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アルカディア争奪戦⑥〜その悪夢は海より来る

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 ――海珠帝国グリード。
 屍人帝国の中でも有力な国とされる『ジェード王国』、それと同盟関係にあるこの国は、大陸の9割が海水でできているという。
 世が世ならばリゾート地として発展できたであろうが、そこはここも屍人帝国ということで危険度あるという事でご容赦願いたい。

 そもそも、この国が危険な原因は他にもある。
 それは信仰と巨大化。『大いなる神、偉大なる王、麗しの姫君』と呼ばれる謎の存在を崇拝する彼らは等しく全員巨大化していた。陸の生物も、海の生物も、空の生物も、オブリビオンであれば等しくだ。

 そのグリードの海中より、今まさに巨大化オブリビオンの群れが襲いかかろうとしていた。
 ……よく見えないが。しかし恐怖の気配はすぐそこにあるのだ。あるんだってば。


「ま、そういうことよ」
 どういうことだって宇宙を見たような顔をする猟兵たちを前にマリア・ルート(紅の姫・f15057)は咳払い。
「つまり今回の敵、全く見えないのよ。巨大化してる癖に」
 サイズは巨大化したミミズ程度で普通の生物なら虫であろうと見えてしまうほどだが、飛びやすいし軽いしほぼ透明だしで見えないらしい。
 しかもこいつらは少しの空気で飛ぶ。これがまた厄介だ。
「風でも吹こうものなら蔓延するわねこいつ。だから仕留めるなら――そう。海中にいるときしかない」
 こちらから海中に潜り、ひらひらゆらゆら移動するこいつらを仕留める。それしかない。
 だが、透明なこいつにどう対応すればいい?
「こいつには魔力や血を吸うとその色に染まる性質がある。これを使うのがベターだけど、まぁあんたらのことだし……他のアプローチもできる奴いそうね?」
 ニヤリと笑みを浮かぶそれは歴戦のグリモア猟兵と言うべきか、猟兵への信頼というか。
「強いて言うなら、水中でも程度の水の動きさせたらこいつ飛んじゃうから気をつけてね?」

「厄介な奴だけど地上に出させたらもっと厄介になるわ。ここで退治――というか駆除、頼んだわよ!」
 激励の言葉を送り猟兵が相談に入った後――こっそり自分が虫刺されないか確認するマリアがいたらしい。


結衣謙太郎
 今年はそういえば蚊とか見なかったなぁ。いいことだけど。
 どうも、結衣(戦争モード)です。
 海中戦に厄介な敵を添えて。
 以下詳細。

●メイン目標
 海中で『ムスムス・カリボリタンテス』を倒しまくる。

●章構成
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「アルカディア争奪戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 今回は海中集団戦になります。海中戦に適応したプレイングには特別プレイングボーナスが入ります。
 繰り返しになりますが相手はほとんど見えません。
 ただ魔力や血を吸うとその色に染まるのでわかりやすくなります。使うかはあなた次第。
 色々と工夫のいるバトルだと思いますが、頑張ってください。
 あ、元々はちっこい奴ですが巨大化してるので飛ばれさえしなければ精密に狙わなくても大体当たります。

●ロケーション
 海珠帝国グリード・海の中。
 綺麗な海です。リゾートにできるかもしれないほど水色です。
 こんなきれいな海にこの透明な奴らがうじゃうじゃいます。うわぁ。

●備考
 プレイングはオープニング公開後から受け付け開始します。
 ただし全採用できない可能性がいつもより大きい点、ご了承ください。
 オーバーロードは納期の都合により後回しになる可能性もあります。

 以上、皆さんの海中の駆除活動をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『ムスムス・カリボリタンテス』

POW   :    非聞SHOW(HI-BUN-SHOW)
【音もなく何処か】から、戦場全体に「敵味方を識別する【大量の仲間の群れ】」を放ち、ダメージと【吸血とエネルギー吸収】の状態異常を与える。
SPD   :    吸って吐いて
【群れで襲い、吸血】が命中した部位に【思考を奪い、部位も単細胞化させる毒】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。
WIZ   :    光の蚊
自身の【群れ全体】から【一斉に光】を放出し、戦場内全ての【視力】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。

イラスト:すずや

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヴィクトル・サリヴァン
元のサイズでも大概なのに大きくなると恐怖だねー。
見えないのは厄介だけど実体あるなら問題なし、頑張って…蚊?退治しよう。

素潜りで水中へ、水泳や水中機動活かし泳ぎ回るね。
無酸素、高速詠唱からの水の全力魔法で周囲の海水に薄く魔力を通し敵を着色する。
水中でも目立つ色になってくれるといいんだけど…ゲーミングな色は賑やか過ぎか。
発光して視界を奪ってきたらその時は目を閉じメロン体からの反響定位で群れの位置を把握。
できるだけ多く巻き込める位置でUC発動、大渦と氷属性混ぜて極寒の大渦生成して海水ごと凍らせながら纏めて渦の中心に集めつつ攻撃。
凍っちゃえば飛んで逃げたりもできなくなるだろうし。

※アドリブ絡み等お任せ




「元のサイズでも大概なのに大きくなると恐怖だねー」
 話を聞いてそう呟くヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)。
「見えないのは厄介だけど実体あるなら問題なし、頑張って……蚊? 退治しよう」
 意気軒昂と海に潜っていった。ちなみにこれが蚊なのかは筆者にも全く分からない。

 しれっと海に潜っていったと書いたが、そう。勿論素潜りだ。
 ヴィクトルはシャチのキマイラ故、このような芸当も可能なのは自然なことだ。ついでに無酸素で素潜りやれる――とまで書くとそろそろハテナマーク出そうなものだが。
 さてこのキモい物体で満たされた海、そこの中でヴィクトルは薄く魔力を全力で通す。なんか矛盾してる気がするのは気のせい、というか……
(あっ、マズい。派手にやりすぎた)
 エレメンタル・ファンタジアの暴走のしやすさ的に仕方ないというか……
 ともあれ、魔力を通して着色されたそれは――

(なぁにこれぇ)
 一面、ゲーミングカラーだった。目に悪い!
(賑やかすぎじゃない!? それにこれで発光しようものなら……!)
 はい、その通りです。くらえゲーミング光刺激ショック!
(うわーっ! 目が、目がぁぁ!! こうなったらプランB、メロン体からの反響定位で……)
 えー、ここでわかんない視聴者の皆さんのためにご説明。メロン体っていうのはイルカ系の頭頂部の噴気孔の近くにある特殊な器官のことで、反響定位とはいわゆるエコーロケーション、音の反射を使い位置を探る手法だ。つまり盲目の時に音を使い判断する、アレと似たような手段に出ているわけだ。
 そしてもう一度エレメンタル・ファンタジア。今度は大渦と氷属性を混ぜて極寒の大渦に。そんなことしたら――!

 ビキビキビキビキっ!!
(計算通り)
 ゲーミングムスムスたちが海水ごと凍ったまま渦の中に! 凍ってしまえば飛んだり逃げたりもできない!
(じゃあね!)
 そのままトライデントを振れば、ゲーミングムスムス達は何もできずに砕け散っていくのだった! さらばゲーミングムスムス! いろんな意味で映像化されないでくれよゲーミングムスムス!

大成功 🔵​🔵​🔵​

杓原・潤
うーん、気持ち悪い!
大きくなってるから余計に!
とっととやっつけちゃうぞ!
海の中だし水着……を着てテルビューチェに乗って行こう。
息が続かないし、血を吸われるのもヤだしね。
まずは【深海適応】で深く潜って、闇の【属性攻撃】を込めた泡をいっぱい出して全身に纏いながら近付こう。
こっちに気付かれないように、と敵の放つ光をなるべく遮れるように、の2つの意味を込めて!
今回は散らさないようにゆっくり泳がなきゃ。
見えない敵だけど、スマホの骸魂に【情報収集】させて【道案内】してもらおう。
上手く敵をユーベルコードの範囲に捉えられたら、魔法剣で攻撃開始!
包囲攻撃すれば、水の中から出さずにやっつけられるはず!


四王天・焔
アドリブ・連携歓迎

●心情
巨大化していても、ほとんど見えない敵と言うのは厄介だね。
でも、焔も水中での戦いは得意だから、負けないよ!

●行動
島に着いたら、水中に潜って【水中機動】で敵の居る場所まで素早く向かう。
【水中戦】の技術を用いて、上手く水中でも泳ぎ回りながら戦うね。
攻撃は『混沌七彩符』を使用して650本もの光線を放つね。
光線は【属性攻撃】で強化しつつ【範囲攻撃】で拡散させて広範囲を攻撃し
纏めて敵を攻撃していくよ。

敵の光の蚊は、一斉の光を【オーラ防御】で弾き返したりしつつ、
弾き返せない場合は奪われた視力も【第六感】でカバーして、敵の場所を察知するね。




「うーん、気持ち悪い! 大きくなってるから余計に!」
「確かに……」
 2人でぎこちない笑みを浮かべあう杓原・潤(鮫海の魔法使い・f28476)と四王天・焔(妖の薔薇・f04438)。あ、潤はなぜか水着だ。いやなぜってほどでもないが……
「よし、気分悪くなる前にとっととやっつけちゃうぞ!」
 キャバリア『テルビューチェ』を呼び出して入り込めば海中に入り込む潤。
「あっ……もう、おいてかないでよ!」
 遅れて焔も海中に潜った。ところで潤、どうせキャバリアに入るならなぜ水着着た?
「気分!」
 そ、そうか。気分は大事だからね。

「巨大化していても、ほとんど見えない敵と言うのは厄介だね」
「本当、息が続かないし、いつの間にか血を吸われるかもだしどっちもヤ」
「ねー」
 片やキャバリアの深海適応性、片や水中機動で高速で動く2人組。突貫ながらなかなかいいコンビだね?
「っと、見えてきた!」
 ムスムスの大群に声を上げた潤。本来見えないはずのムスムス達がなぜわかるかと言うと、潤のキャバリアからは闇属性の泡が大量に放出されており、これに魔力反応して着色されているのだ。
 すぐにスマホの骸魂に覚えてもらう潤、同時に攻撃を始める。追いかけるよりここで倒せた方が効率がいい。
「ミゼリコルディア! 闇の魔法剣を喰らえー!」
 キャバリアから飛び出した複雑に飛翔する魔法剣がムスムス達を包囲攻撃していく! ムスムス達も輝くが闇の前では無力。光をも飲み込む闇の剣が襲いかかる!
「あっ……!」
 と、潤がふと気づいたのは逃げようとするムスムス達。そう、死角や後方のムスムス達まで魔法剣が届かなければ、そいつらは普通に逃げてしまう!
 今回こそは散らさないように、そう思っていた潤、失敗か――

 ――と思いきや。
「甘いよっ!」
 ムスムス達の後ろから焔が襲いかかる! そう、潤が引き付けていた間に素早く泳いで回り込んでいったのだ! つまり、挟み撃ち状態である!
「|混沌七彩符《カオティック・レイ》――七色の力を顕現せよ!」
 実に650もの光線が潤のコードとも混ざり合い、挟み撃ちながらも共に手数による範囲攻撃という、集団戦泣かせの戦法!
「こうなるかと焔の|直感《第六感》が囁いたから回り込んで正解だったよ!」
「あ、ありがとう!」
「礼はっ!」
「うん、こいつらを倒してからだねっ!」
 ムスムス達の光にも負けない光が前から後から海中を駆ける。その光にムスムス達はただやられていくしかなかった。
 気づけば見える範囲のムスムス達はあと少し。水の中から出さずに倒し切る――
「それが最後!」
「いっけー!」
 それを叶える光の如く、潤と焔のコードが混ざり合えば一つの大きな光となれば最後のムスムスを貫き、そして、轟沈させた。
「よっし!」
「……あ、可愛い水着」
 ハイタッチしようとコックピットから体を出した潤に焔が素直に言えばにこりと微笑む潤。
 そして2人の手が軽快な音を立てた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シモーヌ・イルネージュ
ムスムス・カリボリタンテス?
なんだか名前を聞くだけで痒くなってきそうだな。

要は水の中の菌を退治するって話だろ?
あまりかき回すわけにもいかないし、空中はダメとなると菌退治も難しいものだな。

ここはUC【ライトニングスピリット】を使おう。
海中なら電気も通るから移動は楽々。
多少、魔力は吸われそうだけど、吸血されるよりはマシだろう。

あとは海中の周囲を【電撃】しながら洗浄していけば、ムスムスも退治できそうかな。




「ムスムス・カリボリタンテス? なんだか名前を聞くだけで痒くなってきそうだな」
 シモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)、気持ちはわかる。筆者も痒くなりそうだ……かゆ……うま……
「まぁでも、要は水の中の菌を退治するって話だろ?」
 まぁ確かにそうだね。
「ただあまりかき回すわけにもいかないし、空中はダメとなると……菌退治も難しいものだな」

 そのまましばらく考えていたシモーヌだが、ふと手を叩くと、コードの力で自分の体を雷の鳥へと変える! そしてそのまま海にin! 海水だって水なので電気は通る、移動もスイスイ行ける。
 多少魔力を吸われて黄色いムスムス達が出てくるが、それすら気にも留めず電撃を放ちながらあちこち移動していく。要するにボルテッカー戦法だ!
「あはは、気持ちいいほどやられてくれるね! いいぜ、そのまま洗浄だ!」
 海中を走るシモーヌの前にムスムス達は魔力を吸収してもなお止まることなきその勢いと周囲へ放たれる電撃の前にやられていくしかなかった。ムスムス達だって電撃されたらたまったものじゃないからね。
 逃げられた奴はまぁそれなりにいるがそれはそれ。少なくとも上空へ逃げられることはなかった。シモーヌが海面から海底へ向かうようにやっていったからなのだが、危ない危ない、真正面から向かってたら上空へ逃げられるのもいたかもしれない。

「この辺はこんなものか。さて、次はどこだ?」
 ひとしきりやり終えれば次の獲物を探しに――駆除しに、シモーヌは稲妻となって海中をなおも走っていく。それはまるで一つの雷のように。

成功 🔵​🔵​🔴​

琥珀川・れに
周りから見えないなんて損している。美少女に話しかけても気づいてもらえないじゃないか。
まいったな、【水泳】技能は得意じゃない。上から行かせてもらおうか。
敵に飛ばれないようにUCの雨で抑える役目を買おう。
相手は風で飛ぶ程度の軽さだ。雨の勢いでも十分だろう。
光攻撃に対してもUCの雨で弱めることは可能だろう。

これは広い【範囲攻撃】のUCだ。
威力は無いし本来味方を回復する技だ。無論敵も然りだが…
皆を吸血するよりは僕の雨でお腹いっぱいになりなよ。そこまで容量もなさそうだ。綺麗な赤色もつくだろう。
トドメは他に任せたよ。

※アドリブ大好き楽しみ。追加省略アレンジもご自由に。
※スムーズな進行の為の不採用問題無し


カシム・ディーン
「ご主人サマ大丈夫…?」
…何…問題ねぇ…(先日の依頼の精神的打撃を引きずってる(平岡MSの依頼参照
か、家族と…奴らを僕は兄弟と思ってるのか…!?(未だ続く胸の痛みに苦しみながら

「…ご主人サマ!今は休んでて!今回はメルシーが頑張るぞ☆」
UC発動
主は竜眼号内に退避

10師団
主のいる竜眼号の護衛

残り
海にどっぼーん
「「ひゃっはー☆」」

必要数が吸血されて存在を補足

【念動力・弾幕・属性攻撃・迷彩・スナイパー】
光水属性を幼女達と竜眼号でに付与
光学迷彩で存在隠蔽
後は念動光弾や衝撃弾の弾幕で蹂躙して迎撃
…此奴ら調理したら食えるかな?
「やめようよご主人サマ!ちゃんと美味しいのあるから!」(ふるふる
後は連続斬撃で蹂躙




「ちっ……くそっ……」
「ご主人サマ大丈夫…?」
「……何……問題ねぇ……」
 一つ大きな戦いをしてきたかのようなカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)と相棒のメルシーだが、実際ある意味マジでそうだ。
 ――先日、カシムは己の過去と向き合うような、否、拒絶しあうような、まさに宿縁ともいえるだろう戦いをしてきた。その時にメンタルについた傷はそうそう癒えるものじゃなく、今日背負ったまま来てるのだ。休めよ。重傷状態での依頼梯子は後が面倒だぞ!(そんな機能ありません)
 ちなみにどんな傷かと言うと……
「か、家族と……奴らを僕は兄弟と思ってるのか……!?」
 カシムの言うこの辺りから察してください。多分書く機会はまた今度になる。今回の主題じゃない。
「……ご主人サマ! 今は休んでて! 今回はメルシーが頑張るぞ☆」
 ほら主を竜眼号に押し込んでメルシーが前に出ようとしてるし。健気なんだけど嫌な予感がするな?
「ご主人サマには指一本触れさせないゾ!」
「今こそ|賢者の石《メルクリウス》の真価を見せるとき!」
「ついでに護りきったらご主人サマとアレコレできるしね!」
 こいつらは竜眼号を守るために残ったコード製メルシー師団なんだが数体邪な考えを持つ奴がいるな? あ、こいつらは主題じゃないのでいったんフェードアウトです。
「そんなー!」

 というわけで本題の海です。と、その前に。
「つくづく周りから見えないなんて損している。美少女に話しかけても気づいてもらえないじゃないか」
 今まさに海に入ろうとしている琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)に触れておきましょう。
「嗚呼、それでは僕が目立ってしまう。故に」
「「ひゃっはー☆」」
「……」
 れにの傍から何師団ものメルシーが次々とダイブしているわけですが。これにはれにも冷や汗を隠しきれない。
「……んん。やぁ、そこのお嬢さん。この海の中のオブリビオンはそんなに勢いよく入ると」
 どぼどぼどぼーん。
「ごっめーん☆ ご主人サマ以外の男に興味はないの!」
「……」
 この表情である。はいここでれにの称号に注目。男装の麗少女と書いてある。
 そう、れには実は女である。精神的には男というか王子様なんだけど、それでもなんか複雑な気分だ。
「……まいったな、僕は水泳技能は得意じゃない。彼女たちが羨ましいよ」
 こんなんでもとりあえず女は褒めるのが彼のポリシーだ。
「じゃあ僕は上から行かせてもらおうか。敵に飛ばれないように抑える役目を買おう」
 ざばざばざばと海面をかき分けるように――おかげで綺麗な服は水浸しで張り付いて色々はっきりしてしまうし時折溺れそうにもなるが――移動し、岩礁に足をつければ、コードによる血の雨を降らす。こいつ見た目の癖にやることえげつないな?
「そう? これは本来味方を回復する技だ」
 マジ?
「ああ。無論敵も然りだが……皆を吸血するよりは僕の雨でお腹いっぱいになりなよ。そこまで容量もなさそうだ。綺麗な赤色もつくだろう?」
 確かに、雨を受けたムスムス達は赤く染まり青い海をレッドオーシャンにしていく。風で飛ぶ程度の軽さ故雨の勢いと重みがあれば空中に出ようとしてるムスムス達を水面に戻すのはたやすい。一方、光は雨で屈折させたところでその雨の魔力を吸収するのもあり弱めることはできないようだが。
 ではメルシー達の方はどうか?
 雨の影響もあり吸血された数はそこまで多くはなかった。メルシーに血があるのかという話はさておき……
 存在さえ捕捉されればあとは念動光弾や衝撃弾といった弾幕がうなる! 一部が逃げようとするが空に逃げれば雨に押し戻され、奥や脇に逃げれば数押しのメルシーに連続斬撃で駆除される!
 色がついたが最後、彼女らから逃げるすべはなし!
「トドメは他に任せたよ」
 れには血の雨の中劇の台詞のように海面で呟く。
 その期待通りの働きをメルシー達はしてくれていた。さながら劇のキャストのように――

 ……という風景をモニター越しに見ている竜眼号。あ、今光学迷彩で外からは見えないです。
「……此奴ら調理したら食えるかな?」
 と、疲れてそうなカシムが呟けば、
「やめようよご主人サマ! ちゃんと美味しいのあるから!」
 とメルシーがふるふるしながら慌てていた。メルシーがこうなるって相当だぞわかるかカシム?
「じゃああの女の子を」
「ご主人サマ?」
 れににターゲットを定めようとしたカシムにメルシーが慌てて迫る。その後のカシムを知る者はいない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ノア・クレムリィ
 透明かつ機動性も高い、おまけに群体。何とも厄介な敵です。しかし、我々の傍には常に海がありました。戦場が海中であるならば、害虫相手に遅れは取りませんとも。

 小型ボンベをくわえて水面へ飛び込んだら、【UC:軍龍戦術】(SPD)を発動。〈降霊〉〈召喚術〉で野郎共も呼びましょう。息継ぎの必要ない彼らは〈深海適応〉も容易、〈水中戦〉では頼りになります。舵輪を水中へ放り、纏う魔力で敵を〈おびき寄せ〉、食いついたところに爆雷を〈一斉発射〉し片づけます。

 奴らに気をとられて意識していませんでしたが、本当に綺麗な海ですね。酸素の許す限り、もう少しだけ。

(水着着用/生身参戦/アドリブ等々大歓迎)




「透明かつ機動性も高い、おまけに群体。何とも厄介な敵です。
 しかし、我々の傍には常に海がありました。この|元第一竜騎兵連隊長《リヴァイアサン》、戦場が海中であるならば、害虫相手に遅れは取りませんとも」
 元海賊で連邦竜騎兵だったノア・クレムリィ(海駆ける鋼鉄の竜騎兵・f30572)が言うと言葉の説得力が違う。
「では」
 ノアは小型ボンベを口にくわえて……えっ?
「行くぞ!」
 そのまま海に飛び込んだー!? 槍を口にくわえるとかじゃないんだよそれ!? 使い方それであってるの!?

 ノアが水中に飛び込んだと同時に彼女はコードを発動する。
「来い、野郎ども!」
「お頭ー、おれたちゃ海賊であっても海の中ってのは流石に」
「うだうだ言うんじゃない! タマついてるのか! 喋る酸素あるなら攻撃に使え!」
 わーお完全に女海賊の頃が戻っているよノア。
 彼女が呼んだのはコードで召喚した海賊兵士たち。何分幽霊なので息継ぎが必要ない――のを彼女はどうも有効利用しているフシがあるが――ので深海への適応性は抜群だ。
 だがこれだけでは手数が増えただけ。ムスムス達をどうおびき寄せる?
 と、ノアが一つ舵輪を手に抱えた。それは彼女のお守り、海賊のシンボル。海賊たちの霊魂を呼び、力を借りることができるもの。ぎゅっと女の子らしさを込めて祈るように握ると、それを水中へめがけて放り出した!
「お頭――それは!」
「あるものはすべて利用するのが海賊――いや、猟兵だ! ほら、見てみるがいい」
 その言葉通りか、徐々に舵輪にムスムス達が集まって霊魂を集める魔力を吸収すれば白く輝いていくではないか!
「包囲しろ。1体も逃がすな」
「へい!」
 その言葉に海賊兵士たちがムスムス達を360度包囲する。空中も埋め、ムスムス達の退路は絶たれる!
 それを見計らったかのように響くノアの声。
「我ら海龍、相手が何であろうと屠ってみせよう!
 連邦国営造兵廠製 RX-RGC300 対潜投擲爆雷《モーニングスター》、用意!」
 その声に海賊兵士たちも爆雷を構える。ノアのはオリジナル版で複数の爆雷を括り付けたものだが海賊兵士たちの持つのは個人携行の榴弾タイプだ。
「撃てー!」
 号令と共に舵輪に集まったムスムス達に爆雷が一斉発射された! 爆発と共に容赦なく駆逐されていくムスムス達! 反撃を試みるムスムス達もいたがなにせ幽霊、吸血もできなければ毒も流せない! 水中に響く振動がおさまったころには、もうムスムス達の姿は見えずきれいな海が戻っていた。いや、多少爆雷の跡はあるがそれはそれだ。

 ――こうして、水中の害虫駆除はなされ、巨大化オブリビオンの脅威はなくなった。
「……奴らに気をとられて意識していませんでしたが、本当に綺麗な海ですね」
 それはノアが海賊だった頃からずっと、家族のように海と過ごしたからこそ感じる事か――手の内のお守りたる海龍軍団の舵輪を再び握りしめる。
「……酸素の許す限り、もう少しだけ」
 ただ綺麗になった静かな海を、ノアは酸素ボンベを加えながらゆっくりと楽しんでいた。
 ……まるで、母国に帰ったかのように、家族に再開したかのように――

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年09月13日


挿絵イラスト