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銀河帝国攻略戦㉒~狂気のドクターを撃破せよ!

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #ドクター・オロチ

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「ドクター・オロチとの戦いに手が届いたわ!!」

 グリモアベースで、大きな声をあげたのは紅月・知夏。彼女は猟兵達に説明を聞いてもらおうと、ぴょんぴょんと跳ねながら大きく手を振る。

「皆も知っていると思うけれど、アマルテア情報艦隊を退けたことでドクター・オロチの実験戦艦ガルベリオンを捕捉できたの!解放軍が砲撃を入れたんだけど、ガルベリオンは損害の修復機能を使って回復。そういったことのできる権限をもつドクター・オロチが乗艦しているのは間違いないわ。
 ドクター・オロチは何をしてくる相手かわからないし、解放軍の人々を巻き込むのは危なそうだから、猟兵達でカタをつけることになったの……そう、私が案内するのは、実験戦艦ガルベリオンにいるドクター・オロチとの決戦よ!」

 キラキラ、というには少し深く瞳を輝かせる知夏は、そのままテンションに任せて必要なことを告げる。

「一番に気をつけなくちゃいけないのは、相手が強敵だって事!
 ドクター・オロチは、先制攻撃を行ってくるわ。猟兵が使うユーベルコードと同じ能力のユーベルコードによる攻撃が必ず飛んでくる、ってことをまず理解しておいて。
 だから、こっちが攻撃する為には相手の先制攻撃をどうやって防いで、反撃に繋げるかっていう作戦や行動が重要になるわ。
 対抗策がなければまずダメージを与えるに至れないし、対抗策が不十分だと苦しい戦いになってしまう……相手の行動に対するメタをガッツリ張れるなら、臆さずそうしましょうって事だと思ってくれればいいわ!
 あ、でもユーベルコードの複数使用は控えた方が良いかも。ユーベルコードに対しての先制だから、相手の手数が増えて苦戦する羽目になっちゃうわ」

 相手取るには少々難しい存在ではある。油断をすれば精鋭の猟兵達でも倒されてしまうだろう……だが、だからと言って猟兵ではかなわないという事にならないはずだ。
 実際、そのようなオブリビオンであれど短期間に連続して骸の海に沈めれば、この世界に復活することは出来なくなると既に予知で判明している。

「私が皆を送ることになるのは、それなりに広い……多分だけど、破壊兵器とかの威力実験施設の一つだと思うわ。
 天井は高くて、壁側には破壊対象となるであろう金属のキューブっぽいのとか、壊れた兵器とかの片づけを怠けた感じの退けられただけの瓦礫とか……よくわかんないものがたくさんあるけど、基本的に開けている場所よ。
 身を隠すには向かないかわりに、相手も秒で見つけられるわ。戦場自体はシンプルだから、思うさまやってちょうだいね!」

 厳しい戦いになるだろう。
 しかし、この戦争が終わった後もドクター・オロチが残っていれば、オロチウィルスやジャミング装置の防衛機構を見るだけでもわかるような悪辣な手法でスペースシップワールドに影を落とし続けるのは想像に難くない。
 人々の未来を護るためにも、猟兵達の力が必要なのだ!

「作戦は立てた?準備の出来た人からこっちに来てね。順次送っていくわ!
 嫌な兵器をつくったり、悪辣な作戦を立てる相手の鼻っ柱……鼻がどこにあるかわかんない顔してるけど、とにかく思いっきり叩き折ってやりましょうね!」


碧依
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 ……というわけで、碧依と申します。今回は戦争ボスの一人、ドクター・オロチとの対決シナリオとなっています。
 OPにもあります通り、ドクター・オロチにダメージを通すための対抗策が必須となっています。
 少々諸々特殊ですので判定も厳しめの物となっていますが、皆様の挑戦を心待ちにしております。
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第1章 ボス戦 『ドクター・オロチ』

POW   :    ジャイアントカルシウム
自身の身長の2倍の【恨みの叫びをあげる骸骨巨人】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    カリスティックボディ
自身の肉体を【あらゆる生命体を溶解し取り込む緑の粘液】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    ビャウォヴィエジャの森のフェンリル
【水晶剣が変形した門から『フェンリル』】の霊を召喚する。これは【炎の体を持つ巨大狼で、爆発を呼ぶ咆哮】や【瞳から放たれる魔炎光線】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エミリィ・ジゼル
先制攻撃?なるほど、それは大変ですね。
ではそれを【なかったこと】にしましょう

方法としては開幕早々にまず《やりなおすメイドの術》をぶっぱします。
相手が先制攻撃をしてこようが、なかったことにしてしまえば攻撃は消えちゃいますからね。

そしてリスタートした状態で、即座に《時を止めるメイドの術》で時間を停止。
相手がどんな先制攻撃をしてこようとも、既に見たみたものであればどの方向からどうやって攻撃されるかは分かりますからね。
回避も楽勝ってすんぽーです

最後に時間を停止した後、聖剣めいどかりばーで思いっきり背後からズバっといきます。

「ヒャッハーっ!死ねー!トビアス!」



 実験戦艦ガルベリオンの内、破壊力試験区画の一つにエミリィ・ジゼルは降り立った。
 彼女は自身の第六感が警鐘を鳴らすのを無視し、敵の出現を確認する間も惜しいと"セーブデータ"を作成する……彼女の狙いは自身のユーベルコード、やりなおすメイドの術によるセーブ&ロード。即座にセーブし、攻撃前のデータを作ってしまえば良いという考えだったのだが……遮蔽物も用意せずにユーベルコードを発動したことは、この段階で言えば誤りであった。

「ムシュシュシュ、厄介そうだと思ってたけど存外に不用意だったね♪」

 やけに楽しそうな高い声とともにエミリィの上空から緑色の粘液が降り注ぎ、彼女を溶かしていく。

「~ゴボッ?!ガボッ!」

 人一人分はあるであろう体積の粘液に気道をふさがれ、溺れながら全身を溶かされていく。
 エミリィはもがきながら、直前に作り上げたセーブデータをロード!降り注ぐ粘液が届く前に、次のユーベルコードを発動させる!

「ムシュシュ「ターイム!!」

 頭上からの攻撃であることは理解していたため、頭を低くしながらタイムを叫ぶエミリィ。
 時を止めたまま頭上を確認すると、自身の直上に粘液の塊が、ある程度の広がりを持って迫っていたことに気づく。

「……最適化をしても、多少は喰らってしまうでしょうね……」

 ある程度のダメージを喰らうことを想像したエミリィは、それでも最初にくらった時よりはマシだと傷を負う覚悟を決めた。
 ――ここからの、彼女のやり直しの工程は割愛させてもらう。以降は、彼女のとれた最良の工程となる。
 最初の時間の停止を解除し、床に飛び込むように前方に逃れるエミリィ。その足に、皮膚を焼くような痛みと共に粘液が絡みつく!

「ムシュシュ♪んー、逃げるにはちょっと遅かったんじゃないかな?タイムなんて聞いてあげないよ~?」

 オロチは再びユーベルコードの気配を感じ、猟兵ごと粘液を自身の元まで引き戻す!あまりに加減を考えない勢いに、宙を舞うように離れたはずの地点に引き戻されるエミリィ!

「……タイムっ!!      死ねぇーーー!!」
「ムシュ?!」

 が!彼女は反動で一瞬ドクター・オロチの背後に回った瞬間を狙い時を止め、攻撃の体勢を整えた!
 予定していた何者かへの言葉は全部言おうとしたら最初の全身取り込まれに近い状況になるためチャートから外さざるを得なかったが、エミリィは予定通りにドクター・オロチに背後から一太刀入れて見せたのだ!
 繰り返しの中で最良だった状態を再現したエミリィは、粘液を剣でペシペシと払い落としつつ急いでドクター・オロチから距離を取った。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

マリア・フランサスカッチ
なぁに、来ると分かっている先制攻撃なんて
[覚悟]を固め、[第六感]で挙動を読み、[地形の利用]をして、冷静に対処してやるぞ

まずは周囲の瓦礫に対し[破壊工作]だ
砲撃の[一斉発射]を行い、周囲に塵をまき散らし視覚を攪乱をさせるぞ
『光化学迷彩塗装』を施したボクだから、より[目立たない]だろう?

だが相手は巨体、やみくもに攻撃されるだけでも危険だ

そこで攻撃の大元、水晶剣を模した装備を持つ腕を狙うぞ
キューブを駆け上り、高く[ジャンプ]し[空中戦]に持ち込み、骸骨の腕を[踏みつけ]てやる

…さあ、こっちも行かせてもらうよ?
高所から己の金属拳をオロチに一気に叩き下ろしてやるさ!(グラウンドスラッシャー)



 猟兵を追いかけようとしたドクター・オロチは、何かに気づいて肉体を戻す。

「何か来てるっぽいね。じゃあ追いかけっこはお預けで、こっちでやってやろーっと」

 そう言って水晶剣を軽く振ると、オロチの前に巨大な骸骨の巨人が現れた。
 それを見据えるのは、新たにこの場に降り立った猟兵であるマリア・フランサスカッチ。彼女の瞳には、決して退かないという強い覚悟が宿っていた。

「いくよー♪」
「ウ゛オ゛ア゛ア゛ァ゛アァ゛ア゛ア゛ァ゛アァ゛!!!!」

 どこから出ているのか、少年めいた声を上げながら向かってくるオロチにあわせて、骸骨の巨人が醜く怨嗟のこもった叫びをあげながら走ってくる!
 なめてかかっているためか単調なその動きを、マリアは第六感も込みで安全圏まで横跳びで回避し周囲の瓦礫をアームドフォートで撃ち壊す!
 破片と塵が戦場内を覆うと同時に、水晶剣を構えなおしたオロチがそちらを向いた時、マリアの気配はあるのにほぼ視認できない状態が作り上げられていた。

「おっと、光化学迷彩かな?わかっててもちょっとめんどくさいな~」

 マリアが飛び退いたと思われる方向に、水晶剣をブンブンと横薙ぎに何度も振るう骸骨巨人。その勢いとリーチで、重量がありそうな瓦礫も金属音と共に弾かれていく。そのようなとりあえずの攻撃を行っていたオロチの頭上から、声が降ってきた。

「やっぱり、やみくもに攻撃されるだけでも危険だな」

 オロチがその声で上を向くと、塵の影が屈折し僅かにマリアの姿を捉える!敵に攻撃しようとするオロチの動きに合わせ、骸骨巨人が水晶剣を振り上げる……が、その水晶剣をもつ腕こそがマリアの狙いである!
 戦場の中でも高く積まれていた金属キューブから、さらに高い位置へとマリアはジャンプ!
 空中戦の技術をもって体勢を整え、狙い通りの位置に彼女自身とアームドフォートの重量を全て乗せて踏みつける!
 骸骨巨人の右腕、衝撃に耐えきれず破砕!しかしマリアはそれをも本命の攻撃への助走とばかりに己の拳を大きく振りかぶった!

「さあ、こっちも行かせてもらうよ」

 ユーベルコードを発動し、全力の拳が振り下ろされる!それは骸骨怪人の頭蓋を貫通し、マリアの持つすべての重量ごとオロチの頭上に叩き下ろされた!
 轟音と共に凹む床!その中心となる拳に、たしかにオロチを捉えた!……しかし、その感触は肉とは明らかに違う異様な物。その上、マリアの拳はクレータ状に凹んだ中心に埋まりこんでいる。
 マリアは一瞬疑問を感じたが、クレーター上に凹んだ床の上を、緑色の粘液がクマのフードや服を引き連れながら必死で逃げているのをみて理由を察した。

「逃げるためにユーベルコードを使ったか。しかし、ダメージは与えられたようだ」

 マリアの視線の先、拳を引き抜いてできた穴の中で残る緑の粘液が朽ちていっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

モリオン・ヴァレー
不愉快ここに極まれり、といった感じかしら
あなたが此処に居るだけで迷惑で脅威なのよ

とはいえ、まずは向かってくる攻撃をどうにかしないとね
【対SPD】
<地形の利用><情報収集><投擲><誘導弾><鎧砕き><ロープワーク>
立体的な移動手段として天井や壁に
霊力硬化で外壁位は簡単に穿てる霊糸付きの長めの針を複数投擲
<見切り><ダッシュ><オーラ防御>迫り来る粘液の動きを読みつつ
【アクセラレイタ】発動
持ち前の機動性での回避
被弾時の事も考え重力の護りも展開しておくわ

針を足場に
糸を伝い粘液から逃げ続け
そうしてる内に機が見えたら
<毒使い><マヒ攻撃><気絶攻撃><投擲><スナイパー>
本命の毒針をお見舞いしてやるわ


夜暮・白
いつか完全に消せるのかな。あんな機械、もう作られたくない。

先手とられるんだよね。観察して[情報収集]しつつ、脱いだ服を粘液に被せて触らないようにしよう。[オーラ防御]で防ぎながら隙を見る。最悪、当てられたらタールの体を引き延ばして切り落とせばいい。体の痛みくらい耐えてやる。

[地形の利用]をして[忍び足]で動いて少しでも翻弄できたら上出来。[野生の勘]に従い放つ【シーブス・ギャンビット】は、混戦なら人目を[盗み攻撃]して最大限のダメージを。伸びきったところを狙えるなら綺羅針を何本も[投擲]して地面に縫い付ける。妨害して他の人が攻撃できるチャンスを作ろう。

★アドリブ連携歓迎。クリア済みは返却希望



 先ほどの戦闘で未だ宙に塵が舞う中で、次なる猟兵達は戦場の様子を観察し情報を得る。壁際とまではいかないが、ど真ん中ではないあたり。
 塵によって綺麗には見えなかったが、別方向の壁側で骸骨の巨人が朽ちていくのが彼らの眼にも映った。

「モリオンさん、ドクター・オロチが来てます」

 夜暮・白の野生の勘が、敵の存在を最初に感知する。続いて、モリオン・ヴァレーの視界でも、緑色の粘液が姿を現した。

「あたしは作戦を開始するわ。どう追ってくるかはわからないから臨機応変に」
「はい。お互いに協力できるところは協力しつつ行きましょう」

 軽く声を掛けあってから、白とモリオンは二手に分かれる。

「あー!ちょっとまってよー!!」

 待ってくれるはずがないのをわかりながら、ドクター・オロチが声をあげる。

「全然嬉しくないダイエットしちゃったから、君達を取り込ませてほしいんだよね!」

 先ほどの戦闘で、粘液の肉体を一部パージせざるを得なかった事を言っているのだろう。オロチは器用に粘液を配分し、白とモリオンの双方を追いはじめた。
 壁側に向かいつつ、天井と壁に自身の拷問具である針を投擲し足場を作成するモリオン。彼女は自身の後ろからせまりつつある粘液の動きをオーラの防御で身を守りながら読む。
 シュンとすばやく伸ばされた粘液をダッシュで躱すと、持っていた杖に霊力を込める。

「一度避けたからって余裕っぽいね それっ」

 あきらめの悪い粘液の行動がモリオンに届く……が、彼女に全く瑕疵を与えられない!モリオンの先の行動、杖への霊力によって彼女のオーラの守りが重力のオーラとしてより強固に展開されていたのだ!
 しかも、その効果は摩擦抵抗の減少!それを敵の攻撃に合わせてしまえばモリオンの肌にオロチの変じる溶解性粘液が触れることはない!
 モリオンはさらに、オーラを突破されてもその身を護れるように自身の礼装を重力波の鎧へと変ずる!防御を固め、自身の作った足場とそこに渡した糸を自在に逃げ回るモリオン!
 モリオンは、大胆に逃げる自分を追う事に集中しているオロチの体積が徐々に増えてきていることに気づく。
 どこまでも伸びる粘液の身体とはいえ、白とモリオンの双方の追跡をすることをオロチは早々に放棄したように見える。
 やがて全体をモリオン側へと持ってきたらしいオロチの様子を見て、彼女は白の追跡をあきらめた理由に納得がいった。
 オロチはいくつもの、おそらくは彼にとっての不用品を纏っていたのだ。それらはすべて白の持ち物であることは明白だった。
 数枚の明るい色彩の布は、白の纏っていた衣服。宝玉のついたスローイングダガーは、伸縮率まかせに攻撃された時の武器を腹いせとして奪ったのであろう。

「ずいぶんと、白さんにやられたみたいね」
「ムシュシュシュ そうだね!だからもうアッチとはかかわってあげないことにしたんだよ」

 攻撃を当ててくる余裕のある相手よりも、逃げ回ることでユーベルコードまで使用している相手の方が良いに決まっている。まだユーベルコードをしていないと思われる白にかまって、投擲以外のダメージを喰らうよりもずっと建設的であろう。

「どうもキミは攻撃の機会ねらいみたいだけど、追いかけっこで体力が終わるのとどっちが先になるか  な゛っ?!」

 無駄口をたたくオロチを、粘液の伸縮性では受け切れないあまりにも素早い斬撃が襲った。服と持ち去られた武器である綺羅針をうばいとるように、そこの周辺の粘液をシーブズギャンビットで切り離したのは当然それらの持ち主である白!
 白は粘液が退いていくことにも当然気付いていた。伸びきった個所への攻撃で白を放置することに決めたオロチの素振りを把握していたのだ。一応欺くためにそれ以降も逃げるふりをして瓦礫をまわりこみ、本格的にモリオン側に思考を向けたのを確認してから忍び足で付近へと合流したのだ!
 白の攻撃に痛みを感じ、うごめくオロチ!モリオンもそれを機とみて、天井付近の足場からオロチに向けて針を投擲!体積の多くを奪い取られた直後の毒針に、オロチの動きがまるで縫い付けられたように止まる!

「モリオンさん、今のうちに離れよう」
「追加攻撃はいいの?」
「こいつ、内側にしまってある水晶剣を取り出そうとしてる。今は毒のまわりのせいでうまくいってないみたいだけど、それ用の対応策を用意してない僕達がこのまま追撃するのは苦戦に自ら突っ込むだけになると思う」

 白は観察によって得た情報と、その後の展開を懸念する自身の勘を信じるように呼びかける。
 モリオンはそれに同意。二人の猟兵は固まるオロチを置いて、素早くその場を離れたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

才堂・紅葉
「小細工の通じる相手じゃないですし……後は気合いかぁ」
情報収集の結果、溜息を吐いて覚悟を決める。

蒸気バイクを操縦して突撃。絶対先制に意識を澄ませ、野生の勘に見切りを加え、スライディングで懐に飛び込みたい。
これで回避できる甘い攻撃ではないが、骸骨巨人懐深くに入れば威力は半減するので、グラップルと怪力で耐えます。
衝撃で全身がバラバラになりそうですが、死ななきゃ安い。
一瞬でも耐えたら腕を抱え込むように押さえ、カウンターで肘を全力で蹴り上げる【関節技】からの合気投げ。すかさずジャンプし頭部に掌を押し付け、封印解除で【重力加重の柔術技】を骸骨巨人に叩き込みます。
出来るなら、オロチをその下敷きにしたい。


大神・零児
遮蔽物などを利用し身を隠しながら「ダッシュ」で動き回り、「残像」を作りミスリードを誘いながら、敵の死角に入り込むよう意識して動く

フェンリルとオロチの動きにも注意しながら「第六感」「野生の感」も併用して攻撃の予兆を「見切り」、「武器受け」と「オーラ防御」で防ぎながら、魔炎熱線を防ぐ動作と同時に「カウンター」で狼型の炎(ゴーストウルフ)を放ち、それを全て「ダッシュ」させて立体的に動かし「残像」を発生させ撹乱、死角から回り込ませた炎で「2回攻撃」

攻撃後の硬直を狙う作戦だ

(悪夢でみた奴は、異界の奴のようだった。「脳みそ」「水晶剣」「緑粘液」、奴のUCのような存在も…)

(アドリブ&共闘歓迎)



「小細工の通じる相手じゃないですし……あとは気合かぁ」
「そうだな。でも、覚悟を決める時間は前の奴らが作ってくれた。やってやるぞ!」
「ええ!」

 才堂・紅葉と大神・零児は互いに頷きあう。紅葉の蒸気バイクがその駆動のために蒸気を循環させたとき、彼らの目線の先に居た緑色の粘液の塊がぶるりと震えてその内部から水晶剣を突きだした。
 それにあわせて召喚される骸骨の巨人!さらには変形した水晶剣から、巨大な炎の毛皮を纏ったフェンリルが飛び出し紅葉と零児に襲い掛かる!

「まずはあれから逃げましょう!」
「おう!」

 紅葉は蒸気バイクでフェンリルの視界から急速離脱!零児のみとどまったように見えたが、それは残像!フェンリルの目から発された魔炎が零児のいた場所を焼いても焦げた肉の臭いはせず、それが癪に障ったのかフェンリルは零児に狙いを定める!

「よしよし、その調子だ」

 零児は避けるスピードに緩急をつけ、濃く残した残像を狙わせることでフェンリルの攻撃を誘導する。

「ア゛オオオオオオオーーーーーーーン!!!!」

 魔炎光線による狙い撃ちがうまくいかないためか、フェンリルは咆哮による爆撃に戦術を切り替える。

「……魔炎光線は見てたんだがな」

 鞘と刀で爆風を払い、オーラの防御で身を護る零児にダメージは無かったが、次の魔炎攻撃でカウンターを行う予定はずらされた。

「が、これはこれで好都合か」

 零児の眼はフェンリルが咆哮を放とうと息を吸い込むその後ろ、紅葉と骸骨巨人の戦いを……巨人が紅葉に投げられる姿を見ていた。
 零児とフェンリルの戦闘の最中、紅葉も巨人に蒸気バイクで突撃していた。
 粘液から通常の姿に肉体を戻したオロチが水晶剣を振る前面、骸骨巨人が大型の水晶剣で紅葉を狙う!だが彼女はその動きを第六感で見切り、爆走するバイクからの曲芸じみたジャンプで避けてみせた!
 そのままスライディングで巨人の懐に潜りこんだ紅葉は、痛みを歯を食いしばり耐えながら巨人に力任せに組み付く。懐にもぐりこむことで攻撃を耐えようというその目論見は、成立した!
 一瞬の間の後、巨人の動きに耐えた紅葉の反撃が始まる!彼女は戦闘意欲に満ちた笑顔を浮かべ、巨人の腕を抑え関節を狙い蹴り上げた!さらにはそのまま、合気の要領でその巨体を地に転がしたのだ!

「ア゛オオオオォォォォ!!!!」
「オ゛ォア゛ガアァァーーーーー!!!!!!!」

 フェンリルの爆発を呼ぶ咆哮と、立ち上がろうと上体を起こす骸骨巨人の怨念の叫びが戦場に響く。
 それを遮るように、ジャンプし頭蓋に狙いを定めた紅葉と、爆破を防御しカウンターを放つ零児の声が重なって響く!

「コード・ハイペリア!!」
「魔狼、降臨!!」

 残像を纏いながら立体的な駆動で戦場に奔る狼型の炎が、重力に干渉し重い必殺の一撃となった柔術が――猟兵を狙ったユーベルコード存在を屠る!

「~~~~!!」

 不甲斐ない配下に声をあげようとしたドクター・オロチは、しかしその頭脳で気づく。大神型の炎の軌道計算も、頭蓋を砕かれた骸骨巨人が倒れてくるのも、今から対応するのには遅すぎるのだという事に。
 残りの炎すべてが、前面に押し出されるようにオロチの背を焼く!前方につんのめったオロチのうえに、骸骨巨人の残骸が異様な重みを伴って落ちてくる!
 先ほどまで異様に騒がしかった戦場に、断末魔にもならぬオロチを押しつぶす音がやけに大きく響いた。

「……終わりましたね」

 骸骨の巨人とオロチの姿が消え、紅葉はこれまでの戦闘によってボコボコになった床面の上に立つ。猟兵達は互いの姿を視認すると、ここに降り立った時と同じように頷き合った。
 この場の戦いは終ったかもしれない……しかし大きなうねりはまだ続く。それに対峙するためにも、彼等は次の戦場に向かうべくグリモアベースへと帰還していった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月20日


挿絵イラスト