵の奇襲を確認し、すぐさま人格を戦闘用の術士へ入れ替え。
奇襲を待ち伏せとおぬし中々やるな。これぞ戦争といったところか。
しかしこの程度で慌てふためく我らでもなかろう。ゆくぞ。

ファイブエレメンツソードを扱い、敵の攻撃を避けつつ、かすり傷でも良いので一撃いれ、呪いの契約によりソードを強化。万が一攻撃を受けてしまうとしても堪えて一撃を入れる。
封印を解いた赤黒い見た目に変化したソードで敵の急所、あるいは四肢を狙って攻撃を仕掛ける。腕の一本でも落とせれば上々か。
その他この場にあるもの使えそうなものは活用していく。
ここをなんとしてでも通してもらうぞ!


ロッタ・ロッツァライネン
その上から目線の物言い、気に入らないねえ――…何時まで余裕面が続くか、試してやろうじゃあないか!

【力任せの強打】で周辺地形ごとスクラップの山をトンガリ頭にぶっ飛ばすよ!
散乱したゴミや残骸を攪乱に使って【ダッシュ】で接近、【怪力】と【グラップル】で組み付いて動きを封じてやるよ。
力比べと体の出来には自信があるからね――…組み付いたまま一緒にお仲間の攻撃を浴びて我慢比べをしてやろうじゃないか。

絡みやアドリブ、苦境の描写等は歓迎するよ。好きにやっとくれ。


鏡島・嵐
判定:【WIZ】
痛ッ……て、手荒い歓迎だなおい!
親衛隊務めるくらいだから強ぇのはわかるけど、やっぱえげつねぇ! 技名はテキトーすぎるくせに!
強敵だし怖ぇ。けど、ここまで来たんだからへこたれねえぞ……!

他の皆ならともかく、おれは大して反撃の手段が無ぇ。
ので、《大海の姫の恋歌》で受けたダメージを癒しながら、〈フェイント〉〈援護射撃〉〈目潰し〉〈鼓舞〉で皆の支援に回る。
直撃させる必要は無ぇ。相手の攻撃のタイミングを狂わせて、攻撃の威力を落とせれば十分だ。
向こうの攻撃は〈第六感〉〈見切り〉で何とか凌ぐようにする。



「はははははは!はははははは!」
 哄笑!アビ星人は手の中にプラズマを収束し、そして放つ!猟兵たちは散開し回避!
「痛ッ……て、手荒い歓迎だなおい!」
 鏡島・嵐(f03812)は叫びながら閃光より逃れる。初っ端から叩きつけられたプラズマ弾は致命傷には遠くとも猟兵たちへと確実にダメージを与えていた。嵐は傷口を抑えながら、こちらへと向けてゆっくりと進むアビ星人の姿を見据える。
 嵐は、怖い、と思った。
 敵はそれを見透かすように、嵐へと標的を定めてか、迫る。
「こちらの奇襲を見切り、逆に待ち伏せとは……。おぬし、中々やるな」
 だが、エコリアチ・ヤエ(f00287)がそれを遮るように立ち塞がる。彼は敵の襲撃に際して既に戦闘用の人格へとスイッチしていた。その手にはファイブエレメントソードが握られている。
 敵の姿から滲み出るプレッシャーは、さすが親衛隊といった風情か。ヤエの額にじわりと汗が滲んだ。
「いえいえ、そちらこそ。最初の一撃で死ねなかった方は久しぶりですよ。素晴らしい腕前です。ですが、おかわいそうに」
「かわいそう、だと?」
 ヤエは剣を構えたまま、じりじりとこちらに迫るアビ星人との間合いを測る。まだだ。まだ斬り込むのに最適なタイミングではない――
「ええ。初撃で死んでいれば苦しまずに済んだものを」
「その上から目線の物言い、気に入らないねえ――!」
 ロッタ・ロッツァライネン(f01058)裂帛の気合とともにバトルアクスを全力で振り抜く!【力任せの強打】!ガァンッ!!轟音と共に彼女はスクラップの山を叩く!
「ほう、よい腕です!」
 ロッタの叩き崩した鉄屑の山は瓦礫の飛礫となってアビ星人へと襲いかかった!だが、敵はそれをむしろ楽しむかのように迎撃する。アビ星人は腰を落として宇宙マーシャルアーツの拳を廃材へ叩き込む!
「何時まで余裕面が続くか、試してやろうじゃあないか!」
 その隙を好機として、ロッタは床面を蹴立て疾駆!瓦礫に紛れ一気にアビ星人へと間合いを詰める!
「ああ!やられっぱなしではいられぬからな!」
 タイミングを合わせヤエも踏み出した!柄の感覚を確かめながら、間合を詰めて剣を振るう!ロッタは敵の反応速度を見越し、バトルアクスからマチェットへと武器を持ち替えてアビ星人を急襲!
「ははは!はははははは!上出来上出来!」
 だがアビ星人は巧みに身を躱す!ヤエの剣が空を切り、ロッタのマチェットを宇宙マーシャルアーツの鋭い蹴り足で迎撃!Blink!更にアビ星人はくるりと回転しながら姿を消した。超次元殺法!2人は視線を巡らし敵の姿を探る――
「右だ!来るぞ!」
「気づいたことは褒めて差し上げましょう!」
「ちいッ!さすがにやるね!」
 Blink!虚空より出現したアビ星人の拳がロッタを捉えた!咄嗟に防御態勢をとるも、凄まじい威力に身体が軋む!
「くそ、えげつねぇ!」
 嵐は勇気を振り絞って立ち上がり、スリングショットを構える!瓦礫の中から拾い上げた鉄屑を弾丸がわりにアビ星人へ投射!
「ははは!」
 アビ星人は片手を振ってそれを弾く。
「遊んでいるつもりか!」
 その一瞬の隙を突き、ヤエは剣を振り上げた!
「ム……!」
 ざ、ッ!ファイブエレメントソードの切っ先がアビ星人に届いた!濁った暗褐色の体液が染み出し、刀身を穢す――そして、血に染まった剣は、急激に赤黒く染まり始める!
「おぬしらの血を啜り、我の呪われし武器は真の姿を発揮する」
 【呪いの契約】だ。オブリビオンの血を浴びた剣は、ヤエのユーベルコードによって真の姿を現わす!
「はは!いやあ、立派な剣ですね?しかし、そんな武器を持ったところで、当てることができなければ――」
「なら、当てられるようにしてやるのさ……!」
 嘲笑うアビ星人の身体を、ロッタが掴む!
「は、は!愚かな!そんな消耗しきった身体で、この私を抑えきれるとでも?はは!愚かですね、猟兵!」
「バカなのは、お前だッ!」
「なに……!?」
 嵐が叫ぶ!手にしたブルースハープを咥え、静かに息を吹き込んだ。そうして奏でられるのは、地獄めいた戦場にはひどく不似合いな――清廉な音色と、歌だ。
《La――――》
「その調べは哀しく、その詞は切なく、その末期は儚く、痛みを遙かに運び去る……さあ、一緒に歌ってくれ」
 【大海の姫の恋歌(シレネッタ・アリア)】――嵐のユーベルコードだ。ふわりと宙に浮かぶように、彼の声に応えた人魚の姿をもつ精霊が、清らかな声で歌い出す。
「アンタは強ぇよ。……怖ぇよ。おれ、今だって逃げたいくらいだ」
「なら、諦めてしまえばいい。そうすればすぐ楽に――」
「嫌だね!ここまで来たんだ、絶対へこたれねぇぞ……!」
「愚かな……!」
「いいねぇ、よく吼えたよ、ボウヤ!」
「ああ!恐怖に打ち勝つおぬしの心は、この宇宙人よりもよほど強い!」
 響く音色が猟兵たちの傷を癒し、力を与える。四肢の隅々まで力が行き渡る感覚にロッタは笑い、アビ星人の身体を強力に締め上げた!
「弱く、愚かで、醜い、猟兵ども、が……!」
「地獄には、おぬし1人で落ちるがいい」
 ヤエの剣に力が満ちる。逃れようともがくアビ星人の動きはロッタが完全に封じている。
 ――残閃!振り下ろす刃が、アビ星人の身体を切り裂いた!その瞬間にロッタは離脱!
「グアアアアアアーーーーッ!!!」
 脳天から腹部までを裂く深い傷を刻まれながら、アビ星人は暗褐色の体液を噴き出し後退!
「グ、ウ、オ……オオ……!」
 だが、痛みに呻きながらもアビ星人は健在だ。重大なダメージを負ったのは間違いない。だが、まだ致命傷ではない……!
「どうやら、あなた方を侮りすぎていたようですね……!これは、失策でした……!」
 頭部の発光器官を明滅させながら、アビ星人は強烈な敵意を猟兵たちへ向け続ける!
 ……親衛隊アビ星人との死闘は、まだ終わらない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

斎藤・斎
「いや、ただの人間の私に勝てるわけないじゃないですかこんなのー!」
まあ、叫んでる暇があったら走り回らないとしんじゃうのですが。

ともあれ、私にできる事は敵さんの超強力UCを、発動直前に
超時空かんしゃく玉ぶつけて相殺すること。発動の気配をより鋭敏に
察知するために至近距離にいること。敵味方の攻撃に巻き込まれないよう
逃げ回ること。以上みっつをがんばって成し遂げます。
敵のUCさえ何とかしていれば、きっと味方がなんとかやっつけて
くださるはず……!(希望的観測)

一応は攻撃も狙いますが、懐中電灯をつかって腕を極める関節技とか、
宇宙人に通用しますでしょうか……ダメならこっちの描写は不要です。


メルノ・ネッケル
・心情
アビ星人……コイツが本体って訳やな。リキッドコンピュータのコピーの奴も強かったけど、コイツの実力はそれ以上。
ま、だからと言って怯んじゃおれんけどな!
……行くでぇ、地獄宇宙人っ!

・行動
向こうのやり方はテレポートでの近接戦闘。
拳銃の間合いで中途半端に戦っても距離詰められてアウトやね。

ここは敢えて射程の優位を捨てる、【勇気】を持って近接迎撃や!

ショートテレポート、攻撃は一瞬!
……寸前で【見切り】、躱すっ!
後は奴の身体に二丁銃を押し当て、【2回攻撃】、【零距離射撃】!
R&Bは「クイックドロウ」も付けるで、零距離熱線の速射、思う存分味わいや!
「銃の間合いが遠間だけやと思うなよ……!」


虎熊・月霞
生憎と地獄の獄卒さんとは親戚でねぇ、案内は別に不要だよぉ。
あ、何だったら宜しく伝えといてくれる?今すぐに地獄に送ってあげるからさぁ。

初撃は【目立たない】で、如何にか数秒の間に攻撃を【見切り】、【地形の利用】とかして躱して行くしかないかなぁ。都合よく廃材が色々積まれているみたいだし。
まぁでも早々に反撃に転じて斬り伏せないと後詰の皆も危なくなりそうだしぃ、打撃で来るんだったら霞化で拳をすり抜けて斬り飛ばして行けそうかなぁ。
あー相手も転移して格闘するんだっけぇ?まぁ攻撃を避けつつ敵の転移の法則とか癖みたいのを掴んで反撃だねぇ。流れを読むのは得意だよぉ、何せ僕自身が霞になって流されてる位だしねぇ。



「なるほど、なるほど……。はは、ははは。私が愚かだったということですね。はは、ははは。いやあ、勉強になりました」
 傷を負ったアビ星人は、努めて冷静さを保ちながら——だが、静かな怒気を孕んだ声音で、猟兵たちへと再び迫る。
「コイツが、本物のアビ星人……リキッドコンピュータのコピーの奴も強かったけど、コイツの実力はそれ以上ってことやな」
「ほう。アマルテア艦隊の『私』に会いましたか。なるほど、なるほど……それを越えてきているということは、やはり油断ならない相手です。ここからは私も本気でいかせてもらいましょう!」
「おお、こわ。……なんて怯んではおられんな。皆、いくで!」
 アビ星人と相対するメルノ・ネッケル(f09332)は愛用する二挺の銃を抜き放ち、構える!
「いや、ただの人間の私に勝てるわけないじゃないですかこんなのー!」
 悲鳴じみた声をあげながらも斎藤・斎(f10919)は戦闘準備に入る。『ただの人間』を自称する彼女はその一方で他の猟兵の支援や戦況の見極めといった部分で非常に優秀な猟兵だ。弱気な発言とは裏腹に、彼女は冷静である。
「はは。油断しませんよ!」
 アビ星人は床面を踏み切り砲弾のようにまっすぐ飛び出した——Blink!そしてメルノの眼前で消失!
「来よったな……!」
 メルノは鋭く視線を巡らせる。敵の超次元殺法は、短距離テレポートを駆使した変幻自在の攻撃。だが、それでも攻撃の瞬間には実体を現わしているのだ。躱せないわけではない!
「ははははは!」
「来ましたよ、後ろです!」
「ああ、おおきにな!」
 アビ星人の再出現に気付いた斎が鋭く声を飛ばす!メルノはその場で素早く反転し、至近距離にて相対!
「行くでぇ、地獄宇宙人っ!」
「ははははは!堕ちる覚悟はよろしいですね!」
 アビ星人はまずメルノの頭部めがけ掌底を打った。メルノはその軌道を見切り、身体を傾け回避!髪先を掠めて宇宙マーシャルアーツの鋭い技が通過!
 その時である!
「生憎と、地獄の獄卒さんとは親戚でねぇ、案内は別に不要だよぉ」
「なに……!?」
 アビ星人の背後で、静かな風が吹いた。煙か、霧か。ゆらめく霞はやがてカタチを為し、そこには1人の剣豪の姿が現れる!ユーベルコード【霞流転在】により姿を隠していた虎熊・月霞(f00285)である!
「何だったら宜しく伝えといてくれる?今すぐに地獄に送ってあげるからさぁ」
 戦場に不釣り合いなほどにのんびりした——よく言えば落ち着いた風情で言葉を紡ぎながらも、月霞は手にした童子切を鋭く袈裟懸けに振り抜く!アビ星人の背中に深々と刀傷を刻み込んだ!
「グ、ア……ははは、背後からの奇襲とは卑劣な真似を」
「そっちがそれ言うんかい!」
 こっちのセリフやで!メルノは丁寧にツッコミを入れながらトリガーを絞り、更に追撃!だがアビ星人はおおよそ人類では不可能な柔軟さでねじるように身体を捻り躱す!
「いやあっ!!」
 だが回避運動によって隙の生じたアビ星人へと斎が飛びかかった!廻し蹴りが鋭く宇宙人の頭部を狙う!
「なるほど、なかなか——!」
「流れを読むのは得意だからねぇ」
 だが、アビ星人は対応しその蹴り足を腕で払った。そこへ更に月霞が追撃!素早く踏み込んで横薙ぎの一閃だ。アビ星人はこれを躱すが——
「今です!」
 回避運動をとることによって隙の生じたアビ星人へと斎は再び迫り、手にした頑丈なジュラルミン懐中電灯で顔面を強打!
「グア……」
「銃の間合いが遠間だけやと思うなよ……!」
 更に迫るメルノは手にした二挺銃を至近から敵に叩き込む!衝撃に苦悶の声を漏らしながらアビ星人は大きく後退!
「どうやら、あなたがたの強さは本物のようですね……。であれば、私ももはや出し惜しみはいたしません」
 態勢を立て直しながら、アビ星人はその手の中に光を灯す——プラズマ弾の構えだ!その光は初撃の奇襲で放たれたものよりも力強く膨れ上がっている!
「とうとう出しよるな、大技や!」
「まずいねぇ、あれがきたら流れを一気にもってかれるよ」
「大丈夫です」
 斎が、一歩前に出た。
「私がなんとかしますから、おふたりは追撃の準備を」
「なんや、秘策ありって感じやな!」
「それじゃ、任せるよぉ」
 3人の猟兵たちは、それぞれ立ち向かう覚悟を決めながら敵に向かう!
「何をこれで終いにして差し上げましょう!」
 凄まじい熱量が、猟兵たちの目の前で巨大に燃え上がり——
「プレゼント、ですよっ!!」
 爆音!閃光!おお、なんということか!アビ星人の必殺プラズマ弾が炸裂し、猟兵たちは宇宙の藻屑と消えてしまったのか?
 否!そうではない!炸裂したのは斎のユーベルコード【猫だまし】だ!超時空かんしゃく玉がアビ星人のプラズマ弾を巻き込んで破裂し、瞬間的に発生した時空断層の狭間へとエネルギーを霧散させたのである!
「なに……!?」
 まさか。あり得ない。最大のエネルギーを込めたプラズマ光球が消え去ったことでアビ星人は戸惑っている——!
「今ですよ!」
「よっしゃ、畳み掛けるで!」
「うん……それじゃ、決めちゃおうか」
 ここでメルノと月霞が走った!メルノは素早く構えた二挺の銃を撃ちながら敵へと接近!対応が遅れたアビ星人は銃火を全身に浴びせられ苦悶の声をあげる!
「じゃあ、地獄へお帰り」
 そして月霞がアビ星人へと迫る!手にする刃は強靭な野太刀だ。刃渡り四尺。羅刹であるからこそ振るうことのできる童子切!その重量に、月霞の膂力を加えた一撃だ!一閃!叩き、つけるッ!!
「グアアアアアアーーーーーッ!!!」
 アビ星人は断末魔めいた悲鳴をあげ、暗褐色の返り血を噴き出しながら吹き飛んで瓦礫の山へと背中から激突!衝撃に崩れるスクラップの雪崩に押しつぶされるようになりながら瓦礫の中へ沈んでゆく!
「やりましたね!」
「うん」
「よっしゃ、うちらの勝ちやな!」
 3人はハイタッチを交わし、そして倒れたアビ星人を押しつぶしたスクラップの山を見やった——だが、その時だ!
「オオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
 瓦礫の中から響く咆哮!鉄くずを弾き飛ばしながら、地獄の底から這い出るように現れる姿がある——アビ星人だ!
「……お元気そうですね?」
「いや、タフやなぁ……」
「ええー……まだやる気なの……」
「ええ、ええ……やりましょう。やりますとも。この私に、ここまで屈辱を与えた猟兵ども……お前たちを生かして帰しはしません」
 アビ星人は憎悪を激しく宿しながら、頭部の発光器官を明滅させる——!
「決着を、つけます」
 帝国親衛隊、アビ星人は——満身創痍の、血みどろの姿でそう言いながら。今一度戦いの構えをとった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ナイ・デス
ルトラ騎士は、詳しくはないですが
私は、ティガ……?が、好きです

それはともかく

……私達猟兵は、解放軍の、この宇宙で今を生きる人々の、支援を
想いを受けて、ここにいます
そちらも似たような、でしょうが
負けません。骸の海に、帰ってもらう、です!

今までに吸収、融合したオブリビオンパワーや
猟兵の一人として、解放軍から向けられる希望を、生命力に、勇気に
【生まれながらの光】に変えて、全身輝き
光を浴びた味方を回復

光を浴びた敵には
光の守り、オーラ防御を枷に
生命力吸収光で、動きを鈍らせます
3分間だけ……なんてことは、なく

地縛鎖を艦に刺し、そこからも力を吸収し
光を放ち続け、攻撃されても高速再生、立ち続け
仲間、支えます!


ウィーリィ・チゥシャン
そのジゴクめいたワザマエ!
地獄宇宙人の肩書は伊達じゃないって訳か。
確かに厄介そうな相手だな。

奴の攻撃は一撃一撃が必殺レベル。
だったら、次の一撃を放つ前にこの場の全員で攻撃を叩き込んで撃破するのみ。
そのためのきっかけを作る。

背中の鉄鍋に手をかけたまま一直線に敵に突っ込み、攻撃を誘う。
で、攻撃モーション(或いは姿を消した刹那)と同時に鉄鍋を構え、その攻撃をブロック。
そして受け止めた鉄鍋を手放し身軽になり、攻撃の直後の隙を見逃さず『カウンター』+『シーブズ・ギャンビット』+『二回攻撃』で連続攻撃を叩き込む。

え、これで終わりかって?
いーや、まだだぜ。
この戦場に、何人の猟兵がいると思ってるんだ?


パル・オールドシェル
アドリブ、やりたい放題歓迎です。
セリフなど好きに吐かせてください。

地獄宇宙人、なにが地獄なのかわかりませんが最終作戦の邪魔です。
皇帝もよくこんな訳のわからないものを親衛隊に迎えましたね……?

廃材から抜いた「鉄パイプ」、エンペライダーズから受け継いだ「ビーム鉄パイプ」、そしてこの脚「ラスティ・ネイル」を用いた四刀流の白兵戦術で狭い艦内戦闘であっても僕の戦闘力は衰えませんがグワーッ不明なエラー!!
仕方がないのでアビ星人はころす!!
べっこべこです! 頭蓋骨と頚椎重点! 反重力ギャラクシー車椅子生活送りにしてやるよ!!


小野・通
故郷が天下泰平になったかと思えば、別の世界が戦争とはね……

【WIZ】
あの星の異人さんが男か女かは知らないけど、第六感と誘惑で回避するわ
筆で×を付けて攻撃しつつ、機をみて七星七縛符
「貴方にはこの札をくれてやるわ。花札るのるまん最後の符、ブッダよ!!」
重荷や苦難、運命……そういった札よ。
「皆!私が止めてる間にこの異人さんを倒してっ!」
老い先短い婆の命など、幾ら減っても痛くないわぁー

ふんっ、老いぼれだからって婆をなめんじゃないよ。



「オオオオオオオオオオオオオオッ!!」
 アビ星人は咆哮とともにスクラップの山を蹴立てて飛び出す!韋駄天!凄まじい速度と勢いで猟兵たちへと迫った!ここまでの戦いで積み重なったダメージがその動作を鈍らせているためか、
「なんつう気迫……!ジゴクめいたワザマエ、地獄宇宙人の肩書は伊達じゃないって訳か」
 ウィーリィ・チゥシャン(f04298)は息を呑む。これまでの戦いの様子を見ていれば、アビ星人の宇宙マーシャルアーツの練度の高さは容易に想像がつく。だが、立ち止まるわけにはいかない。
「故郷が天下泰平になったかと思えば、別の世界が戦争とはね……」
「ですが、負けるわけにはいきません。私達猟兵は、解放軍の、この宇宙で今を生きる人々の、支援を、想いを受けて、ここにいます」
 小野・通(f10508)とナイ・デス(f05727)の2人もまた戦いに備えた。
「それがどうしたといいますか!“想い”?実に愚かしい!ルトラ騎士にでもなったつもりですか!」
 アビ星人が走る――接触!その鋭い一撃を迎え撃ったのはウィーリィである!
ガオンッ!!!重撃!宇宙マーシャルアーツの強力な打撃がウィーリィの構えた鉄鍋を叩く!
「ッ……重てぇ!」
 ざり――!靴底が滑った。受け止めたウィーリィはその圧力に押し込まれる。ブロックしてなおこの威力とは――!危惧していたとおり、敵のパワーは一撃一撃が必殺級だ。
「では、あなたから死んでもらいましょう」
 アビ星人がウィーリィへと更なる追撃を加えようとした――その瞬間!
「そうはいきません!」

 アビ星人へと襲いかかるのはパル・オールドシェル(f10995)だ!両脚部兵装ラスティ・ネイルによる加速をつけた蹴り足がまっすぐにアビ星人を狙う!
「油断はしないと言ったはずです!」
 Blink!アビ星人の姿は霞のように掻き消え、1秒前までアビ星人が存在していた空間をパルは通過!
「くそ、食えない奴だぜ!」
 目の前で姿を消したアビ星人の次の一手を探り、猟兵たちは視線を巡らす――
「はははははは!!」
 Blink!虚空から出現したアビ星人が狙っていたのは、後方のナイとお通さんだ!だが彼女は鋭敏な第六感でその襲撃を感じ取っていた。間一髪身を躱し、アビ星人の拳先がお通さんの頬を掠めていく!
「ふんっ、老いぼれだからって婆をなめんじゃないよ!」
「ははは!年の功ですか!ではこちらはどうでしょうか!」
 Blink!アビ星人は更に転移!次に標的にされたのはナイだ。しかし彼は敵の矛先が向かうことを先んじて予測していた。光の盾を展開し、オーラ防御の姿勢をとる!
「く……ッ!」
「その“想い”とかいうものが力だというなら、徹底的に叩き潰して差し上げます!」
「負け、ません……!あなたには、骸の海に、帰ってもらう、です!」
「気に食わない目をする、ッ!」
 アビ星人はナイへと初撃を叩き込んでからの追撃姿勢に入る!高速で繰り出される無数の打撃が彼を襲った!凄まじい殺気を帯びた拳が、蹴り足が、肘が、手刀が次々とナイを叩く。そしてついにオーラ防御の盾が砕けるが――
「ルトラ騎士のようには、なれないかも、しれませんが」
 ナイは、輝く。【生まれながらの光】だ。あまねく生命を慈しみ癒す聖者の光が、墓標めいた廃棄場を眩く照らし出す。
「き、さまァ……!光の者、光の存在!!ルトラ騎士どもと同類の、我が怨敵かァ!!」
 ――地獄宇宙人、アビ星人は邪悪な侵略宇宙人である。そして、ルトラ騎士とはかつてそれらの侵略宇宙人の魔の手から人々を護り続けた光の戦士たちだ。アビ星人は、聖者のもつ光の中にそれと同質のものを見た。
「光の者……ここで始末せねばならない……!」
「そういうわけにいくかよッ!!」
「なにッ!?」
 ナイへと敵意を向けるアビ星人に、ウィーリィが急襲をかける!シールドバッシュめいた鉄鍋での体当たりだ!怒りと憎悪で視野狭窄に陥っていたアビ星人へと、強烈な衝撃が襲いかかる!
「ヌウ……!」
「これ以上はやらせないぜ!」
「ええ、ええ。だいたい、地獄だなんて縁起でもない!」
 お通さんは懐から引き出した紙札を構え、そして投げ放つ!【七星七縛符】だ!
「この札をくれてやるわ。花札るのるまん最後の符、ブッダよ!!」
「ッ、呪法か……!」
 重荷、苦難、運命――『ブッダ』の符はそうした意味をもつ。その重圧がアビ星人を縛った。御仏の導きが地獄の入り口を塞ぐように、その邪悪な力を遮る!
「あんたは捌いても食えたもんじゃなさそうだけど――ッ!」
「グオ……!」
 動きの鈍ったアビ星人へとウィーリィが戦闘用包丁を抜き放ち、素早く斬りかかる!さすがに宇宙人を捌いた経験はないものの、彼の料理人としての腕前は命の『捌き方』を知っている。その刃は確実にアビ星人の急所を抉っていた!重篤なダメージ!暗褐色の体液を噴き出しながらアビ星人が怯む!
「まだ終わっちゃいないぜ――!」
「オラーッ!!」
“!?”
 ウィーリィと入れ替わるようにアビ星人へと仕掛けていくのはパルだ。……パルだ。間違いない。言動はおかしいが。間違いなくパルだ。
「“不明なエラー”の時間だコラァ!!」
“!?”
 説明しよう。パル・オールドシェルは以前の戦闘において銀河帝国部隊『エンペライダーズ』より奪い取る形で入手した兵装、ビーム鉄パイプを持つことによって電子頭脳の内部に不明なエラーが発生し、好戦的な気質があらわれるのだ。これこそ彼女の新たなユーベルコード【異常伝説・特攻の遥(エラーデンセツ・ブッコミノパル)】である。正気か?
「オラッ!!“反重力ギャラクシー車椅子生活送り”にしてやんよ!!」
「オラーッ!!」
「グアーッ!!」
 更に、パルは廃材の中から拾い上げた鉄パイプも得物として利用していた!鉄パイプとビーム鉄パイプの二刀流である!
「オラーッ!!」
「グアーッ!!」
 そして、パルの両脚部に装備された兵装ラスティ・ネイル!これを合わせて計四刀流となる!しかしパルは脚を使わない。彼女はビーム鉄パイプでアビ星人の頭部を執拗に殴打する!更に鉄パイプで執拗に殴打!アビ星人はまたたくまに“ベコベコ”にされてゆく!!
「オラーッ!!」
「グアーッ!!」
「そろそろ幕引きにしましょうか。――仕留めるよ」
「ああ!」
「はい。仲間……私が、支えます!」
 ナイのもつ生まれながらの光が更に激しく戦場を包む。そして、その光は猟兵たちの疲れと傷を癒し、力を与えるものだ。新たに活力を得たウィーリィは今一度鉄鍋を構えて突貫!激突!!
「仕上げだぜ、地獄宇宙人!」
「お、のれ……!」
 衝撃!!ここまでの戦いで積み重なったダメージが響く。アビ星人は衝突の勢いに耐えることができず態勢を大きく崩される!
「強火でいくわね?」
「グ、ア……!」
 更に、そこへお通さんは狐火を燃やし投げかける。フォックスファイアの炎に包まれ、アビ星人はとうとう苦悶の声を漏らしながら膝を屈した!
「トドメだオラァッ!!」
 そして、パルのビーム鉄パイプが唸りをあげる!アビ星人はその強打をもろに喰らった!見事なクリーンヒットだ!アビ星人は頸椎を粉砕されながら衝撃にカッ飛んでゆく!
「光の……者、ども、め……!よくも、よくもオオオオオオオオオオッ!!!」
 ガァンッ!!吹き飛ばされたアビ星人は壁面へと磔刑めいて叩きつけられる!そして、その身体に累積したダメージはもはや致命傷である。制御不能になったオブリビオンとしてのエネルギーの奔流は行き場を失い、暴走し、そして――
「グアアアアアアーーーーーッ!!」
 爆発!
 ――そして、親衛隊アビ星人はもと来た地獄へと還り、戦いに決着がつく!

「……終わり、ましたね」
「ああ、手ごわい奴だったぜ……。こんなに疲れたの、宇宙アナゴを捌いた時以来だ」
「状況、終了です。……かなり大きな騒ぎになってしまいましたね」
 ビーム鉄パイプをしまいこみ、通常モードに移行したパルが周囲を警戒する。当初の目的であった破壊活動はできなかったことがすこし気がかりだ。
「だいじょうぶよ、そのかわり、ちょっとした金星だもの」
 お通さんがそれを笑う。『親衛隊』なんてすごいのをやっつけたんだから帳消しよ、と。――とりあえずの戦果は挙げることができた。これ以上この区域にとどまることは危険だ。猟兵たちはグリモアベースへと連絡をとり、転送を依頼――帰還する。
 こうして、インペリウム内部でのひとつの戦いに区切りがつく。
 ――まもなく、銀河皇帝の喉元だ。決戦は、激しい死闘になるだろう。だが、恐れず進め、猟兵たちよ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月19日


挿絵イラスト